レポートインタビュー、記者会見、舞台挨拶、キャンペーンのレポートをお届けします。

舞台挨拶の最近の記事

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 ありえるかもしれない未来を舞台に、高校生の友情の危うさと管理社会への反抗を描いた唯一無二の青春映画、『HAPPYEND』がテアトル梅田、なんばパークスシネマ、シネ・リーブル神戸、MOVIX京都、MOVIXあまがさき他全国で絶賛上映中だ。
 
 撮影地・神戸にあるシネ・リーブル神戸で上映後に行われた空音央監督の舞台挨拶では、撮影に協力した二つの高校の関係者や生徒も劇場に駆けつけ、撮影時の熱気そのままの感動が押し寄せた。その模様をご紹介したい。
 
―――撮影場所が神戸になった経緯は?
監督:学校がすべてです。神戸工科高等学校、神戸市立科学技術高等学校の二つの高校がなければ撮れなかった作品です。拍手を送りたいです。本当に深いふところで受け入れてくださいました。神戸という街自体も、電車を降りた時から、道で座っていたおじいちゃん、おばあちゃんから手を振られたり、街自体に受け入れられた感覚があります。神戸フィルムオフィスのみなさんも、映画愛や神戸愛がアツく、いろいろな場所を紹介してもらいました。ロケハン中は、神戸の家賃を検索していたぐらい神戸が好きになったので、戻ってこれて本当に嬉しいです。
 
 
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―――昨年夏の撮影していますが、印象的なことは?
監督:本当に暑く、台風が2つぐらい直撃する感じだったのですが、高校の冷房設備を全部取り換えしている時期だったんです。学生のエキストラが多かったので、熱中症だけは気をつけましたが、みなさんのおかげで無事に撮影できました。学校の先生たちもいろいろと動いていただき、ありがとうございました。
 
―――(以降、観客より)表情をクローズアップしている印象をうけたが、心情の変化を撮る上で監督が大事にしていることは?
監督:今回の俳優陣でメインの5人のうち4人が今回初出演で演技未経験でした。キャラクターの似ている人たちが奇跡的にみつかったので、一番気にしていたのは、空想上の設定の中でいかに自分らしくいられるかをワークショップでずっと練習しました。もし映画の設定に自分が置かれたら、どのような反応をするのかをしつこく聞きましたし、一緒に演じている相手にどれだけ集中して自然な反応をえられるかを繰り返しやりました。演技の技術は経験はありませんが、自然体にできていたと思うし、いい表情のときは、本人たちにとっても感情が少し動かされているような状況だったと思います。
 
 
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―――音楽面について、どのようなものにインスピレーションを得て、劇伴を作ったのか?
監督:音楽は本当にこだわりがあり、撮影や音楽を通して重要な核と言えるコンセプトがありました。近未来の設定ですが、ショットの構成の仕方や照明の作り方、音楽の感情を作る際に、彼らが今の僕と同じ33歳ぐらいになったときに、自分の高校時代を思い返すような感覚で撮ろうと決めました。さらに近未来から、近未来を撮りたいと思い、それを踏まえて音楽を作りました。だから楽しいシーンでも必ずしも楽しいものではなく、ちょっと悲しかったり、喧嘩のシーンでも初めて言い合える仲になってよかったねという感じにしたり。物語で実際に彼らが感じているのとちょっと違う視点で考えたので、お客さまから「懐かしい」と言われるのもそこから来ていると思います。僕自身が高校生のころを思い返しながら、脚本を書いているのでそうなっているのかもしれませんが。
 
 
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―――どうして近未来を舞台にしたのか?
監督:発案したきっかけはいくつかあります。大学自体に311(東日本大震災)がきっかけで企業や政府の行動を注意深く追い、様々な本を読んで調べるようになったのです。政治性が芽生えた時期で、当時アメリカでは政治運動がより盛んだったのですが、オキュパイ・ウォールストリート(経済格差の是正などを訴えるウォール街デモ)やブラック・ライヴズ・マター(人種差別抗議運動)があり、その後、トランプが大統領になった激動期にこの作品を発案しました。それと同じ時期に、日本の地震の歴史を調べた結果、衝撃的だったのが1923年に起きた関東大震災と、その際に起きた朝鮮人虐殺という大事件です。その事件を調べていた2014年から15年当時、ヘイトスピーチが大久保で多かったのです。その事象と歴史を見ると、そのときに起きてしまった虐殺の原因となる差別が現代に残っていたのではないかと感じました。東京に戻ったとき、よく言われるのは「30年以内に大地震があるだろう」という話で、差別や植民地主義の歴史に起因する構造的な暴力が反省されないまま、大地震が起きてしまったらどうなるのだろう。そういうことは起こり得るという危機感から未来のことを考え始めたのがこの映画を作りたいと思う衝動の一つです。
 だだ、そのことが書きたいわけではなく、大学時代に体験した友情の決裂の感情や、友人たちと政治性の違いで自分から距離を置いたり、切り離されたりしたのがすごく悲しい出来事として残っており、その感情を描きたかった。歴史的事実を知った危機感と、大学時代の感情が合わさって、この作品ができました。
 
―――タイトルがどんどん変わったそうですが、『HAPPYEND』に落ち着いた理由は?
監督:最初は、この映画を発案するきっかけの自然現象である『地震』と仮につけていたのですが、『地震』はメタファーなので、それが起こすトラウマと本当に向き合っている映画ではないし、本当に地震を体験した人たちに変な印象を与えるのではないかと思っていました。次に『トレモロ』というタイトルにしていた時期もありましたが、映画を観終わったあとにタイトルが出ると、違和感があったのです。50個ぐらいの候補の中でずっと頭の中に『HAPPYEND』ハッピーエンドが残っていました。よく考えてみると、シンプルなフレイズだけど、“HAPPY”が持っている溌剌とした語感と、”END“が持っている終末的な世界観が合わさったとき、映画の一番最後に感じる感情、友情関係は終わってしまうけれど、若者のエネルギーが現れているのではないかと思いました。
 
 
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最後に神戸市立科学技術高等学校の河野彰信校長が、2校を代表して空音央監督に花束を贈呈。河野校長は「物作りをやっている学校なので子どもたちにも刺激になると思い、二つ返事でお受けしました。映画を拝見すると、背景の中でたくさん使っていただき、映画は背景のロケ地が重要な役割を果たしていると感じました」と、今後も撮影協力することを明言。空音央監督も、作品を作る際に参照した資料や、パレスチナ支援窓口が掲載されているスペシャルペーパーを来場者にプレゼントし、「神戸素晴らしかったです」と最後に改めて感謝の言葉で締めくくった。
(江口由美)
 
『HAPPYEND』映画レビューはコチラ
 

 
<作品情報>
『HAPPYEND』
(2024年 日本・アメリカ 114分)
監督・脚本:空音央 
出演:栗原颯人、日高由起刀、林裕太、シナ・ペン、ARAZI、祷キララ、中島歩、矢作マサル、PUSHIM、渡辺真起子、佐野史郎 
テアトル梅田、なんばパークスシネマ、シネ・リーブル神戸、MOVIX京都、MOVIXあまがさき他全国で絶賛上映中
(C) Music Research Club LLC
 

hajimari-bu-550.jpgモントリオール映画祭で最優秀ドキュメンタリーを受賞した「健さん」、故・樹木希林さんが企画・出演した「エリカ38」などで注目を集める日比遊一監督の最新作『はじまりの日』が10月11日に全国公開されました


hajimari-pos.jpg本作は従来のミュージカル映画とは一線を画す、フィルム撮影にこだわった抒情的な映像と魂の歌声で紡ぐ大人のための音楽ファンタジーです。主演を務めるのは、ex JAYWALKのボーカリストとしてミリオンヒットを飛ばし、「何も言えなくて・・・夏」にて日本レコード大賞を受賞したロックスター・中村耕一。中村とともにW主演を演じるのは、2020年5月シングル「Pride」でソニー・ミュージックレーベルズ/アリオラジャパンからメジャーデビューし、その歌唱力、表現力にミュージカルでも注目されている実力派シンガーの遥海


かつて一世を風靡したロックスターと、未来の歌姫という世代を超えたコントラストの中で描かれるのは、再び光を放つことへの優しい視線と自信を小さな一歩へ変える勇気。そして脇を固める実力派の俳優陣が物語をさらに味わい深いものに導いています。


この度、本作の公開を祝して、10月11日にTOHOシネマズ日比谷にて初日舞台挨拶を開催いたしました!

アーティストにして初演技に挑み、W主演を飾った中村耕一さんと遥海さん、そして共演の竹中直人さん、日比遊一監督の4名が登壇し、ついに全国公開となった喜びやお互いの印象、そして中村より満席の観客を前に、赤裸々な衝撃告白が飛び出すなど、イベントは大盛況で終了いたしました。


■日時:10月11日(金) 14:30~15:00 ※上映前舞台挨拶
■場所:TOHOシネマズ日比谷 スクリーン7 (千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷4F)
■登壇者:
 中村(なかむら)耕一(こういち) ( ex JAYWALK/73歳/男役)、(はる)()(28歳/女役)、
     竹中たけなか直人なおと(68歳/矢吹役)、日比ひび遊一ゆういち監督(60歳)
  司会:伊藤さとり  



hajimari-bu-中村耕一(ex JAYWALK).jpg公開を迎え、中村は「映画は何回か観ましたが、まだ正視できないというか、ちょっと照れ臭いですね・・・」と照れ笑い。遥海も「プライベートでも何度か来ている映画館で、まさか自分が舞台挨拶の立つ側になるなんて思ってもみなかったです。自分の歌っていない姿を見られるのって、なんだか内臓を見られている気分で・・・」と照れながら、「赤裸々に演じたので、皆さんにその気持ちが届いたらいいなと思います」と胸を張った。


“男”の同僚で、音楽プロデューサー・矢吹を演じた竹中は、中村・遥海と共演し、「役者の次元ではないところに存在してくださった。お二人とも少年・少女のようで、とても柔らかい空気を出していたんです。なので、とても居心地が良かった。こうやって“恥ずかしい”と仰っていますが、とてもピュアで可愛い!僕も映画に出るなんて、未だに恥ずかしいですから」と笑顔で二人を称えていた。
 

hajimari-bu-竹中直人.jpgそんな竹中との共演に中村は「現場では、普段の竹中さんとカチンコが鳴った時の竹中さんとが、あまりにも違ってギャップが大きすぎて・・・」と、俳優・竹中直人になった時を目の前にして驚いたことを告白した。そして、「昔からファンだった竹中さんと共演させていただいて光栄でした。目の前で“笑いながら怒る人”をやってもらってどうやるのか教えてもらって最高でした」と、楽しそうに裏話も披露した。


