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yuzai-bu-550.jpg生田斗真、瑛太『友罪』特別試写会舞台挨拶

(2018年5月13日(日)17:10~17:30  なんでもアリーナにて)


5月13日(日)大阪のなんでもアリーナにて、『友罪』の特別試写会が開催され、主演の生田斗真さん、瑛太さんが舞台挨拶に登壇しました。


上映後の興奮冷めやらぬ300人を越える観客の前に二人が現れると、会場からは黄色い大歓声!生田さんは「本日はお足元の悪い中、ありがとうございます。皆さんが映画を観ている間、大雨警報が出ていたみたいですよ。帰りも気をつけて帰って下さいね。」と生憎の天気になったことを気遣いながらご挨拶すると、瑛太さんは「この前の完成披露も雨だったので、生田斗真には気をつけた方がいいですよ(笑)」と生田さんへの雨男いじりの発言で会場から笑いを誘うと共に「素晴らしい作品が出来たと思っているのでお客さんに観てもらえて本当に嬉しい」と熱い気持ちが込もったご挨拶を。


yuzai-bu-500-1.jpg和やかな雰囲気で始まったイベントですが、三度目の共演について質問が及ぶと、生田さんは「普段から瑛太のことを知っている分、関係性が築きやすかった。覚悟がいる作品だけど、二人だからこそ増田と鈴木が演じられたと思う」と、一方瑛太さんからは「斗真はパーフェクトな人間なので僕は捻くれたことをしたくなるんですが、どうやったら斗真の感情を揺すぶらせられるかを考えながら演じました」と二人の関係性が垣間見れる回答が。


yuzai-bu-240-1.jpg「友罪」という映画タイトルに因み、お互いの罪だなーと思う部分を問われると、生田さんは「瑛太は、どんなに朝が早くてもいつも現場にお洒落な格好をしてきてシャレオツ!罪だ!と思います」と一言。瑛太さんは「全体的に罪だなと思います。役者としての幅や説得力があって…」とギャップのある真面目な回答が。これには生田さんも思わず「シャレオツとか言って、おれ瑛太のこと真面目に考えてないみたいじゃん!」と。会場からは再び笑いが起こっていました。


最後に生田さんから「映画をご覧になって賛否両論あると思いますが、皆さんに語り合って貰うきっかけになればいいなと思います」と、瑛太さんからは「人それぞれ感じ方が違うと思いますが、周りの方に問題作と広く伝えて貰えたら」と、映画公開に向けて期待が高まるご挨拶で舞台挨拶は締めくくりとなりました!


(オフィシャルレポートより)

 


yuzai-550.jpg『友罪』

【STORY】
ジャーナリストの夢に破れた益田。他人との交流を避ける無口な鈴木。
二人は町工場で出会い、同じ寮で暮らし始める。
「俺が死んだら悲しい?」「悲しいに決まってるだろ」
益田にとって他愛のないやり取りだったはずのそれは、鈴木の悲壮な思いを秘めた質問だった。 やがて少しずつ友情が芽生えてゆく二人。だが、ある事件をきっかけに益田は、鈴木が17年前の連続児童殺害事件の犯人だった “少年A”ではないかと疑い始める――。

 
・(2018年 日本 2時間9分)
・監督・脚本:瀬々敬久
・原作:薬丸岳『友罪』集英社文庫刊
・出演:生田斗真、瑛太、夏帆、山本美月、富田靖子、佐藤浩市他
・2018年5月25日(金)~全国ロードショー
公式サイト⇒ http://gaga.ne.jp/yuzai/
・(C) 薬丸 岳/集英社 (C) 2018映画「友罪」製作委員会

 

 

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吉田羊、「人生に無駄な恋はない」という台詞に実感込めて。『ラブ×ドック』舞台挨拶
(18.4.17 阪急うめだホール)
登壇者:吉田羊、鈴木おさむ監督  
 
放送作家として数々の人気バラエティを手がけるにとどまらず、小説・エッセイの執筆や、『ハンサム★スーツ』『新宿スワン』など映画の脚本でも活躍する鈴木おさむが初めて監督に挑んだ完全オリジナル作品『ラブ×ドック』が5月11日(金)よりTOHOシネマズ梅田他全国公開される。
 
 
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遺伝子レベルで恋愛を操作するクリニック【ラブドック】を舞台に“仕事は完璧、だけど恋愛は失敗続き”な愛すべき女性・剛田飛鳥が恋に仕事に友情に奮闘する姿を描いた、“大人が楽しめる”かつてない新感覚ラブコメディ。映画・ドラマ・CM・舞台と、男女問わず高い支持を得ている人気実力派女優・吉田羊は、本作で初の映画単独主演を果たしている。吉田演じるアラフォーの飛鳥のコミカルかつ切ない恋の相手には、野村周平、玉木宏、吉田鋼太郎という年下、同世代、年上の素敵男子3人が扮しているのも見どころだ。
 

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全国公開前に行われた大阪の舞台挨拶付試写会では、「羊ちゃん!」という声援が飛ぶ中、主演の吉田羊さん、鈴木おさむ監督がご登壇。大きなうちわを振っての応援に「私、アラフォーなのですが、こんなに黄色い声援をいただいて!舞台からだと客席が見えないので、ある時『うちわなんかを作ってくれたら、よく見えるのに』と言ったら、本当に作ってきてくださったので、よく見えます。ありがとうございます」と吉田が感激しながら挨拶すると、「どうも!うちの妻は、ハリセンボンと仲悪くないです!仲いいですよ!」と鈴木おさむ監督が挨拶し、観客から笑いを誘った。
 
 
クールビューティーと言われる吉田だが、自らをさらけ出すような飛鳥役を演じての感想を聞かれると、「飛鳥の魅力は、学習しないなと思うところはありますけれど、本能的に、心に素直なのが、一番チャーミングなところ。心に嘘がないように演じたので、喜怒哀楽がいっぱいあり、演じてすごく疲れました」と全力投球の演技であったことを明かした。さらに、前半は好きな人を射止めようと、計算高く立ち回るシーンもあることに触れ、「女子力を高めて演じる時には、監督から『羊さんの2割増しで可愛く演じてください』と言われ、日頃そんなことしないので、ものすごく照れました」と暴露。
 

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すかさず「可愛かったですよ」と合いの手を打った鈴木監督は、吉田の起用について「35歳から40歳までの恋する女性だったので、演者は独身で、しかもコメディーのセンスのある人。コメディーが上手だと泣きのお芝居も上手なので、吉田さんにお願いしたいと思いました。クールビューティーがボロボロになっていく姿を見たかった」とその狙いを語った。
 
さらに3人のタイプの違う男子との恋愛にボロボロになりながらも成長していく飛鳥と照らし合わせ、自身の恋愛観について聞かれた吉田は、「この映画の大きなテーマでもある『人生に無駄な恋はない』という一言は心からリンクできました。私自身も、生まれて今まで出会った人、モノ、事、あらゆるものが今の自分を形作っていると思うので、実感を込めて台詞を言わせていただきました」
 
 
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鈴木監督からは、飛鳥の3つの恋について「キスシーンがあるのですが、それをどう見るか。あまりにもロマンチックすぎるところもあるし、笑えたり、いいなと思う人もいると思いますが、そのキーワードが、ホイップクリーム、ピンポン玉、金魚。皆さんもSNSでつぶやく時、『私は金魚』とか。楽しいと思いますよ」と映画を楽しむヒントが提示されると、吉田は「私が観客の立場なら、金魚かな。背景も含めてすごくロマンチックでステキでした。ああいうシチュエーションなら喜んで」と意味深発言もあった。
 
 
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本作では飛鳥の友達役として登場する大久保佳代子が重要な役割を果たしているが、「女の友情も結構描いています。大久保さんは準主役級の存在。女性の友情や嫌な部分など結構リアルですよ」と鈴木監督がもう一つの見どころに触れると、司会からは妻で芸人の森三中、大島美幸の影響があるのかと鋭いツッコミが。「コンプレックスを抱いている女性は独特の人生観を持っていて、うちの奥さんは『美人は性格悪い』とずっと言ってますから。コンプレックスを抱いていたり、昔いじめに遭っていたような女友達が傍にいたらと思い、今回大久保さんに演じてもらいました」と語り、「吉田さんも広末さんも性格がとてもいい」と大島の説を「嫉妬」と一笑した。
 
