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2019年11月9日(土)

【@TOHOシネマズ日本橋】登壇者:EXILE AKIRAさん、佐野玲於さん、佐藤大樹さん、行定勲監督、洞内広樹監督、井上博貴監督。

【@大阪会場(TOHOシネマズなんば)】登壇者:小林直己さん、今市隆二さん。

東京と大阪のスクリーンに、それぞれのゲストが映し出されて、2元中継がスタート!


11月8日(金)より全国公開となった、CINEMA FIGHTERS projectの第三弾『その瞬間、僕は泣きたくなった-CINEMA FIGHTERS project-』の公開記念舞台挨拶がTOHOシネマズ日本橋にて行われ、EXILE AKIRAさん、佐野玲於さん、佐藤大樹さん、行定勲監督、洞内広樹監督、井上博貴監督が登壇しました。この日の舞台挨拶は大阪会場となるTOHOシネマズなんばと2元中継され、小林直己さん、今市隆二さんがスクリーンに映し出されると黄色い歓声が湧き起こり、会場は一層大きな拍手に包まれました。


sonoshunkan-bu-T-500-1.jpgまずは一言挨拶から。

「Beautiful」主演のAKIRAさんは「(2元中継)はなかなか距離感が難しいですが、楽しいイベントとなるよう、温めていけたらなと思います。今回はCINEMA FIGHTERS projectの第三弾ということで、素晴らしい監督とともに作った最高の作品が集まっています」と笑顔で会場を見渡します。


次に大阪会場から「海風」に主演した小林さんが「短い時間ですが、ぜひ楽しんで行ってください。よろしくお願いいたします」と挨拶。続いて、「海風」の行定監督が「このプロジェクトは、本当に色々なものに挑戦させていただけます。20分強の短編ですが、普段自分がやっている長編で扱っているものとは”まったく違うもの”に小林くんと挑みました」とコメント。


sonoshunkan-bu-O-500-1.jpg今度は「On The Way」主演の今市さんが「大阪のみなさん、東京のみなさん、そして全国のみなさん、こんにちは! 今日は舞台挨拶と映画を観ていただけるということで、短い時間ですが、まずはこの時間を楽しんでいただければと思います。よろしくお願いいたします」と挨拶。


続いて「GHOSTING」に主演した佐野さんは「朝早くからありがとうございます。そして大阪のみなさんもありがとうございまーーす!」と元気よくコメントし、両会場は大きな拍手に包まれます。そして「『CINEMA FIGHTERS project』は、可能性が無限にある。そんな素敵なプロジェクトに参加できて、みなさん作品をお届けできることがとてもうれしいです。楽しんでいってください」とニッコリ。「GHOSTING」の洞内監督は、「子供の頃から映画監督になりたくて、TOHOシネマズ海老名でもアルバイトをしていました。ここに立たせていただいていることが、夢みたいです。作品、そして出演してくれた玲於くんに連れてきてもらったと思っています。ありがとうございます」と感謝の言葉を述べていました。


「魔女に焦がれて」に主演した佐藤さんは、「大阪のみなさん、東京のみなさん、本日はありがとうございます。『CINEMA FIGHTERS project』は、個人的にずっと出たかったプロジェクトだったので、作品に参加し、ここに登壇することができてとてもうれしいです」と満面の笑みを浮かべて挨拶。そして、「GHOSTING」の井上監督は「朝早くから、ありがとうございます。五作五様の素敵な映画が楽しめるプロジェクトです。よろしくお願いします」とコメントしていました。


sonoshunkan-bu-T-240-3.jpg一言挨拶が終わったところで、AKIRAさんがスクリーンを見つめ「直己は、もっとでかくなっちゃいましたね」と大阪会場の小林さんに話しかけます。すると、小林さんも「成長しちゃいました(笑)」と照れ臭そうにしながらも、「スクリーンで見ると、AKIRAさんの股下の長さがものすごいです!」と切り返し、指摘されたAKIRAさんが、自身の股下を見つめる仕草を見せ、会場の笑いを誘っていました。


公開記念舞台挨拶に登壇した感想についてAKIRAさんは、「とてもありがたいです。東京、大阪だけでなく、(ライブビューイングで)全国各地の会場にこの熱気をお届けできるのは、とてもうれしいです」と満足の表情を浮かべていました。MCによる「みなさん、盛り上がっていますか?」という問いかけに、会場から再び大きな拍手が沸き起こると、小林さんがマイクを会場に向け、拍手の音を拾う仕草を見せていました。


ここで、俳優陣に「クランクイン前に監督とどんな話をしたのか」という質問が飛びます。AKIRAさんは「三池監督は、ご存知のようにとてもインパクトのある方ですし、どのようなアプローチで来るのか、とても緊張感がありました。いざ、撮影に入ると俳優に寄り添ってくれる監督だと感じました。作品に入るときには、監督の世界観に染まらせてもらうというのが僕のモットーなので、ディスカッションを求められれば、ディスカッションするというように、監督のリクエスト通りにさせていただきました。三池監督は最初から最後まで寄り添ってくれる監督で、そんな三池監督と愛をテーマにした作品を、心地よくあたたかい現場で撮影させていただいたことに感謝しています」と振り返っていました。


sonoshunkan-bu-O-240-1.jpg小林さんは「行定監督は、作品からは想像できないほど優しくて気さくな方です。でも、撮影に入ると厳しくて怖いという印象です。作品の話をしていてもそういう印象がありました。だからこそ、遠慮なくぶつかることができました。撮影前に食事に行ったときには、主人公・蓮の孤独、純粋さについて自分がどう思っているのかということを伝えました。そして、僕自身のバックグラウンドも伝えることで、蓮と監督とそして僕の血肉の通った物語になったと感じました。撮影中は監督が船長の船に乗ったつもりで、暴れさせてもらいました」と行定監督とのやりとりを明かしました。


これに対し、行定監督は「僕は優しくもないし、気さくでもないですよ」と笑いながらも「すごく前から気になっているダンサーであり、パフォーマーでした。なんといってもインパクトがある。この体つきと首の太さ、これを活かせないかというのが頭にありました。一緒にご飯を食べたら、店は用意してくれるし、お金も払ってくれる。ものすごいジェントルマンぶりを見せてくれました(笑)」と説明する監督の背後で、スクリーンに映る小林さんが、身振り手振りで再現し、ツッコミを受ける場面も。


「3時間くらいの会話でしたが、小林くんがどういう人間なのか、しっかりと伝わってきました。クライマックスのラストシーンは彼のアイデアです。彼の意見は非常に的確だったので、話していくうちに、あて書きにしようと思いました。これほどのあて書きをして作った作品は、今までの僕の作品にはありません。とてもピュアな男ですからね? 合ってますか?」と行定監督が小林さんに問いかけると、「合ってます」と笑顔で返答。これに対し行定監督は「本当にそうかなぁ?」と返すなど、息の合った掛け合いを見せていました。そして「ちょっと汚れた役という設定だったのですが、そういう部分だけではない(純粋な部分がある)というのは、小林くんの存在が活かされたと思っています」と絶賛。小林さんも「あて書きは、役者としては大変ありがたい話です。と同時に、求められることもすごく大きいのですが、この物語を通して、新しい自分を発見できたので、感謝しています」と満足の表情を浮かべていました。


sonoshunkan-bu-O-240-2.jpg続いての回答は、本作で役者デビューを果たした今市さん。「クランクインする前に2回食事をしたのですが、そのときはまだ台本ができていなかったので、映画の話も、演技の話も特にしませんでした。監督が僕の”人となり”を知ろうとしてくれていたので、小さい頃、学生時代、三代目に入るまでの経緯、そしてプライベートについて話しました。監督もご自身のプライベートをすべて話してくれるので、僕も素直に話すことができ、信頼関係を作ることができました。その関係でクランクインできたのは本当によかったです。海外での撮影で、初めての演技。右も左も分からないので、信頼関係がないと成り立たなかったと思います。監督がいてくれたからこそ『ついていこう!』と思えたので、ブレずにつとめさせていただきました」と監督との信頼関係について、熱く語っていました。


sonoshunkan-bu-T-240-2.jpg佐野さんは「小竹さんから洞内監督を紹介されたのですが、写真を見たら怖そうな印象だったので、衣装合わせには少しドキドキしながら行きました。だけど、話してみたら怖い感じは全然なくて、ディスカッションしやすかったです。気づいたら、衣装合わせの前に30分も話し込んでいました(笑)。作品に対する想いや背景を説明していただき『後はまかせた!』みたいな感じで。事前にいろいろと知ることができていなかったら、作品との向き合い方は違っていたかもしれません。とてもいい現場でしたし、監督に料理してもらったという感じです」と洞内監督の初対面を振り返っていました。これに対し、洞内監督は「僕は、食事をするというスタイルではなく、衣装合わせで話をするというアプローチにしました。佐野玲於という表現者に主体的に演じてほしいと思っていたので、役のディレクションは彼に託しました。結果、それは正解でしたね。想像以上のリアリティを持ってきてくれたので、本当に良かったです」と笑顔を浮かべていました。


sonoshunkan-bu-T-240-1.jpg佐藤さんは「役に対してのディレクションは特になく、出会ってすぐに衣装合わせをして、髪型を決めて、本読みをして、じゃあ、やってみよう!って。あまりにもポンポンポンと進んでいくので、僕自身は少し不安がある状態で撮影がスタートしました」と当時の心境を明かします。これに対し、井上監督は「短い話なので、文脈をわかってもらうには必要最低限のセリフだけでいい、と考えていました。あとは映像で表現したかったし、大樹くんもしっかり準備してくれていたし、本読みの段階で、表情で表現できると確信し、セリフを削っていきました」と撮影時の様子を解説していました。


ここで、AKIRAさんが「早く今市の作品を観たいと思っています」とコメントすると、照れ笑いを浮かべる今市さんに大きな拍手が送られます。 AKIRAさんは「いや、僕はもう観たんですよ。今、お客さんがそう思っているんじゃないかな?と心の声を代弁してみました」と茶目っ気を見せ、今市さんが「最高の兄貴です」と頭を下げる場面も。AKIRAさんの今市さん推しは止まらず「今市が演技していることが『Beautiful』です」と自身が主演した作品のタイトルにかけ、俳優・今市さんを褒め称えます。続けて「普段、今市は泣くことはありません。でも映画の中では泣いています。演技している今市さん、素敵です」と続け、会場の笑いを誘っていました。照れまくる今市さんに、会場から何度も大きな拍手が送られていました。


ここからは、それぞれの作品の感想をお互いに語ることに。

次々と演技に挑戦するメンバーが増えることに対し、AKIRAさんは「EXILE  TRIBE」のメンバーが、新たな道を開拓中だと説明したうえで、「今回、ここにいるメンバーのそれぞれが日本を代表する監督とタッグを組んでいます。今市のさらなるレベルアップを全国のみなさんにもぜひ、観てほしいです」とここでも”今市愛”を大爆発させていました。


小林さんは「『GHOSTING』の玲於がまさにゴーストだと思いました。そこに注目してほしいです」とコメント。小林さんの”推し”の佐野さんは「AKIRAさんの、希望を見つけた瞬間の笑顔がめちゃくちゃ素敵です。劇場では撮影はできませんが、DVDが出たときには、写真に撮って待ち受けにしてください」とニッコリ。ここで小林さんから「今市くんは?」と問いかけられた今市さんは、『魔女に焦がれて』の大樹くんですね」と回答。佐藤さんが「ありがとうございます」と一礼すると、今市さんは「以上です」と締めくくってしまいます。これに対し佐野さんは「特に推してないですよね?」と不満そうに訴える場面も。今市さんは「いえ、推しています」と回答しつつも、具体的なシーンやセリフをコメントすることはなく、いたずらっぽく笑い、この質問コーナーを締めくくりました。


