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2020年11月29日(日)13:50の回上映後 @大阪ステーションシティシネマ

 

映画『佐々木、イン、マイマイン』の関西公開を記念して11月29日、大阪ステーションシティシネマにて舞台挨拶がおこなわれ、内山拓也監督、出演の細川岳、萩原みのり、森優作が登壇した。


同作は、鳴かず飛ばずの日々を送る27歳・悠二が、高校時代に圧倒的な存在感を放っていた同級生・佐々木と仲間たちとの日々を思い起こしながら、現在の自分と向き合っていく物語。


hosokawa (2).JPG出演者の細川は大阪出身。今回は、作品のキーマンである佐々木役だけではなく、原案と脚本も担当。「登場人物全員にモデルがいて、これまで出会ったいろんな人物をハイブリッドしてキャラクターを作りました」と自分の青春時代をモチーフにストーリーを練り上げたという。


悠二の同棲相手・ユキに扮した萩原は、「細川さんから『出て欲しい』と直接オファーをいただきました。あるオーディションを受けたとき、岳くんも一緒で、彼の芝居に一目惚れをしたんです。でも名前を聞きそびれて、眠れない日々を過ごしていました。本当に片思いみたいな感じでした。そのあと、自分の主演映画が公開されたとき劇場へ観に来てくれて、走って追いかけて名前を聞きました。『この役者を知っていたい』と思い、連絡を取るようになりました。そして、『ユキ役をお願いしたい』と言われました」と経緯を話す。


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細川は、萩原の芝居について「萩原さんの主演映画『お嬢ちゃん』を観に行ったとき、『名前を教えてください』と声をかけてもらったんです。萩原さんは、誰にも媚びていない芝居をするところが魅力的。『お嬢ちゃん』を観たとき、ユキ役は萩原みのりがいいと思って、内山監督に相談しました」と絶賛した。

 


 

 

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脚本がまだ形になっていない段階から今作に関わってきたという森は、「萩原さんが出てくれるなんて思っていなかったし、藤原季節が主演をつとめるとか、もう『すごいな』って。まるでお客さんみたいな感じです。内山監督、細川くんの熱がそうさせたのではないでしょうか」と、全国公開されるほど大きな展開になったことにびっくり。


悠二役の藤原季節について、萩原は「5、6年前くらいから友だち。仕事をしたのは初めてですが、東京のお兄ちゃんみたいな人。お互いにすごく格好悪い瞬間も知っていて、かなりさらけ出してきた。そうやって今まで積み重ねてきた1日、1日がちゃんと画に移れば悠二とユキになると思っていました」と、自分たちの関係性を信じて芝居をしたという。


細川は、佐々木役に関して「自分とはあまりにもかけ離れていつ人物。でもそのおもしろいやつを映画の中で超えなきゃいけなくて、マネているわけではないけど、それを超える作業がうまくいかなくて、リハーサルでも佐々木人達していなかった。それでも季節、森くん、みんながお前は佐々木だって接してくれて。僕はそこにのっかっt流だけでよくて、そうしたらおもしろがって笑ってくれて、こうやっていいたらいいって佐々木という人物を作っていきました」

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内山監督は「この作品は僕の長編デビュー。僕含めて、萩原みのりも、森優作も細川岳が大好きなんです。彼のためならなんでもできるくらい、すごい俳優。彼の地元・大阪に舞台挨拶で来ることができてすごく嬉しい」と喜び、細川は「『佐々木、イン、マイマイン』は28年間生きてきた、僕の生き様です」と作品への思い入れを口にした。

 

 


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【STORY】

俳優になるために上京したものの、鳴かず飛ばずの日々を送る27歳の悠二。彼はある日、 高校時代に圧倒的な存在感を放っていた同級生・佐々木と仲間たちとの日々を思い起こ す。常に周りを巻き込みながら、爆発的な生命力で周囲を魅了していく佐々木。だが 佐々木の身に降りかかる“ある出来事” をきっかけに、保たれていた友情がしだいに崩れ ていく。
 

監督:内山拓也
出演:藤原季節 細川岳 萩原みのり 遊屋慎太郎 鈴木卓爾 村上虹郎
配給:パルコ   2020/日本/119分
© 映画「佐々木、イン、マイマイン」
公式サイト:https://sasaki-in-my-mind.com/


『佐々木、イン、マイマイン』は全国公開中。


(オフィシャル・レポートより)

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草彅剛主演、内田英治監督オリジナル脚本映画『ミッドナイトスワン』公開から8週目にして依然として100館近い上映を続けるロングランヒットとなり、大ヒット公開中です!!

本作は、トランスジェンダーとして日々身体と心の葛藤を抱え新宿を舞台に生きる凪沙(草彅)と、親から愛を注がれず生きるもバレエダンサーを夢見る少女・一果(服部樹咲)の姿を通して“切なくも美しい現代の愛の形”を描く「ラブストーリー」。

日本映画界が注目する『下衆の愛』の俊英・内田英治監督が手掛けるオリジナル脚本に、唯一無二の存在感を放つ草彅剛が初のトランスジェンダー役として挑む。さらに、オーディションでバレエの才能を認められ、ヒロインを射止めた服部樹咲が本作で女優デビューし、真飛聖、水川あさみ、田口トモロヲが華を添える。ヒロインが躍る「白鳥の湖」「アルレキナーダ」などの名作に乗せて、主人公の母性の目覚めを“現代の愛の形”として描く、常識も性も超えた、感動作が誕生しました。

この度、「今年一番」「ミッドナイトスワンが頭から離れません」「またこれからも追いスワンします!」などといった皆さんからの温かいご声援にお応えし、まだご覧になっていない方々にも思いを届けるため、9月27日に行った舞台挨拶以来、2度目の舞台挨拶を実施し、主演の草彅剛、内田英治監督、音楽を担当した渋谷慶一郎が登壇いたしました。本作を応援してくださっているファンの前にて舞台挨拶を行い、改めて本作への思いや、撮影秘話、音楽製作の裏側などを語り、その模様を全国137館へ生中継いたしました。
 


【日時】 11月29日(日) 13:00~13:30 ※本編上映前イベント
【場所】 TOHOシネマズ六本木ヒルズシアター7 (港区六本木6-10-2)
【登壇者】 草彅剛(46)、内田英治監督(49)、渋谷慶一郎(47)
【MC】 武田祐子



★DSC04968 (2).JPG冒頭の挨拶で大ヒットとなった感想を訊かれた草彅は「本当にうれしいです。最初に監督から”全然、後ろ盾のない作品なんですよ”って後ろ向きな話をされていたのですが、出来上がったときに”サイコーですよ”って伝えたんです。ね?監督、大丈夫だったでしょ?」とコメント。

「オリジナル作品でマイノリティ的な要素が多いので、(大ヒットは)難しい映画のかもしれません。でも、それがいい。大ヒット的要素がないから、むしろいいと思いました。脚本を読んだときに気づいたら涙が出ていて、自分がなんで泣いているのか分からなかったけれど、それがすごく良いって感じて。そういう気持ちを映像、演技で伝えたいと思いました。こうやってたくさんの方に観ていただけたということは、その気持ちが伝わっているんだなと思っています。監督、渋谷さん、”カムサハムニダ”」となぜか韓国語でお礼をする草彅。

ふと、渋谷のほうを見て「今日はなんか、衣装がかっこいいですね。ハードな感じで、”ミッドナイトスワン“をイメージしたのでしょうか?」と問いかけたところで、「なんだかうれしくて、僕だけ喋っちゃいました。すみません(笑)」とニコニコ顔の草彅は「どうですか、大ヒットの感想は、お二方!」と質問を投げる。


★DSC05109 (5).JPG内田監督は「いい感じの映画になると思いましたが、出来上がってからは、消極的な発言を繰り返していました。最初の舞台挨拶のときにも劇場でスタッフさんから”大ヒットおめでとうございます”と言われても、なんか素直に受け止められなくて。でも、ようやく最近、認識できるようになってきました」と満足の様子。草彅は「公開10週目で大ヒット舞台挨拶なんて、芸能生活で初めてかもしれません。いや、あったかな? やっぱり、ないな。初めてです」とおどけながらも、「代表作はミッドナイトスワンになるなんて、最初冗談半分で言っていて、ハッシュタグ(#草彅剛代表作)なんてつけていたけれど、本当に代表作になった感じがします」とご機嫌な様子。


渋谷は「(大ヒットについて)本当?というノリでした。サントラのお話をいただいたときにも、”サントラって売れないんですよ。ハリウッドの超有名映画でも200枚しか売れないんです”って言われて。なので、1000枚売れたらお祝いをしようって話をしていました」と明かす。「発売日までひた隠しにしていて、いざ、発売すると告知したら1分に3枚ペースで売れ続けて。大作でも200枚しか売れないなら、1日20枚くらい梱包して出荷すればいいなんて思っていたのに、1日で1000枚売れちゃって、売り切れ状態になりました。スタッフが1人しかいないから、僕も梱包を手伝いました。でも、そういう話をすると、なんか苦労していますみたいなのを狙っている感じで嫌でしょ。なので、売れていることも、売り切れていることもひた隠しにして、追加オーダーをとっていました」と裏話を告白。

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さらに「スタッフ1人と僕で梱包しているから、なかなかお客様のもとに届かないこともあり、”詐欺ですか?”という発狂めいたメールも来ました(笑)。売り切れを明かすと、オーダーが止まりそうなので、だんまりとオーダーを受け続けましたが、現在は、アマゾン、タワレコなどでご購入いただけます。”追いスワン”とあわせて、”追いCD”もお願いします」と呼びかけると、会場は大きな拍手に包まれた。


