レポートインタビュー、記者会見、舞台挨拶、キャンペーンのレポートをお届けします。

2015年1月アーカイブ

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『ミュータント・タートルズ』公開記念特別イベントレポート


ナニワのミュータント・タートルズ参上!?
試合後の錦織圭も駆けつけた!?壁ドンならぬ“亀ドン”も炸裂!?
仲良し芸人4人組が今話題の演出で大盛り上がり!

ラマウントピクチャーズジャパン配給、映画『ミュータント・タートルズ』が2月7日(土)より、いよいよ全国公開となります。何十年にも渡り幅広い年齢層のファンを魅了し続けているカメたちを、最先端のVFX技術により実写映画化した今作。公開を前に、大阪・梅田で公開を記念した特別イベントが実施されました。


 ■日時:1月26日(月) 18:30~ ■会場:梅田ブルク7

■ゲスト:ジャルジャル(後藤淳平、福徳秀介)、スマイル(瀬戸洋祐、ウーイェイよしたか)


 
紹介され勢いよく飛び出したゲストの4人。それぞれがミュータント・タートルズのキャラクターに扮し登場した。「思ったより動きやすいですね~(瀬戸)」「できればこの衣装ほしいですよね!(後藤)」「今年のハロウィンはこれで決まりやなー(ウーイェイ)」など、クオリティの高い衣装に驚きながら感想を述べていた。

キャラクターに合わせた武器を持っていたゲストだが、なぜかミケランジェロ役のウーイェイよしたかだけ、その手にはテニスのラケットが・・・それを見た相方の瀬戸が「お前ミケランジェロちゃうな!?」と疑問を投げかけると「こんにちは、錦織圭です。」と顔が似ているとよく言われるテニスプレイヤーの自己紹介をして、観客は大きな笑いに包まれていた。

それに負けじと会場の観客たちは4色の色のついたアイマスクを装着。会場中がまさに「タートルズ」に染まり、フォトセッションを行った。
 


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上映後に再び登場したゲストの4人。「あんなカッコいい亀観た後、こんなひ弱な4人で恥ずかしいです(瀬戸)」と観客を笑わすと、ウーイェイは「本当に大迫力で、雪のシーンが自分もはよ滑りたいなと思うくらい楽しかったです」とその明るいキャラクターにピッタリの楽しいシーンの感想を述べていた。吹替版で上映した今回の試写会だが、事前に字幕版でも鑑賞していたジャルジャルは「先生の呼び方がね“スウェンセイィ”って言うんですけど、それがめちゃくちゃカッコいいんですよ!ぜひ字幕版でもぜひみなさんに観てほしいですね!」と字幕での鑑賞を観客に勧めていた。

 

myutant-bu-2.jpgイベントではTwitterで試写会の意気込みと感想を募集し、上映前に募集したツィートをゲストに選んでもらい、当選者にプレゼントが渡される演出が実施されたが、そのプレゼントとは今流行りの壁ドンならぬ「亀ドン」。スクリーンに文字が表示された途端、すぐに壁ドンと結びついたのか、会場からは大きな拍手が起こり「ヤバイヤバイ」「羨ましい!」と言った声が聞こえるほど。ジャルジャルが選んだ女性はジャルジャルファンで何と千葉からこの試写会のために夜行バスで大阪まで来たとのこと。憧れのジャルジャルの福徳から亀ドンされ「イケメンすぎてヤバイです!」と喜びを爆発させていた。好き放題トークを繰り広げた4人だが、最後はレオナルドに扮した瀬戸が「みなさん面白かったでしょ?2/7公開ですし、今Twitterの力って凄いんで、ホンマ面白かったって言うのを発信してリツィートでどんどん世間に広めて行って下さい!」と映画のレオナルドさながらにみんなの意見をまとめ、観客に宣伝をお願いし、大盛況のイベントは終了した。


世界42カ国No.1大ヒット!
『トランスフォーマー』シリーズの"破壊王"マイケル・ベイが贈る
<カメ>で<ニンジャ>なヤツらの超絶アクション・アドベンチャー!!


