レポートインタビュー、記者会見、舞台挨拶、キャンペーンのレポートをお届けします。

2018年7月アーカイブ

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風に乗って、風鈴のように軽やかな音が流れる中、仲の良い兄弟がたわいないおしゃべりをしている。「初めてブータン映画を見る」という私の気負いはいつの間にか消え失せ、自然とこの兄弟、ゲンボとタシの物語に心を奪われた。ブータン映画で初めて海外配給されるドキュメンタリー映画『ゲンボとタシの夢見るブータン』が、8月18日(土)よりポレポレ東中野、8月25日(土)より第七藝術劇場、9月1日(土)より出町座、今秋元町映画館にて劇場公開される。

 

 

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ブータンの国宝級チャカル・ラカン(寺院)の長男、ゲンボはサッカーが大好きな少年。年子の妹、タシは自分のことを男の子と思い、兄ゲンボとサッカーに明け暮れている。ゲンボの父、テンジンはゲンボにはラマになるための教育をしっかり受けさせ、代々受け継いできたチャカル・ラカンを継いでほしいと願っているが、ゲンボの母ププ・ラモは高校で英語を勉強し、将来に生かして欲しいと意見は食い違っている。まるでブータンの縮図のような一家の様子を通じて、様々な問題点を浮き彫りにすると共に、青春真っ只中のゲンボとタシが試行錯誤しながら、夢を見つけようとする様子を瑞々しく映し出す。「幸せの国」という漠然としたイメージが先行しているブータンの祭りや音楽、風習など、なかなか目にすることのない真の姿を楽しめる作品だ。

 

本作配給のサニーフィルム有田さんは「アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭で40本ぐらい見ましたが、その中ですごく優しい気持ちになった映画です。社会的な問題に迫り、考えるドキュメンタリーも必要ですが、ただ優しくなれるドキュメンタリもいいのではないか。映画祭で3回見て、やはり日本で紹介したいと強く思った作品です」と、その魅力を語ってくださった。家族の問題に肉薄しながら、見事な青春ドキュメンタリーを共同監督したブータン出身のアルム・バッタライさん、ハンガリー出身のドロッチャ・ズルボーさんにお話を伺った。

 


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「ブータンの若者や近代化」をテーマにした作品を目指した(ドロッチャ)

―――ブータンの仏教を拠り所とする伝統的な行事や、それを司るチャカル・ラマの父の果たす役割の大きさがわかると同時に、インターネットで世界と繋がり、サッカーやゲームに興じる若者たちの現代的な姿もよく理解できました。まず、制作の経緯を教えてください。

ドロッチャ:アルムとは若手ドキュメンタリー制作者育成プログラム(ドック・ノマッド)で出会い、よくチームを組んで作品を作っていました。卒業後は、お互いに初となるドキュメンタリー作品を共同制作しようと決めていたのです。そもそも、ブータンに関するドキュメンタリーは世の中にあまりなかったですし、ブータンのドキュメンタリー作家も世界に紹介されていなかったので、ブータンのテレビ局でドキュメンタリー制作の経験を持つアルムと一緒に、ブータンで撮影することにしました。元々、私たちは出会う前から若者をテーマにした作品を作っていたので、今回もブータンの若者や近代化をテーマにした作品を作りたいと漠然と考えていました。

 

 

―――ゲンボとタシをはじめとする一家とは、どのように出会ったのですか?

ドロッチャ:リサーチを進める過程で、ブータンで初めて女子サッカー代表チームを作ることになり、その選考会が開催されるという情報を得ました。サッカー選手になるというのは、現代の子どもたちの夢ですから、新しい時代のブータンを切り取れるのではないか。そう考えて取材に行った時、出会ったのがタシでした。とても個性的ですぐにタシに魅力を感じ、彼女を撮ろうと決めたのです。サッカーを通して見据える近代化を、タシという個人に密着することで映し出せるのではないか。ブータンの移り行く時代を、個人を通じて表現したいと思い、タシの取材を重ねていきました。

 

 

タシの一家がブータンの縮図のように見えた(ドロッチャ)

―――なるほど。映画を見ていると、寺院の継承問題や父テンジンの日常が多く映し出されていたので、先に寺院を取材したのかと思っていました。最初に出会ったのはタシだったのですね。

ドロッチャ:ある日タシが、彼女のチャカル・ラカン(寺院)の実家に私たちを連れて行ってくれたのですが、それが大きなターニングポイントになりました。父、テンジンとの出会いがあり、映画でもそうですが、仮面や(ブータンでは祭りで必ず使われる)男性根についても延々と説明してくれました。そのチャカル・ラカンが千年の歴史があることも衝撃的でしたし、優しい兄ゲンボがいることや、テンジンがトランスジェンダーのタシを仏教的解釈で一生懸命理解しようとしている愛も感じました。家族のつながりやゲンボのチャカル・ラカン継承問題など、全ての家族関係の問題がそこにあり、かつ、ブータン自身が抱えている近代化や葛藤も垣間見えました。まるでタシの一家がブータンの縮図のように見えたのです。そこから、タシ個人だけにフォーカスするのではなく、家族全体を描こうと決めました。

 

 

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ゲンボとタシのとても美しい兄妹関係(アルム)

―――ゲンボとタシは、年子のせいもあってか、とても仲のいい兄弟で、双子のようにお互いを強く必要としているように感じました。取材を通じて、二人の絆について感じたことは?

アルム:本当に仲がいいですね。ゲンボが継承問題に直面する前から、二人を見ていましたが、とにかくゲンボはタシに対して本当に優しくて、タシもゲンボを自分の中のアイドルのように慕っています。ブータンは仲の良い兄妹が多いですが、あそこまで親密な兄妹はなかなかいません。二人の関係性だけでなく、個性の違いも非常に興味深いです。例えばタシはラフなところもあれば、強気にでることがありますが、それは自分のセンシティブなところを隠すためにやっているのです。ゲンボは、そういうタシのことを分かって受け止めている。本当に二人の関係は美しかったです。

 

 

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ブータンでは全体的にLGBTに対する差別はないが、テンジンの「前世が男の子だった」という解釈は、仏教と共に生きる彼特有のもの(アルム)

―――タシのようなトランスジェンダーは通常、性同一性障害と親も認識してしまいがちですが、父テンジンは「前世が男の子だった」と理解し、家族もすんなり受け入れているのが新鮮でした。これは寺院の家だから特別なのでしょうか。それとも、ブータンではそのような考え方が一般的なのでしょうか。

アルム:「前世が男の子だった」という解釈は、ブータンでも一般的ではないと思います。ブータンでは、全体的にLGBTに対する差別がありません。自分が性同一性障害だとカミングアウトするようになったのは、ここ10年ぐらいの話です。やはりテンジンの解釈は独特で、1000年続くチャカル・ラカンを継承し、仏教と共に生きているので、世界の見方や、彼自身の人生の価値観は仏教の教えのもとにあります。娘が性同一性障害であることへの解釈はスピリチュアルな人生を送っているテンジン特有のものでしょう。

 

 

 

―――タシはどれだけ自分を男の子と思って生きてきても、身体が女性らしくなっていく時期です。取材をしていて、彼女の葛藤を感じることはありましたか?

 

ドロッチャ:タシは家の中にいるときは、理解者がいる安全な場所ですから、居心地が良さそうに過ごしているのですが、外に出ると恥ずかしがって静かになる瞬間もありました。村の祭りで弓矢をするシーンがありますが、村の人に茶化されると静かになってしまう一面もあり、性に対する葛藤を持っている証拠だと思います。父親には反抗的な態度を取ったり、母親には強い主張をする性格ですが、学校でタシのジェンダーに絡む話題になると、口ごもってしまうこともありました。体の変化に関してタシの行動を見て感じたことは、タシは常に男物の服を着て、女性の身体を強調するような服は着なかった。むしろ、自分の身体を隠すような洋服を着ていましたね。

 

 

―――ゲンボは優しく、多趣味で、父のお手伝いもよくする好青年です。母と父の意見の狭間で、非常に厳しい立場ですが、取材をすることで、より彼の映画における比重が増していったのですか?

