レポートインタビュー、記者会見、舞台挨拶、キャンペーンのレポートをお届けします。

2014年12月アーカイブ

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~7人のおばちゃんが主人公、あるあるオンパレードのリアルさに共感!~

 
本当に勇気のある作品だ。出演者は映画初出演もしくは演技初経験のおばちゃんたちばかり。一方ロケ地は深い山の中。わざわざおばちゃんを集めて映画を撮るなんて、日本中どこを探してもこの監督しかいないのではと思わせるのが、『南国料理人』『横道世之介』の沖田修一監督。「40歳以上の女性、演技経験は不問」というオーディションで選ばれた7人のおばちゃんが主人公の映画『滝を見にいく』が、東京で絶賛公開中だ。幻の滝を見に行くツアーに参加した年齢も境遇も違う7人のおばちゃんが、山中でまさかの遭難に見舞われてしまう。非日常の中それぞれが少しずつ自分を解放していく様子やバラバラだった7人が力を合わせていく様子を、少し遠くから覗き見るような目線で温かくとらえている。脚本も手がけた沖田修一監督に、オーディションの様子や撮影で感じたおばちゃんの魅力、そして合宿生活のようだった撮影エピソードについてお話を伺った。
 

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■「人間はこんなもんだよな」ということが滲む、生活感があるのは“おばちゃん”

━━━登場人物がほぼ全員おばちゃんという映画を作るにいたったきっかけは?
プロデューサーから「ワークショップで映画を撮りませんか。監督の好きな題材で構いませんので」というお誘いを受けたのがきっかけです。3人のおばちゃんがハイキングでずっとグチをいい続けながら歩き、滝を見るというのが面白いなと思ったのですが、普通に考えたらこんな話は映画になりません。でも、このワークショップの話のときにやれるのではないかと感じました。ワークショップによる映画づくりは何度か経験していますが、普通は俳優を目指した若い男女が応募してきます。今回は違う層を狙ってみようと思い、「40歳以上の女性なら誰でも応募できます」と銘打ったオーディションにしました。3人より人数を増やし、ツアーみたいな感じで話を展開すればいいのではないかと、どんどん話が膨らんでいきましたね。
 
━━━以前から、おばちゃんを撮りたいと思っていたのですか?
僕は「人間こんなものだよな」ということが滲むような生活感のあるものを撮りたくて、そうなるとおじちゃんやおばちゃんの方が絵になるのは確かです。おじちゃんやおばちゃんが飯を食っている光景は、生活臭しかしないですから。つい癖で年上の俳優さんに出演してもらいたくなりますね。
 

■湯あたりならぬ“おばちゃんあたり”に!?40人分の半生をじっくり聞くオーディション。

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━━━オーディションから始まり、撮影中もずっとおばちゃんと一緒だったわけですが、沖田監督がその中で感じたおばちゃんの魅力とは?
僕は「おばちゃん」という呼び方をあまりせずに、最初は「女性」と呼んでいました。今回オーディションで40名弱の方にお会いして、一人一人かなり時間をとってお話を聞き、7人に絞っていきました。三日間で朝から晩まで、オーディションに来られた方の人生を聞かせていただいて、湯あたりならぬ、”おばちゃんあたり”になっていました。脚本にも取り入れようと思っていたので、40人分の半生をじっくりと聞かせていただきましたが、やはり皆さん色々あるのだなと実感しました。そういうニュアンスが画面でもどこかにでればいいなと思っています。オーディションで選ばれた皆さんは、年下の若造監督をバカにするわけでもなく、皆が新人俳優のようでした。小道具一つとっても、「おばちゃんは大体こういうものを持っているわよ」と等身大で教えてくれるので、とてもやりやすかったです。
 
━━━今回映画に出演した7人が選ばれた理由は?
最初は演技経験がない人の方がいいのではないかと思っていましたが、試しに演技経験のある人と組んでお芝居をやってもらうと、それはそれでどちらも映えて面白い化学反応が起きました。最終的には演技経験のある人とない人を半分ずつぐらいにし、絡みがある場面は双方ペアになるようにしました。後は、俳優経験がある人でも家庭の部分のウェイトが大きいかどうかが重要でした。色々なことを聞き、嫌いな家事の話を聞いてどういう生活をしているか何となく探ったり、台本を自分の好きなように変えてもらったりしながら、バランスを見てオーディションで選んでいった形ですね。
 
━━━脚本はどのように作り上げていったのですか?
話の骨格は決めておいて、あとはそれぞれのキャストに合わせて役の詳細を決めていきました。本当は素性が全く分からないキャラクターを作りたかったのですが、それを演じられる人が全くいなかったので、スミスを演じた渡辺さんにそれを一任したりもしました。ワークショップと台本書きが同時進行でしたね。昼は稽古をして、持ち帰って台本を書き、翌日はその台本を演じてもらってと試行錯誤しながら何日間か繰り返しました。
 
━━━撮影期間はどれぐらいでしたか?
ワークショップは5日間で、撮影は11日間プラスアルファぐらいです。普通はワークショップの中から7人に絞り込んだりするのですが、体力を使いそうだったので、オーディションに時間をかけて7人を選び、ワークショップは稽古の時間にしました。皆さんまじめなので、一生懸命やってしまって、演技をしたことのない人が演じるという良さが失われていくような気がしたので、本人が出てくる意味を考えたときにはあまり稽古をしてほしくはなかったのです。ただ、皆が顔見知りになっておくのはいいなと思い、もはや仲良くなるための時間になっていました。『南極料理人』の女バージョンみたいな感じもやりましたね。撮影では、助監督が今回はどうしても順撮りがいいと主張し、僕もそれがいいと思っていたこともあり順撮りにしたのですが、初日に雨が降ったりして不安にもなりました。結局助監督が順撮りを貫いてくれたので、決行できました。
 

