レポートインタビュー、記者会見、舞台挨拶、キャンペーンのレポートをお届けします。

2013年9月アーカイブ

 

shazai-b550.jpg自由の女神が熱烈歓迎!『謝罪の王様』舞台挨拶

 

 

 

ゲスト:阿部サダヲ(主演:黒島譲 役)、宮藤官九郎(脚本)、水田伸生(監督)  
(2013年9月20日(金)TOHOシネマズ梅田にて)

 

(2013年 日本 2時間8分)
監督:水田伸生
脚本:宮藤官九郎
出演:阿部サダヲ、井上真央、竹野内豊、岡田将生、尾野真千子、荒川良々、濱田岳、高橋克実、松雪泰子他 

2013年9月28日(土)~全国東宝系ロードショー

公式サイト⇒ http://www.king-of-gomennasai.com/
(C) 2013「謝罪の王様」製作委員会

 


 

 ~水田監督の土下座体験に着想!? クドカン流“謝罪のススメ”~

 


shazaino-2.jpg 世の中不祥事を起こしても悪いという自覚もなく謝罪するケースが多い。いくら美辞麗句を並べようと、自らの非を認めない限り謝罪の意は伝わらない。そんな光景を他人事のように見ている自分も、形骸化した謝罪しかできないのでは? な~んて思っている誠意の枯渇した現代人に「喝っ!」を入れてくれる映画『謝罪の王様』が公開される。

 謝罪の仕方を指南してくれる謝罪師のパイオニアである黒島譲役を、今年『奇跡のリンゴ』に次いで主演作が続く阿部サダヲが演じ、さらに『舞妓Haaaan!!!』『なくもんか』の宮藤官九郎脚本、水田伸生監督というゴールデントリオが再結成し、日本中に笑いのトルネード旋風を巻き起こすこと必至の話題作だ。

 

shazai-b2.jpg 9月28日(金)からの全国公開を前にキャンペーンのためこの3人が来阪。TOHOシネマズ梅田で開催された試写会では観客に王冠を被ってもらい、、映画の重要なアイテムである「自由の女神」450体で、舞台挨拶に登壇したゲストを熱烈に歓迎した。

 

 

 


 

shazai-abe1.jpg【最初のご挨拶】

阿部:こんばんは!眩しくて何も見えない…何ですか、それ? 大阪の人って面白いですね~、大阪だけですよ、そんな恰好で迎えてくれたの(笑)。

宮藤:こんばんは!今日はお金払ってないお客さんですね? 運だけで見られるなんて凄いですね~!

水田監督:そんな物まで被って頂いてありがとうございます。宮藤さんダメじゃないですか、そんなこと言っちゃ!? こっちから見るとイチゴ畑みたいですね♪

阿部:被らない人、ちゃんと見えてますからね!(と言われて被り出すと)そうそう、かわいいイチゴちゃんになったよ♪(笑)

 

 

shazai-kudo1.jpg――― 大阪のイメージは?

宮藤:大阪の好きな所は、〈揚子江ラーメン〉! よく行きます。

阿部:大阪は優しい人が多い! というのも僕を泊めてくれる人が多いから(笑)。知らない人でも何回か泊っているうちに友達になって、今では家族ぐるみで付き合っています。飲んで帰れなくなって泊めてもらうことが多いのですが、いつも「泊りい↗」って言ってくれます(笑)。

水田監督:お客様の反応が明らかに東京と違いますね。大阪の方は楽しむことを分かっていらっしゃる。その分笑いに厳しいので、舞台が盛り上がるありがたさを痛感しております。今日はシーンとしないようお願いします。

 

shazai-mizuta1.jpg――― 阿部サダヲさん主演映画を監督するのは3回目ですが、水田監督から見た阿部サダヲさんはどんな俳優?

水田監督:ゴムボールのような俳優。触るとフニュって柔らかいが、投げ方や方向によっては予想もつかないような変化球となって、面白い演技を見せてくれます。

――― 阿部さんはいかがですか?

阿部:水田監督はその時々によって投げ方が違うので…見て頂ければ分かると思いますが、今回は上へ投げっぱなしの場面もありました。

水田監督:はい、30メートルの高さに6時間吊るしっぱなしの時もありました(笑)。

 

shazai-kudo2.jpg――― 謝罪をテーマにした理由は?

宮藤: 〈風刺コメディ〉というお題を頂いて、どういうことかな?と考えていたら、TVで謝罪する人々を見ていて、謝り方がマニュアル化されているなと思ったんです。こうした形骸化している謝罪は風刺になる!と思って提案してみました。

 

水田監督:打ち合わせの時に、「僕は二度土下座したことがあるよ」という話をしたら、とても盛り上がったんですよ。

 

shazai-mizuta2.jpg――― ええ?どんなことがあったんですか?

