レポートインタビュー、記者会見、舞台挨拶、キャンペーンのレポートをお届けします。

2018年10月アーカイブ

bokujira-550.jpg和歌山県 太地町立 くじらの博物館を舞台にした映画

『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。』舞台挨拶レポート

(2018年10月13日(土)、ジストシネマ和歌山にて)
登壇者:
矢野聖人さん(主演で飼育員役)、武田梨奈さん(ヒロイン)、岡本玲さん(くじらの博物館・学芸員役で和歌山県出身)、主題歌を担当し、映画にも出演の清水理子さん(主題歌を担当し、映画にも出演。和歌山県出身)、藤原知之監督
 


 

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まず、本作が映画初主演となる矢野聖人に、最初に話が来た時のことを聞いてみると、「20代の時に映画初主演を果たすのが夢のひとつだったので、それがやっと叶うんだと思いましたし、初主演がこの作品で良かったなと思います。 」と述べた。


そして、東京から来た飼育員・唯を演じた武田梨奈は、「とにかく今回は海の中に入って撮るシーンがあったので、矢野君や監督たちと撮影の1ヶ月前に現地で合宿してトレーニングしました。」と語ると、監督は、飼育員役の矢野、武田に対して「合宿では、本物のプロの飼育員さんやトレーナーの方にショーをやってもらって、 それから特訓だったんですが、 サーフィンのシーンや、太一たち飼育員がイルカに対して指示を出したりするシーンも、全部スタントや吹き替えなしで本人たちが演じています。」と裏話を披露。観客からは拍手が起こっていた。


さらに監督は、「博物館の副館長からも、「ちょっと難しいと思う」と言われてしまったので、当初はクジラに乗ろうとするところまで本人で撮影して、あとは本物のトレーナーの方に乗ってもらおうかなと思っていたんですが、武田さんがサクッとできちゃったんです(笑)」と続けると、武田は「全然、サクッとできてないですよ。」と返し、そこに矢野が「実はカナヅチなんですよね。」と暴露。


bokujira-500-2.jpgすると武田が「クランクイン前にそれを言ってキャスティングを変えられたら困るので、合宿の前の1ヶ月間はずっと泳ぐ練習をしていました。」と返すと、監督は「カナヅチって、この前知りました。カナヅチって知っていたら、ちょっとビビっていたと思います。本人に事故があったらどうしようという心配が出てくるので。クジラに乗るのは本当にサクッと乗ったんですが、乗る前の飛び込みができなくて、それをずっと練習していたよね。」。


すると、武田が、「実は、矢野君も飛び込みが苦手だよね?」と矢野にふると、「泳ぐのは得意じゃないですね。でも、岡本さんも泳ぐの苦手なはず」と、実は3人とも泳ぐのが苦手という意外な事実が発覚。監督は「全然知らなかった。そういえば、矢野君が飛び込んだ後にタイトルが出る前のシーンは何回もやった気がします。」と驚きを隠せない様子だった。


次に、同い年の3人に撮影中の過ごし方を聞いてみると、矢野は、「美味しいものをいっぱい食べました。特に、和歌山ラーメンが印象に残っています。泊まってるホテルの近くに屋台があったので、3人でほとんど毎日行っていました。」すると清水も、「私も食べました!あれはおいしい和歌山ラーメンです。」と自信の出身地でもある和歌山のグルメを絶賛。武田も「夜中の11時ぐらいに撮影から帰ってきて、ラーメンを食べに行ってたんですが、普通、女優さんて夜食べないじゃないですか。でも玲ちゃんは一緒に来てくれて(笑)。嬉しかったし、美味しかったです!」とこちらも絶賛していた。


bokujira-bu-500-2.jpgそして、最後に監督は「撮影は昨年の10月だったんですが、本当にたくさんの方にご協力いただきました。太地町の体育館で 「映画に出たい人集まってください」って言ったら、たくさんの人が来てくださいました(笑) 。ロケ場所なども含めて、和歌山県には全面的にバックアップしていただきました。本当にありがたかったです。僕らと皆さんで協力して作った映画だと思っています。 」と感謝を述べた。


主題歌を担当した清水は、「主題歌を歌わせていただいたことは、今でも本当に信じられなくて、今ここに立っているのも夢のようです。大好きな和歌山の作品に携われて本当に嬉しいです。和歌山の良さが伝わる映画だと思います。 この映画と共に私の主題歌も皆様に愛してもらえる嬉しいです。」とコメント。