■面白いことをやっているという意識と、きちんと面白いものにしたいという空気が流れていた現場。

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━━━本作の撮影はこれまでの撮影と違う部分が多かったと思いますが、楽しかったところは?
合宿生活だったので、役者とスタッフとの垣根がなかったのは楽しかったですね。コミュニケーションが非常にとりやすかったです。最後に一組ずつ歩いてきて、最初と同じ台詞が繰り返されるのは、現場の美術担当が思いついたアイデアで、みんなで「これ、面白くない?」と言いながら、試して、採用することもありました。みんなで作っている感じが良かったです。今回は面白いことをやっているという意識と、だからきちんと面白いものにしたいという空気が現場に流れていた気がします。
 
後は衣装を自前とこちらで用意するものと半々にしました。普通は衣装担当が嫌うと思いますが、今回は本人と役柄が半分クロスする設定だったので、本人が日頃着ているものを持って着てもらう方が馴染みます。最年長の徳納さんは本当に稽古に着てきた格好です。
 

■この旅は何の人生の解決にもなっていない。山から戻ったとき少し後ろ髪を引かれるだけで十分。

━━━最後に見た滝が、「これ?」って感じでしたしね。
それが狙いですから。確かにこの旅は、みなさんにとって何の人生の解決にもなっていないですよね。今回は山で迷子になったということで、それが楽しくなってしまう人たちの話なのです。山から戻ってきたときに少し後ろ髪を引かれてしまう、それで十分なのです。主人公の根岸さんもどこにでもいるような、「説明しなくても知ってるでしょ」という感じだったので、あまり事細かに説明せずとも想像通りなのだろうなと。
 

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━━━キャンプファイヤーの時に、皆で『恋の奴隷』を歌っている姿は非常にインパクトがありました。なぜあの曲を選んだのですか?
なんか面白かったんですよね。美しい歌よりも『恋の奴隷』のようなヒット曲の方が、みなさんの少女時代を連想させる何かがある気がして。「悪いときはどうぞぶってね」という歌詞も面白かったです。昭和の雰囲気が出ますし。ワークショップの時に、『恋の奴隷』を歌ってもらったら、サビの「あなたごのみの~」という部分を皆さんで絶唱しているのがすごく絵になるなと思いました。
 
━━━ある意味サバイバル物語でもありますが、おばちゃんたちがそれぞれ持参していた食べ物やアウトドアグッズはどのようにしてアイデアを出していったのですか?
美術部のスタッフと食べ物は何を持参するかを一緒に考えるのが楽しかったですね。タッパに梅干しを入れて持っていこうとか。そこからゆで卵の話になり、アルミホイルに塩だけ包んで持っていくというアイデアから、バスで食べちゃおうとか。色々なことを考えながら、脚本にないところでアイデアを膨らませていくのに、道具は重要でした。お菓子もチョコレートならと言っていると「ルマンド」と具体名が出てきて。僕はあまり良くわかっていなかったので「ルマンドってそんなに有名なお菓子なんですか?」と聞くと、キャストのおばちゃんたちが皆、口を揃えて「えっ、ルマンドよ!」となぜ知らないのかという勢いで返されました。
 
━━━太極拳をやっている人がいたり、それぞれ好きなことをやっているシーンがありますが、全部脚本に書かれている通りですか?
全部脚本どおりです。あの場面がメインだと思っていますから。楽園っぽいというか、今までの生活とはかけ離れた状況ですね。遊んでいる部分は、「小学校6年生の気持ちでやってください」と言いましたが、それ以外のシーンでもみなさん若く見えますね。
 
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■脚本は根性で書くもの。自分が書いた脚本でないと、演出できない。

━━━脚本を書くときに心がけていることは?
脚本は根性で書くものですね。書く途中で1回や2回ぐらいは「もうダメだ」と投げ出したくなるときがあるのですが、そこで諦めないことです。脚本根性論ですよ。脚本を書くのは本当にキツいのでやりたくないのですが、他の人が書いた脚本で撮るぐらいなら、頑張って書こうと思ってしまいます。自分が書いた脚本でないと、演出できないんですよ。せめて最初と最後は書かなければと思っています。『キツツキと雨』や『横道世之助』は中間部分を何こうか書いてもらいましたが、最終的には自分で書かないと役者に説明できないのです。よく「間がいい」と言われることがありますが、全く間を計ったことはありませんし、役者さんご自身がこちらの方が面白いだろうと勘でやっているケースが多いです。
 
━━━おばちゃんたちと一緒に森林浴をしたり、夜を明かしたような気分になりました。
本作は88分でしたが、出ているキャストもずっと皆同じですし、ずっと山の中の話なので飽きるのではないかと、少し怖かったです。東京ではもう公開しているのですが、劇場の客層も割とおばちゃんが多くて、僕と同い年ぐらいの友人が見に行くと「客席周りまで演出されているみたい」と言われました。「一緒に森林浴をしたような気分になる」とよく言っていただいています。普段映画を見ないような人でも興味を持ってもらえたらと思います。(江口由美)
 

