レポートインタビュー、記者会見、舞台挨拶、キャンペーンのレポートをお届けします。

2022年3月アーカイブ

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アカデミー賞®主演男優賞『ジョーカー』 ホアキン・フェニックス主演
  ×  
  『人生はビギナーズ』 マイク・ミルズ監督
×
   『ムーンライト』『ミッドサマー』A24製作

 

『カモン カモン』


「お互いを理解し、繋がり合おうとする

ポジティブなメッセージを受け取って」


この度、ホアキン・フェニックス主演のA24製作映画『カモン カモン』(4月22日(金)全国公開)の公開に先立ち、3月19日(土)都内でジャパンプレミアが開催され、上映後にマイク・ミルズ監督(オンライン登壇)グラフィックデザイナーの大島依提亜さんをお迎えしたトークイベントが行われました。


◆日程:2022年3月19日(土)

◆会場:スペース FS汐留

◆登壇:マイク・ミルズ(監督/※オンライン登壇)、大島依提亜(グラフィックデザイナー)



cmoncmon-ivent3.19-550.jpg『ジョーカー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したホアキン・フェニックスが次なる出演作として選んだA24製作の映画『カモン カモン』ジャパンプレミアが、3月19日(土)都内で開催された。上映後に、ティーチインが行われ、マイク・ミルズ監督がオンライン参加し、聞き手に本作の日本版ビジュアルを手掛けるグラフィックデザイナーの大島依提亜氏が登壇した。


本作は、ホアキン扮するラジオジャーナリストのジョニーが、9歳の甥っ子ジェシーとの突然始まった共同生活を通して、初めての子育てに戸惑いながらも、絆を見出していく姿を描いた感動のヒューマンドラマ。


cmoncmon-500-4.jpgのサムネイル画像イベント冒頭では、スクリーンにミルズ監督の姿は映るが、音声が聞こえないという想定外のアクシデントが発生。そんな中、ミルズ監督は「来場してくれてありがとう」「みんな元気?」「この状況は笑えるね」といったメッセージを添えた手書きのイラストを披露。ミルズ監督の粋な計らいに、会場は拍手と笑いに包まれた。音声が繋がるとミルズ監督は、まず「遠隔ではありますが皆さんにお会いできて嬉しいです。ご来場いただきありがとうございます。日本の皆さんに映画を観てもらえてとても嬉しいです」と挨拶。


全編、美しいモノクロの映像で綴られる本作。大島氏からモノクロ映画にした理由を問われると、ミルズ監督は「昔からモノクロ映画が好きだったんだ。日本だと小津安二郎監督の作品とかね。だから、いつかモノクロ映画を撮ってみたいと思っていた。本作が大人と子供の物語なので、ある種の寓話性を持たせたかった。リアリティをそのまま描いているのではなく、我々のリアルについての寓話。そういった意図もあってモノクロにしたんだ」と説明。続けて、「実際に白黒で映画を撮ってみると、より色んなことがシンプルになっていった。フォーカスすべき人の顔や表情だったり、佇まいが優しくなっていく実感があって、我ながら気に入ってるんだ」と振り返った。


cmoncmon-ivent3.19-500-2.jpg観客から本作の着想について訊かれると、それに対して「きっかけとなったのは、最愛の自分の子供だね。色んなことを教えてくれるし、必要とされるとはこういうことかと実感させてくれる。自分はどうあるべきか問いかけてくれる存在。親になるということは、私にとって意味深い体験なんだ」と、自身の子供の写真を見せながら答えるミルズ監督。「それに子供はチャレンジをふっかけてくるんだ。子供というのは正直で、大人を見据えている。大人というのは、何かと仮面を被ったり、物事を隠したりする。そういうのは全部見透かされていて、その仮面の向こう側にある私たちの真の姿を見てくれているのが子供なんだ。子供と大人は発達段階が違うだけで、大人より劣った存在ではないんだ」と熱く語った。


本作を観て温かい気持ちになったというファンには、「登場人物同士が一生懸命にお互いを理解しようと、繋がり合おうとしているのが見て取れるからなんじゃないかな」と伝え、「主人公が甥っ子に対して理解に挑もうとしている姿が、人の善意を伝えている。それが、この映画全体のポジティブなメッセージが伝わるようにしていると思う」とコメント。


cmoncmon-500-1.jpg劇中でのジョニーがジェシーに読み聞かせるシーンで『オズの魔法使い』をセレクトした理由を尋ねられると、ミルズ監督は「正直に言うと、製作上の都合。通常は著作権があるため使用料がかかってしまうが、『オズの魔法使い』はパブリックドメインで、無料で使えたんだ(笑)」と明かした。「『オズの魔法使い』も本作も、主人公が旅路の中で自分を発見していくロードムービーの側面がある。その繋がりに気がついて、撮影の直前にこの本を使うことを決めたんだ。『オズの魔法使い』は、皆それぞれ欠点や不自由を抱えながらも、周りと力を合わせながら何とか前に進もうとする物語。まさにこの映画だと思った。撮る側が感性を磨きさえすれば、魔法のような機会を引き寄せることができると思っている。本当にたまたまだったんだけど、『オズの魔法使い』を選んだことも映画のマジックが効いたと思っている」と振り返った。


音楽のこだわりについて訊かれると、ミルズ監督は「色んな音楽を使用したよ。ドビュッシーの『月の光』や、場面によってはパンク、ルー・リードの初期の音楽など。その土地の特色が出るような音楽をチョイスしているんだ」と説明。サウンドトラックを担当したザ・ナショナルのデスナー兄弟については「微細に作り上げてくれた。映画の精神を伝えてくれて、優しい雰囲気を作ってくれている。とても気に入っているんだ。このスコアなしに映画は成立しなかった」と2人の手腕を絶賛。


cmoncmon-500-3.jpg終盤、話題は映画のタイトルについて。もともと「The Magnetic Fields(磁場)」が候補だったという。それはミルズ監督の好きなバンド名から来ているが、もう一つの理由として「ロジックや言語でもなく、エネルギーをもって牽引する惑星のようなものを意味していて、これは人間も同じだと思う。人と人の間にエネルギーが交流している。私自身、一人の時間が多くて、働きすぎだと思う。一人で問題を解決しようとするが限界がある。友達や家族など、周囲と関わることで自分を見出していくんだ。この映画でもそういうことを描いている。お互いの関わり合いの中で傷を癒し合っているんだ」と力説。


