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■日時:2024年7月6日(土) 18:00~(上映終了後)

■会場:なんばパークスシネマ

■登壇者:前田哲監督



御年100歳の作家・佐藤愛子が90歳の時に書いたエッセイ『九十歳。何がめでたい』の映画化作品に、90歳を迎えた草笛光子が主演。歯に衣着せぬ物言いで世間をぶった斬る痛快さに胸のすく思いがするが、そこには上辺だけの強さではない、長い人生経験に裏打ちされた人間性の深みや温もりがある。すべての人々のこれからの人生にエールを贈る、笑いと感動いっぱいのハッピーオーラ満載の映画です!


90medetai-pos-1.jpg年齢を重ねるほど驚きの美貌で魅了する草笛光子は、他の女優にとっても憧れの存在だが、意外にも本作が初めての単独主演となる。舞台に映画にドラマにモデルなどマルチに活躍、そのお茶目目でチャーミングな性格から多くの人々に愛され、本作でも「草笛さんと共演したい!」と豪華な共演者が多数出演している。


メガホンをとったのは、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』『そして、バトンは渡された』『老後の資金がありません!』『ロストケア』『大名倒産』と次々とヒット作を打ち出している前田哲監督。19歳から映画の世界に身をおく現場叩き上げの前田監督といえども、草笛光子の90歳とは思えぬバイタリティーや“とんでもない言動”に翻弄されて、現場は笑いの絶えない和やかな雰囲気だったようだ。


そんな前田哲監督が、7月6日㈯大阪なんばパークスシネマにて開催されたティーチイン・イベントにゲストとして登壇。本作の制作に関わった経緯や撮影秘話、そして草笛光子の素顔をおもしろ楽しく語ってくれた。

以下はその詳細です。尚、()内は前田哲監督の心の声です。



90medetai-maedatetsu-500-1.jpg――本作の反響は?

〈草笛さん発案の企画〉

草笛さんからお話を頂いた企画です。3年前の『老後の資金がありません』以来、お正月に草笛さんのご自宅に招かれてまして、最初の年に「私、佐藤愛子さんの役をやってみようと考えているんだけど、どう思う?」って言われたんですよ。元々はオスカープロダクションのプロデューサーが3年掛けて原作者の佐藤愛子先生を口説き落として映画化の許諾を得たものを、それをプロデュース感覚のある草笛さん自身が是非映画化したいということで、僕のところにお話を頂いたんです。


〈愛子先生99歳、草笛さん89歳の時の3人でのランチ〉

愛子先生は「エッセイはドラマがないから映画にはならないわよ」といつも仰ってましたが、脚本家の大島里美さんにプロットを書いてもらって、いろんなエピソードを厳選して(犬のエピソードは僕のこだわりがありまして)、シナリオにして先生に見てもらいました。

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愛子先生99歳、草笛さん89歳の時に3人でランチしたのですが、お二人ともよく食べる、よく食べる、よく喋る、ほんとにお元気です! その時に愛子先生が付箋がいっぱい貼ってあるシナリオを出して、「このセリフつまらないわよ」(原作通りなんだけどな…)と言われ、「はい分かりました。それではこうしましょう」と提案すると、「あなた意外と頭の回転が速いわね」(“意外と”は要らんやろ!)と99歳の愛子先生に褒められまして、他にも原作にないエピソードなどしてくださり、その明晰な話しにびっくりしました。


草笛さんは草笛さんで、「私ね、この時の愛子さんの気持ちはね…」(まだまだまだ、台本も決まってないのにまだまだ早い!)とまあ面白いランチを一緒にしてからですね、動き出したのは――。


〈アッパレな似た者同士の二人〉

草笛さん自身が愛子先生を演じるのに何か魅力を感じておられたみたいです。お二人は似てるんですよ。潔さや気風の良さとか竹を割ったような性格が似ていて、真っ直ぐで、絶対ズルしないし、筋の通った生き方をしている、とても気持ちのいい人たちなんです

愛子先生は別れた夫の借金3000万円をシングルマザーになっても小説書いて返済したし、草笛さんもブロードウェイで観た『ラ・マンチャの男』を「日本でもやりたい!」と東宝に掛け合って、今の東宝ミュージカルの基礎になるような超ロングランヒット作を仕掛けたんですよ。アッパレなお二人です。


〈いつも何か新しいことを考えている草笛さん〉

草笛さんは、3年前にも「私ね、親友のフジコ・ヘミングさんとワダエミさんとでコラボしようと思ってるの。」と言い出されて、何をするかと思えば、「ワダエミの美術・衣装で、フジコ・ヘミングがピアノ弾いて、私、歌おうかしらと…」(歌うんかい!?)とね。残念ながら、お二人とも亡くなってしまいましたが…いつも何か新しいことを考えておられる方ですから、この企画も是非自分でやりたいと思われたんでしょう。


――草笛さんにとって、凛とした感じからまさに“はまり役”ですね?

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今作では作家としての風格が必要でした。前作の『老後の資金がありません』では「そのままでいいですから、何もしなくても草笛さんは十分可笑しいですから」と言ったらえらい怒ってましたけどね。今回は風格を出すためにどうするかは話し合いました。髪の色や着物や私服についても愛子先生と同じような色合いにしました。


〈最高齢のグラビアアイドル!?〉

草笛さん、90歳で写真集出してるんですよ! 最高齢のグラビアアイドルだって!?(何考えてんねん!)。本人曰く、「脱いだ方が良かったかしら?」(誰が見んねん!)…そんな調子で、茶目っ気のあるとてもチャーミングな方なんですよ。

草笛さん発の企画ですが、ふと思ったのは、三谷幸喜さんに断られたんじゃないかなと…そんで僕のところに話が来たのかも?と。 もう三谷さんのことが大好き過ぎて、タクシーのシーンなんて目がハートですよ。乙女のように楽しんでましたね

――確かに、身を乗り出して演技されてましたね。

(そんなに好きなんかい!?)ですよ!(笑)。


――三谷幸喜をはじめ、多くの豪華キャストが登場しますが?

〈90歳の奇跡の美肌〉

みんな草笛さんの作品に出たいという思いからです。今回スケジュールが合わず出られなかった俳優さんたちも多くいます。

天海祐希さんは、『老後の資金がありません』の時の現場で草笛さんに向かって、「してないわよね?してないわよね?」ってしつこく聞いてるんですよ。何をしてないのかというと、整形をしてないのかという意味だったそうで、そう疑うくらい草笛さんの肌が綺麗なんですよ。これ合成も何もしてません!本物なんですよ!とある国民的女優さんも12歳上の草笛さんを基準(目標?)にされているらしいです。


〈アクシデントも奇跡のアドリブに〉

それと、草笛さんには奇跡のようなものが降ってくるようです。『老後~』の時も偶然前歯が取れたのをそのまま使いましたけど、今回も冒頭のしょんぼりしているシーンで突然カーディガンが落ちたり、門にぶつかったりと、あれ全部偶然なんですよ演じようと思っても出せないものを、ふっと自然に出てしまうなんです。


――演出について?

僕は基本的に「ああして下さい。こうして下さい。」と言うのが演出だとは思ってないので、俳優さん自ら出たものが一番強いと思っています。さりげなく誘導することはありますが、俳優さん自身でこうしたいと言える場(環境)を作ることがスタッフの務めだと思っています。納得のいく方法で何度でも演じてもらえる雰囲気作りを心掛けています。


〈バディものの映画?〉

――佐藤家の家族がとても仲良く見えましたが?

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佐藤家は撮影所のセットなんですが、外観や書斎やリビングは勿論、インテリアに至るまで細かく造り込んでいます。佐藤家の三世代、草笛さんは娘役の真矢みきさんや孫役の藤間爽子さんといつも一緒に待機場所のテーブルにいて、ぺちゃくちゃと差し入れのお菓子を食べながらおしゃべりされてました。家族そのまんまの雰囲気でいてもらえて助かりましたね。家族って容赦ないものですから、ズバズバと厳しく言い合うことは、徹底してもらいました。

その三世代の家族とエッセイのエピソードを組み合わせるのが僕の最初の考えでしたが、そこに脚本の大島さんに入ってもらって、男性の編集者・吉川(唐沢寿明)を登場させることでバディものでありつつ、時代に取り残された二人の逆襲の物語に仕上がったのです。大島さんのお陰です。

 

――唐沢寿明さんは?

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唐沢さんのあの髪の毛はそのままの状態ですよ。衣装合わせの時、「このままでいいだろう!」と仰って。いかにも江戸っ子らしく、スパッとして明確で実に気持ちのいいプロフェッショナルな俳優さんです。一緒に仕事していて楽しかったです。


――唐沢さん演じる吉川編集者は大島さんのアイデアだったんですね?

吉川のモデルとなった編集者はおられますよ。吉川のキャラクターはフィクションですが、ご本人には映画化に多大な協力をして下さった方なので、真矢さん演じる娘の夫役として写真の中に登場して頂きました。


――佐藤家と昭和気質の吉川の家族との対比は物語に深みを出していますが?

吉川に対しては、中高年の男性が見ると身につまされるところがあるみたいです。

――確かに、30歳の私でも我が事のように共感しました。

ええ?ああはならないでしょう。昭和は入ってないのに?

――はい、若干昭和気質なところがありまして…。

(吉川とは対照的な若者役の)千之助くんではなく?

――千之助さんみたいなタイプはちょっと苦手ですね。(笑)(何の話や?)