『滝を見にいく』
(2014年 日本 1時間28分)
監督:沖田修一  
出演:他
2015年1月17日(土)~シネマート心斎橋、1月24日(土)~京都シネマ、2月21日(土)~元町映画館他全国順次公開
※第27回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門スペシャルメンション受賞
公式サイトはコチラ
(C) 2014「滝を見にいく」製作委員会
 
 
 

spaylejend-inta.jpg『スパイ・レジェンド』ピアース・ブロスナン インタビュー

 
(The November Man 2014年 アメリカ 1時間48分)
原作:ビル・グレンジャー  
監督:ロジャー・ドナルドソン(「13デイズ」)  
脚本:マイケル・フィンチ(「プレデターズ」)、カール・ガイダシェク(「オブリビオン」) 
出演:ピアース・ブロスナン(「007/ダイ・アナザー・デイ」)、オルガ・キュリレンコ(「007/慰めの報酬」)、ルーク・ブレイシー(「G.I.ジョー バック2リベンジ」) 
© 2014 No Spies, LLC. All Rights Reserved
★作品紹介⇒ こちら
★公式サイト⇒ http://spylegend.jp/

2015年1月17日(土)~角川シネマ有楽町、 ユナイテッド・シネマ豊洲、布施ラインシネマ、ユナイテッドシネマ岸和田、シネプレックス枚方、ユナイテッドシネマ大津、ほか全国ロードショー

 


 

spaylejend-550.jpg『007/ダイ・アナザー・デイ』以来13年ぶりとなるピアース・ブロスナンが挑む、本格スパイ・アクション大作『スパイ・レジェンド』が2015年1月17日(土)より、全国ロードショーとなります。

伝説の元CIAエージェントが、ロシア大統領選をめぐる国際的陰謀に巻き込まれ、自ら育てた現役スパイと緊迫の攻防を繰り広げる本格スパイ・アクション大作です。

かつては"ノベンバー・マン " というコードネームを持ち、高度な訓練を受け活躍していた伝説のCIAエージェントのピーター・デヴェローを演じたピアース・ブロスナンのオフィシャルインタビューをご紹介いたします。

 
『スパイ・レジェンド』を製作に至る経緯や、13年ぶりにスパイアクションに挑戦した理由、スパイ映画についてや、自らの役柄について、また本作で「ダンテズ・ピーク」以来の再タッグを組んだ監督について、共演したオルガ・キュリレンコやルーク・ブレイシーについて語っています!本作にかける意気込みと自信と誇りがヒシヒシと伝わってくるようです。


Q:このプロジェクトは、どのように始まったのですか?
A:うん、根性と直感で始めたんだけれど、これは最高の考えだったね。役者というのは大抵の場合、本能的な直観で行動するものだが、ビル・グレンジャーの作品はデヴェローという人物が明確に特徴づけられていて、深みがあって堅実だとすぐに分かったよ。彼の小説を基にした脚本を書くため、優秀
脚本家を見つけなければいけなかったけど、マイケル・フィンチとカール・ガイダシェクのコンビが努力を注ぎ、身を粉にし、新しい要素も加えて聖書のようなマテリアルを作ってくれた。素晴らしい脚本を完成させてくれた二人のおかげで、この映画を製作することができたんだ。


spaylejend-2.jpgQ:久々にスパイ役を演じていかがでしたか?
A: これは僕にとってのリベンジでもあるんだ。正直な話、もっとジェームズ・ボンドを演じ続けたいと思っていたのに降板になってしまった。興行的にはすべて成功していたのにね。その悔いがずっと残っていたんだ。この映画化の話を聞いた時、原作やデヴェローというキャラクターの深みに興味を持った。そしてなにより素晴らしい脚本が出来上がった時、出演することを決心したんだ。ようやく別の形で満足できる、満足させられると思ったんだ。


Q:ロジャー監督との仕事はいかがでしたか?
A:以前『ダンテズ・ピーク』で一緒に仕事をしたとき、ロジャーと最高の時間を過ごした。彼は友人であり、尊敬する素晴らしい技術者でもある。編集室を愛していて、物語をよく理解していて、劇中のシーン一つ一つの中でドラマをどう維持すればいいかわかっている。彼がこの映画を選んでくれて、映画的なタペストリーの一部を形にしてくれた。彼に備わっている感情表現のための間の取り方は本当に揺るぎないんだ。それだけ深く踏み込んでストーリーを理解しているからだと思うよ。


Q:本作のようなスパイ・ジャンルについてどう思いますか?
A:人はみんな、このジャンルが大好きだと思う。ハートがあり、ヒューマンドラマのセンスがあり、最高のバイオレンスとストーリーテリング、カーチェイスがミックスされている。だから観客は、熱狂するんじゃないかな。もし良いストーリーを望んでいるとしたら、とても意味があるものを得ることができると思う。


