レポートインタビュー、記者会見、舞台挨拶、キャンペーンのレポートをお届けします。

2016年5月アーカイブ

shokubutuzukan-bu-550.jpg“シーツ”に胸キュン!? 岩田剛典&高畑充希『植物図鑑 運命の恋,ひろいました』舞台挨拶

ゲスト:岩田剛典(EXILE、三代目J Soul Brothers)、高畑充希) 
(2016年5月21日(土)なんばパークスシネマにて)


『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』
■2016年 日本 1時間52分

shokubutuzukan-550.jpg■原作:有川浩(「植物図鑑」幻冬舎文庫)
■監督:三木康一郎  脚本:渡辺千穂 
■出演:岩田剛典(EXILE、三代目J Soul Brothers)、高畑充希、阿部丈二、今井華、谷澤恵理香、相島一之、酒井敏也、木下隆行、ダンカン、大和田伸也、宮崎美子
■公開:2016年6月4日(土)~大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹 ほか全国ロードショー
作品紹介⇒こちら

公式サイト: http://shokubutsu.jp/
■コピーライト:(C)2016「植物図鑑」製作委員会



~初主演・初共演のフレッシュカップルが醸し出す、至福のグリーン・タイム~

 

「僕を拾って下さい」「6か月だけ置いて下さい」と謎の多い樹(いつき)との期間限定の同居は、さやかの渇いた日常に新鮮な風を吹き込む。樹が教える多様な植物への関心の高まりは、さやかの恋心を成長させていく。童話のようなシンデレラ・ストーリーだが、そこには「純粋な気持ちだけが本物の関係性を創り出す」という愛を生み出す秘訣を優しく教えてくれる。樹が作る野草を使った数々の料理を美味しそうに食べるさやかの素直な心根もまた、樹の秘めた志を後押しする。そんな二人を見ているだけで、リフレッシュするようだ。
 



shokubutuzukan-bu-500-2.jpg6月4日公開の『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』の先行上映会がなんばパークスで開催され、上映後に樹(いつき)を演じたEXILE、〈三代目J Soul Brothers〉の岩田剛典と、さやかを演じたNHK朝の連続ドラマ『とと姉ちゃん』主演で大活躍の高畑充希が登壇。映画を観た直後とあって、まさにスクリーンから主役の二人が飛び出してきたような興奮と熱気に包まれた。


shokubutuzukan-bu-iwata-240-1.jpg最初に、岩田が「今日は短い時間ですけれども、よろしくお願いいたします。」と挨拶し、岩田の一挙手一投足に黄色い歓声が上がった。それに対し、高畑は「すみません!今日はよろしくお願いいたします。」と、恐縮気味に挨拶した。また、大阪出身の高畑の「なんばパークスにはよく来てました」に対し、「お帰り!」という歓声が客席から上がった。岩田は大阪の印象について、「友人が大阪にいるのでよく来ています。大阪のお客さんの熱気は日本一ですね。圧が凄いし熱いですね」。


――― 初主演、初共演のお二人ですが、お互いの第一印象は?
岩田:高畑さんはテレビでよく拝見してましたので、「テレビによく出てる人!」という印象。テレビのイメージと同じ、明るくて楽天的でポジティブシンキングな人。最初は緊張していたのですがすぐに馴染めて、仲良く撮影させて頂きました。

shokubutuzukan-bu-takahata-240-2.jpg高畑:私も「テレビで踊ってる人だ。本物?」と。テレビでバリバリに踊っている姿しか見てなかったので最初は身構えていたんですが、マイペースだし、天然だし…私もマイペースなので、スケジュールはタイトだったのですが、撮影はとてものんびりと進められましたね。

――― 撮影の合間にはどう過ごされていたのですか?
岩田:ずっと二人で喋ってましたね。この作品を観て頂ければお分かりだと思いますが、殆ど二人しか登場しないし、喋る相手が二人しかいない状態でした。他愛ない話をずっとしてました。

高畑:喋り倒して、喋ることもなくなってまた喋るという繰り返しでした。ロケ先では、笹船作ったり、シャボン玉で戦ったりして遊んでました。

岩田:自然と戯れてましたね。

shokubutuzukan-bu-iwata-240-4.jpg――― キュンキュンくるシーンは?
岩田:逆に皆さんにお聞きします。一番キュンキュンしたシーンは?