学芸員役を演じた和歌山県出身の岡本は、「地元の作品に出たいというのが私の目標のひとつでもありました。和歌山には、15歳までしかいなかったんですが、自分のルーツは和歌山ですし、和歌山の自然や人柄の暖かさは、東京に出てから感じることも多くて、それを少しでもスクリーンを通して全国の人達に届けたいと思っています。長く愛される作品になればいいなと思います。これからもよろしくお願いします。」と挨拶。


bokujira-500-1.jpg武田は「理子ちゃんの主題歌の歌詞にある、“言葉では伝わらない想いを”というフレーズが、この映画にピッタリだなと思いました。人間とクジラ、言葉では通じ合えないですが、他の形で通じ合える、一緒に生きているんだと思える作品になっています。派手な映画ではないですが、長く皆さんに愛される作品になってほしいと思うので、皆さんこの映画を愛してそして気に入っていただけたら周りの方に広めて下さい。」と話し、


最後に矢野が、「僕は、この映画を見て皆さんにそれぞれいろんな思いを持ち帰ってほしいと思っています。それは、太一みたいに自分も大きな夢を持ちたいとか、頑張っている人を応援したいとか、なんでもいいと思うんです。でも、必ず何かを感じていただける映画だと思います。たくさんの方に見ていただくためには、皆さんの協力が必要なので是非、協力をお願いします。ありがとうございました。」と挨拶し、舞台挨拶は終了した。
 



『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。』 

【STORY】 
bokujira-pos.jpg舞台は、クジラしか飼育されていない、和歌山県南部にある「太地町立くじらの博物館」。
来客も増えず、次々に飼育員が辞めていく中、館長は、経験豊富なベテランスタッフから強い反対を受けても、飼育員リーダーに、純粋にクジラを愛する青年・鯨井太一(矢野聖人)を任命する。東京の水族館からピンチヒッターとして呼ばれた白石唯(武田梨奈)や、学芸員の間柴望美(岡本玲)ら、同僚たちの中にも懸命に太一をサポートする人も現れるが、皆を悩ませていたのは来客がすくないことだった。http://www.bokujira.com/

そんな中、博物館を盛り上げるために太一は、スタッフの手作りによる「くじら夢まつり」を行うことを思いつく。しかし、開催を目前に控えたある日、「くじら夢まつり」中止の危機が訪れる・・・。


【監督】:藤原知之『U・F・O〜うしまどの、ふしぎなできごと〜』
【出演】:矢野聖人、武田梨奈、岡本玲、近藤芳正(特別出演)、鶴見辰吾  【主題歌】:清水理子「Colorful〜あなたといた時間」
【後援】:和歌山県、和歌山県観光連盟、太地町、太地町観光協会、那智勝浦町、那智勝浦町観光協会、新宮町、新宮町観光協会、串本町、串本町観光協会、熊野灘捕鯨文化継承協議会
【配給】:キュリオスコープ/2018年/117分  bokujira.com
公式サイト】:http://www.bokujira.com/

2018年10月12日(金)より、ジストシネマ和歌山/イオンシネマ和歌山ほか和歌山先行公開中!

11月3日(土)より、なんばパークスシネマ/MOVIX堺/MOVIX八尾にて


(オフィシャル・レポートより)

 
 
 
 
 
 
 
 
 

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<クイーン>日本横断ツアー ロンドンバス出陣セレモニー

<氷上のスマイルクイーン>村上佳菜子が
“イナバウアー”ならぬ“フレバウアー”を披露!!  
「私もクイーンの曲で滑りたい!」

 

<『ボヘミアン・ラプソディ』フレディ・マーキュリー誕生日イベント>

■日時:10月12日(金) イベント15:45~16:15、
■ジーライオンミュージアム (大阪市港区海岸通り2丁目6-39)
■ゲスト:村上佳菜子(プロフィギュアスケーター)、スベリー杉田※敬称略



 

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「世界で最も売れたアーティスト」に名を連ね、マイケル・ジャクソンやエアロスミスらと共にロックの殿堂入りを果たし、日本でもスポーツシーンやドラマ、CMなどで世代を問わず誰もが耳にしたことのある伝説のロックバンド、クイーン。今もなお世界中を魅了し続けるクイーンの現メンバーのブライアン・メイとロジャー・テイラー音楽総指揮に迎えて、1991年に惜しくもこの世を去った史上最高のエンターテイナー、フレディ・マーキュリーの姿を描く映画『ボヘミアン・ラプソディ』。劇中に甦った不朽の名曲には主にフレディ自身の歌声が使われ、その唯一無二のヴォイスは心臓に鳥肌が立つほどの感動を呼び起こす。

あの大ヒットミュージカル作品『グレイテスト・ショーマン』の20世紀フォックス映画が贈る、悩める者、弱き者に捧げる、ミュージック・エンターテインメントが、11月9日(金)に公開を迎える!


