レポートインタビュー、記者会見、舞台挨拶、キャンペーンのレポートをお届けします。

2013年3月アーカイブ


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『舟を編む』松田龍平、宮﨑あおい舞台挨拶

(2013年3月26日(火)大阪ステーションシティシネマにて)
登壇者:松田龍平、宮﨑あおい

(2013年 日本 2時間13分)
原作:三浦しをん『舟を編む』(光文社刊)
監督:石井裕也
出演:松田龍平、宮﨑あおい、オダギリジョー、黒木華、渡辺美佐子、池脇千鶴、鶴見辰吾、伊佐山ひろ子、八千草薫、小林薫、加藤剛

2013年4月13日(土)~丸の内ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、ほか全国ロードショー

★作品紹介⇒ こちら
★公式サイト⇒ http://fune-amu.com/

© 2013「舟を編む」製作委員会


 

funeamu-2.jpg 昨年の本屋大賞第1位に輝いた三浦しをんの小説を石井裕也監督が映画化した話題作『舟を編む』(松竹、アスミックエース配給)の有料上映会が26日夜、大阪ステーションシネマで行われ、主演の松田龍平と妻役の宮崎あおいが舞台あいさつした。

 松田は営業部で変人と持て余されている名前も馬締(まじめ)で、老学者(加藤剛)に見込まれて新しい辞書「大渡海」作りに情熱を傾ける青年役。宮崎は青年の下宿先の孫娘で板前修業中の香具矢役。どちらも一風変わった若者ながら、自分の居場所を見つけてともに人生を編んでいく。


 

funeamu-s2.jpg――― 最初のご挨拶
松田龍平:こんなにたくさんの方に来て頂いてありがとうございます。ボクも大好きな映画なので楽しんでいただけるんじゃないでしょうか?
宮﨑あおい:ありがとうございます。「緊張する」と言ってましたが、緊張してませんね。

―――素敵な映画ですね。 
松田:見てもらえましたか。どこらへんが面白かったですか?
―――馬締さんのキャラですね。

松田:馬締は本のオタクで言葉はたくさん知ってるけど気持ちを人に伝えられない。そんな男が辞書を作るというのが面白い。セットが良くて、本がいっぱいあって、その中に机があって、雑多な感じがよかった。

funeamu-s3.jpg―――宮﨑さんは板前見習い中?
宮﨑:ええ、板前修業中です。撮影前に包丁の扱い方は練習しました。長い包丁を使って、こんにゃくを刺身に見立てて…。楽しかった。

―――撮影中の料理はまずいものですが、おいしかったですか?
松田:実際に作ったのはフードコーディネーターの方ですが、ものすごくおいしかった。
宮﨑:うんうん、カットがかかってからも食べていました。

―――上映前なので詳しくは聞けないんですが、おふたりは何度も共演してますけど、夫婦役は初めてですか?
松田:ええ、初めて。
 

funeamu-6.jpg―――香具矢と結婚するまでの感情の表現が難しかったのでは?
松田:すごく難しかったんですが、まじめは分かりやすく好きになっていく感じが伝わったんでは? 香具矢が好きになってくるのは分かりやすかった。

宮﨑:あんなに(セットを)きちんと作って頂いて、嘘を感じさせない。汚しもあり本もたくさん。あの素晴らしい空間でお芝居させていただきました。
 

――― 映画見たら辞書を引きたくなります。語釈とか例文とかは辞書によって違っていて、これを作った人はどんな人生を歩んで来たのだろうか、って想像がふくらむんじゃないですか?
松田:ボクも知らない世界なんで面白かった。ボクも辞書引きました。「国境」を引いてみたら、辞書によって言葉の解釈が違っている。途方もない作業だったことが分かりました。

funeamu-5.jpg―――おふたりは何度も大阪には来てますが、大阪の印象はどうですか?
松田:面白かったらちゃんと笑ってくれる、正直なイメージがある。だからこそプレッシャーを感じることも。
宮﨑:勝手に(大阪で)ワクワクしてます。お客さんを前にして、ハッピーなものを勝手にもらって帰っています。

―――最後に一言。
宮﨑:先日、お客さんと一緒に見たんですが、映画館で映画を共有できるのは特別な時間ですね。クスッと洗える場面も散りばめられていますので。見た後、辞書引いてみてください。 
松田:その通り。映画見に来ていただいてうれしい。楽しんでもらえたらいいですね。ありがとう。

(安永 五郎)

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『ベルヴィル・トーキョー』エリーズ・ジラール監督インタビュー

(原題:BELLEVILLE TOKTO)
(2011年 フランス 1時間15分)
監督:エリーズ・ジラール\
出演:ヴァレリー・ドンセッリ、ジェレミー・エルカイム

★東京:渋谷シアター・イメージフォーラム⇒2013年3月30日~5月10日
『フレンチ・フィーメイル・ニューウェイブ』上映スケジュール⇒http://mermaidfilms.co.jp/ffnw/schedule.html

★大阪:梅田ガーデンシネマ⇒2013年4月20日田ガーデンシネマサイト⇒ http://www.kadokawa-gardencinema.jp/umeda/
『フレンチ・フィーメイル・ニューウェイブ』公式サイト⇒ http://mermaidfilms.co.jp/ffnw/

★5月16日(土)~京都みなみ会館にて公開

(C)Paolo Woods


 

~男の嘘を見抜く時、女は空っぽの心と決別する~

 

bel-2.jpg 妊娠を機に心が離れてしまった夫と別れを決意するまでの妻の心の軌跡を描いた『ベルヴィル・トーキョー』。冒頭、「他に好きな女がいる」と言い放った夫ジュリアンを駅のホームで悲痛な表情で見つめる妻マリー。夫婦という親密な時を過ごした2人の関係が破綻した瞬間である。その後男は心を入れ替え、「僕も父親になりたい」と言って女の元に戻るが、次第に大きくなるお腹と共に募る夫への不信感。愛が失せたと実感する瞬間、瞬間を細やかに捉えた映像は、グレイッシュな冬の光がマリーの孤独を際立たせるように美しく映えて秀逸。

