レポートインタビュー、記者会見、舞台挨拶、キャンペーンのレポートをお届けします。

2017年8月アーカイブ

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福山雅治、ヴェネチアでカンヌに続き是枝監督と「男泣き」宣言!?『三度目の殺人』舞台挨拶
(17.8.29 TOHOシネマズ 梅田)
登壇者:福山雅治、是枝裕和監督  
 
第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した『そして父になる』から4年。福山雅治と是枝裕和監督が2度目のタッグを組んだ最新作『三度目の殺人』が、9月9日(土)より全国ロードショーされる。是枝監督が初めて法廷サスペンスに挑んだ本作では、福山雅治が裁判に勝つためには真実は二の次とクールに割り切る弁護士重盛を演じる他、重盛が弁護を引き受ける羽目となる容疑者、三隅役に役所広司、被害者の娘・咲江役に広瀬すずが扮し、物語が進むにつれ、闇が深くなる本作で緊張感たっぷりに演じきっている。何度も行われる重盛と三隅の接見シーンはまさに本作一番の見どころだ。
 
 
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全国ロードショーを前に、8月29日(火)TOHOシネマズ梅田にて行われた舞台挨拶付試写会では、上映前に主演の福山雅治と是枝裕和監督が登壇。コンサート会場のような大きな声援と拍手の中、
「大阪に帰ってまいりました。是枝監督作品ではないのですが、ジョン・ウー監督作品の撮影で去年は結構長く大阪にいました。僕的には久しぶりのようで、ホーム感を感じています。みなさん、よろしくお願いします」(福山) 
「二度目の福山さんとのコンビということで、どれぐらい福山さんに成長した姿を見せられたかな。心もとないところもありますが、非常に充実したいい現場でした。充実した現場を反映した、自分でも納得度の高いものになりましたし、その作品をご覧いただくことを本当にうれしく思っています。今日はよろしくお願いします」(是枝監督)
と挨拶。 この日の試写会には、関西テレビ主催試写会過去最高の応募数(1万7230通)があったことが明かされると、「まじで? うれしいですね。ありがとうございます」と福山も驚きながら喜びを表現した。
 
 
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勝ちにこだわるドライすぎる弁護士役で共感する部分を聞かれた福山は、「(共感する部分は)あります。基本的に全てのことに勝ちたいと思っています。自分が思い描いているイメージに勝ちたい。監督がさきほど成長した姿を見せられたかなとおっしゃっていたが、僕も以前ご一緒したときより少しはましになったかなという思いはあるんです」と、過去の自分からの成長に触れると、是枝監督は、「今回すごい!」と絶賛。
この年になって使う言葉ではないけれどと前置きしながら、「わ!すごいと思ったし、役所広司さんとの接見シーンは、『この二人はどこまでいくんだろう』と。居合わせたスタッフみんなが、カットがかかった瞬間『すごいね』。それだけ緊張感のあるいいシーンです」と、本作の見どころを紹介。 
 
 
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是枝監督が絶賛した役所広司とのシーンを振り返った福山は「毎回ある程度集中力の高さがある中、ワンテイク目の瑞々しい集中力、密度は他に代えがたい。その中テイク2、3になっても、そこまでよじ登ろうとする役所さんに感動するし、引っ張っていただいた」と感謝しきり。是枝監督も、「(役所さんに)いい加減なことはできない。樹木希林さんもそうだが見透かされている。僕よりも僕の書いた脚本を深く読み込み、真摯に向き合っている」と役所と初めての仕事に覚悟をもって臨んだことを明かした。
 

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『三度目の殺人』は、第74回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品が決まっているが、是枝監督にとっては、デビュー作『幻の光』以来22年ぶりの凱旋となることを紹介した福山は、「監督と一緒にいると、すごくいいところにつれていってもらえる」と素直すぎる感想で会場を笑わせると、「上映前日劇場での色や音の調整をやった後、日頃穏やかな是枝監督の集中と緊張で欄々とした目を見た時にすごい現場なんだな、監督の勝負の日なんだなと、急に身が引き締まりました。翌日カンヌでのスタンディングオベーションで、届きましたねっていう気持ちで泣いてしまって。人前で泣くことをなるべくせずに生きてきたけど、ベネチアでもそんなことが体験できればいいな」と再び男泣き宣言。司会者から凱旋舞台挨拶を希望される場面もあり、観客も熱い拍手でベネチアへの期待を表現した。
 
 

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観客と一緒になってのフォトセッションを経て、観客の方に向かっての最後の挨拶では、
「僕も撮影中どんな結末を迎えるのだろうと、演じながら演出と台本と役所さん演じる三隅に翻弄された数ヶ月でしたから、翻弄される2時間になるかもしれません。いったいどうなってるんだ、どこに行くんだと僕と同じ目線で存分に楽しんでください」(福山)
「撮る前は人は人を裁くことができるのかという、答えのない問いを続ける覚悟で作品と目の前の役者と向き合って作りました。実際みていただくと普通とは違うプロセスを経て着地し、すっきりしない人が多いでしょう。観終わって誰かと話したくなる、色々な解釈が成立する映画です。失敗してすっきりしなくなっているのではなく、それも狙いなんです」(是枝監督)
と、観終わった観客の様子を想像しながら、掛け合いのような挨拶で、最後まで盛り上がった。すっきりと分かりやすい映画が多い中、幾重にも想像を巡らせてしまう、すっきりしない映画。その中で問いかけられるものは、実は日々我々が対面していることでもある。是枝監督からの挑戦状のような本作で、それぞれの答えを探してみてほしい。
(江口由美)
 
 
 
 

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<作品情報>
『三度目の殺人』
(2017年 日本 2時間4分)
監督・脚本: 是枝裕和
出演:福山雅治、役所広司、広瀬すず、斉藤由貴、吉田鋼太郎、満島真之介他
2017年9月9日(土)~TOHOシネマズ 梅田、TOHOシネマズ なんば、TOHOシネマズ 二条、T・ジョイ京都、OSシネマズミント神戸、109シネマズHAT神戸他全国ロードショー
公式サイト⇒ http://gaga.ne.jp/sandome/
(C) 2017フジテレビジョン アミューズ ギャガ
 

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『草原に黄色い花を見つける』ヴィクター・ヴー監督インタビュー
 

~80年代後半ベトナム、瑞々しい映像で紡ぐ子ども時代と初恋の苦い思い出~

 
緑溢れる大地と穏やかな川に囲まれた、牧歌的なベトナムの村が冒頭からスクリーンに広がり、一気に作品の世界に誘われる。1980年代後半のベトナムの村を舞台に、貧しくも家族が揃って暮らすティエウとその弟、そして父親と住む幼馴染のムーンの瑞々しい初恋や村のエピソードを描いた『草原に黄色い花を見つける』。
 

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ベトナム映画界で今やヒットメーカーとなっているアメリカ生まれのヴィクター・ヴー監督が、ベトナムのベストセラー作家グエン・ニャット・アインの原作を映画化、子どもたちの視線で当時のベトナムの人々の暮らしや、子どもたちの世界を繊細に描写し、心に響く感動作を紡ぎ出した。電気もコンピューターもない村での素朴な遊びの風景や、村に出ると噂の幽霊話、弟と仲の良いムーンに嫉妬した主人公ティエウの自己中心的な行動など、懐かしさとほろ苦さが思わず込み上げる。今、勢いが著しいベトナムから生まれた、心の故郷を思い出すような作品だ。
 
大阪アジアン映画祭2015で日本初公開されたときは撮影のため来日が叶わなかったというヴィクター・ヴー監督が、今回はキャンペーンで来阪。本作への思いや、現在準備中の作品についてお話を伺った。
 

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■私のキャリアの中で、人間の気持ちや心の動き等の感情面を深く掘り下げる作品を作る時期が来たと感じた。

―――本作を撮ることになったいきさつは?
何年も前にプロデューサーが脚本を持ちこんでいた企画でしたが、その時は私自身のタイミングが合わず実現せずに終わりました。その後再び脚本が持ち込まれた時に原作を読んでみると、感情描写が繊細で、深く感銘を受けました。私には弟がいるのですが、子どもの頃を思い出し、まるで自分の話のように感じられたので、この話を映画にしたいと思いました。今まで作っていた映画とは全く違う傾向の作品ですが、人間の気持ちや心の動き等の感情面を深く掘り下げるものになると思いましたし、私のキャリアの中で、いよいよそのような作品を作る時期が来たのだと感じたのです。
 
―――それまではエンターテイメント作品が多かったようですね。
私の一番好きなジャンルはスリラーです。その範疇で、コメディーやアクション、ホラーなど作ってきました。どちらかと言えば技術面に凝った作品を作ってきたのですが、今回は心を開放し、人間の思いを描きだすことに魅力を感じた訳です。

 

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■自分が体験できなかったベトナムでの子ども時代や、代々引き継がれてきたベトナムの伝統に近づく。

―――監督はアメリカで生まれ育ったベトナム人ですが、自分の原点に戻る狙いがあったのでしょうか?
多くの映画人が自分たちの故郷に関する映画を撮りたいと思っていますが、ベトナムではプロデューサーがいない、資金調達が難しい、劇場公開しても興行成績が思うように伸びないなどの理由から、なかなか撮れないのが現状です。私自身は幸運にもこの作品を作ることができました。ただ子ども時代をベトナムではなくアメリカで過ごしているので、本で読んだりしながら知っていき、自分が体験できなかったベトナムでの子ども時代や、今まで代々引き継がれてきたベトナムの伝統に近づけた気がします。
 