この度、映画公開記念として、<クイーン>の本拠地ロンドンにちなみ、フレディ・マーキュリーの象徴的なポージングビジュアルで特別ラッピングされた二階建てロンドンバスを運行する運びとなりました。このロンドバスは<クイーン>が文字通り活躍していた1970年から1990年代に実際にロンドンを走行していたもので、車内には撮影で使われたフレディのレプリカ衣装や映画パネルなども設置され、文字通り「衣装展スペース」となっております。また二階窓からはメンバーが顔を出し、PR走行時にはクイーンの名曲を流すなど、まさに一台の「走るショー」として、大阪、名古屋、東京と縦断しながら、約30日間に渡って日本中に<クイーン>、そして映画の魅力を拡散させてまいります。


BR-ivent-500-2.jpgその出陣セレモニーにおいて、クイーンの名曲「We Will Rock You」の音楽と共にスペシャルゲストとして登壇したのは、プロフィギュアスケーターの村上佳菜子さん。「氷上の“スマイルクイーン”」として人気を博した村上佳菜子さん、<クイーン>つながりで今回スペシャルゲストに選ばれました。 


いつもと雰囲気の違うロックテイストの衣装に身を包んで登場すると「今日はPRの為に普段はあまり着ないロック風の衣装を着たのですがとても新鮮な気持ちです。今日はこの新鮮な気持ちで頑張りますのでよろしくお願いします。」とご挨拶。


クイーンについてよく知っていますか?との質問には「正直なところあまり詳しくは知らないんですが、曲は色々な場面で聞いていて、また映画の予告編を見てこの映画を観るときっと曲のエピソードなんかも知ることができるんだろうなって思い、本当に早く観たくなりました。」とコメント。

また町田選手がクイーンの「ドント ストップ ミー ナウ」で滑っているのを見た時にとても素敵だなあと思いまし」と。

 

また今回映画PR為に製作された二階建てのロンドンバスを見た村上さんは「ジュニアの試合でイギリスに行ったときはこの二階建てバスを見ることができなかったので今日は実際に見ることができてとても嬉しいです。」と喜んでいました。 


BR-ivent-500-1.jpgバスにも描かれているフレディ・マーキュリーの有名なポーズが、フィギュアスケートの技“イナバウアー”に似ていることから、この場で“フレバウアー”と名付けられたこのポーズをMCがお願いすると、「いいですよ!」快諾。華麗に『佳菜子“フレバウアー”』を披露。その美しいポーズを報道陣が一同にフラッシュを焚き写真撮影しました。
 

フレディさながらのポーズを披露した村上さんに、さらにフレディの気分に浸っていただくため、フレディ・マーキュリーがライブのクライマックスで着用することが多かった王冠とガウンを持ってきたのは、シークレットゲストのスベリー・マーキュリーさんことスベリー杉田さん。吉本芸人のスベリー杉田さんはフレディ・マーキュリーをリスペクトし、スベリー・マーキュリーというキャラで活躍されています。

「日本のみなさん、私がフレディ、いやスベリー・マーキュリーです、ロック ユー」と挨拶

また、『佳菜子“フレバウアー”』を見たスベリーさんは「さすがプロスケーターのポーズは美しいですね」と感動の様子。


BR-ivent-240-1.jpg最初にガウンを着用した村上さんは「とても豪華だし可愛いですね」と感想を述べ、さらに王冠を戴いた瞬間佳菜子スマイルもマックスに!

また村上さんにスベリーさんの印象を尋ねると笑いながら「スベリーさんて、迫力がすごいですね」と。また、スベリーさんからフレディ・マーキュリーのポージングのレクチャーを受けた村上さんは「難しいけど楽しい!」と喜んでいました。


出陣式ということで、MCより出発宣言をお願いされた村上さん、スベリー・マーキュリーさんが、フレディ・マーキュリーのようにこぶしを掲げ『ロンドンバス、出発進行!』と高らかに宣言すると同時に銀色の紙ふぶきが舞い上がり、会場はコンサート会場さながらゴージャスな雰囲気に包まれました。


最後に村上さんは「私も今度はクイーンの楽曲で演技してみたいです!」と発言。王冠とガウンを纏った“スマイルクイーン”は“佳菜子スマイル”で降壇し、イベントは爽やかな雰囲気の中、終了しました。
 