 主演は、昨年公開の『私たちの宣戦布告』で、自らの体験を基に、子供の難病に向き合った夫婦をスタイリッシュでパワフルに描いたヴァレリー・ドンセッリとジェレミー・エルカイム。元夫婦ということで、これ以上はないキャスティングである。監督は、“シネフィル”を尊重するエリーズ・ジラール監督。本作が長編デビュー作となる。


 

 bel-s1.jpgお花見にはまだ遠い春の嵐が吹き荒れる3月半ば、キャンペーンのため来日したエリーズ・ジラール監督は、初来日ということもあって京都観光の前に来阪し、インタビューに応えてくれた。折り紙で鶴を折ってくれる11歳の息子がいるという。主演のヴァレリー・ドンセッリとジェレミー・エルカイムの息子と同じ歳だ。監督自身が妊娠している時もシングルだったそうだが、この映画の主人公マリーとは違って、「愛の決別」という切羽詰まった状況ではなかったという。それにしても、妻の元から逃げるように心が離れてしまう夫の様子が、マリーの目を通して実感できる、ある意味怖い映画である。


 

――― 劇中『イノセント』が使われているが、ルキノ・ヴィスコンティは好き?
大好き! 彼のエレガントな世界観で描かれる人間ドラマが好きです。

――― 『イノセント』には子供を殺すシーンがあったが、夫ジュリアンが意図的に選んだのか?
それほどはっきりと意図したものではないが、彼は子供は要らないという気持ちであることを表現したかったのです。

bel-4.jpg――― マリーがジュリアンとの決別を決意するまでを描いているが、マリーの心の変化をポイントポイントで表現したシーンが素晴らしかった。特にバス停のシーンとか、ベルヴィルで彼を発見するシーンとか。これらは経験から?
それらのシーンは、映画が持っている大きな特質だと思って下さい。何を描くか、その意図が濃密に集約しているのが映画のシーン作りだからです。だらだらと流れる日常を集約すると、こうしたシーンが生まれたのです。映画が成功するかどうかは、場面にメリハリを付けることが大事です。転換シーン毎に濃密なシーンを表現することが映画の基本だと考えています。

――― 監督と女優としての視点の違いは?母親としての仕事のやり方に違いは?
監督としても女優としてもビジョンの違いはそうは無いように思います。自分が母親になって何が変わったかというと、まず時間効率を考えるようになりました。子育てはとても時間がかかるので、以前より物事をダイナミックに効率良く動くことを考えるようになりました。

――― ヴァレリーさんも子供のスケジュールに合わせて仕事をするようになったと仰ってましたが?
私自身も子供の時間割に合わせて自分の仕事を調整するようになりました。以前は、シナリオを書くにしてもインスピレーションが浮かんだらいつでも書くというようなライフスタイルでしたが、今では子供が8時半に学校へ行くので、8時45分からシナリオを書く、という時間割を決めています。その分エネルギッシュになってきて、子供に時間をとられる分、どこかで時間調節しなければならないので、効率的になってきました。

bel-3.jpg――― 映画館の事務所で、マリーがふて腐れて悪態ついているシーンがとても面白かったが、あのシーンは笑いを狙っていたのか?またその理由は?
あのシーンは笑ってもらおうと考えいてました。悲劇的なシリアスドラマであっても「笑い」という味付けがあってもいいと思います。電話が鳴っても誰も出ない。あのぶっきら棒な態度がいい。従順な人より、そうでない人の方が好きなんですよ(笑)。

――― 曇り空などの光の具合がとても美しいと思ったが…デジタル化についてどう思う?
撮影監督がレナート・ベルタという世界でもベストテンに入るような人で、最も信頼できるキャメラマンです。初めてデジタルを取り入れた人でもありますが、彼が撮るデジタル映像は素晴らしく、私自身はデジタルは大嫌いですが、彼の映像は大好きなんです。フランスではもうフィルム上映できる映画館がないので、仕方なくデジタルを使用しています。デジタル映像は完璧すぎて、画像としての魅力に欠けます。フィルム映像はデジタルとは比較にならない程素晴らしいと思っています。

bel-s2.jpg――― 衣裳・カラーについて?
最初は衣裳係に依頼して揃えてもらったのですが、実際には現場で私が選んでいました。主人公マリーにはあまり目立つような恰好は合わないと思ったので、衣装だけが浮いて目立つようなことはしたくなかったのです。そこで、主人公マリーの心情とヴァレリーとの統一感を出すために、ヴァレリーと私のワードローブの中から選んで着たものもあります。エレガントでちょっとファッショナブルな感覚が出せたらいいなと思ってそうしました。


 

 桜色のスカーフをプレゼントしたら、早速首に巻いて、ニコニコしてインタビューに応えてくれたエリーズ・ジラール監督。そのキュートなイメージとは違って、表面的なスタイルより、「何を描くか」という本質を踏まえた、厳しい映像作りをしている。無駄なものを削ぎ落としたような人物像は、心情を端的に捉えて分かりやすい。シンプルな造形の中にも、彼女ならではのこだわりの映像美学が見て取れる作品となっている。パリはカルチェラタンにある名画座系映画館で働いていた経験もあり、とにかく世界中の映画をよく見ている映画ツウでもある。

(河田 真喜子)

majo-s500.jpgアカデミー賞
®ノミネート作品 『魔女と呼ばれた少女』
連続トークイベント「私が見たコンゴとその希望」


① 3/22(金) 18:25 の回上映前
渡部陽一氏 [戦場カメラマン] + リサ・シャノン氏 [国際NGO 代表]
@シネマート新宿SCREEN2 (新宿区新宿3-13-3 新宿文化ビル7F)


 