次の質問は「特にここに注目して!という作品のアピールポイント」について。AKIRAさんは「言葉よりも、観て感じていただくことが大事な作品だと思います」とコメント。すると順番がまわってきた小林さんが「この後、コメントしにくいですね」と苦笑いしつつ、「横浜を舞台にしたヤクザと売春婦の物語ですが、それはあくまで役柄であって、描いているのは人と人とのやりとりです。短編は短い時間ですが、シーンの積み重ねから何か感じ取っていただけると思っています」とアピールしました。行定監督は、「小林直己あっての作品です。その佇まいひとつがすごく物語っています。撮影中は、彼自身のあり方や、その瞬間瞬間流れている空気をまとう中で奥底にある孤独や寂しさが伝わり、胸に迫るような気持ちになりました。それがみなさんにも伝わるといいなと思っています」と俳優・小林直己を絶賛。


今市さんは「主人公の健太がメキシコに行き、さまざまな人に出会う中、成長していきます。彼の成長を見届けてほしいと思います。メキシコのリアルが描かれていて、これは実際に起きていることです。昨日、松永監督とも改めて話したのですが、この作品を通してそれが届けられるとうれしいですし、観た方の人生を少しでも変えられたらいいと思って作りました」とアピールしていました。するとすかざす、AKIRAさんが「素敵な作品です。ぜひ、みなさん観てください」とオススメする場面もあり、会場から拍手が送られていました。


佐野さんは「どの作品もとても素敵で、印象的なシーンがいっぱいあります。僕の作品が唯一、ワクワクする要素やファンタスティックな世界観を描いていると思います。監督がノスタルジックで素敵な映画にしてくれたので、そこに注目して下さい。過去を思い出すきっかけにしてもらえたら楽しいかも」とおすすめポイントを解説していました。洞内監督は「現実離れした作品なので、それを信じてくれるかどうかはお客さん次第です。佐野くんが命を与えてくれた作品で、すべて佐野くんにかかっています(笑)。映画館への愛もたっぷりと詰まっていますし、あとはすべて佐野くんに託したので、そのへんも含めて受け止めてください」とコメント。


佐藤さんは「舞台は学校で、他の作品にあった”生と死”というテーマは僕の作品にはありません。こういう学生時代だったな、こんな恋愛していたな、青春時代憧れていたなとか、思いを馳せながら観ていただきたいです。演じているときはわからなかったのですが、完成した作品を観て、僕なりにショートフィルムの魅力が分かった気がします。CINEMA FIGHTERS projectの中で、この第三弾が一番好きです」と力強く語っていました。井上監督は「小竹さんからのリクエストは、大人もキュンとする青春映画でした。大樹くんのシネマファイターズに出たいという熱い想いも詰まっています。大樹くんを通して、切ないラブストーリー、青春映画を撮りましたので、楽しんで観てください」とコメントしていました。


フォトセッション後の、最後の挨拶でAKIRAさんは「全国の会場に足を運んでくださったみなさん、ありがとうございます。今日は今市の作品を推していましたが、直己もハリウッドの作品にトライしてパワーアップしています。そして、Jr. EXILE世代で頑張っている玲於や大樹の姿もとても頼もしく感じます。5本違った世界観の作品が観れるのは、とても貴重な機会だと思います。これだけ素晴らしい監督が集結して作り上げた素晴らしい作品を、ぜひ楽しんでください」と呼びかけました。


大阪会場との中継はここまで。


ここからは、会場に詰めかけたファンによる写真撮影のコーナーに。写真をSNSに投稿する際のハッシュタグはAKIRAさん自らが考案。


そして、最後に東京会場のファンへAKIRAさんから改めて挨拶があり「素晴らしい監督と一緒に、楽曲からインスピレーションを沸かせてショートフィルムを作るというのがこのプロジェクトのミソです。なので、楽曲にも注目してほしいです。せっかくなので、玲於と大樹からも一言ずつ」とバトンを渡します。


佐藤さんは「最後に主題歌が流れるのですが、歌詞もぜひチェックしてほしいです。5作品に5色、それぞれの色、メッセージがあります。いろいろな感じ方ができる作品なので、劇場で楽しんでください」とアピールしていました。


佐野さんは「ショートフィルムは、海外でも人気が高く、注目されています。LDHを筆頭にこういったプロジェクトに参加できること、そして豪華な監督とタッグできることは本当にうれしいし、ありがたかったです。5つのストーリーにそれぞれ共感できる部分があるので、何か感じ取っていただけたらと思います。ありがとうございました」と締めくくり、イベントは幕を閉じました。



sonoshunkan-550.jpg三池監督 の『Beautiful』には *EXILE AKIRA*、 
行定監督の『海風』には*小林直己*( EXILE / 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)、 
松永監督の『On The Way』には*今市隆二*( 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)、 
洞内監督 の『GHOSTING』には*佐野玲於*( GENERATIONS from EXILE TRIBE )、 
井上監督 の『魔女に焦がれて』には*佐藤大樹*( EXILE / FANTASTICS from EXILE TRIBE )が 出演。
 

<各話あらすじ> 

『Beautiful』  
アパートの自室で光司は首つり自殺をしようとしていた。 だが、大きな地震が辺り一帯を襲う。瓦礫の中で気が付いた光司は、 助けを求める女性の微かな声を聞き、無我夢中で下の階の住人・千恵を助け出す。だが、どこか千恵は様子がおかしい。 彼女もまた、地震が起きる直前に大量の薬を飲んで死のうとしていた。奇妙な偶然に、乾いた笑いを浮かべる二人だったが、一瞬にして変わり果てた世界を前に、光司は千恵にある提案をする。 
 
『海風』  
横浜のとある風俗街。この街を取り仕切るヤクザの蓮は、客からひどい扱いばかり受けていた中年の娼婦・蘭を気に掛け、一夜を共にする。 幼いころ親に捨てられた蓮は、蘭に母のような温もりを覚えた。 若いころから娼婦として生きてきた蘭もまた、蓮に離れ離れになった実の息子を重ねた。孤独で傷つきながら生きてきた二人が互いの喪失感を補うかのように親密になっていったその矢先、ある事件が起きる。 
 
『On The Way』 
メキシコ移民のサポートをするNPO法人の母の代わりに、健太は仕方なく一人メキシコにやって来た。スタッフのダニエルが話しかけても、健太はやる気を見せない。移民センターには、様々な事情を抱え命がけでアメリカを目指す人たちが訪ねてくる。今まで経験したことのない過酷な状況の人々と接し、健太は言葉を失う。ある日、健太は歩いて国境を目指す人たちを車で送ろうとする。反対するダニエルを押し切り、健太たちはセンターを出発したのだが…。 
 
『GHOSTIMG』  
2009年、満月の夜。一人の若者・バクは事故で死んだ。死者が過去の一日に戻れることを知らされたバクは、魂のまま「あの日」に戻る。10年前の1999年、ガールフレンドのメイと一緒に、お祭りに行くはずだった日。そしてそれは、メイが河原で亡くなった日。バクの魂は、少年時代のバクに電話をかけているメイの前に現れる。親との問題を抱え、塞ぎ込んだメイが目の前で橋から落ちようとするそのとき、バクは思わず手を伸ばす…。 
 
『魔女に焦がれて』 
高校三年の雅人は、中学卒業前に真莉愛に告白をして以来、彼女と気まずい関係のまま。だがある日真莉愛に話しかけられ、進路の悩みを言い当てられる。雅人の悩みが「見えた」真莉愛は、その不思議な力で解決方法を探る。真莉愛の能力はすぐに知れ渡り、彼女は女子生徒たちに恋や進路の相談を頼まれるようになる。だが、ある日突然真莉愛の力に異変が起こる。真莉愛の助言は外れるという噂が次第に広がり、彼女はクラスで孤立していく。雅人はそんな真莉愛を見ていられず…。 
 

<作品概要> 

5本のショートフィルムによるオムニバス映画 
 

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■作品名、監督 
『Beautiful』 三池崇史 
『海風』 行定勲 
『On The Way』 松永大司 
『GHOSTIMG』 洞内広樹 
『魔女に焦がれて』 井上博貴 
 
■主な出演者 
EXILE AKIRA、蓮佛美沙子 (『Beautiful』) 
小林直己、秋山菜津子 (『海風』) 
今市隆二 (『On The Way』) 
佐野玲於、畑芽育 (『GHOSTING』) 
佐藤大樹、久保田紗友  (『魔女に焦がれて』) 
 
【製作】:LDH JAPAN 
【制作】:パシフィック・ボイス 
【配給】:LDH PICTURES
【公開】:2019年11月8日(金)  
【クレジット】:©2019 CINEMA FIGHTERS project 
【公式サイト】:http://sonoshunkan.toeiad.co.jp/
 

(オフィシャル・レポート)

 

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(2019年10月19日(土)@なんばパークスシネマ)

ゲスト:新津ちせ、坂井真紀、滝藤賢一、橋本直樹監督(敬称略)



9歳になった新津ちせ、座長の貫禄十分!

「亡くした大切な人やペットを静かに思い出す映画です」と

アピールする姿がいじらしい。

 

マイク片手に手を大きく振りながら作品を語る姿はミュージカル女優のようだ。2歳からドラマやCM、映画に舞台と大活躍の新津ちせ。10月18日から全国公開された映画『駅までの道をおしえて』で初主演を果たし、両親役の坂井真紀と滝藤賢一に橋本直樹監督らと共に、東京に続いて大阪でも舞台挨拶を行った。質問者の方へ顔を向けて大きくうなずき、体全体で語る姿は座長の貫禄十分!1回でセリフを覚えたり、シーンの心情を的確に捉えたりと、天才子役の名をほしいままに、この日も観客の心も掴んでいた。

eki-550.jpg伊集院静原作の「駅までの道をおしえて」を橋本直樹監督が脚色・監督。可愛がっていた白柴のルーを亡くした少女サヤカが、思い出いっぱいの原っぱで不思議な犬ルースを連れたおじいさん(笈田ヨシ)と出会う。少女が悲しみを乗り越えて成長する姿を、長期に渡る撮影で丁寧に綴った感動作。白柴の仔犬を探す間にサヤカ役のオーディションを行い、第4次審査を勝ち抜いたのが新津ちせ。仔犬だったルーとは1年半も一緒に暮らして役作りしただけあって、愛犬との相性もぴったり。


「大切な人や大切なペットを静かに思い出す映画です。皆さんの大切な記憶に残る映画になったら嬉しい」と舞台挨拶の最後を締めくくった新津ちせ。可愛らしい顔立ちや立ち居振る舞いとは対照的な大人顔負けのしっかりとした受け答えに、共演者も観客もすっかり魅了されてしまった。

以下は、上映後の劇場にて舞台挨拶の詳細について紹介しています。



ekimadeno-chise-240-1.jpg新津:皆様に観て頂いてとても嬉しいです。今日はよろしくお願い致します。

坂井:大阪に来られてとても嬉しいです。

滝藤:マキタスポーツです!(笑)東京でもしっかり滑ってきました。今日はお忙しい中観に来て下さいましてありがとうございます。

橋本監督:本日は遅い時間まで、どうもありがとうございます。


――サヤカを演じてみて楽しかったですか?