―――作品の舞台になった80年代後半のベトナムについて、様々なことを調べる必要があったのですね。
とても有名で、ファンの多い作品ですから、それを映画化することにプレッシャーはありました。また外国育ちの私が、真にベトナム的なこの作品を作れるかに不安もありました。ですから、とても細かいところまでこだわりました。衣装やセットだけでなく、音楽もベトナムらしいものを採用しています。
 
 

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■原作のエッセンスは子どもたちの無垢な心、子どもの視点でみた世界。

―――プレッシャーが大きかったとのことですが、その中で特に描きたかった部分や、原作に付けくわえた部分はありますか?
原作者のグエン・ニャット・アインさんにお会いした時、「映画は映画、本は本なので、本と同じような映画にしなくてもいい」とおっしゃって下さり、私もホッとしました。原作から絞る作業をする際には、心の動きや子どもたちの感情面にフォーカスしました。ストーリーを追うだけでなく、この原作のエッセンスに光を当てる作業だったのです。そのエッセンスというのは子どもたちの無垢な心であり、子どもの視点でみた世界です。それを伝えるために俳優たちの演技だけでなく、シンプルだけど伝わる会話や、周りの景観を大事にするようにしました。
 
―――子どもたちの日常描写で、ゴム飛びや凧揚げ、石投げなどの昔懐かしい遊びをする様子が多く描かれているのも本作の見どころですが、監督ご自身はこのような遊びを小さい頃にしたことはあるのですか?
私自身の子ども時代にはどれも体験したことのないものでした。セットを作りながら、昔のベトナムの遊びや生活を学んだ部分が大きかったです。例えば子どもたちが着ているシャツなども、今売られているような新しい素材のものではスクリーンで観たときに感触が違うと感じ、当時のものに見えるように作り直したりもしました。
 
―――作品で重要な役割を果たす詩集は、原作でもあったものですか?
『愛の詩集』は原作でも引用されているとても有名なものです。現物を入手できたので、映画にも登場させました。映画の最後の部分は私たちが創作しました。ティエウが成長して大人になり、改めて詩集を読みなおすことで、ムーンの本当の気持ちが分かるという意味があります。最初読んだときには全然意味が分からず、ムーンと仲の良い弟に嫉妬したり、ムーンを突き放したりしますが、最後に自分のことがずっと好きだった事を知り、にっこりと笑うのです。ムーンの方が詩のことを最初から理解していた訳です。
 
 

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■毎日の生活がより素朴で、人々の生活がより近くに感じられる時代があったことを感じてもらいたい。

―――日本でも昔あったモーターサイクルサーカスが登場し、このサーカスは世界共通なのかと思いましたが。
モーターサイクルはベトナムでも人気がありました。映画に出演しているのはベトナムで最後のモーターサイクルサーカスです。ご夫婦でされていたのですが、この映画の出演を最後に引退されたそうです。
 
―――モーターサイクルサーカスも含めて、時代の終わりを象徴するような狙いもあったのでしょうか?
小説の原作者がどう考えていたか分かりませんが、原作もムーンが引っ越すところで終わります。ムーンは現代に移っていくけれど、兄弟たちは村に取り残される訳で、毎日の生活がより素朴で、人々の生活がより近くに感じられた時代があったことを感じていただけるでしょう。
 
―――全体的にベトナム戦争の影をほとんど感じない中で、ダン叔父さんだけは戦争で負ったと思われる右腕のない姿でした。ダン叔父さんを描くにあたって、どのような思いを込めたのですか?
原作にも戦争の影はありませんし、原作者も意図したことだと思います。ダン叔父さんの存在は、村から疎外されている可哀そうな人のように映るかもしれませんが、ご覧のとおり、とても楽観的に描かれていますし、兄弟の両親よりもポジティブ思考な存在なのです。
 
 

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■自分の民族や文化の映画を作り、世界の観客に観ていただける可能性を日本映画から感じた。

―――日本映画には、どのような印象がありますか?
アメリカで育ったので、アジア映画を観る機会はあまりありませんでしたが、中国と日本の映画は観ていました。私が一番影響を受けた映画監督はヒッチコックですが、黒澤明監督も私の師と言えます。大学でも日本の古典的な映画をたくさん鑑賞しましたので、影響を受けたと言えますし、自分の民族や文化の映画を作り、ベトナムの人たちだけでなく、世界の観客に観ていただける可能性があることを感じました。
 
―――次回作はエンターテイメント作に戻るのでしょうか?
2作品がポストプロダクション中です。私自身の映画作りの姿勢としては、エンターテイメント作品とか商業作品と分けて考えるのではなく、自分にインスピレーションを与えてくれる作品を作るようにしています。1本目は『Lôi Báo(ロイバオー)』というアクションスリラーです。『草原に黄色い花を見つける』が自分の文化的ルーツへの回帰作とすれば、『ロイバオー』は生まれ育ったアメリカ的な作品です。2本目は『The Immortal(ザ・インモータル)』で、超自然的、オカルト的な作品です。ただ単なるスリラーではなく、『草原に黄色い花を見つける』の経験に基づき、ベトナムの歴史や文化を掘り下げる側面もあります。時代設定は百年ほど前のフランスの植民地時代で、撮影はベトナムの北部から南部まで広範囲に渡り、苦労も多かったですが、今まで私が作った中で一番美しい映画になりました。

 

■ベトナムの観客は、物語の中に自分を投影できる作品を待っていた。

―――今までエンターテイメント作品がヒットしていたベトナムで、本作は若い観客たちに受け入れられたそうですが、そのことがベトナム映画界にどんな影響を与えたのでしょうか?
この映画が公開された年、ベトナム映画の中で興行第一位に輝きました。ベトナムの若者たちはエンターテイメント作品に慣れていたので、この結果に皆驚きましたが、ベトナム映画界全体にとって、このように人間の感情を取り上げるような作品、観た人が物語の中に自分を投影できる作品を待っていたことが証明されたと思います。
(江口由美)
 

<作品情報>
『草原に黄色い花を見つける』(2015年 ベトナム 1時間43分)
監督:ヴィクター・ヴー
原作:グエン・ニャット・アイン
出演:ティン・ヴィン、チョン・カン、タイン・ミー、マイ・テー・ヒエップ他
2017年9月16日(土)~シネマート心斎橋、今秋~京都みなみ会館、元町映画館他全国順次公開
公式サイト⇒http://yellow-flowers.jp/  
(C) 2015 Galaxy Media and Entertainment. All rights reserved.
 

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『エル ELLE』ポール・ヴァーホーヴェン監督、主演イザベル・ユペールトークショー@フランス映画祭2017


「見るのが大変なシーンは多いが、私にとって大変なシーンはない」
イザベル・ユペール、唯一無二のヒロインの内面を語る。

 

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『氷の微笑』ポール・ヴァーホーヴェン監督が、イザベル・ユペールを主演に迎え、フィリップ・ディジャン(『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』)原作をオールフランス人キャストで撮りあげた『エル ELLE』。自宅で覆面男に襲われたゲーム会社社長のミシェルが復讐を企てるうちに、自らの知られざる本性が明らかになっていく様をサスペンス調に描いている。イザベル・ユペール演じるミシェルの予測不可の行動は、時にセンセーショナルで、時に滑稽さも滲む。犯人捜しをしているつもりが、いつの間にかミシェルの内面を覗き見たいという衝動に駆られることだろう。
 
フランス映画祭2017での上映後、ポール・ヴァーホーヴェン監督と、主演イザベル・ユペールさんが登壇し、観客から大きな拍手が送られた。2年連続の映画祭来場に観客からは「名誉団長として毎年来場してほしい」とユペールさんにラブコールが起こるなど、熱気あふれる会場で行われたトークショーの模様をご紹介したい。
 

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―――父が連続殺人鬼であることが主人公ミシェルの本性に大きな影響を与えているように感じるが、ミシェルの本当の性格をどう思うか?
ユペール:自分自身を滅ぼしてしまう部分はあるかもしれませんが、この出来事を通じてミシェルはある種の再構築するのではないかと考えています。もしかしたら父が連続殺人鬼なのが、もしかしたらその説明になるかもしれないが、映画ではそのことが必ずしもリンクしているのではなく、それは一つの情報として提供されています。そこは観客の皆さんが自由に解釈していただく部分です。
 
ミシェルはレイプされるという暴力的な出来事を、ポジティブとは言わないまでも、何か自分の頭の中で、自分は誰かということと関連づけていきます。非常に男性的な暴力はどこからくるのか、自分自身が直面することで知りたいと思っているのかもしれません。冷酷さがミシェルの原動力になっている訳ではありません。
 

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―――監督はユペールさんとミシェルのキャラクターについて話し合いをしたのか?
監督:一切していません。どういう風に撮るのかのプランや、レイプのシーンで危険な事故が起こらないような話し合いはしましたが、キャラクターの動機は一切ディスカッションしていません。それはするべきではないと考えていました。フロイト的な分析にしかならず、映画を作る助けにはならないのです。ユペールさんを信用していたので、我々は見ているだけでした。
 
―――ミシェルは幼い頃父親が犯した連続殺人により、トラウマ的体験をしているが、ミシェルのレイプ事件とそれぞれモデルになるような事件はあったのか?
監督:ミシェルが10才のときに経験したことが、その後の彼女にどう影響したのか。レイプ犯とサドマゾ的関係になることと結果的につながるのかは全く小説では描かれていませんし、この映画でもそうです。ミシェルというキャラクターを生み出し、実際に事件を経験した少女が数十年後にどうなるかを筆者は掘り下げて書いていったのだと思います。
父親についてはノルウェーで70名ぐらいの殺人を犯した事件があり、そのキャラクターをベースにしているそうです。
 