公開中の映画『魔女と呼ばれた少女』のトークイベントに、戦場カメラマンの渡部陽一氏が登場。アメリカから来日中の国際NPO 代表でジャーナリスト、リサ・シャノン氏とともに、映画の舞台となったコンゴ民主共和国での実体験を語った。

majo-1.jpg映画は、12 歳で拉致され反政府軍の兵士にされた少女が、過酷な現実を生きながらも未来への希望を掴む感動作で、ベルリン国際映画祭では主人公を演じたラシェル・ムワンザがアフリカ女性として初の主演女優賞を受賞、アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされ話題を呼んだ。

渡部氏は、学生時代に旅をしたアフリカ、ルワンダ紛争の只中で見た子供たちの涙に衝撃を受け、言葉でなく写真で現実を日本に伝えようと戦場カメラマンを志したというエピソードを披露。ルワンダ紛争が飛び火した隣国コンゴ(94 年当時はザイール)を訪れた経験から「この映画は、ドキュメンタリーの味わいを感じるほどリアル。主演の少女をはじめ、出演者はみな現地で私が出会った人々のようです」と、映画の魅力を紹介。中央アジアやアフリカで今なお続く戦場に言及しながら、「この映画には、戦争の犠牲者は、いつも子供たちだというメッセージが込められています」と締めくくった。

シャノン氏は、コンゴの女性を支援するチャリティ・ラン活動についてまとめた著書『私は、走ることに決めた』(英治出版刊)から、家族と片足を奪われたひとりの女性の物語を紹介し、「映画の主人公の少女のように、彼女らは決して希望を失わない。一人の人間ができることは大きい、ということを覚えておいてください」と訴えた。

来週3/28(木)には鈴木宗男氏、ムルアカ氏を迎え、コンゴをめぐるトークイベントの第2 弾が開催される。

映画『魔女と呼ばれた少女』は、上映中のシネマート心斎橋に続き、3/30(土)~千葉劇場、4/6(土)~名演小劇場、4 月下旬~第七藝術劇場ほか全国順次公開される。

★作品紹介はこちら

 



【渡部陽一 プロフィール】 戦場カメラマン。
1972 年生まれ。大学在学中にアフリカ・コンゴ民主共和国キンサシャへ旅行へ行くが、ルワンダ紛争で混迷を極めていた当時、子ども兵士に身ぐるみをはがされ、そのまま帰国。家族や友人にその事件を話すも、子どもが兵士という事実がまだ一般的ではなかったため、信じてもらえなかったことから、戦場カメラマンを志す。
【リサ・シャノン プロフィール】 国際NGO 代表、ジャーナリスト。
取材で訪れたコンゴ民主共和国の窮状を救いたいと、チャリティ・ラン(募金目的のマラソン大会)運動を広める。この運動は全米に広まり、一年間で1 億ドルを超える募金が集まった。その顛末を書いた「私は、走ろうと決めた」は、日本でも出版され、イベント後の3/24(日)にはさいたまマラソンに参加予定。


『魔女と呼ばれた少女』 原題: R E B E L L E ( W A R W I T C H )
監督・脚本:キム・グエン 出演:ラシェル・ムワンザ、セルジュ・カニンダほか 2012 年/カナダ映画/90 分/デジタル作品 [R-15]
提供・配給:彩プロ 後援:ケベック州政府在日事務所 協賛:英治出版 © 2012 Productions KOMONA inc.

 

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『コドモ警察』福田雄一監督合同記者会見

 

(2013年) 日本 1時間41分)
監督:福田雄一

出演:鈴木福、勝地涼、マリウス葉(Sexy Zone)、本田望結、吉瀬美智子、鏑木海智、青木勁都、秋元黎、相澤侑我、竜跳、上地春奈、本田力、北乃きい、山本裕典(友情出演)、神尾佑、鈴木亮平、宍戸開、小野寺昭 他

2013年3月20日(水・祝)~TOHOシネマズ梅田 他全国ロードショー

公式サイト⇒ http://kodomokeisatsu.com/
© 2013映画「コドモ警察」製作委員会


 

~“舌っ足らず”の福くんに負けない!? 福田監督の爆笑トーク!~

 

 石原裕次郎ばりにブランデーグラス片手にキザなセリフを連発するデカ長に扮した、舌っ足らずが可愛い鈴木福くん(8歳)の映画初主演作。

 悪の組織レッドヴィーナスが開発した特殊ガスによって子供にされてしまった神奈川県警特殊捜査課のエリート刑事たちは、形(なり)は子供でも中身は大人。言うこと為すこと生意気なガキの集団にしか見えないが、刑事としては優秀そのもの。ただ、時々、完全に子供の世界に陥ることがあるのがネック。新たに赴任してきた国光(勝地涼)が、大人にしかできないことをこなす。“新人”とこき使われる様が可笑しい。

 まるで“名探偵コナン”が沢山いるみたいだが、デカ長をはじめ、マイコやナベさんやブルなど、懐かしい刑事ドラマで活躍したキャラクターと重なり、刑事ドラマパロディー決定版としても大いに楽しめる。コドモ刑事たちレギュラー陣に加え、スペシャルゲストとして、北乃きい、山本裕典、小野寺昭などが参加し、大人に戻れない刑事たちを翻弄する。



本作の監督を務めた福田雄一監督に、本作の魅力や製作現場について大いに語ってもらった。

 

コドモ警察-s1.jpg――― 基本になったドラマは?
『西部警察』『太陽にほえろ!』『あぶない刑事』をグルグル混ぜたものです。

――― 子供たちは刑事ドラマを見たのか?
見せてないです。福くんだけには見てくれるように言ったら、オリジナルではなく、ものまねタレントの“ゆうたろう”の方を見ていた(笑)。“ゆうたろう”さんの真似は凄く巧いですよ、ブランデーグラスの持ち方とか…(笑)。まあハズレじゃないからいいか!と(笑)。