”追いスワン”という方が本当に多くて、うれしいです。みなさん、ありがとう!」と会場に向かってお礼をする草彅。この日も会場には”追いスワン”組がたくさんいることを受け、「口コミで広がっている映画です。いい言葉だと思いませんか、”追いスワン”って」とニコニコ。「監督は”追いスワン”しましたか?」と草彅がたずねる横で、渋谷がスマホを取り出し、何かしている様子。「”追いCD”していただけるように、今のやりとり、しっかり録音してストーリーにあげました」と微笑み、笑いを誘う。

内田監督が「”追いスワン”もちろんしました。それより草彅さんは最初”追いスワン”を平仮名で”おいスワン”って書いてましたよね」とツッコまれた草彅は「今度は間違えません(笑)、”追いスワン”ね」と照れ笑い。「1回目より2回目、2回目より3回目のほうが感動するという感想を多く見かけます。それが、”追いスワン”につながっているんだと思いました。観るたびに新しい感動がある。内容がわかっているのに泣くのって、本当に不思議ですよね。新しい感動が湧き出る感じなのかな」と熱弁。


劇場での鑑賞が初めてという渋谷が「僕は、今日が初の”追いスワン”です」と胸を張ると「初なんだから、”追いスワン”じゃない!」と笑いながらツッコミを入れる草彅に対し、渋谷は「音楽を作るときには、映像を舐めるように観るんです。なので、作り終わったあとはしばらく観られない状態になります。試写で初めて観たときに、ぜひ映画館で観たいと思いました。ちょうど今日の舞台挨拶の話が来たので、ここで”追いスワン”しようって決めていました」と返答した。

音のない映像を観るのは根気がいると明かした渋谷は、本作の音楽作りは「監督が信用してくださり、まかせていただけました。これはダメみたいな話は一切なかったです」と振り返った。テーマ音楽が流れてくると草彅の映像が目に浮かぶという声も多い本作。草彅は「本当に印象的な音楽ですよね。メロディもすごく好きです」と笑顔を浮かべた。


ここで、MCからカイロ国際映画祭・パノラマ部門での上映決定や、台湾(12/31公開)、香港(2021年公開)での公開情報、小説の売り上げは8万部を突破し、サントラも売れている状況を改めて伝えられた3人。内田監督が「僕も梱包手伝いに行きます!」と手を挙げると、草彅が「梱包しないとね。俺たち梱包ブラサーズ! こんぽ(う)、こんぽ(う)、ブラザー、ブラザー」とノリノリ。内田監督が「小説も読んでもらえて、音楽も聴いてもらえる。全方位的な映画って本当に珍しいと思います。こうなったら、せっかくなのでたくさんの方に観てほしいと思います」と前向きなコメントをすると、草彅は「いろんなところから楽しんでいただける奇跡的な作品」と改めて『ミッドナイトスワン』の魅力をアピールした。


撮影秘話について訊かれた草彅は「取材でたくさん話したので、新しい話あるかな」と考え込む。その様子を見た内田監督は「草彅さんは、メイクのときとかよくGパン映像をチェックしていました。本当に好きなんだなって思いました」と撮影現場での草彅の様子を明かす。これに対し草彅は「監督が履いていたニューバランスの靴がカッコ良かったです。おニューでしたよね。新しい映画を撮るから、新しい靴で気合が入っているのかな?なんて思いながら見ていました」と振り返る。


内田監督は「現場ではニューバランスが楽だと聞いたので、初めて買いました。草彅さんが、凪沙の赤いブーツで苦労している横で、履きやすい靴で撮影に挑んでいました」とコメントしたところで、「これって撮影秘話なのかな?」と首を傾げる草彅。「ネタに困っていそうなので、渋谷さんに音楽誕生秘話を伺いましょう」とMCが質問を切り替える。「1週間という限られた時間で作らなければいけないので、自分のスタジオに籠もって、コンピューターから流れる映画を観ながら、ピアノで作り上げました」と制作秘話を明かす。草彅が「1週間で作ったってすごい!」と驚くと「コンビニに行くと、アイスの新商品に気を取られて集中力が切れちゃうので、コンビニにも行かず、もちろん誰とも夜ご飯も食べないような状態でした。


コロナになってみんなが外でワイワイご飯を食べられない状況になったとき、不謹慎だけど”みんなも一緒になった”って思っちゃいました」と告白。メインテーマはすんなり出来上がったことを明かし「とにかく、1週間で仕上げなければいけなかったので、全体のことは覚えていません。楽譜は1枚も書いていないことだけは覚えています」という渋谷の話に、草彅と内田監督は真剣に耳を傾ける。「最近、Twitterなどで、楽譜とか販売されているのを見かけたりするけれど、僕は書いていないんですよ。みんなが、映画を観て、音楽を聴いて、楽譜を作っているようです。そういうのっておもしろいなと思いました。演奏している動画もたくさん上がっていて、トランスジェンダーの方が弾いているのも見かけました。いろんな方が演奏している動画をたくさん見かけます。上手な人も、そうでない人もいますけどね」と悪戯っぽい笑みを浮かべ、音楽の広がりの様子も明かした。


★DSC05109 (3).JPGクリスマスが近づいているということで、今年の予定を訊かれた3人。草彅は「教えないです。プライベートなことなんで」と即答しながらも、「3人ともおじさんなんで、何も予定なんてないですよ。昨年のことも覚えていない。何かやったかな?クルミちゃんの散歩かな、多分」と振り返ると、MCが「20代なら、いろいろとありそうですけど、そうですよね。こんな質問をしてすみません」と言ったところで「バカにしないで!僕、まだ、アイドルだよ」という草彅に、この日一番の大きな拍手が送られる場面も。草彅は照れ笑いを浮かべながら「ちょっとささやかだけど、スタッフの方と密にならないよう少人数で何かやりたいですね、外で。グランピングとかどうかな。風通しの良いところで、厚着して鍋。そうだ、外鍋とかいいかも。安全を考えて、やれたらいいな」と提案した。


ここで今度は来年の抱負について訊かれた草彅。「アハハハ。わかんないですよね、来年のことなんて」としながらも「こういうときは、ちゃんと答えないとダメなんだよね。まだまだ観ていない人もたくさんいると思うので、来年も『ミッドナイトスワン』をよろしくというのはいかがでしょうか。新しいハッシュタグ作りましょう。公開10週目を迎えたけれど、まだまだたくさんの映画館で上映されているので、さらに広げていきたいと思います。トレンド入りを目指すためのハッシュタグは、シンプルに”#ミッドナイトスワン大ヒット”でいかがでしょうか。長いとみんな間違っちゃうでしょ、僕も含めて(笑)」と呼びかけると、会場から大きな拍手が。満席の会場を見渡しながら、草彅は「今日は、絶対トレンド入りを目指しましょう!」と気合を入れていた。


最後の挨拶で「今日、ここに足を運んでくださった方、そして、中継でご覧いただいている全国の方たちも本当にありがとうございます」とお礼をする草彅。「公開10週目を迎えることができて本当にうれしく思っています。年齢問わず(心に)訴えかけるものがある映画で、生きていくうえで大事な気持ちを、凪沙と一果を通して感じてもらえる気がしています。生きていくのは自由だよ、偏見や差別みたいなものがなくなればいいなという気持ちが込められていると感じていますし、そういったことを考えるきっかけになる作品になれたら、創った身としてはとてもうれしいです。世界に羽ばたいていってほしい作品でもあり、身近に感じてほしい作品でもあります。また今日から始まる『ミッドナイトスワン』を今後ともどうぞよろしくお願いいたします」と呼びかけ、イベントは幕を閉じた。

イベント終了後、草彅は「『ばるぼら』も公開中!稲垣吾郎代表作『ばるぼら』」と公開中の稲垣の映画もアピールしながら、上機嫌でステージを後にした。


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【STORY】

故郷を離れ、新宿のショーパブのステージに立ち、ひたむきに生きるトランスジェンダー凪沙。ある日、養育費を目当てに、育児放棄にあっていた少女・一果を預かることに。常に片隅に追いやられてきた凪沙と、孤独の中で生きてきた一果。理解しあえるはずもない二人が出会った時、かつてなかった感情が芽生え始める。

出演:草彅剛 服部樹咲(新人) 田中俊介 吉村界人 真田怜臣 上野鈴華 佐藤江梨子 平山祐介 根岸季衣/水川あさみ・田口トモロヲ・真飛 聖
監督・脚本: 内田英治(「全裸監督」「下衆の愛」) 
音楽:渋谷慶一郎  
配給:キノフィルムズ   
©2020 Midnight Swan Film Partners


(オフィシャル・レポートより)

 

 

 
 

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黒木瞳監督、
三吉彩花を伴って第二の故郷である関西で舞台挨拶!

【日時】11月14日(土)
【場所】なんばパークスシネマ・スクリーン10 12:20の回、上映終了後
【登壇】三吉彩花・黒木瞳監督


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現代のフリーターが突然『源氏物語』の世界へタイムスリップ!?


