レポートインタビュー、記者会見、舞台挨拶、キャンペーンのレポートをお届けします。

2024年4月アーカイブ

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■日時:4月24日(水) 15:00~15:45  ※映画『ミッシング』上映前イベント

■場所:ローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-S みなとみらい シアター12 
(神奈川県横浜市西区みなとみらい三丁目5番1号/MARK IS みなとみらい5階 エンタテインメントフロ
ア)

■登壇者:

石原(いしはら)さとみ (37歳/映画『ミッシング』主演)
清水しみず俊英としひで (53歳/ローソン・ユナイテッドシネマ代表取締役社長)
菊田きくたのりあき (46歳/三菱地所プロパティマネジメント株式会社 MARK IS みなとみらい館長)
イサック・オレヴィック (50歳/フレックスサウンド エグゼクティブオフィサー)

山田真也やまだしんや (43歳/ローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-S みなとみらい支配人)


多くの映画館が立ち並ぶ横浜地区に、新たな映画館【ローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-Sみなとみらい】(12スクリーン、合計1,050席)が、4月26日(金)にオープンいたします。オープンを記念し、映画館オープンの前々日となる4月24日(水)に【オープニング テープカットセレモニー】と、オープニング記念作品となる【映画『ミッシング』舞台挨拶付き特別試写会】を、同時開催いたしました。


この度、イベント前半の【テープカットセレモニー】には、映画『ミッシング』(配給:ワーナー・ブラザース映画/5月17日 (金)公開)より主演・石原さとみ をはじめ、ローソン・ユナイテッドシネマ代表取締役社長・清水俊英、三菱地所プロパティマネジメント株式会社 MARK IS みなとみらい館長・菊田徳昭、フレックスサウンド エグゼクティブオフィサー イサック・オレヴィック、ローソン・ユナイテッドシネマSTYLE-S みなとみらい支配人・山田真也らが登壇。


また【テープカットセレモニー】に続けて、イベント後半には【映画『ミッシング』舞台挨拶付き特別試写会】を実施。再び石原さとみが登壇し、2022年の出産後、1年9ヶ月ぶりの芝居に臨んだ主演映画『ミッシング』へ込めた想いを、横浜のお客様に向けて初めて語りました。
 



【オープニングセレモニー】


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オープニングセレモニーの会場となったスクリーン12には新しい映画館のオープンを見守るべく、報道陣、関係者、そして試写会に招待された一般のお客さまが多数来場。開演前から会場は早くも熱気に包まれていました。まずはこの日の主催者である株式会社ローソン・ユナイテッドシネマ代表取締役社長 清水俊英よりご挨拶。「本日は当劇場にお越しいただきまして本当にありがとうございます。まだ26日のオープン前ですが、今日はじめてのお客さまをお迎えして、私どもも緊張しております。この映画館に初めて来ていただいたこと、非常に感謝しております。どうぞ、この後の映画『ミッシング』にて、新しいフレックスサウンドという仕組みを堪能していただきたいと思います」と感謝の気持ちを述べました。


「ローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-S みなとみらい」の最大の特徴はフィンランド発の【フレックスサウンド】。この没入型音響体験システムを全12スクリーン、全シートに導入されるのは世界でも初の試みとなります。このシステムを開発したフレックスサウンド社のエグゼクティブオフィサーのイサック・オレヴィック氏は「フレックスサウンドは、座席に座る全ての皆様に、音をより敏感に感じることができる能力をプレゼントします。個々の座席から音を聞き、音を感じることができるようになります。また皆さんが感じる振動は、映画の中に実際にいるような感覚を与え、俳優のセリフを含めて、音声のクリアさは格段に向上します。どんな小さな音でも聞こえ、感じられます。今日はこの劇場でもっとも先進的な没入型シネマサウンド体験をご紹介できることを大変光栄に思っています」とそのシステムの特徴を明かしました。


そして、この日は本映画館で上映予定の作品に出演する豪華キャスト陣から心温まるお祝いメッセージ映像を上映。『ミッシング』の石原さとみ、『陰陽師0』の山﨑賢人、染谷将太、『バジーノイズ』の川西拓実(JO1)、桜田ひより、『鬼平犯科帳 血闘』の松本幸四郎、『帰ってきたあぶない刑事』の舘ひろし、柴田恭兵と次々と登場する豪華キャストのお祝いコメントに会場はパッと華やかな祝福ムードに包まれました。