――― 潔いまでのドラマ性の無さは?
サスペンスをヘビーにしても得がない。別に謎解きしてほしい訳でもなく、笑いに集中するには出来るだけシンプルにしたかった。でも、大人が持つ哀愁滲む人間性を子供が演じるとギャップがあって面白いなと。途中から普通の刑事ドラマの形式にして、全部子供がやっているという方が興味を持たれると思いました。 

――― 子供が大人を演じることで、逆に子供らしさが強調された?
わざと言い辛い言葉を使って、ドラマの最初からその舌足らずを狙いました。特に、福くんは「神が与えた舌足らず」だと思ってるんですが、言えるかどうかの瀬戸際が可愛くて堪んないですね! いつまでああいう感じでいてくれるか心配です。ドラマから映画の撮影まで6か月あったんですが、福くんの滑舌が良くなってたらどうしよう?と心配していたら相変わらずで「良かった~!」と(笑)。親御さんや事務所の方は福くんの滑舌の悪さを心配していましたが、僕はそれが狙い通りでとっても嬉しかったですね。

コドモ警察-s2.jpg――― 川で遊ぶシーンでは?
「素手で魚を捕まえたいという野望すら抱きつつある」なんて大人でも言わないセリフをわざと入れて(笑)、川の音が入って録音は使えなかったので、アフレコで言い直してもらったら、スラスラと言っちゃって――「演出家としてここは譲れない」と福くんにわざわざタドタドしく言い直してもらいました。福くんはどっちでも言えるんだ…凄~い!と思いました(笑)。

――― キャスティングについて?
子役っぽくないことが絶対条件。子役ブームで、「大人顔負けの~」というのに疑問を持っていました。子供は子供らしさが一番だと思うので、「子役に対する挑戦状!」でもあります。初めて福くんに会った時、ホント無邪気で子供そのものでした。福くんのご両親が偉いなと思うのは、学校へちゃんと行かせて、友達と遊ぶという健全な子供として育てていることです。また、デカ部屋にひとりちゃんとセリフ言える子が必要だったのですが、そんなのいないだろう?と思っていたら、ナベさんこと鏑木海智を事務所さんが100%の自信を持って推薦してくれました。他の子供2人が喋ったらナベさん、というローテーションでいくと、全体が引き締まって、さすが100%の自信!と(笑)。

コドモ警察-s3.jpg――― スマートを預かる武藤夫婦の強烈なキャラについて?
あれはウチの夫婦がモデルです(笑)。特に、母親役は、言葉が乱暴で、モコモコのフリース上下を着ている恰好まで同じなんです。息子も「うわァ、ウチのママだ!」と言っていました(笑)。この作品については、珍しく妻も褒めてくれました。

――― 子供たちからもアイデアを?
福くんからよくアイデアをもらいました。例えば、「デカ長がデスクでメモってるつもりが、実は落書してた!」とか、「ついついガチャガチャしに行っちゃって、全然止められない!」とか。形(なり)は子供だけれど大人なんで、お金はいっぱい持っていてガンガン行っちゃう!みたいな感じで(笑)。既に、Part.2に向けてのアイデアはできています。

kodomo-1.jpg――― 現場での子供たちの様子は?
生活のサイクルが違うので大変でした。子供は制御するということを知らないので、休みなく遊んで、その内にバテてきちゃう。そんな時、「あと何カット撮ったらご飯だから、頑張ろうね!」と(笑)。さらに、夜7時になると眠くなるんですよ! 特にイノさんこと青木勁都は食べることへの執着は半端じゃないし、眠くなるのも早いんです。眠くなった顔で芝居をするんで、「もうちょっと起きてようね~」と励ますんですが、気が付くと寝てるんですよ(笑)。「はい、起きて!」と起こすと、今起きました!という顔で芝居するんです(笑)。勝地君がずっと子供たちと遊んでくれてましたね。ご飯も一緒に食べて、凄いですよ、彼は! とにかく、僕と勝地君は完全になめられてましたね。初対面の時から、この監督はなめていい大人だと思われていましたよ、きっと!(笑)

kodomo-2.jpg――― エナメルは?
エナメルこと相澤侑我は、1回も敬語を使ったことがない!ずっとタメ語でした。僕がモニター覗いてると、「あのさー」と肩に手をかけてくるんです。「てめぇこの野郎!」(笑)。恐縮する親御さんに、「楽しいのでタメ語でいいんですよ。注意しないで下さいね。」と。「でも、他の現場では気を付けて下さいね」と言いましたが(笑)。

――― 望結(みゆ)ちゃんは?
ドラマの時はまだ子供っぽかったんですが、映画では急に色っぽくなっちゃって、驚いてるんです。

――― お笑いは子供の頃から?
小学生の頃から「お楽しみ会」のトリを譲ったことがない!(笑)。5~6人のメンバーを集めてコントをやっていました。先生からも次第に期待値が上がっていきましたね(笑)。

――― テレビっ子だった?
父親の影響で小さい頃からテレビっ子でした。『ザ・ドリフターズ』と『オレたちひょうきん族』がかぶった時には、どっちも見たくて、当時まだ高価だったビデオデッキを父親が買って来たくらいです。

――― 大阪の笑いは?
僕は栃木県出身でして、大阪に来ると「田舎もん」とバカにされているような気がして、死ぬほど緊張します(笑)。舞台で来ることが多いのですが、大阪の人は笑いに厳しいので怖いです。

――― 客の反応は違う?
大阪の方はよく笑ってくれます。しかも、笑いの作法をよくわきまえておられ、芝居のリズムが壊れなくて済む。笑うタイミングと笑う時間をよく分かっておられるようです。鋭角な笑いと言いましょうか、東京とは違いますね(笑)。


 

 本編もさることながら、“爆笑メイキングフィルム”でも見ているかのような面白さで語ってくれた福田雄一監督。福くんをはじめとする出演した子供たちを、心底可愛いと思っている様子がよくうかがえた。誰よりも子供らしい可愛らしさを知り、それを笑いのセンスで活かせるノウハウを持っておられるようだ。あの“舌っ足らずの福くん”の可愛らしさにハマること間違いなし!