観客: 「ひきがねのシーン!」「シーツのシーン!」などなど。

岩田:やっぱり「シーツ」か…納得です。

高畑:やっぱシーツですね。このシーンを撮った時は撮影も後半に入っていて、みんなあまり眠れてなくてナチュラルハイの状態でした。ですから、「恥ずかしい」という思いはあまりなかったです。でも、半年後に試写を二人並んで観たら、「どうしよう、このシーン」て急に心配になってきました。

岩田: 「これはオレじゃない」と思うようにしました。

高畑:かなり照れくさいので、私も「これは私じゃない」と思うようにしました。

shokubutuzukan-bu-iwata-240-3.jpg――― 役作りは?
岩田:この役は、監督やプロデューサーの方たちと相談していろいろ決めていったのですが、最終的には「岩田君のままでいいよ」と仰って下さいまして、ほぼ僕のまんまで演じました。ただ、料理をするシーンは、普段あそこまで料理しないので猛特訓しましたね。フライパンや中華鍋に刻んだ発泡スチロール入れてフライ返しの練習してました。

――― 地道に努力されてたんですね?
岩田:撮影は去年の6~7月に行われ、当時はよく自炊してましたが、1年近く経って、元の僕に戻ってしまいました。

――― 食べるシーンも、とても美味しそうに食べておられましたが?
岩田:冒頭のお腹空かせて最初にカップラーメン食べるシーンでは、30分で5杯くらい食べましたよ!1日の塩分量を軽く超えてましたね。監督に「もっといって、もっといって」と言われ、麺が大きく映ってましたね。

shokubutuzukan-bu-takahata-240-1.jpg高畑:岩田君の最初のカップ麺を食べる演技に感化されて、自分も本気で食べなきゃと、夜中の撮影でもガッツリ食べてました。それにお料理が美味しかったんです。

――― 特に美味しかったのは?
高畑: 「蕗ご飯」をお釜からしゃもじで直接食べるというのが、特に美味しかったです。

岩田:僕は「のびるのパスタ」です。

――― 関西でデートに行くならどこへ行きたいですか?
高畑:中崎町ですね。ちょっとレトロな雰囲気の中を手をつないで歩きたいです。

岩田:僕はUSJですかね。今年も友達と行ったんですが、男3人でミニオンズの恰好して、ミニオンズのポップコーン食べながら歩きました。ですから、ミニオンズの恰好してデートしたいですね。

 

ここでサプライズ! なんと観客にも撮影OKが出され、1分間の撮影タイムが設けられた。SNSなどでPR拡散を呼びかけられた。

 

最後に岩田から、「皆さん楽しんでくれましたか?」と問いかけられると、「イエーイ!」と大歓声。続けて、「初めての主演ということで人生のターニングポイントになる作品ができたと思っています。いろんな感想があると思いますが、先程撮って頂いた写真と共に一人でも多くの方に薦めて頂きたいです。今日は本当にありがとうございました。」と、舞台挨拶を締めくくった。


(河田 真喜子)

danchi-kai-550.jpg「阪本」と「藤山」で“SF映画”です!?『団地』爆笑記者会見

ゲスト:阪本順治監督、藤山直美(2016年5月19日(木) ホテル日航大阪にて)



『団地』
■(2016年 日本 1時間43分)
■脚本・監督:阪本順治
danchi-550.jpg■出演:藤山直美、岸部一徳、大楠道代、石橋蓮司、斎藤工 ほか
■公開情報:2016年6月4日(土)~有楽町スバル座、シネ・リーブル梅田、TOHOシネマズなんば、京都シネマ、シネ・リーブル神戸 他全国ロードショー
■作品紹介⇒ こちら
■公式サイト⇒ http://danchi-movie.com/
■コピーライト: (C)2016「団地」製作委員会