水田監督:それを言ったら、記者さんたちはそのことしか書かないと思うんで(笑)。

 

――― これだけのエピソードの発想は?

宮藤: 「謝る」ということと「謝り方を教える」という謝罪師の二つを基本に、国を背負っての謝罪や家族に「ごめん」と言えない大人とか、深く考えなくてもいろいろ浮かんできました。

――― 土下座がいっぱい出てきましたが?

阿部:謝罪師は初めての役でしたので、「これぞ謝罪師!」と最初だから何をやってもいいかと思いました。この劇場の入口の所に謝罪師の顔が重なったパネルがあります。まるでエグザイルみたいな恰好のものが置いてありますが、あれは「ドゲザイル」と言うらしいです(笑)。

 

【最後のご挨拶】

shazai-abe2.jpg阿部:ニューヨークでも試写会をしたのですが、ニューヨークと大阪は客席の感じが似ているところがありますね。ワオー!とかエーイ!とか楽しみ方が同じ。そんな楽しみ方を全国に広げて頂きたいです。どうぞ自由に見てお楽しみ下さい。今日は皆さんは残念ながらお金を払えなかったらしいですが(笑)、28日からお金を払える上映が始まりますので、お友達やご家族をお誘いあわせの上お越し頂きたいと思います。

今日は皆さんかなりの強運ですね? パーだけで優勝するようなもんですよ(笑)。どうかよろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。

 


 

 この日の舞台挨拶はサプライズとあって、3人のゲストが登場すると大歓声が(じぇじぇじぇ~!!!)。劇団「大人計画」のメンバーでもある阿部サダヲと宮藤官九郎は、人気、実力とも全国区。特に、NHK朝の連ドラ『あまちゃん』の脚本を手掛けた宮藤官九郎の人気急上昇ぶりに、だれもがその素顔に興味津々。映画『謝罪の王様』の誕生秘話には、日本中を元気にしたクドカンのアイデアの泉を覗いた気がした。阿部サダヲも『あまちゃん』に出たかったらしいが、主役をくっちゃいそうな勢いの存在感は、映画の中で楽しみたい。

shazai-paneru.jpg パワー全開! 謝罪師にかかると、問題を根本から解決してくれます。 さあ、何かお悩みのあなた! “謝罪の王様”にご相談下さい。劇場に居ますよ。《ドゲザイル》と共にお待ちしております。

(河田 真喜子)

 

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『人類資金』記者会見


 ゲスト:阪本順治監督、佐藤浩市、森山未来

 

 

(2013年 日本 2時間20分)
監督:阪本順治  脚本:福井晴敏、阪本順治
出演:佐藤浩市 香取慎吾 森山未來 観月ありさ 石橋蓮司 豊川悦司 寺島進 三浦誠己 岸部一徳 オダギリジョー ユ・ジテ ヴィンセント・ギャロ 仲代達矢

 2013年10月19日(土)~全国ロードショー

★作新紹介⇒ こちら
★公式サイト⇒ http://www.jinrui-shikin.jp/ 
(C)2013「人類資金」製作委員会


 

 

~世界を救えるか、ホントにあった“M資金”~
 

 

jinrui-550.jpg  阪本順治監督が世界経済をテーマにしたエコノミック・サスペンス『人類資金』が完成し17日、題材に合わせて大阪・北浜証券取引所で阪本監督、主演の佐藤浩市、森山未来らが参加して映画をアピールした。

 人気作家・福井晴敏の原作を映画化した『人類資金』はM資金(日本軍が秘匿した金塊)専門の詐欺師・真舟(佐藤浩市)が、実際にM資金を管理する組織の責任者M(香取慎吾)とかかわり、アジア・カペル共和国の青年セキ(森山未来)と出会ったことから、世界経済の仕組みに逆らって弱者救済に立ち上がる、という壮大なスケールの物語。

 昨年5月、日本映画では初めてという国連本会議場でクランクインしたあと、厳寒のロシア・ハバロフスク、気温40度のタイ、もちろん日本各地でのロケ含め4か国を駆け巡った労作。それだけにまずは完成にこぎつけた安堵感が漂った。

 