(河田 真喜子)

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『藁の楯 わらのたて』完成披露試写会舞台挨拶レポート

(2013年3月15日(金)梅田ブルク7にて)

登壇者:大沢たかお、三池崇史監督

 

WARA NO TATE (2013年 日本 2時間05分)
原作:木内一裕「藁の楯」(講談社文庫刊)
監督:三池崇史
出演:大沢たかお、松嶋菜々子、岸谷五朗、伊武雅刀、永山絢斗、余貴美子、 藤原竜也、 山﨑努

2013年04月26日(金)~新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ 他全国ロードショー

★作品紹介こちら
★大沢たかお・藤原竜也 舞台挨拶(4/16)⇒ こちら
★公式サイト⇒ www.waranotate.jp

 
©木内一裕/講談社 ©2013映画「藁の楯」製作委員会


 

~SP大沢たかおvsモンスター藤原竜也、正義を貫くサバイバル~

 

wara-s1.jpg 今日本で最も多忙を極める三池崇史監督。時代劇やハードアクションがあるかと思えばアニメの実写版があったり、果てまたミュージカルやスプラッターものがあったり、多種多様な世界を映画化して楽しませてくれる。スピーディで迫力ある映像に魅了される映画ファンも多いと思うが、業界内、とりわけ俳優陣の信頼が厚く、出演希望者も多いという。今回の大沢たかおとの初タッグは、ファンならずとも待望のコラボレーションとなった。
 

wara-1.jpg 昨年の『終の信託』での有無を言わさぬ検事役に続き、今年の『ストロベリーナイト』では竹内結子扮する刑事相手に情熱を秘めたクールさで魅了していた大沢たかお。本作でも、「いい人、優しい人」というソフトイメージを払拭した毅然とした男らしさで情感をぶつける演技に、スケールアップした新たな大沢たかおの魅力を堪能することができる。
 

 

wara-2.jpg 今回は、残忍な殺人鬼を護送するという使命を課せられたSPを、松嶋菜々子と共に演じている。松嶋奈々子は、射撃・格闘術・語学堪能、あらゆる面で男性より勝るというSPを、ぼさぼさ頭にすっぴんといういでたちで挑んでいる。TVドラマ『家政婦のミタ』同様、淡々と使命を遂行する姿は、彼女の長身が活かされ、実にカッコいい! 一方、残忍な犯罪者を演じた藤原竜也もまた不気味さを漂わせている。大沢たかおとは対称的な役柄を、ストイックなまでに自分を追い込んだ演技で、その存在感だけで恐怖を感じさせるほどだ。

 映画化は不可能とされてきた原作を、名古屋市の絶大な協力と、台湾まで行って撮った新幹線のシーンなど、不可能に挑戦し続けた結果完成した本作。大沢たかおという今最も注目を集める俳優をさらにグレードアップさせた三池組。その成果は、スクリーンをはみ出すほどの迫力と強烈な個性を発揮した俳優陣の熱演にも現れている。是非映画館でお楽しみ頂きたい。


 

 4月26日(金)の公開を前に、劇場関係者だけの業務試写が行われ、そこに2日間で日本全国を回る弾丸キャンペーンの一環で、大沢たかおと三池崇史監督が来阪し、舞台挨拶を行った。

 

wara-s2.jpg――― 最初のご挨拶を。
大沢:本日は映画を見て頂いてどうもありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
三池:今日はありがとうございます。もう見てもらった後なので、ウソも言えないしどうすりゃいいんだ!?(笑) 去年の夏、自分たちの限界を超えて一所懸命作った映画なので、一人でも多くの人に見てもらいたいと思います。どうかお力添えをお願いいたします。

――― 昨年の夏1か月半に渡り、名古屋や台湾などで撮影されましたが、印象に残ったことは?
大沢:全て印象に残っているのですが、とにかく暑かった! ひとつひとつのシーンで、普段の汗をそのまま映像に乗せて、個人的な感情や状況がすべてリンクしているような感じでした。
 wara-s4.jpg三池:長く映画製作をしていると、この原作を読んでも映画化は無理だろうと考えるのが普通。「高速道路は止められないし、新幹線貸してくれないし、まあ無理でしょうね」と。そのために私鉄に変えたり、高速道路に入る前に事件が起き、一般道路に逃げる道など、“撮影の常識”に対する挑戦状でした。そこから逃げる訳にいかないので、原作に忠実にやろうと思って台湾まで行って撮影しました。行く先々で撮影が困難を極める中いろんな人の協力を得て、何とかここまで来れたこと自体が印象的です。

――― キャラクター作りの演出プランを立てるのに、原作から意識したことは?
三池:そもそも原作はハードボイル。SPがとんでもない怪物のような犯罪者を守るという。これを映画化するにあたって、生身の人間が演じるわけですから、SPだって家庭があったり、個人の事情や年齢やコンディションもあり、仕事としてそれを貫こうとしている。犯罪者の方も悪魔ではなく、誰しも自分の子供には自分の個性を大事に好きなように生きろと願うように、たまたまそういう趣向があっただけかもしれない。ルールとしての法律と人間としての欠陥があることをそれぞれに背負ってもらって、ハードボイルとしてではなく、人間ドラマになればと思ったのです。

wara-s6.jpg――― 主人公の銘苅(めかり)をどのように考えて演じたのですか?
大沢:基本的には、SPをただのスーパーヒーローではなく、実際のSPの所作で、マインドを持つ人間を演じようと思いました。現場にSPの方に入ってもらって、監修してもらいながら、細かく丁寧に演じることができました。