ベストワンに輝いた傑作『顔』以来、16年ぶりに阪本順治監督と日本を代表する舞台女優・藤山直美がタッグを組んだ下町喜劇。直美のために阪本監督が書き下ろした絶妙の会話劇。さまざまな人間模様が織り成す団地で、平凡な夫婦が“普通じゃない”日常を描く。共演は岸部一徳、大楠道代、石橋蓮司、斎藤工ほか。
 



公開(6月4日)を前に阪本順治監督と藤山直美が大阪・市内でPR会見を行い、映画顔負けの面白話を披露した。
 

――― まずお二人からご挨拶。
danchi-kai-240-s-1.jpg阪本順治監督:表現は悪いですが、長年たまりたまったものを排泄してスッキリした気分です。16年ぶりですが、16年経ったから出来たと思う。『顔』の直後では出来なかった。『顔』は直美さんとは最初で最後のつもりだった。年月が経ってもう一度出来るようになった。

藤山直美: 『顔』の時は40歳でした。17年経ってあと3年で還暦を迎える。人生後半になり、阪本監督にまた撮って頂くことが出来た。月日の流れは大事やなあと思います。

阪本監督: 『顔』の後、(直美の)舞台見たり、楽屋に行ったり、食事に行くなど普通にお付き合いさせてもらいましたが、もう一度映画を撮ることは予定してなかった。去年、スケジュールが空いている、と聞いて急いで脚本書きました。

藤山: (映画の予定は)まったくなかった。監督はお芝居を見に来てくれたけど、声かけてもらえなかったら、ズーっと映画に出ないままだった。

――― SFを撮りたかったということだが?
阪本監督:阪本と藤山でSFですよ。SMではありません(笑)。まあ、子供のころから、空想や妄想で宇宙のこと考えたり、そこに人の死も入ってくる。実家が仏具屋で人の死と向き合うことが自分なりの宿題と思っていて、答えを出してみたかった。人は死んだらどこへ行くのか、宇宙空間に行く。人の死の疑念をどこまでシリアスにやるのか?あるいはユーモラスに描くのか? 直美さんが主演だからやれた。藤山直美の「団地」だからやれたと思う。

danchi-kai-240-f-2.jpg藤山:仕事断るのに、「日程的に無理」というのと「作品が合わん」というのがあるけど、阪本監督やから“あんなんイヤヤからよすわ”とは言えん。頭おかしいのがマックスに来たんかなとおもた(笑)。監督に任さな仕方ないなあ、と…。

――― 厳しい反応だが…?
阪本監督:いやいや、これでもすごく手加減してくれている(笑)。『顔』は直美さんに“何これ?”と言われたくて書いた。今度は直美さんを出来るだけ遠くへ連れて行きたいと思った。キテレツな部分をどこまで見せるか。どこで寸止めにするかが大事でした。撮った直後は分からない。あとは映画館のお客さんにお任せします。久々のオリジナル(脚本)でハダカになれたんで(公開を)楽しみにしています。

藤山:先ほど、ラジオにも行って来ましたけど、宣伝は苦手です。撮影が無事済んでよかった、と思ってます。あとはお客さんがジャッジしてくれるでしょう。野田阪神あたりのおばちゃんが見て、どうか、チケット買うて来てもらってどうかです。その辺は舞台と変わりませんね。

――― やはり舞台と映画は違い、苦労が多かった?
藤山:舞台は午前11時から午後8時過ぎまでやけど、映画は終わって帰って2時間ぐらい寝て“次の日”というのが普通らしいですね。今回の撮影は真夏だったので、45度ぐらいになったことがありました。

阪本監督:暑い日がありました。監督や俳優さんは日陰に入ることも出来るけど、スタッフには水分補給のタイミングがなく、『闇の子どもたち』のタイでの撮影ではスタッフが倒れたこともありました。直美さんはスタッフをとても気遣っていました。

danchi-kai-240-s-2.jpg――― 直美さんの他は“阪本組”の常連さんですが、ひとり若手の斎藤工さんはいかがでした?
阪本監督:直美さんに台本渡した時、「この“サイトウ・エ”って誰?」 と聞かれました(笑)。でも斎藤君は同年の俳優に比べて気配りも出来、ひとりの人間としてやっていける人。演技力よりも考え方が出来る人。過去の先達俳優をリスペクトしている。直美さんにも可愛がられていた。