ドロッチャ:ゲンボの継承問題を知るまでは、タシの個性(トランスジェンダー)を中心に据えていましたが、継承問題の方が、より普遍性があります。タシにとって、例えば人生のパートナーはどうするのかなど、本当に自分の個性の問題に直面するのは20代以降で、もう少し先の話になると思うのです。一方、ゲンボの継承問題は、僧侶学校への入学などを考えると早急な決断が必要な事柄で、より切迫した問題でした。いずれにせよ、子どもの運命をテーマとして入れたいと考えていましたが、その中で自然とゲンボの比重が増していったのは緊急性があったことが大きかったです。

 

 

一緒に暮らす中で見えてきたことを、意図的に問題提起するシーンとしてインタビュー映像に落とし込む(アルム)

ドキュメンタリーでは、撮る側と撮られる側の関係が非常に重要。初期のインタビューで、こちらからも考えを伝え、被写体の考え方を掴む(ドロッチャ)

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―――中にはカメラを正面から据え、親子の言いにくい対話をむしろ促す結果になったようにも見て取れました。実際に、どんなシナリオを作ったのですか?

アルム:ゲンボとタシの一家とは衣食住を共にし、とても長い時間一緒に過ごしました。彼らの生活を見ていると、毎日が同じリズムで、大体次に何をするかとか、父テンジンが何を言うかが読めてくるのです。テンジンがゲンボに言うことも大体同じことを、いつも1時間ぐらい繰り返し話していました。ドキュメンタリーは意図的に問題提起をするようなシーンを作らなくてはなりませんから、敢えてカメラの前に座ってもらい、ゲンボの未来についてどう思うか質問してみました。何を話すか分かっていましたが、改めてカメラの前で話してもらうことで、より明確に問題提起をするシーンが撮れたと思います。

 

ドロッチャ:ドキュメンタリーでは、撮る側と撮られる側の関係が非常に重要です。こちらが被写体の人を理解することも重要ですが、被写体の人にも撮影者を理解してもらわなければいけません。相互理解をするために、ただ一方的に観察するだけではなく、インタビューをすることが必要でした。テンジンがアサラ(仮面)を紹介してくれるシーンは、最初に撮ったインタビューですが、それを通じて、自分たちが何を聞きたいか、どういう人間なのかを伝えていきました。また、インタビューをする中で、被写体の特性や考えを掴むようにしています。

 

 

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一家で一人出家させる伝統があったブータン、今は親も子どもを学校に行かせて英語教育をさせたいと思っている(アルム)

―――実際に僧侶育成学校に見学に行った時、学校の先生方の言葉がブータンだけでなく、世界の後継者問題の源を言い表していました。建物の割に、生徒が少なく閑散とした印象でしたが、取材をしての感想は?

アルム:昔のブータンでは、一家の中で必ず一人は出家させる伝統がありましたが、今は全く違います。全ての親は学校に行かせて、英語教育をさせたいと思っています。僧侶育成学校の生徒が少なかったのは、大体予想通りでした。テンジンは仏教と共に生きることが尊敬される世代でしたが、チャカル・ラカンの取り仕切りが忙しく、育成学校に行けなかったので、ラマ(高僧)にはなれなかったのです。彼が継承しているチャカル・ラカンは国宝級の歴史のあるお寺で、次世代の後継がどういうランクの人間であるかが非常に問われるらしいのです。テンジンは自分がラマになれず、劣等感を抱いたからこそ、息子のゲンボは必ず出家させ、偉くなって、家族の遺産を継いでもらいたいと願っています。そのような状況の中で、育成校へ見学に行き、そこの先生に「いまの時代、自分の息子を無理矢理僧にさせることはない」と言われて、テンジンは相当落胆していました。見ているこちらも、ちょっと悲しくなりましたね。

 

助け合わないと成り立たない「ドック・ノマッド」で、多文化主義や相互理解を体得。ドキュメンタリー制作に生かす(ドロッチャ)

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―――お二人はドック・ノマッドの第1期生ですが、そのカリキュラムの特徴や、そこで学んだことが今回の映画制作にどのように生かされたのか、教えてください。

ドロッチャ:他にはないシステムだったと思います。第1期生は24カ国から24人の生徒が集まり、各セミスターごと大家族が旅をするように、ヨーロッパのカ国の拠点を巡り、ドキュメンタリー理論を学びました。異国で、様々なバックグラウンドの人と一緒に、毎月ドキュメンタリー短編を制作しなくてはならず、本当に大変でした。必然的に家族のようになるだけではなく、助け合わないと成り立ちません。自然と一人一人の中に多文化主義が生まれ、他者性や多様性に敏感になっていきました。それぞれが考えていることや主張を自分に反映させ、相互理解をすることができるようになったのです。学校ではアルムとよく組んで映画を作っていたので、相互理解することや、現実を認めること、多文化主義であることがこの映画につながっていると思います。

 

 

ボリウッドコピーのような劇映画がメインのブータン映画産業(アルム)

―――ブータン映画産業、ドキュメンタリー映画の現状について教えてください。

アルム:映画産業自体が、ブータンでは非常に新しいものです。ドキュメンタリーは90年代に1~2本作られることはありましたが、世界で公開されることはありませんでした。映画業界ができあがっていったのは2000年代に入ってからです。主にブータンで制作される映画は、ボリウッドスタイルのものが多く、ストーリー的にはまだレベルが高いとは言えません。マーケットが非常に小さく、ドキュメンタリーファンはまだいないですが、ボリウッドコピーではない作品として、今後興味を持たれるかもしれません。インディペンデント映画も年に1、2本ぐらいで、ドキュメンタリーは皆無です。女性監督で一人、ドキュメンタリーを撮っている人はいるのですが、海外の映画祭や、公開されるまでには至っていません。劇場に関していえば、インディペンデントの映画を上映するような映画館もブータンにはありません。映像系の会社では、ブータンで国営のテレビ局はありますが、インディペンデント映画をサポートする公共のファンドや支援団体は皆無です。

 

 

―――最後に、ドロッチャさんが今回取材を通して、ブータンやブータン人について感じたことは?

ドロッチャ:私の親友はブータン人(アルムさん)です。ブータンの人たちは本当に親しみやすく、優しいです。きっとそれは自然や宗教と共に暮らしていることも影響しているでしょうし、人口が少ないので、近代都市にありがちなストレスがなく、皆豊かな感じがしました。町の雰囲気がとてもよかったです。ブータンだけでなく、アジアに行くこと自体が初めてだったので、そこで見たこと、感じたこと全てが印象深く残っていて、貴重な記憶です。一生忘れられないと思います。

(江口由美)

 


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<作品情報>

『ゲンボとタシの夢見るブータン』“THE NEXT GUARDIAN

2017年 ブータン・ハンガリー 74分)

監督:アルム・バッタライ、ドロッチャ・ズルボー

818日(土)よりポレポレ東中野、825日(土)より第七藝術劇場、91日(土)より出町座、今秋元町映画館にて公開

公式サイトhttps://www.gembototashi.com/

(C) ECLIPSEFILM / SOUND PICTURES / KRO-NCRV

 

 

MI6-premia-550.jpg2018年、日本の夏に史上最大のミッション発令!

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トム・クルーズを筆頭としたMI6チーム来日!
日比谷の街中に劇中ヘリコプター登場!
前代未聞のジャパンプレミア開催!