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さらに、当日は特別ゲストとして、シックなドレスに身を包んだ石原さとみがステージに登壇。場内のお客さまにも気さくに手を振ってみせるなど、会場は一気に華やぎました。ステージに登壇した石原は「映画館のオープン、本当におめでとうございます!」と挨拶。実際に本イベント前に本劇場に導入されている没入体験ができる【フレックスサウンド】を体験した石原はその感想を聞かれ、「本当に素晴らしかったです。大げさではなく、本当に感動しました。音も、台詞も、息づかいも、鼓動も、感情そのものが全身で感じられる。映画館で観る映画の魅力って“没入感”だと思うのですが、このフレックスサウンドで観る映画は絶対に他では得られない体験です。ここから先、全国から、この映画館に足を運ぶ人が大勢いらっしゃるんだろうなと思いました」と没入感あふれるシステムにすっかり魅了されている様子。そしてあらためて「この映画館のオープンに参加できて本当にうれしいです。『ミッシング』をオープニング作品として選んでいただき、本当にありがたく思います!」と会場に呼びかけました。


いよいよステージではテープカットイベントを実施。参加するのは、石原、ローソン・ユナイテッドシネマの清水代表取締役社長、フレックスサウンド エグゼクティブオフィサーのイサック・オルヴィック氏、そして三菱地所プロパティマネジメント株式会社 MARK IS みなとみらいの菊田徳昭館長、ローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-S みなとみらいの山田真也支配人の4名。大勢の観客が見守る中、盛大なファンファーレが鳴り響き、登壇者たちが一斉にステージのテープをカット!そこで司会者が「ローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-S みなとみらい、オープンです!」と高らかに宣言し、会場は祝福の拍手が鳴り響きました。
 



【映画『ミッシング』主演・石原さとみによる舞台挨拶】


missing-0424-ishihara-240.jpgそして、イベント後半では、この後上映される映画『ミッシング』主演の石原さとみによる舞台挨拶を実施。改めてステージに立ち「新しい映画館の匂いがしますね」としみじみ語ると、「公開前の『ミッシング』を、新しい映画館のフレックスサウンドで観ていただけるという、限られた貴重な機会だと思います。存分に楽しんでいただけたらと思います。」と語りかけました。


石原は常々、この『ミッシング』という作品を「私にとって宝物のような作品」と公言してきました。今から7年以上前、変わりたい、自分にできることはもっとあるのではないか、自分の知らないところに行ってみたい、今の自分を壊したいといった感情を抱えていたといい、「そんなときに出会ったのが

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 江口のりこ、中条あやみ、笑福亭鶴瓶と関西出身者が贈る、泣いて笑ってのご実家ムービー『あまろっく』が、4月14日より兵庫県で先行上映され、4月19日より全国ロードショーされる。先立って世界初上映された第19回大阪アジアン映画祭では、見事観客省を獲得した注目作だ。
※尼ロックとは、兵庫県尼崎市にある尼崎閘門(あまがさきこうもん)。英語で閘門は LockGate(ロックゲート)であることから尼ロックという愛称で呼ばれる。 船舶が通航できる巨大な閘門で、尼崎市の「0メートル地帯」に海水が流れ込むのを防いでいる。
 
ロケ地となった尼崎市のMOVIXあまがさきにて初日舞台挨拶が開催され、W主演の江口のりこ、中条あやみ、中林大樹と中村和宏監督が登壇した。上映後にスタンディグオベーションが起き、その熱気そのままに観客がスタンディングと歓声でゲストを迎え、最初から劇場のテンションがマックスに。
 