 

jinrui-sakamoto-1.jpg ――― 世界を駆け巡った映画が完成した感想は?
佐藤浩市:
経済を題材にしたエンターテイメントなんて、この時期によく出来た、と思う。原作と同時進行で、ほとんどオリジナルなんだから…。
森山未来:ハードな内容のこの映画がどこまで観客の皆さんに伝わるか。画面の向こうに見えてくるものがあると思う。
阪本監督:7年前に構想してから“人類”はあったが“資金”がなかった。脚本がようやくまとまりかけたら(2011年)3・11でもう一度練り直し、考え直し、何年かかかってしまった。でも、この年に公開するのがベストだと思う。経済に興味なかった人も今なら興味持ってくれるのではないか。東京五輪が決まり、次のバブルが始まるような時代に公開することに意味があると思う。この映画が成功しないことには次はない。
M資金の映画、と言っても誰も振り向いてくれない中、一人が「オレ、乗っかる」と言ってくれた。この泥舟に誰が乗っかってくれるか、といった感じだった。我々の本気度を示すため、去年5月、ニューヨークの国連本会議場での撮影の許可をもらい、(森山)未来一人だけ連れて行って撮影を開始した。そこで終わったら『国連』という短編映画ができあがっていた(笑)。
佐藤浩市:今の時期にM資金、どうして?  という感じだったけど「オレ、やるよ」と乗っかった。この状況で見切り発車しても沈まされるんじゃないかと思うこともあったが、まだ浮かんでいる。“阪本《人類資金》丸”は支持出来る。
森山未来: 僕はネタバレになるんで、あまりしゃべれないけど、台本読んで分からない言葉が多かった。でも、台本から凄い熱量が沸き上がってくる感じがすごくあった。これは乗らなきゃ損だ、と思った。

 

jinrui-sato-1.jpg ――― 経済に関する知識はあったのか?
阪本監督:
福井(晴敏=原作)も全く無知でしたね~『初めての人にもわかる経済用語』と言う本を森山君にも勧めました。経済についてイチから勉強しました。
佐藤浩市: 僕は下北沢と中目黒にアパートを持ってます(笑) って、嘘ですよ。父(三国連太郎)の背中を見てきたのである程度はその重要性は認識しているが、まったく疎いです。全部女房まかせです。
森山未来:昔から宵越しのカネは持たない生き方している。ざっくり、お金がどう回っているか、輪郭は把握出来るようになった。 カネ持ってないなりに、飲み屋で経済の話をしようとしている。 

 

 

 

 

jinrui-moriyama-1.jpg ――― 大変なハードスケジュールだったと聞くが?
森山未来:去
年5月の国連シーンが2、3日。10か月空いて、今年2月末から4月という撮影。監督の前作『北のカナリアたち』撮影の合間だったり、それ以外にも舞台に立ってたりして忙しかった。てんやわんやでこの現場に戻ってきて、背筋がピンとした感じだった。
佐藤浩市:僕は冬のロシア・ハバロフスクから入ってタイに行った。気温差60度ですからね。監督からは、寒いとところから暑いところへ行くと「酒がよく回る」といういいアドバイスをもらった(笑)。ハードでタイトな撮影になることは分かっていたの、その覚悟はできていた。 

 

 

 


 jinrui-sakamoto-2.jpg阪本監督:難産ではあったが、どうしたらスケール感を失わずに撮れるかが課題だった。移動日を抜いて実質31日間という日数はデビュー作『どついたるねん』とまったく一緒だった。あれは新世界周辺だけで撮ったがこれは世界中で撮った(笑)。
飛行機も格安チケットだから1日も撮影を延ばせなかった。だけど、幸運には恵まれた。ハバロフスクで「ここは雪が欲しい」という時に降ってくれた。僕はいつも(昨年亡くなった)原田芳雄さんの写真を持っていて、それを天にかざしたら晴れてくれる。奇跡的というか偶然性を味方にしながら撮りきれたと思う。最後の方では、スタッフが「そろそろ原田さんの写真お願いします」なんて言ってましたからね(笑)。 

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――― 最初が国連会議場のシーンだったが?
阪本監督:
見切り発車だったので、これで映画が作れなければ、この国連のシーンの短編映画でも作ろうかと、開き直って撮った。僕より未来君がきつかったでしょうね。
森山未来:いきなり国連で、そこだけ撮るんですからね。でも、僕は「ここから逆算すればいい」と考えるようにしました。カペル共和国のセキ(森山の役名)が「援助は必要ありません」というんですが、普通の感覚で言うのはは難しい。でも、ホントの国連でエキストラの人たち200~300人の前で演説する。景色が自分の中で広がっていく感じでした。空っぽになってやれた。
 