 
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最後に鈴木監督が「日本だと10代の女の子が見るキラキラムービーはあるのに、大人の女性の恋愛ムービーがないと思い、吉田羊さんにお願いして作りました。きっと小さく背中を押してくれると思います。もう一つの見どころで、シャチのシーンはCGではございません。それを念頭に置いていただくと、吉田さんがどれだけガッツがあるかわかると思います」
 

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さらに吉田は挨拶の前に、感謝の意を込めて、来場した観客の中から誕生日の人に登壇いただき、一緒に写真を撮り、サイン入りプレスをプレゼントするというサプライズを敢行。2名の方が登壇し、舞台上でフォトセッションさながらの撮影と、豪華ゲストとの交流を楽しんだ。
楽しい舞台挨拶の締めくくりに「大人だって恋をしたいけれど、大人だからそんなこと言えないと思っている人たちにこの映画を観ていただきたい。大人が恋をするのなら、こんなにカッコいいんだと思っていただき、前向きに、ハッピーになって帰っていただけたら、うれしいなと思います。笑って、泣いて、そして最後には清々しい気分になれる作品になっております。今日は楽しんで帰ってください。本当にありがとうございました」と気持ちを込めて吉田が挨拶。舞台上から客席の隅々まで目を配り、観客と交流をする吉田や鈴木監督に、改めて大きな拍手が送られた。
いくつになっても恋する気持ちを忘れたくない大人女子への全力応援ムービーを、ぜひ楽しんでほしい。
(江口由美)
 

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<作品情報>
『ラブ×ドック』
(2018年 日本 1時間54分)
監督・脚本:鈴木おさむ
出演:吉田 羊 野村周平 大久保佳代子 篠原 篤 唐田えりか 成田 凌/広末涼子 吉田鋼太郎(特別出演)/玉木 宏 ほか
ミュージックディレクション&主題歌:加藤ミリヤ
製作:『ラブ×ドック』委員会 
配給:アスミック・エース
2018年5月11日(金)よりTOHOシネマズ梅田他で全国ロードショー
 ©2018『ラブ×ドック』製作委員会
公式サイト →  http://lovedoc.asmik-ace.co.jp/
 

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(2018年3月11日(日)TOHOシネマズ梅田にて)
ゲスト:知念侑李(24)、中川大志(19)、三木孝浩監督(43)


aporon-bu-500-1.jpg知念侑李と中川大志のジャズセッションに酔う、
優しさと煌めきの青春映画

 

「おおきに!」と不自然なイントネーションで感謝の気持ちを示そうとする知念侑李。「すみません!エセ関西弁で」と謙虚に謝るところが、また彼の誠実さを感じさせていい。

3月10日から全国公開されている名作コミックの映画版『坂道のアポロン』。長崎県佐世保市を舞台に、孤独を抱えた高校生の薫が転校先のクラスで知り合った律子や千太郎らとジャズセッションを通じて“一生ものの友情”を得ていく物語。公開2日目、主演の知念侑李と中川大志、三木孝浩監督が、TOHOシネマズ梅田で開催された舞台挨拶に登壇。上映後とあって、感動で涙ぐむ観客の前に現れた3人は、観客を再び興奮の渦に巻き込み、映画のキャラクター同様、優しさと煌めきにあふれた舞台挨拶を行った。


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演奏シーンのアプローチについて、知念は、「鍵盤ハモニカ程度は小学校の時にやっていたが、ピアノは今回が初めて。この映画のために電子ピアノを買って家で練習。ただ、楽譜が読めないので、先生の演奏を見て、振付を覚える感覚でマスターしていった」と、隠れた才能を発揮。「この映画がなければここまでピアノを弾けなかったと思うので、監督に感謝です」と三木監督にお礼を言う知念。また、コンサートなどで披露することがあるかもしれないと、今後のパフォーマンスに期待を持たせた。

 

 

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一方、中川の方は、「モテたくて少しドラムをやっていたことはあるが、ジャズは初めて。不規則でいろんなジャンルの音楽が混じっていて、スイングしなきゃいけないので、難しかった」と。エネルギッシュにドラムを叩く姿は、『嵐を呼ぶ男』(1957年)の石原裕次郎のような輝きを放っていた。喧嘩っ早くて豪快な千太郎というキャラに、煌めくような魅力を増幅させ、主人公の薫だけでなく観客にとっても忘れ難い青春の象徴となったようだ。それは、逞しく成長した中川大志の魅力に依るところが大きい。

 

 

 

aporon-500-3.jpg音楽が大きな意味を持つ本作のクライマックスの文化祭シーンについて三木監督は、「難しい楽曲だったが、二人が完璧にマスターしてくれたので、どこからでも撮れた。2日にかけて撮ったシーンだったが、二人のライブを撮影しているようで幸せな気分になれた。最後はヘロヘロになりながらも、二人のセッションに参加したくなって、自らカメラを持って撮影した」という。監督が知念の手元にばかり寄って撮影していたので、「僕の方は撮ってもらってない。少しヤキモチ」という中川に対し、「大丈夫だよ、愛は平等だよ」と、これまた胸キュンのフォローをする知念。おそらく撮影中も、5歳年下の中川を思い遣っていたのだろう。


aporon-bu-miki-240-1.jpg1966年の佐世保が舞台となっているロケ地について、「街の空気感がリラックスさせてくれた。緊張せずに自分のペースで演じられた」という知念と、「1カ月半位の滞在だったが、生まれ育った地元のようだった」という中川。「レトロな雰囲気を出すため、当時の街並みが残る大分県豊後高田でも撮影された。時代感を出すために、小道具や美術の健闘も大きかった」と述べる三木監督。当時のファッションについては、2巡ぐらいして現在でも流行しているので、特に小松菜奈が着こなす数々の“可愛い”デザインの服は大注目である。


大阪を舞台にした映画を作るとしたら?という質問に三木監督は、「やはり漫才コンビかな?…それはかなり難しそうですね。二人は現場で菜奈ちゃんにツッコまれてたから、トリオ漫才はどう?」「それはもっと難しいですよ!大阪の人、笑ってくれるかな~?」と心配する知念に、「“おおきに”ぐらいで止めとけば」と三木監督。実現するのはかなり難しそうだ。


最後に、「二人の情熱と汗が詰まった作品なので、もっともっと多くの方に観て頂きたいです」と三木監督。「本日は多くの方に来て頂いてとても嬉しい。僕たちもパワーを頂きました」と中川大志。「見終えて余韻に浸れる作品です。寝ても覚めてもアポロン気分だったら、また観に来て下さい。次は皆さんの大切な人と観て頂けたら嬉しいです。今日はほんまに、おおきに!」と、精一杯の感謝の気持ちを込めて知念侑李がご挨拶。その一所懸命さが清々しかった。


(河田 真喜子)


aporon-550.jpgのサムネイル画像【STORY】
多忙な中でも患者へ優しさを失わない医師の西見薫(知念侑李)。彼には忘れられない高校時代の思い出があった。父を亡くし佐世保の親戚の家に身を寄せた薫だったが、冷たい境遇に孤独を抱えていた。そんな時、転校した高校で心優しい律子(小松菜奈)と問題児の千太郎(中川大志)と知り合い、初めてジャズに触れる。新たな音楽の魅力にはまった薫は、律子への恋心も抱きつつ、唯一無二の友情を育んでいく。文化祭で披露した薫のピアノと千太郎のドラムによるジャズセッションは、かけがえのない青春を最高に輝かせていたが……。


■出演: 知念侑李 中川大志 小松菜奈
真野 恵里菜 / 山下 容莉枝 松村北斗(SixTONES/ジャニーズJr.) 野間口徹
中村梅雀 ディーン・フジオカ
■監督:三木孝浩   脚本:高橋泉
■原作:小玉ユキ「坂道のアポロン」(小学館「月刊Flowers」FCα 刊)
■製作幹事:アスミック・エース、東宝
■配給:東宝=アスミック・エース制作プロダクション:アスミック・エース、C&Iエンタテインメント
■©2018 映画「坂道のアポロン」製作委員会 ©2008 小玉ユキ/小学館

■公式サイト⇒ http://www.apollon-movie.com/

2018年3月10日(土)~全国ロードショー

 

manhunt-bu-550.jpgあの堂島川にも入った!? 福山雅治・桜庭ななみ『マンハント MANHUNT』大ヒット御礼舞台
(2018年2月18日(日)TOHOシネマズ梅田にて)
登壇者:福山雅治・桜庭ななみ



大阪ロケで始まり、大阪の舞台挨拶が最後となる。
ジョン・ウー監督の奇跡のアクション大作、日本列島を爆進中!