最後に、ミルズ監督は「時間を割いて映画を観てくれる観客がいて、はじめて映画が完成されるんだ。皆さんがこの映画を完成させる存在だと思っていて、この映画の存在を可能にしてくれた皆さんに改めて感謝を伝えたい。バーチャルでだけど、皆さんに会えて本当にうれしい」と言葉を送り、温かい拍手の中でトークイベントは締めくくられた。
 


『カモン カモン』

【STORY】
comoncomon-550.jpgNYでラジオジャーナリストとして1人で暮らすジョニーは、妹から頼まれ、9歳の甥・ジェシーの面倒を数日間みることに。LAの妹の家で突然始まった共同生活は、戸惑いの連続。好奇心旺盛なジェシーは、ジョニーのぎこちない兄妹関係やいまだ独身でいる理由、自分の父親の病気に関する疑問をストレートに投げかけ、ジョニーを困らせる一方で、ジョニーの仕事や録音機材に興味を示し、二人は次第に距離を縮めていく。仕事のためNYに戻ることになったジョニーは、ジェシーを連れて行くことを決めるが…。


監督・脚本:マイク・ミルズ 『人生はビギナーズ』『20センチュリー・ウーマン』
出演:ホアキン・フェニックス、ウディ・ノーマン、ギャビー・ホフマン、モリー・ウェブスター、ジャブーキー・ヤング=ホワイト
音楽:アーロン・デスナー、ブライス・デスナー(ザ・ナショナル)
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
2021年/アメリカ/108分/ビスタ/5.1ch/モノクロ/原題:C’MON C’MON/日本語字幕:松浦美奈
© 2021 Be Funny When You Can LLC.  All Rights Reserved.

公式サイト:https://happinet-phantom.com/cmoncmon/

2022年4月22日(金)~ TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー


(オフィシャル・レポートより)

 

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アカデミー賞®受賞製作チーム『ジュディ 虹の彼方に』『クィーン』
×
ロジャー・ミッシェル監督『ノッティングヒルの恋人』

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長編遺作となった監督との撮影を振り返る

「あんな幸福感は他の監督では味わえない」


この度、ロンドン・ナショナル・ギャリー史上唯一の絵画盗難事件を基にした驚きの実話、映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』(全国公開中)より主演を務めるジム・ブロードベントのインタビュー映像を解禁いたします。


★ジム・ブロードベントのインタビューはこちら

 



goyadoro-jim-500-1.jpg1961年、ロンドン・ナショナル・ギャラリーからゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン(ジム・ブロードベント)。テレビに社会との繋がりを求めていた時代に、孤独な高齢者の生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもう一つの隠された真相が…。


goyadoro-jim-500-2.jpgブロードベントは、脚本を読んだ感想として「見事な脚本だったよ」「愉快で秀逸。まさにイギリス映画だよ」とコメント。自身の役どころについては、「彼は複雑な男だね。仕事が長続きせず次々に職を変えている。タクシー運転手の次はパン職人だ。その一方でボツになっても戯曲を書いては送っている。かなりの楽観主義者だ」と説明。続けて「善意があって尊敬すべき人間だが、やや思慮に欠ける男だね」と述べながらも、「興味深いキャラクターだ。振り幅が大きいんだよ。コミカルな部分もあるが、大真面目なところもある。その加減が絶妙なんだ」と役柄の魅力について語っている。


goyadoro-500-9.jpg映像では、共演者の話にも。ケンプトンの長年連れ添った妻ドロシーを演じたヘレン・ミレンについて「ヘレンの変身ぶりは見事だったよ。それは見事だったよ」と笑顔で話し、共演が楽しいものだったことを明かした。また、息子ジャッキーを演じたフィン・ホワイトヘッドについては「ジャッキーはこの物語の中心人物だ。彼はすばらしい若者だ。頭のいい子だよ」と絶賛。


『ノッティングヒルの恋人』(1999)のロジャー・ミッシェル監督の長編遺作となった本作。『ウィークエンドはパリで』(2013)でタッグを組んだことがあるブロードベントは、監督について「すばらしい監督で成すべきことを分かってる。俳優のこともちゃんと理解していて励ましてくれるんだ。それに意思を伝えるのがうまい。撮影中もいいアイデアを出してくれる。あんな幸福感は他の監督では味わえない」と振り返り、監督の手腕を称えている。映像の最後には、観客に向けて「感動して楽しんでほしいが、人へ思いやりを思い出してほしいね」とメッセージを残している。

 


【PROFILE】ジム・ブロードベント 
(1949年5月24日、イギリス・リンカンシャー州生まれ。)

1972年にロンドン音楽演劇アカデミーを卒業し、舞台俳優としてキャリアをスタート。1978年に『ザ・シャウト/さまよえる幻響』で映画デビュー。1991年にマイク・リー監督作『ライフ・イズ・スウィート』で注目を集め、『トプシー・ターヴィー』(99)でヴェネツィア国際映画祭最優秀男優賞を、『アイリス』(01)でアカデミー賞助演男優賞を受賞。その後も『ムーラン・ルージュ』(01)や『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズをはじめとした数々の映画やテレビドラマに出演、長きにわたってイギリスを代表する俳優のひとりとして活躍。近年の主な作品に『ハリー・ポッター』シリーズや、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(11)、『パディントン』シリーズなどがある。



【STORY】

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世界中から年間600万人以上が来訪・2300点以上の貴重なコレクションを揃えるロンドン・ナショナル・ギャラリー。1961年、“世界屈指の美の殿堂”から、ゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。この前代未聞の大事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン。孤独な高齢者が、TVに社会との繋がりを求めていた時代。彼らの生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもう一つの隠された真相が・・・。当時、イギリス中の人々を感動の渦に巻き込んだケンプトン・バントンの“優しい嘘”とは−!?