現代では居場所がなくネガティブ思考だった若者が、平安時代の紫式部が描いた『源氏物語』の世界へ突然タイムスリップする。宮中で我が子を帝にするために恐れ嫌われても強く生きる弘徽殿女御(こきでんのにょうご)や、その息子で心優しい春宮、誠心誠意宮仕えする人々、そして無償の愛を捧げてくれる倫子(りんし)などに影響されて成長する物語、『十二単衣を着た悪魔』が11月6日(金)より全国公開されている。第二週目を迎え、堂々たる風格で弘徽殿女御を演じた三吉彩花と、長編映画第二作目となる黒木瞳監督が、大阪なんばパークスシネマでの舞台挨拶に登壇した。

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関西の温かい拍手で迎えられた三吉彩花と黒木瞳監督。三吉彩花は、前髪ぱっつんボブのヘアスタイルに、白地にクローバーが散りばめられたロングのシフォンドレスで軽やかに登場。黒木瞳監督は、アイボリーの生地全体にコード刺繍があしらわれた膝丈ワンピースでこれまた優雅に登場。美女ふたりによる舞台挨拶は、稀に見ぬ華やいだものとなった。


映画を観終わったばかりの観客に、先ずは三吉彩花から「今日はたっぷりと裏話などができればと思います」。そして黒木監督からは「今日は映画をご覧下さいまして誠にありがとうございます。関西は第二の故郷ですので気持ちもとても和やかになります」とご挨拶。


黒木瞳監督 (2).JPGQ:内館牧子原作の同名小説を映画化した理由について?

黒木監督:内館先生が、『源氏物語』の中であまり良く描かれていない弘徽殿女御(こきでんのにょうご)は「本当は志をもって強く生きるとても素晴らしい人」という長年の想いを異聞としてまとめ、そこに登場した現代の若い男性が弘徽殿女御や倫子などから影響を受けて成長するという物語を拝読して、とてもスカッとしました。これは映像にしたら面白いだろうなと思って映画化したのです。


Q:強い弘徽殿女御を演じた感想は?

三吉彩花:ここまで強い女性を演じたのは初めてでした。徐々に年齢を重ねていきますし、母親としての優しさと力強さをどう表現しようかと迷っていたら黒木監督から猛特訓して頂き、やっと弘徽殿女御が見えてきました。黒木監督に作って頂いたようなものです。

黒木監督:そんなことはないです!どんどん三吉さん独自の弘徽殿女御が出来上がっていくのを目の当たりにして、若い人の強い吸収力というか息吹にとてもワクワクして頼もしかったです。



三吉彩花さん (3).jpgQ:このように、三吉彩花の成長ぶりを大絶賛する黒木監督から学んだことは?

三吉彩花:頬骨の筋肉が痛くなる位、セリフの言い回しを何度も何度も練習しました。どの作品でも言えることですが、地道な練習の結果はスクリーンに現れるもので、とても大事なことだと学びました。


Q:一番好きなセリフは?

三吉彩花:悩みますね…(笑)。最初の登場シーンで述べる「能書きは要らぬ。男は能力を形にして示せ!」というセリフを今見るととても幼く感じられて、最後に「やれることも、やれぬこともやって、私は生きる!」というセリフに重みがあり、その違いがとても面白いなと感じたので、その最初と最後のセリフが好きです。

 

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Q:三吉彩花の女優としての素晴らしさは?

黒木監督:「“悪魔”は強い人」という一面だけなく、本当は悩みや葛藤を内面に抱えながらも「強くあらねば」と生きているのだと思います。そうした内面と外面の両方の強さを美しく品良く演じて下さったので、私は大満足です。


Q:ロック調の曲を使われた理由は?

黒木監督:最初から、弘徽殿女御は「ロックで行く!」と決めていました。ほとばしるパッションを描こうと思ってロックにしたのです。OKAMOTO’Sの「ブラザー」を聞いた時にハートを射抜かれて、弘徽殿女御が初めて登場するシーンに「ブラザー」を使いました。そして、エンディングの主題歌「History」は書き下ろして頂きました。

 

 


DSC04946 (2).JPGQ:理想とする女性像はありますか?

三吉彩花:今日もさらに思ったのですが、女性だからとか男性だからとかこだわらない、ブレない意志を持っている女性でありたいなと思いました。


――最後のご挨拶。

黒木監督:内館先生の「弘徽殿女御って本当はこういう品格のある人だったのでは?」という想いを映像化できて本当に嬉しく思います。そして、コロナ禍でも公開できたことに深く感謝いたします。一人でも多くの方に観て頂きたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

 


背が高く颯爽として美しい富士額の女優をと、三吉彩花をキャスティンした黒木監督。その期待に十二分に応えた三吉彩花の貫禄の弘徽殿女御ぶりは本作の大きな見どころとなっている。また、一番先にキャスティングしたのは、なんと笹野高史だったそうだ。宮中を警備する“38歳”という設定の滝口の武士を演じた笹野高史は、突然現れた奇妙な格好の若者が所持していた携帯を舐めてしまう!? それは彼のアドリブだったそうだが、さらにイヤホンを鼻に突っ込んでしまう芝居は黒木監督の指示だったそうだ。さすが名バイプレイヤー!
 


【三吉彩花プロフィール】

1996 年 6 月 18 日生まれ、埼玉県出身。2010年、ファッション誌『Seventeen』でミスセブンティーン 2010 に選ばれて以降、同誌のトップモデルとして人気を誇り、“女子高生のカリスマ”とも呼ばれた。女優としては、映画『グッモーエビアン!』(12)『 旅立ちの島唄~十五の春~』(13)に出演し、第 35 回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。映画では 500 人の応募者の中からヒロインに抜擢された『ダンスウィズミー』(19)や大ヒットホラー『犬鳴村』(20)など主演作が次々と公開している。


【黒木瞳プロフィール】

福岡県出身。1981 年宝塚歌劇団に入団、入団2 年目で月組娘役トップとなる。85 年退団以降も、数多くの映画、ドラマ、CM、舞台に出演し、『嫌な女』(16)で監督デビュー。『化身』(86) では第 10 回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。『失楽園』(97)では第 21 回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、第 10 回日刊スポーツ映画大賞主演女優賞、第 22 回報知映画賞最優秀主演女優賞と数々の賞を受賞。その他また、エッセイや絵本の翻訳など、執筆活動も行い、著書『母の言い訳』では日本文芸大賞エッセイ賞を受賞。


『十二単衣を着た悪魔』

出演:伊藤健太郎 三吉彩花 伊藤沙莉
原作:内館牧子 「十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞」 (幻冬舎文庫)
監督:黒木瞳 脚本:多和田久美 音楽:山下康介 雅楽監修:東儀秀樹
配給:キノフィルムズ © 2019「十二単衣を着た悪魔」フィルムパートナー
公式サイト:https://www.juni-hitoe.jp/

2020年11 月6日(金)~大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹他 全国絶賛公開中!


(河田 真喜子)

 
 
 
 
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映画研究会で監督役を熱演の小川紗良「勝手なおしゃべりばかりで、ほとんどが即興劇」
『ビューティフルドリーマー』舞台挨拶
(2020.11.7 シネ・リーブル梅田)
登壇者:小川紗良(主演)、かざり(出演)、本広克行監督
 
 『踊る大捜査線』シリーズの本広克行監督が、押井守の脚本「夢見る人」を実写化。いわくつきの台本の映画化に挑む映画研究部の奮闘ぶりをコミカルに描いた『ビューティフルドリーマー』が11月6日(金)よりシネ・リーブル梅田他にて絶賛公開中だ。
本作は日本映画界の鬼才監督による野心的な企画と若い才能がタッグを組み、低予算で制約のない自由な映画づくりを目指す現代版ATGとも言える新レーベル<シネマラボ>の第一弾作品。映画研究会のリーダー的存在で監督としてメンバーを引っ張るサラ役には自身も大学時代から映画サークルで映画を撮り、来年には監督作の公開が控える小川紗良。他にも今注目の俳優から劇中劇に登場するベテラン俳優が本人役で出演。そして映画研究会の先輩役サイトウタクミで斎藤工も参加している。
 

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  公開2日目の11月7日(土)、上映前に行われた舞台挨拶では主演の小川紗良、出演のかざり、本広克行監督が登壇し、実験精神に満ちた本作の舞台裏を明かした。構成脚本はあったものの、具体的なセリフはエチュードによって作り上げていったという本広監督。「皆から自然に出てくる言葉を入れていきました。やたらしゃべっていたり、相手がしゃべっているのにかぶせたりするシーンもありますが、昔はマイクの技術的な問題でそこまでできなかった。今は技術が良くなってきたので、実験的にそんなことができたんです」と俳優から生まれる自然な言葉や会話を活かしたことを明かした。小川も「完成した作品を観てから改めて脚本を見ると全然脚本通りやっていなかった。映画研究会の部員はおしゃべりばかりで、ほとんどが即興劇でした」と撮影を振り返った。

 
 
 さらに本広監督はディレクターを務めていたさぬき映画祭に小川がゲストとして参加したことが今回のキャスティングにつながったことに触れ、「映画監督は独特のキーワード、ボキャブラリーを使うが、それは監督をやっている人ではないとできない。人が演じているのを『カット!』と止めたりするんですから。小川さんは学生映画をやっているのを知っていたので」と映画祭での出会いを振り返った。
 
 

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 一方、映画でも元自衛官の俳優役で登場するかざりは、本作が映画初出演。「元々はカーサ役でオーディションに行ったら、ウィッグが用意されていたけれど、このままオーディションに参加くださいと言われました」と明かすと、本広監督は「元自衛官で役者というのがおもしろいなと。劇中で監督のサラが実際の戦車を登場させることにこだわるのだけど、元自衛官の方が戦車レンタルの会社にいたらおもしろいと思い、脚本を全部書き換えました」とかざり登場シーンの裏話を披露。かざりも初めての映画脚本にセリフがほとんど書かれておらず最初は戸惑ったそうだが、「初出演でいきなりエチュードは難しいけれど、新鮮。自衛隊で鍛えている訓練が活きました」と笑顔に。