 

manhunt-bu-fukuyama-240-1.jpg2月9日(金)よりTOHOシネマズ梅田他にて全国絶賛公開中の映画『マンハント』(ギャガ配給作品)の大ヒット御礼舞台挨拶に、主演の福山雅治桜庭ななみが登壇。夏真っ盛りの暑い大阪でロケが始まったのは2年前。昨年秋の製作本国・中国で公開されてより、数々の舞台挨拶をこなしてきた二人。舞台挨拶最終地となる大阪の映画館に立ち、「ただいま!やっと完成しました。公開までが長かった~!大阪の皆さんと一緒に作った映画です。舞台挨拶も最後だと思うととても名残惜しい」という福山の感慨深そうな言葉に、殆ど福山ファンで埋め尽くされた会場は大歓声をあげた。


本作は、香港フィルムノアールの巨匠ジョン・ウー監督が、高倉健主演でも映画化された原作「君よ憤怒(ふんぬ)の河を渉れ」を、日本映画へのオーマジュを込めて再映画化したもの。『男たちの挽歌』シリーズやトム・クルーズ主演の『ミッション・インポッシブル』シリーズと、独自のアクションスタイルで世界中の映画ファンを熱狂させてきたジョン・ウー監督が、大阪を舞台に、チャン・ハンユー福山雅治のW主演で奇跡のサスペンス・アクション大作を完成させた。


manhunt-500-3.jpg正義を信じる大阪府警の刑事・矢村聡を演じた福山雅治と、殺人の罪を着せられた弁護士のドウ・チウを演じたチャン・ハンユーとの逃亡劇。警察からも暗殺者からも追われる二人を、矢村の部下で新人刑事の百田里香を演じた桜庭ななみがサポートする。桜庭は本作のために運転免許を取ったが、運転シーンはすべてカットされているらしい。それに対し福山が、「最初は4時間になると聞いて、二部作か~!? と驚きましたが、110分に収めるために編集でカットされる部分も多いという訳です。決してダメだからカットされた訳ではありません」と桜庭の努力が無駄ではなかったとフォローした。


manhunt-500-43.jpg福山自身も水上バイクの免許を取って、水の都・大阪の堂島川や大川でのバトルシーンに挑戦した。「あの濃い緑の川に入りました!」。本作の大きな見どころでもある水上バイクでのバトルシーンで、“あの川”に入ったというのだ。全カットをスタントマンで撮ったのだろうと思っていたので、意外や意外。「勿論、水質検査の結果を調べたら、大丈夫ということだったので…」。さすが福山、抜かりはない。次は船舶二級の免許を取って、ヨットの上で優雅にくつろぎたいが、「肌を焼くことはしません」。――49歳になっても若くてカッコ良い秘訣は、美肌を保つことにあったのかな?

 
manhunt-bu-sakuraba-240-1.jpg男気のある激しいアクションが作風のジョン・ウー監督について、桜庭は「ひとりひとりの俳優の意見を尊重してくれる優しい監督さんです。現場でペットのワンちゃんの写真を見て微笑んでおられましたよ」!? 福山も「元々素朴で穏やかな人」と証言しながら、「現場では“カット!”“OK”しか言わない」と真似ると、「似てる~!」と桜庭を驚かせた。


“ジョン・ウー監督らしい”と思った点については、「鳩ですよ、鳩!鳩と共演するのが夢でしたから!」と興奮気味に語り出す福山。「ハンユーと僕が対決してる時に、2人の間を鳩を飛ばせるんです。香港から呼び寄せた鳩師が鳩を両手でつかんで待機しているんですよ。どんだけ綺麗に飛んでくれるのか気になっていたので、完成品を観て、鳩と一緒に映ってることが本当に嬉しかったです」。ジョン・ウー監督作品を数多く観て来た映画ファンならではの感想だろう。


一方桜庭も監督について、「アクションは勿論カッコイイのですが、発想が素晴らしいですね。私が被害者の気持ちになってシンクロさせるシーンがあるのですが、意外なその演出方法に驚きました」。「突然やって来て、ムチャぶりさせるんですよ。でもそれに応えられた桜庭さんも素晴らしい」と、桜庭を褒める福山。観客と呼応するように語っては笑いや拍手が沸き起こる。ここでも共演者や観客への気遣いに抜かりはない。


manhunt-bu-fukuyama-240-2.jpg撮影時、エキストラ2000人にアイスを提供したという“伝説の福山アイス”については、大阪での撮影中はかなりの暑さだったようで、だんじりのシーンは2日の予定を1か月もかかってしまったとか。会場にはエキストラとして参加されたお客様も来られ、「その節は大変お世話になりました。製作者に成り代わりましてお礼申し上げます」と福山からの謝辞を延べられると、会場はわれんばかりの拍手と歓声が沸き起こった。桜庭はそのシーンでは3日間も現場で待機していたが、1回も出番もなく、福山から差し入れられたアイスだけを食べて帰ったという。


大阪ロケでの楽しい思い出は、「撮影は日中に行われたので、帰り「松屋」へ寄って牛サラとビール飲むのが楽しみでした」。福山雅治が庶民的な「松屋」通いをしていたとは!? 意外過ぎる話にびっくり。勿論、東京では行かないらしい、ロケ先限定とのことだ。


manhunt-bu-500-1.jpg最後に、最終舞台挨拶ということで、名残惜しい気持ちを胸に、「1日も長く皆様に愛されますように」と桜庭が述べると、「大阪あっての作品です。大阪の街が、人情が、人柄も映っています。今後世界中で観られる映画ですから、そんな作品に参加できたことを光栄に思っております」また、「確かに若干ツッコミたくなる部分もあると思います。たとえば斎藤工の出番が少ないとか…。ジョン・ウー監督が30~40億かけて日本でオールロケして撮った奇跡の大作です。末永く愛してやって下さい」。殆ど福山ファンで埋め尽くされた劇場は、終始大歓声と拍手が響いていた。

 
(河田 真喜子)


『マンハント』

【STORY】
manhunt-pos.jpg酒井社長(國村隼)率いる天神製薬の顧問弁護士であるドゥ・チウ(チャン・ハンユー)がパーティの翌朝、ベッドで目を覚ますと、社長秘書・希子の死体が横たわっていた。現場には自身の指紋が付いたナイフが置かれるなど、突如として殺人事件の被疑者となった彼は、何者かにハメられたことに気づき、その場から逃走。そんなドゥ・チウを大阪府警の敏腕刑事・矢村(福山雅治)は、新人の部下・里香とともに独自の捜査で追っていく。

カギとなるのは、天神製薬研究員だった婚約者を3年前に失った謎の美女・真由美(チー・ウェイ)。次々と警察の包囲網を潜り抜けていく被疑者に近づくほどに、この事件に違和感を覚え始め、次第に見解を変えていく矢村だったが、ついに真由美の実家である牧場にいるドゥ・チウを捕らえることに成功。だが、手錠をかけた彼とともに、女殺し屋・レイン(ハ・ジウォン)たちからの襲撃に立ち向かった矢村は、彼の無実を確信する。何者かによって捜査が妨害されるなか、身分や国籍を超えた“強く熱い絆”が芽生えた2人はともに手を組み、事件の真相に立ち向かうことを決意する。だが、そこには恐ろしくも、巨大な陰謀が待ち受けていた――。


監督:ジョン・ウー
主演:チャン・ハンユー、福山雅治、チー・ウェイ、ハ・ジウォン 友情出演:國村隼  
特別出演:竹中直人、倉田保昭、斎藤工 
共演:アンジェルス・ウー、桜庭ななみ、池内博之、TAO、トクナガクニハル、矢島健一、田中圭、ジョーナカムラ、吉沢悠
原作:西村寿行『君よ憤怒の河を渉れ』/徳間書店刊 および 株式会社KADOKAWAの同名映画