監督:ロジャー・ミッシェル『ノッティングヒルの恋人』『ウィークエンドはパリで』
出演:ジム・ブロードベント、ヘレン・ミレン、フィオン・ホワイトヘッド、アンナ・マックスウェル・マーティン、マシュー・グード
後援:ブリティッシュ・カウンシル 配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
2020年/イギリス/英語/95分/シネマスコープ/5.1ch/原題:THE DUKE /日本語字幕:松浦美奈
©PATHE PRODUCTIONS LIMITED 2020

公式HP:happinet-phantom.com/goya-movie/

公式Twitter:@goya_movie

作品紹介はこちら⇒

TOHOシネマズシャンテ他、全国公開中


(オフィシャル・レポートより)

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アカデミー賞®主演男優賞『ジョーカー』 ホアキン・フェニックス主演
  ×  
  『人生はビギナーズ』 マイク・ミルズ監督
×
   『ムーンライト』『ミッドサマー』A24製作

 

『カモン カモン』


ブレイク必至!! ホアキン・フェニックスも惚れ込んだ

期待の新星ウディ・ノーマンの魅力
 

A24製作の映画『カモン カモン』(4月22日(金)全国公開)より、主演のホアキン・フェニックスとマイク・ミルズ監督がジェシー役を熱演した子役ウディ・ノーマンの魅力やオーディション秘話について語るコメントが到着致しました。

 

突然始まった甥っ子との共同生活。

戸惑いと衝突、想定外から生まれた奇跡の日々。


NYを拠点に全米各地を取材して回るラジオジャーナリストのジョニーは、LAに住む妹が家を留守にする数日間、9歳の甥・ジェシーの面倒を見ることに。それは彼にとって、子育ての厳しさを味わうと同時に、驚きに満ち溢れたかけがえのない体験となる。それぞれの孤独を抱えたふたりは、ぶつかりながらも真正面から向き合うことによって、新たな絆を見出していくー。


『ルーム』のジェイコブ・トレンブレイ、

『gifted/ギフテッド』のマッケナ・グレイス・・・に続く天才子役が登場!!

 

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本作で注目されるのが、ジェシー役を演じた子役ウディ・ノーマン。2009年生まれの弱冠13歳。2015年、TVドラマ「法医学捜査班 silent witness シーズン18」にて俳優デビューし、主演のベネディクト・カンバーバッチの息子役を演じた『エジソンズ・ゲーム』(17/アルフォンソ・ゴメス=レホン監督)など話題作に出演。本作では、ホアキン顔負けの演技力と存在感で英国アカデミー賞助演男優賞にノミネートを果たした他、ロンドン映画批評家協会の若手イギリス/アイルランド人俳優賞受賞、ワシントンDC映画批評家協会賞でベスト・ユース演技賞を受賞するなど数々の映画祭を席捲。『天才スピヴェット』のカイル・キャトレットや『ルーム』のジェイコブ・トレンブレイ、『gifted/ギフテッド』のマッケナ・グレイスに次ぐ天才子役として、ネクストブレイクが期待されている。


ジェシーは、ホアキン演じる主人公ジョニーのバディとも言える役どころで、物語の中心となる存在。ジェシー役の役者を探すのは至難の業だった。ミルズ監督は「魅力的でキュートで遊び心があるだけでなく、複雑な陰影を漂わせている子を求めていたんだ」と説明し、「ホアキンとも、ずば抜けた役者で、この子しかいないと100パーセント確信が持てない場合は、撮るのをやめようと決めていた」といかに、ジェシー役のキャスティングが重要だったことがわかる。

 

「映画の神様に助けられた」と言わしめる才能

ホアキンとの即興セッションでケミストリーを見せつけオーディションを突破!


cmoncmon-500-1.jpgそんな難しい役どころを、数多のライバルがいる中、見事オーディションで勝ち取ったウディ。オーディションで脚本には書かれていないことをアドリブで演じてみせ、ホアキンとミルズ監督は「衝撃的に感動」し、彼に即決。さらにホアキンを驚かせたのは、イギリス人のウディがアメリカ英語を完全マスターしていたということ。「アメリカ英語のアクセントがあまりに説得力があるから、僕は彼がイギリス人だと知って本当に驚いたんだ」と明かす。ミルズ監督も「この子しかいないというのは明らかだったね」と断言。「映画の神様に助けられたと思った」とまで言わしめている。


撮影を経たホアキンは、ウディについて「社交的で、非常に頭がよく、とんでもなく面白い子供だ」と振り返り、続けて「それでいて、舌を巻くようなアドリブを繰り出すんだよ。それもパーソナルで心地がいい、そしてその役柄の人生を象徴するようなものをね」と絶賛。映画の中では突拍子もない言動で叔父を振り回す役どころを演じたウディだったが、演技の面ではホアキンにとって「彼が目標を示してくれて、色々な意味で僕のガイドになってくれた」という。


cmoncmon-500-4.jpgホアキンとウディの相性の良さは、「ウディとホアキンは強い絆で結ばれていた。彼ら自身の本当の関係と親密さがリアルタイムで展開されているのが分かった。それは見せかけじゃない」とミルズ監督のお墨付き。「“子供との仕事はどうですか?”とよく聞かれるけど、“子供ってホアキンのこと?”って感じだね(笑)」と冗談交じりに語っている。本作で繰り広げられる2人の親密な掛け合いに注目したい。


ティモシー・シャラメに憧れているというウディ。次回作の公開も控えており、今後の目標について訊かれると「これからも役者として活躍して、いつかは素敵な家にも住みたい。役者として限界まで挑み、やめなければいけない時がくるまで続けたい。いずれ監督にもチャレンジしたい」と即答。好きな日本のカルチャーを尋ねたところ、「好きなアーティストのジャケットを手掛けてる村上隆かな」と朗らかに答える早熟の天才子役、これからの活躍が見逃せない!
 


【プロフィール】

ウディ・ノーマン(Woody Norman)/ジェシー役

2009年生まれ、イギリス出身。2015年、TVドラマ「法医学捜査班 silent witness シーズン18」にて俳優デビュー。以降、イギリスを拠点に俳優活動を行う。『エジソンズ・ゲーム』(17/アルフォンソ・ゴメス=レホン監督)では主演のベネディクト・カンバーバッチの息子役を演じた。そのほかの主な出演作にTVドラマ「ホワイト・プリンセス エリザベス・オブ・ヨーク物語』(17/Stars)、「トロイ伝説:ある都市の陥落」(18/BBC・Netflix)、「レ・ミゼラブル」(18/BBC)、「宇宙戦争」(19/BBC)、「風の勇士 ポルダーク シリーズ5」(19/BBC)等。公開待機作に、アンドレ・ウーヴレダル監督の『Last Voyage of the Demeter(原題)』、サミュエル・ボーディン監督『Cobweb(原題)』がある。

【本作での受賞・ノミネート歴】

★ロンドン映画批評家協会の若手イギリス/アイルランド人俳優賞受賞!
★ハートランド国際映画祭:パイオニアリング・スピリット賞 ライジング・スター受賞!
★デトロイト映画批評家協会賞:ブレイクスルー賞受賞!
★ワシントンD C 映画批評家協会賞:ベスト・ユース演技賞受賞!
★英国アカデミー賞:助演男優賞ノミネート
★シアトル映画批評家協会賞:ユース・パフォーマンス賞ノミネート
★ラスベガス映画批評家協会賞:ベスト・ユース男優賞ノミネート
★ロンドン映画批評家協会:若手イギリス/アイルランド人俳優ノミネート
★オンライン女性映画批評家協会賞:ブレイクスルー・パフォーマンス賞ノミネート
★放送映画批評家協会賞:ベスト・ヤング・アクター賞ノミネート