〈過去と未来をつなぐシーン〉

――ところで、吉川の娘のダンスシーンが素晴らしかったですね?

吉川の娘役の中島瑠菜さんにはダンスを先生の指導のもとで2か月間練習してもらいました。彼女は手足が長いのでとても綺麗に踊れていましたね。それに衣装を彼女に合わせてデザインしてもらったのも良かったと思います。

 

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〈動物より難しい90歳!?〉

――犬のエピソードについて?

犬のエピソードは絶対マストのこだわりのシーンでした。あの仔犬は2匹いまして、「つみれ」と「はらみ」という名前なんです。仔犬は調教できないので段ボールに入れたまんまでしたが、でも1回出たらちゃんとやれるんですよ。「仔犬は1時間で成長しますから」(もっと早く言ってよ!(笑))。成犬の「こなつ」ちゃんはとってもいいコでね、じ~っと待ってるんですよ。


――動物を撮るのは難しい?

そうですね、でも僕は『ブタがいた教室』では豚、『ドルフィンブルー フジ~』ではイルカと、動物には縁があって…元々動物は好きなんです。「動物と子供は大変だ」という話はよく聞きますが、僕には90歳の方が大変でした!(笑)

 

観客も写真撮影OKということで、「写真撮ってSNSで拡げて下さいね。でもSNS見ない世代が対象かも?先日老人ホームで凄い評判になってますよ、という声を頂いたのですが、施設で評判になっても興行収入には繋がらないしな~(笑)」と、最後まで「ひとりツッコミ」で笑わせてくれた前田哲監督。出身地や年齢を公表していない割には、終始関西弁で喋りまくっていた。あの調子で草笛光子の茶目っ気に鋭いツッコミ入れては笑いをとっていたんだろうなぁ。羨ましくなるような和やかな撮影現場を想像しては、また『九十歳。何がめでた』を観たくなった。
 


『九十歳。何がめでたい』

【ストーリー】

断筆した作家・佐藤愛子は90 歳を過ぎ、先立つ友人・知人が多くなると人付き合いも減り、鬱々と過ごしていた。そこに、会社でも家庭でも崖っぷちの編集者・吉川がエッセイの依頼にやってくる。「書かない、書けない、書きたくない!」と何度も断るが、手を変え品を変えて執拗に頼み込む吉川。仕方なく引き受けたエッセイに、「いちいちうるせえ!」と世の中への怒りを⾚裸々にぶちまけて、それが中高年の共感を呼び予想外の大ベストセラーとなる。初めてベストセラー作家となった愛子の人生は 90 歳にして大きく変わっていく。


(2024年 日本 1時間39分)
■原 作:佐藤愛子「九十歳。何がめでたい」「九十八歳。戦いやまず日は暮れず」(小学館刊)
■監 督:前田哲 脚本:大島里美  音楽:富貴晴美
■出演:草笛光子、唐沢寿明、藤間爽子、木村多江、真矢ミキ ほか
■製作幹事:TBS
■配 給:松 竹
■原作コピーライト:Ⓒ佐藤愛子/小学館
■映画コピーライト:©2024 映画「九十歳。何がめでたい」製作委員会 Ⓒ佐藤愛子/小学館
公式サイト: https://movies.shochiku.co.jp/90-medetai/

ハッピーオーラ全開で全国にて絶賛公開中!


(河田 真喜子)

 


孤高の天才“プリンス”の真実に迫る傑作ドキュメンタリー『プリンス ビューティフル・ス トレンジ』が、プリンスの誕生日である 6 月 7 日(金)より新宿シネマカリテほか全国 絶賛ロードショー中です。
 

孤高の天才“プリンス”の真実に迫る傑作ドキュメンタリー

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ファンクとロックとソウルを融合させ、音楽に革命をもたらし天才の名をほしいままにしていたミュージシャン・プリンス。80年代、自伝的映画『パープル・レイン』、同映画サントラのメガヒットで、一躍世界的スーパースターに。アルバムのトータルセールスは1億5千万枚。12枚のプラチナアルバムと30曲のトップ40シングルを生み出し、7度のグラミー賞を受賞。2004年にはロックの殿堂入りを果たすなど、生涯ロック・ポップス界の頂点に君臨し続けた。アメリカ・ミネアポリスで誕生したプリンスは、住民の90%が白人という環境下で、多感な青春時代を過ごした。公民権運動の渦中、地元のブラックコミュニティ“ザ・ウェイ”での音楽的な原体験、恩師や家族が語る幼少期のエピソードの数々。チャカ・カーン、チャックⅮ、ビリー・ギボンズなど、プリンスを敬愛するミュージシャンの声も多数収録。孤高の天才が、如何にして誕生したのか、そして突然の悲劇まで、プリンスを愛する全てのファンに贈る傑作ドキュメンタリー。


この度、本作の公開を記念しプリンス好きなシンガーソングライターのスガ シカオさんと、本作の字幕監修も担当された音楽評論家の吉岡正晴さんをお招きし、舞台挨拶イベントを実施いたしました。


【日時】: 6月10日(月) 18:30より舞台挨拶開始 ※上映前イベント 

【会場】: 新宿シネマカリテ(新宿区新宿3-37-12 新宿NOWAビルB1F)

【登壇者】:スガ シカオ(シンガーソングライター)、吉岡正晴(音楽評論家・本作字幕監修)


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映画『プリンス ビューティフル・ストレンジ』公開記念舞台挨拶が6月10日、新宿シネマカリテにて開催され、大のプリンスファンだというシンガーソングライターのスガ シカオと、本作の字幕監修も担当した音楽評論家の吉岡正晴が登壇し、孤高のミュージシャンであるプリンスの魅力を語り尽くした。

 

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多くのプリンスファンで埋め尽くされた会場からの拍手で登場したスガは「1回目は何の情報も得ずに観たので、最初はプリンスの秘蔵ライブの映像とかが入っているのかなと思ったら、この映画はそういう映画じゃないんです」と語ると「どちらかというと僕らがこれまで見てきたプリンス像ではなく、他の人から見た『プリンスってどんな人だったんだろう?』というのが大きなコンセプトになっている映画なんです」と解説する。

 

吉岡氏も「ダニエル・ドール監督と数日ご一緒したのですが、監督が一番強調していたのは、彼が生まれてから、1978年にプリンスになるまで、どんなことをしていたのかにスポットを当てたいということでした」と語ると「この映画を持って、プリンスをお祝いしたい、みんなに伝えて楽しませたい。そして今プリンスを知らない人たちに、その功績を伝えていければという思いで作ったと話していました」と本作の意義を述べる。

 

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映画を2回鑑賞したというスガは「世界で一番好きな女性シンガーのチャカ・カーンが、プリンスのことを思ってしゃべっているシーンがあるんですね」と振り返ると「そのシーンを観て、こんなに深い絆でチャカとプリンスが結ばれていたんだなと感じて泣きそうになってしまったんです」と見どころとしてあげる。

 

さらにスガは「そのなかで、どうしてレニー・クラビッツのインタビューがないんだろう。二人の関係性を考えると、あってしかるべきじゃないですか」と胸の内を明かすと、吉岡氏は「ダニエル監督もレニーにオファーをしたようなのですが、2016年にプリンスが亡くなってから、まだレニーがプリンスの死を受け入れられなくて、カメラの前で話すことができないと言って断られたそうなんです」と裏話を披露。吉岡氏の発言にスガは「それは泣けますね。レニーがプリンスをどんな風に思っていたのかが分かります」としみじみ語っていた。

 

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またスガは「ネタバレになっちゃいますが、この映画のコメントを求められたとき、プリンスのことで語られた言葉に『頭の中にどんどんどんどん音が鳴るから、それを吐き出していかないと死んでしまうんだよ』というコメントがあることを書いたのですが、羨ましい限りですよね」と発言すると「プリンスは、寝るとかご飯食べるとかと同じレベルでアウトプットしていかないと生きていけないんでしょうね」と、プリンスの溢れ出る才能の泉に脱帽していた。

 

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最後にスガは「そんなすごいプリンスでも、映画を観ていると、7歳ぐらいのころは何でもできたわけではないことが分かります」と述べると「そこからアーティストになる段階で、ビジネスとして売れていくために何が必要か、ものすごくいろいろなことを勉強して、楽器も練習していくんです」と天才でもあり努力家である一面を強調すると「プリンスは、日本でコンサートが終わったあと、ビクターのスタジオでレコーディングをしたという逸話があったんです。僕なんか沖縄でコンサートをやったら、そのあとは泡盛ですよ。本当にすごいですよね」と発言し会場を笑わせていた。


出演:プリンス、チャカ・カーン、チャックⅮ、ビリー・ギボンズ他
監督:ダニエル・ドール
原題:Mr. Nelson On The North Side
2021年/カナダ/英語/68分/16:9フル/ステレオ 
提供:キュリオスコープ、ニューセレクト 
配給:アルバトロス・フィルム
公式HP:https://prince-movie.com/       
©PRINCE TRIBUTE PRODUCTIONS INC.