Introduction
myutant-2.jpg『トランスフォーマー』の<破壊王>マイケル・ベイによるド派手×ド迫力×ド肝を抜く超絶アクション・アドベンチャー!
タートルズの勇気と絆に想定外の泣き笑いの大感動!クセになる面白さ!
80年代に誕生して以降、アニメ、ゲームと様々なエンターテイメントを席巻し、世界中で一大ブームを巻き起こしたミュータント・タートルズ。世代を越えていまもなお愛され続けているタートルズが最先端のVFXで本格的な実写映画化が実現、4人のタートルズがニューヒーローとして生まれ変わった!正義感が強くマジメなリーダーのレオナルド、お調子者でムードメーカーのミケランジェロ、ワイルドな特攻隊長のラファエロ、ITメカオタクの頭脳派ドナテロ。彼らの魅力であるコミカルなキャラクターはそのままに、アクの強い個性が強烈にパワーアップ!さらにヴィジュアルも大胆にリニューアル、インパクト絶大なキモカッコよさは、一度見たらハマること間違いなし!製作を務めるのは、『トランスフォーマー』シリーズで爆発的ヒットを記録し続けているマイケル・ベイ。驚愕の映像技術と、破壊王の名を誇るダイナミックなアクションセンスを本作にも惜しげなく投入した。ド派手×ド迫力×ド肝を抜く超絶アクションシーン!ノンストップの大乱闘に大興奮するうちに、やがてこみ上げてくるのは、予感もしなかった大感動!正義、勇気、知性、情熱で結ばれた、<カメ>で<ニンジャ>な4人の兄弟たちの固い絆に、日本中が熱狂する!2015年を最高に楽しくするエンターテイメント超大作が完成した。

myutant-3.jpgStory
甲羅より固い絆で結ばれた4人のタートルズは、ニューヨーク最大の危機を救えるのか?
ニューヨークは、犯罪と暴力で壊滅的な危機にあった。平和と正義を取り戻すため、市民は本当のヒーローの出現を待ち望んでいた。そんなとき、悪の手から人々を守る何者かが現れた。夜の闇に巧みに隠れて、その正体はわからないヒーローたち。チャンネル6のTVレポーター、エイプリル(ミーガン・フォックス)はある夜、闇のヒーローの大スクープ写真をカメラに収めることに成功。ヒーローの正体はなんと4人のカメ(=タートルズ)だった!タートルズのパワーを利用しようとする犯罪組織の企み。タートルズの出生の謎と衝撃の真実のカギを握るエイプリル。そんな中、ニューヨークを壊滅させる恐るべき計画が進行していく――


【予想外の感動が待ち受ける!  『ミュータント・タートルズ』のポイント】
驚:ド迫力アクションの連続!臨場感満点の映像に驚く!
アクションの天才であるマイケル・ベイが製作しているだけに、雪山でのバトルやチェイスシーンは度肝を抜くスケール感と迫力!!

泣:兄弟愛・友情・師弟愛、たくさんの絆に泣く!
幼少期から一緒に育ったタートルズは、その絆も強力。仲間がピンチの時は自分を犠牲にする覚悟もある。さらに、師匠やエイプリルとの間にもドラマチックな展開があり、油断していると涙腺を刺激される!?

謎:エイプリルだけが知っている!?タートルズ誕生の秘密が明らかに!?
彼らが何故、世界を救う隠れたヒーローになったのか?出生の謎と衝撃の真実のカギはエイプリルだけが握っていた。本作では、TVレポーターのエイプリル役をミーガン・フォックスが熱演!

(プレスリリースより)


『ミュータント・タートルズ』

製作:マイケル・ベイ(『トランスフォーマー』シリーズ)  
監督:ジョナサン・リーベスマン(『タイタンの逆襲』、『世界侵略:ロサンゼルス決戦』)
脚本:ジョシュ・アッペルバウム&アンドレ・ネメック(『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』) 
原作:ケビン・イーストマン&ピーター・レアード
出演:ミーガン・フォックス、ウィル・アーネット、ウィリアム・フィクトナー、ウーピー・ゴールドバーグ
全米公開:88日 原題:Teenage Mutant Ninja Turtles
公式サイト⇒ 
www.TURTLES-movie.jp

2015年2月7日(土)より、3D/2D全国ロードショー!!

 

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『劇場版 神戸在住』初日舞台挨拶@2015.1.17 テアトル梅田
登壇者:白羽弥仁監督、藤本泉、浦浜アリサ、松永渚、柳田小百合
 

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阪神・淡路大震災から20年の節目となる年に、地元テレビ局サンテレビジョンによって制作された『劇場版 神戸在住』。兵庫県出身の白羽弥仁監督が、東京からかつて震災があった街にやってきた女子大生の目線で、神戸やそこに住む人々を描いた青春物語を温かく描いている。
 
まさに20年を迎えた2015年1月17日に公開初日を迎え、テアトル梅田では上映後は白羽弥仁監督、藤本泉(辰木桂役)、浦浜アリサ(泉海洋子役)、松永渚(鈴木タカ美役)、柳田小百合(金城和歌子役)が登壇。立ち見が出る満席の観客を前に、感動の面持ちで最初の挨拶が行われた。
 