『カモン カモン』

【STORY】
cmoncmon-pos-1.jpgNYでラジオジャーナリストとして1人で暮らすジョニーは、妹から頼まれ、9歳の甥・ジェシーの面倒を数日間みることに。LAの妹の家で突然始まった共同生活は、戸惑いの連続。好奇心旺盛なジェシーは、ジョニーのぎこちない兄妹関係やいまだ独身でいる理由、自分の父親の病気に関する疑問をストレートに投げかけ、ジョニーを困らせる一方で、ジョニーの仕事や録音機材に興味を示し、二人は次第に距離を縮めていく。仕事のためNYに戻ることになったジョニーは、ジェシーを連れて行くことを決めるが…。


監督・脚本:マイク・ミルズ 『人生はビギナーズ』『20センチュリー・ウーマン』
出演:ホアキン・フェニックス、ウディ・ノーマン、ギャビー・ホフマン、モリー・ウェブスター、ジャブーキー・ヤング=ホワイト
音楽:アーロン・デスナー、ブライス・デスナー(ザ・ナショナル)
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
2021年/アメリカ/108分/ビスタ/5.1ch/モノクロ/原題:C’MON C’MON/日本語字幕:松浦美奈
© 2021 Be Funny When You Can LLC.  All Rights Reserved.

公式サイト:https://happinet-phantom.com/cmoncmon/

2022年4月22日(金)~ TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー


(オフィシャル・レポートより)

【キメ・メイン】_DSC6668.JPG

主演・小林聡美『かもめ食堂』『めがね』
×
平山秀幸監督『愛を乞うひと』『閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー』

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今日を精一杯に生きる“大人のおとぎ話”


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小林聡美、斎藤汰鷹、平山秀幸監督が大ヒット祈願!

ぽかぽか陽気の中、10年越しの脚本の映画の完成を報告!

小林聡美「みなさんにとっていい時間になるような映画になった」


小林聡美主演、平山秀幸監督最新作『ツユクサ』が4/29(金・祝)全国公開となります。

このたび本作の大ヒット祈願&完成報告イベントを実施いたしました。大人のラブストーリーに挑戦した小林聡美、10年以上も温め続けた安倍照雄氏のこの脚本をついに映画化した平山秀幸監督に、本作に込めた想いを語っていただいたほか、「おみくじ」にも挑戦し、映画のヒット祈願をした後に運試しも行われました。


●日 時:3月14日(月) 
●場 所:赤城神社(新宿区赤城元町1-10)
●登壇者:小林聡美(56)、斎藤汰鷹(12)、平山秀幸監督(71)



映画は、その自然体な演技に女性たちから絶大な支持を得てきた小林聡美を主演に迎え、安倍照雄によるオリジナル脚本を、『愛を乞うひと』『閉鎖病棟-それぞれの朝-』など、さまざまな視点から人生を描いてきた平山秀幸監督が映画化。過去を抱えながらも「今」を生きる主人公・五十嵐芙美(いがらし・ふみ)にこれから訪れるだろう幸せや希望を爽やかに映し出した “大人のおとぎ話”。
 

tsuyukusa-ivent-500-2.JPG学問芸術を司る磐筒雄命(いわつつおのみこと)を祀っている神楽坂の赤城神社にて、映画『ツユクサ』の完成報告と大ヒットをご祈祷した小林聡美、斎藤汰鷹、平山秀幸監督。真剣な面持ちでご祈祷の儀式に参加し、映画の大ヒットを願い神様に祈りを捧げた。


主人公の五十嵐芙美役を演じた小林は「今日は春らしい日になり、こんな日に皆さまにお披露目できることを嬉しくおもいます」と挨拶。芙美の歳の離れた親友・航平役を演じた斎藤は「今年で中学生になります。よろしくお願いします」と初々しく挨拶した。10年以上温めてきた脚本の映画化ということで、平山監督は「一本の映画が成立するのにこんなに長く時間がかかるということを改めて感じています」と、感慨深く映画の完成を報告した。


tsuyukusa-ivent-500-1.JPGトーク前に行ったご祈祷について、小林は「こういった場所でヒット祈願をしたこともあまりないので、祝詞をあげさせていただき、宮司さんから掛けてもらった『みんなで心を合わせ、力を合わせ』という言葉が頭に残っていて、とても心強く思いました」と感想を述べ、斎藤も「初めてご祈祷をしたので、不思議な気持ちがしました。全然分からなくて、心臓止まるくらいガチガチでした」と答え、会場を笑いで包んだ。


tsuyukusa-ivent-kobayashi-240-1.JPG小林は「『閉鎖病棟』で平山監督とご一緒させていただいた後に声を掛けていただけたので、監督が観てくださっていたのだなと嬉しかったです。また、脚本を10年間温めてきた作品ということで、台本を読ませていただいた時に、時間が経っているのに、新鮮な感じで、この話を監督はどんなふうに映像にするんだろうとワクワクしました」と、出演のオファーが来た時の気持ちを明かした。


年の離れた親友を演じた小林と斎藤。斎藤は「歳の離れた親友というのは初めてだったのですが、小林さんと初めて会った時に、本当の親友のように接してもらって楽しかったです。」と小林との共演を振り返り、「小鳥のラブちゃんと共演したり、月の隕石を初めて見たり、ルートビアを飲んでみたり、初めてのことが多くて楽しかったです」と、様々な初体験もあり、終始楽しく撮影できたと笑顔。


tsuyukusa-ivent-saitou-240-1.JPG一方、小林は「(斎藤の)おばあちゃんと血液型が一緒だったらしく、そこで親近感を持ってもらえました」と、斎藤との距離が縮まったきっかけを明かし、「斎藤くんの子供目線に合わせるということもなく、一緒に楽しく話せました」とほほ笑み、無理なく斎藤と親友役を演じられたと語った。


脚本家の安倍照雄氏と10年以上も温め続けてきた本作の脚本を、ついに映画化した平山監督は「10年前に考えだしたので、ここに至るまでに紆余曲折があり、その時々で考えが変わっていて、価値観もその時とは変わっているかもしれません。ただ、出来上がったものが全てだとおもうので、作品を完成できたことをみなさんに本当に感謝しています」と映画の完成に感無量の面持ち。また、本作で大人のラブストーリーに挑戦したことについて「小林さんに色々聞きました」と撮影裏のエピソードも明かした。