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高橋一生、子供の頃の夢は考古学者。共演したい俳優は「原西さん!」。『blank13』大阪舞台挨拶(18.2.17 大阪ステーションシティシネマ)
登壇者:高橋一生  
 
俳優の斎藤工が高橋一生を主演に迎え、「齊藤工」名義でメガホンを取った長編監督デビュー作、『blank13』が 2 月 24 日(土)から大阪ステーションシティシネマ他にて順次公開される。放送作家のはしもとこうじの実話を基にした家族の物語では、高橋一生演じるコウジが13 年前に突然失踪し、見つかったときはがんで余命3カ月だった父雅人の真の姿に辿り着くまでが、静かに描かれる。主人公の彼女役を松岡茉優、失踪した父親役をリリー・フランキー、母親役を神野三鈴が演じ、斎藤も主人公の兄役で出演。葬儀で父親の在りし日のエピソードを語る友人には、村上淳、川瀬陽太、佐藤二朗、くっきー(野生爆弾)ら個性派俳優や芸人が揃った。
 

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2月17日に大阪ステーションシティシネマで行われた舞台挨拶付き先行上映会では、6000人もの応募が寄せられ、453人が当選。大阪での初の単独舞台挨拶となった高橋一生は上下ホワイトのカジュアルスーツスタイルで登場し、満席の観客から大きな歓声が巻き起こった。

 
監督兼、高橋演じるコウジの兄役でも出演している斎藤工の監督ぶりについて聞かれると、「最初は助監督が用意スタートと言うけれど、カットは兄役の斎藤さんが現場で一呼吸置いてから言う感じ。まずこちらが演じてみせて、そこから演出をしていだくような作業でした」と現場の様子を披露。
 
 

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さらに台本をめくると「台詞を丸暗記しなくてもいい」と書かれたページがあり、役者に役作りをゆだねる自由度の幅が広かったことを明かした。そんな高橋が印象的だったのは家族のシーン。「家族の空気感やお兄ちゃん、お母さんとの距離感が測れ、コウジ像を作る助けになった」
 
コウジが弔問客の語りで亡き父の姿を知ることになる葬儀シーンは、出演者それぞれがアドリブを繰り広げる“何が起こるか分からない”現場だったそうで、「僕は喪主側で、アドリブをする訳ではないけれど、笑いをこらえることはありました。特に(野生爆弾の)くっきーさんは、コウジの立場に立てば『怖い人が来た!』と思いますよね」と、そのインパクトの強さを「だんとつ面白い、狂気!」と表現。この撮影が初対面だったというくっきーとのエピソードを聞かれると、「撮影の帰りにいきなり車を貸してほしいと言われました。足利で撮影、東京に帰るのに2時間かかるのに。正直に『ごめんなさい』と言いましたが、冗談だと分かって驚きました」。また、村上淳が棺を覗き込んで歯を抜こうとしたアドリブシーンでは、「斎藤さんの方を見て、何かあったら動くつもりでいました。お兄ちゃん、どうするって感じでした」とまさに息をのむような思いで見守っていたという。
 
 

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コウジが野球選手になるのが夢だったことから、子どもの頃の夢を聞かれた高橋は、「ピラミッドの中の通路に捨てられたバナナの皮がなかなか腐らないと小学校の頃何かで読み、ピラミッドへの興味から考古学者になりたかった。僕にとって吉村作治さんはヒーロー」と意外な一面を披露。さらに、今後共演したい俳優の話題になると、「原西さん!」と即答。「一日、劇場でずっとは原西さんを見続けていたい。大好き!いつか何らかの形でご一緒できれば」と熱烈ラブコールを送った。

 
フォトセッションの時、声援に手を振りながら応えていると「キャァー」と黄色い声が飛んだことに感動した高橋は、「ぼくもキャァーを言う側に回りたい!」と咄嗟に舞台を降りて最前列に座るアドリブも。観客の熱気も最高潮のうちに終わりの時間となった舞台挨拶。最後には、「映画を観終わった皆さんとこの時間を共有できて本当にうれしいです。僕達は映画を作り、その映画を観てもらうこの空間でなければできない時間を共有するのが映画館。この作品を観て、それぞれの中にひっかかりを持って帰ってもらったら、(僕が)お芝居をしていて一番うれしい瞬間です。この作品は皆さんの想像力を刺激する作品ですし、それを提示できたと自負しています。これからもそんな作品に出演していきたい。また観たかったら、(劇場に)来てください」と高橋が感激の面持ちで挨拶し、観客と心が一つになれるような温かい舞台挨拶が終了した。主人公の子供時代と2つの時代を行き来しながら綴る家族の物語。対照的な二つの葬儀から在りし日の人間関係を感じさせる演出も印象的だ。
(江口由美)
 

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<作品情報>

『Blank13』
(2017年 日本 1時間10分)
監督:齊藤工
出演:高橋一生、松岡茉優、斎藤工、神野三鈴、リリー・フランキー他
2 月 24 日(土)から大阪ステーションシティシネマ他にて順次公開
公式サイト → http://www.blank13.com/
(C) 2017「blank13」製作委員会
 
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日時:2 月 12 日(月・祝)12:40-13:10   会場  :TOHO シネマズ梅田   シアター②
ゲスト(敬称略):二階堂ふみ・吉沢亮・行定勲監督
 
岡崎京子の代表作「リバーズ・エッジ」の実写映画、且つ主演キャスト2人と人気監督の登壇ということで、今か今かと登場を待ちわびる観客の熱量と高揚感が感じられる満席の劇場。発売開始15分で即完売というだけあり、相当な期待感が伝わってくる。歓声と温かい拍手が鳴り響く中、満面の笑みを浮かべながら登壇したのは、本作で主演を演じた二階堂ふみ、吉沢亮、そして行定勲監督だ。この日二階堂は春めいた白いノースリーブのワンピース、今若者の間で人気絶頂の注目俳優・吉沢亮は  細身なスーツで登壇!今をときめくキャストの登場に、感極まり号泣するファンの姿や、絶叫する女の子たちの姿も見られ、大盛り上がりのスタートを切った。
 
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いよいよ今週末の 2 月 16 日に公開を控えた本作、二階堂は企画が立ち上がった当時はちょうど17歳の時だったそうで、6 年の時を経て公開を迎えるに当たり「いよいよ公開なんだなと。自分にとってとても特別な作品なので、沢山の方々に観て欲しい気持ちですが、少し寂しい様な色々感じるものがあります。」と映画に対する心情を吐露した。二階堂のコメントを受け吉沢は「(『リバーズ・エッジ』は)青春の話ではありますが、どの世代にも必ず“刺さる”ものがある作品。最近の邦画には無い感じの特別な映画なので、たくさんの人に届いて欲しいなと思います!」と、行定監督は「1997 年に出版された、あまりに伝説的な作品につき、映画化するにあたって本当に覚悟しました…。永遠に誰もが持っている気持ちを描いているので、今の若い子たちに観てもらいたいですし、観てくれた人に何か残れば良いな…。」とそれぞれ本作への想いを述べた。
 
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2日後にバレンタインデーが迫っている事もあり、MCからバレンタインデーの思い出を聞かれると,「(バレンタインデーが)明後日だという事に今日気づきました(笑)」と二階堂。加えて「高校生の時は本格的にチョコを作って好きな子にあげたりとかしてました。手作り派なので、カカオから取りに行きたい位でした…(笑)働く様になってからは買う様になったんですけど(笑)」と学生時代の思い出を笑顔で披露していた。また、吉沢の「小学6年生の頃から“友チョコ”が流行り出して…なのでチョコを交換している女 の子のところに自分から行って、“余ってるんだったらチョコ頂戴!”って10個くらい貰ってました(笑)」というエピソードに対して    は、すかさず「チョコ貰ってる奴はすぐこういう事言う!何言ってんだよな~(笑)俺なんか“(女の子に)チョコ嫌いだから”って言い張ってましたよ、本当は甘いものもチョコも好きなんですけどね!(笑)」と行定監督がコメント。会場は爆笑の渦に巻き込まれた。吉沢は「中学時代は死ぬ程モテましたけど、バレンタインデーに関しては何もないです!(チョコが)ないとは思いつつも、ソワソワして入ってないかな~って机の中とか探してました!!(笑)」と笑いながら否定し、またもや会場を沸かせた。
 