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劇中では東京から大学のため神戸に引っ越してきた桂が、学友たちの関西弁のノリについていけず戸惑うシーンも見られる。埼玉出身の藤本が「現場では少しボケると3人からツッコまれ、これが関西パワーかと思った。監督をはじめ、スタッフも関西の方が多く、元気でパワフル。楽しく撮影ができた」と答えると、浦浜は「(藤本は)ボケ、ツッコミのコンビネーションにはまだ馴染めていないけれど、ツッコむネタを提供してくれるムードメーカー。白羽監督が4人をご飯に連れて行ってくれ、チームワークは抜群!この中の良さはちょっと異常なぐらい」と賑やかな撮影を振り返った。白羽監督も、「午前中シネ・リーブル神戸での舞台挨拶から全員で車移動する間、1秒たりとも静かな時間がなかった。楽しくやってもらってホッとしている」と本当にキャンパスライフを一緒に過ごしたかのような4人の様子を表現した。
 

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震災を知らない桂が、街の人や被災した親を持つ友人たちと交流しながら、成長していく姿が物語の核となるが、桂の役作りについて藤本は、「桂は人一倍、線が細くて内気な女の子。つらい経験をし、乗り越える成長の過程を見てほしかったので、ブレていないか最後まで気を付けながら演技した」。一方、朝、神戸で行われた追悼の集いに初めて参加した柳田は、「4歳の時に被災したが、記憶にはなかった。(出席して)改めて震災があったことを肌身で実感した」と感想を述べると、同じく今朝参加したという松永は「(追悼の集いの)空気が前向きだと感じた。この作品で、皆さんの思いを伝えられたら」。
 

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川西で被災したという浦浜は「揺れたとき、母が隣のベッドから飛び込んで抱えてくれたことを覚えている。神戸の被災は映像で見るだけで、同じ県なのに他人事だった。この映画に参加して、神戸は復興地なのだと実感した」。また、公開初日が阪神・淡路大震災からちょうど20年の節目と重なったことについて、藤本は「親戚は関西に住んでおり、両親も神戸に十数年住んでいたので、ご縁を感じる。この映画に出演したことで、忘れてはいけない過去の出来事を伝えていくのが、役者である私の仕事と思えるようになった」。
 
 
また、震災のことを作品で前面的に描写していないことについて、自身も灘区で被災したという白羽監督は20年間神戸の変化を肌で感じてきたとしながら、「大変な目に遭った人ほど、震災のことを口に出しては語らない。竹下景子さんや、田中美里さんが演じた役柄も、何が起こったのかを心に秘めて、なかなか話せない。痛みを共有しようという感情にはならないことを映画で表現したかった」とその理由を明かした。
 

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最後に「震災をから復興した神戸の未来に希望が持てるような、明るくて優しい映画。ぜひ多くに人に観てほしい」と結び、会場からは温かい拍手が送られた。映画に参加することで震災のことを改めて考えるきっかけを掴んだ出演者たち同様に、震災のことを改めて振り返り、考えるきっかけを与えてくれる作品。震災から20年経った今の神戸も、ぜひ見てほしい。今日からヒューマントラスト渋谷、テアトル梅田、シネ・リーブル神戸、立誠シネマで公開中だ。※1月31日(土)から神戸映画資料館、シアターセブンで公開。

(江口由美)
 

<作品情報>
『劇場版 神戸在住』(2014年 日本 1時間37分)
監督:白羽弥仁  脚本:安田真奈  
原作:木村紺「神戸在住」(講談社刊)
出演:藤本泉/菅原永二/浦浜アリサ/松永渚/柳田小百合/松尾貴史/田中美里(友情出演)/仁科貴/愛華みれ/竹下景子
公式サイト⇒http://www.is-field.com/kobe-zaiju/
(C) 2014 木村紺・講談社/サンテレビジョン
 
『劇場版 神戸在住』作品レビューはコチラ
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~森川葵と菅田将暉が表現する青春のさすらいと映画愛~

 
『劇場版零~ゼロ~』や宮藤官九郎脚本ドラマ『ごめんね青春!』で見事な存在感をみせた新星森川葵と、『そこのみにて光輝く』、『共喰い』といったシリアスドラマから、ファンタスティックな女装を披露した『海月姫』まで作品ごとに様々な顔を見せて我々を魅了する菅田将暉。この2人だからこそできる独特の空気感を楽しみたいのが、青春ロードムービー『チョコリエッタ』だ。大島真寿美の青春小説『チョコリエッタ』を、風間志織監督が約10年の構想を経て映画化した。作品中には巨匠フェデリコ・フェリーニ監督の『道』が様々な角度から取り上げられ、名画ファンなら思わずニンマリしてしまうようなシーンも盛り込まれている。
 