新宿シネマカリテほか全国ロードショー中


(オフィシャル・レポートより)

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登壇者 左よりヤン・イクチュン、生田斗真、山下敦弘監督
 
 
 福本伸行、かわぐちかいじの原作を山下敦弘監督が映画化、雪山で遭難した山岳部OBの男二人が山小屋で避難する間に、驚くべき真実にたどり着く密室エンターテインメント『告白 コンフェッション』が、5月31日より絶賛公開中だ。
本作の公開を記念し、TOHOシネマズ梅田で開催された舞台挨拶では、W主演の生田斗真、ヤン・イクチュンと山下敦弘監督が登壇した。大阪のファンからはいつも熱を持って応援していただき感謝しているという生田と、キャリーケースを引きずりながら6時間大阪を散策し、裏路地の印象が深かったという韓国の名優、ヤン・イクチュン。そして、映画『味園ユニバース』の舞台で、自身もよく飲みに行ったという味園がなくなることに寂しさを感じるという山下監督。三人が濃密な撮影について語った内容をご紹介したい。
 

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―――いろいろな役にチャレンジしているが、浅井役を演じてみての感想は?
生田:ヤン・イクチュンさんとほぼ二人だけの芝居をさせていただけたのは、ワクワクした大きな箇所だし、イクチュンさんとの出会いは僕のこれからの俳優人生にとって、すごくいい影響をもらいました。韓国でイクチュンさんはよくコンビニ前のテーブルでお酒を飲むらしいんです。オンとオフというか、自分自身と役の切り替えを自由にやっているところに、いい影響をもらいました。
 
イクチュン:明日一緒に韓国に行って、コンビニの前で飲みましょう!
 
―――山下監督からのオファーがきたときについて教えてください。
イクチュン:最初にオファーをいただいてから(話が本格化するまで)かなり時間が経過していたので、どうなるのかと思いました。でも、一旦約束をしたことは必ず守るつもりで、変遷の過程も見守らせていただきました。撮影の中で苦労する部分や厳しい瞬間も多々ありましたが、山下監督や生田さん、スタッフのみなさんにサポートしていただき、キャストがベストを尽くす環境を作っていただけたと思います。
 
 
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―――原作はあるものの、映画化には長い時間がかかり、大変苦労があったそうだが?
山下監督:トータルで5年ぐらいかかり、シナリオも二転三転して長かったです。企画自体も僕の中では初めてのジャンルの作品だったので、ひとりでも多くの人に見て欲しいというのが正直な気持ちです。
 
―――原作は日本人同士の設定だったが、ヤンさんにオファーした経緯は?
山下監督:原作を映画化するにあたり、どうやって映画を作っていいかわからず、トータルで5年ぐらいかかり、シナリオも二転三転して長かったですが、まずイクチュンさんの映画を作りたいと思っていました。コロナ時期を挟み、イクチュンさんとオンラインでずっとやりとりをしていたので、クランクインでイクチュンさんが来日し、衣装合わせをしているのを見て、ウルっとしました。
 
生田:僕も、山下監督とイクチュンさんと会えたのがすごく嬉しかった。二人で握手をして「やっと会えたね」と抱き合ったんです。
 
―――ワンシチュエーションで、二人がずっと芝居をしていますが、演出のポイントは?
山下監督:僕の中では怖いお話ではあるけれど、二人の魅力をなるべく、時には人間臭く、時には可愛らしく、時にはめちゃくちゃ怖い感じになるように二人と相談しながら演出していきました。
 
―――それぞれの役作りについて、教えてください。
生田:自分自身で作り上げるというより、イクチュンさんの芝居が僕の感情を引きずり出してくれるので、とてもいい影響をもらっていました。
 
イクチュン:僕の方がエネルギーを発散し、生田さんが逃げ回る側でしたが、逃げ回るのもかなりエネルギーを使う役回りだと思います。不安や恐れを表現するわけですから。お互い相互作用をしながら、エネルギーを発散し、受け止める関係性があったため、いい映画が作れたと思います。
 
 
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―――役作りで頑張ったところは?
イクチュン:映画の表面では見えていない部分について、たくさんストーリーを考え演技に臨みました。見えていない部分が演技の根っこになると考えたからです。また、生田さんがどういうリアクションをみせ、どういう動きをするのか、細かく見守っていました。相手の反応を集中してみることに気を遣いましたし、おそらく生田さんも同じだったと思います。
生田さんのファンのみなさん、たくさん触ってしまってすいません!
 
―――ヒロインさゆり役、奈緒のキャスティングは?
山下監督:広告の仕事でご一緒したときから、いつかご一緒できればと思っていましたが、最初は引き受けてくれるのかと不安でした。さゆり役は、人物の背景が描かれていないので役者さんとしてはやりづらいと思います。初稿で三人の関係性を見せるため、大学時代の話を書いており、説明はないけれど滲み出るような演技をしてもらいました。実際、7割ぐらいは使わないけれど、シーンとしてお芝居を一連で撮った方がやりやすいと思い、長く撮っています。
 
生田:マグロの塊から中とろだけ取り出したような感じで、殺害シーンもすごく長く撮っていましたよね。
 
イクチュン:フィルム時代だったら、現場で叱られますよ。
 
山下監督:デジタルだからできました!
 
 
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最後に、
「魅力のある俳優たちの魅力を引き出すのが仕事だと思い、生田さん、イクチュンさん、奈緒さんの魅力が詰まった映画になっていますので、俳優たちの熱量のある芝居を楽しんでもらいたいし、二回三回と見てもらえる自信があります」(山下監督)
 
「この映画の現場は非常に限られた狭い空間だったので、僕たちも窮屈な気持ちを味わいながら演じましたが、これがまさに僕たちの演技の非常に重要な要素になっていますので、みなさんも窮屈感を感じ取っていただければと思います。タイトル通り、「告白」が制限された空間で行われており、(イクチュン監督作の)『息もできない』みたいな映画的な感性がありますので、ぜひお楽しみください」(イクチュン)
 
「大阪のみなさんと直接お会いできる機会ができ、本当に嬉しく思っています。人間の極限状態を表現したつもりです。みなさんの心の中に今日の映画が残り続けてくれることを祈っております」(生田)
と挨拶し、観客の声援に笑顔で応えた。
 
 山下監督初の密室を舞台にしたジャンル映画だが、息を呑むような展開の中にも、人間の可笑しさが滲んでいる。狂気の芝居をみせるヤン・イクチュンと、新境地をみせる生田斗真との強烈な化学反応をぜひ楽しんでほしい。
(江口由美)
 

 
<作品情報>
『告白 コンフェッション』(2024年 日本 107分)
監督:山下敦弘
原作:福本伸行、かわぐちかいじ『告白 コンフェッション』(講談社「ヤンマガMC」刊)
出演 : 生田斗真、ヤン・イクチュン、奈緒
2024年5月31日(金)より全国ロードショー
(C) 2024 福本伸行・かわぐちかいじ/講談社/『告白 コンフェッション』製作委員会
 
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写真左より司会の浜村淳、登壇者の大村崑、高畑淳子、勝俣州和、香月秀之監督
 
 
人生百年時代に人生を謳歌するための新しい「お終活」を提唱し、シニア世代に笑顔と勇気を与えた『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』(21)がパワーアップ!青春ならぬ「再春」をテーマに大原家の新たな家族模様を描く『お終活 再春!人生ラプソディ』が、5月31日より絶賛公開中だ。
本作の公開を記念し、大阪のあべのアポロシネマで開催された舞台挨拶では、主演、大原千賀子役の高畑淳子をはじめ、タクシー運転手役の勝俣州和、介護施設利用者・木村役の大村崑と香月秀之監督が登壇。さらに映画の伝道師、浜村淳が司会で参戦し、登壇者平均年齢75歳のお終活トークが炸裂した。
 
(最初のご挨拶)

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高畑:昨日封切りで映画が漕ぎ出しました。誘い合って、お父様やお母様、ご友人など誘って、その後おしゃべりが弾む映画になっています。どうぞ可愛がってください。
 
勝俣:午前中に「旅サラダ」に高畑さんと出演し、映画の宣伝をしていたらレギュラーメンバーにギャグだと思われていて。ちゃんと舞台挨拶してます!本作ではみなさんを楽しませる役で出ています。
 

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香月監督:地元が大阪なので、友達がたくさん来ていてうれしいです。本作は第二弾で、第一弾『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』の一年後の話です。『お終活 熟春!〜』公開の3年前はコロナで映画館が閉まり、舞台挨拶ができなかった。子どものように思っている映画が旅立てなかったと悲しい思いでしたが、その後各地で自主上映していただき、一年後、自主上映で7万人近くの方にご覧いただけ、「ぜひ第二弾を!」とお声をいただいた。映画は選挙と同じで、みなさんがチケットを買っていただき、もりあげていただきたい。
 
大村: 92歳になりましたが、今が最高!喜劇役者が誰もいなくなり、わたしだけ元気でおれるのは幸せです。筋トレを初めて6年になりますが、みなさんにも筋トレをお勧めします!
 