「朝早くからご苦労さまです」(江口)、
「今日という日を迎えられたのは、ほんまに、ここにいるみなさんのおかげやなと思っております。平日の午前中でみなさん、暇なんやなと。でもスタンディングで、拍手までしていただいて感無量です」(中条)
「本当に大好きな映画なので、今日の日が待ち遠しかった」(中林)
「平日の朝から、会社を休んできてくれていると思うので、暇じゃないと思います。よろしくお願いいたします」(中村監督)
とクールな優子そのままの江口と、天真爛漫な早希そのままの中条、パッションを感じる早希のお見合い相手南雲役の中林、中条に早速ツッコミを入れる中村監督がご挨拶。
 

■最後はやる女なんですよ(中条)

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    前日、中条が甲子園で始球式をしたことが話題に上ると、「中林さんにネタなの?と言われましたが、『あまろっく』(の宣伝)も背負っているし、甲子園だしでどちらの足を上げて投げるかわからなくなって。でも最後はやる女なんですよ」と3度目の仕切り直しでノーバウンドピッチングを行ったことを振り返った。そんな中条のことを江口は「すごくお茶目で面白いことが大好きな人、みなさんが思っているイメージ以上にやんちゃな人。(一緒にお芝居をしているときは)気持ちがやわらかくて、全てを受け入れてやる姿勢がすごいと思った」とコメント。さらに「あやみちゃんや中林さんなどと一緒にやる中で生まれた芝居だし、この人たちと一緒にやれたからできた作品です」と共演者たちに感謝の言葉を伝えた。

 

■鶴瓶師匠は思っていることを言っても笑いになる(江口)

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 笑福亭鶴瓶が演じる父の再婚相手、早希と、失職して自宅に戻ってきた娘、優子の会話バトルも本作の大きな見どころだが、大阪出身の中条は「実家から撮影現場に通っていましたが、優子とテンポよく話すことが必要だったので、(中条の)おかあさんが読み合わせの相手をしてくれ、謎のアドバイスもしてくれました」と関西撮影ならではのエピソードを披露。共演の鶴瓶は「仏のような人で、ずっと江口さんが『師匠、いいな』と言ってました」と江口に話を振ると「師匠は思っていることを言っても笑いになる。『これ、何待ち〜』とか『水〜』と言っても悪い雰囲気になりませんから」と大御所ながら、鶴瓶が撮影現場で潤滑油のような役割を果たしていたことをさりげなく表現。
 

 さらに、ボート部出身という設定で、ひとりでボートを漕ぐシーンがあった江口は、「結構練習しました。最初はなんでせなあかんのかと思ったけれど、撮影の辛さがボートの練習で癒されていったので、わたしにとってボート練習は撮影期間中、大事でした。関西学院大学ボート部の学生さんやコーチの村田先生のたくさんの協力や助けがあってできました」と難しいボートシーンが逆に癒しとなったことを明かした。

 

■出来上がった映画は脚本の良さがそのまま出ている(中林)

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 一方、撮影前に一人で尼ロックに行ったことを明かされた中林は「中村監督が6年間大事に温めてこられた作品なので、思い入れがすごかったです。関西独特の、素直にありがとうと言えず、まわりくどく表現するところが、すごくきちんと描かれている脚本で、出来上がった映画も脚本の良さがそのまま出ているのですごく嬉しくなった」と作品の感想を語った。
 
 本作の構想から公開まで6年がかりだったという中村監督。小学6年生までは尼崎に住んでいたことを明かしながら、「6年前に大きな台風が関西を襲ったとき、尼崎はあまろっくがあったから被害が少なかったという記事を読み、調べてみると大切な施設だとわかったんです。誰も知らない隠れた英雄的な、ひっそりと街を守っている感じが(鶴瓶が演じた)竜太郎的だと思い、本作の構想を考えつきました」。
 

■中条さんには東京ガールズコレクションではなく、(尼崎の)三和商店街を歩いてほしかった(中村監督)

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さらに、中条ら関西出身俳優のキャスティングについては、「お客さんも関西出身の中条さんが『あまろっく』のように、2時間丸々関西弁でしゃべっている作品を見たことがないと思うのです。よく方言指導に入ってもらいますが、今回はなしでやらせてほしいと申し出ました。中条さんには東京ガールズコレクションではなく、(尼崎の)三和商店街を歩いてほしかった」と理由を明かすと、中条も「ここまでがっつり関西弁という作品はなかったし、これからもないと思います」と関西弁を思いっきりしゃべれた本作を振り返った。さらに横から江口が「(関西弁の作品はこれからも)あると思いますよ」とさりげなくツッコミを入れたのも印象的だった。
 