松重豊との久しぶりの共演、しかも大人のラブストーリーでの共演となった小林は「松重さんという俳優さん自体が、セリフが無くてそこに佇んでいるだけでも味わい深くて素敵な俳優さんで、しかも今回はミステリアスな役だったので、その役柄とマッチしていて、そのまま映画の世界の松重さんに恋することができました」と共演の感想を語った。


tsuyukusa-ivent-hirayama-240-1.JPG一方、平岩紙、江口のりことの女性3人でのシーンでは、小林は「撮影していて楽しかったです。あまり深刻なシーンではなく、ポンポン進むシーンだったので。これまでお二人と共演したことはあったのですが、友人という役ではなかったので、今回色々言い合うことができてとても楽しかったです」と答えると、平山監督も「3人のシーンはもう5分くらいは長く撮っても良かったですね。この3人の絡みの芝居はずっと聞いていたかったですね」と楽し気に撮影を振り返った。


松重と小林が一緒に食事をとるシーンについて、平山監督は「二人で一緒にご飯を食べるシーンがあるんですが、松重さんには『番組間違えないでね』と伝えました」と答え、会場の笑いを誘った。


tsuyukusa-ivent-500-3.JPGそんな中、映画の中で主人公の芙美が、隕石とぶつかるという1億分の1の確率の奇跡に遭遇するが、そんな奇跡にちなみ❝おみくじ❞を引いて3人は運試しをすることに。斎藤が念を送るなか、それぞれおみくじを引くと、平山監督が❝末吉❞を引き「あまり大きな願い事をするな、分相応の身近なことをしっかりやりなさいということなので、この映画の内容と一緒なので良かったです」とコメント。続いて斎藤は❝大吉❞を引き、金運が高まっていると聞き「イエーイ」と小躍りして喜んだ。。最後に小林は❝末吉❞を引き、つまづきやすくなる兆し、というおみくじに対し、「つまづきがあるからこそ達成した時の喜びがあるわけで。この映画も、私のパワーより、汰鷹君のパワーで引っ張ってもらって、私は後から巻き返そうと思います」と主人公の芙美同様に前向きな一面をみせた。


tsuyukusa-pos.jpg最後に映画の公開を楽しみに待つファンへ、平山監督が「力を入れてみる力作や問題作もありますが、この作品は今日のようなポカポかした天気の日に観てもらうのにちょうどいい映画だともいます。」とアピールし、斎藤が「僕が演じた役は、元気だけどいろんなことを考えてたりする役です。芙美ちゃんとの楽しい会話が見どころなので、みなさん是非観てください」と呼びかけ、小林が「派手な出来事があったり、すごいアクションがある映画ではありませんが、皆さんが映画館でスクリーンに向かっているその時間は、みなさんにとっていい時間になるような映画になったと思うので、ぜひ時間をつくって、映画館のスクリーンで観てほしいです」と締めくくり、終始和やかな雰囲気に包まれた大ヒット祈願&完成報告イベントは幕を閉じた。

 


『ツユクサ』

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【STPRY】
とある小さな田舎町で暮らす芙美。気の合う職場の友人たちとほっこり時間を過ごしたり、うんと年の離れた親友の少年と遊びに出かけたり、ある日、隕石に遭遇するというあり得ない出来事を経験したり。そんなふうに日々の生活を楽しく送るなかで、ときおり見え隠れする芙美の哀しみ。彼女がひとりで暮らしていることには理由があって、その理由には“ある哀しみ”があって、そして草笛をきっかけに出会った男性と恋の予感も訪れて……。


出演:小林聡美 平岩紙 斎藤汰鷹 江口のりこ 桃月庵白酒 水間ロン 鈴木聖奈 瀧川鯉昇
   渋川清彦 / 泉谷しげる / ベンガル  松重豊
監督:平山秀幸  脚本:安倍照雄  
音楽:安川午朗  
主題歌:中山千夏「あなたの心に」(ビクターエンタテインメント)
配給:東京テアトル   クレジット :©2022「ツユクサ」製作委員会  
公式サイト: tsuyukusa-movie.jp

公式ツイッター: tsuyukusa_movie

2020年4月29日(金・祝)より全国公開


(オフィシャル・レポートより)

 
 
 

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(2022年3月6日(日) なんばパークスシネマにて)

ゲスト:関水 渚

 

どんなご要望にもお応えします!

最強のウェディング・プランナーによる晴れの日の狂騒曲

 

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人生最大のイベント・結婚式を舞台に繰り広げられる、抱腹絶倒のコメディ映画『ウェディング・ハイ』が3月12日(土)の大安吉日に全国公開となります。芸人・タレントだけでなく脚本家としても才能を発揮するバカリズムの完全オリジナルストーリーを、『勝手にふるえてろ』や『私をくいとめて』などで現代を生きる女性を瑞々しいタッチで描き出す名手・大久明子監督が、結婚式での大騒動をつつがなく執り行います。晴れの日にふさわしい笑いと感動で楽しませてくれる、爆笑ウエディング・エンターテインメントの登場です。


新郎新婦の要望に“絶対にNOと言わない"ウェディングプランナーを篠原涼子が、新郎には中村倫也、新婦には関水渚、なんと岩田剛典が元カレで、向井理が謎の男を演じるという贅沢なキャスティング。他にも超個性派が入り混じっての怒涛の披露宴。果たして無事に幸せな門出を祝福することができるのだろうか――?
 



3月6日の大安吉日に合わせて、大阪はなんばパークスシネマにて舞台挨拶付き特別試写会が開催されました。ゲストは、花嫁役を演じた関水渚さん。たった一人での舞台挨拶で「今まで先輩の皆さんに助けて頂いていたので、今日は寂しさと緊張が入り混じった感じです。でも大阪は明るい街なので、今日は来られて本当に良かったなと思っております」とご挨拶。


weddinghigh-bu-240-1.jpg大阪は?「何回か旅行で来ていて、好きな街です」。大阪で印象に残ったことは?「この前、新大阪駅で宝くじを買おうとしたら、『バラでええやろ?当たるとええな、楽しみやな!』と売り場の方がとても気さくに話し掛けて下さって、そのお陰か、初めて1000円が当たったんです!また買いに行きたいと思っています!」と、縁起のいい日の舞台挨拶に縁起のいいエピソードを披露。


関西弁について?「関西弁を使う人は周りにも居ます。とても可愛い喋り方なので羨ましいなと思っています」。そこで、ちょっと関西弁で喋って頂けないかというMCのオファーに、「レクチャーして頂けるなら」とMCの後に続いて、「『ウェディング・ハイ』をこれから観てや~!」と微妙なイントネーションながら快くムチャぶりに応えてくれた関水渚さん。


ここで、一人だけの舞台挨拶を心配して先輩方のメッセージが届いていると伝えると、「ええ~っ!」とそのサプライズに驚き、スクリーンに映し出された篠原涼子と中村倫也を見て、さらにびっくり!