東日本大震災を経験することで、空想と近未来のリアルが入り混じる物語へ昇華させた風間監督に、主役二人のことや、10年もかけたという制作の経緯、全編に渡ってさりげなく滲む放射能の描写や関西と関東反応の違い、風間監督ご自身の映画原体験についてお話を伺った。
 

■知世子役の森川葵と政宗役の菅田将暉について

―――今、最も旬な二人のキャスティングですが、森川さんが知世子役に選ばれた経緯を教えてください。
原作では知世子がムシャクシャして髪を切って坊主頭になるところから始まるので、坊主頭になってくれる人を探す必要がありました。事務所に「坊主頭にしてくれる女の子はいますか?」と声をかけてオーディションをしたのですが、なかなか人数が集まらず10人ぐらいの中から選考していきました。お会いした中で、森川さんは「この子が知世子だ」と思うような不思議な雰囲気を持っていましたね。他の子は知世子役をするために髪を切ろうとします。「髪の毛切るのは大丈夫です。頑張ります!」という人がほとんどである中、森川さんは「一回坊主にしてみたかったんですよね」という感じで、全く気負いがなかったです。
 

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―――なるほど、オーディションでもかなり独特の雰囲気を放っていたとのことでしたが、撮影中はいかがでしたか?
森川さん演じる知世子が面白いので、そこから映画が出来てきました。最初リハーサルをしたときに「森川さんはできるな」と思っていましたが、そんなにすぐに役作りができるとは思っていなかったのです。森川さんだけ先にリハーサルをしていると、ものの数十分で彼女の中からすっと知世子が出てきたのです。「それだ!」と私が言ってから、すぐに知世子が出来上がっていきました。こんなことがあるのかと思うぐらいの速さですね。森川さんは猫を飼っているのですが、本作では犬の鳴きまねをしなくてはならなくて、最初はうまくできなかったんです。初日は「犬ってどうやって鳴くんですか」と聞いてきましたが、二日目は自分で研究してきたようで、「鳴けますよ」と。
 
 
―――菅田さんのキャスティングはどのような形で実現したのですか?
男の子も同時にオーディションをしたのですが、なかなかいい子が見あたらなかったのですが、キャスティングに関する情報が事務所にも流れるようで、菅田くんの事務所の方から「この期間だったらスケジュールが空いてるけれど」と打診してくれました。
 
 
―――正宗演じる菅田君は知世子を輝かせる役どころですが、見事に受け身の役に徹していました。何か監督から演出されたのですか?
自由にやっていましたね。菅田君はしっかりしていて、自分が違うと思えば「僕は違うと思う」とはっきり言ってくれました。私はそういう役者の方が好きなので、やりとりをしているときは面白かったですね。菅田君が着用していたアロハシャツは、おじいさんの服という設定でビンテージものばかりを集め、その日の気分で菅田君に選んでもらって決めていました。役作りの一環ですね。正宗は結構文語的な言葉を話しますが、それもキャラクター作りに役立ちましたし、菅田君だから違和感なく自然に演じられる。それは非常に大きいと思います。
 
 
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■フェデリコ・フェリーニの名作『道』と『チョコリエッタ』の関係について

―――二人の空想めいた世界が見事にフェリーニの『道』とリンクしていました。
自分の子どもの頃を思い出してみると、辛いときには空想していました。空想の世界が一番居心地が良かった時代が自分にあったので、その感じを知世子と正宗の二人に対しても非常にスムーズに当てはめることができたのでしょう。20歳前の年代の人たちにとって、フェリーニや小人の世界に入っていくことは、ごく自然だと思います。
 
―――風間監督は、若い頃からフェリーニがお好きだったのですか?
フェリーニは好きでしたが、『道』という映画はよく分からなかったというのが正直なところです。ただ、『道』は『チョコリエッタ』には絶対的に必要なので、たくさん使用しています。「『道』にオマージュを捧げる」とよく言われますが、原作に登場するから使用しているのが本当のところで、個人的にはおこがましいと思っています。原作でも「私は、前は死にたいと思っていたわ」という『道』での台詞が出てきますし、(『道』でジェルソミーナを演じた)ジュリエッタ・マシーナから愛犬の名前を取っているので、この物語を語るのに『道』は絶対にはずせません。ただ、本物の映像も音楽も一切使用を許可してもらえなかったので、テレビで『道』を鑑賞しているシーンは合成ではなく、一から作り込んでいきました。きちんと作らないと、それこそフェリーニに申し訳ないですから。名作だからこそ遊んでいいのではないかと思って、まじめに遊びました。
 