「日本に来られることは本当に名誉なこと」 トム、日本への熱い感謝を伝える
<7月18日(水)ジャパンプレミア>

 
全世界累計興収3000億円以上(※1ドル=109円換算)、トム・クルーズが伝説的スパイ:イーサン・ハントを演じる大人気アクション映画『ミッション:インポッシブル』シリーズ。その最新作となる『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』が、8月3日(金)より日本公開いたします(全米公開7月27日)。


MI6-Tom-240-1.jpgすでに、パリ・凱旋門前を爆走する“バイクアクション”や、撮影中のアクシデントにより骨折を負ったことが大々的に報じられるも、見事な回復力によって驚異的なスピードで撮影を再開し大きな話題をさらった“ビルジャンプ”、2000時間の飛行訓練の末にトム自ら“ヘリコプター”を操縦した“超絶ヘリスタント”、上空7620mから時速320キロで落下する、トムが長年の夢だったという”ヘイロー(HALO)ジャンプ”など、世界を驚かせ続けるトム・クルーズ自らが、ノースタントで挑む「全て、本物」のド迫力のアクションは本作でも健在! “フォールアウト=予期せぬ余波”というタイトルと、これまでイーサンが挑んだミッションすべてが本作の物語に繋がるというストーリーのさらなる拡がりに期待が高まっています。


この度、公開に先駆け、トム・クルーズを筆頭にヘンリー・カヴィル、サイモン・ペッグ、クリストファー・マッカリー監督の4名がプロモーションの為に来日し、ジャパンプレミアを行いました。

 


★『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』ジャパンプレミア 概要

日時:7月18日(水) 17:00頃 場所:東宝ミッドタウン日比谷日比谷ステップ広場
登壇者:トム・クルーズ、ヘンリー・カヴィル、サイモン・ペッグ、クリストファー・マッカリー監督


MI6-premia-500-1.jpg<ジャパンプレミア内容>

トム・クルーズが、ヘンリー・カヴィル、サイモン・ペッグ、クリストファー・マッカリー監督らとともに、本作のプロモーションのために来日しました。トム・クルーズの来日は『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』以来約2年ぶりにして実に通算23回目!トム演じるイーサンの前に立ちはだかる敏腕CIAエージェントのウォーカーを演じたヘンリー・カヴィルは『マン・オブ・スティール』(13)以来5年ぶり、前回『スター・トレック BEYOND』(16)の来日時に一際大きな声援を浴び日本での大人気ぶりを示したサイモン・ペッグは約2年ぶり、そしてトム絶大の信頼のもとシリーズ初の続投監督を務めたクリストファー・マッカリー監督は前作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(15)以来3年ぶりとなります。


7月17日(火)に、一行が羽田空港に到着すると、待ち構えていた約1000人のファンは大熱狂!白熱した雰囲気の中、キャスト、監督それぞれが、一人ひとり丁寧にファンサービスを行いました。その中で一番ファンが白熱していたのがトムの神対応のファンサービス!いつまでもおさまらぬ、来日史上最大規模の熱狂ぶりに、トムの不動の人気ぶりを証明しました。


当日18日(水)の夕方からは、ジャパンプレミアが行われました。


スチール、ムービー合わせ、約130名程のマスコミと、会場内のプレミア招待客500名と、トムを一目でも見ようと会場周囲に集まったファン合わせて約1000人が待ち構える中、トムを筆頭にレッドカーペットに登場したキャスト、監督がそれぞれに登場すると、ファンは大熱狂!


MI6-Tom-500-2.jpgレッドカーペット上で、トムは「とても興奮しているよ !信じられないくらいワクワクしている。日本のファンとは温かい関係が築けていると、来日する度に感じているんだ。日本のファンが作品を観てどんな反応をみせてくれるのか期待しているよ」とコメント、続いてヘンリーは「日本の歴史や文化がとても好きなんだ。こうやって仕事じゃなくて、今度は是非休暇で来たいね」、サイモンは「前回来日したときよりも暑いね(笑)日本は毎回来るのが楽しみなんだ。どんなときでも来たいと思っているよ」、マッカリー監督は「前回よりも暑くないから少し快適だ(笑)日本が大好きだよ。作品は本国で今とても良い反応を得られていて、非常に誇りに思っている。みんなが一生懸命取り組んでくれたお陰だね。前作の反応がとてもよかったから、続編を担当する監督は大変そうだなんて思っていたら、結局自分がやることになったわけだけど(笑)」とそれぞれにコメントを寄せました。


また、マスコミの取材をこなしたあとは、その熱狂ぶりに応えるように、一人ひとり丁寧にファンサービスを行い、ワールドプレミア時と同様にカーペット上ですれ違うと声を掛け合うなどし、仲睦まじい様子もみせました。その丁寧で優しさ溢れる対応に、ファンは「来れてよかったね~!」と口にするなど大興奮!今年最高の猛暑が東京を襲った中、約2時間にもわたるファンサービスを終えた後、ステージイベントが行われました。


MI6-Tom-500-1.jpg作品の中で登場する同系列モデルのヘリコプターと、今回のジャパンプレミアの為に、ドイツから日本に送り届けられたという、本作仕様のBMW M5モデルが華を添えるステージに、ヘンリー、サイモン、マッカリー監督が登場し、再び観客から大歓声があがる中、突如ヘリが霧に包まれ、そこからトムが登場!すると、会場のボルテージは最大MAXに!


本作の完成を待ちわびていた日本のファンに向けて、トムは「こんばんは、よく来てくれました!とても暑いけど、温かい歓迎に本当に感謝しています。これが日本だね!みんな大好きだ!ベストを尽くしてつくった映画です。きっとワクワクするはず!みんなの為につくったよ!」とコメントすると、ファンからは「トーム!」「I love you !」といった声が多数あがりました。


MI6-premia-240-2.jpg続いてヘンリーは「僕は君を上回る日本好きなんだからね」と横目でトムをみながら話はじめ「日本のみんなのことが大好きです!歴史や伝統が豊かな国だし、もっとゆっくり来てみたいです」といい、続けて「今度マッカリー監督の、日本を舞台にした、トムが主演の、勿論僕も出演する、サイモンにも一役買ってもらって(笑)映画をつくれればと思うけどどう思う?」とファンに呼びかけると大きな拍手が向けられました。


日本語で「コンニチワ!」と挨拶したサイモンは「日本の全てが好きです!みんなこの暑い中、すごい熱気で迎えてくれて、その忍耐力はたまらなくクレイジーだと思うけど(笑)熱烈な応援に感謝します。早く観てもらいたいな!」とコメント。


「この面子で最後に挨拶となると、もう何もいうことなくなっちゃうな(笑)」と笑うマッカリー監督は「日本大好き!本当に来てくれてありがとう!」とコメントを寄せました。


MI6-Tom-240-2.jpg 一歩間違えれば命に係わる、ノースタントでのアクションが注目を浴びている本作ですが、そのこだわりについてトムは設置されたヘリに近づき、撮影を思い出すように機体を触りながら「このヘリはとても楽しんで操縦したんだ。急降下してスピンもしたよ!ヘリが僕のことをよくめんどうみてくれて、こうやって無事に撮影を終えることができたんだ」と明かしました。


世界的大ヒットシリーズにはじめて参加したことについてヘンリーは、「このような人気シリーズに参加できること自体光栄だし、この素晴らしいキャストたちと共演できたこと、そして、最高の監督であるマッカリーと仕事ができたことを本当に嬉しく思っているんだ。その中でも、トムと毎日顔を合わせることということが一番スペシャルな出来事だった。トムは優しく寛大で親しみのある人物だ。朝、互いのファーストネームを呼びながら挨拶する日が訪れるなんて、とてもクールな経験だったよ」と感無量の様子で語りました。