新津:この映画の撮影はとても楽しかったです。


――大阪へはよく来られますか?

新津:舞台のお仕事でよく来ています。たこ焼きもお好み焼きも大好きです。

坂井:たこ焼きが大好きで、今回は食べて帰れるかどうかドキドキしています(笑)。

滝藤:僕はあまり大阪には来ないんですけど、串カツは大好きです。それと551の肉まんとかも。通天閣や梅田へも行ってみたいですね。


――おススメのシーンは?

新津:どのシーンも楽しかったのですが、ルーと一緒に駆け回った冬の雪の原っぱのシーンが特に印象に残っています。ルーとは1年半一緒に暮らしていました。


ekimadeno-takitou-240-2.jpg――「犬を飼いたい」とサヤカが言った時の両親の反応がとても印象的でしたが?

滝藤:親子3人の最初のシーンでは、午前中3人だけにして頂いて、3人でいろいろ話したり遊んだりしました。お陰で割と自然に家族として入っていけました。その時はまだちせちゃんはまだ“ザ・コドモ”だったのですが、9か月後に会ったらまるで別人のように成長していました。その間、監督とは密に語り合っていたようで、いいものを身に付けて豊かな表情になっていました。お父さんのような立場で見守る感じでしたね。

 


――オーディションで4次選考の末選ばれたちせちゃんですが、その魅力は?

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橋本監督:う~ん、あまり褒めたくないんだよね~(笑)。

坂井:褒めてあげて下さいよ。

橋本監督:オーディションには最初200人位しか集まらず、「一般オーディションもしなきゃいけないのかな」と思いました。僕は書類選考で落とすということはしないので一人一人と会っていたのですが、ちせに会って、「やはり“出会い”ってあるんだな」と思いました。

――何かお褒めの言葉が欲しいですよね?

橋本監督:観て頂いたお客様が彼女の演技で何かを感じて頂けたら、それが答えだと思っています。僕は身内なので自分の娘が「可愛い」とか言うのは気が引けますが、皆さんに褒めて頂く分については凄く嬉しいです。勿論そのことは分かっていますが、それを言うと調子に乗っちゃうんで…(笑)。


――犬のルーとルースはどうやって決まったのですか?

橋本監督:ルーはちせより先に決まっていました。白い柴犬はとても珍しくて仔犬を探してもらって、その間にオーディションをして、2か月後にちせとルーと会わせてみました。名前もまだなかったので「ルー」と名付けられたのです。ルースの方は、野犬だったのを保護されていた犬で大阪出身です。最初に預けられていた所を2回も脱走したようで、今いる所に落ち着いてからトレーニングを受けた犬なんですが、何となく雰囲気のある犬だなと思って決めました。

新津:ルーとルースは(どちらもメス)撮影の時にとても仲良くなって、このまま別れさせるのは可哀そうだということで、今は一緒に飼われています。


ekimadeno-sakai-240-1.jpg――両親役の滝藤さんと坂井さんから見たちせちゃんは?

坂井:可愛さが詰まっていますよね。見た目も性格も本当に可愛らしくて、ちせちゃんがママと思ってくれたから、私もお母さんになれたような気がします。ありがとうございました。

滝藤:凄くしっかりしている。挨拶もしっかりしているし、キャンペーンでも「こんな事言うとネタバレしちゃうから言わないでおこう」とか、ウチの次男坊と同じ小学3年生ですけど、全く違う!ウチの次男坊は、今朝なんか「ババ抜き」トランプで負けて泣いてましたからね(笑)全く別の生き物のようですよ。さすが女優さんだなと思います。


――自分がサヤカと似ている点は?

新津:サヤカが原っぱで走り回るシーンがよく登場するのですが、私も走るのが大好きなので似ているかなと。それと、ルーもよく走り回るので、よく「飼い主によく似る」と言われますが、私に似たのかなと思います。


――もう一度観て欲しいシーンは?

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新津:マキタスポーツさんと滝藤さんと3人で犬小屋を作るシーンはホントに面白かったです。ペンキを塗るシーンは全部アドリブで、イラストも描きました。ルーの絵は勿論、叔父さんの家はお豆腐屋さんだったので、おからや冷奴やねぎを描きました。


――脇役の俳優さんたちも豪華ですが?

橋本監督:大手の大作でなくても脚本が良ければ出演して下さる俳優さんは大勢いらっしゃいます。今回もそんな俳優さんたちに恵まれたと思っています。


――最後のご挨拶。

新津:この映画は大切な人や大切なペットのことをゆっくり思い出す映画だと思います。観て下さった方の大切な記憶になれたらとても嬉しいです。本日は観に来て下さって本当にありがとうございました。

 


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【出演者と監督について】

◆新津ちせ(主人公のサヤカ役):映画『3月のライオン』のモモ役や、米津玄師がプロデュースした「パプリカ」を歌うユニット Foorin の最年少メンバーとしてブレイク中。オーディションで受かった直後から愛犬ルーとの特別な絆を表現するため、自宅でルーとの共同生活を開始。その後、一年にわたる丹念な撮影を通してサヤカの心身の成長をカメラに刻み付けた。


◆笈田ヨシ(サヤカの友人となるフセ老人役):約半世紀にわたってヨーロッパの演劇界で俳優・演出家として活躍し、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙—サイレンス—』など映画でも強烈な印象を残してきた。


その他、サヤカの両親に坂井真紀と滝藤賢一、伯父夫婦にマキタスポーツと羽田美智子、祖父母に塩見三省と市毛良枝、医療関係者に柄本明と余貴美子が扮し、あたたかくヒロインを見守る。また 10 年後のサヤカを有村架純がモノローグ(声)で表現。


◆橋本直樹(監督と脚色):『トニー滝谷』『そこのみにて光輝く』をはじめ数多くの秀作を送り出してきた制作プロダクションウィルコ代表。『臍帯』に続く長編監督第2作となる本作は、15年前に原作を読んで以来、映画人としてのキャリアを全てつぎ込んだ渾身作。


【出演】 新津ちせ 有村架純/坂井真紀 滝藤賢一 羽田美智子 マキタスポーツ /余 貴美子 柄本明/市毛良枝 塩見三省/笈田ヨシ
【原作】:伊集院静「駅までの道をおしえて」(講談社文庫)
【脚色・監督】:橋本直樹 
【主題歌】:「ここ」コトリンゴ
【企画・製作】:GUM、ウィルコ
【配給・宣伝】:キュー・テック  シネマスコープ/ 5.1ch/DCP/125 分
©2019 映画「駅までの道をおしえて」production committee
【公式サイト】:https://ekimadenomichi.com/

2019年10月18(金)~なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹 他全国ロードショー!


(河田 真喜子)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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「世の中には抱きしめなければいけない人がたくさんいるということを、僕たちは映画で伝えたい」綾野剛、佐藤浩市、瀬々敬久監督が語る映画『楽園』@TOHOシネマズ梅田
(2019.10.9 TOHOシネマズ梅田)
登壇者:綾野剛、佐藤浩市、瀬々敬久監督 
  
 
  「悪人」「怒り」などの原作者・吉田修一の短編集「犯罪小説集」より「青田 Y 字路」「万屋善次郎」を映画化した瀬々敬久監督(『64-ロクヨン-』シリーズ、『友罪』)最新作『楽園』が、10月18日(金)よりTOHOシネマズ梅田他全国ロードショーされる。
 
 
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<ストーリー>
  12年前にある村のY字路で起こった幼女誘拐事件。失踪直前まで愛華と一緒だった紡(杉咲花)は、罪の意識を抱えたままだったが、祭りの準備中に、孤独な青年、豪士(綾野剛)と出会う。孤独な二人は少しずつ心を通わせるが、ある祭りの日、Y字路で再び少女が行方不明になり、豪士は犯人として疑われるのだった。1年後、Y字路へ続く集落で親の介護のためUターンした善次郎(佐藤浩市)は、養蜂家として町おこしに一役買おうとしていたが、ある出来事をきっかけに、村八分にされてしまう。
 
 
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  歪んだ人間関係やデマの拡散によって、人が追い詰められ、思わぬ事件を引き起こす現代社会と地続きのテーマを扱いながらも、原作では登場人物の一人だった紡の物語を膨らませ、紡と豪士の関係や、善次郎と亡くなった妻(石橋静河)との関係から、小説では描かれなかった男たちの表情が豊かに描かれており、映画版ならではの登場人物の深みが感じられるのだ。
 
 
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  10月9日、TOHOシネマズ梅田で開催された『楽園』ABC名画試写会では、上映前に主演の綾野剛、佐藤浩市と瀬々敬久監督が登壇。「大阪大好き!今日一番やりたかったことができ、気が晴れました」と大阪での舞台挨拶を心待ちにしていた綾野に対し、「今日は朝から稼働していて、壊れかけています。何か持って帰っていただきたいと思います」と佐藤はキャンペーン三昧の1日をユーモラスに表現。大学時代を関西で過ごした瀬々監督は「シネコンと違って、昔ながらの劇場なので、なんかいいなと思いました」と昔ながらの大スクリーンの前でその感想を語った。『64-ロクヨン-』に続いての共演となる佐藤と綾野、そして瀬々監督がお互いについて、また作品について語った舞台挨拶の模様をご紹介したい。
 

 

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―――『64-ロクヨン-』にも出演された佐藤さん、綾野さんの魅力は?

瀬々監督:綾野さんは15年ほど前、彼がメジャーになる前から知っていますが、当時はロン毛で繊細な感じでした。ずっとインディーズ魂を持っている役者だと思っていて、その魂は今も作品の大小に関わらず出演してくれることや、作品にも現れています。佐藤さんは、こう見えて同い年なんです。頼れる上司みたいな役を最近はよくやりますが、実は優しい人なんです。

綾野:浩市さんの背中には修羅があるというか、色々なこと、怒り、愛情があり、その背中で感じていたので、今回ご一緒することになった時も、すごく安心感があり、楽しみにしていました。プライベートでも食事をご一緒させていただきますし、安心感しかないです。
 
佐藤:綾野君はハードな部分とソフトな部分を持ち合わせています。役者として中堅という難しい時期に差し掛かっている中、例えば綱渡りをするにしても目隠しでやったほうが面白いでしょという人。その反面、冷静に人を観察する部分もあり、とても多面的な部分を持っている役者です。
 
綾野:今、すごく観察しています。『64-ロクヨン-』の時、日本アカデミー賞で主演5人の中に浩市さんと2人で参加しましたが、結局主演男優賞は、浩市さんが受賞されました。まだまだ遠いな、この背中はと思いましたし、肩を並べるとは言いませんが、近い位置に並べられるようになるにも時間がかかるかもしれません。それでも何度でも浩市さんとはご一緒したいです。
 
 
―――釜山国際映画祭では、アジア映画の窓部門に出品され、瀬々監督も参加されましたが、その手応えは?
瀬々監督:日韓は政治的には厳しい状況ですが、とても熱い歓迎を受けました。日本映画も15本ぐらい上映されていましたし、映画には国境がないと感じました。映画で手と手を結び合うことができればいいなと思います。
 
 

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―――綾野さんも、佐藤さんも追い込まれ、追い詰められていく役ですが、お二人が追い詰めらた経験は?
綾野:追い込むことはあっても、追い込まれることはないので、演じる時は自分で自分を追い込んでいます。映画は皆で一緒に作っているところで、等価交換ができるのかという部分で業を感じていますが、今回は手応えを感じています。
 
佐藤:僕らの時代は(監督に)追い込まれまくりでした。相米慎二監督はワンシーンワンカットで撮影するのですが、『魚影の群れ』で海辺での僕と夏目雅子さんのシーンでは、午前中いっぱいリハで、午後にやっとテイクをまわし出し、10テイク以上やってから「今日はやめよう」と言い出すんです。「どうしたらいいんだ」という状況を作ってくれたのは、僕にとっては全然マイナスではなかった。瀬々監督が、若い子には良かれと思ってOKを出さないのは、彼らにとってよいことだと思います。
 
 
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―――映画で象徴的に登場するY字路はまさに人生の分かれ道を示していますが、お二人の「人生の分かれ道」は?
綾野:日々ですね。人生は選択の連続で、僕たちは選択をし、選択肢があるから生きていけるのですが、楽園は選択肢がどんどん狭まっていく話です。何かを否定するのは一番簡単なので、僕はどうしたらできるかという選択肢を考えますね。こう見えてポジティブなのんです。そう見えますよね?
 