――― 松嶋さんとの共演は?
大沢:なりふり構わず、男の中で対等で居たというか、変に気を遣うこともなく、いい意味で男性的でとても仕事をしやすい素晴らしい女優さんでした。
三池:大体女優さんは大物になると、スタッフとしては気を遣うのですが・・・「暑い」、「まだかしら」、「こんな衣裳なの?」とかね(笑)。でも、そのような距離感が大女優として輝くためには必要なことなんです。それを松嶋さんは超越して、今回SPということでノーメークに近かったので、どんな風に映っているか気になるはずですが、撮影が終わってもモニターを覗くこともしなかったですね。

 

wara-s7.jpg――― 強烈にどぎつい清丸役の藤原竜也さんについては?
三池:彼はそもそもそういう感じの人(笑)。TVや映画などでいい人を演じているけど、清丸を演じるために生まれてきたような人なんです(笑)。それは冗談ですが、彼の中にも人との違いを強烈にアピールすると社会から排除されるという感覚を持っている。役者はいろんな役を演じる訳だから、毎日自分に正直に問いかけているので、彼なりにきちんと清丸像を創り上げていました。それは原作とは少し違うのですが、犯罪のシーンがないので清丸の異常な残忍性は藤原君の存在感だけで示す必要があったのです。普段とは違う現場を楽しんでいました。

――― 藤原さんとは初共演でしたが?
大沢:凄く役に集中していて、それでいて嫌味がなく、いつも綺麗な空気が流れているようでした。でも芝居になるとスッと清丸役に入れる。同じ作品を作る同志として信頼できるし、一緒に仕事ができてとても楽しかったです。

wara-s5.jpg――― 去年『終の信託』では検事役を、今回SP役ということで、法治国家日本の正義を象徴するような存在感のある演技でしたが、特に意識したことはありますか?今回は射撃シーンが多く、上腕部を鍛えられたとか?
大沢:射撃シーンがあるから上腕部を鍛えるということはなかったです(笑)。でもSPの所作とか、銃を構えたり撃ったりするのが浮き足立って変になってはいけないと考えていました。それは松嶋さんも同じですが、拳銃を抜いてから構えて戻すまでというのを、家でも練習していました。何回繰り返しても難しいんですよ。ハードボイルだからといって特に意識することはなかったですね。後は監督に任せていました。現場に入っただけで異常な緊迫感があり、それだけで自然と役に入っていけましたね。
 

wara-s3.jpg――― 三池監督、大沢さん、お互いの印象は?
大沢:僕たち俳優の中で三池監督はとても有名で、殆どの人が一緒に仕事をしたいと思い、さらに再度仕事したいと思えるような方です。僕はそういう経験を味わえずに俳優人生を送ってきて、今回この作品が初めてなので、どういう人かよく分からず、写真で見る限り目つきが怖いなと。でもお会いして、監督としてと言うより、人として魅力的な方だなと思いました。現場はこんなにも楽しいものかと、映画を作っていることをこんなにも楽しませてくれるのかと感心しました。撮影は大変だったのですが、誰も嫌な顔をせず、愚痴もこぼさず、全員が同じ方向を向いているのが素晴らしかった。そういう空気を作っている監督って、ホント凄い人なんだなと思いました。言葉でも説明できるし、自ら演じて表現されるし、とても助かりました。迷った時には、表情の雰囲気も作って示して下さり、それを参考にして演じることができました。毎日新しい発見があり、ドキドキしました。

wara-s8.jpg三池:大沢さんは、このように言ってくれる優しい人です(笑)。自分の内面に厳しい人ですが、周りに余計なプレッシャーを与えてしまうのでそれを全く見せない。ずっと自分を押し殺して、ある一瞬で爆発させることがあっても、一歩引いて、役者としての自分を冷静に見ている目がある。普通はのめり込むと客観的に見られなくなって自己完結してしまうが、いろんな現場でいろんな監督と経験を積んだ人しか持てない視点を持っている人だなと思った。僕自身びっくりすることが何度かありました。

――― 最後のご挨拶を。
大沢:これからキャンペーンで全国を回りますが、すでに作品は皆さんのものになっています。皆さんのお力をお借りして、ひとりでも多くの方に見て頂きたいと思っています。どうかよろしくお願いいたします。
三池:同じです(笑)。スタッフ・キャストがひとつになって作り上げました。普段やれないことや諦めていたことを何とか作り上げた作品ですので、これが興行的に成功すれば、これからの日本映画を変えていける力になると思います。どうかよろしくお願いいたします。



wara-s9.jpg いつもだったら、三池節炸裂トークに爆笑して終了するところだが、今回は少し違う雰囲気だった。今回の舞台挨拶ではプレス記者からの質問も可能で、大沢たかおさんにひとつ質問をしてみたら、目を見て丁寧に答えてくれた。その目力(めぢから)に耐え切れず、途中何度か下を向いてはメモするフリをしてしまった。質問した本人は勿論だが、その様子があまりにも美しくて、その場にいた女性陣の心を捉えたことは言うまでもない。『ストロベリーナイト』で竹内結子と初めて出会うシーンを彷彿とさせる息をのむほどの魅力に、皆が酔いしれた。

(河田 真喜子)

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『ジャンゴ 繋がれざる者』レオナルド・ディカプリオ舞台挨拶

《概要》
日 程:3月2日(土)
会 場:丸の内ピカデリー1(千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン9F
登壇者:レオナルド・ディカプリオ 

 《マスコミ》
ムービー:10
スチール:50
観客:580名 満員御礼!

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《イベントの模様》

(ディカプリをが登場すると会場は大きな声援に包まれました!!!)

『ジャンゴ 繋がれざる者』は昨日 日本で初日を迎え、全国で大ヒットとなり今日は二日目なんですが、満員御礼のお客様にご来場頂きました。噂によるとこのチケットは販売してからあっと言う間の4時間に売り切れたそうです!まずはご挨拶を。
レオ:今日は来てくれてありがとう。日本が本当に大好きで、いつも戻ってくるのをとっても楽しみにしています。
(スチールカメラのフラッシュが止まると。)
みんなの顔がやっと見えたよ。(手を振り、会場も大盛り上がり!)