――― 4カ国で撮影するのは最近の日本映画では珍しい?
阪本監督:
僕は『闇の子供たち』でタイは知っている。ロシアはウラジオストックにフィルムコミッショナーがあったのでテレビ局から機材を借りた。基本、あるものでやるという姿勢です。苦労よりも、行った先々でいろんなものを調達した。そんな邪魔くささが面白い。
jinrui-sato-2.jpg佐藤浩市:いまどき、観光映画撮る訳じゃない。ロシアのスタッフはとても協力的だった。勤勉な人が多くて仕事がやりやすかった。タイはおおらかというか、リラックスさせてくれましたね。ニューヨークはユニオン(組合)では出来ないんで、そうじゃない人々でやりましたが、プロ意識持っていて「映画は自分たちのもの」という気概で、撮影はその通り進みましたね。
森山未来:僕は現地の言葉をしゃべらないといけなかった。ロシアでも、少数民族の言葉も…。舌の使い方や唇の使い方などは大変だったが、いつの間にか共通言語になっていた。
何カ国か行ったけど、日本でもいろんなところへ行かされて大変でした。地下鉄通路の撮影では酸欠になりかけた。その場所では僕等の撮影が最後ということだった。
阪本監督:見たことのないような斬新な映画です。この映画でいいお正月の朝を迎えたい。

       (安永 五郎)

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kyouaku-b550.jpg『凶悪』山田孝之、白石和彌監督舞台挨拶(2013.9.6 なんばパークスシネマ)
(2013年 日本 2時間8分)
kyouaku-2.jpg監督:白石和彌 
原作:新潮45編集部編『凶悪−ある死刑囚の告発−』新潮文庫刊
出演:山田孝之、リリー・フランキー、ピエール瀧、池脇千鶴、白川和子、吉村実子
2013年9月21日(土)~新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、神戸国際松竹、T・ジョイ京都他全国ロードショー
公式サイト⇒
http://www.kyouaku.com/
 (C) 2013「凶悪」製作委員会

~「パーティーの前には絶対に観ないで!」
山田孝之、破壊力のある主演作『凶悪』を語る~

 凶悪そのものの犯人像に肉薄する一方、ふとしたきっかけから事件にとりつかれたように真実の追求に執念を燃やす記者と、その目に光る熱意を超えた危うさが脳裏に焼き付く。実話をもとに、闇に葬り去られた犯罪を暴いた新潮45編集部のベストセラーノンフィクション「凶悪-ある死刑囚の告発-」 を『ロストパラダイス・イン・トーキョー』の白石和彌が映画化。未解決事件を一人で調べることになった記者と、事件を告白した死刑囚、死刑囚が復讐を訴える通称「先生」死の錬金術師の3人が事件の全貌と共に交錯する。お金が人を凶悪に駆り立てる現代社会が露わに映し出されると共に、3人がお互いの運命を左右していく様はスリリングで、人間のエゴのぶつかり合いにも映るだろう。

 本作の劇場公開に先駆け、なんばパークスシネマで開催された有料上映会では主人公の雑誌記者藤井役の山田孝之と白石和彌監督が舞台挨拶に登壇。満席の客席横通路から観客前を通って登場したゲスト二人に、最初から場内の熱気は最高潮となった。本年度屈指の骨太な社会派エンターテイメント作品『凶悪』の舞台挨拶の模様をご紹介したい。


kyouaku-b2.jpg(最初のご挨拶)
 山田孝之(以下山田):結構ドシンとくる作品なのですが、映画として楽しんでもらって、この映画には今社会が抱えている問題点がすごく多く提示されています。そういうところを観て、感じて、答えは出なくてもいいので、そういうことを考えるのが大事だと思います。考えるきっかけになればいいなと思っています。
白石和彌監督(以下監督):確かに観終わった後すっきりすることは何一つないです。ただ、映画の力は観た後すっきりすることがそんなに必要なのかと思っているところがあります。そういう意味では、今なかなかこういう映画が邦画の中ではないので、今まで観たことのない映画体験ができるのではないかと思っています。よく「観終わった後おもしろいと言いづらい」と言われるのですが、いや面白がっていいんです世と言いたいです。今日はありがとうございます。

 

kyouaku-b3.jpg━━━脚本を読まれて、一番感じたことは何ですか?
山田:一番というのは難しいですね。いろいろとありますから。あくまでもフィクションで、映画としてすごく面白いし、藤井というキャラクターが最初から最後まで、人としてどうなっていくのかという変化をすごく意識しましたので、その点も観てもらいたいです。この後、食事とかタイミング悪く誕生日パーティーがある人には本当に申し訳ないですが、今まで宣伝期間の間に「パーティーの前には絶対にみないでください」と注意をしてきたので、その後友達関係がどうなろうとあなた方の責任です(会場笑)。そのぐらい破壊力があるので、すごく面白いですし、意味がある作品ですし、今日はタダですし。 <有料上映会と知り>あ、ちょっと態度を改めます(会場爆笑)。試写会かと思っていました。すいませんでした。