MI6-premia-500-2.jpgシリーズを重ねるごとに役割が多くなってきている大人気キャラクターであるベンジーですが、次回作ではスタントもやってしまうのでは?といった質問が及ぶと、サイモンは「実は全て僕がトムのマスクを被って演じていたんだ。大きな格闘シーンがあるんだけど、生きながらえるか是非スクリーンで確認して!」とユーモアたっぷりに回答し笑いを誘いつつ、「ヘンリーが言うように、みんなとの仕事は特別な経験だ。超一流の役者と超一流の監督がいたからね」と語ると、トムもまた「僕もこれだけの素晴らしい俳優たちと一緒に仕事ができて、本当に幸せだった。毎日、撮影場所にいくのが楽しみでたまらかったよ。マッカリーと仕事することも大好きなんだ。本当に楽しいんだ!」と語ると、マッカリー監督もまた「ヘンリーは一生懸命で役者として素晴らしい。そして、イケメンだ(笑)サイモンだって、ハンサムだ!今回彼がこの作品において、人間らしさの部分を担ってくれている。でも、第一にトムなしでつくれなかったけどね!」と語るなど互いを称賛し合いました。


MI6-premia-240-1.jpgまた、トムとの仕事について質問が及ぶと、マッカリー監督は「トムとは、これまでに10年以上仕事をしてきたけど、実は正式に映画をつくろうと話したことはないんだ。だから何年もかけて貯めていたアイディアがこの映画にも含まれている感じなんだ。前作でトムがヘリにしがみついたシーンだって、最初はジョークだったんだよ!でもそれをトムは真剣に受け止めてしまった。今後はジョークでさえ気を付けないといけない(笑)自分で演出するにあたり、僕もヘリなどに乗らないといけないわけだから、二度とやらない!僕は面白くないんだ!」と茶目っ気たっぷりに回答し、会場は笑いに包まれました


また、マッカリー監督は、記者会見でも多く語られた、トムの骨折エピソードも披露!その驚愕のエピソードに会場からは驚嘆の声があがりました。最後にトムから「23回も日本に来ているなんて信じられない。初めて日本に来たことを覚えている。あのときも温かい歓迎を受けて、本当に感動したんだ。そのときのことを思い出しながら、自分はこんな良い人生をおくっているんだと今日改めて思った。みんなが楽しめるものを届けたいと思ってやってきた。その結果、みんなの楽しみの一つとして僕を選んでくれてありがとう。温かい笑顔をありがとう。素晴らしい会話をありがとう。こんなにも日本に来れることは本当に名誉なことだと思っています」と挨拶。その熱のこもった愛情たっぷりのコメントに、ファンは更なる拍手と歓声をトムたちに向けました。


またステージ上を去る前に、マッカリー監督の妻と娘をステージ上に呼び、紹介を始めたトム。「このふたりの助けがなければ、この映画はつくることができなかった。彼女たちは本当に素晴らしいんだ」と拍手をおくる場面もみられるなど、トムの愛情深く、誠実な一面も垣間見らました。去り際までも「トムー!」「ヘンリー!」「サイモン!」「I love you !」「Thank You !」と歓声は続き、このジャパンプレミアの様子を生中継していたTwitterライブの視聴数は200万人を超え、国内映画業界最高数値レベルを叩き出し、さらに、Twitterトレンドにもあがるなど、現場以外での場所でも大盛り上がりの中、ファンも大満足のジャパンプレミアは幕を閉じました。


MI6-butai-550.jpgジャパンプレミア後には、日本最速の一般試写会が行われ、その舞台挨拶が行われました。 満席の会場に登場するとジャパンプレミアに負けないほど大きな歓声で迎えられたトム一行。トムは「早く観てほしくてウズウズしている!」と興奮を隠しきれない様子でいい、サイモンは「また日本に戻ってこられて嬉しい!これから観てもらうのが待ち遠しいよ!」、ヘンリーは「大変長らくお待たせしました!一年間という長い時間をかけてつくりました。才能ある役者と監督と仕事ができて、最高に幸せだし、人生において最高の経験となりました。愛すべきリーダーでもあるトムに、僕は思い出させてもらったことがあります。それは、映画はみんなの為につくっているということです」と熱く語りました。また、マッカリー監督は「トムはベストパートナーでもあり親友だ。サイモンは二作半、一緒に仕事をしていて友人だし、今作をきっかけにヘンリーとも友人になった。このように友人と一緒に仕事ができることを本当に幸せに感じる」と語り、トムをはじめとしたキャスト陣との絆を感じさせました。


最後にトムが「上映開始だ!みなさん是非楽しんで!アリガトウゴザイマシタ!」と最後は日本語で挨拶。登壇中は、サイモンがコメントしているにも関わらず、トムがファンに対しずっと手を振っていたことで、サイモンから「僕のトーク中にやめてよ!」とツッコミが入ったり、ヘンリーが熱く語った後、マイクで拍手をし、音をパタパタと鳴らすなどして笑いを誘う場面もみられるなど、和気藹々とした雰囲気に包まれたまま舞台挨拶は終了しました。
 


『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』

原題:MISSION:IMPOSSIBLE -FALLOUT日本公開:8月3日(金)全米公開:7月27日(金)予定
監督・製作・脚本:クリストファー・マッカリー『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』『アウトロー』
製作:J.J.エイブラムス『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『スター・トレック』シリーズ、トム・クルーズ
出演:トム・クルーズ、サイモン・ペッグ、ヴィング・レイムス、レベッカ・ファーガソン、アレック・ボールドウィン、ミシェル・モナハン、ヘンリー・カヴィル、ヴァネッサ・カービー、ショーン・ハリス、アンジェラ・バセットほか
公式Facebook:https://www.facebook.com/missionimpossibleJPN/
公式Twitter:https://twitter.com/mimovie_jp(#mijp)
公式サイト:http://missionimpossible.jp/
© 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

8月3日(金)~全国ロードショー(2D/3D/IMAX/4D)


 (オフィシャル・レポートより)

MI6-kaiken-550.jpg『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』記者会見

日時:7月18日(水) 11:00頃 場所:ザ・リッツ・カールトン東京
登壇者:トム・クルーズ、ヘンリー・カヴィル、サイモン・ペッグ、クリストファー・マッカリー監督


<記者会見内容>

トム・クルーズが、ヘンリー・カヴィル、サイモン・ペッグ、クリストファー・マッカリー監督らとともに、本作のプロモーションのために来日しました。トム・クルーズの来日は『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』以来約2年ぶりにして実に通算23回目!トム演じるイーサンの前に立ちはだかる敏腕CIAエージェントのウォーカーを演じたヘンリー・カヴィルは『マン・オブ・スティール』(13)以来5年ぶり、前回『スター・トレック BEYOND』(16)の来日時に一際大きな声援を浴び日本での大人気ぶりを示したサイモン・ペッグは約2年ぶり、そしてトム絶大の信頼のもとシリーズ初の続投監督を務めたクリストファー・マッカリー監督は前作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(15)以来3年ぶりとなります。


7月17日(火)に、一行が羽田空港に到着すると、待ち構えていた約1000人のファンは大熱狂!白熱した雰囲気の中、キャスト、監督それぞれが、一人ひとり丁寧にファンサービスを行いました。その中で一番ファンが白熱していたのがトムの神対応のファンサービス!いつまでもおさまらぬ、来日史上最大規模の熱狂ぶりに、トムの不動の人気ぶりを証明しました。


そしてそんな興奮冷めやらぬ中、18日(水)には、記者会見を行いました。

スチール、ムービー合わせ約400名ほどのマスコミが取材に訪れ、会場から溢れ出すほどの大盛況ぶりをみせた本会見。トムを筆頭に、キャスト、監督が登場すると、大量のフラッシュが浴びせられました。



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―― 骨折した“ビルジャンプ”の影響は?