Django-3.jpg・ディカプリオさんの初の悪役ということで話題沸騰ですが、これから映画をご覧頂く皆様に、簡単にあなたの役どころを教えていただけますか?
レオ:今回の作品は監督の前作『イングロリアス・バスターズ』でもそうでしたが、アメリカの過去に遡って歴史を切り取り、独自の解釈を加えタランティーノ・スタイルを与えています。僕は『イングロリアス・バスターズ』の大ファンなんです。彼は作家としてとても優れていて、素晴らしいキャラクターを書くんです。この大胆な脚本が駆け巡ったとき、ハリウッドは震撼しました。アメリカの歴史上、暗黒の醜い時代を描く、こんな大胆なことができるのはタランティーノしかいないと思います。ハリウッドのスタジオシステムではなかなか生まれない、ユニークで素晴らしい監督だからこそできた作品。ながらこそぜひとも出たいと思ったんです。
今回の作品では黒人のヒーローを主人公に据えて、私の演じる役は醜い悪役。南北戦争直前の道徳的腐敗を凝縮したようなキャンディは、当時の農園主を象徴していて、芯から腐っているんです。今まで見た中で最悪の役柄だと思いますよ。

 ・このカルビン・キャンディーという悪役をやるにあたり、誰か参考にした人などいますか? また、役作りにおいて苦労した点などありますか?
レオ:ふたりの人物を参考にさせてもらいました。一人は『トゥルー・ロマンス』のゲイリー・オールドマン。ドレッドヘアの白人麻薬密売人です。2人目は『トゥームストーン』のバル・キルマー、ドク・ホリデイですね。キャラクターもですし、南部がかったしゃべり方も参考にさせてもらいました。
              

Django-b2.jpg・今まで数々の名監督と一緒にお仕事をされてきてますよね。ジェームズ・キャメロン監督、マーティン・スコセッシ監督、クリント・イーストウッド監督、スティーブン・スピルバーグ監督。お名前をあげればきりがないのですが今回は タランティーノ監督との初仕事、いかがでしたか?
レオ:ユニークで素晴らしい監督です。タランティーノは監督であると同時に脚本家でもあるので、いろいろとディスカッションすることができました。僕がアイディアを言うと、彼が書き出してくれるんです。そのひとつにカルビンがやっていることを正当化させるために骨相学を提案したんだけれど、1週間後には2ページにも渡る長いモノローグが出来上がっていました。非常に素晴らしいシーンで、こういう人と仕事できるのは本当に嬉しい。偉大な監督です。映画は最終的には監督のもので、みなさんを引き込むのは監督という、船で言うとキャプテン。最高のキャプテンたちと仕事をしたいといつも思っています。

・最後になりますが、つい先日、あなたが休業なさる・・という驚きのニュースが伝わってきましたが、ここにいらっしゃる皆さんも、日本全国のあなたのファンの皆さんも大変気になっています! 本当にお休みなさるのでしょうか? 
     

レオ:何か発言して、それが印刷されてしまうと全く違う意味にとられてしまうことがよくあります。2年間で3本の作品に出演しました。『華麗なるギャッツビー』『ジャンゴ 繋がれざる者』そして『ウォール街の狼』。どれもすごくエキサイティングなプロジェクトだったけれど、とっても疲れたんだ。ちょっと休憩したいなと記者に伝えたところ、引退するという話になってしまいました。なんでちょっとだけ休憩させてください^^

 ・最後に
レオ:みなさん今日は楽しんでください。きっと喜んでいただけると思います。

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『ジャンゴ 繋がれざる者』レオナルド・ディカプリオ緊急来日記者会見

《概要》
日 程:3月2日(土)
会 場:東京ミッドタウン ホールA(港区赤坂9-7ミッドタウン・イーストB1F
登壇者:レオナルド・ディカプリオ 

 

《マスコミ》
ムービー:20
スチール:60
記者:200

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《イベントの模様》
クエンティン・タランティーノ監督初の西部劇にしてラブ・ストーリー=『ジャンゴ 繋がれざる者』。今週日本時間の25日(月)に発表されたアカデミー賞で、脚本賞(クエンティン・タランティーノ)、助演男優賞(クリストフ・ヴァルツ)の2部門に輝いた本作ですが、アメリカでは昨年1225日に公開、タランティーノの前作『イングロリアス・バスターズ』の記録を超えるタランティーノ史上最大のヒットとなりました。そして、日本では昨日31日に公開され、大ヒットを予感させる好スタートを切っています。日本でのそんな大ヒッもちろん『レザボア・ドックス』以降20年来のタランティーノファンからの支持はもちろんですが、今回初の悪役に挑戦したこの方の熱演を観たいというファンも数多く劇場に駆けつけてくれたからです。それでは、さっそくお呼びいたしましょう。レオナルド・ディカプリオさんです!

 

・日本のファンへ一言ご挨拶を
レオ:日本に戻れて嬉しいです。日本が大好きです!