━━━観終わった後、お友達と話を深めていただくといいですね。
山田:そうですね。こういうものを観た後で、ちゃんと話ができる関係性こそ、大事な関係だと思います。

kyouaku-b6.jpg━━━撮影のエピソードは?
 監督:リリー・フランキーさんは普段から自然体で飄々とした人なのですが、自分がやる役を「こいつ、ひどいですよね。でも淡々と面白おかしく殺せばいいですよね」と、現場でもそんな感じだったんです。でも撮影がだいぶん終わりかけたとき、「監督、昨日飲みに行ったんですけれど、マスターに『そいつぶっこんじゃえよ(殺しちゃえよ)』と言ってたんだ」と聞かされ、リリーさんでもそれだけ入り込んでいらっしゃるんだと思いました。

━━━リリー・フランキーさんとピエール瀧さんは仲がいいそうですね。
監督:20年来のお付き合いで、よくお酒を飲んだりされているそうです。撮影中も、こちらで人を殺しながら、休憩になると控え室に行って、二人で「動物の森」をやっていたそうです。
山田:僕も誘われました。 ゲームには興味がなかったのですが、一歩引いて見てみると、リリー・フランキーさんとピエール瀧さんに「動物の森」を勧められるのはすごく面白い状況だなと思って、迷いはしましたね。

 

kyouaku-5.jpg━━━撮影のとき、お二人とは離れていたのですか?
山田:いえ、三人で大部屋だったので、くだらない話をしたり、ちょうどそのとき現場でAmazonでWii Uを買ったので、「山田くんも一緒にドラクエ10やろうよ、買いなよ」と言われて。一日渋って、翌日の面会室のシーンを撮影しているときにそんな話をしたのですが、再びAmazonを見ると値段が上がっていたんですよ。ピエール瀧さんには「だから言ったじゃん、早く買わないとまた値段が上がるから、買いな」と言われてWii Uを買ったわけです。でも連絡先を交換してやろうよと言われたけどまだ一回もやっていなくて、家のインテリアになっています。

 

kyouaku-4.jpg━━━一緒に演じるという意味では、リリー・フランキーさんやピエール瀧さんと共演するのは初めてですか? 
山田:お二人とも共演するのは初めてです。今までいろいろな作品でいろいろな役者さんと共演した中で感じたことがない新鮮なものがありました。 

━━━女性陣では池脇千鶴さんと共演されましたが、いかがでしたか? 
山田:楽しかったです。芝居をやっていて、興奮しましたね。「あ~楽しい、あ~!」みたいな。

━━━大阪は山田さんにとってそんなになじみはないですか?
山田:今日は日帰りですが、大体こういうプロモーションは泊まりで、知り合いがいるので飲んだり、ミナミを歩いたこともあります。たこ焼き~とか。 

━━━やはり大阪といえば、たこ焼きですか?
山田:あまりそういうのは好きではないのですが、プロモーションで来たとき、気を遣ってたこ焼きやお好み焼きを出してくれたりすると食べてしまうし、そうするとまた違うたこ焼きも食べたくなってしまう。結局、「大阪=たこ焼き」みたいになってしまうんですね。
監督:僕も仕事で大阪に何ども来たことがありますが、食べるのは串カツですね。ソース二度づけ禁止は大阪で教えてもらいました。

  

kyouaku-b5.jpg━━━では、最後のメッセージをお願いいたします。  
監督:凄惨な事件を描きつつも、これぞエンターテイメントというつもりで作りました。確かに観終わったあと、観始めるときと自分の感情が違ったところに行くかと思いますが、その感情をどこに置いたらいいか、皆さんも観終わった後考えてみてください。今日は、ありがとうございました。
山田:人それぞれ好みがあるので、この映画を観て合わない人はいると思います。それで「これはあまり・・・」と言われたら、もしかしたらこの映画が合うかもしれない人がその評判を聞いて観に行かなくなることが出てくるかもしれません。好みが合わなければ心に留めておいて、もしかしたら好きかもという人には勧めていただけるとありがたいですね。本当にこういう作品だからこそ、多くの人に観てもらいたいので、どうかよろしくお願いいたします。
(江口由美)

sadako3D2-550.jpg大阪へ大ヒット御礼!『貞子3D2』主演の瀧本美織と英勉監督舞台挨拶

(2013年9月7日(土)11:30~TOHOシネマズ梅田)

ゲスト:瀧本美織、英勉監督

 

(2013年 日本 1時間36分)
原作:鈴木光司(「エス」角川ホラー文庫)
監督:英勉(はなふさ つとむ)
出演:瀧本美織/瀬戸康史/大沢逸美/平澤宏々路 大西武志/石原さとみ(特別出演)/山本裕典/田山涼成

2013年8月30日(土)~TOHOシネマズ梅田 他全国ロードショー
【3D/スマ4D同時上映】

公式サイト⇒ www.sadako3d.jp
(C)2013『貞子3D2』製作委員会

 