トムは「日本に戻ってこれて本当に嬉しく思っている。家に戻ってきたような気がするし、今回このように仲間と一緒に来れたことが嬉しい。この後のプレミアが待ち遠しいよ」とコメント。通称“ビルジャンプ”と呼ばれる、ビルからビルへ飛び移るシーンでの撮影の中断が大きなニュースとなったことについてMCから質問が及ぶと、「あのシーンで骨を折って、足をくじいたんだ。飛び移るときに壁にぶつかったんだけど、その途端折れたと思った。でもその後、我慢して走ったよ(笑)映画には、実際のそのシーンが使われているんだ」と明かし、続けて「医者に診てもらったら9カ月かかると言われた。だけど僕は、6週間で撮影に戻ると伝えたんだ。そして、実際に6週間で戻った。その後、ロンドンでの撮影で、全速力で走ったよ(笑)」と脅威のエピソードを披露!すると、「トムの怪我についてはかなり重要なことだけど、怪我したのは彼だけではないんだ」と神妙な面持ちで話し始めたヘンリーは「僕は紙で手を切って、三週間撮影を中止したよ」とジョークをいい、トムをはじめ会場は大笑い!トムは「今は治ったよ」と完治したことを報告しました。


MI6-kaiken-500-2.jpg――撮影中のエピソードについて?
撮影中のエピソードを問われたヘンリーは「トムほど素敵なエピソードはないんだけど(笑)」と前置きしたうえで、「トムとマッカリー(監督)と仕事をできたことが最高だった。学ぶことも多かったし、シリーズの新しい仲間に加われて嬉しい」とコメント。また、サイモンは「レベッカ(・ファーガソン)と一緒に、トムのヘリスタントのシーンを見ていたんだ。その当時は、彼がヘリから落ちることを知らなかったから、その様子をみてかなり驚いた。そして、残念ながら今日は早く撮影が終わることになると思ったんだ」と明かすと、その瞬間をみたときの表情を再現!その迫真の表情に再び会場を笑いに包みました。そのときのことについて、マッカリー監督は「ヘリからぶら下がっている荷物にトムが落ちたときに、ラジオ無線上でスタッフが、トムを失った!とパニックを起こしていたんだ」と明かすと、一方のトムは「とても楽しかったよ!でも、みんなは楽しくないよね(笑)」とあっけらかんと振り返り、笑いを誘いました。


――前作に引き続き監督を務めることになって?
前作に引き続き監督を務めることについて問われたマッカリー監督は、「前作での飛行機にしがみつくトムの姿を観て、もうやり尽くしたと思ったので、続編を務める監督はかわいそうだなと思っていたら自分がやることになってしまった(笑)だけど、今回は前作を超えようという気持ちではなく、シリーズに相応しい作品にしようと決めていたんだ」と明かし、続けてテスト試写でのエピソードについて「テストで観客に観てもらった際、アクションが多すぎると言われたんだ。なので、少しカットした。ごめんね、トム(笑)、ヘンリーもごめんね(笑)」とお茶目にいうと、サイモンが「僕のアクションもカットされた!」と再びジョークをいい、会場を笑いに包みました。


MI6-kaiken-500-3.jpg――“超絶ヘリスタント”について?
その後、記者から質疑応答タイムでは、はじめに、トム自ら操縦した“超絶ヘリスタント”について質問が及ぶと、トムは「あのシーンは、アイスキャンディになってしまうんじゃないかと思うくらいとても寒くて、ヘンリーと一緒に凍えながら撮影していたんだ。あのシーンはCGがゼロでミスは許されなかったので、一年半、身体の一部となるくらい練習をして挑んだ。『トップ・ガン』や『バリー・シール/アメリカをはめた男』でも操縦していたけど、今作での良いウォームアップになっていたといえるね(笑)」と明かすと、マッカリー監督は「あのヘリでのシーンを撮影していたカメラマンは、顔が緑色になって二度とこのヘリには乗らないといって辞めちゃったんだ(笑)」と仰天エピソードを披露し、笑いを誘いました。


――過激なアクションに挑戦し続ける理由は?
次に、一作目から20年経っていてもなお、過激なアクションに挑戦し続ける理由を問われると、トムは「自分のキャリアを通じて、どんな映画でもチャレンジしてきた。観客の為に全力を尽くすことが趣味なんだ。映画に人生を捧げているし、これからもそうしていきたいと思っている」と語り、その発言を受けてマッカリー監督は「トムと仕事をするまでは、白髪がなかったけど、一緒に仕事をし始めてから、一人で二人分老けた(笑)」といい笑いを誘うものの、続けて「何度も言っていることだが、トムほど映画に全てを捧げている人はいない。そして、彼のその情熱は他人にも感染するんだ。なので、みんな今までのどの作品よりも努力するようになるし、できると思っていなかったこともできるようになるんだ」と称賛、またトムの人柄についても「トムは、いろんなひとを立てることができる。そんな俳優は唯一無二だ。そして、トム自身人間らしさをみせてくれるので、とてつもないことをやっているんだけど、親密感が持てる」と語りました。


MI6-kaiken-henry-240-1.jpg――スーパーマンより大変だと思ったシーンは?
次に、スーパーマンより大変だと思ったシーンはあるか尋ねられたヘンリーは、シャワールームでのファイトシーンを上げ、「あのシーンは凄かった。怪我については、トムが引き受けてくれたけどね(笑)次回作では、僕が右足を骨折するよ(笑)」とジョークを披露。続けて、「スーパーマンとの違いは、今作でのスタントは全て自分でこなしている。スーパーマンは、正直にいうとほとんどがCGなんだ、かの有名なコスチューム以外はね(笑)」と明かし、またこのファイトシーンについてトムは「よりリアルにみれるよう、本気で殴り合ったよ。だから撮影後は、身体の節々が痛かった(笑)」と明かしました。


――トムの秘密について?
次に、貴方だけが知っているトムの秘密を教えてという要望に、「私はすべてを知っています」としたり顔で話し始めたサイモンですが、「トムは素晴らしい。だから本当の彼は少し退屈かもしれないよ」というと、逆にトムが「サイモンの秘密をばらしちゃおうかな!」といい「サイモンは6パック(腹筋が割れていること)を持っている。だけど、僕が甘いものを食べさせて、それを崩壊させているんだ(笑)」とお茶目なエピソードを披露!サイモンは「トムは、みんなに糖分を与えることで有名なんだ。ココナッツクリームケーキというものが自宅に送られてくるんだけど、僕はそれを通称“クルーズケーキ”と言っている」と明かすと、トムがすかさず「自制心を試す為に贈っているんだよ!」とコメントし、またもや会場を笑いに包みました。


――“ヘイロー(HALO)ジャンプ”について?
次に、上空7620mから時速320キロで落下する、トムが長年の夢だったという”ヘイロー(HALO)ジャンプについて質問が及ぶと、アラブ首長国の助力があったことや、ヘルメットをつくるにあたり、一年半かけて科学的検証を踏まえてデザインをしたこと、日没前の一分間の撮影で成功させなければならないこと、カメラマンはわざわざスカイダイビングを練習させていたエピソードなどを披露!その熱を帯びた語りに、会場にいる記者たちも前のめりで真剣に耳を傾けました。


フォトセッションでは仲睦まじく肩を組み、笑顔で撮影に応じた四人。軽妙なトークで会場から何度も笑いが起こった今回の会見。それぞれの会話のやりとりからも仲の良さ、チームワークの良さが垣間見えました。

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『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』