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 ご挨拶が済んでから登壇した司会の浜村淳は、レギュラー番組時代の遺産相続コーナーでの話題をひとしきり話した後、「遺言書を書いておきましょう」と浜村流終活のススメをみっちりと伝授。一方、終活について浜村に聞かれた大村は「家では終活だらけ、だんだん嫁さんがやかましくなり、自分は静かになる。今までは反対で自分の方がうるさかったのに。この映画とよく似ている」と隣同士で座ったレジェンドのトークが炸裂。一方、シングルマザーとして二人の子どもを育てた高畑は「子どもが小さいときから、お母さんが死んだら見るノートを作っていました。最近も晩年どうやって暮らすか、食べていくかをよく考えます」。
 

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 同様にシングルファーザーの香月監督も「毎年元旦に、暗証番号やお金の預け先を必ず書き換えている」と子どものためにも万全の終活を行っていることを告白した。ただ本作の終活は、終わりに向けての活動ではないとい香月監督。「誰でも人生は終わるので、そこまでどう生きるかがこの映画のメッセージです。今からあと30年生きるのにどうするかを描きました」と作品の狙いを説明。浜村も「こういう身につまされる映画は関西で一番受けるんですよ」と、本作のヒットを予言した。
 

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 トーク途中でフォトセッションへの合図が出たため「これから(大村)崑師匠に舞台上で筋トレをしてもらおうと思っていたのに」と最後まで舌好調だった浜村の後、最後に挨拶した高畑は「第一弾のときは本作に出演してくださっている藤原紀香さんがお父さんを誘って見に行ってくださいました。今日ご覧いただいて、よかったなと思ったら、ぜひ誰かを誘って見に行っていただき、ご飯を食べて、感想を言って、悪口でも構いませんので、そんな風に映画が広がっていけばいいと思います」と語りたくなる本作の魅力をアピールした。映画を見ながら、自分ならどうしようかと、思わず重ねて見たくなる家族エンターテインメント。存分に楽しみ、そして語り合ってほしい。

(江口由美)
 
 

 
<作品情報>
『お終活 再春!人生ラプソディ』(2024年 日本 107分)
脚本・監督:香月秀之
出演 : 高畑淳子 剛力彩芽 松下由樹 水野勝 西村まさ彦 石橋蓮司  
藤吉久美子 増子倭文江 LiLiCo 窪塚俊介 勝俣州和 橋本マナミ
藤原紀香(友情出演) 大村崑 凰稀かなめ 長塚京三 橋爪功
2024年5月31日(金)より全国ロードショー
公式サイト→https://oshu-katsu.com/2/
©2024年「お終活 再春!」製作委員会  
 
 

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【日時】5月24日(金) ※上映前のトークイベント 

【会場】池袋HUMAX シネマズ シネマ1
   (豊島区東池袋1-22-10 ヒューマックスパビリオン 池袋サンシャイン 60 通り 8F)

【登壇者】市原隼人、大原優乃、田澤泰粋、栄信、小堺一機、綾部真弥監督



oishiikyushoku-pos-1.jpg天上天下唯我独尊・ブレない男、甘利田幸男を演じるのは、言わずと知れた主演・市原隼人。甘利田が教育係を務める女教師に大原優乃。甘利田を完膚なきまでに打ちのめす食のライバル生徒を演じるのは田澤泰粋。他に栄信、いとうまい子、六平直政、高畑淳子、小堺一機らお馴染みのレギュラー陣が勢揃いするほか、新たに石黒賢が参戦!泣いて笑って、お腹がすいて、老若男女が楽しめる極上の給食スペクタクルコメディ映画『おいしい給食 Road to イカメシ』が爆誕!!


市原隼人主演。給食マニアの教師・甘利田幸男と、給食マニアの生徒による、どちらが給食を「おいしく食べるか」との闘いを描く学園グルメコメディ『おいしい給食』シリーズ。映画最新作『おいしい給食 Road to イカメシ』が全国公開を迎え、初日の5月24日に、都内劇場にて公開記念イベントが行われた。
 



舞台挨拶には劇中衣装を着た市原隼人、大原優乃、田澤泰粋、栄信、 小堺一機と、綾部真弥監督が登壇。また舞台挨拶に先立って、市原、大原、栄信の教師役3名が、劇中で生徒たちを校門で出迎えるがごとく、お客様のお出迎えを行った。さらに当初の予定にはなかったが、シリーズ第3弾で甘利田のライバル生徒となった粒来ケン役の田澤も、急遽、お出迎えに参加することになり、一緒に並んだ。本イベントに際し、「開場時にスペシャルなイベントを予定」とだけ知らされていたお客様たちは、このサプライズに「きゃー!」と大興奮。市原はお客様たちの熱気を間近でつつも、そこは甘利田のまま「おはよう!」「遅いぞ。何やってる!」「遅刻だぞ!」と檄を飛ばして、お客様を劇場内へと誘導した。


oishiikyushoku-5.24sub.jpg『おいしい給食』のTシャツを着ているファンには「いいTシャツを着ているな」、ポップコーンを持っているお客様には「うまそげだ」と話しかけるなど、普段、生徒ごとに話しかけているのと同様、さまざまに声をかけ、小さなお子様には腰を下げ、目を見て「おはよう!」と優しく丁寧にあいさつ。シリーズファンのお客様たちは、甘利田からの檄を浴び、大満足顔で劇場内へと入っていった。


引き続いて行われた舞台挨拶。キャストと監督が呼び込まれると、大きな拍手のなか、満員の客席を前に、市原が「(第3弾の)企画が上がったときから、今日の日のことを楽しみにしてきました。ずっとキャパを超えて撮影してきました。とにかく楽しんでいただきたい。いままで以上のものを生み出したいと。こうして完成したものをお届けできることを嬉しく思います」と充足の笑みを見せた。続けて田澤がドラマでのセリフからもじって「僕、みなさんと友達になれましたか?」と口を開くと、市原もうまいことを言われた!とばかりに大笑い。仲の良さそうな空気が伝わってきた。


そしてさきほどのお出迎えについて、市原が「『おいしい給食』ならではの舞台挨拶ですね。愛があるんです」とコメント。「大人のみなさんに対しても甘利田として強く、お申し立てをして申し訳ありません」と詫びると、先ほどの市原の様子を思い出して、隣の大原から「あはは」と声が漏れ、会場からも笑いが。


oishiikyushoku-main-240.jpg続けて市原が「楽しんでいただきたいという一心です」と話すと、拍手が沸き起こった。「この甘利田の役をやりながら、いろんな役を経てきています。盲目のランナーをやったり、ヤクザをやったり、不動産業界で働いてみたり、鎌倉で武士をやってみたり。歌舞伎役者になったり。意外と大変なんです。でもみなさんの顔を拝見させていただいて、またこれからもどんな役があろうと、甘利田に戻れる準備をしておこうと腹に決めました」との市原の言葉にさらに大きな拍手が起きた。


劇場版では、大原演じる比留川愛先生と甘利田とのロマンスに、かなりの踏み込みがある。これに大原も「いわゆる王道のラブコメ、ラブシーンとはまた違った意味で体を張ったシーンがありました。ドラマを見ていただいていた方は分かると思うのですが、『おいしい給食』の有名なシーンだと思うんですけど、甘利田先生に顔を近づけられるシーンのときに、愛先生は、最初はたじろいでしまうというか、一歩下がってしまうような距離感だったんです。それが映画ではまた違った距離感になっています。そこを感じていただけたらと思います」とおススメ。


oishiikyushoku-sub2-240.jpgすると市原も「おっしゃる通り、体を張って挑みました。まだ観ていただいていないのであれなんですけど、脚本には体勢は何も書いていないんです。それが、気が付いたら“イナバウアー”をしていました(笑)。これが『おいしい給食』の世界観なんだなと。原作もなにもないところから始まって、唯一無二の世界観を作り出せた。そういうのがひとつの強みだと思っています」と自信を見せた。


実はそうした甘利田と愛先生の“ラブシーン”の目撃者となっているのが、校長先生を演じた小堺。「ラブロマンスのシーンが何か所かありますけれども、とても重要なところで僕は同じところにいる設定になってるんですよ。非常に羨ましいなと思いながら。若い世代に拍手を送りたいと。幸せになってほしいと。僕はフィルムじゃなくて、そばで見てました」とニヤリとしてみせた。


oishiikyushoku-sub1-240.jpgそして何より注目は甘利田と新たなライバル、粒来ケンとの給食バトルだが、演じた田澤について市原が言及。「本当に一生懸命で真面目で。こんな大役を担ってくださって感謝しています。僕は本当に勝てないです。台本も付箋だらけなんです。僕ももっとまじめに一生懸命やらなければと思うほど、何かを言われて動くのではなく、自分から動くんです。“これはパンを顔に近づけたほうがいいですか? 顔をパンに近づけたほうがいいですか?”って聞くんですよ。僕より甘利田だなって。本当にすごいなと思いました。堤防のシーンで、自分の思いを通すところがあるんですけど、僕は本当に勝てないなと。この年だからこそ。こんな透明な心にはなれないのかなと。本当にステキな笑顔をたくさん持っていて。今でも惚れています。本当にありがとうございます」と、隣の田澤に頭を下げた。


綾部監督も「シーズン3とこの映画は田澤くんにかかっていました。神野ゴウを演じた佐藤大志のあとを継ぐというのは相当なプレッシャーがあったと思うんですけど、彼は一発OKがほとんどだったんですけど、泰粋の場合はだんだんよくなっていくというか、一歩一歩亀のように確実に進んでいくんです。愛おしくて。指導すればするほどうまくなる。プレッシャーのなか戦ってきて、やっと今日の日を迎えたので、ぜひ粒来ケンの活躍に注目していただけたらなと思います」と言葉を送った。


変わらず市原のまっすぐな姿が印象的だった舞台挨拶。最後も「思いもよらずたくさんの方に愛していただき、こうして第3弾を迎えることができることを心から嬉しく思っています。本当に夢みたいです。役者人生のなかで、こんなにピュアな作品と出会うとは思っていませんでした。僕は『おいしい給食』のファンの方の大ファンです」と作品のファンへの思いを口にした。
 