 

sadako3D2-1.jpg 3Dを超えたと話題の“スマ4D映画”として人気を集めるホラー『貞子3D2』主演の瀧本美織(22)が7日、大阪・TOHOシネマズ梅田で英勉監督とともに舞台挨拶、満員のファンの前で「何が起こるか、分からない怖い映画だけど、アトラクションとして楽しんで」とアピールした。8月30日からスタートし、出足好調の同作品、全国でもNo.1の成績で“ホラー好き”“新しいもの好き”を証明した大阪へ、英勉監督が「御礼のために」訪れた。

 ジャパニーズ・ホラーが生んだ最恐ヒロイン・貞子を主人公にした第2弾。上映中にスマホ専用のアプリを起動させながら鑑賞すると予測出来ないことが起こる“映画史上初の試み”が話題を呼んでいる。前夜、阪神―巨人戦が行われた甲子園球場で2度目の始球式を務め“阪神快勝”をもたらした好調・瀧本は大歓声の中、ごきげんな笑顔で登場した。

 


sadako3D2-b2.jpg瀧本:こんにちは。今日は大阪に来てよかった。スマ4Dなんて怖い映画をよく見れますね。でも楽しんでいって下さい(笑)。

英監督:大阪がNO.1ということで今日はお礼にやってまいりました。この映画のノリが分かってもられて喜んでいます。

 

――― 昨日は甲子園で映画『貞子2』のPRとともに始球式も?
瀧本
:ええ、やらせて頂きました。(始球式は)2回目でしたが、今度もちゃんと(ホームに)届きました。甲子園は歓声が大きくて凄かった。飛び上がって喜んでしまいました。
英監督:甲子園球場は、全国4000校以上の高校球児が一生懸命頑張ってようやく上がれるところ。そんな夢の舞台に2回も投げるんだから大したもんです
瀧本:後で聞いたら巨人さんも私のことを見て下さっていたそうで、私も(巨人側を)見ればよかった。
英監督:あのね、大阪で「巨人さん」というと漫才のオール阪神、巨人になってしまうよ(笑)。

 

――― 瀧本さんはホラー苦手だったそうですが?
瀧本:
ホラー映画は『着信あり』とか『リング』、『呪怨』など、けっこう見ていますが、自分が演じるなんて「絶対無理。死んじゃうんじゃないか」と思っていました。「出来たら他の人で」とマネージャーさんにそれとなくお断りしたんです。そうしたら「もう決まっている」と言われて。

――― 監督、瀧本さん起用の理由は?
英勉監督:
笑顔が可愛くて素直ないい人。そういう人をキャーキャー言わせたかった。

sadako3D2-b3.jpg――― 前作のヒロイン(石原さとみ)は強かった?
瀧本:
そうなんです。見てびっくりしました。
英勉監督:いいところのない役だったね。セットもやたら青白かったし、兄貴(瀬戸康史)も(前作の)茜との間に出来た子供・凪を妹の楓子(瀧本)に預けて行ってしまうし、ホントひどくて…。
瀧本:でも瀬戸さんはやさしかったんですよ。特異な役どころなの現場でものすごく集中されていて、「こんなんでごめんね美織さん」と言っていただきました。
英勉監督:可哀そうで、(彼女は)壊れそうだった。怖がることがお客さんに伝わる感情なんだから、と。怖がれば怖がるほど彼女は可愛いんですよ。3D版じゃなくて、スマ4Dでスクリーンとスマホが連動するようになっている。劇場で電源オン、マナーモード解除したらどうなるか、私たちも分からないほどです。
瀧本:スクリーンとスマホ、どちら見ていいか分からないんですよ。
英勉監督:また、批判的なこと言う。でも、確かに、得体のしれないものが映る面白さがあります。

――― デートで映画見に行ったら「後で彼女の知らない女性から着信があって大変なことになった」という投書もありました。
英勉監督:
何が起きるかは誰にも分からない。今ここにいる皆さんはもう遅いですね。諦めといて下さい(笑)。

――― いよいよこれから上映ですが、最後に「ここを見てほしい」ところがあれば。
瀧本:
ベッドの下で震えている場面ですね。ここはワンカットで撮りました。長いシーンですが、全部、自分のタイミングでやれました。けっこう怖いと思う。スマホだともっと怖いでしょうが、アトラクションとして楽しんでください。
英勉監督:そうですね。あの場面では彼女、女優とは思えない声が出ています。まじめに見ると「後ろの席、うるさい」と思うかも知れないけど、そういう時はもっとうるさく騒いで、気をラクに持って見てやって下さい。

(安永 五郎)