その言葉に竹中は「とにかく耕一さんがチャーミング。何も知らないで存在している感じがいい。その空気を感じることができて楽しかったです」とニッコリ。「あと、劇中で耕一さんがギターを弾きながら階段を下りていくシーンがあるのですが、そこは“階段気をつけて”とちょっとドキドキしちゃいました」とおどけて見せ、「遥海さんの歌声も凄い歌唱力で、本当に圧倒されました。お二人を前に、目もくらむような時間を過ごさせてもらいました」と充実感を覗かせた。


hajimari-bu-遥海.jpg一方で遥海は「カメラが回っていないときの竹中さんは、もの凄く楽しい方で、現場の雰囲気が和むんです。今日も隣の控室から口笛が聞こえてきて、(現場を思い出して)懐かしい気持ちになりました」と、竹中の存在感に感謝した。


また、本作にある「まだ、諦めていない」というテーマにちなみ、「まだ諦めていないことは?」という質問が。13年前の不祥事を引き合いに出しつつも、中村が「歌をずっと歌っていくことを諦めないで、頑張っていきたい」と答えると、会場からは温かい拍手が送られた。遥海は「諦めていないというか、まだ目指しているものですが」と前置きをしつつ、「たくさんの人に自分の歌声を聞いてもらいたい。そして、徐々に会場を大きくして、いつか東京ドームの舞台にも・・・なんて夢を見てもいいかな。と思っています!」と目を輝かす。思わず「東京ドームなんて言っちゃった・・・」と恥ずかしがると、中村が「いいんじゃない?」と背中を押し、「コンサートもそうですが、映画の中で歌う遥海さんの歌は、本当に圧倒的なんです。それを残してもらいたいという想いが僕にもあります」と言って、遥海に寄り添って見せた。


hajimari-bu-日比遊一監督.jpg日比監督は「映画を映画館で観てもらいたい。その文化を残していきたと強く思っています。映画の画面力、歌の力を(映画館で)体感してほしいですね」と力強く語った。


さらに、満席の観客を前に、登壇者が“今だから言える”本当のことを告白することに!最初は口ごもっていた3人だが、遥海は「実は今月のライブで映画の中の歌を歌います!」と発表。中村は「ライブの時や、ここぞというときには赤い下着をつけています」と衝撃の告白をし、会場を沸かす。「以前、俳優の方にはそういう方が多いと聞いて。僕もライブで履いてみたら、凄く上手くいったんです。巣鴨のパンツも持っていますよ」と明かすと、竹中も「僕も今舞台をやっているんですが、赤いパンツを履きますよ」と同調し、中村と顔を見合わせて笑った。


竹中は「耕一さんや、舞台でご一緒している野田秀樹さんのように、同年代の男の人が頑張っている姿を見ていると思わず後ろから抱きしめたくなるんです」としみじみ。


hajimari-bu-中村、遥海.jpg最後に遥海が「それぞれの役の方々の心情の変化、男の再生、女の誕生のお話ですが、あの頃の自分にちょっと似ているな。分かるな。と、ご自分と重なる部分を思い浮かべながら、この映画を観てもらえたら嬉しいです」とコメント。中村は「“諦めない”ということが1つのテーマになっていますが、人生の中で諦めなきゃいけないことはあると思うんです。でも、諦めたくないものは諦めないでほしい。僕もこの過去13年くらいの生活でもそうでしたが、諦めないということが大切だと思います。それをこの映画で感じてもらえたら。音楽と同じで、皆さんが感じるままに映画を楽しんでもらえたら嬉しいです」とメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。
 


【出演】中村耕一 遥海              高岡早紀 山口智充 岡崎紗絵 羽場裕一
              尚玄 鈴木美羽 穴倉秀磨 秋野暢子 麿赤兒/竹中直人
【監督・脚本・プロデュース】日比遊一
【配給】ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
【コピーライト】©︎ジジックス・スタジオ
・公式HP:hajimarinohi.jp
・公式X:@hajimarinohi_jp

2024年10月11日(金)~TOHOシネマズ 日比谷、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、OSシネマズミント神戸 ほか全国ロードショー!(10月5日(土)ミッドランドスクエア シネマ名古屋 先行)


(オフィシャル・レポートより)

 

 
 

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■⽇ 程: 10⽉3⽇(⽊)舞台挨拶 19:00〜19:30

■会 場: テアトル新宿(東京都新宿区新宿 3-14-20 新宿テアトルビル B1F)

■登壇者: 井浦新、⽔原希⼦、三浦透⼦、⻫藤由貴、永瀬正敏、甲斐さやか監督 (敬称略)



⻑編映画デビュー作『⾚い雪 Red Snow』(19)が第14 回 JAJFF(Los Angeles Japan Film Festival) 最優秀作品賞を受賞するなど、繊細かつ圧倒的に作りこまれた世界観が国内外問わず⾼く評価されている甲斐さやか監督の最新作、⽇仏合作映画『徒花 -ADABANA-』の公開が 2024 年10 ⽉18⽇(⾦)にテアトル新宿、TOHO シネマズ シャンテ他で全国順次公開いたします。


adabana-pos.jpg映画『徒花-ADABANA-』の完成披露上映会が、10 ⽉ 3 ⽇に東京・テアトル新宿にて開催され、主演の井浦新をはじめ、共演の⽔原希⼦、三浦透⼦、⻫藤由貴、永瀬正敏と、監督を務めた甲斐さやかが舞台挨拶に登壇した。⻑編映画デビュー『⾚い雪 Red Snow』(19)が第 14 回 JAJFF(LOS Angeles Japan Film Festival)で最優秀作品賞を受賞するなど、繊細かつ圧倒的に作りこまれた世界観が国内外問わず⾼く評価されている甲斐さやか監督の最新作となる、⽇仏合作映画『徒花-ADABANA-』は、ウイルスの蔓延で⼈⼝が激減し、病にむしばまれた上層階級の⼈間だけにもう⼀つの⾝体「それ」の保有が許されるという世の中で、⾃分の「それ」と対⾯した男の葛藤を描き出す。死が⾝近に迫る新次を井浦新、臨床⼼理⼠まほろを⽔原希⼦が演じ、他にも三浦透⼦、⻫藤由貴、永瀬正敏ら豪華実⼒派俳優が顔を揃えた。


タイトルの『徒花(あだばな)』とは、「無駄な花」を意味するが、そこにこめられた美学と⽣命の価値、今ここにある「怖さ」を突きつける本作。甲斐監督が 20 年以上かけ構想し、書き上げたオリジナル作品であり、フランスの国⽴映画映像センターが⾏う助成制度「CNC」の対象作品で、第 37 回東京国際映画祭の新設部⾨となるウィメンズエンパワーメント部⾨への出品も決定するなど、多くの注⽬が集まっている。



満席の会場を⾒渡しながら、井浦は「通いなれたテアトル新宿で、この作品で⼀緒に登壇する監督、共演者の皆さんと、こちら(舞台)側からいつもと全然違う景⾊を⾒せていただいてありがたく思います」と感慨深げ。

⽔原も「撮影していたのは 2 年前。まだコロナ禍で、今とは全然違う状況でした。私⾃⾝が観たいと思う作品に出られたことをとても嬉しく思います」と喜びをかみしめる。

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新次の過去の記憶に登場する、海辺で知り合った謎の「海の⼥」を演じた三浦は「撮影⾃体は短かったのですが、もの凄く印象に残っていて、好きな映画です。皆さんに届けられて嬉しいです」と微笑みながらも、撮影は過酷だったようで、「寒かったです(笑)。でも皆さんに『⼤丈夫︖』と⾔っていただいて、あんなにケアをしてもらった現場はほかになかったです。楽しい撮影でした」と述懐していた。

 


adabana-500-3.jpg新次の幼い頃の⺟親役を演じた⻫藤は「最初に出演のお話をいただいたときに、ディレクターズステートメントというものを頂戴し拝読しました。その時にとても印象的だったのが、扱っているテーマは難しい部分があるけれど、甲斐監督が作りあげたこの映画の⾏間にある空気感みたいなものを、皆さんに感じていただきたいと思いました。私はとても毒々しい役を演じておりますが、とてもやりがいのある挑戦でした」と語る。役柄的に⼤⼈の新次と会うことはないが、井浦は⻫藤の撮影現場にも駆けつけていたという。

新次の主治医を演じた永瀬は「この映画の完成作品を観たときに、もうすぐに次回作が観たいと思えた作品でした。甲斐監督の⼼の中に思いを皆さんに届けてほしいと思いました」と、すっかり監督の世界観に魅了された様⼦。


甲斐監督は「この⽅に出ていただきたいと思った⽅々に出ていただけたことは、あらためて⼤それたことをしたもんだなと(笑)。とても素敵なキャストの⽅々が魂を削って、そこに存在してくださったことに本当に感謝しますし、お芝居が本当に素晴らしいです」とキャスト陣に感謝を表した。


adabana-500-5.jpg新次と「それ」の⼆役を繊細に演じた井浦は、感想を聞かれ「もう具合が悪くなりました」と苦笑い。それでも「これまで1⼈2役の経験がなかったので、絶対にやりがいしかないだろうなと思いましたね」と意欲満々。甲斐監督作品の『⾚い雪 Red Snow』(2019年)にも出演しているが、「甲斐監督の作品に没⼊するのは、俳優として凄く幸せを感じるんです。どれだけ苦しくて、具合が悪くなって、痛くても、それが全て喜びへと変わっていく。それを⼀度経験させてもらっているので、またこの『徒花』で無茶苦茶やらせてもらえるんだ︕と嬉しさもありながら、不安しかなかったりもしました」と⼼情を吐露。


井浦の熱量も⼤きかったようで、監督は「井浦さんからも⾊々なヒントをいただきましたので、それを絶対に形にしようと思いました。もう皆さん凄くて、⾒どころがたくさんある。俳優の⼒って本当に凄い。驚くばかりでその感動が多いです」と俳優たちの⼒量に圧倒されていた。


adabana-500-1.jpg⽔原も臨床⼼理⼠を演じるため、実際に臨床⼼理⼠にインタビューをして役作りをしていったそうで、「病院に勤める臨床⼼理⼠の⽅の、(患者との)距離感が絶妙なんです。どこまで受け⽌めて、寄り添って、仕事としてまっとうするか・・・。これはとんでもなく⼤変なお仕事だなと」と感銘を受けながら演じていたと話した。

井浦とは初共演となる⽔原。「新次とまほろの絶妙なもどかしい関係値」と⾔い、難しさもあったようだが、井浦の印象を「天使です︕」とニッコリ。「⾃分が役と葛藤して不安そうにしていると、『⼤丈夫、⼤丈夫だよ』と⾔ってくださって」と井浦に感謝。「私は皆さんに⽀えられて演じることができました」としみじみと振り返っていた。