藤山:最初は印刷ミスかと思った(笑)。詳しく注目してなかったので知らなかった。いろいろナンバーワンになった人でしょう。“あんた凄いねえ”と言いました。映画が好きなので私は感心しました。

阪本監督:藤山さんが決まった時に常連の3人(岸部、大楠、石橋)を想定して脚本書いた。『大鹿村騒動記』みたいな熱を帯びた現場。こうあってほしいという思い通りの現場になった。岸部さんは「明日、脚本届くから」と電話したら「俺明日からパリ行くわ」だし、石橋さんは「阪本が何か企んでる」と知ってて、ちゃんと来てくれた。ただ石橋さんは入る前に「最後は逃げにならないよう気をつけろよ」と言ってくれて、それが生きましたね。

danchi-kai-240-f-1.jpg藤山:岸部さんには私が19歳の時から恋愛相談とかいろいろ相談に乗ってもらってますし、大楠さんとは子供時代、7つか8つの時に大映で勝さんの『座頭市』で共演しています。「その時は安田道代さんでしたが、それ以来です」とあいさつしました。最後に、石橋蓮司さんと一緒にやりたいと希望しました。

――― 監督が最初に言った、たまったものとは何か?
阪本監督:最近は日本映画が元気だと言うが、ちょっといびつになっているように思う。私の『どついたるねん』も『顔』もインディーズで、みんな自分でお金集めて作ったり、(作るのを)断念したりしている。今、すそ野は広がっているかも知れないが、こういう状況が続くと「もうこんな業界に自分はいなくていいか」というところまで来ている。万人に愛されなくてもいいが、一石投じることが出来るとすれば、こんなおっさんが奇妙奇天烈なことやった、とアピールすることかな。この後は居酒屋で言います(笑)。

藤山:おばちゃんに“見に来いや”とはよう言いませんが、長いことやってきて、かなり世間が五体で分かってくる。この映画は大人がまじめに作ってるんで、おっちゃんおばちゃんが喜んで来てくれるか、パンフレット投げつけるか、ですね。

――― 大阪で初日を迎える感想は?
阪本監督:怖いですよ。大阪は娯楽に対して厳しいところですからね。『顔』の時は、「梅田で立ち見出てる」と聞いて見に行ったら、受付で何かもめてるんですよ。聞いたら、「立ち見やったら300円まけて!」とお客さんがクレームをつけてる。黙って帰りましたよ(笑)。

藤山:お客さんが怖いから役者は育つんですよ。舞台で初日なんかは団体の招待客がいっぱいいます。その人たちは最初は座席にもたれて座ってはる。だけど、最後には身を乗り出させる。そうしないとアカンのや、とうちの父親(藤山寛美さん)が言ってました。大阪のお客さんは一番親切です。
 


 


danchi-kai-240-s-3.jpg◆阪本順治監督
1958年、大阪府生まれ。井筒和幸、川島透ら各監督の現場にスタッフとして参加。89年、赤井英和主演『どついたるねん』で監督デビュー。日本映画監督協会新人賞、ブルーリボン賞最優秀作品賞など多数受賞。以後『王手』『ビリケン』の“新世界三部作”で名を上げる。藤山直美を主演に迎えた『顔』(00年)は日本アカデミー賞最優秀監督賞など賞を総なめした。ほかに『KT』(02年)『魂萌え』(07年)『闇の子供たち』(08年)『座頭市THELAST』(10年)『大鹿村騒動記』(11年)『北のカナリアたち』(12年)など。

 

 



danchi-kai-240-f-3.jpg◆藤山直美
1958年京都府生まれ。初舞台は64年、坂本九主演「見上げてごらん夜の星を」。以後、舞台、テレビに多数出演。00年、初主演した阪本順治監督作品『顔』でキネマ旬報主演女優賞など多数受賞。

 



(安永 五郎)

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企画が始まったときから、キム・コッピさんしかいないと決めていた
『つむぐもの』犬童一利監督、主演キム・コッピさんインタビュー
 