―――撮影で一番大変だったシーンは?
ユペール:見るのは大変なシーンはあると思いますが(笑)、私にとって大変なシーンはありません。私にとって一番大変なのは鳥が死ぬシーンです。この映画のテーマは命ですし、こんな小さな命をもミシェルは救おうとする訳で、いかに命が大切かにつながっていきます。
(江口由美)
 

<作品情報>
『エル ELLE』“ELLE”
(2016 フランス=ドイツ=ベルギー 2時間11分)
<監督>ポール・ヴァーホーヴェン
<出演>イザベル・ユペール、ロラン・ラフィット、アンヌ・コンシニ他
2017年8月25日(土)~TOHOシネマズシャンテ、大阪ステーションシティシネマ、京都シネマ、神戸国際松竹 他全国ロードショー
(C) 2015 SBS PRODUCTIONS - SBS FILMS- TWENTY TWENTY VISION FILMPRODUKTION - FRANCE 2 CINEMA - ENTRE CHIEN ET LOUP
 
 


torigirl-500-1-1.jpg映画『トリガール!』×ねごと×FM802「ROCK KIDS 802」、熱気ムンムンの公開収録

 
9月1日(金)公開の映画『トリガール!』とその主題歌を担当している ねごと 、そしてFM802『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-』(毎週月~木 21:00-23:48)とのコラボレーションイベントが開催された。スペシャルトークのゲストは、映画『トリガール!』主演の土屋太鳳と間宮祥太朗。トークの後には、主題歌『空も飛べるはず』を歌った4人組のガールズバンド ねごとのライブも行われた。

200人の若いファンの大歓声に迎えられたスペシャルゲストによるトークは、俳優になったキッカケや映画『トリガール!』撮影中の秘話、さらにリスナーからの想定外の質問に答えるなど、二人の一挙手一投足に歓声が上がる熱気ムンムンの公開収録となった。


torigirl-ivent-550.jpg【イベント概要】  
●日時=2017年8月18日(金) 18時40分~
●場所=放送芸術学院専門学校ドリームホール
●ゲスト=土屋太鳳(22)、間宮祥太朗(24) (TALKゲスト)
     ねごと(LIVEゲスト)
●MC=DJ落合健太郎(42)
●イベント詳細URL= https://funky802.com/i/s5017
●映画公式URL = http://torigirl-movie.com/


そして、今回の収録の模様は以下の番組でオンエアとなります。

【番組情報】 「ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-」 
放送日時=8月31日(木) 21時~
●DJ=落合健太郎
●詳細URL= https://funky802.com/rockkids/
●オフィシャルSNS= @RK802STAFF
●写真提供:FM802


 torigirl-ivent-500-1.jpg【スペシャルトーク】
絶叫のような黄色い歓声響く中迎えられた土屋太鳳と間宮祥太朗。高めのスタンドチェアに戸惑う土屋太鳳を気遣う間宮祥太朗に、さらにお互いを「太鳳」「祥太朗」と名前で呼び合う度に会場からは歓声が沸き上がる。人力で飛行する「鳥人間コンテスト」に挑戦する大学生の奮闘を描いたラブコメで主演した二人。ライバル意識から始まり、切磋琢磨しながら目標達成へと協力していく。悪態つきながらもいつしかお互いを認め合う仲に……。そんなホッとな青春映画を全力で駆け抜けた二人が、撮影の様子や主題歌「空も飛べるはず」、挿入歌「ALL RIGHT」について語ってくれた。


torigirl-ivent-tao-1.jpgDJ:お二人はいつ頃から俳優になりたいと思われたのですか?
土屋:10歳位から俳優を目指してオーディションを受けました。それまでは、保育士さんや看護師さんになりたいと思っていました。ある日新聞で「ミス・フェニックス・オーディション」という文字が目に入り、私の名前の「鳳」と同じ「鳳凰=フェニックス」を見て、「私だ!」と思って応募したら、審査員特別賞を頂いたんです。

間宮:僕は15歳からです。元々映画が好きで、映画に関係する仕事をしたいなと漠然と思っていたら、ある日先輩から「食堂の裏に来い!」と言われ、「やばい!」と思いながら行くと、「今度の土日、空いてる?」って聞かれ、「はあ?」。その先輩が雑誌の編集者に紹介してくれて、中学生向けの雑誌を作っていたプロデューサーに見い出されたんです。


DJ:人生どこにキッカケがあるか分からないので、いろんな努力が必要ですね。映画『トリガール!』でも努力、努力で「鳥人間コンテスト」に挑む大学生を演じていましたね。撮影はかなり過酷だったのでは?
土屋:暑さと、台詞のタイミングが難しかったです。卓球のラリーのように本能で言葉を返していた感じでした。
DJ:凸凹コンビと言われながらも二人の掛け合いが最高に面白かったのですが、アドリブもあったのでは?
torigirl-ivent-mamiya-1.jpg間宮:監督からはアドリブの指示というより、ゆきなと坂場との関係性において、僕が強く言ったことに対し必死で食らい付いてくるゆきなの様子を撮りたいので、「できるだけ太鳳ちゃんを困らせてほしい」とか、「思い付いたことをどんどん掛けていけば、絶対面白いことになるから」と監督に言われました。


DJ:突然台本にないようなことが飛んで来たんですか?
土屋:はい、飛んできました。私はできるだけ台本を大事にしようと思っていたので、祥太朗にもセリフ合せを頼んだら、「あ、分かった」と低い声で答えて…(笑)。
間宮:オレ、そんな怖い言い方してないよ、「あ、いいよ♪」って軽く言ったと思うよ(笑)。
土屋:でも、祥太朗は本番ではその場面に合った心にマッチしたアドリブを出してくれました。
DJ:どこまでが台本で、どこからがアドリブか分からない程、二人の掛け合いが素晴らしかったので、是非ご覧になられる時には気を付けてお楽しみ頂きたいと思います。


DJ:これからはラジオで繋がったラジ友からの質問です。
Q1:お二人に似ている動物は?

土屋:カピバラに似てると言われます。この間も「温泉に行きたい!」と言ったら、そこに丁度カピバラが温泉に浸かってる写真があって、「似てる~!」って(笑)。
間宮:ご覧の通り、僕は濃い顔をしているので、猛禽類だと言われます。猛禽類でもどの鳥ということもなく、類でくくられて、しかも人間じゃないんだ~(笑)。よく古い友人にそう言われます。
DJ:確かに、自然界にいたら何か獲物を狙ってるような?
間宮:いつも獲物を狙ってる訳じゃないんですけどね(笑)。


Q2:撮影地の滋賀県にいる時、何かしました?
土屋:花火観ましたね。撮影が終わってから、彦根城の近くから琵琶湖の花火大会を観ました。とても綺麗でした。


torigirl-500-2.jpgQ3:限界を感じる時ってどんな時ですか?
間宮: 『トリガール!』に関しては、限界は越えていたように思います。特に、最後の方では暑さと体力の限界を超えて朦朧としてしまいました。
土屋:本当に暑さと体力の限界の中でセリフの応酬をするのですが、祥太朗は声がとても大きくて、最後のセリフの掛け合いでは、その声の大きさに引っ張ってもらいました。とても大きなお芝居をなさっておられました!
間宮:そう、「お芝居をなさっておられます!」(笑)。リアルな汗を感じられる『トリガール!』、4Dなら汗が飛んでくると思います。


【ねごと によるライブ】
ねごと:スピッツの曲「空も飛べるはず」をカバー。素晴らしい映画に惹き込まれて、是非やらせて頂きたいと。私たちなりの空が飛べたらという気持ちを込めて「空も飛べるはず」が完成しました。

土屋:この曲は、はじめて覚えたギターのコードだったので思い入れもあり、ねごとさんに歌って頂いてとても嬉しかったです。夢を追い駆けていると迷ったり挫折したりすることがあると思うけど、これから何かあったらこの歌を聴こうと思いました。
間宮:優しい曲ですね~。この曲が流れるエンドロールもとても可愛らしいので、是非最後まで楽しんで観て頂きたいです。


torigirl-ivent-500-2.jpgDJ:最後にラジオのリスナーへ向けて?
間宮:去年の夏に撮影しました。その前に「鳥人間コンテスト」を初めて観て、今まではただ楽しくお祭りのようだと思っていましたが、とてもシビアでストイック、そのためだけに努力を重ね、みんなの情熱が詰まっていることを初めて知りました。仲間と何かを創り上げることはとても大切で幸せなことだと感じ取って頂けたら嬉しいです。

土屋:観て頂いた方の心に翼を与えてくれるパワーあふれる作品となりました。キラキラした青春の中でも、挫折であったり、迷いであったりする部分も描いております。フィクションですがリアルな青春があり、とても感動できる作品です。『トリガール!』、どうかよろしくお願いいたします!