Django-4.jpg・あなたが演じたカルビン・キャンディは、あなたにとって初の本格的悪役であることはもちろん、ハリウッド映画史上でも類を見ない芯からの悪人です。このような役、しかも主役ではない役を自分からやりたいと言ったと聞きましたが、どう興味もって、出演を決心されたのか、その経緯を教えてください。
レオ:僕は常に革新的な仕事をしている監督と仕事をしたいと思っている。だからタランティーノとはずっと仕事がしたいと思っていたんだ。たとえどんな役柄でも。タランティーノとは過去に何度か話す機会があったけれど、この作品は南北戦争直前の、アメリカ人が触れたくない時代を描いている。脇役といっても南部の腐敗の象徴のようなキャラクターで、社会的な影響も含めて、色んな側面を描いているんだ。そしてタランティーノはまるで脚本から飛び出してくるようなキャラクターを書いている。ハリウッドでこの脚本が回ったとき、とにかくみんなショックを受けた。こんなの読んだことない!ってね。ぜひともその一部になりたいと思ったし、これはアメリカが過去に振り返って鏡を覗くような大事なプロジェクトだと思ったんだ。

・タランティーノ監督のアカデミー脚本賞おめでとうございます。本当に強烈なキャラクターとディカプリオさん始め彼らが放つセリフに圧倒されました。あなたが初めて脚本を読んだときのことと、タランティーノ監督との初仕事がどんなものだったかお聞かせください。
レオ:タランティーノは監督であると同時に脚本家でもある。カルビン・キャンディというキャラクターに対してどういう方向付けにするのか色々とやりたいことが生まれてきて、彼には早いタイミングでアイディア出しをしたんだけれど、それに対して信じられない程素晴らしいモノローグをたった数日間で書き上げてくれたんだ。スティーブンという黒人に育てられているにも関わらず、彼らを人間として扱わない。カルビンは当時の環境や時代の産物とも言える嫌な奴だけれど、何か正当化する理由がないといけないと思って、そこで「骨相学」提案したよ。無知なのにえせ科学者のように物を言う、2ページに及ぶモノローグだったけれど、あれはタランティーノが天才である証だね。

Django-k2.jpg・骨相学のシーンで実際に怪我をしたと聞きました。撮影中大変だったエピソードは?
レオ:自慢をしているように思われたくないのだけれど・・・質問をされたので言います。先ほど話した2ページほどのモノローグという長いシーンは23日かかったのだけれど、他のキャラクター達を威嚇するためにテーブルをバンバンたたいていたんだ。するとあるときシェリーグラスの上に手が当たって柄の部分が手に刺さってしまったです。そのとき思ったのは、まず第一に「痛い」、そして次に「このシーンを使ってもらえたら最高だなぁ」。そのまま演技は続けたから、柄の部分が手に入ったままで、テーブルも血に染まっていって、ジェイミー(・フォックス)の顔は「ええー」となっているし、タランティーノもレンズから目を離して大丈夫かなとちらちらと見ていたよ。後で数針縫わなければいけなかったけれど、実際に使われたんだ。ある意味俳優としてはハッピーだったね。血だらけの手でブルームヒルダの顔を触るという画が撮れたし、後には包帯を巻くということもリアルに出来たしね。

・ナイスガイなディカプリオさんですが、この悪役を演じる上でどのように役と向き合った?
レオ:この役は非常に酷い、憎むべき人物だ。今まで演じたどのキャラクターより忌むべき人物だね。だからこそやりたいというのが半分。それからここまで大胆不敵な人物だと人の気持ちを考えなくても良いし、自己陶酔してその時の勘で自由に演じられるから、ある意味開放感を感じるんだ。そういう意味では楽しかったよ。よく俳優は一番楽しい役柄は悪人と言うけれど、そういう理由ですよね。

・今回の来日でやりたいことは?
レオ:京都には5回行っているんだけれど、日本に来るのは本当に楽しみ。以前両親を連れて行ったんだけど、とにかく大好きな街で、両親は僕のことを寺院マニアと呼んでいるよ。ガイドがヘトヘトになるくらい、一日に5箇所くらい寺院に行くんだ。日本の文化が大好きで、もう中毒のようなものだね。京都のような古い街に行くと映画の中に入ってタイムスリップしたような気持ちになるんだ。現実世界とは完全に離れて、そういう気持ちになれるのはすごく楽しいね。

・『リンカーン』への出演を迷っていたダニエル・デイ=ルイスの背中を押したのはあなただと伺いました。俳優同士にはそういった関係があるものかと思うのですが、あなたにも仕事を選ぶ上で頼りにしている友達はいらっしゃいますか?
レオ:俳優同士でのそういった会話は確かにありますね。ダニエルには・・・これを話すとマーティン・ルーサーキングかと言われると思うけれど、、、ある夢を見たんです。「あそこにリンカーンがいると思って近づくと・・・ダニエルだった。見るととても役に入りきっているから声をかけないほうがいいな、と思いそもまま僕は去った」という内容の。その夢を見たことを彼に話してそれがきっかけになっているようなんだけど、だから誰かが演じるのならば彼しかいないと思うし、そのために生まれてきたといっても良い人だと思う。僕は芸能界で育ってきたので相談できる友達はたくさんいます。トビー・マグウワイアもその一人。それに夢とかちょっとした昼寝をきっかけに行動することも多いんです。『ウォール街の狼』もスコセッシと映画を撮っている夢をみて、それを彼に話したところ本当に演じることになりました。

・好きな悪役は?
レオ:いっぱいいますね。うーーん。。選ぶのは難しいな。参考にしたのは『トゥルー・ロマンス』のゲイリー・オールドマン、『トゥームストーン』のバル・キルマーのふたり。今まで観てきたいろんな悪役を凝縮したのがキャンディかもしれない。好きな悪役は・・・あまりにも多すぎて難しいけれど、一人挙げるとするならば『羊たちの沈黙』のアンソニー・ホプキンスかな。でも彼はある意味ヒーローだね。

・休業されることが話題になっていますが、今後はどのように活動されるのでしょう?
レオ:ちょっとしたことを言っただけなのに、印刷されると時に違う意味にとられてしまうことがあります。あのとき僕が言ったのは、2年間で3本出演したのでちょっと休憩するというつもりだったんだ。大好きな俳優業をやめるつもりは全くないよ。休んでいる間は、情熱を注いでいる環境問題や慈善事業をやっていきたいと思っています。象牙のための象の乱獲を止められるよう、政府に象牙の売買をやめさせるよう訴えたり、自分が貢献できることならやりたいと思っているよ。トラブルにならないで、良い意味で時間を使える自分にとっても良い時間の過ごし方なんだ。みなさんもぜひ興味をもってくれたら嬉しいです。

 

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