『おいしい給食 Road to イカメシ』は新宿ピカデリーほか全国公開中。


【スタッフ&キャスト】

監督:綾部真弥
企画・脚本:永森裕二 プロデューサー:岩淵規
出演:市原隼人 大原優乃 田澤泰粋 栄信 石黒賢 いとうまい子 六平直政 高畑淳子 小堺一機
コピーライト:©2024「おいしい給食」製作委員会

公式HP ▶ https://oishi-kyushoku3-movie.com/
公式Twitter(@oishikyushoku) ▶ https://twitter.com/oishikyushoku/
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(オフィシャル・レポートより)

 

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【日時】:2024年5月13日(月)18:00~18:30 ※上映前イベント

【場所】新宿バルト9 スクリーン9(新宿区新宿3丁目1-26 新宿三丁目イーストビル)

【登壇者】spi、堤幸彦監督、一ノ瀬京介、横澤大輔



近年Chat GPTの登場など急激にAIが注目される中、AI同士が討論したらどうなるのか?奇才・堤幸彦監督最新作でキャストたった1人で15役を全編英語で演じる『SINGULA』(シンギュラ)が絶賛公開中です。


SINGULA-pos.jpg本作は15体の人間そっくりのAIアンドロイド同士が「人類は存続か、破滅か」という究極のディベートを繰り広げるディベートクラブのバトルロイル・デスゲーム。映画に登場するのは記憶情報の異なるAIアンドロイド15体。情報学習能力を持ち、感情はない。規則を守らなければ即シャットダウン。たった1人の出演キャストに抜擢されたのは2.5次元やミュージカルなどで活躍しているspi。全編英語で15体15役のAIキャラクターを演じ分け、最新技術によって撮影・編集された15体のキャラクターが一同に競演し交錯していく。奇才・堤幸彦の放つ世界観が観るものの脳を劈く劇薬エンターテイメント。果たして、どんな展開が幕を開けるのかー。最後に生き残るのは誰なのか。


前代未聞の企画である本作は、海外では昨年のマドリード国際映画祭で主演男優賞賞の受賞や、ニューヨークでの公開など大反響を巻き起こしている。原案原作は、2019年2月、舞台で上演されたAI達による討論劇[SINGULA]。堤監督を含め映画制作・プロデュースチームは、本作の映画化に向けて、これまで観たことがない、体感したことがない、狂おしく美しい映画体験を創りたい、そして、本作品に含まれた非常に重要なテーマを世界中に届けたいという強い想いに賛同したスタッフ達が集結した。主題歌は、r-906 feat. 初音ミクが歌う「イフ」。2018年に活動を開始したボカロP・r-906による書き下ろし楽曲となっており、堤幸彦監督の映像世界観をさらに魅惑的で幻想的な世界に彩っている。


この度、世界に衝撃を放った本作を生み出した、主演のspi堤幸彦監督原案・脚本の一ノ瀬京介横澤大輔プロデューサーが一同に集まり公開記念舞台挨拶を実施いたしました!



SINGULA_spi,tutumi-500.jpgspiは「僕、舞台挨拶が初めてなんですよ。本日は駆けつけてくれてありがとうございます」と会場に集まった大勢の観客を前に、嬉しそうに挨拶。続けて、堤監督は「こんな光景滅多にないよ」、一ノ瀬は「この作品は僕が32歳の時に脚本を書いた舞台が元になっています。こんなに多くの方に観て頂けて嬉しいです」、横澤は「劇場公開が実現したことに感謝します」とそれぞれ挨拶。


そしてここからは、人に究極の癒しやリラックスを与えるビーズクッションYogiboソファと、人間の感情の「癒し」とは無縁のAIというまさに水と油のコラボレーションとなった、映画「SINGULA」とYogiboのコラボにより、壇上にはカラフルなYogiboソファが並べられ、世界初!?となるYogiboソファに座りながらの舞台挨拶がスタート。


SINGULA-bu-240-2.jpg堤監督がYogiboソファに腰掛けながら「これがYogiboですよね。ラクダをダメにするやつですよね(笑)シュールな光景ですね」というと、場内からはその異様な光景に笑いが起こった。コラボ動画に出演したspiは「この前特別映像を撮っていて1日中 Yogiboと戯れていたんですよ」と振り返った。


映画をつくるきっかけを聞かれた堤監督は、映画の元となった舞台を観て「なんて不思議かつ刺激的な舞台なんだろうと思って、そこに浮かび上がってくるテーマに感動して、その場ですぐに映画化した方がいいですよと言いました。そして、映画化が決まった後に、ふと15人の役を1人でいいんじゃないかというアイディアが降ってきて、そしてこんな映画になりました」と明かした。


キャスティングについては、一ノ瀬が「英語ができて、15役を演じ分けられる人がspiさんしか思い浮かばなくて。すぐ夜中に電話して、その2日後には会ってspiさんの出演が決まりました」と異例のスピードで決定したという。


しかし、実際に現場に入った際の感想を聞かれるとspiは「初めてお話を聞いた時、“たぎりますね”って答えたのですが、台本を読んで、絶対に自分には出来ないって思って泣きました。監督や一ノ瀬さんにも相談したら、二人は大丈夫!大丈夫!みたいな感じで。まじかよ!と思いました」と苦笑交じりに当時の心境を明かした。また、15役の演じ分けについてspiは「俳優論になってしまうんですが、役を外から作っていきました。まずは器を作って、その器の中でセリフを言えば、その役になるだろうと思って演じました」と答えた。


SINGULA-bu-240-4.jpg完成した映画を観て、一ノ瀬は「なんて気持ちの悪い映画なんだろうと思った笑。けれど、見終わったあとに、いいモノ観たなって気持ちになりました」、spiは「変な映画だと思いました笑。自分で演じたんだけど、合成で本当に15人いるみたい。そして、最初の始まり方が堤イズムで始まっていて、間や音が堤監督の作品だ!と感動しました」、横澤は「映画なのか、舞台なのか、洋画なのか、邦画なのかと。コロナ禍に作ったので映画館でかける前提で作られてない。当初メタバースでの上映とかの話もしていました。滅多にない作品になっているので、そこを楽しんで欲しい」、堤監督は「まだ編集したいくらいの気持。いろんなトライアルができる作品なので。あと、ラストに流れる主題歌のr-906さんの『イフ』という曲が、ボーカロイドでデジタルな作りでありながら、とても人間的で。やっぱり人間が作り出した作品だなと着地ができて良かったです」とそれぞれ感想を言い合った。


SINGULA-bu-240-3.jpg最後に、これから映画を観る観客に向けて一人ずつメッセージが向けられ、横澤は「今まで見たことのない作品になっているので、ぜひ楽しんで見てほしいです」、一ノ瀬は「もともとこの脚本は、AIを通して、今一度人間の尊さを感じて欲しいと思って書いたので、ぜひ観終わった後に自分はこんな風におもったとSNS上などでディベートを繰り広げられたら嬉しいです」、堤監督は「一人なんだけど、不思議に違って見えてくる。けど語られているのは怒りや悲しみなどの記憶のサンプリングで、一人の話としても見てくれてもいいと思う」、spiは「こんな大きなスクリーンで見れるのかぁ。いいなぁ。メチャメチャ楽しんでいってください!」と締めくくり、大盛況のうちに舞台挨拶は幕を閉じた。
 


『SINGULA』

集められたのは「先生」と呼ばれる人間が作り出した15体のAIたち。同じ顔、同じスタイルの15体のAI。違いは、それぞれに埋め込まれたチップによる性格や記録されている情報のみ。互いの素性を知らないAIたちによるディベートバトルロイヤルが始まる。

■出演:spi 監督:堤幸彦 
■脚本・原案:「SINGULA」一ノ瀬京介 
■主題歌:「イフ」r-906 feat. 初音ミク
■配給:ティ・ジョイ 
■公式サイト:singula-movie.com 
■©「SINGULA」film partners 2023

2024年5月10日(金)~新宿バルト9、横浜ブルク13、T・ジョイ梅田、T・ジョイ博多、5月17日(金)~ミッドランドスクエアシネマにて全国公開


(オフィシャル・レポートより)

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【場所有楽町朝日ホール(千代田区有楽町2-5-1有楽町マリオン11階)

【出席者】:高畑淳子(69) 剛力彩芽(31) 松下由樹(55) 水野勝(33) 
      大村崑(92) 凰稀かなめ(41) 長塚京三(78) 橋爪功(82) 
     (脚本・監督)香月秀之(67)
 特別出演:三浦友和(72)



お終活再春7cast-550.jpg5月31日(金)より全国公開される『お終活 再春!人生ラプソディ』。「人生百年時代」を迎え、人生を謳歌するための新しい「お終活」を提唱し、シニア世代に笑顔と勇気を与えた前作『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』(21)がパワーアップしたシリーズ第2弾です。本作のテーマは、青春ならぬ「再春」。誰の心の中にもきっとある若かりし頃の夢や憧れ。仕事や子育てが一段落した今だからこそ、これからも続いていく自分の人生を楽しく豊かに過ごすために、再びチャレンジしてみよう! 生前整理をすることだけでなく、やり残したことをやる。それもまた一つの「終活」と、新たに提案しています。


映画の完成を記念して、前作から出演となる高畑淳子、橋爪功、剛力彩芽、松下由樹、水野勝本作から参加となる大村崑、凰稀かなめ、長塚京三と新旧『お終活』メンバーとなる豪華出演者陣が登壇するpresented by

 