土屋太鳳(つちやたお)
1995年2月3日生まれ、東京都出身。主な出演作:『PとJK』、『兄に愛されすぎて困ってます』、『フェリシーと夢のトゥシューズ』、『8年越しの花嫁』(12月16日公開)、『となりの怪物くん』(2018年公開)など

間宮祥太朗(まみやしょうたろう)
1993年6月11日生まれ、神奈川県出身。主な出演作:『帝一の國』、『お前はまだグンマを知らない』、「僕たちがやりました」、『全員死刑』(11月18日公開)、『不能犯』(2018年公開)など

ねごと
様々なジャンルの音楽にインスパイアされ、自由な音楽を奏でる実力派エレクトロニックロックバンド・ねごとは、蒼山幸子(Vo.&Key)、沙田瑞紀(Gt.)、藤咲佑(Ba.)、澤村小夜子(Dr.)からなる4人組。唯一無二の独自の世界観で10代の頃から注目を集め、大型フェスにも多数出演。これまでに、11枚のシングル、2枚のミニアルバム、4枚のフルアルバムをリリース。映画『トリガール!』主題歌/挿入歌のダブルA面シングル「空も飛べるはず / ALL RIGHT」は8月30日発売。

落合健太郎(おちあいけんたろう)
1974年11月17日生まれ、茨城県出身。13年間海外で生活。大学生の時に演劇とラジオに出会い、役者を目指すもラジオDJオーディションに導かれ、見事合格。2000年より名古屋でレギュラースタート。FM802開局当時からの看板番組のひとつである「ROCK KIDS 802」は、2012年から担当。


『トリガール!』
torigirl-pos.jpg■出演:土屋太鳳、間宮祥太朗、高杉真宙、池田エライザ、矢本悠馬、前原 滉、佐生 雪 / ナダル(コロコロチキチキペッパーズ) 羽鳥慎一、轟 二郎、ひこにゃん
■原作:中村 航「トリガール!」(角川文庫)
■監督:英 勉 ■脚本:高橋 泉 ■音楽:遠藤浩二
■制作プロダクション:ダブ ■配給:ショウゲート
■製作:博報堂DYミュージック&ピクチャーズ 読売テレビ KADOKAWA 日本テレビ 中京テレビ 読売新聞社 ダブ 福岡放送 札幌テレビ ミヤギテレビ 静岡第一テレビ 広島テレビ テレビ新潟 テレビ信州 テレビ金沢 西日本放送 熊本県民テレビ 鹿児島読売テレビ
■(C)2017「トリガール!」製作委員会
公式サイト⇒ http://torigirl-movie.com/

 

2017年9月1日(金)~TOHOシネマズ 新宿他、全国ロードショー!


(河田 真喜子)

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岡田准一、撮影中に士気が高かった西軍は「今回、本当に勝てると思った」『関ケ原』舞台挨拶
(17.8.15 TOHOシネマズ 梅田)
登壇者:岡田准一、平岳大、原田眞人監督  
 
司馬遼太郎原作の国民的ベストセラー『関ケ原』が、原田眞人監督(『日本のいちばん長い日』)によって初めて映画化される。豊臣秀吉亡き後、天下取りの野望を抱く徳川家康率いる東軍と、石田三成率いる西軍が関ケ原で激突した「関ヶ原の戦い」。今までのイメージを覆し、正義を貫く、純粋すぎる三成を岡田准一が、野望に燃え、策略を駆使しながら三成を追い詰める家康を役所広司が熱演。新たな視点で天下分け目の合戦に至るまでの人間模様や、日本の歴史が動いた6時間の戦いをダイナミックに描いている。
 
 
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8月26日(土)からの全国ロードショーを前に、8月15日(火)TOHOシネマズ梅田にて行われた舞台挨拶付試写会では、石田三成役の岡田准一、島左近役の平岳大、原田眞人監督が上映前に登壇。「ひらパー兄さんこと、石田三成役を演じた岡田准一です」と大阪のファンにお馴染みのテーマパークCMキャラで挨拶すると「今の時代に監督が25年間構想した『関ケ原』を実現できたことを非常にうれしく思います。大阪にいる頃は歴史好きな少年でしたから」(岡田)。「ちょうど昨年の今ごろ、猛暑の中撮影を開始し、ようやく完成して、今日ここに立っていることは感無量です」(平)。「歴史的には西軍が負けましたが、興行的には西は勝てます。大阪出身の岡田さんもいますし、司馬遼太郎さんも大阪出身ですから、西が(興行的に)勝たないと。よろしくお願いします」(原田監督)とそれぞれの思いをまず語った。
 
 

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25年間構想の末、ようやく今『関ケ原』を映画化できたことについて、原田監督は「今映画化が可能になったのは、僕自身が積み上げてきたキャリアもありますが、それ以上に重要なのは司馬遼太郎先生の原作が読み続けられていること。そして現代のテクノロジーが関ケ原の時代に戻ることができると感じさせてくれます。そして一番重要なのは岡田さんが石田三成を演じるのにちょうどいい年齢になったことです」と4つのポイントを挙げた。
 
 
本作の大きな見どころとなっている合戦シーンでは「西軍リーダー役だったが、士気が高くて、今回西軍が勝てるんじゃないかと思ったほど。エキストラの皆さん、スタッフの皆さんも歴史好きの人が多く、人数が足りないところに入ってもらったり、ぱっと自然に動いてくれました」(岡田)。「合戦はアドレナリンが出て、体育会系のノリ。カットがかかってもまだ殴っているぐらい、ずっとハイテンションでした」(平)とノリノリで臨んでいた様子を披露。
 
 
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ここでゲストとして司馬遼太郎記念館館長の上村洋行氏が登壇し、「いい映画を作って下さりありがとうございます」と挨拶すると、原田監督が映画化を希望したことに対し、群像を表現する力量のある原田監督がおやりになるならと二つ返事で映画化を承諾したことを明かした。映画の感想を聞かれた上村氏は「司馬遼太郎小説のニュアンスを見事に表現しており、同時にこの映画の凄さは、全ての俳優が『関ケ原』に一体化していて、臨場感を与えています。ラストは『椿三十郎』の殺陣に匹敵するほど凄くて、感動しました」と絶賛。この感想を聞いた原田監督は「映画を撮っていた時、黒澤作品になんとか追いつこうともがいた苦労が認められた気分です」と感謝の意を示した。また上村氏は「日本中を巻き込み、後の時代に大きな影響を与えた戦い。江戸時代の階級は関ケ原の勝敗で決まったもので、逆に負けた側の薩摩、長州らが明治維新のエネルギーになっています。関ケ原を通して、今の時代を展望する機会にしていただきたい」と関ケ原の戦いと『関ケ原』の意義も解説しました。
 
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石田三成について、「当時正義感がないに等しい中で持ち続けていた武将。家康の野望に対し、義をもって応えている三成を岡田さんが新しい三成像で表現していらっしゃる」と上村氏が語ると、岡田は「中学時代に『関ケ原』を読んで、歴史好きになりました。歴史好きは司馬さんを通り、司馬さんに帰っていくので、本当にうれしいですね」。
また島左近については「これほどカッコイイ島左近は観たことがありません。江戸時代に島左近は武士の典型と言われたぐらいカッコよかったので、そのイメージ通りにスクリーンに現れ、魅了されました」と絶賛。平も「苦労や試行錯誤をしながら一生懸命作った左近なので」と感謝しきりだった。
 
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最後に「何度見ても楽しめる作品。関ケ原を体験する映画だし、色々な視点で観ていただきたいです。石田三成は正義感があり、真っ直ぐなゆえにもがくこともある、子どものような部分もあります。左近が応援したくなるような人間っぽさが見えるように演じました。生々しい関ケ原をぜひ楽しんでください」と岡田が挨拶し、舞台挨拶を締めくくった。
原田監督ならではの本物のロケーションで、石田三成を主人公にして描かれる『関ケ原』。見方が変われば、物事の見え方も変わる。知っているはずの歴史を改めて体験し、自分の中で構築してみてほしい。
(江口由美)
 

<作品情報>
『関ケ原』
(2017年 日本 2時間29分)
監督・脚本:原田眞人
原作:司馬遼太郎「関ケ原」 (新潮文庫刊)
出演:岡田准一、有村架純、平岳大、東出昌大、役所広司他
2017年8月26日(土)~TOHOシネマズ 梅田、TOHOシネマズ なんば、TOHOシネマズ 二条、T・ジョイ京都、OSシネマズミント神戸、109シネマズHAT神戸他全国ロードショー
(C) 2017「関ヶ原」製作委員会
 

skiptrace-ivent-550.jpg『スキップ・トレース』公開記念イベントin道頓堀
 

道頓堀に突如ジャッキー・チェンが?
 爆買い中の中国人も思わず二度見!

 
『酔拳』『プロジェクトA』『スパルタンX』『ポリス・ストーリー/香港国際警察』『ラッシュアワー』『ベスト・キッド』『ライジング・ドラゴン』など、全てのジャッキー・チェン出演作品を越え、ジャッキー映画史上最高のオープニング記録を樹立(4日間オープニング週末興収約6,000万ドル)し、新たなジャッキーアクションで世界を魅了する、ジャッキー・チェンの最新作『スキップ・トレース』が9月1日(金)に公開を迎えます。公開を迎えるにあたり映画のキャンペーンを下記日程にて実施致しました。ジャッキー・チェンのそっくりさん・モノマネ芸人のジャッキーちゃんを起用してのイベントの模様をご紹介いたします。


【『スキップ・トレース』公開記念イベント 開催概要】

日時:8月9日(水)15:00~    
会場:TSUTAYA EBISUBASHI 6F
ゲスト(敬称略):ジャッキーちゃん


    skiptrace-ivent-500-1.jpgさすが観光地・道頓堀、若い方々からスーツ姿の社会人のお客様にもお越し頂いた会場。ステージに「コンニチハ。アー・・・ドー、トンボリのみなさん、ハジメマシテ!ボクハジャッキーちゃんデス!ドウゾ、ヨロシクオネガイシマス!」とカタコトな日本語の挨拶と共にジャッキーさながらの颯爽とした身のこなしで登壇したのは本作の主演ジャッキー・チェン…ならぬ、ジャッキー・チェンのそっくりさん・モノマネ芸人のジャッキーちゃんだ。

早速十八番のモノマネである、“セリフを間違えた時のジャッキー・チェンのリアクション”、“拳が痛いジャッキー・チェン”のモノマネを披露し、会場のお客様を沸かす。


 【質疑応答コーナー】
Q先日、映画のPRの企画でジャッキー・チェンご本人と実際にお会いし、インタビューされたとのことですが、その時はどんな話をご本人とされたんですか?また、ご本人に対する印象はどうでしたか?
ジャッキーちゃん:ネタヤッテタ、ソシタラ、ジャッキーガ部屋ハイッテキタ!ジャッキー?アクシュシタ、モウ、超ハッピー! ジャッキーハ「映画ハ映画館デ観テネ!」ッテ言ッテタ。アト、「昔ノ僕ニ似テルネ。」ッテ言ッタ!デモ誰モ(その様子を)撮ッテナイ、証拠ガナイ…マタ会イニ行ッテ、ソノ言葉聞キマス。

Qジャッキー・チェンご本人とお会いした際のインタビューがインターネットやニュースで紹介されたそうですが、周りの方々からの反響はいかがですか?
ジャッキーちゃん:電話・メール、イッパイ来タ。「夢叶えたね。」ッテメールガイッパイ来タ!