Q:ピーター・デヴェローという役柄について教えてください。
A:彼は黒か白かといった迷いがなく、極めて破壊的な人間なんだ。デヴェローは長年、諜報活動に携わり、経験が豊富で知的であるが、訓練を受けた殺し屋でもある。筋金入りのプロフェッショナルであるがゆえに、ひどく苦しみ、トラウマを抱えているんだ。平静を装っていても、過去に自分が犯した数々の罪にずっととらわれているんだよ。

 
spaylejend-4.jpgQ:オルガ・キュリレンコと共演してみていかがでしたか?
A:恋に落ちてしまうのが簡単な女性だ。安らぎを感じられる女性だと思う。撮影では、とてもウマが合ったね。スクリーンに映る彼女の姿を見るのを楽しんだよ。生活の中にのぞかせるような愛おしい姿、弱い部分、官能性でカメラを釘づけにしていた。それに、彼女にはユーモアがある。自分の役を過剰にシリアスにとらえすぎることなく、けれども懸命に取り組んでくれた。家具にぶつかるシーンも喜んで演じてくれたよ(笑)。彼女のように日々の仕事をリスペクトできる人と仕事をすることで、私自身も役を演じ続けることができるんだよ。


Q:ルーク・ブレイシーはいかがでしたか?
A: 彼は恐れ知らずで勇敢。何でもすぐに吸収して演技に生かせる才能があるね。


Q:『スパイ・レジェンド』の魅力を教えてください。
A:われわれが生きるこの世界は、機密事項や国際舞台で権力を得ようと画策する政治家たちで固められている。だから地政学的情勢は変動が激しいんだ。『スパイ・レジェンド』は、まさに今の時代そのものを描いた作品だ。辛らつでリアルな作品であり、現代的なスパイ映画だと思うよ。

(プレスリリースより)

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『私の恋活ダイアリー』ニリ・タル監督来日インタビュー&プレゼント

(Sixty and the City 2010年 イスラエル 1時間10分)
監督・出演:ニリ・タル
公式サイト⇒ http://koikatsu-diary.com/

2014年12月20日(土)~ヒューマントラストシネマ有楽町、12月27日(土)~名古屋シネマスコーレ、1月24日(土)~シネ・リーブル梅田 にて公開


 
~恋人を求めて突撃デート!恐れを知らぬ60代の恋活~


現在70歳のニリ・タルは、2人の子供と8人の孫がいて、離婚歴1回、長年イスラエルのマスコミ界で活躍、現在恋人求めて世界中を飛び回る恋活中。家もお金もあり家族もいる。相手に求めるのは、人生の楽しみを分かち合えること。何の打算もない、純粋に愛し合える恋人を求めているだけなのだ。できれば年下がいいという。その積極的な恋活は時に涙ぐましい状況になる場合もあるが、友人と本音で語り合い、またいろんな男性とデートしては、お互いが求めるものの相違点に気付かされる。

koikatu-2.jpgニリ・タルは、細くて長い脚にブロンドの髪、今でも超ミニスカートが似合うモデルなみのスタイル。だが、如何せん60歳以上となると肌の老化は隠しようがない。後ろ姿は同世代のふくよかな女性に比べ若く見えるかもしれないが、男性もできればもっと若くて健康的な女性を求めるだろう。フラれてもメゲナイ。新たな出会いを求めて世界中へ飛んでいくバイタリティは、努力もせず待つだけの消極的な女性は見習いたいものだ。

日本では遺産目的に殺人まで犯してしまったというニュースが世間を騒がせているが、それに比べると、何とも健気なロマンス街道まっしぐらのニリさんではないか。何より、死ぬまで人生を楽しもうとする前向きさには、誰しもが勇気づけられるに違いない。

 (河田 真喜子)
 


 
★【おいしくって恋に効くクリスマスプレゼント】
「MAX BRENNER」から大人ビターなチョコレート ”ダークチカオ“ プレゼント。
日時:2014年12月23日(火・祝)~25日(木) ※各日先着限定
会場:ヒューマントラストシネマ有楽町

 
★【最強に“モテるわたし”になる手帳プレゼント】
神崎恵さん(ビューティーブラッシュアップコンサルタント)による手帳(株式会社永岡書店)プレゼント
日時:2014年12月31日(水)
会場:ヒューマントラストシネマ有楽町
※劇場窓口にて「カップルです」と宣言されたペア、先着5組様限定(1組に1冊)
親子・友人などペアであれば、男女に限らずプレゼント!


★【新年、元気が出る恋活トーク開催!!】
島田佳奈さん(「アラフォー独女の生きる道」著者)から“大人の女性の恋活”について、
とっておきのお話が聞けちゃいます!
日時:2015年1月3日(土)上映終了後
会場:ヒューマントラストシネマ有楽町


★【今年こそ恋活成就祈願、お年玉プレゼント】
“オアシス”のような履き心地。イスラエルの手づくり靴「NAOT」オリジナル缶バッチプレゼント。

  • 日時:2015年1月4日(日) ※先着限定
    会場:ヒューマントラストシネマ有楽町にて

     
  • 日時:2015年1月24日(土) ※先着限定
    会場:シネ・リーブル梅田にて

【ニリ・タル監督インタビュー】 koikatu-inta-1.jpg
Q:「このままずっとひとりではイヤだ、パートナーが欲しい」という思いには共感する人は多いと思いますが、日本人からすると自分自身の<恋活>を映画に撮るというのは思い切った行動だと思うのですが、ご自身では抵抗はなかったのですか?
A:実は、自分自身の恋活についての映画にしようとは思っていませんでした。イスラエルの<恋活>をテーマにドキュメンタリーをつくろうと思って始めたプロジェクトで、イスラエルの恋活サイトで、10人ほどのイスラエル美人を選び、彼女たちに会って、その中から、さらに3人を選んで撮影を始めました。
中でもドリートは私と一緒にメキシコクルーズに参加もしています。ですが、かなりタイヘンなことでした。それで、3,4日撮影した結果、自分を撮ろうと決めたわけです。


Q:この映画を撮ろうと思ったきっかけ、恋活しようと思ったきっかけを教えてください。
A:ある晩1人で寝ていた時に、ふと「このまま1人なのかしら・・・」と思い立って始めました。突然思い立って始めちゃうことって、誰にでもあるでしょう?