 
 

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 NHK朝ドラの「まんぷく」撮影で大阪に2ヶ月滞在していたという小川は、学生時代から関西の芸大や専門学校生と映画祭や地方撮影を通じて関わりがあったと明かし、「大阪で映画を撮るなら、関西の映画サークルの人と一緒に映画を作りたい。関西の人は全てをおもしろがり、活気がすごいんです」と作り手らしい願望を明かすと、かざりは「関西版の『シンゴジラ』で、大阪城とともにゴジラと自衛隊が見たいです」と自身のキャラに重ねた返事が。関西発の人気番組「探偵ナイトスクープ」の大ファンという本広監督は「関西育ちなのでずっと見ていたし、ドキュメンタリーのようで、泣いている人はなぜ感動したのかを観察してずっとノートに書いていました。演出の勉強になるんです。関西は、東京では貸してくれない地下鉄を使わせてくれますし、みんなでおもしろいものを作ろうという熱があります」と自身の監督作を振り返る一幕も。
 
 最後は、「ちょっと変わった映画です。メタ構造のさらにメタのメタがあります。役名が本人の名前なのもメタですし、撮影のカメラのレイルが見切れていたり、小川さんが急にナレーションをはじめたり。わからないとググって、楽しんでいただければと思います」(本広)、「みんなの楽しい夢が詰まったカオスな映画。みなさん楽しんでください」(かざり)、「若い世代だと等身大の青春映画、少し上の世代だと懐かしさがあるかもしれません。存分に楽しんでいただければ」(小川)と作品をアピールした。みんなで映画を作る楽しさが満載の『ビューティフルドリーマー』、青春映画に見せかけて、癖になる映画通も大満足の意欲作をぜひ楽しんで!
(江口由美)
 

 
<作品情報>
『ビューティフルドリーマー』
(2020年 日本 75分)
監督:本広克行
原案:押井守『夢みる人』  
出演:小川紗良、藤谷理子、神尾楓珠、内田倭史、ヒロシエリ、森田甘路、伊織もえ、かざり、斎藤工、秋元才加、池田純矢、飯島寛騎、福田愛依、本保佳音、瀧川英次、齋藤潤、田部文珠香、升毅
11月6日(金)よりシネ・リーブル梅田他全国順次公開
配給:エイベックス・ピクチャーズ
公式サイト → https://beautifuldreamer-movie.jp/
©2020 映画「ビューティフルドリーマー」製作委員会 
 

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米国アカデミー賞の国際長編映画賞の日本代表に選出!

大阪・関西万博プロデューサーも務める地元関西で

河瀨直美監督凱旋舞台挨拶

 

10月23日(金)より絶賛公開中の“特別養子縁組”を題材にした『朝が来る』。直木賞・本屋大賞受賞ベストセラー作家・辻村深月によるヒューマンミステリーを映画化した本作の監督を務めた、河瀨直美監督が、出身地である奈良のシネマサンシャイン大和郡山、関西万博プロデューサーも務める大阪、TOHOシネマズ梅田にて、公開記念舞台挨拶を行いました。


【日時】10 月 31 日(土)
【場所】TOHO シネマズ 梅田・本館スクリーン8 12:30 の回、上映終了後
【登壇】河瀨直美 監督
※当日はシネマサンシャイン大和郡山でも舞台挨拶を実施しましたが、レポートはTOHOシネマズ 梅田での内容となります。



大和郡山③ (2).jpg満員の劇場で、地元関西の温かい拍手で迎えられた、河瀨直美監督。今やカンヌ国際映画祭では欠かせない存在となった監督ですが、馴染みのある関西でリラックスした雰囲気で舞台挨拶が始まりました。先ずは映画を観終わったばかりの観客に「この映画に出会っていただきありがとうございます」と挨拶。


大和郡山⑤ (2).jpg■本作が米国アカデミー賞の国際長編映画賞候補の日本代表に選出されました!最終的なノミネート確定はまだ先となりますが、まずは日本代表に選ばれた今のお気持ちは?

本当に感謝と、コロナがあってこんな状況ですが、これがきっかけでたくさんこの映画を観てもらえることになるならありがたいなと思います。本来は 6 月公開で、カンヌにも選ばれていた作品だったのに中々皆さんの前に持ってくることが出来なかったので。公開日が『鬼滅の刃』の直後だし、(主演の井浦)新くんも缶コーヒーでコラボしてるし、みんなあっちなん?と思ったら一抹の寂しさがあったんですが(笑)、 けれど映画館に若い人が戻ってきてくれることは本当にありがたいことだと思っています。

 

■関西で舞台挨拶するということ、関西への想いは?

ビジュアルアーツ専門学校に通って 18 歳で映画を作り始め、ここらへんのミニシアターや映画館に通い詰め、自主制作からコツコツやってきて今ここに至っているので、どうしても関西で舞台挨拶がしたかったんです。なんとか調整して、1 週遅れてしまいましたが、今日ここで舞台挨拶が出来てとても幸せです。昔なかった建物が建ったり、街はどんどん変わっていきますが、あの時の自分、っていうのはいまもここにあり続けています。本当に愛着があります。

 

■コロナ禍の映画について

(本作の公式 Instagram 内のトークライブ)”あさくるトーク”で、ジュリエット・ビノシュが登場してくれたんですが、フランスはまたロックダウンしたり、実は本作は一昨日カンヌのメイン会場で上映されたんですが、そこもコロナ対策でいつもと全く違う風景だったりしました。世界的なパンデミックの中、日本が経済と両輪でなんとか進めていけているのは日本人の気質だったり、他にも色々なものが手伝っているとは思いますが、日本人は昔から病気を神様みたいに祀るなどして、「無くすことは出来ないならうまく付き合っていこう」としてきたように思います。特に奈良の大仏の建立には天然痘というウイルスが関わっているし、こういう時にこそ何かが生まれるんじゃないかと思います。

 

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■本作は 40 代男性に一番刺さる?!

鑑賞後に 40 代の男性が本当に泣き崩れたという話をよく聞くので、その年齢の方、ぜひどこが刺さったか教えて欲しいです。いまそれを募集していて分析しているんです。それが分かったら、40代から50代の俳優さん、例えば齋藤工さんとか、他、文化人や音楽家の方などと”あさくるトーク”メンバーで座談会したいと思っているんです(笑)

 

■キャスト、演出について(河瀨組と言えば、「役積み(やくづみ)」という準備があるとのことですが…)

永作さんと井浦さんは本当に夫婦でした。ちょっと関係性も面白くて弟みたいな感じで。それぞれが「役積み」をしっかりしてきてくれることによって、役そのものになって、本番で脚本にないセリフを言ってくれたりもしました。本当に素晴らしいシーンが撮れました。「役積み」というのはそれぞれの役の履歴書というか、いままでどういった人生を生きてきて、いまどう感じているのかを紙に書いてきてもらいます。

 

最後に、「新しく生まれてくる命、子供たちがこの世界の中で誰しもが幸せであってほしいと願っている、みんなそう思っているけれど、やっぱり自分たちのことで必死になっている社会があって、そこが見えなくなってしまっています。それはもしかしたらなんの罪でもないけれど、本作が、私たちのもう一歩先の明るい未来への力になっていけばいいなと思います。それで、朝斗が最後に「会いたかった」って言った言葉を皆さんの中でも誰かに伝えていってもらえたらと思います」と締めくくり、和やかに舞台挨拶は終了しました。


『朝が来る』

原作:辻村深月(「朝が来る」文春文庫)
監督・脚本・撮影:河瀨直美
出演:永作博美、井浦新、蒔田彩珠、浅田美代子、佐藤令旺、中島ひろ子、平原テツ、田中偉登、駒井蓮、利重剛他
配給:キノフィルムズ ©2020「朝が来る」Film Partners
2020年 日本 2時間19分
公式サイト:http://asagakuru-movie.jp/
作品紹介:http://cineref.com/review/2020/10/post-1063.html

TOHOシネマズ日本橋、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、あべのアポロシネマ、T・ジョイ京都、TOHOシネマズ二条、OSシネマズミント神戸他 全国公開中!