Venetias-550.jpg『ベニシアさんの四季の庭』ベニシア・スタンリー・スミスさんインタビュー
(2013年 日本 1時間38分)
監督:菅原和彦
出演:ベニシア・スタンリー・スミス他
2013年9月14日(土)~シネスイッチ銀座、テアトル梅田、京都シネマ、10月~シネリーブル神戸他全国順次公開
公式サイト⇒
http://www.venetia.jp/
(C) ベニシア四季の庭製作委員会

 

~どんな時も心穏やかに過ごす、ベニシア流自然と共生する生活の極意とは?~

Venetias-s1.jpg 庭仕事も、古民家で暮らすことも、憧れはするけれど日常の手入れが大変だと、物ぐさな私はつい諦めてしまう。でも、そのエッセンスをほんの少しでも生活に取り入れられたら、リラックスできて、さらに力をもらえるかもしれないと思った。
  京都新聞での連載を経て、テレビ番組「猫のしっぽカエルの手 京都大原ベニシアの手づくり暮らし」でハーブを使用したレシピや、大原の自然と共生した暮らしが話題を呼んでいるベニシア・スタンリー・スミスさん。その暮らしぶりに憧れる女性ファンも多いというベニシアさんと家族に密着し、大原の四季を背景にベニシアさん自身の人生を浮き彫りにしたドキュメンタリーが公開される。テレビで見る以上に心癒されるベニシアさんが育て上げた庭や、丁寧に手入れをした築百年のベニシアさんの自宅をはじめ、山々に囲まれ四季折々の自然が残る大原の風景は、日本の美しさを再発見した思いがする。
  一方、テレビでは深く触れられることのなかったベニシアさん自身の生い立ちや、次女ジュリーが統合失調症を患っていること、そして夫、正との心の擦れ違いなど、家族の問題にも切り込んでいる。イギリス貴族出身のベニシアさんが日本にたどり着いてから、切り拓いてきた自らの人生を振り返る様子や彼女が作った詩が紹介され、ベニシアさんの内面に触れることができる。

 京都での合同インタビューでは、昔からの職人が作った天然素材の服に身を包んだベニシアさんに、自然のある暮らしや子育て、人生について語っていただいた。


Venetias-4.jpg━━━ご自身のことが映画になった感想は?
まだちょっと信じられません。今、日本の様々な場所から講演会に呼ばれているのですが、番組を見ていつも元気になっている方もいるし、いろんなアイデアを実行していると言う方もいらっしゃるし、皆感動してくださって、私にとってもありがたいです。そんな中で映画ができたので、「ベニシアはただいつも庭の中に座って、平和な感じでゆっくりお茶を飲んでいる」というイメージしかない人も、別の面を見てもらえるでしょう。私の人生はハプニングが多いので、映画の中にはまだ入りきらないぐらいです。小さい時に私の母は、4回結婚したんです。すると4人の父がいるわけですが、いい人ばかりで、皆から愛をもらいましたし、それぞれ違う生き方をしていることも覚えました。その経験で、男の人の考えがわかりました。人生は勉強になると思ったら、いいことでも悪いことでも何かの理由があると思います。この映画でもそんな部分がでてきますね。

Venetias-s3.jpg━━━現在お庭に150種類のハーブを植えていらっしゃいますが、元々ハーブを生活に取り入れようと思ったきっかけは?
初めて日本に来たときは、あまりハーブはなかったですね。借家にいたときには植木鉢でお料理のためにハーブを育てて使っていました。でも長男の悠仁を妊娠したとき、40歳の出産でちょっと心配だったので、妹にハーブの本を送ってもらいました。その本からハーブを使えばどんな病気でも治ることを習い、使い方もいろいろあることを知り、ハーブを使った生活をするようになりました。そこから英会話でハーブレッスンを行っています。

━━━大原のご自宅でもハーブレッスンをされていたのですか?
悠仁が小さい時は、小学校から帰ってきたときできるだけ家にいてあげたかったので、10年ぐらいハーブを自宅で教えていました。若いときの母としての経験と、年をとってからの母としての経験は違います。自分の子どもを見たら、若い頃忙しくしていたときの子どもは、今38歳になりますが、まだまだ大人になっていません。絶対に仕事をしなくてはいけないという状況でなければ、3歳までは母は家にいる方がいいと思います。自分が若い頃仕事し過ぎたので、そう実感します。日本のことわざ「三つ子の魂、百まで」は本当ですね。

━━━今回ご家族も出演されていますが、ずいぶん話し合われたのでしょうか?
1人出演を拒んだ娘はいますが、後の息子2人は応援してくれました。ジュリーは病気ですが、私がテレビにでると喜んでくれ、自分が出演するときもすごくうれしいのです。病気になっても隠したりしていません。例えば娘が統合失調症なのでお店の中でも大きな声でしゃべったりするのですが、お店に入るとき「病気を持っているから心配しないで」と声をかけています。統合失調症は今100人に1人かかっていますし、この映画で統合失調症のことも理解してもらえればと思います。