 
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最後に、
「来年阪神大震災30年の節目ですし、この作品を観て、ちょっとでも見た人が前向きな気持ちになっていただければと思います」(中村監督)
「撮影して映画が完成して、映画が公開できているというのは当たり前のことではないので、ここまでこれてよかったと思います。お子さんも見にきてくれていますし、めっちゃわかりやすい話だと思いますので、子どもとか、おじいちゃんやおばあちゃんを連れてきてくれたらうれしいです」(江口)
「デジタル時代に、こういうちょっとめんどくさい家族の物語で、(顔を合わせて話をするのは)アナログな作業ですが、共感できたり、家族って大変やし面倒臭いけど、そこに幸せを感じていただけたと思います。兵庫県の上映で、全国の上映期間が決まりますので、SNSで広げていただけるとうれしいです」(中条)
と挨拶し、本拠地仕様で全力応援のMOVIXあまがさきでの舞台挨拶を締めくくった。
(江口由美)
 

<作品情報>
『あまろっく』(2024年 日本 107分)
監督・原案・企画:中村和宏
出演 : 江口のりこ 中条あやみ / 笑福亭鶴瓶
松尾諭 中村ゆり 中林大樹 駿河太郎 紅壱子 久保田磨希 浜村淳/後野夏陽 朝田淳弥 高畑淳子(特別出演) 佐川満男
2024年4月12日(金)よりMOVIXあまがさきをはじめとする兵庫県内で先行公開、4月19日(金)より全国公開
© 2024 映画「あまろっく」製作委員会
 
 

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【日時】4月10日(水) イベント/18:30~ ※上映前

【場所】グランドシネマサンシャイン 池袋 シアター3
   (豊島区東池袋一丁目30番3号 グランドスケープ池袋) 

【登壇者】戸田奈津子氏(字幕翻訳者・「午前十時の映画祭」作品選定委員)



<また見たい名作><ずっと気になっていた名作><知らなかった名作>を劇場の大スクリーンで鑑賞できる「午前十時の映画祭14」(主催:川喜多記念映画文化財団、映画演劇文化協会)が4月5日(金)より開催中です。14回目を迎える今年のオープニングは、昨年シリーズ最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が話題となったインディ・ジョーンズの3作品。新たな上映作品19本(外国映画15本、日本映画4本)、再上映作品8本の全27本を全国65劇場で約1年にわたって順次上映していきます。


Gozen10jinoEigasai-魔宮の伝説-550.jpgこの度、「午前十時の映画祭14」がグランドシネマサンシャイン 池袋で開催されることを記念して、4月10日(水)に戸田奈津子さんトークイベント付き『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』特別先行上映を実施いたしました。本作の字幕翻訳を務め、また「午前十時の映画祭14」作品選定委員でもある戸田奈津子さんに、公開当時のエピソードやハリソン・フォード、スティーヴン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカスとの交流秘話、そして「午前十時の映画祭14」にかける思いなどを語っていただきました。
 


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字幕翻訳の第一人者として知られる戸田奈津子さんは、これまで約1500本もの外国映画の字幕を手がけ、トム・クルーズ、ロバート・デ・ニーロなどをはじめとする数々のハリウッドスターからご指名で来日時の通訳者としても活躍されてきました。ハリソン・フォードとは1978年の『スター・ウォーズ』来日キャンペーンでの通訳での出会いからの付き合いで、当時は全くの無名だったといいます。1991年にはロサンゼルスのハリソン・フォードのご自宅に招かれるなど、公私ともにお付き合いがある戸田奈津子さんならではの貴重なお話が次々と飛び出しました。