(オフィシャルレポートより)

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「国の制約がある中でも神戸の人は常に世界に向けて開かれていた」黒沢清監督、神戸の魅力を語る。『スパイの妻』凱旋舞台挨拶
(2020.10.18 神戸国際松竹)
登壇者:黒沢清監督 
 
 第77回ヴェネツィア国際映画祭で見事、銀獅子賞(最優秀監督賞)に輝いた黒沢清監督最新作『スパイの妻<劇場版>』が、10月16日(金)よりシネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹他にて絶賛公開中だ。
 
 太平洋戦争前夜を背景に、時代の嵐に翻弄されながら愛と正義の間で揺れ動く夫婦の姿を描き出す歴史ロマン。濱口竜介、野原位の『ハッピーアワー』コンビによるオリジナル脚本は、戦前の神戸をその文化も含めて描き出し、国家による思想統制や監視の強化は現在の不穏な空気にも重なる。高橋一生が演じる優作の、時代の雰囲気に負けない行動力と、蒼井優が演じる妻、聡子が度重なる苦難を経て、強い意志を持ち、時代に立ち向かう姿に心打たれる。黒沢監督が惚れ込んだという神戸・塩屋の旧グッゲンハイム邸が、夫婦二人の住居である福原邸としてロケ地に使われているのも見どころだ。
 
 
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 公開2日目を迎えた10月18日、黒沢監督の出身地であり、本作のロケ地にもなった神戸の神戸国際松竹で凱旋舞台挨拶を行った。満席の観客を前に、初めて手にしたという銀獅子賞受賞証明書を眺めながら、黒沢監督は「残念ながら現地には行けなかったので大層な賞をいただいたという実感はなかったのですが、こうして(証明書を)見ると、『スパイの妻』が映画の歴史の片隅に名を刻めたのかなと感無量です。神戸でもかなりの部分を撮影させていただき、ありがとうございました」と挨拶。神戸を舞台にした映画を作るきっかけとなった東京芸術大学大学院映像研究科で教鞭をとっていた時の教え子である濱口竜介と野原位が脚本を持ってきたときのことを振り返り「神戸を舞台にした時代もののオリジナルストーリーが書かれていて、大変面白かった。お金のことを考えるとダメかと思ったが、NHKや映画プロデューサーらが気に入ってくれ、企画が実現しました」と脚本段階で惚れ込んだことを明かした。
 
 
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 当時の神戸が世界に向いて開かれていたことも、物語の核になったという黒沢監督。「1940年前後、日本はかなり内向きになり、国が外部との間に高い塀を作って行き来を閉ざそうとしていた時代だったが、人の心までは閉ざすことはできなかった。国の制約がある中でも神戸に住む人は常に世界に向けて開かれようとしていた。洋装はしないようにという国からのお達しがあったにも関わらず、神戸は皆洋服を着ていたと聞いている。そんな象徴的な街が神戸なのです」と、映画の登場人物たちの描写を重ね合わせながら神戸の魅力を語った。
 
 
 
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 聡子役の蒼井優の演技は本作の大きな見どころだが、黒沢監督は「本当に(演技が)上手い方。役になりきる憑依型の女優と思われているが、全部計算して演じておられるので、カメラが回る直前までは全く普通なんです。用意スタートがかかった瞬間に福原聡子になり、カットがかかった瞬間に『今のはどうでした』と聞きにきてくれる。撮影現場がすごく楽でした」とその実力に最大限の賛辞を贈る場面も
 
 最後に、神戸市より神戸市芸術文化特別賞が贈られた黒沢監督は「昨年大変撮影でお世話になったので、こちらから(神戸市に)感謝状をもらっていただきたいぐらいです。映画のスタッフ、キャストと共有したいと思います。映画はあそこで終わっていますが、もし余裕がありましたら、登場人物たちがあの後、生き残ってどういう人生を送ったのかと想像を掻き立てていただければ。その先に現在がありますので、そこまで思いを馳せていただくような映画になっていればうれしいです」と現代と地続きの物語であることを示唆し、舞台挨拶を締めくくった。
(江口由美)
 

 
<作品情報>
『スパイの妻<劇場版>
(2020年 日本 115分)
監督:黒沢清 
脚本:黒沢清、濱口竜介、野原位
出演:高橋一生、蒼井優、坂東龍汰、恒松祐里、みのすけ、玄理、東出昌大、笹野高史
10月16日(金)よりシネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹他全国ロードショー
公式サイト → https://wos.bitters.co.jp/
(C) 2020 NHK, NEP, Incline, C&I
 

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【日時】 2020年9月27日(日) 13:00~*本編上映前イベント

【場所】 TOHOシネマズ六本木ヒルズシアター7 (港区六本木6-10-2)

【登壇者】 草彅剛(46)、服部樹咲(14)、水川あさみ(37)、内田英治監督(49)

【MC】 武田祐子


 

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草彅剛主演、内田英治監督オリジナル脚本映画『ミッドナイトスワン』が9月25日(金)より全国にて大ヒット公開中です!!

本作は、トランスジェンダーとして日々身体と心の葛藤を抱え新宿を舞台に生きる凪沙(草彅)と、親から愛を注がれず生きるもバレエダンサーを夢見る少女・一果(服部樹咲)の姿を通して“切なくも美しい現代の愛の形”を描く「ラブストーリー」。


日本映画界が注目する『下衆の愛』の俊英・内田英治監督が手掛けるオリジナル脚本に、唯一無二の存在感を放つ草彅剛が初のトランスジェンダー役として挑む。さらに、オーディションでバレエの才能を認められ、ヒロインを射止めた服部樹咲が本作で女優デビューし、真飛聖、水川あさみ、田口トモロヲが華を添える。ヒロインが躍る「白鳥の湖」「アルレキナーダ」などの名作に乗せて、主人公の母性の目覚めを“現代の愛の形”として描く、常識も性も超えた、感動作が誕生しました。


この度は、本作の公開を記念し、「観客前!生中継付き公開記念舞台挨拶イベント」を実施し、主演の草彅剛、服部樹咲、水川あさみ、内田英治監督が登壇いたしました。本作の公開をお待ちいただいたファンの前にて舞台挨拶を行い、本作への思いや、「愛」がテーマである本作にかけて登壇者それぞれが「愛の告白」などをし、その模様を全国145館へ生中継いたしました。


上映前に行われた公開記念舞台挨拶には、凪沙役の草彅剛、桜田一果役の服部樹咲、一果の母・桜田沙織役の水川あさみ、内田英治監督が登壇し、その模様は全国145館に生中継された。アジアを始め世界各国での公開も予定されており、海外での映画祭への招待の話もあるという告知に、会場はひときわ大きな拍手に包まれた。


midnightswan-bgiu-kusana.jpg冒頭の挨拶で草彅は、「みなさん、こんにちは。コロナの大変な中、劇場に足を運んでくださって、ありがとうございます。すごい感謝しています。登場したときに声援がなかったのは初めての経験なので、もう僕はアイドル卒業なのかなんて思いましたが、みなさんがコロナ対策をしてくれていることにとても感謝しております」とニッコリ。「リアクションがないので、ウケているのかすべっているのかわからない状況の中で(笑)、たくさんの方が努力し、この映画が公開され、みなさんに届けられることを幸せに思っています。僕たち出演者、そしてスタッフが一丸となってとてもいい作品を作り上げました。今、デジタルの力で全国の映画館の方にも僕の今の顔が届いています(全国の会場に向かって手を振る)。映画はとても素晴らしいものになりましたので、ぜひ、お楽しみください」と感謝の意を述べた。 


服部は「はじめまして。今日は貴重なお休みの時間を割いて、劇場に足を運んでくださってありがとうございます。みなさんがSNSなどで盛り上げてくれていることがすごくうれしいです。今日、終わった後にさらに盛り上がるといいなと思っています。よろしくお願いいたします」と笑顔で挨拶した。


midnightswan-550.jpg水川は「こんにちは。大変な状況下で、劇場に足を運んでくださったことをうれしく思います。さまざまな愛の形をテーマにした映画だと思っています。映画館で観れる素晴らしさを体感して帰ってほしいです」と呼びかけた。


内田監督は、「今日はありがとうございます。コロナ禍の大変な中、一度はストップした作品が、こういう形でスクリーンで公開できるという状況を、2、3ヶ月前は想像できませんでした。この時を迎えられてよかったです。オリジナル作品だということもあり、身内ウケの作品とか言われて、少し自虐的になっていますが、劇場来たときに大ヒットしていることを伺い、やっと呪縛から逃れられる気がしています。今日はよろしくお願いいたします」とうれしそうな表情を浮かべた。


midnightswan-bu-mizukawa.jpg母親になるという難しい役どころについて、草彅は「これまで経験のない役でした。いろいろなインタビューでも答えているけれど、今までで一番難しい役だったと思います。だから、普通はすごく考えて向き合わないとできない役なのですが、今回は、何も考えずに自然に演じることができました。それは、監督がひっぱってくれたことも大きいけれど、(服部)樹咲ちゃんと、(水川)あさみさんにひっぱってもらったこともすごく大きいと思っています。役も作品も一人では作ることはできないことを改めて実感しました。みんなでひとつの方向に向かっていると、奇跡が起きると感じました」と撮影時を振り返る。


このコメントに対し、本作が女優デビュー作となった服部は、「小さい頃から続けていたバレエでこの映画に貢献できたことがうれしいです。心配だった演技も、草彅さんや水川さんに助けられていいシーンになっていました。改めて感謝の気持ちを伝えたいです。本当にありがとうございました」

服部のこの言葉に草彅と水川が「こちらこそ」と声を揃えてお辞儀をする場面も。

草彅が「みんなが支え合った、そうじゃないとできない作品でした」とコメントすると、会場から大きな拍手が贈られた。


midnightswan-500-1.jpg水川は「心が痛い役でしたが、愛の大きさ、深さがそれぞれ違うんだなということを踏まえて、ネグレクトだけをフィーチャーしないで演じることができました」と撮影時の心境を明かす。

お互いの母っぷりについて訊かれると水川は「母親っぷりという点では私のほうが全然負けてました」と即答。すると草彅が「お互い違う立場の母親でした。お互い一果のことが好きだけど、表現の仕方が違います」と解説。水川の顔を覗き込みながら「あさみちゃんが怖かったです。見事な演技で、迫力があってすごく怖かったです」と水川の迫力の演技を絶賛。怖かったを連発された水川が「うふふふ、あははは」と照れる様子をみせると、草彅は「しょうがないんですよね、お仕事ですから。お芝居ですからね。僕もそうですけれど、あさみさんもふりきっていて、それが伝わってきました。すごいクライマックスになっています」と満足の表情を浮かべていた。


midnightswan-bu-uchida.jpg注目してほしいシーンについて、内田監督は「3人の関係性です。水川さんが演じた母親も、凪沙も愛情ある母親です。微妙な関係性ですが、芝居というか、演技じゃなかったように感じました。そのあたりを観て(感じて)ほしいと思います」と3人の演技を振り返っていた。続けて「SNSで評判がいいよと言われても、なかなか信用できない状況でした。オリジナル脚本で、こういったテーマでヒットするのはなかなか難しいことなんです。信じられなかったけれど、今日、この場に来て、スクリーンで観てくれている皆さんを見て、多くの人に受け入れられていることを実感しました」とうれしそうに語った。