原題:MISSION:IMPOSSIBLE -FALLOUT日本公開:8月3日(金)全米公開:7月27日(金)予定
監督・製作・脚本:クリストファー・マッカリー『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』『アウトロー』
製作:J.J.エイブラムス『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『スター・トレック』シリーズ、トム・クルーズ
出演:トム・クルーズ、サイモン・ペッグ、ヴィング・レイムス、レベッカ・ファーガソン、アレック・ボールドウィン、ミシェル・モナハン、ヘンリー・カヴィル、ヴァネッサ・カービー、ショーン・ハリス、アンジェラ・バセットほか
公式Facebook:https://www.facebook.com/missionimpossibleJPN/
公式Twitter:https://twitter.com/mimovie_jp
(#mijp)
公式サイト:http://missionimpossible.jp/
© 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

8月3日(金)~全国ロードショー(2D/3D/IMAX/4D)


(オフィシャル・レポートより)

kodomo-di-550-1.jpg『子どもが教えてくれたこと』アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン監督インタビュー

 

今という瞬間を楽しんでポジティブに生きる子ども達の姿が胸を打つドキュメンタリー

 

重い病気を抱えた5人の子ども達の日常をとらえたドキュメンタリー映画。アンブルは、お芝居をすることが大好きで、肺動脈性肺高血圧症を患う9歳の活発な女の子。8歳のテュデュアルは神経芽腫を患い、花を育てたり、土いじりが大好き。カミーユは、サッカーが大好きで、骨髄の神経芽腫を患う5歳の男の子。イマドは、腎不全で透析に通う、アルジェリアから治療のために移住してきた7歳の男の子。シャルルは、表皮水疱症という肌が弱い病気の、絵が好きな8歳の男の子。


kodomo.jpgそれぞれ異なる場所で、病状も違う子ども達が、学校や病院や家で、家族や友達と元気に過ごす姿をとらえる。子ども達の目線で撮られた自然体の表情がすばらしい。病いと向き合い、治療しながらの毎日の中で、輝かんばかりの笑顔、力いっぱい生きる姿に勇気づけられる。「ぼくの皮膚は、チョウの羽みたいに弱い」という詩のような言葉や、通院に付き添う親をさりげなく気遣う言葉、「病気だからって不幸なわけじゃない」、「愛してくれる人たちがいれば幸せ」という哲学的な言葉の数々に、子ども達が背負ってきたものの重みを感じるとともに、どこまでもポジティブで、前向きな思いに心奪われる。


日本での一般公開を前に、キャンペーンで来日されたアンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン監督にインタビューした。邦題の『子どもが教えてくれたこと』は、原題(※注参照)とは全く違うけれども、すばらしいタイトルだと賞賛。監督はご自分の娘を二人、幼くして病気で亡くされていて、この映画を観て、5人の子ども達と友達になってくれたら嬉しいと語る。病気ではなく、“生”を何度も強調された監督から発せられた言葉は、どれも情熱的で、5人の子ども達への、映画への熱い思いが伝わった。


 【子ども達との出会い】

―――子ども達は、すごく生き生きした表情を見せてくれていましたね。
子ども達の生きる力です。子ども達はいつも人生を謳歌しています。病気の子どもでも、健常の子どもでも、一生懸命生きていることに変わりはないところを観てほしい。今、そのときを生きる力を持っているということです。大人がこんな重い病気であることを知らされたら、意気消沈して立ち上がれなくなり、生きられなくなってしまう。でも、子どもはそうではありません。たとえ重い病気にかかっても、前向きに生きていくことに何ら支障はないのです。


―――この5人を選んだきっかけは?いろんな子ども達に会ったのですか?
ほかの候補があって、選んだわけではなく、映画に出てくる5人の子ども達にしか、私は会っていません。子ども達に会う前の準備段階では時間をかけて、ドクターや、病気の子ども達を支えている協会の方々に会って、自分がやりたいことを伝えました。


―――監督のお嬢さんの死がきっかけで、撮影を始められたということでしょうか?
違います。亡くなったということよりも、“生きていた私の娘”が、こういう作品をつくるきっかけになりました。“娘の人生”がきっかけと思っています。


―――病気に焦点を当てるのではなく、まさにその子の人生そのものを撮ったということですか?
この子たちの生きている姿が、映画のテーマです。この子たちは、病気を持っていますから、その人生を写しとれば、必ず治療シーンは入ってきます。でも、病気がテーマではありません。


―――5人に会った時の第一印象は?
準備段階で、ドクターや協会の方から、5人のことについて色々な情報を教えてもらっていたので、私はこの子たちのことをよく知っていました。だから、この子たちなら大丈夫だろうという自分の中の確信を、実際に会ってみて、確認できたのです。


―――初めて子ども達に会って、カメラを回し始めるまで、どれくらい時間がかかりましたか?
1時間あるいは1日くらいでした(笑)。子ども達は、とても自発的で、すぐに間髪入れず反応します。OKであれば、むしろ「なぜすぐやらないの?」という反応でした。


kodomo-500-2.jpg―――だからこそ自然な笑顔ができたのですね。
やり直しは一切ありません。本当に子ども達の思いどおり、話したいようにやってもらって、そのまま写しました。


―――子どもが自分の病気を説明するシーンがありますが、どのように撮られたのですか?
シナリオは一切ありません。子ども達が語っているだけで、自然に語れたのがあのシーンです。撮影の予定表もなく、子ども達が自分で決めていきました。


―――完成した映画を、子ども達や家族の方々に観てもらった感想は?
すごく満足して、誇りに思ってくれました。この映画を観るまでは、5人の子ども達はお互いに会ったことがなかったのですが、映画が完成して観てもらった日に、初めて会ってもらって、「アンプルちゃん、可愛いね」(笑)とか、イマドがシャルルのところに行って「こんにちは、君がシャルル、お友達だね」と言って抱き合って、映画の中で分かち合ったものを見つけたり、皆で感動していました。


―――今も、子ども達の治療は続いているのですか?
この映画をつくった者としては、この映画に映っている、撮影した時のままの姿を分け合って感動してほしいと思います。その後どうなったかはあまり語りたくありません。

 


【撮影。そして編集】

kodomo-di-240-1.jpg―――カメラマンが5人ということですが、撮影はどんなふうに進めたのですか?
撮影に使ったカメラは1台だけです。当初、予定していたカメラマンが病気になってしまい、代わりを探したところ、通しでやってくれる方が見つからず、5人の方に交替でやってもらいました。一人の子に一人のカメラマンがつくという形ではありません。


―――編集に5か月かかったということですが、どんなふうにシーンを選んでいったのですか?
撮影時間は110時間ぐらいで、それを80分に仕上げました。できあがった映画を観たお客さんが、私が子ども達に出会ったように、出会えるかどうかを大切に、シーンを残しました。たとえば、シンプルで見逃すようなシーンですが、テュデュアルは植物や植木が大好きで、彼が植物の葉を優しく触っている姿は、私が初めて彼に出会った時の貴重なシーンなので、最後まで残しました。


―――シーンの並べ方は?
時系列で並べたわけでも、オムニバスでもありません。全部混ざった形で、子ども達5人が、それぞれ違うところで生きている姿、人生を観てもらい、受け止めてもらって、5人の子ども達に出会ったという印象を持ってもらえるように編集しました。

 


【病気と向き合うこと】

―――日本では、重い病気の場合、大人でも告知しないことがありますが、5人の子ども達は自分の病気のことをしっかり理解していて、驚かされました。フランスでは当たり前のことですか?
フランスでは、大人については、本人への病気の告知は当然で、慣例になっています。最近は、子どもであっても、きちんと本人に告知するのが、フランスの常識になってきています。病気を抱えて生きていくのは本人ですから、本人に告知することは当たり前ですね。