⼀⽅で、井浦は⽔原を「希⼦さんは本当にまじめです。初めての顔合わせのときも臨床⼼理⼠の話が⽌まらなかったです(笑)。⾃分の出番がないときでも常に現場から離れず、寄り添って、最⼤限に楽しみながら、苦悩しながら臨んでいる姿がとても素晴らしかった。本当にまじめに役にしっかり向き合う⽅だと感動しました」と絶賛する。


adabana-500-4.jpg⼀⽅で、本作のオフィシャルカメラマンも務めた永瀬。「撮影の合間にも⾊々なところをカメラに収められて幸せでした」と充実感を滲ませると、監督が「朝からオ⿊⼦に徹していて、オーラを消して現場にいるので、(永瀬だと)知らないスタッフが普通にスタッフのように永瀬さんに指⽰出していましたよね(笑)三浦さんの海のシーンでもずっといらっしゃって。最後まで待ってくださって凄くいいショットになりました」と感動しきり。

井浦も「永瀬さんが甲斐組の守り神のようにいてくれましたね」と微笑み、「本当に素晴らしい素敵な写真がたくさん⾒られます」と伝える。永瀬は恐縮しながらも「次もカメラマンとして呼んでください(笑)」と監督におねだりも。


“徒花”というタイトルについて、監督は「“無駄な花”と⾔う意味もありますが、⼈間の存在を描いているような作品にしたかった」ですと述べ、「忙しい⽇々の中で⾃分を⾒失ってしまうような現代に⽣きていることもあるかもしれませんが、ちょっと⽴ち⽌まってそこに空虚だけでなく希望のようなものを作品に託したつもりです。役者の皆さんが⽣々しいお芝居で強いメッセージを送っているので、何かを感じ取っていただいて、その思いを抱きとめていただけたら嬉しいです」と思いの丈を⼝にする。


最後に、井浦は「甲斐監督の私たちへの問いかけは、本当に鋭い⽬には⾒えないくらい刃で突き刺してくるような衝撃がありますが、その刃に刺されると痛みもありますし、苦しさもありますが、その痛みを越えた先には作品を観た⼈の数だけ素敵なものが待っていると思います。この作品は観れば観るほど楽しくなっていくと思います」とアピール。

そして、監督が「構想から凄く⻑い年⽉が経って、ようやくこの作品を作ることができましたが、このキャストの皆さんに出ていただかなければ全く違う映画になったと思いますし、いま撮れて本当に良かったなと思います。この⽅々の感性というものを掛け合わせての『徒花』だったと思います。お芝居の凄さにもきっと衝撃を受けていただけるんじゃないかなと。現実が急激に⾃分を追い越していくようなスピードで、じっくり⾊々なことを考える時間が持てない時代だと思いますが、スクリーンで皆さんと対話して思ったことをまた教えていただけたら嬉しいです」とメッセージを送り、舞台挨拶を終了した。
 


【『徒花-ADABANA-』作品情報】

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【STORY】
裕福な家庭で育った新次(井浦新)は、妻との間に⼀⼈娘も⽣まれ、周りから⾒れば誰もが望むような理想的な家族を築いていた。しかし、死の危険も伴うような病気にむしばまれ、とある病院で療養している。⼿術を前にした新次には、臨床⼼理⼠のまほろ(⽔原希⼦)が⼼理状態を常にケアしていた。しかし毎⽇眠れず、⾷欲も湧かず、不安に苛まれている新次。

まほろから「普段、ためこんでいたことを話すと、⼿術に良い結果をもたらす」と⾔われ、過去の記憶を辿る。そこで新次は、海辺で知り合った謎の「海の⼥」(三浦透⼦)の記憶や、幼い頃の⺟親(⻫藤由貴)からの「強くなりなさい、そうすれば守られるから」と⾔われた記憶を呼び起こすのだった。記憶がよみがえったことで、さらに不安がぬぐえなくなった新次は、まほろに「それ」という存在に会わせてほしいと懇願する。

「それ」とは、病気の⼈間に提供される、全く同じ⾒た⽬の“もう⼀⼈の⾃分(それ)”であった……。

「それ」を持つのは、⼀部の恵まれた上層階級の⼈間だけ。選ばれない⼈間たちには、「それ」を持つことすら許されなかった。新次は、「それ」と対⾯し、⾃分とまったく同じ姿をしながらも、今の⾃分とは異なる内⾯を持ち、また純粋で知的な「それ」に関⼼を持ちのめりこんでいく……。


出演:井浦 新 ⽔原希⼦ / 三浦透⼦ 甲⽥益也⼦ 板⾕由夏 原⽇出⼦/ ⻫藤由貴 永瀬正敏
脚本・監督:甲斐さやか
プロデューサー:布川 均 宮⽥公夫 ビックァン・トラン ⾚澤賢司 上野弘之
撮影:⾼⽊⾵太
⾳楽:⻑屋和哉 ⾳楽プロデューサー:akiko
制作プロダクション:ROBOT DISSIDENZ
配給・宣伝:NAKACHIKA PICTURES
Ⓒ2024「徒花-ADABANA-」製作委員会 / DISSIDENZ
映画公式 HP:adabana-movie.jp
映画公式 X・Instagram @adabana_movie

2024年10⽉18⽇(⾦)~テアトル新宿、TOHO シネマズ シャンテ、テアトル梅田、アップリンク京都、シネ・リーブル神戸 他全国順次公開


(オフィシャル・レポートより)


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映画『恋を知らない僕たちは』(配給:松竹)が、本作で映画初主演となるなにわ男子の大西流星 を主演に迎え、2024 年 8 月 23 日(金)より全国上映中です。原作は水野美波による超人気少女コミック「恋を知らない僕たちは」(集英 社マーガレットコミックス刊)。思い悩み、時にはぶつかりながらも、それぞれの“本気の恋”に向き合う 6 人の高校生たちをリアルに描き出す。 予想外の恋の行方に<360 度キュンとして共感>する等身大(リアル)ラブストーリーとなっております!

 
本日9月18日(水)に、関西にて大西流星・酒井麻衣監督が登壇する大阪凱旋舞台挨拶を実施いたしました。本作で映画初主演 を果たした大西流星にとってはゆかりのある大阪での凱旋、酒井監督には初の関西での舞台挨拶となりました。作品への熱い想いや、撮影時の エピソードをお 2 人からたっぷりと聞かせて頂きました。さらに、貴重な関西での舞台挨拶ということで、大阪の印象や思い出だけではなく、大西さ んに本編の印象的なセリフを“関西弁”で披露して頂くコーナーも!関西弁でのセリフに会場が大盛り上がりとなりました。


◼日時 : 9 月 18 日 (水) 15:10~15:30 ※上映前イベント

◼会場 : なんばパークスシネマ スクリーン7
   (大阪市浪速区難波中 2-10-70 なんばパークス8F)

◼登壇者:大西流星、酒井麻衣監督 ※敬称略 



予想外の恋の行方に<360度キュンとして共感>するラブストーリー『恋を知らない僕たちは』(8月23日公開)が、大ヒット公開中。9 月18日に大阪の映画館で“コイスル大阪凱旋舞台挨拶”が実施され、主演の大西流星、酒井麻衣監督が登壇した。


念願の大阪での舞台挨拶に大西は、「本当に率直になんばパークスシネマに来るのも久しぶりで、学生時代にもなんばパークスシネマで映画を観たこともありますし、すごく懐かしい空間に自分の初主演作で登壇できていることを嬉しく思います。(初主演作品ということで)感慨深いですし、その作品をたくさんの方が観てくださって、色んな感想を頂けるので本当に素敵な宝物だなと思います。」と感激の面持ち。酒井監督も本作では初となる関西での舞台挨拶に「元々関西に住んでいたこともあり関西弁は聞き馴染みがあったので、私も今日帰ってきた気持ちで、アットホームで嬉しいです!」と笑顔で語った。


koiboku-bu-onishi-240-2.jpg撮影や演技についてお 2 人はどのような話をされたのかと聞かれると大西は「顔合わせの時から何回か一対一でお話をさせて頂いていて、本読みの時にもそうですし、特に英二のキャラクター像を作りあげていく上での摺り合わせは、とても丁寧に監督がしてくださっていました。あとは撮影初日の後だったり撮影期間の合間にも会話する機会があったので、結構しっかりと(撮影や演技について)話すことはありました。」と演技や役作りについて答え、一方で酒井監督は「俳優の大西さんとして英二くんと向き合っていたんですが、1 回先生と生徒みたいになったエピソードがありまして、撮影のために色付きリップ禁止という校則を作っていたんです。そしたらある日、しゃがんだ時に大西さんのポケットから色付きのリップがポロッと落ちてきて、そのあと一瞬目が合った時に「やば!」みたいな顔をしていて…その時だけ先生と生徒みたいな瞬間がありました」と裏話を証言、大西も「まさか色付きリップ禁止とは思っていなかったので校則間違えていましたね…」と苦笑いし、会場が笑いに包まれた。


撮影中のエピソード話が続く中、この日はなんと、本作で共演した窪塚愛流、齊藤なぎさ、莉子、猪狩蒼弥、志田彩良から座長である大西へのミッション動画もサプライズで到着。「グッとくる「恋僕」の胸キュンセリフを関西弁で披露」というお題を受けて大西は「関西弁でという前振りで発表するの恥ずかしいですね…みなさん、キャー!って言ってください」と照れつつ、劇中のセリフ「でもなんかほっとけないんだよ!」を大阪弁で「なんでやろ、ほっとかれへんねん!」とさわやかな笑顔で披露。大西からの胸キュンセリフに観客からは黄色い歓声が上がり、会場の温度が急上昇する一幕となった。酒井監督も「ぜひともこのセリフのあとに『コイスルヒカリ』を流して欲しいですね!」と感想を述べた。

 

koiboku-bu-sakai-240-1.jpg笑いの絶えない舞台挨拶もあっという間に終了の時間に。酒井監督は「青春のキラキラやヒリヒリが詰まった映画となっています。自分と重ね合わせたり、こういう事あったらいいなという事も思いながら、ぜひ、楽しんでください。本日は本当にありがとうございました!」と改めて本作への想いと感謝の気持ちを語った。


主演の大西は僕の初主演作でもあるこの作品は原作も本当に面白いです。僕は原作を読んでから台本を読んで、映画の撮影に挑んだんですが、映画を観るとまた原作も読みたくなって…そんな味わい深い映画だなと思っています。6 人の恋が交錯するって複雑な設定なのかなと思いきや、とても丁寧に酒井監督初めスタッフのみなさんが描いてくださってるので、すっと入れますし、そのなかで同世代の素敵なキャストと一緒にお芝居することができました。その作品をみなさんに観て頂けるということをすごく嬉しく思ってますし、もっともっと『恋僕』の世界観にどっぷりと浸かっていただけるよう願っています。これからも『恋僕』の応援、よろしくお願いいたします!」と呼びかけ、記念すべき大阪での凱旋舞台挨拶は大盛況で幕を閉じた。


『恋を知らない僕たちは』

出演:大西流星
   窪塚愛流 齊藤なぎさ 莉子 猪狩蒼弥 志田彩良
原作:水野美波 「恋を知らない僕たちは」(集英社マーガレットコミックス刊)
監督:酒井麻衣  脚本:大北はるか
主題歌:なにわ男子「コイスルヒカリ」(ストームレーベルズ)
©️2024「恋を知らない僕たちは」製作委員会 ©️水野美波/集英社
配給:松竹
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/koiboku-movie/

全国絶賛公開中!