撮影現場の様子について訊かれた草彅は「撮影がスムーズでした。なんていうんだろう、荒波を立てずにというか。職人の方が多い現場だと、”早くしろよ!””何やってんだよ!””早くレール引け!”といった声も飛び交うのですが、監督の方針なのか、そういうのが全くない、とても穏やかな現場でした。その分、作品の中ではめちゃくちゃ罵声を浴びていたのですが、カメラ回っていないところはとても穏やかで、今っぽさ?を感じました」と感想を述べた。


服部は「優しいスタッフの方も多く、怒る声は聞いていません。とても穏やかな現場でした」と振り返り、水川も笑いながら「穏やかでした。あと、剛さんもすごく集中していました」と振り返る。すると草彅は「みなさん、品がある方が多かったのかな?」と分析。続けて「やっぱり品は大事です、今の時代ね、”今でしょ!”」とコメントしながら「あれ、このギャグ古いの? 反応がないからウケているのかすべっているのかもわからなくていいね」とうれしそうに語り、会場の笑いを拍手という形で誘った。


愛を描いた映画にちなみ「愛の告白を」というリクエストが。草彅は愛犬のクルミちゃんに向けて「いつも癒してくれるクルミちゃん。パパは、今日は六本木の映画館でお仕事をしています。あなたのご飯代を稼ぐためにがんばります」とコメント。「あれ、これ、今、言うことかな?」と自分自身にすかさずツッコミを入れ、さらに「今(言うこと)でしょ!」と会場に問いかける場面も。会場から拍手が沸き起こると「本当は、大爆笑したいところを、コロナ対策に協力して抑えて、抑えて我慢してくれているみなさんに感謝します」と笑顔でお辞儀し、「逆にこういうのもいいかもね。感想を心の中に止めるというのも逆に品があっていいのかも」と付け加えると、会場はより大きな拍手に包まれた。


midnightswan-bu-hattori.jpg服部は、「愛の告白かはわからないけれど」と前置きし、「監督の第一印象が怖くて近付きづらいと思ったけれど、話してみたらとても優しくて、笑顔がチャーミングでした。そのギャップがすごくいいと思いました」と告白。これに対し、内田監督は「僕、彼女のお父さんと同い年くらいなんです。何を言ってもツンとした感じだったけど、嫌われていないと分かってよかったです」と安堵した様子。水川が「ここにいるすべてのお客様へ」と呼びかけ、「こんな状況の中、劇場に来てくださったことに感謝したいです。お互いに知らない人たちが一つの作品を観て、感動したり笑ったり怒ったりする。映画館という空間って特別だと思います。それを共有できる方たちに”好きです”って言いたいです」と改めて感謝の意を述べた。内田監督は「出演者はもちろん、スタッフに愛を送りたいです。スタッフみんなが作品を愛してくれて出来上がりました。そして、SNSとなどで盛り上げてくれた方たちにも感謝したいです。あれがなければ、ここまで作品の評判は広がらなかったと思っています。そして、全国の劇場に来てくださった方にも改めてありがとうと言いたいです」とよろこびを語った。


ツイッターのトレンド入りを目指したいということで、新たなハッシュタグを考えることに。草彅は「#クルミちゃんラブでいいんじゃないかな。って言いながら、さっきも愛の告白もクルミちゃん宛にしちゃったし、映画のことをちょっと反省しています」と恥ずかしそうな表情を見せる。続けて「#ミッドナイトスワン公開中、なんていかがですか? 全国の皆さんいかがですか?」と提案。すると内田監督が「#ミッドナイトスワン大ヒット公開中、にしてください」と「大ヒット」をプラスした新たなハッシュタグが決まった。草彅は、「ハッシュタグと一緒に、映画の感想を添えていただけると、もっともっと拡散されるかと」と呼びかけた。


midnightswan-500-2.jpg最後の挨拶で、草彅は「本日はありがとうございました。全国の方、本当にありがとうございます。この映画は、攻めてはいるけれどR指定がついていません。家族の方とみんなで一緒に観てほしい作品です。観る方によって、感じ方が違うのは当たり前のことですが、これほど感じ方が違う映画はないと思っています。年齢、性別、国籍問わず、みんなに観てほしいと思っています。必ず伝わるものがあるんじゃないかなと思っています」と胸を張る。


内田監督は「上映されたことがまず感慨深いと改めて感じています。ゼロから脚本を書いて、草彅さん、水川さんに出演いただいて、樹咲ちゃんがオーディションに来て。そのひとつずつが重なり、みんなで作り上げた作品です。性別や血の繋がり、国籍などは関係ないんじゃないかという思いを込めています。ぜひ楽しんでください。ありがとうございました」と締めくくり、イベントは幕を閉じた。


【STORY】

故郷を離れ、新宿のショーパブのステージに立ち、ひたむきに生きるトランスジェンダー凪沙。ある日、養育費を目当てに、育児放棄にあっていた少女・一果を預かることに。常に片隅に追いやられてきた凪沙と、孤独の中で生きてきた一果。理解しあえるはずもない二人が出会った時、かつてなかった感情が芽生え始める。


出演:草彅剛 服部樹咲(新人) 田中俊介 吉村界人 真田怜臣 上野鈴華 佐藤江梨子 平山祐介 根岸季衣 水川あさみ・田口トモロヲ・真飛 聖
監督/脚本:内田英治(「全裸監督」「下衆の愛」) 
音楽 渋谷慶一郎  
配給 キノフィルムズ   ©2020 Midnight Swan Film Partners


劇中登場の「ハニージンジャーソテー」が食べられる!


また本作の公開に先駆け、9月18日より、銀座のレストラン「BISTRO J_O」にてコラボメニューが販売され、「映画の中でも印象的なシーンとして出てくる「ハニージンジャーソテー」などが提供されております。孤独だった凪沙と一果が2人で生活していかなければいけなくなった状況で、まだお互いを知らないけど、この食事を通じてお互いを受け入れあい、ゆくゆくは、一果にとっての“母の味”となるのがこの「ハニージンジャーソテー」。映画の中のメニューに、「BISTRO J_O」らしく、サラダや卵を添えて見た目を少し華やかにアレンジ!レストランでは、ランチ・ディナー共にコースメニューの1つとして、9月18日から提供が始まっており、テイクアウトは、9月25日からご飯もついて登場しております。こちらの情報も本イベント情報とあわせて、ご紹介いただけますと幸いです。


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<レストラン>「BISTRO J_O」

ランチ: SPECIAL LUNCHコース(4,000円)
ディナー:J_O DINNERコース(5,500円)
SPECIAL DINNERコース―(8,000円)

このメニューに登場します。レストランは予約制となっております。
詳しくは、BISTRO J_Oの公式HP:https://friendshop.tokyo/ まで。

 

 

<テイクアウト>
midnighswan-korabo-2.jpg.png.jpgハニージンジャーソテー弁当 価格:1300円(税込)
・ハニージンジャーソテー
・紫キャベツと赤玉ねぎのソテー
・人参のラペ
・いぶりがっこ
・うずらの卵
・海苔おかかご飯
【使用しているアレルギー物質(特定原材料等7品目中)】小麦・卵

 


(オフィシャル・レポートより)

 
 
 
 

ichidomo-tolk-550-2.JPG 石橋蓮司、阪本順治監督 登壇!

豪華キャストが生電話でサプライズ参加!

祝!初日 『一度も撃ってません』 公開記念トークショー

 
 
4月の公開延期から2か月半、ついに7月3日に初日を迎える映画『一度も撃ってません』。日本映画界に欠かすことの出来ないスーパーバイプレーヤーの石橋蓮司(いしばしれんじ)が、『大鹿村騒動記』『半世界』などを手掛けた阪本順治(さかもとじゅんじ)監督の熱いラブコールを受けて18年ぶりの主演を務めたことが大きな話題に。
 
石橋演じる噂の【伝説のヒットマン】は、“殺し”の依頼を受けては、実は本当は“ハードボイルド小説”のネタ集めをしているだけの、ただの売れない小説家。そんな夫の秘密も知らず真面目に日々暮らしている妻役に大楠道代(おおくすみちよ)、主人公の怪しい旧友:元ヤメケン役の岸部一徳(きしべいっとく)、元ミュージカル界の歌姫役に桃井かおり(ももいかおり)と、レジェンド達の共演実現に多くの反響が寄せられた。
 
次世代の日本映画界を背負う豪華共演陣も出演する事で話題。佐藤浩市(さとうこういち)、豊川悦司(とよかわえつし)、江口洋介(えぐちようすけ)、妻夫木聡(つまぶきさとし)、井上真央(いのうえまお)など主演級の俳優陣に加え、「令和」を担う役者として柄本佑(えもとたすく)といった若手の出演にも注目だ。脚本は、『探偵物語』『野獣死すべし』などのハードボイルド作品でアウトロー主人公を描かせたら右に出る者の居ない丸山昇一(まるやましょういち)が、阪本監督とは『行きずりの街』以来4作品目のタッグとなる。
 