―――日本の子どもよりも成熟しているように感じました。
成熟しているということではありません。あの子ども達には、事実を話していいと伝えました。それをやらせたら、子ども達は、ああいうふうにふるまえる力をもっています。たとえば、子ども達に同じことを言えば、同じように反応すると思います。だから、こういう映画を皆に観てもらって、シェアしてほしいと思います。


―――子どもはこういうものだと、大人が決めつけて見てしまっているのですね。
子どもは何も知らなくて、教えてやらなければならない、学ばなければならないと、大人は思い込んでいます。でも、子ども達は、知識ではなく、知性の“知”みたいなものを本来持っていることを理解すべきです。

 


【子ども達の家族】

―――子ども達の両親は、映画の撮影にすぐ同意してくれましたか?
ご家族の方からは、それぞれすぐにお返事をいただきました。メディアとかマスコミに慣れていないのに、すぐ快諾してくれて驚いたくらいです。きっと、自分達の子どもが生きている姿を皆と分かち合いたいという気持ちを持っておられたからではないかと思います。私が、病気の子ども達のドキュメンタリー映画をつくりたいと言っていたら、それほど快諾してもらえなかったと思います。病気だけれども、懸命に生きている姿を見せたいという提案がよかったんじゃないでしょうか。


kodomo-500-1.jpg―――病気の子どもだと、ついまわりの大人が何でもしてあげたり、行動も制限しがちになると思いますが、映画の中の子ども達は、演劇に挑戦したり、まわりの大人達が自由な行動を認めていますね。
子ども達を信じることは難しいですが、とても大事なことです。アンブルは、心臓の重度の病気で、スポーツをしてはいけません。でも、彼女は、長く生きることをあまり重要視しておらず、少しくらいスポーツもやらせて、と言います。運動したらリスクのある病気なので、母親としてはすごく辛い立場です。でも、母親は子どもを信じています。禁止するよりは、子どもにスポーツをする満足感を与えてやりたい、そのほうが娘も嬉しいだろうと母親も感じています。


―――かなり覚悟の要ることですね。
子どもを守りたいのが母親としての本能ですから、母親自身が成熟した女性にならないと、そういう接し方はできないでしょう。親は、子どもの代わりに生きることはできません。親にできることは、子どもと一緒に伴走すること、そばにいることです。それがわかるようになるのは、子どもをとおして母親自身も成熟するということです。

 


【フランスの観客の反応】

―――フランスの観客の反応はどうでしたか?
大成功でした。子ども達が自由に語っているところを撮っているドキュメンタリー映画はこれまでなかったですし、子ども達に直接しゃべらせたところに誠実さを感じてもらえたのではないでしょうか。


―――子ども達の正直な言葉が観客に伝わったということですか?
自分も子どもの頃、こういうものを持っていたなあと思い出したり、心の琴線に触れるものがあったのではないでしょうか。大人になると、子どものような自然な生き方ができなくなってしまいます。また子どもの頃に戻って、そういう生き方をしたい、そんな気持ちを、この5人の子達が後押ししてくれる気がします。


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<作品情報>

『子どもが教えてくれたこと』

・(2016年 フランス 1時間20分)
・原題:Et Les Mistrals Gagnants
・監督・脚本:アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン
・出演:アンブル、カミーユ、イマド、シャルル、テュデュアル
・公式サイト⇒ http://kodomo-oshiete.com/

・(C)Incognita Films - TF1 Droits Audiovisuels

・7月14日(土)~シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸、7月21日(土)~京都シネマ、近日上映 シネ・ピピア

 


※注:原題の『Et Les Mistrals Gagnants』は、「ミストラル・ガニャン」(Mistral gagnant)というフランスの歌手ルノーの歌にちなんでつけられたタイトル。この歌は劇中でも流れ、人生への慈しみあふれた歌詞とメロディに胸が熱くなります。(ミストラル・ガニャンとは、かつてフランスの駄菓子屋で売っていた砂糖菓子の商品名です。)


(伊藤 久美子)

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水墨画のようなタッチの線が、ある時は水に、ある時は少女となって、スクリーンの中を疾走する。シンプルなのに力強く、余白が多いからこそ豊かな想像を膨らませることができる。アヌシー国際アニメーション映画祭審査員賞、最優秀フランス作品賞のダブル受賞を果たした、セバスチャン・ローデンバック監督の初長編アニメーション映画『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』が818日よりユーロスペース、8月25日よりシネ・リーブル梅田、名古屋シネマテーク、今秋京都シネマ、元町映画館他全国順次公開される。

 

グリム童話に初版から収録されている民話「手なしむすめ」を新たによみがえらせた本作。ヒロインの少女は、悪魔の企みで実の父親に手を切り落とされ、その後王子と結婚したものの城を追われる羽目となる。苦難の連続にも屈せず我が子と共に、誰の助けも借りずに生きる少女のたくましさは、世代を超えて共感を呼ぶことだろう。従来にはない作画技法(クリプトキノグラフィー)を用い、たった一人で作画を担当。アナイス・ドゥムースティエ(『彼は秘密の女ともだち』)ら俳優陣の声の迫力もあいまって、とても力強く勇気付けられる作品に仕上がっている。まさにこの夏必見のアニメーションだ。

 

ワークショップやキャンペーンのため来日したセバスチャン・ローデンバック監督に、作品についてお話を伺った。

 


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―――まずはアニメの本場、日本で劇場公開されることについて、感想を教えてください。

ローデンバック監督:この作品が日本で劇場公開できることは、とても幸運だと感じています。映画にとってもそうですし、日本の観客の皆さんの反応がとても興味深いのです。日本人は、アニメの教養をお持ちで、文化に裏付けられた教養も兼ね備えています。おそらく世界の中で、日本が唯一、絵画と同じように、デッサンを、色を塗った絵画と同じ価値で扱っている国だと思います。そしてアニメーションが独特の文体を持った表現方法であり、全ての観客層に向けられた独特の表現方法であると見なされている唯一の国だとも思っています。日本での劇場公開が待ちきれません。

 

高畑勲監督をはじめ、私が尊敬する作家とは、いろいろな手法を試し、同じことを繰り返さない監督。

―――アニメーション監督の中で、高畑監督を最も尊敬しているそうですが、高畑監督作品との出会いや、受けた影響について教えてください。また、他に影響を受けたアーティストは?

ローデンバック監督:高畑勲監督は偉大なアニメーション作家であり、偉大なアーティストだと思っています。それと同時に偉大な冒険家、そして探求を続ける方だと思います。高畑監督は決して同じことを2度と繰り返しませんし、同じ作品を2度と作らなかった。私が初めて出会った高畑監督作品は、子どもの頃に見た「アルプスの少女ハイジ」でした。ハイジは商業的なアニメーションシリーズでしたが、非常に美しい、美を追求した作品です。登場人物も人間的で美しい。きっと高畑監督ご本人に似ているキャラクターなのではないかと思いますし、そういう人間的なものは高畑監督作品全てに共通して感じられます。私が尊敬する作家とは、いろいろな手法を試し、同じことを繰り返さない監督、つまり一度やったことの延長線上で次の作品を作るような監督ではないということです。高畑監督の他には、スタンリー・キューブリック、アラン・カヴァリエ、ピーター・ワトキンズなどからも影響を受けていると言えるでしょう。

 

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線と色しかない画面上の少女、小さな身振りを通して“生きている”ことを表現する。

―――ミニマムな描写の中、少女の営みがリアルに描写されていますが、具体的に描いた狙いは?