Q:この映画を撮影する中で、何が一番大変でしたか?
A:ドキュメンタリーで世間に自分の全てをさらけ出すということは、簡単なことではありませんでした。なぜなら、自分はもちろん、家族や孫も撮ることになるからです。友人たちの中には心配する者もいましたし、勇気が必要でした。でも、最終的には家族や友人もよかったと言ってくれています。


Q:見知らぬ男性と会う中で、怖い体験はなかったですか?
A:
カメラを自分で持って、1人で会いに行くことも多かったけど、メールや電話でも話していたし、撮影もOKをもらっているので怖くはなかったわ。ベベルの部屋で暗い階段を下りていくシーンは「怖くなかったの?」と聞かれることも多いけど、見ての通り私はタフな女性でしょ?だから、男性の方が怖がっていたかもしれないわね(笑)


Q:撮影を断られた男性は?
A:10人に断られました。アメリカでは3人の男性と会って素敵なデートをして撮影もしたけれど、編集でカットしているので映画には登場しません。そのような人たちもいます。


koikatu-inta-2.jpgQ:映画に出てくれた中で最も印象に残った男性は?今でもお付き合いはありますか?
A:
何と言ってもベベル。友だちになりました。ギルとも友人付き合いをしています。また、エイラットはイスラエルの観光地に暮しているので、時折、彼を訪ねては素敵なベッドで、私は寝ています。


:相手にとっては何が選ぶときのポイントだったと思いますか?
A:容貌ではないか、と思います。


Q:あなたの友人たちは完成した映画を見ましたか?また、見た人の感想は?
A:
映画に出てくれた友人も、出なかった友人も皆この映画を好きになりました。観客からあわれに見られるのでは、私が落ち込むのでは、と心配した人もいましたが、そんなことはありませんでした。ある晩、解決策に気づいたからです。ユーモア!自分自身を笑い飛ばすのだ、と。どの人も人前にさらされるのは、実は、好きなのでないでしょうか。


Q:英題” Sixty and the City”は面白い発想だと思うのですが、どうして付けたのですか?
A:
息子(法律家で実業家でもある)が、「これだ!」と言ったのです。“Sex and the Sixty”と” Sixty and the City”の2案出ましたが、後者しました。


Q:日本女性についての印象は?
A:
日本と日本人は大好きです。インテリジェンスがあり、礼儀正しい。でも日本女性は独立して、自由を謳歌しているようには見えません。
 

Q:恋活サイトでの出会いと、それ以外での出会いの違いはありましたか?
A:若い子たちはBARで隣合わせただけで恋が始まることもあるでしょう?でも、私たちの世代ではそういうチャンスは難しい。そういう意味で、インターネットを通じて出会うということは私たちの世代のためにあるようなものだと思うわ。
 

Q:この映画を製作して、自分自身に変化はありましたか?
A:特に変化はなかったわ。ただ、ひとつわかったのは、私と同じように出会いやパートナーを探している人がたくさんいて、“自分は1人じゃない”と気づいたことかしら。
 

Q:日本の皆様に、この映画をどのように見ていただきたいですか?
A:
「恋活しましょう!」という真面目な話しではなく、クスッと笑いながら気軽な気持ちで見ていただければ嬉しいです。
 

 


【2014.12.20(土)「私の恋活ダイアリー」初日舞台挨拶】

koikatu-b.jpg12月20日(土)映画「私の恋活ダイアリー」初日舞台挨拶が、ヒューマントラストシネマ有楽町にて行われました!
ニリ・タル監督からは、なんと現在の年齢は70歳!であることも明かされて、会場からは驚きの声が上がりました。
 

みなさんからの質問へは、「日本も、日本人も大好き!」
「何も恐れないで。誰もが愛を求めていています。生きることは素晴らしいことです。たのしみましょう!」などニリ監督らしい、前向きなメッセージで
終始アットホームな舞台挨拶でした。

 (プレスリリースより)

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~杉野希妃が鮮やかに映し出す、男女の性/生への欲求とその行く末~

 
深田晃司監督『歓待』、内田伸輝監督『おだやかな日常』と、プロデュース、主演作が世界で反響を呼び、来年公開の初監督作品『マンガ肉と僕』が第27回東京国際映画祭「アジアの未来」部門でワールドプレミア上映された、世界が注目する日本映画界のミューズ、杉野希妃。監督2作目で初劇場公開作品となる『欲動』と、主演作『禁忌』が12月20日(土)からシネ・ヌーヴォを皮切りに関西にて同時公開される。
 
今までは社会的な題材を内在させていた感のある杉野プロデュース作だが、この2作品はむしろ普遍的な男女の性や生を取り上げているのが特徴的だ。ヒロインを演じる三津谷葉子との出会いからプロジェクトが動き出したという『欲動』は、全編インドネシア・バリ島ロケの神秘的かつ情熱的な作品。ヒロイン、ユリの中に眠っていた性の欲動が駆け抜ける様を、三津谷が体当たりの濡れ場を交えながら、情熱的に演じ、煌めく女の姿をみせる。冒頭からバリ島の「ジャジャジャ」という歌や踊りで始まり、全編に渡って観光地とは違った地元の風情に触れることができるのも、大きな魅力だ。
 