佐藤:全てがうまくいったかどうかわからないけれど、今、自分がここにいることを考えると、間違っていなかったんかなと思います。選択できる人生は素晴らしいですね。ひたすら止まってはいけないという人生は大変ですから。
 

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―――『楽園』というタイトルは、どこから発想したのですか?
瀬々監督:人々はより良き世界に行きたいと思いながら生きています。そういう欲望がボタンの掛け違いで、ちょっとしたことで事件に結びついてしまうのではないかと思って(逆説的に)つけました。
 
綾野:『楽園』というタイトルになったことで、俳優部はとても救われました。誰しもが平等に楽園を望むことができる。その言葉があったことは僕らにとって大きかったですね。
 
佐藤:台本の仮のタイトルが「犯罪小説集」だったのですが、ある稿から『楽園』というタイトルになり、その瞬間、僕の中でスコーンと抜けた気がしました。善次郎は何に対して、誰のために生きたのか、『楽園』って何なのかという逆説的な意味合いでも考えさせてくれ、この役をやるにあたっての光明が射しました。
 
 
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<最後のご挨拶>
瀬々監督:1989年に監督になり、30年目で、『楽園』は30周年記念映画だと思っています。かつては高度経済成長時代があったのに、こんなに憎しみ合ったり、なんでこんな時代になったのか。そんなことを思いながら作った映画です。
 
佐藤:掛け違えたボタンは掛け直すことができるけれど、それを掛け直すこともできずに、一番望まないところに向かってしまう弱者がいることを見ていただければと思います。そこにこのタイトル「楽園」をオーバーラップして考えていただきたいです。
 
綾野:今日は一緒に手を降ってくれたり、僕たちを歓迎してくださって、ありがとうございます。この映画がみなさんにとって、出会ってよかったと思える作品になったらうれしいです。最終的にきっとこの作品で打ちのめされ、苦しくなる部分もあると思いますが、野田洋次郎さん作詞作曲、上白石萌音さん歌唱のエンディング曲「一縷」という楽曲が、必ず皆さんを包んでくれると信じています。家に帰ってから、自分のとって大切な愛しい人を抱きしめてください。世の中には抱きしめなければいけない人がたくさんいるということを、僕たちは映画で伝えられればと思っていますので、この映画を皆さんに託します。ぜひ受け取っていただけたら幸いです。
(写真:河田真喜子、文:江口由美)
 

 
<作品情報>
『楽園』
(2019年 日本 129分)
監督・脚本:瀬々敬久
原作:吉田修一「犯罪小説集」角川文庫刊
出演:綾野剛、杉咲花/村上虹郎、片岡礼子、黒沢あすか、石橋静河、根岸季衣、柄本明
/佐藤浩市他
10月18日(金)よりTOHOシネマズ梅田他全国ロードショー
公式サイト → https://rakuen-movie.jp/
(C) 2019「楽園」製作委員会
 
 
 

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(2019年9月15日(日) @大阪ステーションシティシネマ )

ゲスト:小栗旬、蜷川実花監督


ningensikkaku-550.jpg“蜷川実花”マジックで蘇る、才気あふれる太宰治の色男ぶり!

小栗旬だから成立する、女たちを魅了し、そして小説の糧にした作家の生き様

 

生涯で4度の自殺未遂、5度目に愛人と心中して果てた太宰治。映画は21歳の時に起こした2度目の心中事件から始まる。相手の女性だけが亡くなって、自殺ほう助罪に問われている。後に心中未遂事件の顛末を酒席で面白おかしく語っては喝采を浴びる太宰。彼の周辺には常に出版業界人がたむろし、当代きっての売れっ子作家の新作が期待されていた。だが、苦心の小説は売れても当時の文豪たちには認められず、流行作家に甘んじていたのだ。妻の美知子(宮沢りえ)は夫の女性関係は小説を書くためのものと耐え、時に叱咤激励。太宰に憧れて近寄る女たちは、太宰が発する言葉に酔いしれ、究極の恋愛対象として、優柔不断でダメな男に溺れていく。

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ハリウッド進出で大注目の小栗旬は、大幅な減量で陰のあるセクシーさを、持ち前のチャーミングさで才気あふれるモテ男・太宰治を熱演。「“あれほどセクシーでカッコ良かったら、仕方ないよね”と誰しもが納得できる存在でなければ、この映画は成立しない。それが重要なキーだった」と語る蜷川実花監督の期待に、見事に応えている。太宰が発するセリフも、太田静子(沢尻エリカ)の書簡や最後に太宰と心中する山﨑富栄(二階堂ふみ)の日記から抜粋したものだという。「口にするのも勇気が要るようなセリフばかりで、自分が発する言葉によって身動きが取れなくなるようだった」という小栗の感想に対し、「言葉が秀逸だから心に刺さることが多い」と蜷川監督。

 

 


dazai-bu-N-240-2.jpgさらに、太宰に恋する女性たちの恋愛観について蜷川監督は、「昔の人の話だが今の私達にも共通するところがある。実際に人を好きになってしまうとのめり込むあまり盲目的になって、富栄と同じように、結婚もしていないのに夫婦気取りで男の総てを把握し管理しないと気が済まなくなってしまう」と分析。さらに、「富栄の日記を読んで、“自分の気持ちと地続き”と感じて、これは絶対イケる!と思った」。構想7年、本作を撮りあげた監督の思い入れの強さを感じた。


ラブシーンについて蜷川監督は、「小栗君は初めはぎこちなかった。冒頭の海辺のシーンは最後の撮影だったが、もう慣れてきて初対面の女優さんとでもすんなりキスシーンを演じていた」。小栗も、「相手の女優さんが全開で来てくれたので助かった」と振り返り、「回を重ねるごとに普通になっていく小栗君を見るのは面白かった。モニターの前で最初に観る観客としてニコニコ・ウフフしていた」と告白した監督。

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大阪について――今回の来阪はキャンペーンのためゆっくりできないようで、大阪の後名古屋へ移動。大阪には仕事でよく来ているという小栗旬は、「先日も『罪の声』の撮影で2週間ほど滞在し、好きな串カツ屋さんへ行った」という。蜷川監督は「子供連れでユニバーサルスタジオへよく行っている。この秋にも行く予定」。前日の東京での舞台挨拶後、沢尻エリカと二階堂ふみと小栗旬と蜷川監督の4人で食事した際、「このまま大阪行っちゃう?」の監督の誘いに、二人の女優も大いに乗り気だったとか。「でも衣装がない!」の返事に監督は、「ドンキで買ってあげるよ。ナースとか婦人警官の衣装をね(笑)」。小栗も「本当に来たそうだった。もう一押しでしたね」と、大阪の人気が高いことを披露。

 

 


dazai-bu-O-240-5.jpg他に観客からの質問で、結核が悪化する太宰が咳き込むシーンについて、「大変でした。吐血シーンもあり咳しすぎて吐きそうになった」と。また、どうしたら色気が出せるようになるかについては、「まず痩せることが重要かも。シャープな方が色っぽく見られるのでは?」という小栗の返答に、「あと、人生経験も重要だよね」と蜷川監督がフォロー。


発表する作品毎に進化を遂げる蜷川実花監督。今までの日本映画にはない異次元の世界観で圧倒する。本作で真骨頂を発揮した小栗旬の今後のワールドワイドな活躍に期待したい。

 



■監督:蜷川実花
■出演:小栗旬、宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみ、成田凌、千葉雄大、瀬戸康史、高良健吾、藤原竜也他
■配給:松竹 アスミック・エース (2019年 日本 2時間 <R-15>)
■コピーライト: © 2019 「人間失格」製作委員会  
公式サイト: http://ningenshikkaku-movie.com/

 

2019年9月13日(金)~丸の内ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、あべのアポロシネマ、MOVIX京都、TOHOシネマズ二条、T・ジョイ京都、神戸国際松竹、109シネマズHAT神戸、OSシネマ神戸ハーバーランドほか全国ロードショー


(河田 真喜子)

 

 
 
 
 
 

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2019年9月13日(金) @TOHO シネマズなんば 本館・シアター1

ゲスト ◆ 伊藤健太郎(22)、玉城ティナ(21)


 

~半端ない勢いで、最旬の二人が激突する青春狂騒曲~

 

今や映画界だけでなく、ドラマやバラエティ番組やCM、雑誌等でこの二人を見ない日はないというくらい引っ張りだこの伊藤健太郎と玉城ティナ。最旬の二人が文字通り体当たりの演技で思春期の抑えきれない衝動をぶつけ合う映画『惡の華』が9月27日(金)から全国公開される。押見修造原作の累計発行部数300万部という伝説的コミックを完全に実写化された作品は、誰しも思い当たる思春期の“黒歴史”を重ねては共感してしまう、少々痛々しい青春グラフィティである。


akunohana-550.jpgサディスティックな仲村に翻弄される主人公・春日を演じるのは爽やかな目力で魅了する伊藤健太郎。変態と誤解されることを恐れるあまり仲村と悪夢の主従関係に陥ってしまう内気な少年を、中学編と高校編とで熱演。偽りの殻を被って生きている人間を精神的に追い込んでは本性をあぶり出す強烈な役どころの仲村を、本作を含め『チワワちゃん』『Diner ダイナー』『地獄少女』と今年だけでも4本の出演作で快進撃を見せる玉城ティナが、春日への想いを秘めたせつない悪魔女子の演技で圧倒する。


9月27日の公開を前に開催された先行上映会の舞台挨拶に、伊藤健太郎と玉城ティナが登壇。よく笑うイメージ通りの爽やか伊藤健太郎に対し、会話をフォローするような対応を見せる落ち着いた雰囲気の玉城ティナ。昨年11月から12月にかけて行われた撮影についてや作品への想いなどを語ってくれた。

以下にその詳細をご紹介します。


――最初のご挨拶を。

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伊藤:春日を演じた伊藤健太郎です。こうして少しずつ皆さんに観て頂ける機会が増えて嬉しく思います。大阪の皆さんにどのように受け取って頂けるのか気になるところです。今日はよろしくお願い致します。

玉城:仲村を演じた玉城ティナです。今日は朝から取材を受けているのですが、いろんな所から関西弁が聞こえてきて、「私は大阪に来ているんだな~」と実感しています。今日はよろしくお願い致します。


――大阪の印象は?