~昔堅気の職人が死の間際につむいだのは、人を信じる心~

 
名脇役として日本映画界で独特の個性を放ち続ける石倉三郎が、初主演映画『つむぐもの』(5月21日(土)より第七藝術劇場で公開)で福井県越前の昔気質な和紙職人を演じている。監督は、ゲイの大学生の葛藤を描いた『カミングアウト』で長編デビューした犬童一利。石倉演じる独り身の剛生の人生に大きな変化をもたらす相手役には、ヤン・イクチェン監督作『息もできない』の主演以来、日本のインディーズ映画での出演も相次いでいる実力派女優キム・コッピ。和紙作りの手伝いのつもりで来日したヨナが、脳腫瘍で半身マヒになった剛生の住み込みお手伝いとなったことから、二人の重なるはずのなかった運命が交差していく。
 
 
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最初は頑固で偏見に満ちていた剛生に、片言の日本語を交えながら全力で思いを伝えていくヨナ。熱い火花がぶつかり合うような二人を見守る介護福祉士役の内田慈や吉岡理帆、和紙職人見習い役の森永悠希など、見どころのある役者が脇を固めている。韓国の扶余(ぷよ)郡や越前和紙作りの現場でもロケを敢行、その魅力を映像と音で繊細に伝えているところにも注目したい。
 
劇場公開に先駆けて行われた第11回アジアン映画祭のワールドプレミア上映で来日したヨナ役のキム・コッピさんと犬童一利監督に、本作の構想やキャスティングの経緯、本作に携わって得たことなど、お話を伺った。
 

―――企画自体がユニークかつ、現在の介護問題も取り入れ、前作とは違った意味での「境界を越える」作品だと思いますが、企画の経緯を教えてください。 
犬童監督:福井県の越前、丹南地域と韓国の扶余(ぷよ)郡が元々友好関係にあり、映画制作を行いたいとプロデューサー側にオファーが来ました。ですから、越前と韓国の扶余を舞台にして映画を撮ることが前提としてありました。企画を提出する前に、実家でフランス映画の『愛・アムール』を観た時に、両親の姿も目にしながら介護をテーマに取り組んでみようと思ったのです。介護に関してその時は全く無知だったのですが、プロデューサーも介護の映画をずっとやりたいと思っていたと意見が一致し、そこから準備が急ピッチで進んでいきました。私は祖父母と暮らしたこともなかったので、取材しながら、脚本家と脚本を書き、撮影した形です。 
 
 
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―――キム・コッピさんキャスティングの理由は? 
犬童監督:まずは『息もできない』ですね。その後、キム・コッピさんの日本映画の出演作も見ていましたが、圧倒的に『息もできない』の印象が強かったです。今回、韓国の20代のキャストでかつ日本語ができることも重要だったので、プロデューサーと僕でこの企画が始まったときにキム・コッピさんしかいないと決めていました。 
 
―――キム・コッピさんは、ロケ地の福井県越前を訪れたとき、どんな印象を持たれましたか? 
キム・コッピ(以下キム):日本の歴史がある一方、美しく平和な風景を見ることができて良かったです。 
 
―――伝統工芸の和紙づくりを大きく取り上げ、冒頭も武雄が和紙をすく様子をリアルな音で再現しているのが、非常に印象的でした。 
犬童監督:音にはすごくこだわったので、そう言っていただけてうれしいです。音響効果部の方が東京で生音を撮るために、和紙を福井から持ってきて、三日間かけて音撮りしました。現場で撮った音と綿密に調整する作業をずっとやっていました。 
 
物語の大きなテーマとして、介護、日韓関係、伝統工芸の3つがあるのですが、武雄とヨナの物語なので、キャラクターがとても重要だと思っていました。ヨナは勝ち気で、自分にモヤモヤしながら過ごしている女性。それとは逆に武雄は頑固一徹で、背中で語るような職人をイメージしていました。ですから、伝統工芸の和紙の取材もしましたし、石倉さんに福井に行っていただき、紙すきの稽古もしていただきました。
 
 
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―――頑固一徹という雰囲気と言う点で、ベテラン俳優石倉さんを武雄役に起用した理由も、よく分かります。 
犬童監督:背中で語る職人役は、演じる方の人生がそのまま表れると思っていたので、硬派で孤高さを感じる方にオファーしたかったのです。プロデューサーが石倉さんとご縁があったこともあり、非常に近い距離でオファーさせていただくことができ、快諾していただきました。脚本も気に入っていただけたようです。 
 