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また、大阪に来た際に行く場所は?という MCの問に対して、二階堂が「揚子江ラーメンに必ず食べに行きます!」と即答。この二階堂の意外な(?)返答にキャストと会場がびっくりする場面も見られた。最後に二階堂の「伝えたい事はたくさんあるのですが…シンプルに作品を感じて頂けたらと思います!」と本作と、岡崎京子さ  んの描いた原作に対する愛と尊敬の溢れるコメントを残し、大歓声と満足そうなお客様の笑顔で溢れる中、3人は大阪舞台挨拶を後にした。
 

『リバーズ・エッジ』
 
主演:二階堂ふみ、吉沢亮、上杉柊平、SUMIRE、土居志央梨、森川葵
監督:行定勲 脚本:瀬戸山美咲 原作:岡崎京子「リバーズ・エッジ」(宝島社)
主題歌:『アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)』小沢健二(ユニバーサル ミュージック)
2018 年/日本/カラー/118 分/5.1ch/スタンダード/日本語
<STORY>
若草ハルナ(二階堂ふみ)は、彼氏の観音崎(上杉柊平)が苛める山田(吉沢亮)を助けたことをきっかけに、夜の河原へ誘われ放置された<死体>を目にする。「こ れを見ると勇気が出るんだ」と言う山田に絶句するハルナ。さらに、宝物として死体の存在を共有しているという後輩でモデルのこずえ(SUMIRE)が現れ、3 人は決して恋愛には発展しない特異な友情で結ばれていく。 ゲイであることを隠し街では売春をする山田、そんな山田に過激な愛情を募らせるカンナ(森川葵)暴力の衝動を押さえられない観音崎、大量の食糧を口にしては吐くこずえ、観音崎と体の関係を重ねるハルナの友人ルミ(土居志央梨)。閉ざされた学校の淀んだ日常の中で、それぞれが爆発寸前の何かを膨らませていた。そうした彼らの愛憎や孤独に巻き込まれ、強くあろうとするハルナもまた、何物にも執着が持てない空虚さを抱えていた。そんなある日、ハルナは新しい死体を見つけたという報せを、山田から受ける…。
 
2月16日(金)より TOHO シネマズほか にて全国公開

<オフィシャルリリースより>
 

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関西弁にチャレンジの井浦新、聖地・大阪の観客を前に感動と緊張!『ニワトリ★スター』大阪完成披露舞台挨拶
(18.2.11@大阪カンファレンスセンター)
登壇者:かなた狼監督、井浦新、成田凌、紗羅マリー、シャック、マグナム弾吉
 
バイオレンスもエロもあるけれど、実はとてもロマンチック。役者が全てをさらけ出し、混沌の世界に一筋の希望を見出す物語を体現したバイオレンス・ラブ・ファンタジー『ニワトリ★スター』が、3月18日からヒューマントラストシネマ渋谷、3月24日からシネ・リーブル梅田、シネマート心斎橋、今春元町映画館、他全国順次公開される。
 
<ストーリー>
深夜のバーでアルバイトをしながら大麻を売買する草太(井浦新)と、自由奔放で破天荒な楽人(成田凌)は東京の片隅にあるギザギザアパートで同居しながら、きままに暮らしていた。楽人は覚せい剤中毒で6歳の息子を抱え、DVの恐怖におびえるかつてのバンド仲間、月海(紗羅マリー)と再会し、月海と彼女の息子を支えたいと願うようになる。街の不良たちを陰で操るヤクザの八田清(津田寛治)の陰謀を感じ、大麻売買から足を洗って実家の大阪に戻ることを決意した草太は、楽人と喧嘩別れをしてしまうが、東京に残った楽人は仕事欲しさに八田の元を訪れてしまい…。
 
前日の東京完成披露試写会に引き続き、撮影地でもある大阪で行われた完成披露試写会では、かなた狼監督、草太役の井浦新さん、楽人役の成田凌さん、楽人と深い縁を持つ月海役の紗羅マリーさん、バーのママ、中年ゲイカップル、菊役のシャックさん、熊役のマグナム弾吉さんが登壇。かなた監督の地元である大阪での初披露とあって、全編関西弁で挑んだ井浦は緊張の面持ち。かなた監督からキャストへの言葉には笑いあり、感動あり、そして涙あり。ここから羽ばたくという決意を込めた舞台挨拶となった。その内容をご紹介したい。
 

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■かなた監督が吹き込んだ台詞を2ヶ月かけて完コピした関西弁。(井浦)

井浦:この作品の生まれた場所で、皆さんに見ていただくのはうれしい気持ちと、少し緊張している気持ちもあります。普通の作品では言語指導が必ずありますが、狼組だから指導してほしいと言う訳にはいかない。その代わりに、「草太の台詞を全部監督の声で録音したデータを僕にください」とお願いし、2か月間24時間、ヘッドフォンで監督の声と共に過ごしました。睡眠学習のように、寝る前にイヤホンをして、監督の声を聴きながら寝たりするものだから、家族とも離れて寝ていましたね。現場でもちょっと音程がずれるとかなた監督からチェックが入ったのですが、撮影がはじまると自分では全く気にならなかったです。監督のほぼ完コピできたつもりなので、映画の関西弁がマズいのなら、それは監督の関西弁がオリジナルすぎるということです(笑)
 
かなた監督:僕が物語を書き始め、これを映画にすると伝えた時から、新は「わかりました」と言ったきり、ずっと待ち続けてくれました。関西弁を話すこと、世間が持つ井浦新の少しクールなイメージを一切封印するという大きな十字架を背負わせましたが、彼はやり遂げてくれた。新は決着をつけたいような関係、結局(この作品を一緒にやっても)決着はまだだけれど、遠い先にまたやるかもしれない。とにかく、この作品でまた(二人の新しい関係が)始まりました。

 

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■楽人を演じたというより、「2016年の夏をただ草太と一緒に生きた“良い思い出”」。(成田)

成田:2016年の夏をただ一緒に生きていただけなので、代表作と思える作品になっていると思うだけでなく、他の作品とは少し距離がある気がします。「ただ過ごした」ということにしたい。草太と楽人として過ごした、スタッフさんたちと一緒に過ごしたあの日々を「すごく良い思い出」という気分に収めておきたい。まだ作品を観ても、一切客観的に観ることができないし、初号を観た時にも、僕と新さんは一切目を合わさず一番遠い距離にいました。まだ誰とも感想を言い合えてないですね。
 
かなた監督:映画を作る時、最初は真っ裸の状態からはじまるので、逆に今は精神的に服を着てしまって、お互いにぎこちなさがある。凌は「楽人をやるのは俺しかいません!」と言い切り、この作品に全てを捧げ、僕らも現実かどうか分からない瞬間が多々ありました。この世ではないことを延々と話し、草太、楽人としてその期間を生きた。今、井浦新と成田凌が一緒にいるけれど、あの時の草太と楽人には二度と会えない。映画の中にはいたけれど、もうここにはいない。「あの夏」という言葉が僕達には相応しいのでしょう。

 

■撮影前、人生をさらけ出したワークショップがあったから、本当に辛いことを乗り越えられた。(紗羅)

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紗羅:何年も前に東京の代々木公園で5分会っただけの私に、いきなりかなた監督からインスタのメッセージで出演依頼をされました。すごく大きな気持ちを受け、とても難しい役でしたが、やってみようと決意。撮影前に凌君と私と監督の3人のワークショップでは、「凌と手を繋いで、見つめ合って、人生全てを語れ」と2時間密室で見つめ合いながら、親にも言えない悩みや人生で辛かったこと、嬉しかったこと全てをさらけ出しました。その上でこの作品に臨んだおかげで、「できないかも」と思う瞬間や、本当に辛いこともなぜか乗り越えられました。120%の力を出し切ることができたと思います。
 