伊藤:面白い人が多い!街を歩いていても「どこで買ったの?」と聞きたくなるような面白い服着たオッチャンが歩いていたりする…好きですね~そんなの。

玉城:インタビュアーの方もリアクションが凄くて、乗せられちゃうというか、ワナにはまって本音を喋ってしまいます。


――伊藤さんは、ブルマを嗅ぐシーンの事は東京で聞かれたと思いますので、大阪ではブリーフについてお話を伺いたいです。

伊藤:まさかブリーフをはいている姿をこんな大きなスクリーンで見られるとは思わなかった(笑)。面白かったのは、衣装合わせの時にブリーフをどれにしようかと選んでいる時です。最初はサイズ小さめだったのですが、それではちょっとヤバくなるので(笑)、大きめにしました。


akunohana-bu-tama-1.jpg――玉城さんがブルマをはかせるシーンでは打ち合わせしたのですか?

玉城:はい、やっぱり男の人にブルマをはかせるのは難しいので、イチ・ニ・サン!とタイミングを合わせてやりました。

伊藤:今思うとヤバくない?そこだけ見ると(笑)。

玉城:ヤバいよね、大事なシーンだけどね。ちょっとだけブリーフがはみ出るようにしたんです、よりが春日がカッコ悪く見えるように。井口監督にもそう言われて(笑)。

伊藤:それでか~!?なんか変だな~と思ってた(笑)。


akunohana-500-4.jpg――好きなシーンは?

伊藤:いっぱいあるのですが、中でも櫓のシーンは大変でしたが、思い出にも残っているし、好きなシーンのひとつですね。とにかく寒かったんですよ。夏の設定なので、薄着の上に水をかぶったりして。

玉城:私は大部分が中学生のシーンだったのですが、後半高校生になった仲村が出てくるシーンでは演じ分けに悩みました。飯豊さん演じる常盤との3人の海辺のシーンが好きです。青春を体験できたような気分でした。

――めったに服着たまま海に入ることはないと思いますが?

玉城:沖縄ではよくあることです(笑)。


akunohana-bu-itou-2.jpg――共演者とのエピソードは?

伊藤:何だか明るかったね。井口監督の人柄もあると思うけど、11月からの撮影だったので、“だんだん”とか言ってイカやチーズを焼いてみんなで食べました。

(ふとポスターを見て、)このポスターの僕って随分なで肩じゃないですか?なで肩をポスターにするかな?

玉城:なで肩にした方が中学生らしい頼りなげな感じが出るからじゃない?

――井口監督から中学生らしさを出すように言われたのですか?

伊藤:監督から150㎝ぐらいの感覚で演じてくれと言われました。肩を丸めて小さく見えるようにしてました。

玉城:映像で見ると、全然違和感なく中学生に見えてますよね。


――演じるのに気を付けた点は?

玉城:仲村という強烈な役をやるにあたって、ビジュアルは似せたかったので、髪を切って、アニメっぽくならない程度に赤く染めました。声のトーンや目線や背筋など細かくアプローチできればと思って気を付けました。

――怖い目つきの時もあればコミカルな時もありましたが、演じ分けも難しかったのでは?

玉城:仲村は強さや怖さが前面に出てしまうので、無邪気なところや可愛らしさも出してバランスをとるようにしていました。

伊藤:中学編と高校編の演じ分けのために、変化を付けたかった。髪型・ビジュアルに気を付けました。

――高校生の時のあの髪型は凄くないですか?

伊藤:あの髪型はカツラなんですよ~自分でも気持ち悪かったです(笑)。髪切れば、もう少し胸張って歩けるのに…と思ったりもしました(笑)。


akunohana-500-2.jpg――初めて台本読んだ感想は?

伊藤:「変態」とか「クソムシ」とかの言葉が際立っていたので、これは大変な作品にチャレンジするんだなと思いました。でも、読むと共感できる部分が多くて、仲村さんと出会って春日は変わっていきますが、誰でも最初の立ち位置は同じで、そこを一番わかってもらえるように演じなければいけないなと思いました。

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――玉城さんはそんな強烈な言葉を言う立場でしたが?

玉城:私は原作を高校生の時に読んでいたので、実写化すると聞いて、どんなふうに実写化するんだろうと興味を持っていました。どうせ作品に関わるのなら仲村をやりたいと思っていたので、願ったり叶ったりでした。強烈なセリフもありますが、仲村はピュアだからあのようなアウトプットのやり方しかできないのかな、と思いました。そこは特に躊躇なく入れました。

――伊藤さんはスッと入れましたか?

伊藤:全然スッとなんか入れなかったですね。めちゃくちゃ難しかったですね~。

――ご自身、M的な要素があったのでは?

伊藤:どちらかと言うとS的要素が強いと思っていたのですが、春日を演じていてそんな部分も出てきたり、出て来なかったり…?ここカットね!(笑)

 

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――お客様は喜んで下さったと思いますが。

伊藤:(会場を見渡して)いろんな年齢層の方に来て頂いてますね?

――皆さん、それぞれに思春期がおありだったと思いますので、いろんな事を思い出されたのではないのでしょうか。

伊藤:映画を観て、今日僕たちがお話ししたことを分かって頂けたら嬉しいです。映画の良さをもっともっと広めていけたらいいなと思っています。公開は9月27日。2度3度と映画館へ足を運んで頂けるようお願い致します。本日は本当にありがとうございました。

玉城:一足先に観て頂いて、皆さんの感想をお聞きしたかったのですが、是非SNSとかで教えて下さい。何かひとつでも心に残るものがあれば嬉しいです。一年前、伊藤さんも私もいろいろな思いを込めて作った作品です。どうかよろしくお願い致します。

 


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【STORY】

「あの夏、僕は仲村さんと出会い、リビドーに目覚めた。」


山々に囲まれた閉塞感に満ちた地方都市。中学2年の春日高男(伊藤健太郎)は、ボードレールの詩集「惡の華」を心の拠り所に、鬱々とした日々を過ごしていた。ある日、密かに憧れている佐伯奈々子(秋田汐梨)の体操着を教室で見つけ、思わず匂いを嗅いで、そのまま持ち去ってしまう。そこを目撃していたクラスでも恐れられている仲村佐和(玉城ティナ)に弱みを握られ、悪夢のような主従関係に陥ってしまう。仲村に支配され追い詰められた春日は、自己崩壊と絶望の果てにとんでもない事態に巻き込まれていく……。

 

【監督】:井口昇 (『ヌイグルマーZ』『ゴーストスクワッド』『覚悟はいいかそこの女子。』)
【脚本】:岡田麿里
【原作】:押見修造「惡の華」(講談社『別冊少年マガジン』所載)
【出演】:伊藤健太郎、玉城ティナ、秋田汐梨/飯豊まりえ
【配給】:ファントム・フィルム/2019 年/日本/127 分
    (C)押見修造/講談社 (C)2019映画「惡の華」製作委員会
【公式サイト】http://akunohana-movie.jp/

2019年9月27(金)~TOHO シネマズ梅田ほか全国ロードショー! TOHO シネマズなんば/TOHO シネマズ二条/TOHO シネマズ西宮 OS 他全国ロードショー


(河田 真喜子)

 

 
 
 

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(2019年9月9日(月)@梅田ブルク7)

ゲスト:池松壮亮(29)


 

「新しい時代を迎えた今だからこそ贈りたい、

宮本の熱い生き様を。」

池松壮亮、29歳。むき出しの愛に全力投球!

 

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「痛すぎるだろう、そんな愛は…」と思わず引いてしまいそうになる宮本と靖子のラブストーリー。平成に入って間もないバブル崩壊直前の1990年に連載がスタートした新井英樹原作『宮本から君へ』は、昭和の熱血サラリーマンを引きずるキャラクターが、社会に底流する理不尽な試練にもめげず、七転八倒しながら生き抜く姿を圧倒的パワーで描写。昨年TV放送されたドラマで宮本を演じた池松壮亮は、22歳の時にこの原作に出会い、それ以来宮本は歴史上のどの人物よりヒーローとなったという。


ドラマでは“サラリーマン篇”が描かれたが、映画では“宮本と靖子の愛”に焦点が当てられ、その容赦ない描写にただならぬ熱量を感じとることができる。それと同時に、傷付くことを極端に避ける緩みきった現代人に“喝っ!”を入れるような痛快さで圧倒する。共演は蒼井優、井浦新、一ノ瀬ワタル、佐藤二朗、松山ケンイチ、柄本時生など、宮本を翻弄する面々も豪華版だ。


台風15号で交通がマヒする中来阪した池松壮亮が、先行上映会の舞台挨拶に単独で登壇。本作への想いや撮影秘話など、慎重に言葉を選びながらも正直に語ってくれた。単独ということもあり、映画『宮本から君へ』が持つパワフルな魅力は勿論、池松壮亮の思慮深さと奥深い人間性に魅了される内容の濃い舞台挨拶となった。

以下はその詳細を紹介しています。
 


 

――池松さんにとって思い入れの強い作品の公開を前にした今の心境は?

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他の作品より時間がかかってしまい、ようやくここまで辿り着くことができました。公開されるのが楽しみな反面、ドキドキしています。個人的にも平成最後にこの作品に取り組み、こうして令和元年に公開されて、自分が辿ってきたひとつの20代最後の集大成として、皆様に届けられればいいなと思っています。


――ドラマから映画まで1年間空きましたが、宮本を演じる難しさは?

やることは確定していましたので、精神的には繋がっていました。とはいえ、そう簡単にはできないハードな役ですので、それなりの心構えや覚悟は必要でした。


――ドラマから変わった点は?

映画は2時間勝負で作られており、映画だけでも成立していますので、ドラマを見ておられない人でも大丈夫です。この前段階にドラマ(宮本のサラリーマン篇)があるのですが、あまり関係ないです。


miyamoto-bu-240-4.jpg――自分にとって宮本はヒーローだと仰ってましたが?

僕はこのように真っ直ぐに自我を持って目の前の正しさに向き合わずにきました。社会に順応しようと処世術を身に付けると同時に、自分の心も殺してきたような気がします。でも、宮本は目の前に何があろうとリスクを恐れず、清く正しい美しさを獲りにいける人です。バカでどうしようもない人ではありますが、僕にはできないことをやれる“ヒーロー”として僕は掲げているのです。


――冷静な池松さんですが最近“熱く”なったことは?

今熱いです。「何かを届けたい!」という熱い気持ちでいっぱいです。


――熱量が凄い作品ですが、現場の雰囲気は?

平成最後に取り組んだ仕事だったのですが、私だけでなく監督やプロデューサーや他の老若男女が平成を生きて来た中で、新時代への期待や不安もあり、やり残したことや罪や償い祈りのようなものを全部宮本に託したからだと思います。いろんな人たちが「最後に詰め込め!」という気持ちで作っていますので、新たな時代への大きなプレゼントになればいいなと思っています。


miyamoto-bu-240-1.jpg――青春の縮図、熱い想いは関西にも通じるものがあると思いますが、関西はいつ以来ですか?

年に1回ぐらいは来ていますよ。前回は日帰りであっという間に帰ってしまったので、今回は1泊します。この後友人と食べに行く予定なんですが、「何食べたい?大阪のうまいもんは肉か粉もん」と言われ、その二択しかないの?「肉か粉もん」以外の物を教えて下さい。

(会場から「串カツ」という声があがり)

いいですね~串カツは大好きです!