―――石倉さんは年が随分上でかつ、寡黙な役柄ですが、共演した感想は? 
キム:石倉さんはイメージ的に怖い人と聞いていました。実際にお会いしたときも、怖くて、本当にヤクザのような印象でしたが、一緒に仕事をすると全然違うことが分かりました。石倉さんは気難しい役柄ですが、作品の中で変化をされ、多様な面を見せてくれました。今回ご一緒させていただいて良かったです。撮影では、当初の印象とは全く違う優しさで接してくださり、冗談もおっしゃっていました。 
 
 
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―――最初から決めていたというキムさんが本作に出演されたことで、現場や作品に与えた影響は?
犬童監督:キムさんのお芝居は『つむぐもの』の中で圧倒的な存在感を放っていました。キムさんは僕と同い年ですし、現場のチームはすごく若くて、石倉さん一人が年齢的には突出していましたが、若いメンバーに混じることで逆に日頃ないような経験をしていただいたと思います。キムさんと人間的にも波長があったようで、待ち時間や食事の時なども俳優部の雰囲気がよく、現場でコミュニケーションをよく取っていました。それが映画にも良い影響を与えていると思います。 
 
また、韓国語と日本語では言葉が違うので、脚本レベルでよく話し合いました。衣装や美術もしかりですし、日本語レベルについても、「この段階の日本語レベルならこちらの方が、韓国人の口からでやすい」と、密に話し合いました。感情面でも、ヨナは日本にやってきてから一年でシビアに変わっていくので、信頼関係を作りながらできたと思います。 
 

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―――キムさんは今までも日本の映画に多数出演してこられましたが、『つむぐもの』に出演し、新たにチャレンジしたことや、印象に残ったことは? 
キム:撮影前の脚本段階から私も随分参加をさせてもらいました。日本の方が書いて、翻訳されたものを読んだのでぎこちない部分は直しましたし、現場に入ってからも、韓国人だったらという視点で一緒に考えることができました。全体的に愛情を注いだ作品になりました。 
 
―――キムさんは韓国だけではなく、日本やシンガポール(エリック・クー監督作『部屋の中で』)など国を越えて活動されておられますが、自分自身にどういう影響を与えていると思いますか? 
キム:私が海外で仕事をすることについてどんな影響があるかをあまり深く考えたことがないですね。ただ私だけでなく、海外で色々な経験を積まれた方はとても視野が広くなると思います。色々なことが多様化するとか、可能性が広がるととらえることもできますね。国内だけで仕事をしていたとき、可能性についてあまり大きく考えることができませんでしたが、私自身が海外で働くことにより、自分の限界を考えることなく、自然にそこに自分の身を置いて仕事をしていくことが可能だと私自身は思っています。
(江口由美)
 

<作品情報>
『つむぐもの』
(2016年 日本 1時間49分)
監督:犬童一利
出演:石倉三郎、キム・コッピ、吉岡里帆、森永悠希、宇野祥平、内田慈他
2016年5月21日(土)~第七藝術劇場、6月25日(土)~元町映画館、今夏京都みなみ会館他順次公開
公式サイト⇒http://www.tsumugumono.com/
(C) 2016 「つむぐもの」製作委員会
 

okami-bu-550.jpg新たなキャラに挑戦!二階堂ふみ×山﨑賢人『オオカミ少女と黒王子』舞台挨拶

ゲスト:二階堂ふみ(21)、山﨑賢人(21)
(2016年5月14日(土)梅田ブルク7にて)



okami-550.jpg教室で孤立したくないばかりに見栄はって「彼氏いる!」とウソの宣言をしてしまった“オオカミ少女”と、理想の彼を演じる代わりに「オレの犬になれ!」と絶対服従を強いるドSな“黒王子”。ウソから始まった二人の関係だったが、オオカミ少女の真心に黒王子の心が揺らぎ始め…?