―――森川さんと菅田さんは、『道』を観たことがあったのですか?
二人とも最初は『道』のことを全然知りませんでした。『道』製作60周年でブルーレイのニュープリントをイマジカさんが焼いたこともあり、主要な役者さんを集めて試写に行かせてもらいました。今回高校生役の子たちは全員観ています。森川さんは「私、全然分からなかったです。でも知世子って分からなくていいんじゃないですか?」といった感想でした。確かに、『道』を好きなのは知世子の両親ですから、知世子自身が理解する必要はありませんよね。 菅田くんは「すごく良かった。俺、昔女の子にザンパノみたいなことをしたことがある」と言っていました。
 

■『チョコリエッタ』映画化のきっかけと、大きな影響を与えた東日本大震災/原発事故について

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―――10年近くの構想を経て作られたそうですが、『チョコリエッタ』を映画化しようとしたきっかけや、それだけ時間がかかった理由についてお聞かせください。
原作に惚れ込んだ知り合いのプロデューサーから、この作品を映画化しようという話が出たのは2007年~2008年頃です。原作者の大島真寿美さんと私は偶然知り合いで、大島さんが『それでも彼女は歩き続ける』という映画監督が主人公の作品の取材で私に声をかけてくださり、取材がひと段落したときに「『チョコリエッタ』を映画化したいという話があるのだけど、監督が決まっていないのよね」「それって私じゃないの?」「この作品は風間さんよね」ということで映画化に向けてのプロジェクトが始まったのです。そこからすぐに脚本を書き始め、資金集めを始めたのですが、なかなか思うように集まらず、企画をしばらく寝かせておくことになりました。
 
―――企画を寝かせていた間に東日本大震災が起きた訳ですが、作品を見ているとその影響が色濃く感じられます。
震災が起こったときに最初は自分の子どもを守ることを考えはじめていました。ただ時間が経つにつれて、日本が変な方向に来ている気がして、「おかしいな、これは。全てを隠そうとしている」と思うようになりました。東京には確実に放射能が降っているのに、そんなことを微塵も感じさせないようなふりをしている。福島の人を政府の人たちが誰も守ろうとしないことがすごく気持ち悪かったのです。でも、これは昔からあることがはっきり見えてきただけで、ずっとこのような世界であることが震災後はっきり分かっただけなのだと悟りました。そこで映画を撮る人間として何を撮るのかと考えたときに、『チョコリエッタ』のことをふと思い出したのです。『チョコリエッタ』は若い少年少女が自分の中で感じていたぐちゃぐちゃした悩みや憤りを、映画を撮ることで解消していくというお話です。これからの子どもの未来は私たちが子どもの頃より見たくない、辛いものになる可能性がある中で、そういう辛いものや若者の憤りを3.11以降の時代に置き換えてもすんなりくるのではないか。それが自分の中でカチッと合わさった感じで、脚本を書き直し、絶対に撮ると決めて動いていきました。
 

■『チョコリエッタ』に対する関東と関西の反応の違いについて

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―――教室の後ろに置かれた生徒の遺影がある風景や、寂れた商店街など、福島をどこか感じさせるような表現がいたるところに見られますが、本作の時代設定は?
2010年夏の原爆事故が起こる前から物語は始まります。それから11年後、千代子が高校生になった2021年のお話で、少し近未来ですね。このままではどこで地震が起こっても原発が爆発する可能性があるわけです。前から指摘されていたし、さらに実際に事故が起こっても何も変えようとしないですよね。福島とは限定しないけれど、放射能のイメージをちりばめていますし、近未来の設定にしたのも「どこでもありうる」という意味が込められています。
 
―――政治的な方向で表現するのではなく、映像に凝るところから入っていますね。
政治的なことを匂わせはしようと思って、周りに配置していますが、それに関しては一言も言わずに感じさせるということをやりたかったのです。今の世の中って、そんな感じですよね。どれだけ不安はあっても、普段は何も言わないで暮らしている。そういう人多いから、匂わせる表現で分かってもらえるかと思ったのです。
 
―――東京のマスコミから、放射能の描写に関する質問は来ましたか?
全くこないです。大阪の記者の方は皆放射能に関する部分を聞いてくるので、とても健全だなと(笑)。東京国際映画祭のQ&Aでも、1日目に司会者との話でも、なぜ撮ろうとしたのかと聞かれ「3.11があったのでどうしても撮らなければならないという思いがありました」と答えると、「ああ、そうですか」でさらっと終わってしまいました。2日目にようやく客席から(放射能に関する)質問があったのですが、「こんな場所でこんなことを聞いていいか分からないのですが、この表現は放射能を表しているんですよね」と。質問してはいけないことだと皆が自己規制しているのかと思い、ビックリした覚えがあります。言わない方が逆にリアルだと思い、映画で雰囲気だけ映し出そうと思ったのですが、それすら言及しないぐらい東京はひどい状況だったのだと、大阪に来てようやく気づきました。分かりやすく表現したつもりなのに誰も質問しないので、「こんなに分かりにくい映画を撮ったのか」と実は悩んでいたのですが、大阪では普通に皆が質問してくれたのでホッとしました。
 