「洋服の青山」特別イベント付試写会を実施いたしました。さらに特別出演の「洋服の青山」のイメージキャラクターを37年務める三浦友和がスペシャルゲストとして登壇! ベテラン俳優陣の元気の秘訣(ひけつ)、「再春=もう一度チャンレンジしたいこと」など盛り沢山のエピソードが飛び出し、大盛り上がりとなりました。


映画上映後、映画の深い余韻と感動に包まれた会場内にキャスト、監督が登壇すると、会場は万雷の拍手。そしてその拍手はしばらくの間やむことなく、通常よりも長い拍手に登壇者たちもパッと笑顔に。その様子からも、この映画が約700名の観客にしっかりと受け入れられた様子がうかがい知れた。
 



Oshukatsusaishun-5.8bu-500-1.jpgそんな会場の様子に感慨深い様子を見せた高畑は「たくさんの方にこうしてお越しいただいて胸がいっぱいです。映画を撮ったのは1年くらい前でしたが、これからこの映画が旅立つのだと思うと胸が熱くなります」とあいさつ。そして香月監督も「こんなにお集まりいただいてありがとうございます。この作品は前作から1年後の話となっています。前作を観られた方でしたら、皆さんの役どころの人間関係がよくお分かりだと思うんですが、もしご覧になっていない方も配信で観られますので。もう一回観ていただければ、今日の話がもっとよく分かると思います」と観客に呼びかけた。


「洋服の青山」60周年を記念して行われたこの日のイベントでは、橋爪、水野、大村、長塚、香月監督の男性陣と、宝塚元トップスターの凰稀が「洋服の青山」が仕立てたオーダーメードのスーツを着用して来場。レディーススーツに身を包んだ凰稀は、「青山さんというとリクルートスーツのイメージがあったんですけど、こんなオシャレに着られるスーツもあるんだなと思い、ビックリしました。でも着心地は最高のフィット感。足をあげて踊りたくなります」とご機嫌な様子。


Oshukatsusaishun-5.8bu-500-2.jpgそして「長い芸能生活ですが、映画に出て背広をつくってもらえるなんて初めてです」と切り出した大村は、「(人気ドラマの)『赤い霊柩車』シリーズで、石原葬儀社のジャンパーをもらって。それは宝物ですが、これも宝物です。ただこれ、僕だけつくってもらったのかなと思ったら、皆さんつくってもらったんですね」とコメントし、ドッと沸いた会場内。そんな登壇者たちのスーツ姿に「皆さんカッコいいですよね」と語る高畑も「ただわたしたち(女性陣)はつくってもらってないので、わたしたちもつくってほしい。わたしはちょうど葬儀用の服がないので、よろしくお願いします!」とおねだりをし、会場を笑いに包み込んだ。


本作のテーマは、これからも続いていく自分の人生を楽しく豊かに過ごすためにもう一度チャレンジをしてみようという「再春」。それにちなみ「これからチャレンジしてみたいこと」について質問された登壇者たち。まずは高畑が「わたしはこの間、英語のオーディションを受けたんですが、それがものすごく楽しくて。高校の時から英語が好きだったんですけど、英語でお芝居をしたらものすごく気持ちが良くて。そのオーディションでも褒められたんです。ハリウッド映画で、魔法の薬をつくっているおばあさんとか、そういうのをやってみたいなと。それが夢です」と語り、続く橋爪は「もう何にもしたくないですね」と返して会場は大笑い。さらに剛力が「わたしの今年の目標は心の健康、身体の健康だと思っていて。やはりここまで大活躍されている皆さまとご一緒させていただいて。わたしも元気にお芝居を続けられたらいいなと思いましたし、あらためて健康とはと考える機会となったので。20代の元気さを取り戻したいなと思いました」と元気な諸先輩方に刺激を受けている様子。


Oshukatsusaishun-5.8bu-500-3.jpgそして御年92歳の大村が「私事ですが、去年の12月に引っ越したんですよ。230人が住む高級老人ホームなんですけど、そこに入ったのは良かったけど、まわりには230人の老人がいるわけです。だから一歩外に出たら大村崑をやらなきゃいけないわけですよ。だからゆっくりのんびりしてられない。『崑ちゃん』って声をかけられるから、背筋を伸ばして崑ちゃんをやらなきゃいけないわけなので。それは少しくたびれるね」と明かすと会場は大盛り上がり。喜劇俳優らしい、どこかユーモラスな語り口に会場もクスクス笑いが止まらなかった。


Oshukatsusaishun-5.8bu-mizuno-240-1.jpgその後は松下が「若い頃にゴルフをやっていたことを思い出しまして。ゴルフをやってみたいなと思ってます」と続けると、水野も「自炊に挑戦したい。20代はほとんどやってこなかったんですけど、30代に入って健康が大事だなと思いまして。今、まさに挑戦中です。毎日おみそ汁をつくって飲んでいます」と健康に気遣っていることを明かす。そして凰稀は「わたしはこの映画がきっかけですが、認知症介助士と、介護予防健康アドバイザーという資格をとりました。やはり自分の両親も70を過ぎたので、何か両親のためにしたいなと思い、資格をとりました」とこの映画出演がもたらしたことについて明かすと、会場からは大きな拍手が送られた。

 


Oshukatsusaishun-5.8bu-nagatsuka-240-1.jpgそして長塚は「僕はパソコンやスマホなどと相性が良くないし、向こうも僕と相性が良くないので。ちょっと関係性を改善して。パソコンを覚えたいなと思っています」と決意のコメントを述べつつも、「でも凰稀さんのお話を聞いたら一度、凰稀さんにレクチャーを受けたいなと思いました」と凰稀が取得した2つの資格に興味津々な様子。そして大村は「もう92なんで挑戦したいことはないですね。でも病気に挑戦という意味では、薬という薬をやたら飲んでますよ。薬だらけですよ。もう薬を飲むのが仕事みたいなもんです」とぶちまけて会場は大笑い。最後に香月監督も「前作で、高畑さんと橋爪さんの若い頃にウクレレを弾いているシーンを撮ったんですが、その時のウクレレが家にあって。牧伸二さんのウクレレ漫談が大好きだったんで、それをまねしています」と締めくくった。


Oshukatsusaishun-5.8bu-Di-240-1.jpg本作の撮影の合間には本作のプロデューサー陣に大村が直々にスクワットの指導をする、というひと幕があったという。そのことについて「6年もジムに通っていますからね。スクワットの崑ちゃんと呼ばれているんですよ。ちょっと見せましょうか」という大村の提案に会場は大盛り上がり。そこで92歳とは思えない安定的な腰の動きのスクワットを披露してみせて会場はビックリ! その上で「スクワットは本当に効きますんで、皆さんもやってみてください」とアドバイスする大村の姿に会場は大喝采となった。

 


 


Oshukatsusaishun-5.8bu-miura-240-1.jpgそしてこの日は「洋服の青山」のイメージキャラクターを37年務め、本作にも特別出演している三浦がスペシャルゲストとして来場。もうすぐ母の日ということで、カーネーションの花束を高畑に手渡した三浦は、「わたしは洋服の青山さんにお世話になって37年くらいたちます。洋服の青山さんがこの映画の特別協賛を行っているというご縁でわたしも映画に少しだけ出させていただいております。ただ本人役で、ただ歩いているだけの役だったんですけど、ただ歩くだけというのが本当に難しくて。52年役者をやっていますが、今までで一番難しい役でした」と笑うと、「終活という言葉はネガティブな感じがして、あまり好きではなかったんですけど、本人が古希を迎えますと自然に受け入れているんですね。終活という意味をとてもポジティブに捉えられて。人生、これから有意義に、楽しく迎えていくという考え方なんだなと思いました」と本作を通じて意識が変わったことを明かす。その上で「それはこの映画のテーマでもありますよね」と橋爪に対して呼びかけるも、橋爪は「そうなんですか?」とぼけたコメント。


Oshukatsusaishun-5.8bu-houki-240-1.jpgそんな中、そこに割って入るように大村が「はじめまして」と三浦にあいさつすると会場は大爆笑。三浦も「子どもの頃から見てました。光栄です。これからは橋爪さんではなく、大村崑さんを目指します」と笑顔を見せると、会場は拍手。その様子に「昔から仲が悪いんですよ」と憎まれ口をたたく橋爪。その姿に思わず笑ってしまった三浦が「本当は尊敬する大先輩なんです。大好きです」とフォローしてみせて温かい笑いに包まれた会場内。その後、あらためて三浦からカーネーションをプレゼントされた感想について尋ねられた高畑は、「思い残すことはありません」と満足げな顔を見せた。

 


【STORY】

大原千賀子(高畑淳子)、真一(橋爪功)の一人娘・亜矢(剛力彩芽)が、いよいよ結婚目前! 喜びあふれる大原家だが、真一の認知症疑惑という新たな問題が・・・。その一方で、千賀子は若い頃に習っていたシャンソンの恩師の娘・丸山英恵(凰稀かなめ)との出会いがきっかけで、再びレッスンに通いだす。音楽ライブプロデューサーでもある英恵からステージでシャンソンを歌わないかと勧められ、大張り切りの千賀子だが、コンサート目前に開催が危うくなり・・・。はたして、千賀子はステージで歌えるのか!?そして大原家は一体、これからどうなるのか!?