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このたび、本作の全国42館での公開を記念し、劇場での初日舞台挨拶ではなく、「公開記念トークショー」の形で、主演の石橋蓮司と阪本順治監督が登壇、さらに大楠道代、岸部一徳、桃井かおり、佐藤浩市、柄本佑の豪華共演者が、生電話でサプライズ参加いたしました。冗談を交えた電話先のキャストたちとの会話に、終始笑顔の石橋だったが、初日の喜びとともに時折涙を見せて、喜びを噛み締めた。
 

【トークショー概要】
◇日時 :7月3日(金) 15:45~16:15
◇登壇者:石橋蓮司、阪本順治監督
◇生電話の登場:大楠道代、岸部一徳、桃井かおり、佐藤浩市、柄本佑
◇場所:キノフィルムズ試写室 (住所:東京都港区六本木7丁目8-6 AXALL六本木3F)
 

 
壇上には石橋蓮司(以下、石橋)と阪本順治監督(以下、阪本)を囲むように、一緒に初日舞台挨拶に登壇する予定だったキャストたちから多くの花が送られ、会場にいる二人は十分な距離を保ちながら、登壇できないキャストたちと電話を繋ぎ、トークを実施した。
 

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阪本監督は「今は撮影するのも、公開するのも戦いで、延期していた映画が公開されていく中、こういう“大人な映画”が先陣を切るべきだと思っていました。石橋蓮司さんが先頭を走り、他の映画も導かれていけばいいなと思っています。」と映画業界への想いを語り、石橋は「ここまで来るのに長い時間がかかりました。このような状況でも、この作品を観に劇場へ足を運んでくださるお客さんへは頭が上がらないです。」と映画ファンへの感謝の気持ちを語った。
 
電話でのトークのトップバッターを務めたのは、桃井かおり(以下、桃井)は、「こちらL.A.の桃井かおりです。元気なの?みんな会いたいわ。今こっちは深夜ですよ。」と明るく挨拶し、石橋が「かおりと久しぶりに仕事ができて本当に楽しかった。」と話すと、桃井も「現場がすごく楽しくて、蓮司の底力をまた見せてもらいました。蓮司にお願いしたいのは、ただ長生きしてほしいということだけ!」と石橋へ想いを寄せ、阪本監督には「(劇場へ入れる)人数が限られているから、上映期間を延ばしてと、劇場に言っておいてね(笑)」と桃井節で締めくくった。
 

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また柄本佑(以下、柄本)も電話にて公開を祝福し、「通行人役でいいから出演したい!」と名乗り出て出演した本作だったが、石橋から「アクション俳優のように動けると思っていなくてびっくりした。」と言われ、柄本は嬉しそうに「本当ですか?ありがとうございます!」と返事をした。佐藤浩市(以下、佐藤)との電話は、終始リラックスして行われ、佐藤が「石橋蓮司さんを褒めればいいんですよね!」とからかいつつ、「蓮司さんはこの40年間佇まいが全く変わらないのがすごい。俺たちに対する接し方もずっと最初から一緒なことが本当に素晴らしいと思う。」と絶賛し、石橋も「(佐藤が)デビューした頃から素晴らしい俳優が出てきたと雑誌の取材などで話しちゃってさ…見られたら恥ずかしい。」と褒め返し、さらに「今回息子(寛 一 郎)とも共演して、役者としてびっくりした。君たち三世代(父・三國連太郎、息子・寛 一 郎)には本当に驚かされているよ。」と褒めたたえていた。
 

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大楠道代と岸部一徳も電話にて本作の公開を喜び、「落ち着いたら早く集まりましょう!」と石橋へ投げかけた。キャストとの電話トークが終わり、阪本は、「今日は皆さんに電話かけましたけど、やっぱりくせ者が多く出演してる映画だな、と。それがこの映画の特徴でありますけどね。」と語り、石橋は「出演してる皆が主役を務めることが出来る役者ばかりで、今回はどの場面を見ても、だてに歴史を重ねてないなと。体に染みついたものを出すことを無意識に出来る人たちがたくさん集まったなと思い、楽しい映画にしてくれて、ありがたいです。」と共演したキャストへ思いを話した。
 
最後に石橋は「映画はお客さんに観られて初めて成立するので、この状況でも劇場へ観に行って下さることは、作品を作る側として、さらに自分も作品に対して情熱を持たないと、お客さんに見放されてしまうなと。今日この作品を観に行っている方は、僕らよりずっと映画を愛していると思うので、そのことを忘れずにこれからも精進したいと思います。本当にありがとうございました。」と話し、トークショーは終了した。
 

ichidomo-550.jpg【STORY】
市川進(いちかわすすむ/石橋蓮司)、御年74歳。タバコ、トレンチコートにブラックハット…
大都会のバー「Y」で、旧友のヤメ検エリート・石田(岸部一徳)や元ミュージカル界の歌姫・ひかる(桃井かおり)と共に夜な夜な酒を交わし、情報交換をする。そう、彼は巷で噂の“伝説のヒットマン”だ。今日も“殺し”の依頼がやってきた――。
 
がしかし、本当の姿は…ただハードボイルド小説を書きたい作家、ペンネームは御前零児(オマエレイジ)。ちなみに原稿は“時代遅れ”で全く売れてない。おまけに妻・弥生(大楠道代)の年金暮らし、なんとも情けない始末。担当編集者:児玉(佐藤浩市)も、市川の“伝説のヒットマン”という噂を信じればこそ長年付き合ってきたが…実は、リアリティにこだわり過ぎた市川は“理想のハードボイルド小説”を極めるために、“殺し”の依頼を受けては、その暗殺の状況を取材しているのだった。エセ投資セミナーで金を巻き上げる守山(江口洋介)の暗殺など、過去多くの事件に関わったと噂される“なんちゃって”ヒットマン市川に、ついにツケが回ってきた。
 
本当は“一度も人を殺したことがない“市川は、敵のヒットマン(豊川悦司)に命を狙われ、妻には浮気まで疑われることに!
人生最大のピンチにばたつく”ハードボイルド気取りな小説家“の顛末を、世代を超えた豪華キャスト達で描き出す、かつてないオトナの良質エンターテイメントが誕生!
 

 
出演:石橋蓮司 大楠道代 岸部一徳 桃井かおり
佐藤浩市 豊川悦司 江口洋介 妻夫木聡 新崎人生 井上真央
柄本明 寛 一 郎 前田亜季 渋川清彦 小野武彦 柄本佑 濱田マリ 堀部圭亮 原田麻由
脚本/丸山昇一  監督/阪本順治
製作:木下グループ 配給・制作:キノフィルムズ ©︎2019「一度も撃ってません」フィルムパートナーズ
 

TOHOシネマズ日比谷、新宿蔵野館他、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ(なんば、二条、西宮OS)、神戸国際松竹他 絶賛公開中!


(オフィシャル・レポートより)
 
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渋川清彦、松本穂香の現場での過ごし方を賞賛!
『酔うと化け物になる父がつらい』舞台挨拶付き先行上映会
(2020.2.21 シネ・リーブル梅田)
登壇者:松本穂香、渋川清彦、久馬 歩(脚本)
 
 アルコールに溺れる父を持った作者・菊池真理子の実体験に基づくコミックエッセイを、『ルームロンダリング』片桐健滋が映画化。松本穂香と渋川清彦のW主演で描く家族ドラマ『酔うと化け物になる父がつらい』が、3月13日(金)よりシネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ、Tジョイ京都、3月20日(金)よりシネ・リーブル神戸他全国ロードショーされる。
 
 
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 アルコール依存症で、仲間たちとついつい飲みすぎてしまう父を渋川清彦が見事な酔っ払い演技で表現すれば、母を苦しめる父に反感を覚える一方、漫画で酔っ払い父を書いたことがきっかけで、自分の新たな道を切り開いていく娘を松本穂香が説得力のある演技で魅せる。新興宗教に救いを見出す母をともさかりえが演じる他、妹を元欅坂46の今泉佑唯が熱演。また、自宅やスナックで集合する野球仲間兼飲み友達には、宇野祥平、森下能幸、星田英利らが扮し、昔こういう親父たちがいたなという凝視感が満載だ。一歩間違えれば非常にシリアスな物語だが、コメディとシリアスの間を絶妙なバランスで引っ張る異色のドラマだ。
 
 
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 2月21日にシネ・リーブル梅田で行われた舞台挨拶付き先行上映会では、主演の松本穂香、渋川清彦に加え、本作の脚本を担当した久馬 歩(お笑いユニット「ザ・プラン9」)も登壇した。大阪は松本の地元だけあり、客席にはご家族や友人の姿も。いつになくリラックスした雰囲気の松本は、「サキは、モヤモヤをずっと抱えて行きている人。重い空気を自分の中に抱え、あとは監督に任せました」と役作りを回想。一方、シラフより酔っ払った状態のシーンの方が多かった渋川は、「片桐監督は長年知り合いなので、セリフも多くないし、飲みながらやってもいいかと提案しました。でもやはり緊張するし、セリフも言わなくてはいけないしで、半分も酔えなかったですね」と見事な酔っ払い演技の舞台裏を明かした。
 
 
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 一方、最初脚本を書くのに苦労をしたという久馬は、「タイトルはポップですが、実話なので、書くときはとういう風にするべきか考えました。あまり嘘をつけないですし。自分の親父も岸和田のプチ化け物で玄関でもよく寝ていたので、その様子を思い出しながら書きました」と自身の体験を重ねながら、執筆の様子を語った。
 