一方、同時公開される『禁忌』は、監禁、レイプ、同性愛、少年愛とセクシャルマイノリティーの世界がモーツァルトの調べにのって、抑えたトーンで描かれる。どこか観るものに想像させる余地を与える描写は、衝撃的な設定ながら、厳粛で時には美しい儀式のようにも映る。本作が初の商業長編監督作となる和島香太郎の描く性的マイノリティーの世界は、ふと韓国のキム・ギドクを思わせるようなえぐみや深みがあった。杉野演じる、内心が読めない美人教師サラや、太賀が演じる監禁された少年、望人(モト)、そして佐野史郎が演じる望人を監禁したサラの父が繰り広げる奇妙な三角関係や、その行く末にも注目したい。
 『欲動』で監督、プロデューサー、出演を務め、『禁忌』でプロデューサー、主演を務めた杉野希妃に、両作品の企画段階の話や、撮影秘話、作品の狙いについてお話を伺った。
 

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『欲動』

―――とても土着感を感じる作品で、バリ島の神秘性や祭りの躍動感に溢れていました。インドネシアスタッフを多数起用し、全面バリ島ロケをされたのも国境を越えて活躍する杉野監督らしい作品ですね。この『欲動』の企画はどのようにスタートしたのですか?
杉野:6年前、ちょうど私がプロデュースのお仕事を始めた頃、まだ監督になれるかどうか分からないけれど、出来るのならこういう話を描いてみたいと、簡単なアイデアを書いていました。元々は、主人公の歌手がバリ島に行き、性的に解放され、殻を破って一歩外に踏み出すというストーリーでした。当時、私自身が表現の仕方に悩んでいたのでこのような話を考えたのですが、この6年間でやりたいことが変わり、もう少しドラマの部分を構築しないと映画として成立しないし、私自身もやりたくないと、一旦企画を寝かせていたのです。ただ、絶対にバリ島で撮影したいということだけは決めていました。インドネシアのガリン・ヌグロホ監督作品を観て、興味深い場所だと思っていましたし、民族音楽のガムランやケチャも間接的に知っており、バリは私自身が殻を打ち破れそうな何かがあると思いました。行ったことはなかったですが(笑)。
 

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―――バリで撮影したいという強い願望があったとのことですが、寝かせていた企画が再び動き出したのは、何がきっかけですか?
野:私の主演作、『おだやかな日常』を三津谷葉子さんが気に入ってくださっているという話を耳にし、直接お会いしたのです。三津谷さんは人間的に素晴らしいし、とても真面目な方で、直感的にこのバリの話を一緒にやれば絶対に面白くなる。そして、三津谷さんの今までにない姿を焼きつけられる作品になると思いました。
 
6年前は主人公を自分で演じたいと考えていたのですが、監督としてもまだキャリアが浅い上に合作映画ですから、単独主演の役を自分で演じるのは無理だと思っていました。でも三津谷さんなら一心同体になってやっていただけそうな気がしたので、この企画のことをお話してみると「面白そうですね」と快諾いただいて。結局撮影に入る1年ぐらい前から、三津谷さんと脚本家と私の3人で、どういうお話にしていけば、より三津谷さんの良さが活かせ、作品としても面白くなるのかを考えていきました。ある程度の段階で脚本を三津谷さんに見せ、意見をもらって、またこちらで書き直すという作業をしていきました。
 
―――三津谷さんは後半になるにつれ情熱的になり、自分を解放していく妻ユリを大胆かつ繊細に演じていました。実際に脚本でも意見を出したという三津谷さんですが、現場での様子や撮影が進む中での変化はありましたか?
野:三津谷さんはこの作品に対する気合が凄かったです。私も三津谷さんも気持ちは同じで、三津谷葉子という女優がイキイキとした作品にしたかったですし、海外でも通用する作品にしたいという思いがありました。一緒に企画開発しているときから気合を入れて臨んでくれましたので、現場でも並々ならぬ覚悟で臨んでくれたと思います。
 
三津谷さんは普段からすごく肝が据わった方です。太陽のように明るく、人に対しての気遣いも素晴らしいし、今回演じたユリのキャラクターはとは全く違います。現場では監督の私の方が助けられました。どんなハプニングが起こっても、「大丈夫です。やります」と言ってくれ、スタッフの誰よりも冷静だったのは三津谷さんと斎藤工さんだったのではないかというぐらい、一番落ち着いていました。三津谷さんや斎藤さんと組むことで、監督の私の方が勉強になりましたね。
 
―――ユリの夫、千紘を演じた斎藤工さんは、死に直面し、苦悩しながらも、最後はユリと情熱的に交わることで夫婦の絆を取り戻していく難しい役どころです。
野:普通は監督が役者をケアしなければいけないのですが、斎藤さんは短編映画の監督もされているので、「何か大変なことがあれば言ってくださいね」とよく声をかけてくださいました。三津谷さんも同じように声をかけてくださり、大変なシーンがたくさんあるにもかかわらず、監督の私の方が逆にケアをしていただいた感じです。
 