Q凄くクオリティの高いパフォーマンスで、ジャッキー・チェンさんのことをよく見ているというのが伝わってきますが、いつからジャッキー・チェンさんのファンなんですか?
ジャッキーちゃん:小学2年ノ時ノ『蛇拳』ノ頃カラ。デモ、自分デハ、ジャッキーニ似テルッテオモッテナイ。周リガ言ウダケ。昔、六本木ト渋谷ヲ歩イテイテ、「おー!ジャッキー?!」ッテ言ワレタ。渋谷、人多イ、怖イネ。

Qジャッキー・チェンさんのパフォーマンスをやっていて、良かった!と思うことは何ですか?逆にもしあれば悪かったことや損したことはありますか?
ジャッキーちゃん:僕ノ(出演している)TV(番組)ヲ観テ、ジャッキー・チェンノ映画ヲ観テクレル人ガ増エタ。ソレガ僕ノ目的、ダカラ、トテモ良カッタ!!嫌ナ事ハ…CM・ドラマ・オーディション、ダメ!全部落チル事!(笑)ジャッキー・チェン役ダケ!


【ジャッキー・チェンにやってほしいこと、代わりにリクエスト】
skiptrace-240-1.jpg会場のお客さんの中で、例えば2ショットでの撮影、握手、ハグなど何でも、ジャッキー・チェンご本人にしてもらいたいことを、今日はジャッキーちゃんさんがやってくれるそうです!何か希望のあるお客様おられますか?」とのMCからの問いかけにジャッキーのファンだという男性から「ジャッキーとアクションをしたい」とのリクエストが。

⇒ジャッキーちゃんは笑顔で男性をステージに上げ、パンチとキックの動作をレクチャー。男性のパンチに合わせてバク宙で吹っ飛び、本物のジャッキー・チェンの如く、思い切った大胆アクションと身のこなしでその場に倒れ込んだ。

ジャッキーちゃん本気の全力ド迫力アクションに会場からは「凄~い!!」という多くの驚きの声と拍手が。リクエストをした男性も大足の様子であった。

そして今回、最新作の『スキップ・トレース』についてのネタも用意して来た!と“ロシアマフィアに追われるジャッキー走り”、“股間を蹴られて痛がるジャッキー”、“エンディングのNGシーンから、アクションをミスしておちゃらけるジャッキー”というモノマネを連発で披露。新作モノマネでも観客を大いに笑わせ「ジャッキーチームデ作ッタスゴイ映画!コノ映画待ッテタ、エンターテインメント、107分ノンストップデ飽キナイ!皆サン、ドウゾ劇場デ観テ下サイネ!」と本作の魅力をたっぷり伝え、ステージを後にした。 

またイベント終了時には道頓堀のグリコの前でポーズを取り、本作のPRを実施。さすがジャッキー本人お墨付きというだけあり、本人さながらのビジュアルや一挙手一投足。大阪・ミナミを行く観光客からはシャッターの嵐!大変な注目を浴た。大阪らしいとても賑やかで笑いの絶えない明るいイベントとなった。


 【ジャッキーちゃん…本名:栄島 智(えいしま さとし)】

skiptrace-240-2.jpg<主要出演実績>
■2017年
映画宣伝『レイルロード・タイガー』ジャッキー・チェン主演
映画宣伝『スキップトレース』ジャッキー・チェン主演
バラエティ『ウチのガヤがすみません!』日本テレビ

■2016年
バラエティ『しゃべくり007 新春特番』日本テレビ
バラエティ『ものまねグランプリ』日本テレビ


7月25日にジャッキー・チェンの最新主演映画「スキップ・トレース」のPR動画撮影のために、ものまねネタを披露していたジャッキーちゃんの前に、本人が登場するというサプライズ企画で、初めてジャッキー・チェン本人と対面したと話題に。2人の対談の模様は7月29日よりTOHOシネマズアプリにて公開中。また2人が対面した時の映像を全国のTOHOシネマズ「スキップ・トレース」上映劇場のスクリーンにて公開日の9月1日まで上映中です。


 skiptrace-logo.jpg『スキップ・トレース』
■Skiptrace 2016年/アメリカ・中国・香港合作/107分
■監督:レニー・ハーリン  
■出演:ジャッキー・チェン、ジョニー・ノックスヴィル、ファン・ビンビン
■提供:カルチュア・パブリッシャーズ KADOKAWA  配給:KADOKAWA  
■(C) 2015 TALENT INTERNATIONAL FILM CO., LTD. & DASYM ENTERTAINMENT, LLC ALL RIGHTS RESERVED
公式サイト⇒ http://skiptrace-movie.jp


   2017年9月1日(金)~全国ロードショー


 (オフィシャル・レポートより) 

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簡単ではなかったからこそ、思い入れのある作品になった。
『ろくでなし』主演大西信満さんインタビュー
 
『東京プレイボーイクラブ』『クズとブスとゲス』の奥田庸介監督が、大西信満、渋川清彦を迎え、渋谷の街に流れ着いた訳あり男たちの生き様を描く最新作『ろくでなし』。流れ着いた渋谷の街で、クラブで働く優子(遠藤祐美)に一目惚れし、クラブの用心棒になる一真(大西信満)、優子の妹で女子高生の幸子(上原実矩)と交際、遠山の仕事を手伝うひろし(渋川清彦)、クラブのオーナーで裏社会の顔も持つ遠山(大和田獏)と、渋谷で生きる様々な事情を抱えた男女をリアルに描いている。現代の生きづらさや、その中で愛を求める姿を表現する、激しくも切ない傷ついた大人のラブストーリーが誕生した。
 
8月12日(土)より第七藝術劇場、元町映画館、京都みなみ会館の3館で同時公開される本作の主演、大西信満さんに、奥田監督と作り上げた一真像や、作品の魅力、撮影エピソードについてお話を伺った。
 

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■ふだんは“ろくでなし”だから、演じる時の緊張感を保つことができる

―――一真役のオファーから撮影までの期間が短かったそうですが、撮影に入るまでの様子を教えてください。 
大西:撮影までの期間というのは作品によって様々で、撮影まで半年時間をもらえる場合もあれば、極端な話、撮影3日前にオファーがくることもあります。当初、一真役は外見もプロレスラーのような体でないと成立しないような物語になっていたのですが、なかなかオファーできる俳優がおらず、キャスティングが難航していたそうです。村岡プロデューサーからの推薦で、急遽自分が一真役をやることになったのは、撮影の1ヶ月弱前でした。そこから監督と話し合い、一真を何もかも一瞬でぶち壊すようなタイプから、周りを壊すのではなく、自分を壊し、生きづらい世の中に居場所を探すという風に、役の捉え方を変換していきました。 
 
―――一この作品は渋谷を映し出した映画でもありますが、一真が田舎から都会へ出る際、渋谷を選んだのはなぜでしょうか? 
大西:映画では説明されていないので何とでも解釈できるのですが、想像するに、人口密度の高い大都市で、雑踏に紛れたいという気持ちがあったのではないかと。人が多ければ多いほど、周りに関心を持たなくなりますし、彼の身の上であれば、紛れてしまいたいという気持ちが働くのではないかと解釈しています。 
 
―――今まで同じ作品に出演することも多かった渋川清彦さんとの共演シーンが今回は多いですね。 
大西:キーさん(渋川さんは以前「KEE」名義で活動していた)とは事務所も同じだし、昔からの古い友人です。常に一緒にいるわけではないけれど、忘れた頃にどちらともなく「飲みに行こう」と誘うような関係が10年以上続いています。キーさんはいわゆるパブリックイメージから遠くない人ですね。みなさんがイメージしているような感じと近いと思います。 
 
―――なるほど。渋川さんと正反対で、大西さんはいつも寡黙かつ、目が物語るような、内に情熱を秘めた男を演じることが多いですね。
大西:演じる役として異様な緊張感が求められる場合が多いので、そういう時ほど〝ろくでなし〟に生きてバランスを保ったりしています。まぁ〝ろくでなし〟と言っても自分の場合なんてかわいいものですけど。
 

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■演じていくうちにラブストーリーの要素が濃くなっていった撮影現場

―――本作のタイトルも『ろくでなし』ですが、大西さん、渋川さんが演じる二人には愛おしさも感じれば、彼らが抱えている孤独も感じます。ラストのラブシーンは、そんな孤独で不器用な男女の魂がぶつかる映画のクライマックスの一つですが、どのように撮影したのですか? 
大西:あのシーンはワンカットの長回しでしたし、車がこないようにスタッフが止めていますが、何が起こるか分からない状況でした。しかもかなり体力的、精神的に消耗するシーンなので、この映画の中で皆が一番緊張していたシーンだと思います。シーンの性質上リハーサルができないので、ある程度の導線を作って臨みました。カメラマンが一番大変で、どう動くか分からないので、手持ちカメラで追って、いくつかの約束ごとだけを事前に決め、あとは役柄に身を委ね互いに自由に演じました。一発勝負で撮ったシーンで、監督はOKを出すのをずっと悩んでいましたが、欠けているものはあっても2テイク目で全体の勢いやエネルギーが減るのは目に見えていて、全体として何かが伝わる事の方が大事だという判断で、結局OKを出しました。 
 