かなた監督:役者とはすごく危険な仕事。違う人格になるし、全てがポジティブな人格ではないので、不安定な状態を保たなくてはならない。役者に「精神の世界の深いところに飛び込め」と言うのと同時に、何かあった時に救出に行くのも監督の仕事。ワークショップで心の深い悩みを一緒に聞いたので、本番で行き詰った時にも見えない関係性で声をかけることができる。だから、あの時聞いた話は、3人の秘密。この作品をやれば、絶対何かが変わったと思う。

 

■20年来の友人シャックと、30年来の友人マグナム弾吉の出演秘話

シャック:東京で10年以上役者活動をしていて、かなた監督の短編にも出演していました。10年前に映画を作る時は声をかけると言われていたけれど、音沙汰がなくて。でも「お前の役を作ったから」とオカマの菊という素晴らしい役をやらせていただいて、本当に感謝しています。
かなた監督:20年来の友達で、いろいろありました。愛してるよ!
マグナム:かなた監督とは30年来の友達。人生で大分弱っている時に監督へ電話すると、「映画を撮るけど、役があるから出てくれへんか」と。自信を取り戻すことができたので、これからもがんばっていきたいと思います。
 

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■色々なことをやり、彷徨い、やっと居場所を見つけた。(かなた監督)

かなた監督:46歳で初監督ですよ。色々なことをしてきたけれど、今振り返れば彷徨っていた。魂の置き場、居場所がやっと見つかったと思いました。映画作りは、俳優に精神的、肉体的にきつい役作りをしてもらったり、スタッフさん、出資してくださる方、ありとあらゆる方が関わってくださり、それらの努力、忍耐全てを僕が絞り上げ、作品に全て注ぐ。それを皆さんに観ていただく。それができた今、究極の言葉は心からの「ごめんなさい」と心からの「ありがとうございます」しか思い浮かばないんです。自分を支えてくれる家族、仲間、役者や他の人たちの家族の人たちもそうです。そういう皆さんに支えられて映画を作る覚悟が要りました。自分が誇れる人たちと一緒にやれたことで、自分を誇りに思える。今は、勲章をもらったつもりでいます。
 
 

■狭くなってきている表現の幅を、押し返したい。(かなた監督)

かなた監督:この作品は僕の10年間、必死でした。こういう映画を世に出すということはものすごいものを背負わないといけない。過激な作品、暴力な作品と言われもしますが、現実を見てください。現実の方がよほど恐ろしいことが起こっている。現実の方が麻痺していて、逆にコンプライアンスで映画の表現の幅が狭まってきている。だから僕はこういう作品で、狭くなってきている幅を押し返したい。日本には素晴らしい役者や、製作陣がいますので、世界に向けて新しい時代を示していく。僕らの世代は政治や宗教、教育のはざまで、何か役割があるのではないかと思っています。本当にありがとうございました。
(江口由美)
 

<作品情報>
『ニワトリ★スター』(2017年 日本 2時間15分)
監督:かなた狼
出演:井浦新、成田凌、紗羅マリー、阿部亮平、LiLiCo、津田寛治、奥田瑛二他
2018年3月17日(土)~ヒューマントラストシネマ渋谷、3月24日(土)~シネ・リーブル梅田、シネマート心斎橋、今春~元町映画館他全国順次公開
公式サイト⇒http://niwatoristar.com/
(C) 映画『ニワトリ★スター』製作委員会
 
 

 

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リアル宇相吹・松坂桃李のマインドコントロールに、白石監督が驚愕のリアクション!『不能犯』大ヒット御礼舞台挨拶
(18.2.3 TOHOシネマズ梅田)
登壇者:松坂桃李、沢尻エリカ、白石晃士監督  
 
「愚かやねん、人間は――」が決め台詞。松坂桃李が絶対に立証不可能な方法でターゲットを殺す主人公・宇相吹正を演じて話題となっている白石晃士監督最新作の『不能犯』が、2月1日から絶賛公開中だ。宇相吹が唯一コントロールできない、正義感溢れる女刑事 多田友子役を沢尻エリカが演じる他、宇相吹に翻弄される人々に新田真剣佑、間宮祥太朗、テット・ワダ、菅谷哲也、岡崎紗絵、真野恵里菜、忍成修吾、水上剣星 水上京香、今野浩喜、堀田茜、芦名星、矢田亜希子、安田顕、小林稔侍という豪華キャストが出演する【立証不可能犯罪】スリラー・エンターテインメントになっている。
 
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2月3日節分の日にTOHOシネマズ梅田で行われた大ヒット御礼舞台挨拶では、松坂桃李、沢尻エリカ、白石晃士監督の3人が客席から豆まきをしながら登場。大喜びの観客に笑顔で応えながら、登壇した。
 

冒頭のあいさつで、白石監督は前日に尿路結石で救急搬送されたことを告白。「体の中の小さい豆を出させていただきました。誰かの体の中に…」とオカルト系作品に定評のある監督らしいコメントで笑いを誘った。

 
 
 
 

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2月1日に初日を迎えた感想を聞かれた松坂は「ようやく公開できたという感じでうれしい。本当に撮影期間より、番宣期間の方が長かった」と感慨深げに切り出し、「(バラエティーで)色々な芸人さんに可愛がってもらった。シソンヌという芸人さんと即興でコントを披露したり…。シソンヌさんにも感謝したいし、その番組の司会者、有吉さんにも愛を感じましたね」と、番宣を通じてのエピソードを語った。

 
 
 
 
 
 

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一方、オファーがあった時の感想を聞かれた沢尻は「脚本を読んで、すぐにその世界観に入っていけた。元々サスペンスやアクションが大好きで、今回は女性刑事でアクションのある役どころだったので、すぐにオファーを受けた」と振り返る一方、アクションシーンの撮影は「現場でアクションをすると、思った以上に難しくて体が動かない。こんなに大変なんだと思った」と、アクションシーンの洗礼を受けた模様。そんな沢尻の演技について、白石監督は「終盤、病院で走るシーンは、冒頭の短い走るシーンのテイクを重ねている時に痛めた足で、走りにくい靴にも関わらず、相当我慢してがんばってもらった」と語り、その女優魂を称えた。
 
 
 
ここで話は大阪の話題に。大阪で一番行きたい場所は?という問いに「(NHK朝ドラ『わろてんか』で共演の)兵動さんにフグを食べさせてもらったお店が、美味しかった~。お酒を飲んで、すべらない話をたくさんしてくれ、すごく贅沢な時間だった」(松坂)、「USJ大好きです。また行きたい」(沢尻)、「梅田食堂街にあるたこ焼屋、来るたびに食べてから仕事に向かう」(白石監督)。
 
 
 
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朝ドラの撮影で大阪に滞在していた松坂は大阪の人のエピソードとして、ドラマで共演の濱田岳から聞いた“上下真っ赤な下着姿で信号待ちしている40~50代の女性”の話を披露。大阪人はバラエティー豊かでノリがいいという“マインドコントロール”にかかっているのでは?と無理やりのフリから、「いきなり誰に〝バン!“と拳銃撃ちしても、必ず反応してくれる」と、本日のクライマックスへ。
 
事前に白石監督から様々なパターンの“撃たれ方”を演出された観客に向けて、松坂が「バーン!」と舞台上から仕草をすると、一番大きなリアクションをしたのはなんと隣の白石監督。舞台上に倒れ込み「ビックリした!」と、昨日の体調不良を感じさせないハイテンションで、松坂も沢尻もビックリ。観客を巻き込んでのマインドコントロールの成功ぶりに、「大阪の人は本当にやさしい!」と松坂も感謝しきりだった。
 
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ホラー顔で変幻自在の白石監督に刺激され、満面の笑顔でフォトセッションを行った松坂と沢尻。最後に「宇相吹というキャラクターが何を目指そうとしていたのか、思い描いてほしい」(白石監督)、「すごく思い出になった作品。また一人でも多くの人に観てほしい」(沢尻)、「東京の人では思いつかないような忌憚なき感想をぜひSNSにあげて!」(松坂)と挨拶。盛りだくさんの舞台挨拶を締めくくった。
 