――蒼井優さんとの共演は?どんな女優さんですか?

ご存知のように凄く力のある女優さんです。とてもストレートな方で、清々しく分かりやすい方で、僕より「宮本」みたいな人です。同じ福岡出身ですが、僕なんかよりよっぽど男らしい!共演者としても仕事しやすく、何度共演しても新鮮に感じられる女優さんです。本作でもその新鮮さが出ていると思います。


――蒼井優さんとの共演は、「頼もしくもあり、救われた」と仰ってましたが、どんなところでしょう?

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宮本と靖子はお互い着火し合いながら相乗効果を生み出しています。時々とんでもない方向へいくような関係ですが、蒼井さんはもの凄くパワーのある人ですので、彼女が投げたボールをそれ以上のパワーで投げ返さなきゃならなくて、共演するのはとても大変です(笑)。でも、結果的には映画のためになっています。お互いプッシュし合ってできたシーンも沢山ありますので、どうかお見逃しなく。


――これからご覧になる皆様へのメッセージを。

2時間、宮本の生き様をたっぷり堪能して頂ければ嬉しいです。自分の生き恥も含め、宮本の力を借りて、新しい時代を迎えた皆様へのプレゼント、もしくはラブレターになれればいいなと思っております。本日はどうもありがとうございました。

串カツを食べて帰ります!(笑)。

 


 

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【STORY】
文具メーカー「マルキタ」で働く営業マン宮本浩(池松壮亮)は、ある喧嘩で負傷して上司に叱られている。愛想良くできない上に気の利いたお世辞も言えず、手柄を同僚に奪われるなど、営業マンとして四苦八苦していたが、なぜかこの日の宮本は晴々しい顔をしていた。それは中野靖子(蒼井優)との愛を不器用ながらも貫けた、初めて感じる男としての自信だった。そこには、語るもせつない宮本の悪戦苦闘の日々があったのだ。


痛々しい程の究極の愛に挑む宮本。「靖子は俺が守る!」と宣言したものの靖子を襲った悲劇に無力な自分を責め、そして絶対敵わない障害に挑戦する!……リスクを恐れず真っ向勝負に挑む宮本の情熱と誠意は、観る者を奮い立たせ、人を愛する覚悟を教えてくれているようだ。

 

(2019年 日本 2時間9分)
■出演: 池松壮亮、蒼井優、井浦新、一ノ瀬ワタル、柄本時生、 星田英利、古舘寛治、佐藤二朗、ピエール瀧、松山ケンイチ
■原作: 新井英樹『宮本から君へ』(百万年書房/太田出版刊)
■監督:真利子哲也 脚本:真利子哲也/港岳彦
■配給: スターサンズ/KADOKAWA   【R15+】 
■コピーライト:(C)2019「宮本から君へ」製作委員会

■公式サイト: https://miyamotomovie.jp/

2019年9 月 27 日(金) ~梅田ブルク 7、なんばパークスシネマ、T・ジョイ京都、神戸国際松竹 他 全国ロードショー


(河田 真喜子)

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(2019年9月8日(日)@なんばパークスシネマ)

ゲスト:加藤雅也(56)、中村ゆり(37)、松本利夫(44)、中山こころ(26)、和泉聖治監督(72)、中野英雄プロデューサー(54)



ありったけの愛を込めた刺青がせつない、

悲哀と影のフレンチノアールのような映画

 

9月6日(金)から全国公開されている映画『影に抱かれて眠れ』は、今どき珍しく知的なクールさに魅了される作品である。横浜の街を舞台にヤクザな闇世界を描きつつ、弟分の難儀を助け、惚れた女の最期に光を灯した純愛と粋な生き様の男の物語。ハードボイルド作家・北方謙三原作、講談社創業100周年記念出版作品「抱影」が映画化されたもの。その影の中には、街の兄貴分として慕われる画家の、優しさに裏打ちされた熱くて強い想いが潜んでいる。ハードボイルドというよりフレンチノアールのような悲哀に満ちた余韻が印象的な映画だ。


kagedaka-500-1.jpg9月8日(日)、なんばパークスシネマの舞台挨拶に主演の画家役の加藤雅也に、弟分にEXILEのメンバー・松本利夫と、密かに想いを寄せる女医役の中村ゆり、『相棒』シリーズの代表監督の和泉聖治監督、今回プロデューサー業に徹した俳優の中野英雄、そして急遽指名された「金髪のちんちくりん」役の中山こころが登壇。映画を観終えた観客の前で撮影秘話や作品に込めた想いを語った。
 



台風15号の接近で戦々恐々としている関東方面からやってきたゲストたちは、暑い大阪にやってきて、まずは大勢の観客にお礼のご挨拶。


kagedaka-bu-240-katou-2.jpg――ハードボイルドについて?

加藤:ハードボイルドは日本では作りにくい状況の中、一所懸命に作った作品です。一人でも多くの方に観て頂いて、これからも作り続けたいと思っておりますので、応援の程宜しくお願い致します。

中村:不器用ながら肩を寄せ合って生きているような、ちょっとノスタルジックな雰囲気の素敵な作品です。公開できて本当に嬉しく思っております。

松本:今回ハードボイルド映画ということで、辞書などで調べてみたのですがピンと来ませんでした。でも、加藤雅也さん演じる主人公の生き様を見ていると、抽象的な捉え方なのかな?と思いました。今日は皆さんが観終えた後のトークなので話しやすいと思います。映画の中では僕だけが生き残っていますので、今日も僕だけが生き残って帰ろうかなと思っております。(笑)

中山:すみません、急遽登壇させて頂きました。緊張して何言っていいか分かりませんが、よろしくお願いします。

和泉監督:静かな流れの中で始まる映画なのですが、その中で少しでも熱いものを感じ取って頂けたら嬉しいです。

中野プロデューサー(以降、中野P):若旦那が演じた役は僕がやりたかったんです。でも、監督が“若い方がいい”と仰って若旦那になったんです。

 

――昨日の東京・横浜の舞台挨拶と本日の大阪との熱気の違いは?

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中野P:東京と変わらぬ熱気です。

加藤:(急に関西弁で)僕はバリバリの関西人ですんで…

松本:あれ?昨日と話し方が変わってません?

加藤:いや、いつもこうやで!何言うてんねん、あれは仮の姿や!(笑)

中村:今日は私も関西弁で喋ります。関西での舞台挨拶にはよく友達が来てくれるんですけど、いつも「よう猫被ってんな~」と言われ、結構プレッシャーを感じてます。

松本:昨日はお二人とも標準語でしたよ。

加藤:俺にとっては関西弁が標準語やで(笑)、昨日のは方言や!


――大阪に来られるのは久しぶりですか?

加藤:しょっちゅう来てますよ。TVドラマの撮影や、それと去年から奈良の観光大使になったしね、関西へはよく来てます。最近大阪での舞台挨拶があまりないので、もっと増えたらいいなと思ってます。関西弁で喋るとノリが違うじゃないですか?楽屋の弁当も「551」やったしな!?あれびっくりしたな?

中村:「551」はお土産によく買って帰るので、実はよく食べてるんです。

 

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――皆さん息ぴったりな感じですが、撮影中は?

和泉監督:遠くから見てると子供が喋ってるように楽しそうにしていました。でも、現場に入ると顔が変わっちゃいますけどね。

――兄貴分の加藤さんと弟分の松本さんは今回が初めての共演だそうですが?

加藤:会ってすぐに距離は縮まりました。松本君がよく話しかけてくれるんで。

松本:いえいえ、逆なんです!加藤さんの印象はダンディな人というか、いつも家ではガウンを着てワイン片手に暗い部屋の中でクラシック音楽を聴いているような…。

加藤:そんな奴おらんやろ~、往生しまっせ!(笑)

松本:3人の関係性の中で慕う立場の男としては、裏で親しみのコミュニケーションをどうやってとろうかなと思っていたのですが、逆に気軽に話しかけて下さって、すぐに仲良くして下さいました。結構雅也さんはEXILEの他のメンバーたちとも共演されていますので、その話題から話しかけて下さったんです。

加藤:「MATSUぼっち」(TV番組)見てるよ~!とかね。

松本:ありがとうございます!

 

――撮影中のトーンと違うと思うのですが、切り替えはどのように?

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加藤:人間関係を埋めたら芝居はしやすい。プロの俳優となると腹の探り合いになるのですが、話ができたら後は自然と演技を進められました。

――中村さんは加藤さんとの共演で印象に残ったことは?

中村:加藤さんに抱いていたイメージが崩れてしまって…

加藤:えっ、崩れたん?

中村:いえいえ、いい意味で! だって、こんなローマ彫刻みたいな顔の人はクールなのかなと思ってたら、同じ関西の人ということもあって、失礼かもしれませんが「近所のお兄ちゃん」みたいな感じでした。申し訳ないけど全く緊張せずに演じられました。

――ホテルで二人だけのシーンでは緊張感がありましたが?

中村:あのシーンは、好きな人に触れてもらえず、やっと二人きりになれたというのに気持ちを抑えるシーンでした。

加藤:周りにはいっぱい人おったけどな(笑)、裸にならなあかんし、大変やったな。


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――北方謙三さん原作の映画化でしたが?

和泉監督:北方先生とは同世代なので、昔から尊敬と憧れを抱いていました。実際の先生はとてもダンディな方で、先生の原作本なんですが「映画は映画で好きに撮って」と仰って下さり、とても楽な気分になりました。

――お気に入りのシーンは?

和泉監督:最初台本にはなかったのですが、信治がアルバイト中に信治を捨てたお姉さんを見つけて追いかけるシーンです。あの街にいたらそんなシーンを撮りたくなったんです。そんな事言うと、他の俳優さん達に怒られちゃいますけど(笑)。

 


 

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――仲のいい皆さんですが、キャスティングについては?

中野P:皆さん一流の俳優さんですが、それに音楽畑の人をプラスして、さらに和泉監督が撮るとなるとどうなっていくんだろうと思ったんです。僕的にはドンピシャのキャスティングとなりました。

――音楽畑の人の感性とは?

中野:いい俳優さんて歌手もされている人が多いので、歌う時の感情の作り方が上手いような気がします。若旦那もAK-69も初めての映画出演でしたし、松本さんも演技を勉強されていたんで、とてもいい味を出してくれました。


 

――喫茶店のシーンはアドリブだったとか?

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松本:はい、ほぼほぼアドリブで演じました。カトウシンスケさんとは初対面だったのですが、それがいい意味でやりやすかったです。お互い仕掛けてきてましたね~。

 

――そこに中山さんが「ずっと見てる人」を演じてましたね?

中山:はい、監督に「ガラスに鼻を付けてずっと見てるように」と言われました。あの時、「金髪のちんちくりん」と松本さんに言ってもらえたんです。

松本:中山さんとも初対面でコミュニケーションをとれてない状態で撮影インしたからこそ、正直に思ったことを言えたんだと思います。

中山:余計ひどいじゃないですか!?(笑)



――苦労されたシーンは?

加藤:若旦那との対決シーンです。「これ芝居なんやけど、この人本気で刺してくるんちゃうか?」と怖くなるほどの迫力でした。

和泉監督:あのシーンの撮影は夜中に終わったのですが、僕としては朝まで撮りたかった。

加藤:本番になったらスイッチが入る人もいるので、若旦那はどっちかなと分からなかったんで、特に怖かったです。


――最後に?