―――ハードボイルドな作品ではありますが、かなりラブストーリーの要素が入っています。これも大西さんが監督と話し合われた結果ですか? 
大西:当初はラブストーリーの要素は薄かったのですが、優子役の遠藤さんとやりとりをしていくうちに、勝手にその要素が濃くなっていきました。キーさんと幸子を演じる上原さんも、演じているうちにラブストーリーの要素がどんどん濃くなっていって、二次元が三次元になったとき、思わぬ方向に膨らんでいく。映画においては、よくあることだと思います。 
 
 
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■奥田監督は繊細さ、純粋さのある一真役のような生きづらさを抱えた男

―――大西さんが思う奥田監督の良さとは? 
大西:繊細さや純粋さですね。僕が演じた一真役のような部分がある男です。奥田監督でなかったら、こういう役作りにはなっていません。脚本を読むだけでなく、実際に奥田監督とディスカッションしていく中で、一真の生きづらさは何なんだろうと考えていきました。奥田監督は何かを壊したり、傷つけるための暴力ではなく、どちらかと言えば自分が消えてなくなってしまいたい絶望感のようなものを抱えているように感じたので。
 
―――グロテスクなシーンやエロスを前面に出したようなシーンがあまり登場せず、そのさじ加減が絶妙でした。これも奥田監督らしさと言えるのでは?
大西:奥田監督は色々な意味で下品なことが嫌いなのでしょう。潔癖症と言えるぐらいにそういう類のものが苦手で、だから生きづらい。どうしても世の中は汚れている部分を目の当たりにする機会だってあるから、当たり前にある雑菌を飲み込み切れない生きづらさがあるんじゃないかなと思います。奥田監督が生きづらさから解放される手段が映画しかないのであれば、何とかして作品を撮って欲しいと思うし、自分が俳優として作品に参加するなら、出来る限りそれを体現できるように、監督の考えていることを掬い取る努力をしました。
 
 
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■現場で起きていることをきちんと掬い取る力、自分の想定より良ければ採用する気概を感じた

―――先ほどのラブストーリー要素が増えたことといい、本作での奥田監督は、脚本に書かれていないような部分が膨らむことを受け入れてくれたということですね。 
大西:現場で起きていることをきちんと掬いとる力、想定外のことも自分の想定より良ければ採用するという気概がある監督でした。 現場で脚本のセリフ以外のことが出てきて、違った展開になっても、そちらにリアリティーがあれば、OKを出してくださいました。ある意味柔軟で、ある意味頑なな部分のある方ですね。
 
―――ラストシーンも、最初想定していたものとはかなり違うものになったそうですが。
大西:撮っていく過程で様々なズレが出てくるのが撮影ですから、ラストを決めてしまうと途中の修正が利かなくなってしまいます。1か月間ほぼ順撮りでやってきて、結果だけ当初決めていたものに落とし込むのは不自然になってしまう。だから現場で話し合いを重ね、今の形に落ち着いたのです。
 
―――今回のように、撮影を重ねるうちにラストを変えることになるという映画作りは、よくあることなのですか?
大西:現場やプロデューサーにもよりますし、基本的にはあまりないでしょうね。物語である以上、始まりから終わりは決まっているのですが、脚本の通りに進んでいけば相応しいラストでも、撮っていくとどうしても違和感が出てきたときにどうするかは監督の判断だと思います。

 

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■簡単ではなかったからこそ、思い入れのある作品『ろくでなし』

―――自分の意見が反映された作品として、『ろくでなし』は思い入れのある作品になったのでは?
大西:『ろくでなし』に限らず、どの作品でも自分が演じる以上、自分の意見は反映されている訳ですから、思い入れはもちろんあります。特に『ろくでなし』は、そんなに簡単にできた映画ではありませんから。
 
―――簡単ではなかったというのは、どういう点ですか?
大西:撮り終わった時点で配給や公開日が決まっている作品もあれば、撮ったものの公開されるかどうか分からない作品もあります。そういう意味では、『ろくでなし』は後者に属する作品だったので、それでも撮ったという部分が思い入れに繋がっているのかもしれません。もしかしたら撮ってもどうにもならないかもしれないという不安を皆が抱えながら臨んで、それでもきちんと形になったという感慨があります。
 
―――今回の一真を演じるにあたり、参考にした映画やキャラクターはありましたか?寡黙という点では、高倉健さんを彷彿させるキャラクターでもありましたが。
大西:役作りにおいて、何かを参考にすることはあまりないですね。この作品の場合、脚本を読むととてもいびつな人物で、そのまま演じると単調になってしまうので、ストローで飲むときに「あれあれ」と探す仕草をしてみたり、ただのドヤ顔でギラギラした目をした男にはしないように心掛けました。シンプルに言えば、かっこいい男にしたくなかった。生きづらさやみっともなさを抱えた一真を、かっこ悪くても人間味のあるキャラクターにしたかったのです。
 

■緊張と弛緩の振り幅を大事に、目の前にある現場の質を上げる努力をしていく

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―――40代になり、俳優としても脂が乗り、日本映画を支える存在となりつつある中、大西さんご自身で心掛けていることは?
大西:今、観客の方も映画館以外で映画を観る選択肢が増えた中、1800円を払って映画館に来ていただくだけの質をきちんと維持していかなければ、観客はより手軽で安価な方に流れていってしまいますから、目の前の現場を精一杯、質を上げる努力をしていくことに尽きると思います。
 
演じる面で言えば、俳優を始めたばかりの頃は、この針の穴の先がどれだけ細いか、深いかという集中力で勝負しなければならなかったけれど、場数を重ねていくうちに、それだけではないなと思うようになりました。今は、緊張と弛緩の振り幅が大事だと思っています。集中するためにはどれだけ緩めるかということを考えますし、これからもどうすればいい状態で現場に臨めるかを、ずっと追及していくことになるのでしょう。
(江口由美)
 

<作品情報>
『ろくでなし』(2017年 日本 1時間46分)
監督:奥田庸介
出演:大西信満、渋川清彦、遠藤祐美、上原実矩、毎熊克哉、大和田獏、他
2017年8月12日(土)~第七藝術劇場、元町映画館、京都みなみ会館にて公開
※8月12日(土)第七藝術劇場、元町映画館、8月13日(日)京都みなみ会館にて、主演大西信満、渋川清彦による舞台挨拶あり
(C) Continental Circus Pictures
 

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『二度めの夏、二度と会えない君』舞台挨拶レポート


愛する人の最期に、初めて告げた「好き」という言葉。
でもそれは、決して伝えてはいけない気持ちだった――。
二度めの夏をやり直す、奇跡の青春ストーリー。

 
アニメ作品も大ヒットした赤城大空が手がけた小説が遂に実写映画化!二度と来ない今年の夏を締めくくる青春純愛ストーリー、映画『二度めの夏、二度と会えない君』が9月1日(金)より公開となります。公開を迎えるにあたり映画の舞台挨拶を下記日程にて実施致しました。数多くの映画に引っ張りだこの若手実力派俳優で本作の主演を務めました、村上虹郎さんが登壇された舞台挨拶の模様を下記にて紹介いたします。


【開催概要】
日時:8月3日(木)~    
会場:T・ジョイ京都 スクリーン3
ゲスト(敬称略):村上虹郎


nidonatsu-bu-240-4.jpg会場からのはち切れんばかりの拍手の中、颯爽とした身のこなしでステージに登壇したのは、映画『二度めの夏、二度と会えない君』にて主演を務めた、今大注目の新鋭実力派俳優の村上虹郎だ。


ファンからの熱い声援に迎えられて登壇した本作の主役、村上虹郎。 「朝、早いですよね」と集まってくれた観客を気遣いながらも「実は僕も、夜型なんですけど(笑)。昨日、朝映画も良いよ!ってツイートしたんです。今日は、みなさんと楽しい時間がすごせればと思います。と、笑顔で舞台挨拶をスタートさせた。


Q関西にはよく来られるのですか?
村上:昨日からイベントや取材があって京都にいたんですが、プライベートでも、京田辺の同志社の方に友達が結構いるのでよく来ます。まぁ、うちの両親(父・村上淳、母・UA)が関西出身なので、家では普通に関西弁で喋ってます。両親とは、お芝居の話は一切しないんですが、母親は僕の出演した映画をよく観てくれてまして、とってもホメてくれます。なのに、舞台ものだと、超辛口。かなりダメだししてきます(苦笑)。


Q今まで様々な役柄を演じられて来たと思いますが、今までの作品と比較してみて、智を演じられる上で難しかった点などはありますか?
村上:この映画のキャラクターたちはみんな、どこか不器用なんですが、僕自身あまり器用な方ではないので、主人公の智には親近感を持っています。ただ、役柄とはいえ「好きな人が死ぬ」って、計り知れない感情を抱くはずで、そういう感情を表現するために、ある意味「最高のハッタリ」をかまさなくちゃならなくて。でも、実人生で起こったとしたら、自分がどうなってしまか正直、わからないですよ。


nidonatsu-bu-240-2.jpgQ本作中では、ヒロインの燐に誘われてバンドを組んでいらっしゃいますが、実際にみなさなんとバンドで演奏されてみていかがでしたか?またかなりギターがお上手でいらっしゃいますが撮影にあたりどれ程練習されたのですが?
村上:もともと、アコギは弾いたりしましたけど、バンドをやるのは初めてで。で、こんなに楽しくていいのか!?って。この映画は、めちゃくちゃ音楽が素敵なんです。「たんこぶちん」っていうガールズバンドが担当していて、そのヴォーカルの吉田円佳さんがヒロインの燐役を演じてるんですけど、彼女の存在感に救われました。