Gozen10jinoEigasai-戸田さんハリソンさん-240.jpgグランドシネマサンシャイン 池袋にて開催中の「午前十時の映画祭14」の上映作品となる『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』は、ジョージ・ルーカス原案、スティーヴン・スピルバーグ監督、ハリソン・フォード主演のアクション・アドベンチャー『インディ・ジョーンズ』シリーズの第2弾作品。「(1984年の作品なので)数えれば40年前なんですよ。(第1弾の)『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』はわたしが字幕屋として成り立つ前の作品なので先輩が担当したんで、わたしがこのシリーズを手掛けたのはこの作品からですが、まさかこのあと5作目までやるなんて夢にも思いませんでした。ここまで愛されるシリーズを担当させていただいて、冥利に尽きると思っています」としみじみ。


字幕翻訳だけでなく、ルーカス、スピルバーグ、ハリソンが映画のプロモーションで来日した際には、幾度となく通訳も担当してきたということもあり、彼らとは親しい付き合いをしてきた。「この3人は本当に仲がよくて。3人が東京で落ち合う機会があって。わたしもその場に居合わせたんですが、“friend”よりも親しい友だちに使う“pal”という言葉の「ハロー、パル!」と言いながら3人でハグをしているのを見て。やはりあれだけの映画を撮ってきたので仲も良くなるんでしょうね。その中でも一番長くお付き合いしたのがハリソンです」と切り出した戸田は、ハリソン・フォードの人柄について「彼はとても苦労した人で20代の時は無名なアクターだった。それがルーカスに見出され、『スター・ウォーズ』に出ることになって。それで日本に宣伝に来たのですが、まだ日本では公開されてないから誰も知らないわけ。Tシャツにジーパンというラフな格好で目立たない。公開された後はすごいことになりましたが。わたしもいろいろな俳優にお会いしてますけど、無名なところからビッグになった過程を見ることができたトップはハリソンです。ただ彼はスター扱いされるのを嫌がって。自分自身ではアクターとは言わずに、ストーリーテラーだというのが彼の口癖。本当に謙虚な役者だと思いました」。


Gozen10jinoEigasai-toda-240-2.jpgさらにスティーヴン・スピルバーグについても「彼は今でこそ白髪になっているけど、彼はハートが子どもなんです。彼のオフィスには書類なんてなくて、ゲームマシーンやピアノが置いてあって。そして犬が走り回っている。そこに子役の子どもたちがいて、『スティーヴン、あそぼ!』と言ってくるのね。あれほどの人なのに、彼は一緒になって子どもたちと遊んでるの。こういう気持ちを持っているから『E.T.』みたいな映画がつくれるんだなと思いました。彼の頭の中は映画のことでいっぱいで。スポーツとか政治の話をしているのは聞いた事がない。だからこそお客さんの心をつかむ映画ができるんでしょうね。いつ会っても気持ちのいい方です」とその人柄を解説。


そしてジョージ・ルーカスについても「(戸田の字幕翻訳家デビュー作となった『地獄の黙示録』に指名してくれたということもあり)コッポラ監督はわたしにとっても大恩人ですが、彼がパーティに招待してくれて、そこにルーカスが来るというので、どんな方なのかしらと思っていたのですが、なかなか来ない。そろそろ宴もたけなわというところで、コソコソと来たのがルーカス。彼はちょっとだけ話して帰ってしまいました、本当にシャイで。いつも目を伏せていて、相手の目を見ないくらいシャイな人。でも何度も日本に来ていて、付き合いが深くなると、口を開くようになり、面白いジョークを言ってくれるようになる。『スター・ウォーズ』を見ても分かるけど、アイデアは本当にすごいでしょ。そんな彼がスティーヴンと協力してつくりあげたのがこのシリーズというわけです」と説明した。


Gozen10jinoEigasai-toda-240.jpgそしてそんな3人について「この3人はそれぞれ人柄も違うし、暮らしも違う。でも映画が好きというのは共通しています。やはりハリウッドで生き残る人は本当に映画が好きでないといけないし、やはり人間的魅力がないと駄目だと思います」と指摘した戸田。さらに「わたしも映画好きというところがスタートラインですから。それをまっとうできたということはうれしいですし、今日みたいに40年経った映画を皆さんが観に来てくださることはとてもうれしいこと」としみじみと付け加えた。


そして最後にグランドシネマサンシャイン 池袋でもいよいよ始まった「午前十時の映画祭14」について、「わたしはずっと選考委員をしていますけど、本当に昔の映画はいい映画が多いんですよ。その中から選りすぐった作品を上映していますので、どの作品を観ても損はありません。本当に観て良かったと思う作品ばかり。それは断言できます。今後もぜひとも見続けていただきたいと思います」と観客に呼びかけた。


全スクリーンが4K対応のグランドシネマサンシャイン 池袋で「午前十時の映画祭14」は絶賛開催中!