例えば、私が演じる千紘の妹・九美の出産シーンがあり、事前にカット割りを指示していたのですが、いざ出産のためいきむシーンを演じはじめると、途中で段取りが分からなくなり、頭の中が混乱したことがありました。そんな時も斎藤さんは、さり気なく「監督、ここから撮ればすごくキレイですよね」と言ってくださり、助かりました。気遣いがありながら、絶妙のタイミングでケアをしてくださるので、本当に素晴らしい方だと思います。役者としても、今回は怒りをぶつけたり、それに対して自己嫌悪に陥ったり、(死んで)妻と離れなければならないことに対して葛藤する、とても繊細な役でしたが、千紘の激しさや切なさを自然に演じてくださいました。
 
―――最後に、撮影中に様々な「奇跡」が起こったそうですが、印象的なエピソードはありますか?
野:本当にたくさんのハプニングがある現場でした。バリ島は神聖な場所ですし、こちらが予想もできないようなことが色々と起こる場所でした。例えば、元々予定していたユリと地元のジゴロ・ワヤンとのラブシーンも、最初は浜辺の近くで撮るつもりでしたが、神聖な場所だから駄目だと直前に言われ、別の場所を探したら満月の日だったので今度はセレモニーが始まってしまいました。皆準備して行っているのに、いつ終わるか分からないセレモニーを待機するのは大変なのですが、現地のスタッフは「明日撮れるよ」と呑気な声をかけてきます。でも日本人スタッフはきっちりしていて、撮影スケジュールがただでさえ押しているので駄目だと、意見が食い違ったりもしました。
 
結局は後日なんとか撮れ、そのときの月がとてもきれいで、小雨が降ったりやんだりしていたので幻想的な雰囲気の映像になりました。予定通りに撮っていれば、そんな雰囲気にはならなかったでしょう。このように、予定していた通りには撮れなかったけれど、結果的にいい映像になることがたくさんありました。京都や滋賀で撮影した『マンガ肉と僕』の場合は、ある程度こちらでコントロールして撮影できましたが、バリ島の撮影は、全くそういう手順ではできません。人間は自然に翻弄されながら生きていることを実感するような現場でした。私たちは、動物や植物や現地の人と共生しながら生きていることを、考えさせられました。
 

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『禁忌』

―――かなり過激な性的要素を盛り込みながらも、生々しく描写するのではなく、想像の余地を与えるような描き方がされています。また、徹底的に俯瞰した視点で描かれているので、ほどよい距離感を保ちながら作品と向き合えました。杉野さんは本作ではプロデューサー兼主演ですが、この作品の狙いや意図について教えてください。
野:私は和島香太郎さんの短編映画がすごく好きで、長編映画をまだ作っておられなかったことから、長編作品を初監督されるときは一緒に作りませんかと、こちらからお声かけしました。マイノリティーを描きたいと話し合い、和島さんが考えられたのがこの作品でした。ベースにある望人、サラ、サラの父親の親子で三角関係になるという構図が今までみたこともないものだったので、これは面白い作品になると思いました。マイノリティーの方々に寄り添うというよりは、今回俯瞰的に描いています。彼らの孤独や欲望を突き詰めた先に、どういうことが起こるのかという部分まで描いたら良いのではないかと考え、企画を進めていきました。
 
―――今回、杉野さんが演じたサラは共感を呼ぶキャラクターではありませんが、どこか目が離せない魅力がありました。複雑な内面や欲望を持つ女性を演じ、しかもほぼ全編に渡り登場シーンがあり、今までの女優キャリアの中でも一つ壁を超えるぐらいのチャレンジをされたのではないかと思うのですが。
野:今までは等身大に近い役が多かったと思います。また、私はまだ結婚や出産はしていませんが、母親役や妊婦役なども、日常生活に近い物語であり、私の中の何かを使って演じる感じでした。監督からも、役を自分に引き寄せることを求められていましたし、私もそのように演じるパターンが多かったです。今回のサラ役は、テーマ的に共感する部分はありますが、キャラクターも性格も全然違います。そのような役に対して、自分で作り込んで入っていかなければならなかったので、挑戦しがいがあり、ワクワクしながら演じる一方、難しさも感じました。
 
―――杉野さん同様にかなりの難役なのが、太賀さん演じる望人です。実年齢よりかなり下の年齢の少年や青年の顔を演じ分け、今回は杉野さん演じるサラとの激しい絡みもありました。今まで杉野さんは太賀さんとの共演や監督作にも起用されていますが、現場ではどのような感じでしたか。
野:太賀さんは今まで三作品でご一緒しているのですが、20代でこんなにすごい役者は他にいないのではないかというぐらい信頼している大好きな役者さんで、今後私が携わる作品には全て出演していただきたいぐらいです。ただ、今回は14歳の役ということで、オファーをしてから返事をいただくまでかなり時間がかかりました。太賀さんご自身が、本当に自分が望人役を演じていいのかと悩んでいたそうですが、私の中では、望人を演じられるのは太賀さんしかいないだろうと思っていました。
 
望人は両親に虐待され、親の愛に恵まれない辛い人生を送ってきたので、サラを盲信してしまいます。ひどい目に遭ってきたけれど、とても純粋な内面を持つ役です。太賀さんは20代ですが一つ一つの仕草をとても少年らしく演じてくれましたし、彼でなければできないような表現力を見せてくれました。ウルウルと目を潤ませた表情をされたときは、「こんな太賀さんは初めてみた!」と思いながら一緒に演技をしました。太賀さんの新しい一面が見えたのがうれしかったですね。
 
(江口由美)
 
<作品情報>
 
『欲動』
(2014年 日本 1時間37分)
監督:杉野希妃
出演:三津谷葉子、斎藤工、杉野希妃、コーネリオ・サニー
『禁忌』
(2014年 日本 1時間13分)
監督:和島香太郎
出演:杉野希妃、太賀、佐野史郎
2014年12月20日(土)~シネ・ヌーヴォ、2015年1月17日(土)~京都みなみ会館、元町映画館
 
 

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「アクションよりダンスシーンに緊張」アーミル・カーン、アクション大作『チェイス!』で初来日! 