■風間監督が高校時代の映画にまつわる原体験について

―――風間監督ご自身は、知世子ぐらいの年頃の時にどんな映画を観ていたのですか?
フェデリコ・フェリーニ、鈴木清順、スタンリー・キューブリックに最初の衝撃を受けました。フェリーニは『サテリコン』というローマの貴族が酒池肉林するようなメチャクチャ狂った作品、鈴木清順さんは白黒の『殺しの烙印』、そしてキューブリックの『時計じかけのオレンジ』。映画ってなんだか分からないけれどすごい!という言葉では言い表せられない衝撃ですよね。
 
―――高校時代から映画を撮り始めたのですか?
クラスの文化祭の出し物用で、劇をするぐらいなら映画にしないかと提案したのが最初でした。ある女の子が白血病になったと同時に未来が見える能力を持ってしまうという設定で、今を楽しむしかないと学校をムチャクチャにして死ぬというストーリーでした(『お楽しみは悲劇から』)。ただ学校をムチャクチャにするくだりで、台本にたばこを吸ってお酒を飲むと書いていたら、先生にチェックを入れられてしまうし、家で編集作業を頑張ったために学校を休んだりしたため呼び出され、文化祭での上映は却下されてしまったのです。結局クローズドで上映を許可されたところ、最終的には文化祭での上映も許可されたことを今思い出しました。意識はしていなかったけれど、そういう自分の経験があったからこそ、『チョコリエッタ』を撮ったのだと思います。
 

■「だって映画は永遠だから」

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―――映画研究会のメンバーが作った短編アニメの中のセリフ「だって映画は永遠だから」。そして知世子が自宅で途中からフェリーニ作品を見ようとしたときに父親が言ったセリフ「初めてはもっと大事なものだ」。どちらも非常に印象的でした。
この2つのセリフは、原作にあったもので、一言も変えていません。原作の中に入っている言葉は、変える必要のないものはそのままやりたいし、そういう日本語で自然に演じたてもらいたいという意図で作っています。「だって映画は永遠だから」は小説『チョコリエッタ』で絶対に言わせなければいけないセリフです。そこが良かったと言ってもらえるのは、とてもうれしいですね。
 
―――風間監督ご自身も「映画は永遠だ」という気持ちで、撮っているのですか?
私はそうでもないですよ(笑)「永遠だったらいいな」ぐらいの気持ちですね。高校生の子が「映画は永遠だ」と信じていることがいいのだと思います。私自身はそこまで純粋でもないし、「フィルムもなくなるし、どうするんだ」という気持ちが強いです。フィルム時代は永遠に保存されるのかもしれませんが、これからデジタル化していくとデータを書き換え続けなければいけないので、永遠かどうかはこれから実証されていくでしょうね。
(江口由美)
 

<作品情報>
『チョコリエッタ』
(2014年 日本 2時間39分)
監督:風間志織
原作:大島真寿美『チョコリエッタ』角川文庫
出演:森川葵、菅田将暉、市川実和子、村上淳、須藤温子、渋川清彦、宮川一朗太、中村敦夫
2015年1月17日(土)~新宿武蔵野館、1月31日(土)~テアトル梅田、2月以降、元町映画館、京都シネマ他全国順次公開
©寿々福堂/アン・エンタテインメント
※第27回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門出品作品
※第39回香港国際映画祭正式出品
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~安藤サクラが全身全霊を注ぐ!時価百円の女“一子”のイタくて痛いパワフル再生劇~

 
伝説の映画俳優、松田優作の出身地である山口県で毎年開催されている「周南『絆』映画祭」。2012年に創設された脚本賞の松田優作賞において栄えあるグランプリに輝いた『百円の恋』を、『イン・ザ・ヒーロー』の武正晴監督が映画化した。オーディションによりヒロイン一子役を射止めた安藤サクラ、一子が恋するボクサー狩野役の新井浩文をはじめ、個性豊かなキャストたちが揃い、笑いを交えながら人間の可笑しさや弱さ、そして強さを描き出す。
 