Qお気に入りのシーンを挙げるとすれば?
村上:うーん。ここ!と、1つだけ挙げるのは難しいですね。学園祭のライブシーンは無論、素敵なんですが、結構笑えたり、チャーミングなシーンも・・・。クライマックスの、智が燐に思いを伝えるシーンは、実は撮影2日目に撮ったんですが、あのシーンで「エンジンがかかった」感触はいまも、忘れられません。


村上は自称エセな感じの関西弁だと苦笑しつつ、「朝やし、うまくしゃべれんかったけど、今日はありがとう!」と、舞台挨拶を締めくり、温かい拍手の鳴りやまぬ中、T・ジョイ京都を後にした。

本作のヒットと彼の今後の活躍に期待が高まる舞台挨拶となった。


nidonatsu-bu-240-1.jpg【村上 虹郎(むらかみ にじろう)】
1997年3月17日生まれ、東京都出身、父は村上淳、母はUA。
カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品『2つ目の窓』(14)で主演を務め、俳優デビュー。この作品で高崎映画祭最優秀新人男優賞を受賞。翌年2015年2月には連続ドラマ『天使のナイフ』でテレビドラマ初出演、また同年9月、スペシャルドラマ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』でテレビドラマ初主演を果たす。寺尾聰主演『日曜劇場 仰げば尊し』(16)に出演し、民放ゴールデンタイム連続ドラマに初出演。最近では、映画『武曲 MUKOKU』(17年6月3日公開)にて綾野剛と共演。羽田融役を見事に演じ切った、期待値急上昇中の新鋭・実力派俳優。


『二度めの夏、二度と会えない君』
出演:村上虹郎、吉田円佳、加藤玲奈、金城茉奈、山田裕貴、本上まなみ、菊池亜希子
原作:赤城大空(「二度めの夏、二度と会えない君」小学館「ガガガ文庫」刊/ガガガ文庫10周年記念作品)
脚本:長谷川康夫   監督:中西健二
配給:キノフィルムズ/木下グループ/2017年/日本/106分
(C)2017 赤城大空・小学館/「二度めの夏、二度と会えない君」パートナーズ
公式サイト⇒ http://nido-natsu.com/

2017年9月1日(金)~梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、T・ジョイ京都、MOVIXあまがさき ほか 全国公開!!


(オフィシャル・レポートより) 

bob-ivent-550.jpg『英国王のスピーチ』の製作陣が贈る、世界で一番心温まる奇跡の実話!
映画『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』

天才子役、新津ちせが猫ガール姿で登場!
キャサリン妃も愛した、世界的ベストセラーの原作者、&世界一有名な猫のボブが待望の初来日!!


世界中が感動したベストセラー自伝「ボブという名のストリート・キャット」を実写化した映画『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』が、8月26日(土)新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国公開となります。

本作の公開を記念し、原作者のジェームズ・ボーエンと猫のボブ、ジェームズとボブへ歓迎の意を表して、動物大好きな天才子役・新津ちせをゲストに迎えたジャパンプレミアを開催致しました。


<日 程> 8月2日(水) 18:40~19:10
<会 場> 新宿ピカデリー スクリーン6 (東京都新宿3-15-15)
<登壇者> 原作者:ジェームズ・ボーエン(38)  主演:猫のボブ 、スペシャルゲスト:新津ちせ(7)



ロンドンでプロのミュージシャンを目指すが夢破れ、家族にも見放されてホームレスとなった青年ジェームズ。人生に目的も目標も持てないまま、薬物治療中で精神的に不安定な彼の間に突然現れた、一匹の茶トラ猫ボブ。運命的に出会ったストリートミュージシャン・ジェームズと野良猫・ボブの実話を描いた原作ノンフィクション小説を実写化した本作。


本日のジャパンプレミアには、ファン待望の初来日を果たした原作者のジェームズ・ボーエン氏と猫のボブが登場。ステージに登壇したボブは早速、ジェームズに餌をおねだり。観客から「かわいい」と歓声があがった。


bob-240.jpgジェームズはボブとの出会いを振り返り、「2007年に移り住んだ建物の周りにいました。怪我をしていたので獣医に連れて行って治療し、飼い主を捜していました。そうしているうちに、ずっと自分の後をついてくるようになりました。それ以来、一緒に暮らすようになって11年になります。」と回顧。ボブとの出会いと絆を描いた原作ノンフィクション小説は全英で150万部を超えるベストセラーとなり、世界30ヵ国以上で出版され、続編2冊とあわせて1,000万部以上の売上を記録。さらに実写映画と奇跡のような出会いと人生を重ねるジェームズは「世界中の方々からサポート、愛を返していただきました。3冊の原作を読んでくださったことがきっかけで、社会的にこんなにインパクトがあったことが驚きです。本を読んでくださった方、映画を観てくださった方、みんなにお礼を言いたいです。」と感謝を述べた。


ロンドンプレミアでは、あのキャサリン妃とご対面したボブとジェームズ。その様子についてジェームズは「社会復帰の様々なプログラムについて、お話させていただきました。ボブと会った時、キャサリン妃はボブの耳の裏を書いてくださいまして、それに対してボブもニャーと鳴きました。わざわざ自分たちの作品に試写に来てくださったこと自体、光栄に思いましたし、僕たちにとっても特別な夜でした」と振り返った。


本作でボブは映画デビューをしているが、「完全なる映画スターでした!超プロでしたよ、撮影中ずっと!最高の演技を現場で見せてくれました。」と話していると、ステージ上でボブがジェームズに餌をおねだり。「はるばるロンドンから来たので勘弁してください」と笑わせると、ジェームズとボブは映画の象徴でもあるハイタッチ披露し、観客から拍手が起きた。撮影中はクリームチーズのステッカーがお気に入りだったといい、あまりにも好きなので、全員がスナッククリームチーズを潜ませていたという。


bob-ivent-500-1.jpgそしてジェームズとボブを歓迎し、子役の新津ちせが登場。猫ガールに扮した新津はジェームズに花束を、ボブに和柄の赤いスカーフをプレゼント。ジェームズは「赤はボブに似合っているので、とてもうれしいです」とお礼を述べ、新津を笑顔で見つめた。ステージ上でボブと対面した新津は「映画の中のボブはすごくかわいかったです。すごくふわふわして、目がキラキラしていて賢かったです。音楽を聴いても逃げないんだなと思いました」と同じ役者の先輩として、映画デビューのボブの名演技をたたえた。


そしてジェームズは新津に、ボブについて書かれた3冊目の英語版の本をプレゼント。本を開いた新津は「かわいい~」と感激し、「英語を勉強しているので、頑張って英語で読もうと思います」と優等生の片鱗のぞかせ、ジェームズと観客を驚かせた。


今回が日本初来日となるジェームズとボブに日本のお薦めの場所を聞かれた新津は「日本の食べ物はお寿司と和菓子がおいしいので食べてみてください。あと、場所だと代々木公園の噴水が高く上がったり低くなったりするのでずっと見ていても飽きないから、ボブたちにも気に入ってほしいです」とお勧め。「お寿司はきっとボブも気に入ると思います!」とジェームズは期待を胸に膨らませていた。


新津は映画について「この映画はとても温かい、いいお話です。いろんな人が観てくださったらいいなと思います。」と観客にメッセージを寄せ、舞台挨拶は終了した。


映画『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』

bob-550.jpg監督:ロジャー・スポティスウッド 『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』『シックス・デイ』『ターナー&フーチ/すてきな相棒』
製作総指揮:ポール・ブレット 『英国王のスピーチ』、ティム・スミス『英国王のスピーチ』、ダミアン・ジョーンズ『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』、ローラ・デイヴィソン『マニフィセント』
出演:ルーク・トレッダウェイ『タイタンの戦い』『アタック・ザ・ブロック』、ジョアンヌ・フロガット『おみおくりの作法』「ダウントン・アビー 華麗なる英国貴族の館」(TV)、ルタ・ゲドミンタス「ストレイン 沈黙のエクリプス」(TV)、アンソニー・ヘッド『チャタレイ夫人の恋人』『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』
2016年/イギリス/英語/103分/© 2016 STREET CAT FILM DISTRIBUTION LIMITED ALL RIGHTS RESERVED. 
配給:コムストック・グループ  提供:テレビ東京、テレビ大阪、コムストック・グループ                           
公式サイト⇒ http://bobthecat.jp

2017年8月26日(土)~新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹、ほか全国ロードショー


(オフィシャル・レポートより)

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『セザンヌと過ごした時間』ダニエル・トンプソン監督インタビュー

~セザンヌとゾラ。神格化されたイメージを覆し、知られざる二人の友情を描く~

 
近代絵画の父と呼ばれる画家セザンヌと、不朽の名作『居酒屋』で知られる小説家ゾラの40年に渡る友情を描いた『セザンヌと過ごした時間』が、9月2日(土)からBunkamuraル・シネマ他で全国順次公開される。
 
 
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監督は、『モンテーニュ通りのカフェ』のダニエル・トンプソン。幼馴染ながら、正反対の生き方をするセザンヌ(ギヨーム・ガリエンヌ)とゾラ(ギヨーム・カネ)の友情のみならず、衝突、嫉妬など様々な感情が、濃密な映像の中浮き彫りになる。また、セザンヌが長きに渡って絵を描き続けたエクス・アン・プロヴァンスの風景や、後年ゾラが邸宅を構えたパリ郊外のメダン等、セザンヌやゾラが実際に滞在したロケーションでの撮影を敢行。二人をはじめとするサロン仲間たちの会話から、フランス社会や絵画における主流の変化、写真のような新しい技術に心揺れ動く様子まで描かれ、19世紀後半のフランスにタイムトリップした気分になる、味わい深い作品だ。
 