登壇者:ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督、 アーミル・カーン(主演)

 
『チェイス!』
(2013年 インド 2時間31分)
監督:ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ
出演:アーミル・カーン、カトリーナ・カイフ、アビシェーク・バッチャン、ウダイ・チョープラー他
2014年12月5日(土)~TOHOシネマズスカラ座、角川シネマ新宿、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ神戸ハーバーランド、TOHOシネマズ二条他全国ロードショー
公式サイト⇒http://chase-movie.jp/
 

~インドの国宝級スター、アーミル・カーンのチャーミングな一面に会場メロメロ~

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第27回東京国際映画祭で特別招待作品として出品され、12月5日(土)から全国公開されるアクション超大作のインド映画『チェイス!』。インド映画史上最大という30億円の製作費もすごいが、何といっても注目したいのが『きっと、うまくいく』の大ヒットで日本でもファンが急増、そして本国インドでは国宝級の大スター、アミール・カーンの活躍ぶりだ。本作ではインド映画にお馴染みのアクションやダンスだけでなく、サーカスにまでチャレンジ。ダンスもタップダンスからシルク・ド・ソレイユを連想させるようなものまで、インド映画らしいダンスがさらに進化し、それだけでもエンターテイメントとして見ごたえ十分。もちろん、カーアクションを初めとしたアクションシーンは、シカゴでオールロケを敢行、ハリウッド映画顔負けのド迫力だ。

 
 

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劇場公開に先駆けた東京国際映画祭でのいち早い上映に、急きょ主演のアーミル・カーン(以下アーミル)が初来日し、舞台挨拶を行った。ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督(ヴィジャイ監督)と2人がにこやかに登場すると、来日を楽しみにしていた会場の観客からは割れんばかりの歓声と拍手が送られた。その大歓声に応えて「アイシテマス」と日本語で感謝を伝えたアーミル。監督と2人とも来日は初めてで、緊張して東京をトロントと間違えてしまったと笑わせるおちゃめな一面をみせた。「愛情を込めて作った作品なので、次はお客様から愛を与えてもらえれば」とヴィジャイ監督も初来日の喜びを表現した。

 
 
多くのオファーの中から『チェイス!』の出演を決めた理由を聞かれたアーミルは、アクションやサーカス、ロマンス、音楽と盛りだくさんでありながら、感情移入ができる点を挙げ、ヴィジャイ監督は役者として素晴らしいだけでなく人間性も素晴らしく、チームの和を大事にすることを褒め称えるだけでなく、難しい役でありながら役作りの大変さを周りに見せない点も挙げ、アーミルの演技に注目してほしいとアピール。
 

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ダンスやスタント、サーカスなど様々なチャレンジを強いられた撮影についての感想を聞かれたアーミルは「スタントは簡単ですが、ダンスは大変。リティック・ローシャンのように私はダンスが上手くないので、ダンスシーンが来ると緊張しました。スタントの中でもサーカスのスタントは何度もリハーサルを積み重ね、とても難しかったです。80~90%は実際に自分たちが高所で命綱なしで演じたので苦労しました」。また、シカゴでの全面ロケによるバイクスタントの撮影について聞かれたヴィジャイ監督は、「スタントは計画的に行うことが大切。スタントマンの安全性を確保することに最大の注意を払っています。いい役者であれば安全性を確保した上である程度のリスクを冒してもらうことも大切で、今回もアーミルにはかなり危険なこともしてもらいました。みなさん映画館を出てからこのスタントは試さないでくださいね」とかなり難易度が高いアクションに臨んだことを示唆。質問に答えている間に会場で赤ちゃんの泣き声が聞こえてくると、すかさずアーミルが「僕の答えが気に入らなかった?」と場を和ませるジョークを飛ばすなど、大スターでありながらチャーミングな一面を随所に垣間見せた。

 

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最後に日本のファンに向けて、

「アイシテマス。この映画を観て楽しんでいただきたいですし、他の多くのインド映画も観ていただければうれしいです。愛と敬意を込めて、この映画を皆さんに捧げます」(ヴィジャイ監督) 
「ある日本人に声をかけられ、なぜ僕のことを知っているのかと聞くと、『きっと、うまくいく』を観てあなたの大ファンになったと教えてくれました。その時はじめて、日本で『きっと、うまくいく』がヒットしたことを知り、皆さんに受け入れてもらえてうれしかったのです。温かく迎えていただき、ありがとうございます。『きっと、うまくいく』のラージクマール・ヒラーニ監督とまた新しい映画を撮りましたので、そちらも楽しみにしていただければうれしいです」とメッセージを寄せ、最後まで投げキッスで観客の声援に応えてくれたアーミル。東京国際映画祭ならではの豪華ゲストの登壇に、最後の最後まで会場から熱い拍手と歓声が送られた。
 
(江口由美)
 
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