 
明るい舞台挨拶とは裏腹に、攻略できない難敵、宇相吹が醸し出すダークな雰囲気が覆う『不能犯』。宇相吹を演じる松坂、そしてアクションにチャレンジした沢尻と、それぞれの新しい魅力を発見できる作品だ。
(江口由美)
 

 
<作品情報>
『不能犯』
(2018年 日本 1時間46分)
監督:白石晃士 
原作:『不能犯』(集英社「グランドジャンプ」連載 原作:宮月新/画:神崎裕也)
脚本:山岡潤平、白石晃士
出演:松坂桃李 沢尻エリカ 新田真剣佑 間宮祥太朗 テット・ワダ 菅谷哲也 岡崎紗絵 真野恵里菜 忍成修吾 水上剣星 水上京香 今野浩喜 堀田茜 芦名星 矢田亜希子 安田顕 小林稔侍
主題歌:GLIM SPANLY「愚か者たち」(UNIVERSAL MUSIC)
配給:ショウゲート
公式サイト → http://funohan.jp/
©宮月新・神崎裕也/集英社 2018「不能犯」製作委員会 
 
 

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「清貧の気持ちで、故郷の失われていく文化を守り、伝えていく」大林宣彦監督、戦中戦後の体験を語る『花筐/HANAGATAMI』舞台挨拶@大阪ステーションシティシネマ
 
壇一雄の原作を基に、デビュー以前に脚本を書き上げていたという大林宣彦監督が、40年の時を経て、佐賀県唐津市を舞台に映画化した『花筐/HANAGATAMI』。大阪ステーションシティシネマで初日を迎えた1月27日(土)に、大林監督が上映後の舞台挨拶で登壇した。まずは大きなスクリーンに、そして満席の観客に感謝の意を表した大林監督は、手にしているステッキから往年のミュージカルスター、フレッド・アステアを引き合いにだし、「フレッド・アステアのようにタップダンスが踊れればいいが、さすがに今日は踊る訳にはいかないので」とおどけてみせると、映画と戦争との関係(ハリウッド映画の成り立ち)から、軍国少年時代の話、敗戦後8ミリで映画を撮るに至った経緯と『花筐/HANAGATAMI』に凝縮された思いの源を語り明かし、最後はガンと闘っている今の心境を明かした。その内容をご紹介したい。
 

 

■映画は戦争を記録し、その記録をより深く記憶するために生まれた~ハリウッド映画の起源。

フレッド・アステアといえば私たちはアメリカのハリウッド大スターとして覚えているが、本当はヨーロッパの人。その話の続きで言えば、今でもハリウッド人たちの8割はユダヤ系の血筋を引いている。そもそもハリウッドというのは、エジソンが発明した活動写真のトラストからはみ出したユダヤ系の人がアメリカの東海岸から逃れ、アメリカ大陸を横断し、当時は雨一つ降らなかったカリフォルニア・ウエストコーストの地に作ったのがハリウッドという映画の街。そして、ハリウッド映画は、第一次大戦、第二次大戦の歴史と共に育ってきた。映画は戦争を記録するため、その記録をより深く記憶するために生まれたことが歴史的にも言える。ハリウッドに集まった人が、二つの大戦で国が滅び、家族がホロコースト等で斬殺され、自らもさすらい人になった。かつては新天地だったウエストコーストに居をさだめ、ここなら憧れの自由と映画に満ちた国を作ることができる。それを映画で作るというのがハリウッド映画の起源なのです。

 

■フレッド・アステアらのミュージカル映画は占領政策の一環。アメリカの人種問題を描いた『駅馬車』『風と共に去りぬ』は上映されなかった。

敗戦後、当時占領国のGHQの指示で、「日本人は精神年齢12歳だから」と、随分日本人をバカにした話ですが、日本人を育てるにはアメリカ映画を見せるのが一番いいということで、占領政策で見せてくれたのがアメリカ映画。でも現実には戦勝国のアメリカ映画はほとんど上映されなかった。『駅馬車』『風と共に去りぬ』は1939年には出来上がっていたのに、私たちが見ることができたのは、日本独立後の1952年になってから。アメリカの国内の戦争(南北戦争)を題材に、奴隷制度にも関わる作品なので、「アメリカの恥部を見せてはならない。人種差別があることを日本に教えてはいけない」ということで、私たちが見ることができたのは、ヒューマニスティックな映画や、フレッド・アステアやジーン・ケリーが登場するようなアメリカ得意のミュージカル。我々を食べてしまう青鬼のように怖い奴と教えられてきたアメリカ人が、アメリカ映画を観て、なんと白い、お尻の大きな人なのだろうと一気に好きになったものでした。
 

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■軍国少年が体験した敗戦。自分の気持ちの中で人が生きたり死んだりしている。

満7歳で日本が戦争に負けた。本当はそこで大人たちは自決をし、その前に子どもたちを殺してくれる約束だった。戦争中は、山本嘉次郎監督の日本がハワイの真珠湾をやっつけた映画を夢中になってみていた。パンフにもあるが、当時、零戦に乗り、空からなすび爆弾を落とすと、船に乗ったルーズベルト大統領とチャーチル大統領がキャー助けて!という自筆のマンガを慰問袋に入れて、母が戦地の父に送ってくれていた。そういう軍国少年だったから、戦争に当然勝つと信じていた。ところがその戦争に日本が初めて負けてしまった訳です。子どもに何が分かるかと侮るけれど、子どもぐらい大人を観察し、大人の世界をよく知る存在はいない。当時の4、5歳の私もそう。この大人は自分にとって役立つことをやってくれるかどうかをしっかり見抜き、大人を識別して生きている。戦争中の子どもだから、物心がついたときから、戦争ごっこの中で生きている。名前を知っている十人ぐらいの人が必ず戦争で死んだと聞かされる。無人の廊下を見ると、廊下の光と影の中に、戦死をした隣の鳥屋の兄ちゃんが立っている。肺病で戦争に行けず、非国民と言われ、列車に飛び込み自死した兄ちゃんが立っている。自分も大きくなれば大日本帝国の国民として戦争に行き、爆弾を抱えて死ぬ姿が、当時から見えていた。だから人が生きている、死んでいるという実感はあまりなく、生きていると信じていればそこに居てくれるし、死んじゃったと思えば、死んだ人としてそこに居る。光と影の気配の中に、自分の気持ち次第で、人が生きたり死んだりしている。私にとって、生きている人と死んでいる人の実感がないのです。

 

■「日本が歴史の中ではじめて平和国家を託された最初の大人」として大人になった世代。

むしろ敗戦で大人たちは死んでいたはず。その前に僕の事を殺していたはず。それなのに、日本が戦争に負けた途端、大人たちは自ら死なないし、子どもを殺さない。平和だと浮かれている。こんな大人は信じられない。戦前派、戦中派でもないが、戦後派にもなれなかった子ども。敗戦後の日本の大人が一番信じられなかった。子どもだから余計に生きて今いること、平和な時代にいることが信じられなかった。それでもぼくは生きてしまった。昭和10~15年生まれは、「日本が歴史の中ではじめて平和国家を託された最初の大人」として大人になった世代。そこには何のお手本もない。10年生まれの寺山修司、立川談志、ミッキー・カーチス…こういう人たちが中途半端なところで生きてきて、そのうち戦争の話はなかったことになっていた。
 

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■平和の時代の映画を作るならキャメラも選ばなければいけない~8ミリキャメラに込められた思い。

私は父親が残してくれた8ミリキャメラがあった。私が映画の道を歩みたいというと、父は「人間、心に決めた道を一生まっしぐらに進むことこそ平和の証。医学のことは分かるけれど、映画の事は分からないから、せめて大切に使っている8ミリキャメラを譲るから、これを持って東京に行きなさい」。さすがにこんなもので映画は撮れないと思ったが、これが父親の遺言ならと思ったのです。僕は映画が大好きで、1960年代までは日本で見ることのできる世界中の映画を観た人間。そして、僕が観てきた35ミリの映画は権力の機械を使って撮っていた。機械にも必ず権力がまとわりついている。平和の時代の映画を作るなら、キャメラも選ばなければいけない。父が譲ってくれた8ミリキャメラはアマチュアの庶民のキャメラだがカメラだが、権力ではなく、殺される側が持っていたもの。ぼくはこれで身を立てようと思いました。