(オフィシャル・レポートより)

 


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第77回カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞において、女性監督として最年少受賞に輝いた山中瑶子が監督・脚本、河合優実主演の『ナミビアの砂漠』が9月6日より全国公開中です。この度、大ヒット御礼舞台挨拶を行いました。


アカデミー賞受賞作『ドライブ・マイ・カー』に続く受賞の快挙!


世の中も、人生も全部つまらない。やり場のない感情を抱いたまま毎日を生きている、21歳のカナ。優しいけど退屈なホンダから自信家で刺激的なハヤシに乗り換えて、新しい生活を始めてみたが、次第にカナは自分自身に追い詰められていく。もがき、ぶつかり、彼女は自分の居場所を見つけることができるのだろうか・・・?


監督は19歳という若さで『あみこ』を作り上げ、史上最年少でのベルリン国際映画祭出品を果たした若き天才・山中瑶子。主演はその『あみこ』を観て衝撃を受け、監督に「いつか出演したいです」と直接伝えに行ったという、河合優実。才能あふれる2人の夢のタッグが実現した本作は、今年のカンヌ国際映画祭 監督週間でも絶賛され、国際映画批評家連盟賞を受賞。カンヌでのワールドプレミア、上海国際映画祭でのアジアプレミアを経て、いよいよ日本での公開を迎えた。

また、アメリカ、カナダ、フランス、台湾、韓国での公開も予定されるなど、世界中でナミビア旋風が吹き荒れること間違いなし!

山中瑶子監督のもと、いじわるで、嘘つきで、暴力的。それでも夢中になってしまう中毒的な魅力を持ったカナという初のチャレンジとなるキャラクターを演じ切った河合優実。今最も熱い、パワーあふれる新世代の才能がタッグを組み世界を沸かせ、日本にも旋風を巻き起こしている本作の大ヒットを記念した舞台挨拶となります。


◆日程/9月17日(火) 会場/Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下

◆登壇者 /河合優実・山中瑶子監督


公開初日より都内を中心に満席回が続出、Filmarks初日満足度ランキングでは邦画実写1位となるなど、大きな熱狂を呼んでいる!SNSでは河合優実と山中瑶子監督が生み出した、圧倒的なエネルギーを放つ中毒性を持つ主人公カナに魅せられた声が相次ぎ、熱狂を呼び起こしている『ナミビアの砂漠』。この熱気をそのままに大ヒット御礼舞台挨拶を開催致しました!

 

9月17日には都内映画館で大ヒット御礼舞台挨拶が実施され、主演の河合優実、山中瑶子監督が登壇した。


namibia-9.17bu-kawai.jpg東京で生きる 21 歳のカナを演じた河合は公開初日のイベントで「映画はここから旅立つので、祈りながら見守っていきたいです」とコメントを残していたが、そこから今回の大ヒットを受けて「自分の好きな映画館で舞台挨拶ができて嬉しいです。」と挨拶。「身近な人や友人が今年見た中でぶっちぎりで好きですと言ってくれました。関係者の方も映画館に観に行ってくれていて、色んな人が楽しみにしていたんだなと実感しました」と大ヒットを喜んだ。


山中監督も「この Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下で上映していただきたいという強い想いで映画を作りました」と続け、満席の観客に向けて「映画を観終わったあと、建物から出て前と後ろを見たらその理由が分かると思います。映画と現実が接続されているんです」とコメント。


主人公カナについて河合はカナについても(意見が)様々で、取材とか受けてもライターさんとか自分自身と重ねる人もいるし、全くの他者として見る人もいる。こんなに多面的な映画なんだと分かった」と話し、山中監督は共感できるできないが分かれやすいなと公開してから感じました。そうじゃないところでも楽しんでもらえると思っているので、好きなように観ていただきたい」とアピール。


「あんのこと」、「ルックバック」と今年3本目の主演映画、どれも全く違う役どころで、しかもどれも大ヒットという状況について河合は「幸せなことだと思います。それぞれの作品で全く違うチャレンジができたのも一番良かったです。私を違う作品で観てくれた方が、毛色の違う作品も観に来てくれているので、参加できて良かった。ほんとに色んな意味で幸せだと思ってます」と感謝を綴った。


20代(主人公カナ)のキャラクターを演じたことについて河合は「これまではどうしても年齢的なことで高校生の役とか多かったですし、下の年齢の役を演じることが多かった。「あんのこと」やカナも含めてですが、これからのことを考えると、その時にしかできない役に出会っていけてるなと思ってます」と振り返った。


namibia-9.17bu-yamanaka.di.jpg「今まで見たことのない河合さんを撮りたかった」と話していた監督。河合さん演じるカナの魅力が、SNSでも話題となっているが、カナという役を作りあげる上で河合は「脚本をいただく前から何度か(監督と)お会いしてお話する機会があって。作品についてではなく、身の回りのこととか、お互いが感じていること、山中監督が映画で描きたいことを話しました。なので、キャラクターについてゼロから話す必要が無いのがすごく良かったです。」と明かし、山中監督は「河合さんとお会いしてこういう映画を作る予定です、とは言わずに、お互いの家族の話とか、東京で今生きている気分・ムードの話をしました。自分一人だと偏ってしまうところですが、友人知人、また全然知らない人など、いろんな人の話をいっぱい聞くことによって、普遍性も得られて多面的なキャラクターになると良いなと思って(脚本を)書いてました」と語る。


ここでSNSで募った質問を二人にぶつけることに。

Q:感情の波が激しい役柄を演じる際、どのようにして気持ちを切り替えていますか?

河合:「どんな役でも感情の波はあります。心に定まっているものはないんですけど、ベースとして、今演じている役柄に日常生活でも持っていかれるということは無いんです。できるだけ冷静に自分が演者としてできることは何だろうと考えてます」と答えた。今回演じたカナについても「自分でエンジンをかけないと心が追いついてこないということももちろんありました。ただ気持ちだけ先走って振り回されようということはないです。できるだけ生の気持ちがでるようにしようと心がけた。」


そんな役者としての河合について山中監督は「地に足がついているというか。河合さんとして現場にいるなと思います。いい意味で河井さんから出てきているカナだなと思います。勘だけでは絶対できない領域にいるな、と感じます」と河合の凄さを撮影では実感したそう。


Q:山中監督へは「ナミビアの砂漠」というタイトルについて?

 “他には悩まなかったのでしょうか 撮影の段階で決めたのか 撮り終わってから決めたのかも気になります”との質問に山中監督は「ナミビアでてこないじゃないか、行っていないじゃないかと思うかもしれませんが、カナにとってのナミビアの砂漠っていうのが、人との距離感だったり、色々な物との距離感の象徴としてあるんです。そのアイディアは脚本を書いている途中で浮かびましたが、このタイトルが名画の感じがしてしまって集客には向いてない感じがあるかもと不安になりました。けれど、出来上がったものをみたら、この映画はどうみても『ナミビアの砂漠』でした」と説明。撮影時にタイトルへの不安を明かされていた河合は正式にタイトルがナミビアの砂漠になったことを聞かせれ「お客さん入らなくていいと思っているのかなと思った」と会場の笑いを誘った。


Q:撮影後に感じたお互いの魅力、新発見したことについて?

河合:「(監督は」すごくピュアな人だなと思っていて。自分が信じていることとか、逆に疑っていることも含めて、そこに対する思いが強くてまじりっけが無くて素敵。ずっとそのままでいて欲しい」と伝えると、 「どうなってほしくないとかありますか?」と監督から質問に「怖い飲み会とかに行かないで欲しい」


山中監督:「一切ずるくない。打算的なところがない。なんかすごく物事とか人をフラットに見てくれる。」と語り、「取り乱して電話した時に、それは山中さんの木本ですから大丈夫ですよって言ってくれた。とっても優しいし、河井さんにも変な人が付かないで欲しい」と続けた。


最後に河合は「ほんとうに色んな感想をみてますし、凄く満ち足りた気持ちです。なので皆さんも映画がはじまったら、浸る気持ちで観て頂けたら嬉しい。そして何が感じルことがあったら、自分の中に残してほしい」よ呼びかけ、山中監督は「河合さんが演じたカナっていう21歳の東京近辺に住んでいるという 限定的な人物を描いているので、わかるわからないで楽しんでいただけると思うんですけど、それだけじゃないことも発見してもらったり、持ち帰ってもらえると嬉しいです」と締めくくった。
 


 『ナミビアの砂漠』は、海外の映画祭出品も続々と決定!

カンヌでのワールドプレミア、上海国際映画祭でのアジアプレミアに続き海外の映画祭出品が続々決定!
2024年 香港国際映画祭(香港/8月14日~8月26日)
第35回 エスポー・シネ国際映画祭(フィンランド/8月23日~9月1日) 
第32回 ハンブルク国際映画祭(ドイツ/9月26日~10月5日)
第19回 カメラジャパン・フェスティバル(オランダ/9月26日~10月6日)
第31回 台湾国際女性映画祭(台湾/10月18日~10月27日
第17回 サレ国際女性映画祭(モロッコ/9月23日~9月28日)
2024年 ウィーン日本映画祭 Jappanual(オーストリア/10月3日~10月9日)
第29回 釜山国際映画祭 A Window on Asian Cinema部門
第44回 ハワイ国際映画祭 ライジング・スター賞 ノミネート
 

脚本・監督:山中瑶子
出演:河合優実 金子大地 寛一郎 新谷ゆづみ 中島歩 唐田えりか 渋谷采郁 澁谷麻美 倉田萌衣 伊島空 堀部圭亮 渡辺真起子
製作:『ナミビアの砂漠』製作委員会
企画製作・配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024『ナミビアの砂漠』製作委員会
公式X   @namibia_movie
公式Instagram @namibia_movie 
2024年/日本/カラー/スタンダード/5.1ch/137分/PG12

全国にて絶賛公開中!


(オフィシャル・レポートより)


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第77回カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞において、女性監督として最年少受賞に輝いた山中瑶子が監督・脚本、河合優実主演の『ナミビアの砂漠』が9月6日より全国公開中です。この度、以下の通り公開記念舞台挨拶を行いました。

★作品紹介はこちら⇒ 


■日程:9月7日(土) 
■会場:TOHOシネマズ 日本橋 スクリーン7
■登壇者:河合優実・金子大地・寛一郎・山中瑶子監督



アカデミー賞受賞作『ドライブ・マイ・カー』に続く受賞の快挙!