32歳で実家に引きこもり、だらけきった生活を送っているヒロイン一子。百円ショップでアルバイトをし、一人暮らしを始め、ボクサーに恋をし・・・と気が付けば自分がボクシングを始めているのだから、「人間は気持ち次第でいつでも変われる」と大いに勇気づけられる。ジャージ姿から脇腹のはみだした贅肉が目を引く自堕落な一子や、引き締まった身体、獣のような鋭い目で一心不乱にパンチを繰り出す一子を、安藤サクラが見事に表現。仕事も恋もパッとしない、イタイだけの女、一子が、痛いパンチを喰らいながら、人間として大きく成長する。まさにボクシングを通して安藤サクラ=一子が放つ爆発的なエネルギーにノックアウトされそうな、しびれるぐらいカッコいい作品だ。
 
本作で一子を演じた主演の安藤サクラに、一子役に対する思いや、非常に難しかったという役作り、死ぬ気で練習を積んだというボクシング、そして新井浩文との共演についてお話を伺った。
 

■もし一子を演じられるのであれば、自分のやれることは全てやろうと思った。

―――脚本を初めて読んだ時、一子に対してどんな印象を抱きましたか?また、「一子役を演じるのは自分しかいない」と思えるぐらいオーディション段階から役に入り込んでいたのでしょうか。
安藤:とても素敵な脚本だったので、自分以外のキャスティングも頭の中で考えたりしました。どんな人が演じたら面白いのだろうという風に考えてしまうほど、すごく魅力を感じる役で、「この役を絶対に勝ち取ってやる」という気持ちとはまた違いますね。もちろん、やりたいと素直に思いましたし、私自身この映画で一子のように闘ってみたい。また、自分がそのように思える作品のオーディションを受けられることにも幸せを感じました。オーディションを受けるときも、「もし受からなければ、それでもいい」というふっきれた気持ちでした。それは受かる、受からないという次元を超えて、この作品がとても好きだったのです。
 
―――オーディションにはどういう心意気で臨みましたか?
安藤:もし一子を演じられるのであれば、自分のウンコみたいなものを全部出そうと思っていました。私は割と醜い女性の役や、だらしない女性の役を演じることが多く、オファーされる役が偏っていることを、気にした時期もありました。でもオーディションでこの役が決まったら、今まで演じてきただらしなさや醜さを全部出してやろうと思ったのです。逆に「ウンコでも何でも、ケツの穴でも映しやがれ!」というぐらいの気持ちで臨みました。
 

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■この作品に臨んだことは「人生最大のわがまま」

―――見事一子役を射止めてから、どのように役作りをしていったのですか?
安藤:自分のやれることは何でもやろうと思いました。一子は最初すごくだらしがない女です。私はそのだらしない部分に説得力がないとイヤなのです。見た目の説得力があるかないかで、この作品の面白さは違ってくると確信していました。たとえ監督が「いいよ、そこまで汚くならなくても」と言ったとしても、自分がもっとやりたいという気持ちが大きかったです。
 
ボクシングに関しても妥協したくはなかったです。「ウンコも出す」と決めたのだから、どんなに過酷なことでも出来てしまう。この作品で「死ぬ気でやる」という言葉の意味が分かったというぐらい、ボクシングの練習は過酷でした。
 
ただ、難しかったのは身体のコントロールです。ボクサー体型に絞らなければならないし、その一方で前半の一子はできるかぎり太らせたい。その部分は本当に苦労しました。でも撮影を終えて、この作品に臨んだことは「人生最大の幸せなわがままだった」と思いましたね。
 
―――撮影期間はどれぐらいでしたか?
安藤:撮影期間は2週間です。順撮りではなかったですし、下着姿の時は太っていたいので、それまではとにかく食べて太った体型をキープして、下着シーンの撮影が終わり、試合シーンまでの10日間で身体を絞りました。
 
―――一日の中で、太っているシーンと身体を絞り込んだ後のシーンの両方を撮影することがあったそうですね。
安藤:不思議なもので人間の顔つきは、気の持ちようで変わるみたいです。冒頭の一子は全く筋肉を使わないような生活をしていますから、顔の筋肉からはじまって全身の筋肉を全て弛緩させました。次に絞り込んだ後のシーンをいきなり撮るときは、1ラウンドぐらいミットを打ちました。格闘技をすると顔つきが変わりますし、むくみも取れて、それでどうにか乗り切りました。
 