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中村:「僕は関水さんの新郎役で沢山のシーンを一緒に撮って来ましたが、彼女は結構“緊張しい”なんですよ。」

篠原:「わかります。今日は一人で大丈夫かなって、心配ですよね?」

中村:「ちょっと緊張しすぎて、右足だけガニ股になっているおそれがあるので、ここで僕から関水さんにひとこと言葉を贈りたいと思います『がんばれ~!』」

篠原:「がんばれ~!…ちょっと待ってよ、(中村さんは)今日一日中面白いんですけど…(笑) このように、バカリズムさんの脚本と多才なキャストの皆さんとで作った、ホントにホントに楽しい作品になっておりますので、お楽しみ頂けたら嬉しいです。」

中村:「どうぞ最後までお楽しみ下さい!」

weddinghigh-bu-240-2.jpg「びっくりしました。心強いですね、嬉しいです。右足だけガニ股にならないよう気を付けます(笑)」とサプライズのメッセージに励まされたご様子。中村倫也さんの現場での雰囲気については?「中村さんは誰とでも話せて、誰にでも安心感を与えられる力を持っている人だと感じました」。旦那様としての中村さんは?「撮影初日が二人だけのシーンだったのですが、初対面にもかかわらず仲良しの雰囲気を出す必要があり不安でした。でも、中村さんがとても優しく世間話をして下さったりして、お陰で変な緊張をせずに安心して演じることができました。」


篠原さんは、さっきのメッセージ映像でもそうですが、現場でもずっと笑っておられて、何にでも笑って下さるんですよ。大女優さんなのにピリピリした感じがなくて、本当に優しいんですよ。一緒にいて癒されました。」


ここで、観客からの質問にも応じてくれました。

Q1:好きなタコ焼きの味付けは?
関水:「普通にソースとマヨネーズです。おススメのお味は?」――「塩です。」

Q2:撮影中で印象に残ったエピソードは?
関水:「同級生役の3人とは“ダンス部のメンバー”という設定なのですが、彼女たちとダンスの練習もして来なかったのに、現場で会ったらすぐに仲間に入れてくれて、とても嬉しかったです。」

Q3:ウェディングドレスの好きなポイントは?
関水:「白と深緑の2色のウェディングドレスを着させて頂いたのですが、特に深緑の方のデザインが可愛くてお気に入りでした。」

今日の白のドレスのポイントは?「白のサテン生地です。ギリギリの露出で上品なドレスっぽい感じのものを選びました。それと、このネックホルダーのデザインも素敵だなと。」


白のシルクサテンのスリムドレスをまとった本日の関水渚さんは、ちょっぴり大人びた華やかな笑顔が増々輝いているように見えました。『町田くんの世界』や『コンフィデンスマンJP プリンセス編』と、可愛いだけではない内面からの演技力で魅了する女優として、今後も目が離せませんね。

 


『ウェディング・ハイ』

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【STORY】
結婚式を控えた彰人(中村倫也)と遥(関水渚)は、式場選びから衣装や料理に引き出物、さらには披露宴のプログラムまで、予算と相談しながら決める必要があり困惑していたが、ウェディングプランナーの中越(篠原涼子)の助言でトントン拍子に結婚式の日を迎えることができた。ところが、披露宴が始まると大問題が…!? 予算の都合上、時間制限付きにしたところ、張り切り過ぎた部長のスピーチや、二人の軌跡を紹介する映像を芸術性の高い短編映画に仕上げてしまった友人が大幅に時間オーバー!さあ、残りの時間内で新郎新婦それぞれの友人や父親たちの余興を披露させることができるのか?そして、両親への花束贈呈まで辿り着くことができるのだろうか?

さらに、元カレ(岩田剛典)の乱入計画や、怪しい男(向井理)まで現れて、晴れのおめでたい結婚式場は大混乱! 新郎新婦の要望に“絶対にNOと言わない"ウェディングプランナーは全ての難題をクリアし、2人に最高の結婚式を贈ることが出来るのか――!?


(2022年 日本 1時間57分)
■監督:大九明子(『勝手にふるえてろ』『私をくいとめて』『甘いお酒でうがい』) 
■脚本:バカリズム(『架空OL日記』『地獄の花園』) 
■主題歌:東京スカパラダイスオーケストラ「君にサチアレ」(cutting edge / JUSTA RECORD)
■出演:篠原涼子 中村倫也 関水渚 岩田剛典 向井理 高橋克実
■企画・配給:松竹
■© 2022「ウェディング・ハイ」製作委員会

■公式HP:https://movies.shochiku.co.jp/wedding-high-movie/
■Twitter: https://twitter.com/wedding_high
■Instagram: https://www.instagram.com/wedding_high_movie

2022年3月12日(土)<大安吉日>ロードショー


(河田 真喜子)

 

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上の写真、前列左から、
団塚唯我(DANZUKA YUIGA)(23)『遠くへいきたいわ』
道本咲希(MICHIMOTO SAKI)(24)『なっちゃんの家族』
後列左から、
藤田直哉 (FUJITA NAOYA)(30)『LONG-TERM COFFEE BREAK』
竹中貞人(TAKENAKA SADATO)(28)『少年と戦車』



~日本映画の次世代を担う若き4人の監督の作品紹介とコメント紹介~


ndjc2021-pos-500.jpg次世代を担う長編映画監督の発掘と育成を目的とした《ndjc:若手映画作家育成プロジェクト》は、文化庁からNPO法人 映像産業振興機構(略称:VIPO)が委託を受けて2006年からスタート。昨年公開された、『あのこは貴族』の岨手(そで)由貴子監督や、『先生、私の隣に座っていただけませんか?』の堀江貴大監督、『ずっと独身でいるつもり?』のふくだももこ監督、他にも『湯を沸かすほどの熱い愛』で数々の賞に輝いた中野量太監督や、『トイレのピエタ』の松永大司監督などを輩出して、映画ファンも業界人も注目するプロジェクトです。