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河合優実が「人生が変わった」と話す山中瑶子監督との奇跡の出会いから6年!念願のタッグが実現し、河合が天才と語る山中監督との現場は「楽し過ぎて逆に不安になるくらい楽しい撮影だった」と明かす。出演したドラマでは大きな話題となり、主演映画が立て続けに公開されるなど、2024年の顔と言っても過言ではない河合優実。そんな彼女の代表作となること間違いなしの映画『ナミビアの砂漠』がついに公開し、都内の劇場では満席が続出している。この度、映画鑑賞後の観客を前に、河合をはじめ金子大地、寛一郎、山中瑶子監督にネタバレを気にせず思い存分に語ってもらいました。

 

 



第77回カンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞した映画『ナミビアの砂漠』がついに公開!初日翌日となる9月7日には都内映画館で公開記念舞台挨拶が実施され、主演の河合優実、共演の金子大地、寛一郎、そして山中瑶子監督が登壇した。


Namibia-9.7bu-kawai-240.jpg東京で生きる21歳のカナを演じた河合は「山中監督の元、自由に作った映画が時間を掛けて色々な人の手に渡っていくことを実感していくような期間でした」と公開までの道のりを振り返り「公開初日を迎えてこれから皆さんの感想を受け取るのが楽しみです。映画はここから旅立つので、祈りながら見守っていきたいです」と大ヒットを祈願した。


一方、山中監督はカナという限定された個人を通して、今の日本で生きる空気感や普遍的なことを描くことも考えていたけれど、自由に撮らせていただきました。皆さんと共闘して、いい映画になったと思います」と胸を張った。


カナを演じる上で河合はカナはエキセントリックだしその面白さを楽しむ映画ではあるけれど、同時に自分の話だと思ってもらいたかった。東京ですれ違っているし、見たこともあるしという女の子像と映画で見て面白い生き物という点を意識。カナは暴れるし、ウソをつくし、気分屋でキャラクターとしての魅力を両方入れ込みたかった。カナは自分と同年代だし、その気分やエネルギーは学校や街中でこれまで私が感じてきたものを集めていきました」とこだわりを明かした。


Namibia-9.7bu-kaneko-240.jpg自信家で刺激的なクリエイターでカナの恋人・ハヤシを演じた金子は演じる中で自分の本質が見えると思ったので、純粋に演じました。カナとの芝居の中で自分がどんな気持ちになるのか。そして皆さんがハヤシをどう思ったのか気になります」と反応に興味津々。


優しいけど退屈なカナの同棲相手・ホンダを演じた寛一郎は「ホンダはスタッフさんの実際の体験談を元に作りました。カナの前でどんな風に崩れ落ちるのか、具体的に教えてくれました。僕としては“そんな崩れ落ち方する!?”と思いましたが」と苦笑い。


お気に入りシーンに触れて山中監督は「冒頭のカフェでの縮毛矯正の手のジェスチャーは演出ではなくて、河合さんが自然にやってくれた。凄いなと思った」と絶妙なアドリブに感激。また金子演じるハヤシが、カナとの口喧嘩中にカップラーメンを移動させる仕草が話題に上がると、金子は「河合さんの目が怖くて…。僕としてはカップラーメンにしか意識がいっていなかった」と振り返り、河合は「もちろんカップラーメンをハヤシにかけようとは思っていなかったけれど、かけてしまった日もあっただろうと。喧嘩の歴史が想像できるハヤシの仕草が好きです」と気に入っていた。


Namibia-9.7bu-kanichiro-240.jpg劇中には、カナがスマホでナミビアの砂漠の動画をボーッと見るシーンがある。それにちなんで「一人の時間を潰す方法」をそれぞれ発表金子はTikTokといい「永遠に見る。あれは滅茶苦茶面白い。シベリアン・ハスキーの子犬の動画で、大きい犬と赤ちゃんの組み合わせの動画を真顔で見ています」と癒されている様子。寛一郎はシャワーといい「30分くらい浴びちゃいます。温いお湯がちょうどいい」とニヤリ。山中監督は「ボーッとするのが苦手で、ボーッとするためにスマホゲームをやります。スマホゲームをやらないとボーッとできないってヤバいかも」と苦笑い。河合は美容師の動画だといい「私と同い年くらいの若い方がカナダで美容師をやっている。その方のブラックカルチャーのヘアースタイルを作る技術が凄すぎて見ていて気持ちが良い」と明かすと、金子からは「だいぶマニアックな動画だね」とツッコまれ、河合は「どんなアルゴリズムで私におススメ動画として流れてきたのか…」と不思議がっていた。


Namibia-9.7bu-yamanaka-240.jpgアメリカ、カナダ、フランス、台湾、韓国での公開も決定。山中監督は「カンヌや上海のお客さんの感想を見ると、国によって注目ポイントが違う。違うけれど国によってまとまりはあるので、脱毛サロンのSF感に興味を持ってもらえたら嬉しい」とジョーク交じりに期待。河合も「日本公開と共に沢山の国への公開が決まる経験はこれまでないので嬉しい。山中さんの映画を世界の人に知ってもらいたい気持ちがあるので、どんな風に見てもらえるのかワクワクしています」と世界への広がりに胸を高鳴らせていた。


最後に主演の河合は「カナの事を自分事として見てもらってもいいし、他人事として見てもらってもいいし、カナの個人的な物語として楽しんでもらってもいい。皆さんが作品から受け取ったエネルギーが反射して『ナミビアの砂漠』が吸収して映画自体が素敵なモンスターになっていったら嬉しいです」と呼び掛けた。


東京というカオスな街で暮らす自身の実感を物語に反映したという山中監督も「私が生まれてからずっと日本は不景気だと思うし、最近は不穏さが顕著になっていると思います。そんな中で大変な人はいっぱいいると思うけれど、この映画を観てちょっとでも爽やかな気持ちになってもらえたらという思いで作りました。気に入っていただけたら周りの人に勧めてください」と語り掛けていた。
 


『ナミビアの砂漠』は、海外の映画祭出品も続々と決定!

カンヌでのワールドプレミア、上海国際映画祭でのアジアプレミアに続き海外の映画祭出品が続々決定!

2024年 香港国際映画祭(香港/8月14日~8月26日)
第35回 エスポー・シネ国際映画祭(フィンランド/8月23日~9月1日) 
第32回 ハンブルク国際映画祭(ドイツ/9月26日~10月5日)
第19回 カメラジャパン・フェスティバル(オランダ/9月26日~10月6日)
第31回 台湾国際女性映画祭(台湾/10月18日~10月27日
第17回 サレ国際女性映画祭(モロッコ/9月23日~9月28日)
2024年 ウィーン日本映画祭 Jappanual(オーストリア/10月3日~10月9日)
第29回 釜山国際映画祭 A Window on Asian Cinema部門
第44回 ハワイ国際映画祭 ライジング・スター賞 ノミネート


【ストーリー】

世の中も、人生も全部つまらない。やり場のない感情を抱いたまま毎日を生きている、21歳のカナ。優しいけど退屈なホンダから自信家で刺激的なハヤシに乗り換えて、新しい生活を始めてみたが、次第にカナは自分自身に追い詰められていく。もがき、ぶつかり、彼女は自分の居場所を見つけることができるのだろうか・・・?


脚本・監督:山中瑶子
出演:河合優実 金子大地 寛一郎 新谷ゆづみ 中島歩 唐田えりか
渋谷采郁 澁谷麻美 倉田萌衣 伊島空 堀部圭亮 渡辺真起子
製作:『ナミビアの砂漠』製作委員会
企画製作・配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024『ナミビアの砂漠』製作委員会
2024年/日本/カラー/スタンダード/5.1ch/137分/PG12

公式サイト: happinet-phantom.com/namibia-movie
公式X   @namibia_movie
公式Instagram @namibia_movie

2024年9月6日(金)~TOHOシネマズ 日比谷 他 全国ロードショー


(オフィシャル・レポートより)

 
 

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【日時】: 8月16日(金)18:30より舞台挨拶開始 ※上映前イベント 

【会場】: 新宿ピカデリー シアター1(新宿区新宿3丁目15番15号)

【登壇者】: チェ・ジウ、チョン・ボムシク監督



チェ・ジウ7年ぶりのスクリーン復帰作となり、共演にミンホ(SHINee)P.O(Block B)ら豪華キャストを迎えた、『コンジアム』のチョン・ボムシク監督最新作、映画『ニューノーマル』が全国公開中。本作は、韓国ソウルを舞台に、6人の男女の絡み合う奇妙な運命が日常を一転させ、身近な出会いの裏に潜む恐怖と絶望を描いた予測不可能な新時代の体験型スリラー。本国で驚異的な大ヒットを記録した『コンジアム』のチョン・ボムシク監督の最新作です。


ドラマ『冬のソナタ』や『天国の階段』などで“韓流"のトップスターとして愛され、“韓流"ブームに貢献した韓国を代表する俳優チェ・ジウは、本作では、笑うことのできない女性“ヒョンジョン"役に挑戦し、今までにない冷たく冷ややかなイメージの中に意外なエネルギーを秘め、新たな一面を披露している。韓国ホラー歴代興収2位『コンジアム』の監督であり、〈Kホラーの巨匠〉と呼ばれるチョン・ボムシクが、最新作ではサスペンス・スリラーに挑戦し、観客を魅了し続けている。


この度、本作の公開を記念し、主演のチェ・ジウさんチョン・ボムシク監督が緊急来日し、初日記念プレミアムイベントを実施いたしました。チェ・ジウは映画関連での来日プロモーションは『連理の枝』以来18年ぶりとなります。



NEW NORMAL-8.16bu-240.jpg台風7号が接近する中での舞台挨拶となったが、会場は満員。チェ・ジウさんが姿を見せると拍手と歓声に包まれた。チェ・ジウさんは日本のファンを前に日本語で「こんにちは。本当にお久しぶりです!」と挨拶し「天候に恵まれず、雨模様ですが、お越しくださってありがとうございます。久しぶりにみなさんにお会いしてご挨拶できることが嬉しくて、裏でもずっと胸が高まっていました」と語り、これから映画を鑑賞するファンに向けて「みなさんがご覧になって、どんな反応をされるのか楽しみです」と微笑みかけた。


ちなみにチェ・ジウさんが映画のプロモーションのために来日し、舞台挨拶に登壇するのは「連理の枝」以来、実に18年ぶり! チェ・ジウさんはそう指摘されると「そんなに時間が経っているとは気づきませんでした…。以前、ドラマ『輪舞曲』という作品で公式にご挨拶をさせていただき、そこから久々にまたこうしてご挨拶をさせていただいていますが、本当にみなさんにお会いしたかったです。こうやって新しい作品を携えて、またみなさんの前に立てて嬉しく思っています」と語った。18年もの月日が流れても「チェ・ジウさんの美しさは変わりませんね」という司会者からの言葉に、会場からは拍手が…。チェ・ジウさんは再び日本語で「ほんとですか? ありがとうございます」と満面の笑みを浮かべた。