(オフィシャル・レポートより)

 
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 ノルウェーの青春音楽ロードムービー『ロスバンド』で知られるクリスティアン・ロー監督のスウェーデンを舞台にした最新作『リトル・エッラ』が、4月5日より新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺、シネマート心斎橋、アップリンク京都で公開中、4月20日より元町映画館、以降全国順次公開される。スウェーデンの街やファッション。フードのカラフルさだけでなく、個性豊かな登場人物が次々登場し、人種、ジェンダーの壁を軽やかに超えて、最後はそれぞれが、かけがえのない友情や愛情に気づく。ぜひ親子でご覧いただきたい、ハートウォーミングな作品だ。本作の公開を記念し、来日したクリスティアン・ロー監督にお話を伺った。
 
<ストーリー>
人と仲良くするのが苦手なエッラが、唯一仲良くできるのは、おじさんで“永遠の親友”であるトミーだけ。両親が休暇で出かけている間、トミーと過ごすのを楽しみにしていたエッラだったが、オランダからトミーの恋人スティーブがやってきて、夢の1週間は悪夢へと変わる。親友を取り戻したいエッラは転校生オットーの力を借りてスティーブを追い出すための作戦に出るのだが…
 

 

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■最高の児童映画があるスウェーデンで、子どもの映画を撮れたのは本当に光栄

―――まず、監督は今までどんな映画に影響を受けたのかを教えてください。
ロー監督:『ロスバンド』も『リトル・エッラ』もインスピレーションを受けたのは『リトル・ミス・サンシャイン』です。また『ロスバンド』は『セッション』にもインスピレーションを受けました。自分が小さい頃は『グーニーズ』やアストリッド・リンドグレーンの作品が大好きで、特に「長くつ下のピッピ」がお気に入りでした。『リトル・エッラ』ではおばあちゃん役のインゲル・ニルセンさんが、テレビシリーズに出演していたので、彼女に演じてもらうのは素晴らしいことでした。小さい頃から、スウェーデンの児童映画は最高のものだと思っていたので、自分がスウェーデンの子どもの映画を撮ることができたのは、本当に光栄だと思っています。
 日本の映画ではジブリ作品が大好きで『となりのトトロ』や『千と千尋の神隠し』がお気に入りです。今回は妻子と来日していますが、三鷹の森ジブリ美術館にも行きました。
 
―――ロー監督はノルウェーのご出身ですが、今回隣国のスウェーデンで撮影され、新たな発見や文化の違いはありましたか?
ロー監督:実はノルウェーとスウェーデンはとても似ている国で、言語も非常に似ているのですが、わずかに違うのが、スウェーデンにはフィーカというコーヒーブレイクがあります。映画でもモンスターケーキを食べるシーンが出てきましたが、ああいうお菓子を食べながらコーヒーを飲むんです。昼休み以外にも、スウェーデンでは、みんなフィーカのお休みを取ろうとすることすることが多かった。わたしはノルウェーではとてもスピーディーに仕事をするタイプなのですが、スウェーデンではフィーカの休みに引きずられ、撮影もいつものようにテキパキとはいかなかったですね。
 
 
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■嫉妬という感情やおじさんとの友情を軸に、オリジナルの“いたずら”を加えて

―――本作は、スウェーデン出身の絵本作家ピア・リンデンバウムさんの『リトルズラタンと大好きなおじさん(未訳)』が原作ですが、一番心惹かれた点や、映画化するにあたり大事にした点を教えてください。
ロー監督:この絵本は素晴らしいと読む前から噂を耳にしていましたが、実際映画化の企画が立ち上がってから読んでみると、嫉妬という感情について描かれているのが素晴らしいと思いました。この感情は全ての人間が持つもので、そこを描くことにとてもやりがいを感じました。あとは絵本で描かれているおじさんとの友情についても素晴らしいと思いました。絵本のスタイルを大事にする一方、原作はたった30ページしかなかったので、映画化するにあたっては大幅に要素を付け加えることが必要でした。例えばカーチェイスのシーンを付け加えましたし、エッラと友達になりたがり、スティーブ追い出し作戦に協力してくれる転校生のオットーは新たに作り出したキャラクターです。そして、あとはユーモアが必要でした。映画化においては、エッラが繰り出すさまざまないたずらを付け加えています。
 