累計540万部突破の人気少女マンガ(原作:八田鮎子)を実写映画化した『オオカミ少女と黒王子』。若き演技派女優の筆頭格である二階堂ふみと、優しさを内包したクールさが魅力の山﨑賢人が6年ぶりに共演。余韻の残る長回しシーンや心情の変化を丁寧に捉えた描写など、廣木隆一監督のベテランらしい演出力で二人の新たな魅力を引出し、他の学園ラブストーリーと一線を画している。


5月28日の公開を前に〈梅田ブルク7〉で試写会が開催され、175組の募集に対し17,651通の応募があったそうだ。実に100分の1の高倍率の中、350人のラッキーなファンが集まった。その舞台挨拶に主演の二階堂ふみと山﨑賢人が登壇するということで、若い女性で超満員の劇場は始まる前から異様な興奮状態だった。二人が登場した途端、割れんばかりの大歓声!!!…ほとんどが山﨑賢人ファンのようだったが、これから映画を観て、一人の女の子だけを大切に思うその誠実さに、増々魅了されることだろう。
 



okami-bu-ni-1.jpg――― 最初のご挨拶。
二階堂:凄いですね~激しい! 健人君のファンに私も温かく迎えて頂いて嬉しいです。今日は短い時間ですが楽しんでいって下さい。

山﨑:今日はお集まり下さいましてありがとうございます。一足先に映画を観られる訳ですが、この大きなスクリーンで観るべき映画だと思いますので、今日は楽しん観て下さい。

――― 今回は等身大の女子高生の役ですが、最初にオファーがあった時の感想は?
二階堂:ひとつのカルチャーになりつつある少女マンガ原作の映画に出演できる、それが先ず嬉しかったです。久しぶりに山﨑君にも会えるということで、それも嬉しかったですね。

山﨑:6年ぶりの共演です。僕のデビュー作となったTVドラマ(「熱海の捜査官」(2010))で共演して以来です。

二階堂:そうなんです。念願の廣木組ということもあり、自分の中ではすごく挑戦的な、これまでと全然違うアプローチのできるキャラクターであり、ストーリーかなと思いました。今や女子高生の憧れの山﨑君との共演ですから、現場で沢山の事を学べるかなと思っていたら、本当にいろんな事を学ぶことができました。

okami-bu-ya-3.jpg――― 山﨑さんの恭也という役はムチャなことを言うドSでしたが?
山﨑:少女漫画の作品を何作品かやらせて頂きましたが、今回の恭也の役は今までやったことのない役なので、新しい顔を見て頂けるのではないかなと思いました。また、廣木監督の現場でやれることもとても楽しみにしておりました。

――― お二人は6年ぶりの共演ですが、以前と違うなと思った点は?
二階堂:山﨑君はずっと変わらない、そこが素敵だなと思います。恭也という役柄と本人とは全く違うのに、役に真摯に向き合い頑張っていたので、とてもカッコイイ恭也になっていたと思います。

山﨑:ふみちゃんも変わらないように感じますが、同じ歳なのに尊敬できますし、カッコイイですよ。

二階堂:あっざす!(笑)
 

okami-bu-ya-1.jpg――― 山﨑さんは髪の毛を染めてましたが、意気込みみたいなものは?
山﨑:原作の恭也が金髪だったので、ビジュアルは完全に寄せたいなと思って金髪にしました。初めてのブリーチでしたので、ハゲるかと思いました(笑)メッチャ痛いんですよ、頭皮が。でも無事に金髪になって恭也を演じられて良かったです。

――― 二階堂さんは今回の制服姿は珍しい?
二階堂:10代の頃はほとんど制服を着る役がなくて、恋する女子高生の役がとても嬉しかったです。高校生の時は血を流すような役が多かったので、こういう作品に携わらせて頂いて、また違うものが見えてきたなって感じました。

 
 

okami-bu-ni-3.jpg――― エリカの服はご自身で選ばれたそうですね?
二階堂:はい、自分でスタイリングしました。普段から服を見て回ったり、自分で服を作ったりもします。

――― 廣木監督はお二人をよく走らせてましたね?
二階堂:前半私もよく走りましたが、終盤の山﨑君が走るシーンは、「男もホレる!」と言われるくらいカッコよく走ってましたよ。

 
 