・出演:高畑淳子 剛力彩芽 松下由樹 水野勝 西村まさ彦 石橋蓮司  
    藤吉久美子 増子倭文江 LiLiCo 窪塚俊介 勝俣州和 橋本マナミ
    藤原紀香(友情出演) 大村崑 凰稀かなめ 長塚京三 橋爪功
・脚本・監督:香月秀之 
・音楽:MOKU 
・挿入歌:『愛の讃歌』 作曲:Margueritte Angele Monnot 訳詞:カツキヒデユキ 歌:高畑淳子
・企画・製作プロダクション:フレッシュハーツ 
・配給:イオンエンターテイメント                                                   2023/日本/118分/5.1ch/カラー/ビスタサイズ/デジタル  
©2024年「お終活 再春!」製作委員会  

・公式サイト:Oshu-katsu.com/2/  
・X(旧twitter) @oshukatsu_eiga  
・Instagram  @oshukatsu_eiga2

2024年5月31日(金)~全国公開


(オフィシャル・レポートより)

 

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■日時:4月24日(水) 15:00~15:45  ※映画『ミッシング』上映前イベント

■場所:ローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-S みなとみらい シアター12 
(神奈川県横浜市西区みなとみらい三丁目5番1号/MARK IS みなとみらい5階 エンタテインメントフロ
ア)

■登壇者:

石原(いしはら)さとみ (37歳/映画『ミッシング』主演)
清水しみず俊英としひで (53歳/ローソン・ユナイテッドシネマ代表取締役社長)
菊田きくたのりあき (46歳/三菱地所プロパティマネジメント株式会社 MARK IS みなとみらい館長)
イサック・オレヴィック (50歳/フレックスサウンド エグゼクティブオフィサー)

山田真也やまだしんや (43歳/ローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-S みなとみらい支配人)


多くの映画館が立ち並ぶ横浜地区に、新たな映画館【ローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-Sみなとみらい】(12スクリーン、合計1,050席)が、4月26日(金)にオープンいたします。オープンを記念し、映画館オープンの前々日となる4月24日(水)に【オープニング テープカットセレモニー】と、オープニング記念作品となる【映画『ミッシング』舞台挨拶付き特別試写会】を、同時開催いたしました。


この度、イベント前半の【テープカットセレモニー】には、映画『ミッシング』(配給:ワーナー・ブラザース映画/5月17日 (金)公開)より主演・石原さとみ をはじめ、ローソン・ユナイテッドシネマ代表取締役社長・清水俊英、三菱地所プロパティマネジメント株式会社 MARK IS みなとみらい館長・菊田徳昭、フレックスサウンド エグゼクティブオフィサー イサック・オレヴィック、ローソン・ユナイテッドシネマSTYLE-S みなとみらい支配人・山田真也らが登壇。


また【テープカットセレモニー】に続けて、イベント後半には【映画『ミッシング』舞台挨拶付き特別試写会】を実施。再び石原さとみが登壇し、2022年の出産後、1年9ヶ月ぶりの芝居に臨んだ主演映画『ミッシング』へ込めた想いを、横浜のお客様に向けて初めて語りました。
 



【オープニングセレモニー】


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オープニングセレモニーの会場となったスクリーン12には新しい映画館のオープンを見守るべく、報道陣、関係者、そして試写会に招待された一般のお客さまが多数来場。開演前から会場は早くも熱気に包まれていました。まずはこの日の主催者である株式会社ローソン・ユナイテッドシネマ代表取締役社長 清水俊英よりご挨拶。「本日は当劇場にお越しいただきまして本当にありがとうございます。まだ26日のオープン前ですが、今日はじめてのお客さまをお迎えして、私どもも緊張しております。この映画館に初めて来ていただいたこと、非常に感謝しております。どうぞ、この後の映画『ミッシング』にて、新しいフレックスサウンドという仕組みを堪能していただきたいと思います」と感謝の気持ちを述べました。


「ローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-S みなとみらい」の最大の特徴はフィンランド発の【フレックスサウンド】。この没入型音響体験システムを全12スクリーン、全シートに導入されるのは世界でも初の試みとなります。このシステムを開発したフレックスサウンド社のエグゼクティブオフィサーのイサック・オレヴィック氏は「フレックスサウンドは、座席に座る全ての皆様に、音をより敏感に感じることができる能力をプレゼントします。個々の座席から音を聞き、音を感じることができるようになります。また皆さんが感じる振動は、映画の中に実際にいるような感覚を与え、俳優のセリフを含めて、音声のクリアさは格段に向上します。どんな小さな音でも聞こえ、感じられます。今日はこの劇場でもっとも先進的な没入型シネマサウンド体験をご紹介できることを大変光栄に思っています」とそのシステムの特徴を明かしました。


そして、この日は本映画館で上映予定の作品に出演する豪華キャスト陣から心温まるお祝いメッセージ映像を上映。『ミッシング』の石原さとみ、『陰陽師0』の山﨑賢人、染谷将太、『バジーノイズ』の川西拓実(JO1)、桜田ひより、『鬼平犯科帳 血闘』の松本幸四郎、『帰ってきたあぶない刑事』の舘ひろし、柴田恭兵と次々と登場する豪華キャストのお祝いコメントに会場はパッと華やかな祝福ムードに包まれました。


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さらに、当日は特別ゲストとして、シックなドレスに身を包んだ石原さとみがステージに登壇。場内のお客さまにも気さくに手を振ってみせるなど、会場は一気に華やぎました。ステージに登壇した石原は「映画館のオープン、本当におめでとうございます!」と挨拶。実際に本イベント前に本劇場に導入されている没入体験ができる【フレックスサウンド】を体験した石原はその感想を聞かれ、「本当に素晴らしかったです。大げさではなく、本当に感動しました。音も、台詞も、息づかいも、鼓動も、感情そのものが全身で感じられる。映画館で観る映画の魅力って“没入感”だと思うのですが、このフレックスサウンドで観る映画は絶対に他では得られない体験です。ここから先、全国から、この映画館に足を運ぶ人が大勢いらっしゃるんだろうなと思いました」と没入感あふれるシステムにすっかり魅了されている様子。そしてあらためて「この映画館のオープンに参加できて本当にうれしいです。『ミッシング』をオープニング作品として選んでいただき、本当にありがたく思います!」と会場に呼びかけました。


いよいよステージではテープカットイベントを実施。参加するのは、石原、ローソン・ユナイテッドシネマの清水代表取締役社長、フレックスサウンド エグゼクティブオフィサーのイサック・オルヴィック氏、そして三菱地所プロパティマネジメント株式会社 MARK IS みなとみらいの菊田徳昭館長、ローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-S みなとみらいの山田真也支配人の4名。大勢の観客が見守る中、盛大なファンファーレが鳴り響き、登壇者たちが一斉にステージのテープをカット!そこで司会者が「ローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-S みなとみらい、オープンです!」と高らかに宣言し、会場は祝福の拍手が鳴り響きました。
 



【映画『ミッシング』主演・石原さとみによる舞台挨拶】


missing-0424-ishihara-240.jpgそして、イベント後半では、この後上映される映画『ミッシング』主演の石原さとみによる舞台挨拶を実施。改めてステージに立ち「新しい映画館の匂いがしますね」としみじみ語ると、「公開前の『ミッシング』を、新しい映画館のフレックスサウンドで観ていただけるという、限られた貴重な機会だと思います。存分に楽しんでいただけたらと思います。」と語りかけました。


石原は常々、この『ミッシング』という作品を「私にとって宝物のような作品」と公言してきました。今から7年以上前、変わりたい、自分にできることはもっとあるのではないか、自分の知らないところに行ってみたい、今の自分を壊したいといった感情を抱えていたといい、「そんなときに出会ったのが

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 江口のりこ、中条あやみ、笑福亭鶴瓶と関西出身者が贈る、泣いて笑ってのご実家ムービー『あまろっく』が、4月14日より兵庫県で先行上映され、4月19日より全国ロードショーされる。先立って世界初上映された第19回大阪アジアン映画祭では、見事観客省を獲得した注目作だ。
※尼ロックとは、兵庫県尼崎市にある尼崎閘門(あまがさきこうもん)。英語で閘門は LockGate(ロックゲート)であることから尼ロックという愛称で呼ばれる。 船舶が通航できる巨大な閘門で、尼崎市の「0メートル地帯」に海水が流れ込むのを防いでいる。
 
ロケ地となった尼崎市のMOVIXあまがさきにて初日舞台挨拶が開催され、W主演の江口のりこ、中条あやみ、中林大樹と中村和宏監督が登壇した。上映後にスタンディグオベーションが起き、その熱気そのままに観客がスタンディングと歓声でゲストを迎え、最初から劇場のテンションがマックスに。
 
「朝早くからご苦労さまです」(江口)、
「今日という日を迎えられたのは、ほんまに、ここにいるみなさんのおかげやなと思っております。平日の午前中でみなさん、暇なんやなと。でもスタンディングで、拍手までしていただいて感無量です」(中条)
「本当に大好きな映画なので、今日の日が待ち遠しかった」(中林)
「平日の朝から、会社を休んできてくれていると思うので、暇じゃないと思います。よろしくお願いいたします」(中村監督)
とクールな優子そのままの江口と、天真爛漫な早希そのままの中条、パッションを感じる早希のお見合い相手南雲役の中林、中条に早速ツッコミを入れる中村監督がご挨拶。
 

■最後はやる女なんですよ(中条)