■新井さんと俳優としての妥協しない部分は同じ気持ち。『百円の恋』の武組は、皆一緒に闘ってくれた。

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―――狩野を演じた新井さんとの共演はいかがでしたか?
安藤:身体を絞るという点で、新井さんが一緒だから頑張れた部分は大きいです。新井さんはプロのボクサーと同じメニューを撮影中も続け、身体を絞っていました。撮影の試合の日を本当の試合の日と想定して、水すら一滴も飲まないぐらい過酷なメニューをこなしていたのです。ボクシングを題材にした映画の中でも、なかなか男女2人ともボクサーで、身体を絞るようなケースはないので、私はとても心強かったです。お互い俳優としての妥協しない部分は同じ気持ちだったので、本当に一緒に頑張れたと思います。新井さんと一緒の現場はとても心地よくて、一緒に作品を作っている感じがとても強く、素直な、シンプルな気持ちで居られます。武監督も新井さんも、スケジュールや減量や身体の作り込みなど、肉体的にはきつい現場でしたが、精神的にはとても満たされていて、「なんて幸せな現場だろう」と感じていました。『百円の恋』の武組は、皆で一子のように一緒に闘っていました。
 

■「いつかボクシングと映画を一緒にできたら」中学時代抱いていた憧れに近づく。

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―――安藤さんはボクシング経験があったそうですが、ボクシングをはじめたきっかけは?
安藤:ボクシングがちょっとカッコいいなと思ったのは、中2の頃です。不良になりたくて始めたのですが、すごく真面目にボクシングをやってしまいました。新井さんに最近、「ボクシングをやっているから不良ではなくて、不良が更生するためにボクシングを始めるんだよ。逆だよ」と指摘されて、やっと勘違いに気づきました(笑)。
 
―――中学生でボクシングを始めた頃は、女優になろうと思っていたのですか?
安藤:ボクシングに出会ったときと、映画の現場を初めて経験した時期が同じだったのですが、今回私が『百円の恋』で一子を演じたような職業を女優と呼ぶのであれば、そういうことをしたいと思っていました。肉体的なことを除いても一子という役柄はとても難しかったけれど、周りのキャラクターも本当に素敵で、そこにも惹かれました。ボクシングを始めた頃に、『ガールファイト』というボクシング映画が公開され、自分が熱中しているボクシングと映画が一緒になっているのを観て、いいなと思う反面、少し悔しかったのです。その頃女子でボクシングをしている人がとても少なかったので、それからずっと「いつかボクシングの映画ができたら」ということが頭の中にありました。だから、ここまで一子という役に執着したのでしょう。『百円の恋』に出演したことで、当時抱いていた憧れに近づけた気がします。
 

■ボクシングというスポーツに感謝。「映画だから」「俳優がやる程度だから」と見られないように、プロになるつもりで練習。

―――安藤さんの人生において、ボクシングは映画と同じぐらい大切なのでしょうか?
安藤:私はボクシングというスポーツに感謝しています。私が生きてきた28年間の中のたった1年だけど、ボクシングを習っていたことの影響ってとても大きいんです。だから、ボクシングの関係の方々が「映画だから」「俳優がやる程度だから」と見られないようにと思いました。一子のキャラクター的にはそこまでのレベルは必要なかったかもしれませんし、実際最初の脚本段階ではもっとへなちょこでした。でも、思っていたより、10数年ぶりでも身体がボクシングを覚えていたことで、監督の中でもここまで上手くなればという制限がなくなったようです。上手くなれば上手くなるほどいいという感じでした。自分はプロになるつもりで練習しました。それは過酷なトレーニングでしたが、最終的に本当にプロテストを受けないかというお誘いをいただけたのでホッとしました。少し心は揺らぎましたけれど。
 

■2014年は私にとって節目であり、本当に大切な年になった。

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―――現在公開中の『0.5ミリ』でみせた安藤さんの顔と、『百円の恋』の安藤さんの顔を観ていると、全て出し切った感がありますね。
安藤:『0.5ミリ』は宇宙で一番自分のことをみてきた人(姉・安藤桃子)が監督をしているので、自分が28年間家族の中で見せてきたすべての表情が引っ張り出されています。『百円の恋』は残った肉体とすべての排泄物が出た感じですね。オーディションを受ける前から覚悟を決めていたので、私自身、ボッコボコになりました。両作品とも続けて公開されますし、2014年は私にとって節目であり、大切な年になったと本当に思います。
(江口由美)


<作品情報>
『百円の恋』(2014年 日本 1時間54分)
監督:武正晴 
出演:安藤サクラ、新井浩文、稲川実代子、早織、宇野祥平、坂田聡、根岸季衣他
2015年1月3日(土)~シネ・リーブル梅田、1月17日(土)~元町映画館、京都シネマ他全国順次公開
公式サイト⇒http://100yen-koi.jp/
(C) 2014 東映ビデオ
※「第一回松田優作賞」グランプリ受賞
※第27回東京国際映画祭<日本映画スプラッシュ部門>作品賞受賞