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松本:6日から公開になりましたが、これから全国順次公開となりますので、皆様からのお力を頂けたらと思います。

中村:楽しい舞台挨拶になりました。男気のある映画ですが、女性の方にもぜひ観に来てほしいと思っております。

中山:人前で喋るのは初めてなんですが、「漫才」が見られて楽しかったです。ありがとうございました。

加藤:男くさい作品が少なくなってきておりますが、引き続き作っていけるように願っております。皆さん、宣伝の程お願い致します。

中野P:今日は本当にありがとうございました。

和泉監督:ノアールの作品を今後も作っていきたいので、皆さんよろしくお願い致します。

 

映画の中の加藤雅也は、白髪の目立つ老けメイクで喜怒哀楽を最小限に抑えたクールな表情が深い人間性を感じさせていた。だが、大阪の舞台挨拶では漫才のような掛け合いで、劇場全体を笑いで包んでくれた。さすが、関西のノリを熟知した関西人ならではの舞台挨拶となった。和泉聖治監督も、『相棒』シリーズの代表監督として有名だが、映画にTVと制作本数を見ると驚くような数である。そんな大ベテランが丁寧な職人技で手掛けた「ノワール映画」は、男女を問わず誰の心にも響くヒューマンドラマとして楽しめる感動作です。
 



★作品紹介はこちら⇒ http://cineref.com/review/2019/09/post-989.html
 

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(2019年 日本 1時間48分)
■原作:北方謙三(「抱影」講談社文庫刊)
■監督:和泉聖治 脚本:小澤和義 プロデューサー:中野英雄
■出演:加藤雅也、中村ゆり、松本利夫、カトウシンスケ、若旦那、熊切あさ美、余貴美子、火野正平、AK-69 他
■主題歌:クレイジーケンバンド「場末の天使」(ダブルジョイ インターナショナル/ユニバーサル シグマ)
■配給:BS-TBS
■コピーライト:(C)BUGSY

公式サイト: http://kagedaka.jp/index.html

 

 

 

2019年9月6日(金)~なんばパークスシネマ、イオンシネマ大日、T・ジョイ京都、MOVIXあまがさき、他全国ロードショー



(河田 真喜子)

 

 
 
 
 
 
 

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(2019年9月4日(水)TOHOシネマズ梅田)

登壇者:草彅剛、市井昌秀監督

  
taifukazoku-pos.jpg『クソ野郎と美しき世界』(18)のヒットも記憶に新しい草彅剛と、『箱入り息子の恋』(13)の市井昌秀監督が初タッグ!市井監督が 12 年間あたためてきた“両親への想い”をヒントにしたオリジナル脚本を映画化した『台風家族』9月6日(金)よりTOHOシネマズ梅田他で3週間限定ロードショーされる。


両親が銀行強盗で2000万円を奪い、失踪してから10年が経ち、いまだに行方知れずの両親の仮想葬儀のために集まった、長男の小鉄(草なぎ剛)と妻の美代子(尾野真千子)、娘のユズキ(甲田まひる)、長女の麗奈(MEGUMI)、次男の京介(新井浩文)。末っ子の千尋(中村倫也)が現れぬまま始まった葬儀は、何事もなく終わり、財産分与が始まるかのようにみえたが…。両親失踪の謎を抱えながら、財産は譲らないと主張する小鉄の兄弟も呆れるクズっぷりをはじめ、次々に新たな展開を呼ぶ本作の珍騒動から、それでも憎めない家族の姿が浮かび上がる。
 



taifukazoku-bu-500-3.jpg9月4日、TOHOシネマズ梅田で開催された『台風家族』舞台挨拶付先行上映会では、主演の草彅剛と市井昌秀監督が登壇し、「ツヨポン」という大歓声に感動の面持ち。公開の嬉しさで空回り気味だという草彅は、「カミカミ王子のつよっちゃんです」と場を和ませながら、「お客さんに見てもらって映画が完成するので、いつも以上に歓声を噛み締めています」と感動が止まらない様子で挨拶。市井昌秀監督も「無事9月6日から公開できることになり、スタッフだけでなく、この公開を応援してくださったみなさんのおかげです。こんなにたくさんの人がいらっしゃるということが当たり前ではないことを身に沁みて感じています」と感無量の表情で、一言一言噛み締めながら挨拶した。

 

 


taifukazoku-bu-di-240-2.jpg昨年の夏、栃木で最高気温を記録する酷暑の中撮影したという本作。「やっているときはこの映画大丈夫かなと心配でした。内容をよくわからずやっていたパターンだったけれど、出来上がった作品を見ると、市井監督すごいじゃないかと思って、監督を誤解していたことを反省しました」と草彅が言えば、市井監督は「天才役者の草彅さんがいますから。ちょっとどころじゃない喧嘩のシーンを、長回しで撮ったのですが、だんだん本人自身が喧嘩をしているみたいで、脂汗が出てくるのを狙っていました」と演出の手の内を明かした。

 

 

 

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原作および脚本も執筆した市井監督は、草彅がキャスティングされてからは主人公、小鉄を当て書きしていることに触れ、「草彅さんが演じたことがないのではないかという、人間誰もが持っている汚い部分も書いています。セリフも、こんなセリフを草彅さんが言ったら面白いなというものを書きました」。草彅も小鉄役は今までで一番クズでめちゃくちゃしつこい役と断言しながら「そのクズさが、最後に大きな感動を生み出すような流れになっています。一番しつくこて、憎たらしい。その辺は大いに笑っていただけると思います」と愛すべきクズっぷりの小鉄役に自信をにじませた。


 

 

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くしくも、この日は東京ドームでジャニーズ事務所社長・ジャニー喜多川さんのお別れ会が開催されたが、草彅は映画公開の喜びを語ると同時にそのことに自ら切り出し、

「今日は東京でジャニーさんのお別れ会があります。今の僕があるのはジャニーさんのおかげだと思っています。それぞれの場所からジャニーさんへの感謝の気持ちを忘れずに……(少し声を詰まらせ)たくさんのことを学んだので、これからもジャニーさんの教えを胸に抱いて、エンターテイメントの世界を歩んでいきたいと思います。ジャニーさん、本当に安らかにお眠りください。気持ちを強くもって、これからもエンターテイメントの世界で頑張っていきます!」と感謝の言葉を述べた。

 

 


taifukazoku-bu-500-1.jpgさらに、『台風家族』の劇中で、小鉄が一人、個性的なダンスを踊るシーンについて「映画もすごくエンターテイメントになっていた、監督に打ち合わせで考えてきてと何度も言われていましたが、(ジャニーさんの)YOUやっちゃいなよ精神で、その場で考えて踊りました。小さい時からポンとステージに出されて頑張ってきた僕らなので、監督の要求に応えられると思ったんです」。市井監督も、「僕は考えてきたと思っていたんですけど(笑)本当に素晴らしいダンスでした」と絶賛。最後に「公開できたことが本当にありがたいです。いよいよ公開ですが、12年間ずっと待ちに待った日が9月6日になるので、本当に多くの人に見ていただきたいと思っています。よろしくお願いします」と公開にこぎつけた本作への思いを熱く語った。先が読めない展開にハラハラドキドキの、ブラックユーモア溢れる家族映画『台風家族』。最後に出るのは笑いか、涙か。ぜひ、劇場で確かめてほしい。
 



taifukazoku-550.jpg『台風家族』

(2019年 日本 108分)
監督・脚本:市井昌秀
出演:草彅剛、MEGUMI、中村倫也、尾野真千子、若葉竜也、甲田まひる、長内映里香、相島一之、斉藤暁、榊原るみ、藤竜也他
公式サイト → http://taifu-kazoku.com/

9月6日(金)よりTOHOシネマズ梅田他で3週間限定ロードショー


(文:江口由美、写真:河田真喜子)

 
 

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筒井真理子、脚本を読んで「深田監督はどこまで市子をいじめるのかと思った」
『よこがお』大阪舞台挨拶
(2019.7.28 テアトル梅田)
登壇者:深田晃司監督、筒井真理子 
  
 『淵に立つ』で高い評価を得た筒井真理子を主演に迎え、ある事件をきっかけに加害者扱いをされ、全てを失う女の絶望とささやかな復讐、そして再生を描いた深田晃司監督最新作『よこがお』が、2019年7月26日(金)~テアトル梅田、なんばパークスシネマ、シネ・リーブル神戸、MOVIX京都他全国ロードショー中だ。
 
 公開2日目の7月28日(日)テアトル梅田で開催された舞台挨拶では、名古屋の舞台挨拶を終えて駆けつけた深田晃司監督と主演の筒井真理子が登壇。筒井が演じた市子とリサの物語の余韻に浸っている観客を前に、「まだ心の整理がつかない時に、生身の私が出てきてすいません」と前置きした後、いよいよ映画が公開され「公開を心待ちにしてくださった方と一緒に過ごせるのはうれしい」(筒井)、「映画は作り終わって完成というより、見ていただいて完成という気持ちが強く、ようやく映画が生まれたなという感じです」(深田)と挨拶。8月に開催されるロカルノ国際映画祭国際コンペティション部門に正式出品されることが決定したことに触れた深田監督は、「ロカルノは格式ある映画祭。ここ数年、品質重視の選考がされていますし、自分の信頼している監督もそこで世界で向き合っている」と喜びを表現した。
 

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■「筒井さんならやってくれる」

深田監督が、筒井真理子を信頼し、ブレーキをかけずに描いた注目シーン秘話。

 
 今回、筒井は天使のような看護師市子と、ある計画を企んでいるリサという全く違うタイプの女性を熱演しているが、台本を読んだ時の感想を、
「監督はどこまで市子をいじめるのかと思いました。犬のシーンが出てきた時に素敵と思ったけれど、自分が演じるのかと思うと…」と語り、一抹の不安がよぎったことを明かした。
 
犬になりきり公園まで駆けていく、女優で世界初の四足歩行アクションシーンでは、大阪の名物番組「探偵!ナイトスクープ」で取り上げられた四足歩行ギネス記録保持者にお願いして実技指導をしてもらったという。
 
「簡単そうに見えるけれど、かなり体が痛いんです。それを言えずに黙ってやっていましたが、指導してくださったプロの方が本番の時にも来てくださり、走って見せてくださった時、あっ痛い!と言ってくれたので、私も痛いと言えるようになりました」と苦労話を披露。深田監督も「映画監督は自分でできないことを人にさせる仕事だから」とサラリと言いながらも、その裏には筒井に対する絶大なる信頼があったそうだ。
 
「脚本を書く前に筒井さんの出演が決まっていたのは、監督としてすごく恵まれていた。映画はスタッフも俳優もいる総合芸術。脚本を書く時に、多面性があり、精神状態も違ってくる役を書くとなると、俳優が演じられるのかを心配してブレーキをかけてしまうのだが、筒井さんならやってくれるだろう。髪を緑に染め、湖の中に入ったりということも、彼女ならやってくれるだろうと、ブレーキをかけずに書くことができました」
 
一方、実際に雪が舞うような氷点下の湖に何度も入水したという筒井は、「待っている間は車で暖かくさせてもらっていましたが、スタッフの人は土砂降りの中でも、誰1人中に入らず、(この映画は)愛でできていると思いました」と苦労を分かち合ったスタッフを讃えた。
 
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■筒井真理子さんと孤独がモチーフ。

日常のふとしたきっかけで孤独を感じる瞬間に『よこがお』を思い出してほしい。(深田監督)