――― あの終盤のシーンはかなりきつかったのでは?
okami-bu-ya-4.jpg山﨑:はい、かなりきつかったです。橋の上を400mぐらいずっとダッシュし続けるシーンでした。監督に本番まで走らないでほしいと言われ、代わりに助監督が走って息切らせてる姿を見て、相当きつそうだなと。本番では一発勝負で決めようと、最初から全速力で走ったら、最後の100mくらいはもう苦しくて苦しくて顔もぐちゃぐちゃになっていたと思います(笑)。でも、引きで撮ってもらっていたので、それなりにエリカを想う恭也の姿になっていたようです。

――― 神戸のロケは?南京街は如何でしたか?
山﨑:1週間くらい滞在してロケしました。神戸の南京街はとても雰囲気が良くて、映画の終盤を飾るのに盛り上げてくれたと思います。神戸に住んでおられる方は勿論、神戸の街自体も楽しんで頂けたら嬉しいです。

 

okami-bu-ni-2.jpg――― これからロケ地巡りができそうですね。二階堂さんは神戸は初めてでしたか?
二階堂:初めての神戸でしたが、古いものと新しいものが調和した素敵な街だなと思いました。

――― 最後のご挨拶。
二階堂:今日は本当にありがとうございました。皆さんの明るい笑顔を拝見できたので、明日のプロモーションも頑張れそうです。映画を楽しん下さい。

山﨑:沢山の方に来て頂いて本当にありがとございました。『オオカミ少女と黒王子』を楽しんで頂ければ嬉しいです。よろしくお願いいたします。

 
 



okami-bu-ya-2.jpg二階堂ふみ演じる女子高生・エリカを犬のように扱うドSな男子高生・恭也を演じた山﨑賢人は、役柄とは対照的に穏やかで柔和な感じがした。TVドラマの『まれ』や映画『ヒロイン失格』、『orange』などとヒット作に恵まれ、この日集まったファンの熱い視線を一身に浴びて今後の飛躍が期待されるところ。一方、二階堂ふみはすでにベテランの域にあり終始落ち着いた感じ。そんな二階堂ふみが「恋する女子高生!?」と聞いて意外だったが、自分の虚栄心から苦労する様や、相手の本当の姿を見出し大切に思う素直な感情など、可愛いだけでは表現できない心の深い部分を説得力ある演技で生きていた。さすがだ!

(河田 真喜子)


『オオカミ少女と黒王子』

■(OOKAMI SHOJO TO KURO-OJI 2016年 日本 1時間56分)
■出演:二階堂ふみ 山﨑賢人/鈴木伸之 門脇麦 横浜流星 池田エライザ 玉城ティナ 吉沢亮/菜々緒
■原作:八田鮎子「オオカミ少女と黒王子」(集英社「別冊マーガレット」連載)
■監督:廣木隆一  脚本:まなべゆきこ
■主題歌:back number「僕の名前を」(ユニバーサル シグマ)
■公開日:5月28日(土)新宿ピカデリー、梅田ブルク7、大阪ステーションシティシネマ、他全国ロードショー
■公式サイト:www.ookamishojo-movie.jp
■公式ツイッター:@ookamishojo_m
  公式ハッシュタグ:#オオカミ少女と黒王子

■コピーライト:(C)八田鮎子/集英社 (C)2016 映画「オオカミ少女と黒王子」製作委員会


【STORY】
okami-500-1.jpg高校に入学した篠原エリカは、女子仲間内で孤立したくないばかりに恋愛経験ゼロなのに「彼氏いる!」とウソの宣言をしてしまった“オオカミ少女”。友達の疑いを晴らそうと街で見かけたイケメンを盗撮し、自分の彼氏として見せたのが運の尽き。実はそのイケメンは同じ学校の同級生で佐田恭也という超人気の“王子”だったのだ。仕方なく恭也に事情を打ち明け「彼氏のフリをしてほしい」と頼んだところ、すんなりOK! ところが、外見とは裏腹に恭也は超ドSの“黒王子“だった! 「オレの犬になれ!」と、それからというもの理想の彼氏を演じてもらう代わりに絶対服従を強いられるエリカ。果たして、ウソから始まる恋の行方は?