今回も、学校や映画祭や映像関連団体などから推薦された中から4人の監督が選出され、第一線で活躍中のプロのキャストやスタッフと共に本格的な短編映画(約30分)の製作に挑戦。コロナ禍で厳しい撮影環境の中でも完成度の高い作品が揃いました。作品紹介と共に、彼らがテーマとしたものや作品に込めた想いなどをご紹介したいと思います。
 


ndjc2021-『なっちゃんの家族』-500.jpg■監督: 道本咲希(MICHIMOTO SAKI)(24)
■作品名: 『なっちゃんの家族』

■作家推薦: PFF
■制作プロダクション: アミューズ
■CAST: 上坂美来 白川和子 斉藤陽一郎 須藤理彩 山﨑 光 
<2022年/カラー/ビスタサイズ /30分/©2022 VIPO>


【STORY】
いつもと同じ平日の朝。小学4年生のなつみは登校中に突然思い立ち家出する。ランドセルをコインロッカーに預け一人遠くに住むおばあちゃんの家に向かうなつみ。突然の訪問に驚くおばあちゃんだが、なつみの心境を察して温かく迎え入れてくれる。なつみは両親の不仲がストレスとなり疲れ切っていたのだ。おばあちゃんや気取らず楽しそうに暮らす隣人と接しながらなつみの心はほぐれていくが、翌日両親が連れ戻しにやってきて・・・


【感想】
なつみを通してしか話さない家族の異様さを端的に示したイントロと、なつみを演じた10歳の上坂美来の端正な顔立ちに先ず惹きつけられた。辟易とした様子や、一人でおばあちゃん家へ向かう不安そうな様子、そしておばあちゃん家で家族の思い出に浸る様子など、終始子供目線で捉えた映像に魅入ってしまった。白川和子演じる寛大で包容力のあるおばあちゃんは、作品全体をも優しく包み込んで、こちらまで癒されるようだ。それから、バドミントンの使い方がいい。ラリーを続けるには、二人の根気強い協力が必要だからだ。人物描写やセリフ、小物に至るまで、映像で語る要素に無駄がなくセンスがいい。


ndjc2021-michimoto.jpg【コメント】
子供が子供らしくいるべき時に周囲の環境によって子供らしくいられないというのはとても悲しいこと。分かりやすいネグレクトではなく、家庭で親が喋らないという苦痛は他人には伝えにくく、そうした中途半端に仲の悪い家族を描いてみたいと思った。

物語よりなっちゃんが生きている様子を撮りたかったので、カメラの距離感や編集の繋ぎにこだわった。現場では、俳優さんたちから出されたものと自分の考えを擦り合わせてから後はお任せした。なっちゃん役の美来ちゃんは10歳だがとても頭のいい子で、こちらの要望にちゃんと応えてくれて助かった。手の動きで心情や性格などを捉えるのが好きで、今回もなっちゃんの心情を表現するのに活かされていたと思う。

(映画製作を目指したキッカケは?)親と違うことをしたかったのと、映画を観て救われたことがあったから。ダルデンヌ兄弟や是枝裕和監督のような表現の積み重ねで物語れるような作品創りを目指したい。


【PROFILE】1997年、徳島県生まれ大阪府育ち。ビジュアルアーツ専門学校・大阪を卒業。

映画予告篇の編集を経て映像プロダクションのエルロイに制作として入社。CM などの現場に携わる。その後独立し、映像作家・横堀光範氏に師事。映画・CM・MVなど幅広い映像制作に携わるべく、日々活動中。学生時代に制作した映画『19 歳』がPFFアワード2018・審査員特別賞を受賞。
 


ndjc2021-LTCB-500.jpg■監督:藤田直哉(FUJITA NAOYA)(30)
■作品名:『LONG-TERM COFFEE BREAK』

■作家推薦:SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 
■制作プロダクション:ジャンゴフィルム
■CAST:藤井美菜 佐野弘樹 福田麻由子 遊屋慎太郎 小槙まこ
<2022年/カラー /ビスタサイズ / 30分/©2022 VIPO>

 

【STORY】
大手企業に勤めるキャリアウーマンの優子は、ある日、直樹という男にナンパされる。職業は俳優、しかも自身の家を持たず、他人の家を転々と居候しながら暮らしているという、これまで出逢ってこなかったユニークなタイプの男・直樹に惹かれ、優子は一年後、彼と結婚する。結婚後、優子と直樹を取り巻くカップルたちに様々なトラブルが発生。優子の会社の後輩・みゆきは、上司との不倫が会社にバレて面倒なことに。直樹の親友・将太もまた、真希子という妻が居ながら不倫している様子。そんな中、直樹に対する優子の感情も徐々に変化していく…。


【感想】
まず優子のクールな人物像に魅了された。不倫や人事などの社内の雑音に振り回されることなく淡々と仕事をこなし、整然とした高級マンションで暮らしている優子。そこへ、自分とは真逆の風来坊のような若い男が現れ、意外性からか一緒に暮らすようになるという、そのギャップが面白い。情感より二人の関係性の変化を距離感のある描写でシンプルに描いているのが特徴。コーヒーにこだわりを持つ男に対し、明らかにある想いを膨らませていく優子の変化を捉えて、実にスリリングなのだ。優子を演じた藤井美菜の不気味なくらいの落ち着きと、思いを秘めた眼差しが作品に深みを出していたように思った。


ndjc2021-fujita.jpg【コメント】
普遍的な男女の関係をポップに撮りたかった。男性が女性を主人公に描くのにどう表現するかを特に考え、6人のキャラクターそれぞれの考え方、捉え方の違いを映画として多面的に描いた。観る人が誰に共感できるのか?というところに関心がある。

俳優さんたちの既に持っている佇まいがキャラクターに近い人を選んだ。意外とテーマ性に繋がる見え方が抑制や矯正に繋がっていたと思う。

(ラストの驚きのセリフの意味は?)それまで彼女の本心が見えてなかった部分を露出することで、意外性を狙った。

(落ち着いた映像については?)カメラを動かすのはあまり好きではなく、FIXで作った構図の中で動かすのにこだわった。

(映画製作を目指したキッカケは?)映画少年ではなかったのですが、大学に入ってからたまたま今村昌平監督の『神々の深き欲望』を観て、その凄みに魅了されて映画に興味を持ち始めた。最初は独学で実験映画を作っていたが、松本俊夫監督の『薔薇の葬列』などの作品を見始めてから本格的に始動。視覚的技術による感動、ストーリーテラーには興味がなくて、独自の映像表現が好き。アングラな実験映画を観たのがキッカケかな。