―――なるほど。エッラのいたずらは、ほとんど監督が考えたのですか?
ロー監督:原作ではスティーブの靴の上に塩を振るシーンはありましたが、付け加えたのはネズミとか、コーヒーに塩を入れるシーン。そしてスティーブの髪を刈り上げるシーンですね(笑)。
 
―――エッラのいたずらを受け止める大人たちの寛容さにも驚きました。日本では人に迷惑をかけないように、大人がすぐ叱ることが多いのですが、ノルウェーやスウェーデンでは子どもに対してどのように接しているのですか?
ロー監督:映画の中のトミーは非常に我慢強いですよね(笑)。わたしたちの文化は叱りつけるというよりは、もう少し穏やかに子どもと話をするという文化かもしれません。ただ、トミーほど(いたずらをされ続けても)寛容でいられるかは難しいですね。
 
 
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―――多様性が違和感なく伝わってきて、見終わってとても幸せな気持ちになれます。
ロー監督:わたしも『リトル・エッラ』の原作者であるピア・リンデンバウムさんが大好きで、トミーおじさんに男性の恋人がいることがごく自然に描かれていたので、映画の中でも活かしたいと思いました。
 
―――前作の『ロスバンド』でも、不器用な子どもを主人公にした作品を作られていますが、ご自身の作家性についてどのように捉えておられますか?
ロー監督:第一に若い観客を非常に大事にしているし、彼らが好きですね。若い観客が受ける映画体験は非常に強いものがありますから。わたしは少し疎外感を覚えている登場人物を描く傾向があります。わたしも小学校の時、自分の居場所はここにはないと感じていました。『ロスバンド』でも4人のキャラクターがそれぞれ、さまざまな葛藤を抱えていますが、一緒にバンドを組み、友達として乗り越えていくことを描きました。『リトル・エッラ』も友情について描いた作品だと思っています。
 
 
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■子どもたちがさまざまな芸術家と触れるノルウェーの教育事業「カルチャースクールリュックサック」

―――若い観客を大事にした映画づくりは本当に大切で、日本のミニシアター界でも若い観客を育てるのが喫急の課題であり、大事なのは学生時代に映画を見る体験だと思っています。スウェーデンでは児童映画の秀作も多いということで映画が教育の中に根ざしているのではと思ったのですが、ノルウェーでは映画を教育に取り入れたプロジェクトはあるのですか?
ロー監督:ノルウェーの小中学校では、(国からの予算で運営され、芸術家にも報酬が支払われる)カルチャースクールリュックサックという取り組みがあります。子どもたちがさまざまな分野の芸術家たちに出会える機会を作るというもので、『リトル・エッラ』もいろいろな街の映画館で上映し、地元の小中学生が観客として訪れ、監督とのQ&Aの時間や話し合いの時間を設けています。子どもたちにとってさまざまな芸術家に直接出会える体験は非常に大切だと思います。高校ではメディア学科があり、大学は僕の出身地、リレハンメルに国立の映画大学があります。
(江口由美)
 

 
<作品情報>
『リトル・エッラ』 “LILL-ZLATAN OCH MORBROR RARING”
(2022年 スウェーデン・ノルウェー 81分)
監督:クリスティアン・ロー  
出演:アグネス・コリアンデル、シーモン・J・ベリエル、ティボール・ルーカス 他
現在、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺、シネマート心斎橋、アップリンク京都で公開中、4月20日より元町映画館、以降全国順次公開
(C) 2022 Snowcloud Films AB & Filmbin AS
 