フランス映画祭2017のゲストとして来日したダニエル・トンプソン監督に、作品についてお話を伺った。
 

 

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―――監督は、元々セザンヌ、ゾラに対してどんな印象を持っていましたか?また、本作を作る過程で、その印象や二人の関係への解釈はどう変わっていきましたか?
セザンヌとゾラの間に友情関係があるとは全く知りませんでした。15年前にそれを知って驚いたことが、二人の事を調べるきっかけになっていきました。おそらく皆さんが思っているのと同じ、19世紀の偉大なる作家であり、アーティストで、髭を生やしている動かないアイコンのような存在だったのです。でも本作では、そのように一般の人が抱いているような二人に対するイメージを覆してやろうと思っていました。我々はどうしても過去の偉人を神格化してしまうところがあり、遠い存在の人だと思ってしまいますし、私自身もそうでしたから。
 
―――その事実を知ってから、映画ができるまで15年かかった理由は?
15年間ずっと二人の事を調べていた訳ではありません。他の作品を撮ったり、脚本を書いたりしていましたが、それらが終わる度に、このタイミングでセザンヌの話に取り組めるか、そもそもこの企画をやりたいかどうかを自問自答していました。脚本を書く以前に、セザンヌとゾラの話で映画ができるかどうか確かめるために、数ヶ月間費やしてみようと決意したのが、この作品のはじまりでした。 ですから結果的に15年もかかってしまったのです。
 
―――40年以上に渡るセザンヌとゾラの関係をきめ細かく、かつ2時間で描くのはとても挑戦的なことだと思いますが、どのように脚本を作り上げていったのですか?
冒頭に始まり、何度か挿入される1888年の再会を、セザンヌとゾラの友情における「まとめ」のようなシーンにしました。まさに映画の中心部分です。実際の二人は、あのような形で再会していないかもしれませんが、再会した時、二人は復讐をするかのように言いたいことをぶつけ合い、自分たちの友情を思い返し、疑念を抱くシーンにしました。子ども時代、青年時代に二人が分かち合った楽しい時代を組み込みながら、一方で友情の中にも不吉で暗い部分を盛り込む。このような構成は私にとってはとてもロジックなものでした。
 
 
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―――ギヨーム・ガリエンヌさんとギヨーム・カネさんは二人とも自身で監督もこなす名俳優ですが、二人はどのように役を作り込んでいったのですか? 
不思議なことに私が今まで一緒に仕事をしてきた俳優は、結構監督を兼ねていることが多いのです。アルベール・デュポンテル、シドニー・ポラックや、ダニー・ブーン、息子のクリストファー・トンプソンもそうですね。実際に彼らが私の現場で演じる時は、監督としてではなく俳優として集中してくれます。彼らが監督もする人であることを忘れさせてくれますし、「僕だったらこう演じる」という考えはないのです。そういう意味ではとてもやりやすく、快適でした。 
 
 
―――本作は、ロケーション(エクス・アン・プロヴァンス、パリ、メダン)や暗い室内のシーンがとても印象的です。撮影(映像)面での工夫やこだわりは? 
まさにコントラストを強く出そうとおもっていました。ゾラが仕事をしている書架だけではとても閉鎖的で暗く、物が多いですし、演劇的なシーンだけになってしまいます。そういうシーンがあるかと思えば、一気に光りあふれる自然の中に観客を誘います。片や暗くて閉鎖的、片や広々として明るいというシーンを行ったり来たりすることは、観客の皆さんにもすごく快感を覚えていただけると思います。ゾラとセザンヌの話は一つの戯曲として舞台でも上演できるような内容ですが、映画だからこそできるのが光溢れるシーンではないでしょうか。そのような映画ならではの表現で、観客を旅に誘ったのです。 
 
 
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―――南仏エクス・アン・プロヴァンスの景色に魅せられましたが、監督自身がその場に立たれた時、感じたことは?

 

圧倒される感じでした。自然保護地区ですし、監督にとっては夢のような場所でした。普通、歴史映画を撮るときは電信柱やドラッグストアの緑色のランプなど、何かと現在社会を彷彿とさせるものが映り込んでしまうのですが、エクス・アン・プロヴァンスでは一切そのようなことがありませんでしたから。素晴らしい景色で、まるでセザンヌの絵のようであり、大きなインスピレーションを与えてもらいました。
 
―――お父様(ジェラール・ウーリー)も映画監督ですが、映画の道で生きていこうと決めたきっかけは? 
最初は弁護士や美術士を目指していた頃もあったのですが、やはり父が映画監督ですからその影響を受けました。父も、何か私の中に脚本家としての才能を見ていたようで、父の勧めで脚本を書いてみたら、それがとても面白かったのです。その時に私は脚本家になろうと決めました。 
 
―――これからご覧になる観客の皆さんにメッセージをお願いします。
私たちは激動の時代を送っています。そういう意味では過去にタイムトラベルすることはとても重要なことです。過去に身を置くことで、そこで与えられる心地よさがあります。もちろん戦争や暴力は存在しましたが、過去から現在に受け継がれている不変のものはアートや自然であります。私たちは、そういうものを今、必要としているのではないでしょうか。
 

6月24日、フランス映画祭2017の上映後に行われたダニエル・トンプソン監督トークショーの模様を一部ご紹介したい。
 

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―――本作では手紙も多く登場しますが、どんなリサーチをしたのですか?
セザンヌとゾラの書簡が多数残っているので、子どもの頃から大人になってからの最後の手紙まで読みました。ただ、「最後の手紙」が新たに発見されたので、本当に決定的な二人の別れとなる再会のシーンは、私自身が想像して付け加えました。確かなことは、本当にたくさんの書簡を交わしていた二人が、いつの間にか疎遠になってしまったことです。私が描いたほどの出来事はなかったかもしれませんが。
 
こういう芸術的な作品にリサーチは欠かせません。それはまるで井戸から水をくみ上げるように何度も何度もくみ上げていく作業でした。ゾラやセザンヌの伝記もたくさん読みましたし、そういう作業の中から私自身のフィクションの部分を膨らませ、構築していきました。史実はもちろん大事にしますが、私の作家としてのフィクションとして忘れてはならない題材は、ゾラが書いた「制作」という作品です。この作品が発表されたことで二人の関係はややこしくなっていきます。私自身、今回映画のリサーチをするまで読んだことはありませんでした。
 
 
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―――ギヨーム・ガリエンヌとギヨーム・カネの二人の会話や刻々と変わる緊張感が、セザンヌとゾラの微妙に変化する関係を見事に表現していましたが、監督から二人にどんな指示をだしたのですか?
大好きな二人と共同作業で作り上げた感じです。私がやりたいことが全てできました。教務深かったのは、二人は撮影現場ではとても和気藹々とやっていたのですが、後半の再会のシーンが近づくにつれ、二人の役者の関係もややこしそうな関係になっていくのを「そういうこともあるのだな」という思いで見ていました。ゾラとセザンヌの関係性が、ガリエンヌとカネの関係性に重なり、それを見てワクワクしました。一つのカップルについての作品なのでこういうことが起こるのは当然なのかもしれません。
 
 
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―――ギヨーム・ガリエンヌさんにセザンヌ役をオファーしたきっかけは?
前作『モンテーニュ通りのカフェ』で小さい役ながら出演いただき、マルチな才能を見せてくれました。ガリエンヌさんはコメディーフランセーズに所属している舞台俳優でもあり、親しくしていたのですが、そのうち監督業にも乗り出し、『不機嫌なママにメルシィ』でセザール賞6冠を達成し、大スターになったのです。私自身は今回シナリオを書いてオファーした時、ゾラ役でのオファーだったのですが、ガリエンヌから戻ってきた答えは「ぜひ出演したい。でも僕がやりたいのはセザンヌなんだ」と。それから読み合わせをしたとき、すぐに彼がセザンヌ役に相応しいと納得できました。あれほど日ごろは軽やかな人が、数時間も立たないうちに、私が書いたセザンヌになりきっていたのです。
 

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―――セザンヌとゾラの言葉の応酬が印象的でしたが、監督はどのようにセリフづくりをされたのですか?
この作品を作るのが一つのアドベンチャーだとすると、台詞を作るのはワクワクする瞬間です。まさにゾラのおかげという部分もありますが、それはゾラの小説にあったセリフを拝借している部分もあるからです。ただ、書斎でゾラとセザンヌが言い争うシーンは、私が想像して描いたシーンです。「開花しなかった天才」とゾラは最後に言いますが、実は画商ボラールの回想録に、ゾラがそのように言ったと人づてに聞いたセザンヌが、とても傷ついたと書き残しています。その部分は史実なのです。
 
今回の作品は史実をベースにしながら、私自身のイマジネーションを混ぜ、ゾラの小説の部分も混ぜ、エピソードを作り上げた、コンフィチュール(ジャム)のようなものです。だから気難しいセザンヌの反抗的な人物像を作り上げることができました。監督、脚本家としてこういうパズルを組み立てるような作業は、本当にワクワクしました。
(江口由美)
 
 
 

<作品情報>
『セザンヌとすごした時間』“Cézanne et moi”
(2016年 フランス 1時間54分)
脚本・監督:ダニエル・トンプソン
出演:ギヨーム・カネ、ギヨーム・ガリエンヌ、アリス・ポル、デボラ・フランソワ、フレイア・メーバー、サビーヌ・アゼマ、イザベル・カンドリエ
9月2日(土)~Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開