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 松本と渋川は初共演だが、現場ではほとんどしゃべらなかったという。「やはり役のことを意識して、あまり話さない方がいいだろうなと思いました」と当時を振り返る松本に、「(つらいシーンが多いので)ほとんど笑ってなかったね。僕は現場の様子をよく見ているのだけど、今はスマホを見ている人が多い中、松本さんはスマホを見ないで、現場にいたので、いい居方だなと思いました」と渋川が賞賛。「ぼうっとしてました」という自然体の松本が一番印象に残るシーンは、後半サキが父に気持ちをぶつけるシーンだという。

「ピリッとしてましたね。ワンカットで気持ちがつながり、松本さんの気持ちが爆発したのが良かった。監督も撮りながら泣いていましたよ」と渋川が評すると、松本も感激しきりだった。
 
 
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 そんな撮影現場に訪れたことがあるという久馬は、「手土産に551の豚まんを持参しましたが、551があって、こんな暗い日があるのかというぐらい暗かった」とシリアスなシーンの撮影に驚いた様子。「父が“嫌い”ではなく、父が“つらい”というところが切ないですね」とタイトルからサキの気持ちを代弁した。
 
 最後に
「この映画が、いろんなことに挑んでいる人へ役に立てばうれしい」(久馬)
「いい映画なので、今は色々なことがありますが、見ている間は楽しんでいただきたいです」(渋川)
「難しい親子関係や人間関係に悩んでいる人にも、ぜひ見ていただきたいです」(松本)と結んだ舞台挨拶。待機作や出演作の多い松本だが、渋川とがっつり組んで臨んだ家族ドラマへの思いが静かに伝わってきた。お酒につい依存してしまう人も、そんな家族がいる人も、そしてお酒を飲まない人もぜひ見てほしい、異色の家族ドラマだ。
(江口由美)
 

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<作品情報>
『酔うと化け物になる父がつらい』
(2019年 日本 95分)
監督:片桐健滋 
原作:菊池真理子著「酔うと化け物になる父がつらい」秋田書店
出演:松本穂香、渋川清彦、今泉佑唯、恒松祐里、濱正悟、安藤玉恵、宇野祥平、森下能幸、星田英利、オダギリジョー、浜野謙太、ともさかりえ他
3月13日(金)よりシネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ、Tジョイ京都、3月20日(金)よりシネ・リーブル神戸、全国ロードショー
公式サイト → https://youbake.official-movie.com/
(C) 菊池真理子/秋田書店 (C) 2019 映画「酔うと化け物になる父がつらい」製作委員会
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「自転車だけでなく、ちゃんと映画に出てくれるんだ」佐藤浩市、先輩火野正平との共演に感謝『Fukushima 50』完成披露舞台挨拶
(2020.2.10なんばパークスシネマ)
登壇者:佐藤浩市、火野正平
 
 2011年3月11日午後2時46分に発生した東日本大震災。それから間もなく、テレビで目を疑うような光景を目撃し、日本のみならず、世界中が危機感を募らせた福島第一原発事故の衝撃を今でも忘れられない人が多いのではないだろうか。今まで語られることのなかった現場の惨劇と、その最中、命がけで福島第一原発を守ろうと奮闘した作業員たちや、関係者たちの姿を、とことんリアルにこだわり描いた超大作『Fukushima 50』が、3月6日(金)より全国ロードショーされる。
 

 原作は、福島第一原発事故の関係者90人以上への取材をもとにした門田隆将渾身のノンフィクション作品「死の淵を見た男吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫刊)。官邸や東京の東電本社からの指示に対峙しながら、刻一刻と状況が変化する現場の指揮を執る吉田昌郎所長を渡辺謙が、福島第一原発1機、2機の当直長、伊崎利夫を佐藤浩市が演じる他、日本の実力派俳優が集結、海外のメディアからFukushima50(フィフティ)と呼ばれ、その勇気と行動力を賞賛された、作業員たちの決死の奮闘ぶりを、目の当たりにすることだろう。

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 2月10日、なんばパークスシネマで開催された『Fukushima 50』舞台挨拶付き先行上映会では、上映前、出演の佐藤浩市、火野正平が登壇。佐藤は原作を読む前に、監督とプロデューサーから本作のオファーがあったことを明かし「正直、時期尚早ではないかとか、プロパガンダになるのは嫌だという思いもありましたが、ほぼ現地雇用が多かったという職員の方を中心に描きたいと監督に思いを告げられ、そういうことなら最後まで一緒に走りたいと伝えました」と回想。火野も「俺たちがやった役は、逃げられないなら戦おうぜという人たち。多分あそこにいた人はそうだったんだろうなと思って。まあ、見てちょうだい」と他の共演者の気持ちを代弁しながら、自身のベテラン作業員役を振り返った。
 
 

■71歳の火野正平、控え役に気付かず、酸素ボンベを担いで吹き替えなしの熱演。

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 映画では震災後の5日間の福島第一原発の中での職員たちの奮闘が事実に沿ってリアルに描かれるが、実際に日が経てば立つほど、作業員役の俳優たちの疲れ具合が如実に表れている。震災後から時系列で撮っていったという佐藤は「皆ノーメイクで、どんどん人の顔が変わっていく。それは映画的には非常に良かった」と言えば、火野は「3週間ぐらい、一つのセットで男たちばかり50人もいてごらん…」と心底ウンザリした様子。さらに重い酸素ボンベを持ち、率先して現場に入る役を演じ、「ずっと隣に控えの人が待機していたのに、全部自分でやっちゃって、最後の日まで気づかなかった」と71歳とは思えない体力で吹き替えなしの名演を見せたという。
 時には電源が落ちて、真っ暗になるシーンもあり、現場ではスタッフたちが頭を抱えることも多かったというが、「防護服を着てしゃべるので、セリフも不明瞭でわかりにくいし、専門用語が飛び交いマイナス要素ばかり。でも、それが妙にリアルに聞こえたり、いいふうに転換していく気がして、映画の神様がいましたね」。
 
 

■人が一人もいない町に対する複雑な思いは、映画に映ってくれていると思う。

 火野は現在NHK-BSで日本全国を自転車で回る「にっぽん縦断こころ旅」に長年出演中だが、「日本はどこ行っても元被災地だから。そういう国に住んでいるという自覚がある日本人って強いなと思う。福島は被災後2年目に行って、僕が(福島の人に)頑張ってと思っていたのに、火野さんがんばって!と言ってくれた。日本人って美しいな」と、福島でのエピソードを語った。佐藤は、クランクアップ後、ラストシーンとなる数年後の桜のシーンを撮りに行ったとき、「何も終わっていない。下手すれば、始まっていないかもしれない」と痛感したという。「帰還困難区域で、人が一人もいない、生活の匂いが全くしない町が日本にあることを、どれぐらいの人が知っているんだろうという複雑な思いで見ていました。僕自身と役(伊崎利夫)と必ずしも一致はしないけれど、そういう複雑な思いは映画に映ってくれていると思います」(佐藤)
 
 

■一回り上の先輩でも、撮っているときは仲間。作業員たちの雰囲気を映画でも映し出せた。

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 終始リラックスムードの火野を前に、最初の緊張感がほぐれてきた佐藤は火野との長年の付き合いを振り返り、「かなり古いんです。僕より一回り上だけど、先輩後輩があるにせよ、僕らの世界で撮っているときは仲間です。30数年前にご一緒して、死ぬほど飲まされて、今では正平ちゃんと呼んでいます」。今回は、火野をはじめ、平田満らベテラン勢も佐藤が演じる伊崎の元で作業する仲間として加わり「自転車だけでなく、ちゃんと映画に出てくれるんだと思いました(笑)。本当に先輩が現場にいると、助かります。福島第一原発で前線の当直室にいた作業員は地元の人で、学校の先輩後輩もいました。その雰囲気が映画の中でも実現して、本当にうれしかったです」と、危機に直面した当直室の撮影に思いを馳せた。
 
 最後に「とにかくたくさんの人に見てもらいたい。よろしくお願いします」(火野)
「映画の最後に桜を見ながら僕は一言つぶやきますが、桜は自分たちのために実を作り、花を咲かせて生きている。人間は勝手にその桜に思いを馳せる。人は色々なことを自分で考えることができます。災害は深い爪痕しか残さないけれど、負の遺産にせず、少しだけ考えて、次の世代に渡したい。そう思える映画だと思います」(佐藤)と結んだ舞台挨拶。

Fukushima 50には「50人」と「50歳以上」というダブルミーニングがあり、映画の中でも未来のある若い世代は作業に行かせず、年配の作業員が率先して危険な作業に向かった事実も明かされる。真実を知るのに遅すぎることはない。まだ記憶に新しい福島第一原発事故に改めて向き合い、日本の進むべき道を考えるきっかけにしてほしい。

(江口 由美)
 

 

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<作品情報>
『Fukushima 50』
(2019年 日本 112分)
監督:若松節朗
原作:「死の淵を見た男吉田昌郎と福島第一原発」門田隆将(角川文庫刊)
出演:佐藤浩市、渡辺謙、吉岡秀隆、緒形直人、火野正平、平田満、萩原聖人、吉岡里帆、斎藤工、富田靖子、佐野史郎、安田成美
3月6日(金)より大阪ステーションシティシネマ他全国ロードショー
公式サイト→https://www.fukushima50.jp/
 (C)2020『Fukushima50』製作委員会

 

 

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