 

■『花筐』は一つの集大成~映画作家大林宣彦誕生秘話。

当時8ミリで身を立てようと思っていたのは高林陽一と飯村隆彦の三人だけ。しかも、「新しい時代だから映画は映画館だけではなく、画廊に白いキャンパスを置いて、おれたちの8ミリを上映したら発表できるんじゃないかな」。試しに銀座の画廊でやってみたら、銀座4丁目からお客さんが並んでくれた。美術手帖などが新しいフィルムアーティストの時代がきたと、私の名前が初めて公に出た。当時は横文字の職業名が日本ではなかったので、フィルムアーティストとは名乗れない。映画監督も、松竹の映画監督部の小津監督など、今で言う職能で、フリーのどこにも属さない人は名乗れない。おれは絵描きが一人で絵を描くように、一人で映画を作っていく人間だから、映画作家と言えるのではないか。それで、20歳の時に映画作家と名乗り、それ以来60年映画作家として生きてきた。それが『花筐』として一つの集大成になっていった。この映画は、私の父親、黒澤明、小津安二郎、木下惠介、溝口健二と同世代の小説家、壇一雄さんが書いた小説が原作です。
 

■清貧の気持ちで、故郷の失われていく文化を守り、伝えていく。

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8ミリで撮っていてもそれで食えるわけではないから、将来小説家として身を立てようと思っていた。私の妻は、生涯食えない作家の妻になるという覚悟で結婚し、生涯映画プロデューサーとして私を支えてくれた。食うための仕事なんて決してしない。金に身を売るぐらい哀れなことはない。美しく、賢く生きようとすれば、食えないのは当たり前ということで、当時は清貧で当たり前という教えの中で生きてきた。今でも清貧の気持ちで、自主映画を作り、故郷の失われていく文化を守り、それを伝えていくことが、それを知っている最後の世代の務めと思い、故郷映画を作りました。
 
 

■ガンになったおかげで分かったのは、「私も地球の中でのガンだった」

私の体の中にガンという同居人がいるんですよ。可愛いやつで。「お前はいいものを食べて長生きしようと思っているだろうけど、お前は宿子で俺が宿主だ。宿主の俺が死ねば、お前も死んだようなものだから、お前も長生きしたかったら、宿主の俺と長生きしようじゃないか」という話をするのだけれど、そこでハッと気が付く。この私も地球の中でのガンではないかと。私自身美味しいものを食べたり、好き放題してきたけれど、温暖化や色々なことを招いてしまい、宿の地球を滅ぼそうとしていると学んだ。少しは我慢して地球という宿を大事にしないと、人間たちも滅びてしまうということがガンになったおかげで分かり、余命3カ月と言われて、この映画を完成させる力となった。
(江口由美)
 

『花筐/HANAGATAMI』
(2017年 日本 169分)
監督・脚本・編集:大林宣彦
出演:窪塚俊介、長塚圭史、満島真之介、柄本時生、矢作穂香、門脇麦、山崎紘菜、常盤貴子、村田雄浩
1月27日(土)~大阪ステーションシティシネマ、2月3日(土)~京都みなみ会館、3月3日(土)~元町映画館他全国順次公開
公式サイト⇒http://hanagatami-movie.jp/
(C) 唐津映画製作委員会/PSC 2017
 

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中井貴一、坂田利夫との共演は「36年の芸歴の中で最高に幸せ!」『嘘八百』舞台挨拶
(17.12.12 TOHOシネマズなんば)
登壇者:中井貴一、佐々木蔵之介、坂田利夫
 
『百年の恋』の武正晴監督と脚本家の足立紳が再度タッグを組み、大阪堺市を舞台に描く新春コメディー『嘘八百』が1月5日(金)より全国ロードショーされる。
 
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空振り続きの古物商の則夫(中井貴一)、娘のいまり(森川葵)がお宝を探してやってきたのは、千利休の出生地、堺市。お宝が眠っていそうな古い蔵のある屋敷を訪れると、主人とおぼしき男、佐輔(佐々木蔵之介)が出迎え、蔵を案内してくれたのだが…。
 
 
運に見放された則夫と佐輔が、“幻の利休の茶器”をめぐって一儲けをたくらむ一攫千金コメディー。佐輔と組んで様々な偽造をいとも鮮やかにやってのける飲み屋の店主には木下ほうか、常連客には坂田利夫をはじめ、個性派俳優が勢ぞろいし、大阪ならではのテンポの良い掛け合いを披露している。則夫らが騙そうとする骨とう品店店主に芦屋小雁、重鎮鑑定師に近藤正臣と重鎮を揃え、一筋縄ではいかない骨とう品をめぐる攻防ぶりが白熱するのだ。
 

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全国ロードショーを前に、12月12日(火)ロケ地の大阪・堺市に近いTOHOシネマズなんばにて行われた舞台挨拶付有料上映会では、上映前に司会者が主演の中井貴一、佐々木蔵之介を呼び込むと、佐々木と共にトレードマークのギャグ歩きで登壇したのは中井貴一ではなく共演の坂田利夫!あっけにとられ、爆笑の観客を前に「何がおかしいねん。中井貴一でございます。今日はカツラを取ってきました~」と中井になりきって挨拶した。佐々木は「贋作がテーマですからね」と『嘘八百』の内容に引っ掛けた演出を一言で表現。ようやく登壇した本物の中井貴一は、開口一番「師匠(坂田利夫)との共演は36年の芸歴の中で最高に幸せ」と坂田を称えると、坂田も「心からありがとうさん!今晩は寝られへんわ」と感動の面持ちだった。
 
 

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中井、佐々木に挟まれ、センターでマイクを持った坂田は、二人との共演について、「素晴らしい!背も高いし、髪の毛も多いし、やさしいねん」と、現場で優しくしてもらったエピソードを披露。そんな坂田との共演を振り返った中井は、「人間は笑わせようとしたらダメ。師匠は存在自体が可笑しい」ともはや笑いの神扱い。一方、佐々木は「仕事で海外にいる時、着信を見ると必ず師匠。海外にいるのでとメールをしても、師匠はメールを読まない方で。電話の通信音で海外だと分かるはずなのに」と坂田とのエピソードを披露すると、坂田も「地震があったから心配で。(音は)どこかでお好み焼きでも食べているのかと思った」と笑いを誘った。
 
 
 
 
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そんな坂田が撮影でなかなかセリフを覚えられなかったことを明かすと、中井が「師匠は木下ほうかさんのセリフを覚えていて、本番でもほうかさんのセリフを言ってました。ほうかさんが『僕のセリフなのになぁ』って」と即座に指摘。坂田は「人のセリフは覚えやすい。自分のは覚えんかったな~」と天然ぶりを発揮した。
 
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坂田だけでなく、芦屋小雁、近藤正臣とベテラン俳優陣に囲まれた撮影だったが、中井は「老いるということはどういうことかを学びました。まんざら捨てたものじゃないですね」と人生の先輩方から撮影で学ぶことも多かったようだ。さらに「映画はコメディーではないけれど、現場がコメディーだった」と本番ではヒューマンドラマの一面があることも敢えて強調。妻役の友近との共演の感想を聞かれた佐々木の横で、またしても坂田が「羨ましいわ~奥さん欲しいわ~」と観客から結婚相手を公募する一幕も。最後の挨拶まで中井から代表してと託された坂田が「今日は本当にサンキューベリマッチです」と坂田節を発揮、主演二人の魅力と映画の魅力を訴えた。
 
まだまだ裏話がたくさんありそうな『嘘八百』は、ほぼ全編堺市ロケで、堺の魅力がたっぷり。主演二人のコンビぶりも楽しめる初笑いコメディーで、2018年は開運確実!?
(写真:河田真喜子 文:江口由美)
 

<作品情報>
『嘘八百』
(2017年 日本 1時間45分)
監督:武正晴
出演:中井貴一、佐々木蔵之介、友近、森川葵、前野朋哉、堀内敬子、坂田利夫、木下ほうか、塚地武雅、他
2018年1月5日(金)~全国ロードショー
公式サイト⇒ http://gaga.ne.jp/uso800/
(C) 2018「嘘八百」製作委員会