 
 観客から公園のシーンが多いことに対する狙いを問われた深田監督は、
「人間は半分は社会的で、半分は動物的部分を持っています。今回、市子の社会的な部分が削がれ、個人の孤独にまで削ぎ落としていければと思いました。どんなに社会性が剥奪されてもそれが完全に失われるものではありません。(公園という)パブリックスペースの方が、砂漠の中に1人でいるより、孤独感が際立つのではないか」
 
この「孤独」は、本作をはじめ、深田監督作品に通底するモチーフだという。
「映画はモチーフと世界観からできていると思っていて、今回は筒井真理子さんが大きなモチーフでした。そして自分の中に毎回あるモチーフは孤独です。人間は生まれてから死ぬまでの孤独であり、孤独のままだと生きているのは辛いから、家族や会社に属して生きる。そんな日常の中でもふとしたきっかけで孤独を感じる瞬間があるけれど、そんな時にこの映画を思い出してくれれば」
 

 

■試写では、市子の気持ちになって泣いてしまった。(筒井)

 

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 劇団時代に鍛えられ、客観的に自分の芝居を見る訓練ができていたという筒井は、『よこがお』の試写で、未だかつてない感情に見舞われたという。
「市子の気持ちになってずっと泣いてしまい、試写室では一番最後、フラフラになって出てきました。今回は自分の演技を見る時、こんな風になるんだと思いました」
 
 さらに、今でも思い出す作品として遠藤周作の小説「わたしが・棄てた・女」を挙げ、
「読んだ時は全然わからなかったけれど、ズシンと残る作品。後々、後ろめたさがふっと思い出され、この作品がベストセラーなら、読者はみなそう感じているのかと思うと、孤独ではないな」と感じたという。筒井は最後に、「座談会でも開いて感想をお聞きしたいです。ぜひ、感想を書いてつぶやいていただけたら、まめに見にいきます。お話をお聞かせください」と船出したばかりの本作への反応に期待を寄せた。
 

 

■自分が思った以上に今の社会に重なる作品。(深田監督)

 
 前作同様、鑑賞後にズドンとした気持ちになるという観客から、人間関係の揺らぎを痛切に描いた深田作品ならではの世界観について話が及ぶと、
「自分にとって家族や人間の関係性は移ろいやすいという認識があります。『淵に立つ』では浅野さんがくることで、家族が変わってしまう。天災と同じで、私たちの生活は良くも悪くも揺らぎやすいものです。『海を駆ける』にも、その世界観が繰り返し出てきています」
 
  最後に、昨今の嘘を鵜呑みにするマスコミや世間の風潮を引き合いに出しながら、深田監督は、
 
「自分が思った以上に今の社会にフィットしていると思っています。政治の汚職や闇営業など、ものすごいスピードで事件が起き、作り手からすればすごく重なって見えます。また、音にもこだわっていて、クラクションは映画館ギリギリのボリュームで設定しているので、ぜひ映画館で見ていただきたい映画です」
と、時代に重なる本作の魅力と、こだわりの音作りについて語った。
 
 
 どん底に突き落とされることもあれば、光がさすこともある。誰にでも起こりうる人生の転落と圧倒的な孤独感だけでなく、様々な形の愛と再生をも描いたヒューマンドラマ。各登場人物の揺らぎから、いくつもの物語を紡いでほしい。
(江口由美)
 

<作品情報>
『よこがお』(2019年 日本 111分) 
監督・脚本:深田晃司
出演:筒井真理子、市川実日子、池松壮亮、吹越満、須藤蓮、小川未祐他
公式サイト⇒https://yokogao-movie.jp/ 
(C) 2019 YOKOGAO FILM PARTNERS & COMME DES CINEMAS


nagimachi-bu-550.jpg(2019.6.19 TOHOシネマズ梅田)
登壇者:香取慎吾、白石和彌監督



『孤狼の血』の白石和彌監督と『クソ野郎と美しき世界』『人類資金』をはじめ、今やアート界でも活躍している香取慎吾がタッグを組んだ最新作『凪待ち』が、6月28日(金)よりTOHOシネマズ梅田他全国ロードショーされる


nagimachi-katori-500-1.jpg加藤正人(『クライマーズ・ハイ』『彼女の人生は間違いじゃない』)のオリジナル脚本による本作は、愛する人を奪われた上、不条理な目に遭わされ、ギャンブルにのめり込む男の狂気と再生を力強く描いたヒューマンドラマだ。香取慎吾が演じる郁男は、ギャンブルから足を洗い、恋人の亜弓(西田尚美)の故郷、石巻で再起を図ろうとする男。激しく暴れるアクションシーンも交えながら、競輪に逃げ、全てのお金をつぎ込んでしまう愚男の苦悩をリアルに演じている。まさにアイドルのイメージを払拭する渾身の演技だ。


nagimachi-bu-500-1.jpg6月19日、TOHOシネマズ梅田で開催された『凪待ち』全国縦断完成披露舞台挨拶付き先行上映会では、主演の香取慎吾と白石和彌監督が登壇し、「慎吾ちゃーん!」という大歓声に笑顔で応えた。稲垣吾郎、草彅剛とファンミーティングで来阪した時は粉ものが食べられなかったという香取。この日は「映画館の楽屋にたこ焼きが置いてあって!8個を2秒でいただきました!」とまだまだいけるという口ぶり。白石監督も「大阪で映画を撮ったこともありますし、大阪の人の懐の深さを感じながら、いつも楽しみに来ています」と大阪のファンの声援に応えた。大勢のファンを前に、感無量の面持ちで撮影を振り返る香取と白石監督の舞台挨拶の模様を、一部囲み取材の内容を交えながらご紹介したい。



nagimachi-bu-ka-240-4.jpgこれまでと違う、笑顔を封印した苦悩する郁男役。

香取:本当にダメな男なので、僕の良心、正義感を封じてやりました。下を向いて苦悩する部分は僕の中にもありますし、自分でもなんとかしようとするのだけれど、それでも歯車がうまくいかない時の郁男の悲しさは共感できる部分がありました。映画の郁男を見終わって、自分がどれぐらいの場所にいるのか、郁男と同じ場所をさまよっているのかと、郁男を通じて自分を見つめ直させる役ではないかと思っています。<囲み取材より>

苦悩で下を向く瞬間が多い役だったので、撮影中はその気持ちに引っ張られることはありました。作品によっては重いシーンもあれば、明るく楽しいシーンのあるものもありますが、(『凪待ち』は)撮影中ずっと同じ思いをひっぱって演じられたのは楽しかったですね。

笑顔はないんですけど、最初の方に少しあるんですよね。(ハイタッチしながらニヤリと。)(笑)この役でハイタッチがあるという時点でちょっと合わないんですよ。

白石:そういえば最初にハイタッチのこと聞かれましたよね。どういうテンションでやるのかが難しいと。とにかくやってくださいと言いましたが。

香取:今からみなさんご覧になるんですよね。ハイタッチ、ありますから!

白石:辛い気持ちが沈殿して行く役なので、お願いしていてなんですが、申し訳なかったですね。

香取:撮影が終わったら白石監督に飲みに連れて行ってもらうとか、そういうご褒美は一切なかったですよね。終わって、ホテルに帰って、シャワーをしてすぐに出発!みたいな、素晴らしい働き方改革ですよね(笑)


nagimachi-bu-di-240-1.jpg■香取と白石監督、人生の大勝負はいつ?

白石:僕は20歳でカチンコを叩いていた(映画を撮っていた)のですが、もうやめようかなと思ったとき、小さな自主映画を撮ろうとして貯金をはたき、博打を打ちましたね。将来、香取さんと仕事をすると、あの頃の自分に教えてやりたいですね。

香取:人生で大きな勝負は・・・まだしていないですね。こんなに色々なことがあったのに(笑)。30年以上の芸能生活で、まだ勝負していません!これから、人生の大勝負に出たいと思います。


初タッグの香取と白石監督の撮影秘話

香取:自分ではそう思っていないけれど、周りから聞くと(撮影中は)案外、役の中に入ってるんですよね。こち亀(『こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE 〜勝鬨橋を封鎖せよ!〜』)の両さんのときは普段からそんな感じだったし、サルの孫悟空(『最遊記』)の時は、普段からサルの感じとか。それぞれの監督が(撮影現場で)違う僕を見てくれているんですね。「おい何待ちだよ〜」って言っていましたね。

白石:(『凪待ち』の香取は)ちょっと休憩に入ったら、ベンチに座って競輪新聞を読んでましたね。
香取さんは、シンプルな映画のことを分かっているんです。カメラと被写体の関係性と言うと難しいのですが、僕の指示を瞬時に分かって、バチっと決めてくれる俳優的な技術力がものすごく高い方でした。

香取:すごく褒めていただいて喜んでいるんですけど、「褒めてもらって喜んでもらっている顔になっちゃってるよ〜」みたいな感じでお客さんクスクス笑ってますよ(笑)。

白石:最初に「暴力をできる限り封印して、ヒューマンドラマを撮りたい」と宣言して撮り始めたのですが、香取さんがお芝居をしながら僕を誘ってきて、ついつい脚本には1行しかないところを5行ぐらいにして乱闘シーンをしたり。そういう意味ではいじり倒させていただきました。<囲み取材より>


nagimachi-bu-ka-240-2.jpg■次に白石組で撮るならどんな役をしたい?

香取:本当に素敵な監督で、この作品に参加できて僕は幸せ者だなと思っていますから、白石組を見たら「また香取慎吾がいる」と言われるようになりたいです。先ほど監督に最近の仕事を聞くと、「今、これやってまーす」と言われ、俺入ってないんだなと思って・・・(笑)

白石:いやいや、もう、ぜひ!なんでもやるということなので。確かに今までもサルとか、忍者とか、なんでもやるというのは間違いないですよね。

香取:なんでもやりますよ!(笑)


■『凪待ち』の注目ポイントは?

白石:途中で郁男が「そこにきてビールをプシュッと開けちゃうの?」というシーンがあるのですが、そのシーンの郁男の表情に撮影中、ゾクゾクしながら一人でほくそ笑んでいたので、それをぜひ感じてほしいですね。

香取:映画全体で僕の演じた郁男は色々な感情や周りの人間から逃げる男ですが、無意識の中で勝手にそうなっていると思うのです。何かそういうことが起きそうな話の時の僕が自然にちょっと後ろに下がったり、その瞬間に下を向いたり。自分で決めてやっているのではなく、言葉だけではなく感情が勝手に体を動かしているんです。そんな(感情で)動いている細かい郁男の描写を見てもらえたらうれしいですね。


■観客のみなさんへのメッセージ

白石:一年前、撮影真っ最中だったのですが、ようやくみなさまにお届けできる日がきました。心の中に波が立つ社会や出来事がたくさんありますが、多くの人に凪が訪れますようにという気持ちを込めて作りました。

香取:本当にこの作品に参加できて幸せに思っています。撮影は一年前で、昨年10月完成したものを見た時から6月28日の公開を心待ちにしていました。みなさんの心にどこかひっかかるものがあれば、ぜひ広めてください。
 


<作品情報>

nagimachi-550.jpgのサムネイル画像

『凪待ち』

(2019年 日本 124分)
監督:白石和彌
出演:香取慎吾、恒松祐里、西田尚美、吉澤健、音尾琢真、リリー・フランキー他
公式サイト → http://nagimachi.com/


(写真:河田真喜子、文:江口由美)

 

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