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 ノルウェーを舞台にした青春音楽ロードムービー『ロスバンド』で知られるクリスティアン・ロー監督のスウェーデンを舞台にした最新作『リトル・エッラ』が、4月5日より全国公開中だ。公開を記念して、4月7日にシネマート心斎橋にてクリスティアン・ロー監督が登壇し、北欧ビンテージショップFukuyaオーナーの三田陽子さんが聞き手を務める舞台挨拶が開催された。その模様をご紹介したい。
 
 
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<ストーリー>
人と仲良くするのが苦手なエッラが、唯一仲良くできるのは、おじさんで“永遠の親友”であるトミーだけ。両親が休暇で出かけている間、トミーと過ごすのを楽しみにしていたエッラだったが、オランダからトミーの恋人スティーブがやってきて、夢の1週間は悪夢へと変わる。親友を取り戻したいエッラは転校生オットーの力を借りてスティーブを追い出すための作戦に出るのだが…
 

 

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―――エッラの大好きな叔父のトミーとスティーブは同性カップルですが、映画の中で特別ではなく、普通のこととして描かれています。日本は性の多様性について保守的で、日本映画では同性同士の恋愛部分がフューチャーされがちですが、監督は意図的に(ニュートラルに)描いているのですか?
ロー監督:原作絵本で大好きだったのは、トミーとスティーブの関係性です。同性同士であっても愛は愛であり、その点が素晴らしい。世界の中で同性の人を愛するのはごく自然だと思っています。エッラにとって、大好きなトミーおじさんを奪ってしまう人は、どちらの性でも関係ありません。その点も素晴らしいと思いました。
 
―――物語のキーとなる「友とは人生の庭に咲く花」という言葉は原作に登場しませんが、どのようなところから引用したのですか?
ロー監督:脚本家の一人、サラ・シューが見つけた言葉です。彼女の引用元はわかりませんが、この映画のメッセージに大変適した言葉だと思います。
 
 
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―――エッラは友達がおらず、母型の叔父が遊んでくれたことが、わたし自身の境遇と重なり感情移入しましたが、監督自身の子ども時代の体験をエッラの描写に反映させた点はありますか?
ロー監督:わたし自身、小さいときに大のお気に入りのおじさんがいました。面白いことに原作者にも大変お気に入りのおじさんがおり、それをもとにこの絵本を描いたそうです。また、転校生のオットーは原作にはないキャラクターですが、彼の中に自分の体験や感情を込めた部分があります。
 
―――『リトル・エッラ』には北欧料理が多く登場します。ポークパンケーキやユニークなお菓子が出てきますが、監督は映画の中で食べ物をどのような役割と捉えているのですか?
ロー監督:『リトル・エッラ』で食べ物はいろいろな役割を果たしてくれました。ポークパンケーキは非常に伝統的なスウェーデン料理ですが、エッラにとってはつまらない食べ物です。一方、トミーは人生でワクワクすることが大好きです。フィーカと呼ばれるスウェーデン人が大事にしているコーヒーと大事なおやつを食べる習慣を大事にしており、そこでモンスターケーキを食べることも大事にしています。ノルウェーとスウェーデンは隣国ですが、ちょっとした違いがあるんです。スウェーデンにはランチ休憩以外でもフィーカの伝統があるので、ノルウェーで仕事をすると一生懸命働き、体重が減るのですが、今回、スウェーデンで撮影したので、体重が増えてしまいました(笑)。
 
 
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―――最後に、原作でも登場する三つ子の兄弟は、(CGではなく)本物の三つ子だそうですね。
ロー監督:実は彼らは俳優ではなく、大工さんたちなんです。Youtube動画を探していたとき、三つ子株式会社という面白いYoutube動画をアップしていて見つけました。映画でとても上手に演じてくれましたよ。
(江口由美)
 

<作品情報>
『リトル・エッラ』 “LILL-ZLATAN OCH MORBROR RARING”
(2022年 スウェーデン・ノルウェー 81分)
監督:クリスティアン・ロー  
出演:アグネス・コリアンデル、シーモン・J・ベリエル、ティボール・ルーカス 他
現在、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺、シネマート心斎橋、アップリンク京都で公開中、4月20日より元町映画館、以降全国順次公開
(C) 2022 Snowcloud Films AB & Filmbin AS
 

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