ローデンバック監督:少女は前半に手を切られてしまうので、自分一人で物事ができなくなってしまい、自立性が奪われてしまいます。それまでの物語の冒頭部では、彼女が自分の手でできる作業をあらゆる方向から描いています。例えば、自分の手を使って木登りをしますし、綿から糸を紡いで、布を織り、ハンモックも作ります。また自分の手で、器も作っています。彼女の体を使った行動というものが、物語の中心を成していきます。ですから私はこの少女をイキイキとした生命力のある人物として描かなくてはなりませんでした。一方で、実際にそこで描かれている彼女に、生命はないのです。彼女には線と色しかないのですから。画面上で生命を与えるために小さな身振りを描くことにしました。彼女は小さな身振りを通して生きているのです。逆にいえば、現実を画面に模写することで、生きている訳ではないのです。

 

ある意味、王女になるより、「息子と自然の中でウンチをする方が素晴らしい」と言いたかった。

―――出産後にお乳が吹き出たり、人間の生理的現象がアニメで描かれるのも新鮮でしたが、そのような描写の意図は?

ローデンバック監督:彼女の肉体が映画の中心にあり、肉体を通し、そして自然との関わりの中で、少女の存在を具体的に描く必要がありました。また同時に、この映画はこの少女が王女である前に、少女である方がいいということを描きたい作品でもあります。王女は社会の中で、ある種のランクに位置付けられる女性の表層でしかありません。しばしば社会は、全ての女性が王女でなければならないと見なしがちです。また、子どもたちに向かってもそのように語ってしまいがちです。ですから私はある意味、王女になるよりも、自分の息子と自然の中でウンチをする方が素晴らしいことだと言いたかった。その方が、もっと普通のことなのだと思います。

 

―――水は聖なる物、生きる源の象徴であるようでもあり、意思を持って動いている存在のように見えました。冒頭も水の流れから始まりますが、水を描くことに込めた思いは?

ローデンバック監督:実は原作のグリム童話では水車ではなく、風車でした。私にとって粉挽き小屋が水車なのはとても重要なことでした。この物語を、“水”を通して描きたかったですし、水はとても女性的な要素があるからです。また、常に動き続けるものであり、“水”が映画全体の構造を貫く脊髄になる。そして少女が辿る軌跡を描くものでもあると思っていました。

 

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自分自身の手と道具を使い、一人で作品を作り上げたことは、少女が最後に自分自身の庭を作り上げたのと共通している。

―――昨日のトークで少女が自分の手を再び獲得する理由についてのお話もありましたが、監督自身の境遇とどう重なっているのですか。

ローデンバック監督:この作品を見ていくと、彼女が必ずしも自分の手を必要とはしていないことが分かります。自分の手がなくても生きていける。彼女は「生き残らなければいけない」という生の衝動に駆られて、再び自分の手を生やしてしまうのです。つまり、王子が自分の息子を殺すのではないかと思ったときに、自分の息子を救おうとして、再び自分の手を取り戻す訳です。私が自分自身の手と道具を使い、自分一人で作品を作り上げたということは、彼女が作品の中で最後に自分自身の庭を作り上げたということと共通していると思います。

 

―――何枚ものレイヤーを重ねている背景も非常に美しかったです。人物は一キャラクターを単色で描いているそうですが、背景も同じ方法ですか?

ローデンバック監督:基本的には人物と同じように、背景も白い紙に黒字で描き、その紙を重ね合わせて背景となる画面を作ります。一つの層は一色でできており、単色の層を重ね合わせ、一枚の背景を作っています。人物の動きを単純な方法で早いスピードで動かしていたのと同様に、背景画も単色のものを重ねて、複雑なものに仕上げています。

 

 

アナイス・ドゥムースティエさんの吐息の録音で、ようやく「今、少女が存在している」と実感。 

―――少女の声を演じたアナイス・ドゥムースティエさんが素晴らしかったですが、キャスティングの経緯や、現場でのエピソードを教えてください。

ローデンバック監督:声の録音は作品制作の最後の方で行いました。自分で作ったキャラクターなので、私はとてもよく理解しているのだけれど、その少女に合った声を見つけるのは簡単ではありませんでした。アナイスが最初に少女の吐息を録音したのですが、その吐息を聞いた時、ようやく「今、少女が存在している」と思いました。本当に素晴らしかったです。神秘的で、マジックのような瞬間でした。アナイスが出産シーンを録音した時は、本人も妊娠していて、しかもかなり出産時期が近かったのです。この出産シーンの声を本当に演じられるかとアナイスに訊ねると、それでもやると言ってくれました。予定日は数週間後だったのですが、実際に出産したのは録音した5日後でした。出産シーンの録音をすることで、自分の出産の準備になったのかもしれません。

 

 

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宗教の中の悪魔ではなく、世界のあらゆる場所に偏在している存在として悪魔を描く。

―――様々に姿形を変える悪魔役は、フィリップ・ローデンバックさんの声も相まって迫力がありました。おとぎ話には欠かせないこの役を描く際に、心がけたことは?

ローデンバック監督:悪魔というのは絶対的な悪です。一方で、キリスト教的文化の中の悪魔は描きたくなかった。私にとって悪魔は世界のあらゆる場所に偏在しているものとして描きたいと思っていました。悪魔があらゆるものに姿を変える。そのように描きたかったので、声に関しては、一言聞いただけで悪魔だと分かる声が必要でした。フィリップ・ローデンバックさんの声は悪魔らしくて素晴らしかったので、様々な動物に彼の声を乗せていきました。とりわけフィリップの声で子どもを演じたときは、通常の子どもとは相対するような存在感で素晴らしかったと思います。

 

―――エンディングで「Wild Girl」という英語の曲が使われ、とてもインパクトがありましたが、起用の理由は?

ローデンバック監督:エンディング曲は自分で作詞作曲しました。グリム童話の原作「手なしむすめ」は、アメリカの精神分析学者クラリッサ・ピンコラ エステスの著書、「狼と駆ける女たち」と題された本の中で分析されています。そこでは、自然の中で野生的に生きている女性が描かれたいくつかの童話、民話が登場するのですが、歌のタイトル「Wild Girl」は、その本で描かれている女性を参考にしています。

 

 

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自分の運命を勝ち取るためには、誰しも自分自身の時間、空間が必要。

―――どんな逆境にも負けず、貪欲に生きようとする少女の物語だと思いますが、この作品を生きづらい現代に蘇らせる意義は?

ローデンバック監督:この童話を最初に読んだ時、非常に現代的だと思いました。主人公が物事を学んでいく物語だからです。最初、少女は外側からの抑圧の中で生きています。粉挽き小屋にいるときは父親からの抑圧、お城にいるときは王子の存在がありました。少女が自分の運命を勝ち取るために、自分自身の時間や空間が必要で、彼女はそれを得ようとしました。私は彼女が獲得してきたことは、全ての人間にとって必要なものだと思います。誰もが自分自身の場所、空間を必要としています。現代において、それぞれの時間や空間を得るため、周りの努力が不足しているように感じられます。この物語で素晴らしいと思うのは、他人と離れて、自分一人で生きなければいけないことを語っているところだと思います。そして、自分自身の空間を見つけると、世界の中で、正しい方法で生きることを獲得できると語っているのです。


(文:江口由美 写真、取材協力:松村厚)

 

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取材当日は西日本豪雨のため私自身が取材に伺えず、関西宣伝の松村氏に取材を代行いただきました。取材者不在の中、こちらが用意した質問に答えていただいたセバスチャン・ローデンバック監督に、心から感謝申し上げます。


<作品情報>

『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』“Le Jeune fille sans mains”(2016年 フランス 80分)

<監督>セバスチャン・ローデンバック

<声の出演>アナイス・ドゥムースティエ、ジェレミー・エルカイム、フィリップ・ローデンバック、サッシャ・ブルド、オリヴィエ・ブローチェ、フランソワーズ・ルブラン

2018818日(土)~ユーロスペース、8月25日(土)~シネ・リーブル梅田、名古屋シネマテーク、今秋京都シネマ、元町映画館他全国順次公開

公式サイトhttp://newdeer.net/girl/