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    前日、中条が甲子園で始球式をしたことが話題に上ると、「中林さんにネタなの?と言われましたが、『あまろっく』(の宣伝)も背負っているし、甲子園だしでどちらの足を上げて投げるかわからなくなって。でも最後はやる女なんですよ」と3度目の仕切り直しでノーバウンドピッチングを行ったことを振り返った。そんな中条のことを江口は「すごくお茶目で面白いことが大好きな人、みなさんが思っているイメージ以上にやんちゃな人。(一緒にお芝居をしているときは)気持ちがやわらかくて、全てを受け入れてやる姿勢がすごいと思った」とコメント。さらに「あやみちゃんや中林さんなどと一緒にやる中で生まれた芝居だし、この人たちと一緒にやれたからできた作品です」と共演者たちに感謝の言葉を伝えた。

 

■鶴瓶師匠は思っていることを言っても笑いになる(江口)

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 笑福亭鶴瓶が演じる父の再婚相手、早希と、失職して自宅に戻ってきた娘、優子の会話バトルも本作の大きな見どころだが、大阪出身の中条は「実家から撮影現場に通っていましたが、優子とテンポよく話すことが必要だったので、(中条の)おかあさんが読み合わせの相手をしてくれ、謎のアドバイスもしてくれました」と関西撮影ならではのエピソードを披露。共演の鶴瓶は「仏のような人で、ずっと江口さんが『師匠、いいな』と言ってました」と江口に話を振ると「師匠は思っていることを言っても笑いになる。『これ、何待ち〜』とか『水〜』と言っても悪い雰囲気になりませんから」と大御所ながら、鶴瓶が撮影現場で潤滑油のような役割を果たしていたことをさりげなく表現。
 

 さらに、ボート部出身という設定で、ひとりでボートを漕ぐシーンがあった江口は、「結構練習しました。最初はなんでせなあかんのかと思ったけれど、撮影の辛さがボートの練習で癒されていったので、わたしにとってボート練習は撮影期間中、大事でした。関西学院大学ボート部の学生さんやコーチの村田先生のたくさんの協力や助けがあってできました」と難しいボートシーンが逆に癒しとなったことを明かした。

 

■出来上がった映画は脚本の良さがそのまま出ている(中林)

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 一方、撮影前に一人で尼ロックに行ったことを明かされた中林は「中村監督が6年間大事に温めてこられた作品なので、思い入れがすごかったです。関西独特の、素直にありがとうと言えず、まわりくどく表現するところが、すごくきちんと描かれている脚本で、出来上がった映画も脚本の良さがそのまま出ているのですごく嬉しくなった」と作品の感想を語った。
 
 本作の構想から公開まで6年がかりだったという中村監督。小学6年生までは尼崎に住んでいたことを明かしながら、「6年前に大きな台風が関西を襲ったとき、尼崎はあまろっくがあったから被害が少なかったという記事を読み、調べてみると大切な施設だとわかったんです。誰も知らない隠れた英雄的な、ひっそりと街を守っている感じが(鶴瓶が演じた)竜太郎的だと思い、本作の構想を考えつきました」。
 

■中条さんには東京ガールズコレクションではなく、(尼崎の)三和商店街を歩いてほしかった(中村監督)

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さらに、中条ら関西出身俳優のキャスティングについては、「お客さんも関西出身の中条さんが『あまろっく』のように、2時間丸々関西弁でしゃべっている作品を見たことがないと思うのです。よく方言指導に入ってもらいますが、今回はなしでやらせてほしいと申し出ました。中条さんには東京ガールズコレクションではなく、(尼崎の)三和商店街を歩いてほしかった」と理由を明かすと、中条も「ここまでがっつり関西弁という作品はなかったし、これからもないと思います」と関西弁を思いっきりしゃべれた本作を振り返った。さらに横から江口が「(関西弁の作品はこれからも)あると思いますよ」とさりげなくツッコミを入れたのも印象的だった。
 
 
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最後に、
「来年阪神大震災30年の節目ですし、この作品を観て、ちょっとでも見た人が前向きな気持ちになっていただければと思います」(中村監督)
「撮影して映画が完成して、映画が公開できているというのは当たり前のことではないので、ここまでこれてよかったと思います。お子さんも見にきてくれていますし、めっちゃわかりやすい話だと思いますので、子どもとか、おじいちゃんやおばあちゃんを連れてきてくれたらうれしいです」(江口)
「デジタル時代に、こういうちょっとめんどくさい家族の物語で、(顔を合わせて話をするのは)アナログな作業ですが、共感できたり、家族って大変やし面倒臭いけど、そこに幸せを感じていただけたと思います。兵庫県の上映で、全国の上映期間が決まりますので、SNSで広げていただけるとうれしいです」(中条)
と挨拶し、本拠地仕様で全力応援のMOVIXあまがさきでの舞台挨拶を締めくくった。
(江口由美)
 

<作品情報>
『あまろっく』(2024年 日本 107分)
監督・原案・企画:中村和宏
出演 : 江口のりこ 中条あやみ / 笑福亭鶴瓶
松尾諭 中村ゆり 中林大樹 駿河太郎 紅壱子 久保田磨希 浜村淳/後野夏陽 朝田淳弥 高畑淳子(特別出演) 佐川満男
2024年4月12日(金)よりMOVIXあまがさきをはじめとする兵庫県内で先行公開、4月19日(金)より全国公開
© 2024 映画「あまろっく」製作委員会
 
 
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 ノルウェーを舞台にした青春音楽ロードムービー『ロスバンド』で知られるクリスティアン・ロー監督のスウェーデンを舞台にした最新作『リトル・エッラ』が、4月5日より全国公開中だ。公開を記念して、4月7日にシネマート心斎橋にてクリスティアン・ロー監督が登壇し、北欧ビンテージショップFukuyaオーナーの三田陽子さんが聞き手を務める舞台挨拶が開催された。その模様をご紹介したい。
 
 
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<ストーリー>
人と仲良くするのが苦手なエッラが、唯一仲良くできるのは、おじさんで“永遠の親友”であるトミーだけ。両親が休暇で出かけている間、トミーと過ごすのを楽しみにしていたエッラだったが、オランダからトミーの恋人スティーブがやってきて、夢の1週間は悪夢へと変わる。親友を取り戻したいエッラは転校生オットーの力を借りてスティーブを追い出すための作戦に出るのだが…
 

 

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―――エッラの大好きな叔父のトミーとスティーブは同性カップルですが、映画の中で特別ではなく、普通のこととして描かれています。日本は性の多様性について保守的で、日本映画では同性同士の恋愛部分がフューチャーされがちですが、監督は意図的に(ニュートラルに)描いているのですか?
ロー監督:原作絵本で大好きだったのは、トミーとスティーブの関係性です。同性同士であっても愛は愛であり、その点が素晴らしい。世界の中で同性の人を愛するのはごく自然だと思っています。エッラにとって、大好きなトミーおじさんを奪ってしまう人は、どちらの性でも関係ありません。その点も素晴らしいと思いました。
 
―――物語のキーとなる「友とは人生の庭に咲く花」という言葉は原作に登場しませんが、どのようなところから引用したのですか?
ロー監督:脚本家の一人、サラ・シューが見つけた言葉です。彼女の引用元はわかりませんが、この映画のメッセージに大変適した言葉だと思います。
 
 
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―――エッラは友達がおらず、母型の叔父が遊んでくれたことが、わたし自身の境遇と重なり感情移入しましたが、監督自身の子ども時代の体験をエッラの描写に反映させた点はありますか?
ロー監督:わたし自身、小さいときに大のお気に入りのおじさんがいました。面白いことに原作者にも大変お気に入りのおじさんがおり、それをもとにこの絵本を描いたそうです。また、転校生のオットーは原作にはないキャラクターですが、彼の中に自分の体験や感情を込めた部分があります。
 
―――『リトル・エッラ』には北欧料理が多く登場します。ポークパンケーキやユニークなお菓子が出てきますが、監督は映画の中で食べ物をどのような役割と捉えているのですか?
ロー監督:『リトル・エッラ』で食べ物はいろいろな役割を果たしてくれました。ポークパンケーキは非常に伝統的なスウェーデン料理ですが、エッラにとってはつまらない食べ物です。一方、トミーは人生でワクワクすることが大好きです。フィーカと呼ばれるスウェーデン人が大事にしているコーヒーと大事なおやつを食べる習慣を大事にしており、そこでモンスターケーキを食べることも大事にしています。ノルウェーとスウェーデンは隣国ですが、ちょっとした違いがあるんです。スウェーデンにはランチ休憩以外でもフィーカの伝統があるので、ノルウェーで仕事をすると一生懸命働き、体重が減るのですが、今回、スウェーデンで撮影したので、体重が増えてしまいました(笑)。
 
 
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―――最後に、原作でも登場する三つ子の兄弟は、(CGではなく)本物の三つ子だそうですね。
ロー監督:実は彼らは俳優ではなく、大工さんたちなんです。Youtube動画を探していたとき、三つ子株式会社という面白いYoutube動画をアップしていて見つけました。映画でとても上手に演じてくれましたよ。
(江口由美)
 

<作品情報>
『リトル・エッラ』 “LILL-ZLATAN OCH MORBROR RARING”
(2022年 スウェーデン・ノルウェー 81分)
監督:クリスティアン・ロー  
出演:アグネス・コリアンデル、シーモン・J・ベリエル、ティボール・ルーカス 他
現在、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺、シネマート心斎橋、アップリンク京都で公開中、4月20日より元町映画館、以降全国順次公開
(C) 2022 Snowcloud Films AB & Filmbin AS
 

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