【PROFILE】1991年、北海道生まれ。明治大学法学部卒業。

大学時代より独学で実験映画を中心に自主映画制作を始める。芳泉文化財団より助成を受け制作された『stay』(2019)がSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020短編部門にてグランプリ受賞。2021年には短編映画でありながら、単独でアップリンク渋谷をはじめとした全国の映画館で上映。同年ドイツの映画祭、ニッポンコネクションに参加。ALPHABOAT合同会社所属。
 


ndjc2021-『少年と戦車』-500.jpg■監督: 竹中貞人(TAKENAKA SADATO)(28)
■作品名: 『少年と戦車』

■作家推薦:東京藝術大学 大学院 映像研究科
■制作プロダクション: 東映東京撮影所
■出演:鈴木 福 黒崎レイナ 笠井悠聖 林 裕太 松浦祐也
<2022年/カラー/ビスタサイズ/30分/©2022 VIPO>

 

【STORY】
中学二年生の田崎は鬱屈とした田舎町に息が詰まりそうだった。
内弁慶な友人、江田と過ごす退屈な日常やクラスメイトの滝口から受けるいじめにより、田崎の生活はとても窮屈なものになっていた。時々言葉を交わす少女、咲良に想いを馳せる事だけが彼の唯一の楽しみだった。そんなある日、湖に旧日本軍の戦車が沈んでいるという情報を手に入れる。田崎は戦車があればこの窮屈な日常を破壊できるのではないかと思い、捜索の旅に出る。そこで彼を待ち受けていたものは、自分自身の思春期と向き合う壮大な精神の旅だった。


【感想】
あの“福くん”がいじめられっ子!? (映画『KAPPEI カッペイ』(3/18公開)で特攻服着たヤンキー中学生の鈴木福を観たばかりだったので笑ってしまった)。執拗な暴力に耐えながらも「何とかしたい」と思う田崎が葛藤する姿をシリアスに演じている。“松本人志”に憧れる友人の江田が「学校なんて面白くなくても10年後には笑える」と励ます姿は健気。それとは対照的に、自分の中のイヤな気持ちを助長する妄想の中の美少女との最後の対峙に、弱い自分との訣別を示していて痛快だった。思春期らしいハチャメチャな妄想の中で、伝説の戦車を登場させたのは効果的だったと思う。


ndjc2021-takenaka-500.JPG【コメント】
実体験を基に、スクールカーストの底辺にいる人たちの友情をテーマにした。自分の学生時代を描きたいという気持ちと、浜名湖に戦車が沈められているという話を聞いて、これらを組み合わせて作品を作りたいと思った。

空想シーンは、夢とは違って色彩に濃度があると思うので、濃淡が徐々に変わっていくあたりにこだわった。空想の中と現実の主人公との違いを見せるために、主に照明でその変化を付けていった。

鈴木福君は年下だが大ベテランなので、沢山ディスカッションを重ねながら主人公のキャラクターを深めていった。俳優さんたちと色々話し合いながら作っていくのは初めてだったので、とても貴重な体験となった。

イタリア映画が好きだが、日本人の生活に根付いたものがしっかり映っている作品であれば、それはそれでグローバルな映画になると思う。日本人の映画を芸術として捉えるイメージが少ないのは寂しいと感じている。

(映画製作を目指したキッカケは?)小学生の頃に、周防正行監督の『ファンシーダンス』『シコふんじゃった』『Shall weダンス?』を母から勧められて観たのがキッカケ。今後目指したい作風でもある。


【PROFILE】1993年、三重県生まれ。大阪芸術大学卒業。

卒業制作である『虎穴にイラズンバ』が第28回東京学生映画祭 観客賞を受賞。その後、東京芸術大学大学院へと進み、藤田弓子を主演に迎えた『羊と蜜柑と日曜日』を監督し2021年劇場公開を果たした。
 


ndjc2021-『遠くへいきたいわ』-500.jpg■監督: 団塚唯我(DANZUKA YUIGA)(23)
■作品名: 『遠くへいきたいわ』
■作家推薦:なら国際映画祭
■制作プロダクション: シグロ
■出演: 野内まる 河井青葉 フジエタクマ 津田寛治 金澤卓哉
<2022年/カラー/ビスタサイズ/30分/©2022 VIPO>

 

【STORY】
アルバイト先へ面接にやってきた竹内(39)をひと目見て動揺を隠せなくなる紗良(21)。自転車で帰宅する道すがら、同僚で恋人の悠人から、目を瞑って車道の真ん中に立つ竹内の姿を先日目撃したことを告げられる。怒りを露わにした紗良は去ってしまい、訳も分からず取り残される悠人だった。竹内の勤務初日、開店作業を終えたふたりはオープンを待つばかりのはずだったが…。互いに亡くしてしまった母 / 娘の面影を見出し合うふたりは、束の間の逃避行に何を求めるのか。


【感想】
母親の自死という喪失感に捉われた若い女性が、現実を受け入れ、心の折り合いをつけていく様子を冷静な眼差しで描いている。沙良を演じた野内まるの演技の硬さはあるものの、竹内に母の面影を見出そうとする一途な想いの強さは伝わってくる。一方竹内を演じた河井青葉は、突拍子もない沙良の言動に戸惑いながらも、彼女の喪失感を受け止める大人の優しさを示していた。一歩先に踏み出すようなラストは再生の可能性を感じさせたが、共感するまでには至らなかった。


ndjc2021-danzuka.JPG【コメント】
テーマは喪失。作品に込めた想いは、喪失感とどう折り合いをつけながら生きていくかということ。

本格的映画製作は初めてだったので気合を入れて撮ったが、正直きつかった。見て欲しいところをひとつに絞るのは難しい。主役の野内まるさんとは本読みしたりリハーサルを重ねたりして演じてもらった。俳優さんを信頼するのが大前提だと思っている。他のスタッフの方々とも、協力してもらうという関係性ではなく、一緒に作品を作っていくという感覚だった。

好きな監督は、レオス・カラックス監督、塩田明彦監督、黒沢清監督。それぞれの作品に共通するような緊迫感のある作品を撮って行きたい。


【PROFILE】1998年、東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部中退。映画美学校フィクションコース22期修了。

修了作品として制作した『愛をたむけるよ』が、なら国際映画祭、下北沢映画祭、TAMA NEW WAVE、うえだ城下町映画祭 等の映画祭で入選、受賞。
 


【上映劇場】

2/25(金)~3/3(木) 東京・角川シネマ有楽町

3/4 金)~3/10(木)大阪・シネ・リーブル梅田

3/18(金)~3/24(木)名古屋・ミッドランドスクエア シネマ


(河田 真喜子)

 

 

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