チョン・ボムシク監督にとっては、日本での舞台挨拶はこれが初めて。前作『コンジアム』は本国韓国はもちろん、日本でも話題を呼んだが、韓国スリラーの鬼才は日本のファンを前に「すごく緊張しています…」と恥ずかしそうに語り、その様子を隣で見ていたチェ・ジウさんが思わず笑みをこぼす一幕も…。


newnormal-pos.jpgチョン・ボムシク監督は本作について「超自然現象や幽霊の恐怖ではなく、人間の恐怖を描いた作品です。社会的背景という点でも、日本と韓国は似ているところがあると思うので日本の観客のみなさんの反応が気になります。チェ・ジウさんを含め、6人の主役がいますが、どの方も日本のみなさんが大好きな俳優です。特にチェ・ジウさんの演技における“変身”ぶりを日本のみなさんがどう受けとめてくださるのか? 期待しています」と思いを語った。


ポスターや予告編からだけでも、映画の中のチェ・ジウさんの雰囲気がこれまでのイメージを覆すものだということが伝わってくるが、チェ・ジウさんはなぜ復帰作としてこの作品を選んだのか?チェ・ジウさんは「まず脚本を読んですごく面白かったんです。ただ怖いだけでなく、ウィットに富んでいて、笑いのツボもたくさんあり、奇抜な作品だなと思って読みました。とはいえ、この役を私が果たして演じられるのか?という心配はありました。私にとって全く新しいタイプの役だったので、最初に監督には『自信がないです』とお伝えしました。でも監督の前作を見ており、韓国でたくさんの人に愛された作品だったので、その監督を100%信じて挑戦してみようと思いました」と明かした。


newnormal-550.jpgチョン・ボムシク監督はこの意外なキャスティングについて「誰が見ても『予想を裏切られた!』と感じてもらえるようにしたくて、当然ですがそのためには演技力も美貌も必要です。では、誰が演じたら『予想を裏切られた!』という言葉を聞けるかと考えて、チェ・ジウさんにお願いしました。ご本人も『これを私がやるんですか?』とおっしゃっていて、それを聞いて『いける!』と思いました。出来上がった作品を観たら、予想以上に素晴らしい演技で感謝しています」と自信をのぞかせる。


チェ・ジウさん以外にもイ・ユミ、チェ・ミンホ(SHINee)、ピョ・ジフン(Block B)、ハ・ダイン、チョン・ドンウォンらがキャスティングされており、こちらも従来のイメージを崩すような役柄と言えるが、これに関しても監督は「3つほど条件がありました。『キャラクターに似合った俳優であること』、『彼らが以前にやったことのないタイプの役であるということ』、そして『6人を見た時に、“この組合わせは何なんだ? すごく新鮮だ”と思ってもらえること』です。この3つに条件に合う俳優さんを考えて、連絡したところみなさんに『出ます』と言っていただけました」と明かした。


撮影はコロナ禍の時期、しかも暑いさなかに行なわれたそう。チェ・ジウさんは印象深い撮影として「エレベーターのシーンがあったんですが、コロナも考慮して早く撮影して撤収しないといけませんでした。アクションもあり大変な撮影で、時間もタイトでしたが、みんな息がぴったりでした」と述懐し、監督に「満足できましたか?」と質問。監督は「大満足です。チェ・ジウさんは、衣装を重ね着しなくてはいけなくて、その上にアクションもあって大変だったと思いますが頑張ってくださいました。表情の演技も素晴らしく、この映画のシグニチャーになるようなショットが撮れました」と笑顔を見せた。


また、日常の裏に潜む恐怖を描いたスリラーである本作にちなんで、最近、日常でゾッとした体験を尋ねると、チェ・ジウさんは「ニュースを見ると、信じられないような事件や怖ろしい事件が起きていて、ニュースを避けたい気持ちになってしまいます。実際にこんな怖いことは起きてほしくないですし、自分自身も経験したくないし、ここにいるみなさんの身にも怒らないことを願っています」と語る。


一方、チョン・ボムシク監督は映画の中で登場するニュースについて「実際に韓国で起こった事件を基にしています」と明かし「いまは、人と人の間に様々な犯罪が起きる時代です。以前は人と人の間には安全な“壁”があると信じていましたが、この映画を観ると、その壁は壊れてしまったと感じるかもしれません。いまは、安全ではない時代――これが“ニューノーマル”なのかもしれません。この映画は最近、私が感じた怖いことをモチーフにつくった作品です」と語り、鑑賞前の観客の恐怖をさらに煽り立てる。


この日は、Xに寄せられたファンからの質問にも2人が答えてくれた。本作のヒョンジョンという女性を演じる上で、何を参考にどう役作りしたのか? という質問に、チェ・ジウさんは「監督は1931年の古典映画『M』という作品を薦めてくださいました。その映画を見て、監督がヒョンジュンをどうつくりたいと考えているかを理解することができました。映画の中に詳しい説明はないんですが、監督と一緒に考えながら役作りをしていきました」と明かした。


一方、監督には「女優、そしてひとりの人間としてチェ・ジウさんはどんな人でどんな魅力をもっているか?」という質問が。監督は「チェ・ジウと言えば、成熟した素晴らしい俳優ですが、いまでも常に新しい面を見せてくれる、どこまでも可能性のある女優さんだと思います。人間性という点に関しても、トップ女優ですからオーラもカリスマ性も持ち合わせていますが、現場や日常では、すごく気さくな方です。チェ・ジウさんが現場にいると、私が何も言わなくても、スタッフは自ら動いてくれて、撮影がうまく進むんです。だから大変な撮影がある日は冗談で『今日はチェ・ジウさんは来ないのかなぁ…』と言ってました(笑)」と明かし、会場は笑いに包まれた。


最後にチェ・ジウさんは満員の観客を前に「今日はみなさんにお会いできて嬉しかったです。これからはもっと頻繁にお会いできるチャンスが増えたらと願っています。映画は、怖くてゾクっとするようなシーンもありますが、楽しめるシーンも多いので、みなさん楽しみながらご覧ください。ありがとうございました」と語りかけ、会場は再び温かい拍手と歓声に包まれた。


監督・脚本:チョン・ボムシク『コンジアム』
出演:チェ・ジウ「冬のソナタ」、イ・ユミ「イカゲーム」、チェ・ミンホ(SHINee)「ザ・ファビュラス」、ピョ・ジフン(Block B)「ホテル・デルーナ」、ハ・ダイン、チョン・ドンウォン
2023年/韓国/韓国語5.1ch/113分
原題:뉴 노멀(英題:NEW NORMAL)/字幕翻訳:根本理恵
提供:AMGエンタテインメント ストリームメディアコーポレーション
配給:AMGエンタテインメント
©2023 UNPA STUDIOS.ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト: https://newnormal-movie.jp/

全国公開中!


(オフィシャル・レポートより)

早くも、観客動員数35万人突破!

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■日時:7月29日(月) 14:20~14:50

■会場:なんばパークスシネマ スクリーン7(大阪市浪速区難波中 2-10-70 なんばパークス8F )

■登壇者:渋谷凪咲・早瀬憩・清水崇     アバンギャルディ(敬称略)



anoko-pos.jpg7 月 19 日の公開初日から、小学生・中学生のグループ客がこぞって来場し、新作邦画実写 NO.1 の大ヒットスタートとなった本作。全国の映画館で満席も続出し、公開からわずか 10 日で(7 月 29 日時点)、早くも観客動員数 35 万人を突破!

さらに、公開初日から全国7大都市で実施した劇場内に“あのコ”が現れる<絶叫上映>も満席が続出!大盛況のあまり、早くも追加実施を期待する声が多数寄せられ、追加実施も絶賛調整中の本作。公開から 10 日経った今でも SNS では「最後までドキドキしっぱなし」「本当に怖い」「絶叫上映、超楽しい!」などといった声が連日寄せられ、早くも“今年 1 番怖いホラー映画”としての呼びも高い。


そんな映画の大ヒットを記念し行われた関西凱旋舞台あいさつには、主演の渋谷凪咲をはじめ、早瀬憩、清水崇監督が登壇。大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX 堺、MOVIX あまがさきの 4 劇場にて舞台挨拶を行った。


anoko-7.27bu-渋谷凪咲-240-1.jpgなんばパークスシネマの上映後に行われた舞台あいさつでは、朝からプロモーションを行っていたにも関わらず、涼やかな笑顔で登場した渋谷は「今日はお集まりいただきありがとうございます。私は NMB48 時代もなんばパークスシネマさんに通っていたので、そのスクリーンに自分が出ているとはまだ夢のようで、すごく嬉しいです」と挨拶。早瀬も会場を見渡し「映画が公開されてからいろいろな感想が届いていて、たくさんの方に観ていただいているんだなと嬉しいです」と実感を込め、メガホンを執った清水監督は「僕も大阪に住んでいたことがあるので感無量です。今日はよろしくお願いします」と挨拶した。


地元・大阪での初の舞台あいさつに、渋谷は「関西凱旋ということですが、テレビの収録などで月の半分は関西にいるので、凱旋というのが恥ずかしい気もしますが、本当に嬉しいです」と気恥ずかしさもあるようだが、「実は映画が公開されてから、この劇場にも 3 回ぐらい偵察に行っているんです」と、お客さんの反応を見るために自ら劇場に足を運んだという。また、早瀬は大阪でやってみたいことがあるそうで「本場のたこ焼きを食べたいです」と食いしん坊な一面をのぞかせた。関西の大学に通っていたということで大阪に縁がある清水監督は「この映画の撮影が終わって、大阪コミコンに参加した時に大阪に前乗りしまして。久しぶりに大学に行ってみたり、住んでいたアパートを訪れたりしました。彼女と住んでいた部屋だとか、僕にとっての青春が大阪なので」と、しみじみと思い出を振り返った。


anoko-7.27bu-500-3.jpgここで、本作の“あのコ”と同じ制服&おかっぱで活動している謎の制服おかっぱ集団・アバンギャルディが、本作の大ヒットをお祝いに駆けつけ不穏な“鼻歌”で登場! “あのコ”を彷彿とさせる制服集団が次々と客席から登場し、会場のお客様も大盛り上がり。そして、キャスト・監督が見守る中、主題歌「誰」に合わせて、一糸乱れぬ圧巻のステージを披露!