Venetias-2.jpg━━━自然と共生する丁寧な暮らしを営むベニシアさんですが、子供の頃どのような生活をされてきたのでしょうか?
私が6歳の時に、母とジャージー島の大きな家に引っ越しました。召使いはたくさんいたのですが、母は自分で庭をつくるのが好きで、私が学校から帰ると「鶏の世話をしなさい」と私たちに仕事を与えたのです。ハーブや野菜を植えている場所に水をあげたり、草を抜いたりという仕事もしました。学校から帰ってくると「宿題をしなさい」ではなく、「庭を見てきて、水をあげなさい」だったのです。だから大原で庭を造ったときも、自分の子どもに宿題をする前に庭仕事をするようにしつけました。子どもにとって、土をそのまま触るのはいい経験です。悠仁は日本で生まれたので反発しましたが「イギリスではそうしているのよ」と言うと、渋々納得していました。

━━━なぜ大原に惹かれたのですか?
絶対に田舎に住みたいと思い、一年間かけて悠仁をベビーカーに乗せて探し回りました。大原の今すんでいる家に初めて入ったのは冬だったので、暗いし、寒いし、ご先祖様の写真がたくさん飾られていて、なぜか「ここが最後の場所ではないか」というカンが働いたのです。今まで20回ぐらい引っ越しましたが、初めてそう思ったんですよね。

Venetias-s2.jpg━━━「庭は人生」とおっしゃる言葉に感動しました。
植物も春夏秋冬で変わるじゃないですか。人間も若い女の人は、水仙やチューリップのように春に咲くかわいい花です。夏の花はカラフルで赤や大柄な40歳の女性のような雰囲気で、秋になると60歳の私のような落ち着いた感じの花となります。最後、冬はおばあちゃんの髪が白くなるように雪に包まれます。私たちも春夏秋冬のように変わっていくんですね。植物にとって台風がきたら、私の庭もめちゃくちゃになってしまいます。でもそのときは、落ち込むのではなく、今までの場所がダメになったからもう一度作り直す。それが楽しいです。人生も泣きそうなことはあるけれど、そこから新しいものが始まると思います。

━━━ご主人が家を出ていって大変なときに、ベネシアさんは「祈った」そうですが、実際どのようにその状況を克服されたのでしょうか?
メディテーションをしていました。私たちは何も考えずに呼吸していますが、意識してゆっくり呼吸するのです。象はすごくゆっくり呼吸するのですが、長生きです。人間も同じで、ゆっくり息をする人の方がストレスが少なく、長生きするのです。「ひとつひとつの呼吸を意識してゆっくり呼吸すれば、長生きするよ」とインドで教えてもらったのを思い出して、イヤなことがあるとパニックにならないようにゆっくり呼吸をします。朝30分ぐらい座禅を組んでゆっくり呼吸すると、一日そのゆっくりした空気が続きます。家族のこと、庭のこと、仕事と忙しいですが、忙しい日々のチューニングのような役割を果たしているので、逆に私の家族にもいい影響を与えていると思います。

━━━なぜ旅先のインドでとどまらず、日本に来られたのですか?
小さいとき、祖父の家に博物館があり、伊万里の壷をはじめとした日本の器などがあるのを見て、日本に対して興味を持ちました。また高校生のときには尺八のレコードを聞き、その音色もすごく印象がありました。その後インドからネパールを訪れたとき出会った日本の学生から、「今学生運動をやっていて、若い人ががんばっている」と聞いたので、日本に行こうと思ったのです。鈴木大拙さんの書かれた禅の本や、桜沢如水さんの書いた玄米食の本をイギリスで読んだことも影響しています。

Venetias-3.jpg━━ベニシアさんの古いものを大事にし、ハーブに囲まれた暮らしが日本で支持されるのはなぜだと思いますか?
自宅でティーバーティーをしたときに、みなさんは英国的部分と和の部分がすごくマッチしていることに驚かれます。「古い家を持っていたのに、壊しちゃったわ」と、後悔したような感じですね。古いものに関連して言えば、古いものは自然のものでできていて、自分の使ったものが最後どうなるか考えると、土に戻せないものはゴミになってしまうのね。だから、いつも買い物をするときは、土に戻るかどうか考えます。

 

 

━━━映画の最後に、「心の贈り物は心の庭にある」と詩を読んでおられましたが、その意味は? 
自分の頭の中に考えている場所があって、呼吸すればすごく気持ちが庭みたいに静かになり、暖かい気持ちになるのです。それを私は内側の庭と呼んでいます。外側の庭がある人はいいですが、ない人も自分の心の中に庭はあるのです。
(江口由美)