彼女たちのパフォーマンスに「凄すぎます!」と終始圧倒された様子の渋谷は、「めちゃくちゃかっこいい!曲も素晴らしいのですが、ダンスが加わると、こんな風なパワーを持つんだなって」と、アバンギャルディの世界観を絶賛。アバンギャルディとは前作『ミンナのウタ』でもコラボステージを披露したことがあるが、「今日こうして新しい主題歌で、またダンスを作っていただき本当に嬉しい」と、清水監督も感動し、早瀬も「間近でこんなパフォーマンスを観ることができて、ずっと呼吸が荒いです」と、ここでしか見られない豪華コラボに興奮を隠しきれない様子だった。


anoko-7.27bu-500-2.jpg華やかなイベントも終わりが近づき、最後に渋谷は「映画は楽しんでいただけましたか?(会場拍手)嬉しいです!演技のお仕事をしたいと思って NMB48 を卒業して、監督からこのようなお声がかかって夢が叶いました。まだ夢見心地な部分もありますが、ここからまた羽ばたいて、演技も、人としても、一歩一歩成長していきたいと思います」と、力強くコメントした。続く早瀬は、「今日は皆さんのパワフルさに元気をもらいました。なにより、凪さんが地元の方に愛されているなって感じました。私のようにホラーが苦手でも楽しめる映画になっています」と、渋谷と顔を見合わせ笑顔で締め、清水監督からは「これだけたくさんの方に観ていただいているということで、第 3 弾の話もすでに出ていて・・・」と、続編の制作を匂わせるコメントも。さらに、「カセットテープでアバンギャルディのみなさんに御礼を・・・」と映画にちなみ、カセットテープレコーダーを取り出した清水監督。劇中の“あのコ”のセリフにかけて、「2024 年、7 月 29 日、アバンギャルディのみなさん」と呪いをかけた。撮影・宣伝公開まで短期決戦を共に乗り越えたキャストと監督のアットホームな雰囲気でイベントは幕を閉じた。
 


【ストーリー】

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ある夏休み。補習授業を受ける男女5人。この教室には、 “いないはずの生徒” がいる──。
とある夏休み、臨時教師として補習クラスを担当することになった君島ほのか(渋谷凪咲)の目の前で、ある女子生徒が 突如屋上から飛び降り、不可解な死を遂げてしまう。“いないはずの生徒”の謎に気がついたほのかと、補習を受ける生徒・三浦瞳(早瀬憩)、前川タケル(山時聡真)らは、“あのコ”にまつわるある衝撃の事実にたどり着く……。彼らを待ち受ける、予想もつかない恐怖とは……?
 

■出 演:渋谷凪咲 早瀬憩 山時聡真 荒木飛羽 今森茉耶 蒼井旬 穂紫朋子 今井あずさ 小原正子 伊藤麻実子 たくませいこ 山川真里果 松尾諭 マキタスポーツ / 染谷将太
■監 督:清水崇
■原案・脚本:角田ルミ 清水崇
■製 作:「あのコはだぁれ?」製作委員会
■企画配給:松竹
■制作プロダクション:ブースタープロジェクト“PEEK A BOO films”
■制作協力:松竹撮影所 松竹映像センター
■コピーライト:(C)2024「あのコはだぁれ?」製作委員会
■公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/anokodare-movie
■公式X・公式TikTok: @anokodare_movie

絶賛公開中!


(オフィシャル・レポートより)

 

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■日時:2024年7月6日(土) 18:00~(上映終了後)

■会場:なんばパークスシネマ

■登壇者:前田哲監督



御年100歳の作家・佐藤愛子が90歳の時に書いたエッセイ『九十歳。何がめでたい』の映画化作品に、90歳を迎えた草笛光子が主演。歯に衣着せぬ物言いで世間をぶった斬る痛快さに胸のすく思いがするが、そこには上辺だけの強さではない、長い人生経験に裏打ちされた人間性の深みや温もりがある。すべての人々のこれからの人生にエールを贈る、笑いと感動いっぱいのハッピーオーラ満載の映画です!


90medetai-pos-1.jpg年齢を重ねるほど驚きの美貌で魅了する草笛光子は、他の女優にとっても憧れの存在だが、意外にも本作が初めての単独主演となる。舞台に映画にドラマにモデルなどマルチに活躍、そのお茶目目でチャーミングな性格から多くの人々に愛され、本作でも「草笛さんと共演したい!」と豪華な共演者が多数出演している。


メガホンをとったのは、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』『そして、バトンは渡された』『老後の資金がありません!』『ロストケア』『大名倒産』と次々とヒット作を打ち出している前田哲監督。19歳から映画の世界に身をおく現場叩き上げの前田監督といえども、草笛光子の90歳とは思えぬバイタリティーや“とんでもない言動”に翻弄されて、現場は笑いの絶えない和やかな雰囲気だったようだ。


そんな前田哲監督が、7月6日㈯大阪なんばパークスシネマにて開催されたティーチイン・イベントにゲストとして登壇。本作の制作に関わった経緯や撮影秘話、そして草笛光子の素顔をおもしろ楽しく語ってくれた。

以下はその詳細です。尚、()内は前田哲監督の心の声です。



90medetai-maedatetsu-500-1.jpg――本作の反響は?

〈草笛さん発案の企画〉

草笛さんからお話を頂いた企画です。3年前の『老後の資金がありません』以来、お正月に草笛さんのご自宅に招かれてまして、最初の年に「私、佐藤愛子さんの役をやってみようと考えているんだけど、どう思う?」って言われたんですよ。元々はオスカープロダクションのプロデューサーが3年掛けて原作者の佐藤愛子先生を口説き落として映画化の許諾を得たものを、それをプロデュース感覚のある草笛さん自身が是非映画化したいということで、僕のところにお話を頂いたんです。


〈愛子先生99歳、草笛さん89歳の時の3人でのランチ〉

愛子先生は「エッセイはドラマがないから映画にはならないわよ」といつも仰ってましたが、脚本家の大島里美さんにプロットを書いてもらって、いろんなエピソードを厳選して(犬のエピソードは僕のこだわりがありまして)、シナリオにして先生に見てもらいました。

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愛子先生99歳、草笛さん89歳の時に3人でランチしたのですが、お二人ともよく食べる、よく食べる、よく喋る、ほんとにお元気です! その時に愛子先生が付箋がいっぱい貼ってあるシナリオを出して、「このセリフつまらないわよ」(原作通りなんだけどな…)と言われ、「はい分かりました。それではこうしましょう」と提案すると、「あなた意外と頭の回転が速いわね」(“意外と”は要らんやろ!)と99歳の愛子先生に褒められまして、他にも原作にないエピソードなどしてくださり、その明晰な話しにびっくりしました。


草笛さんは草笛さんで、「私ね、この時の愛子さんの気持ちはね…」(まだまだまだ、台本も決まってないのにまだまだ早い!)とまあ面白いランチを一緒にしてからですね、動き出したのは――。


〈アッパレな似た者同士の二人〉

草笛さん自身が愛子先生を演じるのに何か魅力を感じておられたみたいです。お二人は似てるんですよ。潔さや気風の良さとか竹を割ったような性格が似ていて、真っ直ぐで、絶対ズルしないし、筋の通った生き方をしている、とても気持ちのいい人たちなんです

愛子先生は別れた夫の借金3000万円をシングルマザーになっても小説書いて返済したし、草笛さんもブロードウェイで観た『ラ・マンチャの男』を「日本でもやりたい!」と東宝に掛け合って、今の東宝ミュージカルの基礎になるような超ロングランヒット作を仕掛けたんですよ。アッパレなお二人です。


〈いつも何か新しいことを考えている草笛さん〉

草笛さんは、3年前にも「私ね、親友のフジコ・ヘミングさんとワダエミさんとでコラボしようと思ってるの。」と言い出されて、何をするかと思えば、「ワダエミの美術・衣装で、フジコ・ヘミングがピアノ弾いて、私、歌おうかしらと…」(歌うんかい!?)とね。残念ながら、お二人とも亡くなってしまいましたが…いつも何か新しいことを考えておられる方ですから、この企画も是非自分でやりたいと思われたんでしょう。


――草笛さんにとって、凛とした感じからまさに“はまり役”ですね?

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今作では作家としての風格が必要でした。前作の『老後の資金がありません』では「そのままでいいですから、何もしなくても草笛さんは十分可笑しいですから」と言ったらえらい怒ってましたけどね。今回は風格を出すためにどうするかは話し合いました。髪の色や着物や私服についても愛子先生と同じような色合いにしました。


〈最高齢のグラビアアイドル!?〉

草笛さん、90歳で写真集出してるんですよ! 最高齢のグラビアアイドルだって!?(何考えてんねん!)。本人曰く、「脱いだ方が良かったかしら?」(誰が見んねん!)…そんな調子で、茶目っ気のあるとてもチャーミングな方なんですよ。

草笛さん発の企画ですが、ふと思ったのは、三谷幸喜さんに断られたんじゃないかなと…そんで僕のところに話が来たのかも?と。 もう三谷さんのことが大好き過ぎて、タクシーのシーンなんて目がハートですよ。乙女のように楽しんでましたね

――確かに、身を乗り出して演技されてましたね。

(そんなに好きなんかい!?)ですよ!(笑)。


――三谷幸喜をはじめ、多くの豪華キャストが登場しますが?

〈90歳の奇跡の美肌〉

みんな草笛さんの作品に出たいという思いからです。今回スケジュールが合わず出られなかった俳優さんたちも多くいます。

天海祐希さんは、『老後の資金がありません』の時の現場で草笛さんに向かって、「してないわよね?してないわよね?」ってしつこく聞いてるんですよ。何をしてないのかというと、整形をしてないのかという意味だったそうで、そう疑うくらい草笛さんの肌が綺麗なんですよ。これ合成も何もしてません!本物なんですよ!とある国民的女優さんも12歳上の草笛さんを基準(目標?)にされているらしいです。


〈アクシデントも奇跡のアドリブに〉

それと、草笛さんには奇跡のようなものが降ってくるようです。『老後~』の時も偶然前歯が取れたのをそのまま使いましたけど、今回も冒頭のしょんぼりしているシーンで突然カーディガンが落ちたり、門にぶつかったりと、あれ全部偶然なんですよ演じようと思っても出せないものを、ふっと自然に出てしまうなんです。


――演出について?

僕は基本的に「ああして下さい。こうして下さい。」と言うのが演出だとは思ってないので、俳優さん自ら出たものが一番強いと思っています。さりげなく誘導することはありますが、俳優さん自身でこうしたいと言える場(環境)を作ることがスタッフの務めだと思っています。納得のいく方法で何度でも演じてもらえる雰囲気作りを心掛けています。


〈バディものの映画?〉

――佐藤家の家族がとても仲良く見えましたが?

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佐藤家は撮影所のセットなんですが、外観や書斎やリビングは勿論、インテリアに至るまで細かく造り込んでいます。佐藤家の三世代、草笛さんは娘役の真矢みきさんや孫役の藤間爽子さんといつも一緒に待機場所のテーブルにいて、ぺちゃくちゃと差し入れのお菓子を食べながらおしゃべりされてました。家族そのまんまの雰囲気でいてもらえて助かりましたね。家族って容赦ないものですから、ズバズバと厳しく言い合うことは、徹底してもらいました。

その三世代の家族とエッセイのエピソードを組み合わせるのが僕の最初の考えでしたが、そこに脚本の大島さんに入ってもらって、男性の編集者・吉川(唐沢寿明)を登場させることでバディものでありつつ、時代に取り残された二人の逆襲の物語に仕上がったのです。大島さんのお陰です。

 

――唐沢寿明さんは?

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唐沢さんのあの髪の毛はそのままの状態ですよ。衣装合わせの時、「このままでいいだろう!」と仰って。いかにも江戸っ子らしく、スパッとして明確で実に気持ちのいいプロフェッショナルな俳優さんです。一緒に仕事していて楽しかったです。


――唐沢さん演じる吉川編集者は大島さんのアイデアだったんですね?

吉川のモデルとなった編集者はおられますよ。吉川のキャラクターはフィクションですが、ご本人には映画化に多大な協力をして下さった方なので、真矢さん演じる娘の夫役として写真の中に登場して頂きました。


――佐藤家と昭和気質の吉川の家族との対比は物語に深みを出していますが?

吉川に対しては、中高年の男性が見ると身につまされるところがあるみたいです。

――確かに、30歳の私でも我が事のように共感しました。

ええ?ああはならないでしょう。昭和は入ってないのに?

――はい、若干昭和気質なところがありまして…。

(吉川とは対照的な若者役の)千之助くんではなく?

――千之助さんみたいなタイプはちょっと苦手ですね。(笑)(何の話や?)


〈過去と未来をつなぐシーン〉

――ところで、吉川の娘のダンスシーンが素晴らしかったですね?

吉川の娘役の中島瑠菜さんにはダンスを先生の指導のもとで2か月間練習してもらいました。彼女は手足が長いのでとても綺麗に踊れていましたね。それに衣装を彼女に合わせてデザインしてもらったのも良かったと思います。

 

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〈動物より難しい90歳!?〉

――犬のエピソードについて?

犬のエピソードは絶対マストのこだわりのシーンでした。あの仔犬は2匹いまして、「つみれ」と「はらみ」という名前なんです。仔犬は調教できないので段ボールに入れたまんまでしたが、でも1回出たらちゃんとやれるんですよ。「仔犬は1時間で成長しますから」(もっと早く言ってよ!(笑))。成犬の「こなつ」ちゃんはとってもいいコでね、じ~っと待ってるんですよ。


――動物を撮るのは難しい?

そうですね、でも僕は『ブタがいた教室』では豚、『ドルフィンブルー フジ~』ではイルカと、動物には縁があって…元々動物は好きなんです。「動物と子供は大変だ」という話はよく聞きますが、僕には90歳の方が大変でした!(笑)

 

観客も写真撮影OKということで、「写真撮ってSNSで拡げて下さいね。でもSNS見ない世代が対象かも?先日老人ホームで凄い評判になってますよ、という声を頂いたのですが、施設で評判になっても興行収入には繋がらないしな~(笑)」と、最後まで「ひとりツッコミ」で笑わせてくれた前田哲監督。出身地や年齢を公表していない割には、終始関西弁で喋りまくっていた。あの調子で草笛光子の茶目っ気に鋭いツッコミ入れては笑いをとっていたんだろうなぁ。羨ましくなるような和やかな撮影現場を想像しては、また『九十歳。何がめでた』を観たくなった。
 


『九十歳。何がめでたい』

【ストーリー】

断筆した作家・佐藤愛子は90 歳を過ぎ、先立つ友人・知人が多くなると人付き合いも減り、鬱々と過ごしていた。そこに、会社でも家庭でも崖っぷちの編集者・吉川がエッセイの依頼にやってくる。「書かない、書けない、書きたくない!」と何度も断るが、手を変え品を変えて執拗に頼み込む吉川。仕方なく引き受けたエッセイに、「いちいちうるせえ!」と世の中への怒りを⾚裸々にぶちまけて、それが中高年の共感を呼び予想外の大ベストセラーとなる。初めてベストセラー作家となった愛子の人生は 90 歳にして大きく変わっていく。


(2024年 日本 1時間39分)
■原 作:佐藤愛子「九十歳。何がめでたい」「九十八歳。戦いやまず日は暮れず」(小学館刊)
■監 督:前田哲 脚本:大島里美  音楽:富貴晴美
■出演:草笛光子、唐沢寿明、藤間爽子、木村多江、真矢ミキ ほか
■製作幹事:TBS
■配 給:松 竹
■原作コピーライト:Ⓒ佐藤愛子/小学館
■映画コピーライト:©2024 映画「九十歳。何がめでたい」製作委員会 Ⓒ佐藤愛子/小学館
公式サイト: https://movies.shochiku.co.jp/90-medetai/

ハッピーオーラ全開で全国にて絶賛公開中!


(河田 真喜子)

 


孤高の天才“プリンス”の真実に迫る傑作ドキュメンタリー『プリンス ビューティフル・ス トレンジ』が、プリンスの誕生日である 6 月 7 日(金)より新宿シネマカリテほか全国 絶賛ロードショー中です。
 

孤高の天才“プリンス”の真実に迫る傑作ドキュメンタリー

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ファンクとロックとソウルを融合させ、音楽に革命をもたらし天才の名をほしいままにしていたミュージシャン・プリンス。80年代、自伝的映画『パープル・レイン』、同映画サントラのメガヒットで、一躍世界的スーパースターに。アルバムのトータルセールスは1億5千万枚。12枚のプラチナアルバムと30曲のトップ40シングルを生み出し、7度のグラミー賞を受賞。2004年にはロックの殿堂入りを果たすなど、生涯ロック・ポップス界の頂点に君臨し続けた。アメリカ・ミネアポリスで誕生したプリンスは、住民の90%が白人という環境下で、多感な青春時代を過ごした。公民権運動の渦中、地元のブラックコミュニティ“ザ・ウェイ”での音楽的な原体験、恩師や家族が語る幼少期のエピソードの数々。チャカ・カーン、チャックⅮ、ビリー・ギボンズなど、プリンスを敬愛するミュージシャンの声も多数収録。孤高の天才が、如何にして誕生したのか、そして突然の悲劇まで、プリンスを愛する全てのファンに贈る傑作ドキュメンタリー。


この度、本作の公開を記念しプリンス好きなシンガーソングライターのスガ シカオさんと、本作の字幕監修も担当された音楽評論家の吉岡正晴さんをお招きし、舞台挨拶イベントを実施いたしました。


【日時】: 6月10日(月) 18:30より舞台挨拶開始 ※上映前イベント 

【会場】: 新宿シネマカリテ(新宿区新宿3-37-12 新宿NOWAビルB1F)

【登壇者】:スガ シカオ(シンガーソングライター)、吉岡正晴(音楽評論家・本作字幕監修)


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映画『プリンス ビューティフル・ストレンジ』公開記念舞台挨拶が6月10日、新宿シネマカリテにて開催され、大のプリンスファンだというシンガーソングライターのスガ シカオと、本作の字幕監修も担当した音楽評論家の吉岡正晴が登壇し、孤高のミュージシャンであるプリンスの魅力を語り尽くした。

 

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多くのプリンスファンで埋め尽くされた会場からの拍手で登場したスガは「1回目は何の情報も得ずに観たので、最初はプリンスの秘蔵ライブの映像とかが入っているのかなと思ったら、この映画はそういう映画じゃないんです」と語ると「どちらかというと僕らがこれまで見てきたプリンス像ではなく、他の人から見た『プリンスってどんな人だったんだろう?』というのが大きなコンセプトになっている映画なんです」と解説する。

 

吉岡氏も「ダニエル・ドール監督と数日ご一緒したのですが、監督が一番強調していたのは、彼が生まれてから、1978年にプリンスになるまで、どんなことをしていたのかにスポットを当てたいということでした」と語ると「この映画を持って、プリンスをお祝いしたい、みんなに伝えて楽しませたい。そして今プリンスを知らない人たちに、その功績を伝えていければという思いで作ったと話していました」と本作の意義を述べる。

 

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映画を2回鑑賞したというスガは「世界で一番好きな女性シンガーのチャカ・カーンが、プリンスのことを思ってしゃべっているシーンがあるんですね」と振り返ると「そのシーンを観て、こんなに深い絆でチャカとプリンスが結ばれていたんだなと感じて泣きそうになってしまったんです」と見どころとしてあげる。

 

さらにスガは「そのなかで、どうしてレニー・クラビッツのインタビューがないんだろう。二人の関係性を考えると、あってしかるべきじゃないですか」と胸の内を明かすと、吉岡氏は「ダニエル監督もレニーにオファーをしたようなのですが、2016年にプリンスが亡くなってから、まだレニーがプリンスの死を受け入れられなくて、カメラの前で話すことができないと言って断られたそうなんです」と裏話を披露。吉岡氏の発言にスガは「それは泣けますね。レニーがプリンスをどんな風に思っていたのかが分かります」としみじみ語っていた。

 

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またスガは「ネタバレになっちゃいますが、この映画のコメントを求められたとき、プリンスのことで語られた言葉に『頭の中にどんどんどんどん音が鳴るから、それを吐き出していかないと死んでしまうんだよ』というコメントがあることを書いたのですが、羨ましい限りですよね」と発言すると「プリンスは、寝るとかご飯食べるとかと同じレベルでアウトプットしていかないと生きていけないんでしょうね」と、プリンスの溢れ出る才能の泉に脱帽していた。

 

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最後にスガは「そんなすごいプリンスでも、映画を観ていると、7歳ぐらいのころは何でもできたわけではないことが分かります」と述べると「そこからアーティストになる段階で、ビジネスとして売れていくために何が必要か、ものすごくいろいろなことを勉強して、楽器も練習していくんです」と天才でもあり努力家である一面を強調すると「プリンスは、日本でコンサートが終わったあと、ビクターのスタジオでレコーディングをしたという逸話があったんです。僕なんか沖縄でコンサートをやったら、そのあとは泡盛ですよ。本当にすごいですよね」と発言し会場を笑わせていた。


出演:プリンス、チャカ・カーン、チャックⅮ、ビリー・ギボンズ他
監督:ダニエル・ドール
原題:Mr. Nelson On The North Side
2021年/カナダ/英語/68分/16:9フル/ステレオ 
提供:キュリオスコープ、ニューセレクト 
配給:アルバトロス・フィルム
公式HP:https://prince-movie.com/       
©PRINCE TRIBUTE PRODUCTIONS INC.

新宿シネマカリテほか全国ロードショー中


(オフィシャル・レポートより)

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