 

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『ボヘミアン・ラプソディ』

原題:Bohemian Rhapsody  

監督:ブライアン・シンガー 
製作:グレアム・キング/ジム・ビーチ 
音楽総指揮:ブライアン・メイ(クイーン/ギター)/ロジャー・テイラー(クイーン/ドラム)

出演:ラミ・マレック/ジョセフ・マッゼロ/ベン・ハーディ/グウィリム・リー/ルーシー・ボイントン/マイク・マイヤーズ/アレン・リーチ
全米公開:11月2日 配給:20世紀フォックス映画  
© 2018 Twentieth Century Fox


2018年11月9日(金)~ 全国ロードショー

 


(オフィシャル・レポートより)

 
 
 
 

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黒木華、初共演の野村周平は「ガツガツくるかと思いきや、相手に合わせて気を遣える人」『ビブリア古書堂の事件手帖』大阪舞台挨拶
(18.10.10 TOHOシネマズなんば)
登壇者:黒木華、野村周平、三島有紀子監督
 
若き古書店主が古書にまつわる謎を解き明かす三上延のベストセラー小説「ビブリア古書堂の事件手帖」が、黒木華&野村周平を迎えて映画化され、11月1日(木)より全国ロードショーされる。
 
 
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『幼な子われらに生まれ』などの三島有紀子監督が、鎌倉の片隅に佇む古書店を舞台にした本作の雰囲気を丁寧に描写。亡くなった祖母が大事に持っていた夏目漱石の「それから」を大輔(野村周平)がビブリア古書堂に持参したことがきっかけで、店主栞子(黒木華)と出会う物語は、50年前の祖母の秘密が同時並行で描かれ、時を超えたミステリーになっている。野村周平は9月公開の『純平、考え直せ』に続いての主演、そして黒木華も10月公開『日日是好日』に続いての主演とノリに乗った関西出身の二人が初共演を果たす。
50年前のエピソードで登場する夏帆、東出昌大、そして物語のジョーカー的役割を果たす成田凌と、共演も若手実力派が揃った。
 

 

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10月10日にTOHOシネマズなんばで行われた先行上映会では、黒木華、野村周平、三島有紀子監督の関西出身トリオが登壇。黒木と三島は大阪出身の中、野村は「僕だけ神戸で仲間外れ、そこは譲れない」と神戸っ子を強調しながらも、ずっと客席後方を見つめている。
実は、最後列に三島監督応援団のパネルがズラリ。いち早く行われた地元大阪での凱旋舞台挨拶で映画のヒットを願うパネルの言葉に、三島監督も笑顔満面だった。撮影中は標準語だったという3人も、この舞台挨拶は全員関西弁で和やかな雰囲気。初共演となった野村の印象を聞かれた黒木は、「ご一緒する前はガツガツこられるかなと思っていたが、実際にお会いすると空気を読みながら、相手に合わせて気を遣える人。周りを見つつ仲良くしてくださったので、とても助けられた」と絶賛。一方、野村も黒木のことを「僕は周りからはうるさいとかチャラいという偏見があるが、こんなタイプは嫌いかと思いきや、そこに栞子さんがいるかのように僕の話を笑顔で聞いてくれてた。優しい方」。そんな二人について、三島監督は「野村さんは一人一人に気を遣い、時には突き放したりする。黒木さんはそれを観察してジリジリと近寄っていました。あまりにも楽しそうだったので、珍しくたまに飲みに行ったりしたよね」と撮影中の様子を振り返った。
 
 

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人と接するときは内気さを覗かせながらも、本の話になると話が止まらなくなるビブリア古書堂店主の栞子を演じた黒木は、「監督と相談し、謎解きをする部分と、素の栞子の部分との緩急をつけたり、栞子の癖を付け加えました」と役作りを語ると、「(撮影前の)本読みの時に、黒木さんがずっと恥ずかしそうにしていたのが栞子さんぽい仕草だったので映画に取り入れました」と三島監督流の演出を披露。さらに読み聞かせシーンへのこだわりから黒木にオファーしたことを明かし、「黒木さんは、本を読む姿がとても美しい。本の活字の良さの伝え方は難しいが、文章をこの声で読むことで、音符を読むように心に届くのを現場で見ることができた」と読み聞かせのシーンの素晴らしさを称えた。
 
 

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一方、小さい頃、祖母が大事にしていた夏目漱石の「それから」を偶然触ったことから、祖母にひどく叱られ、それがトラウマとなって活字恐怖症に陥った青年、大輔を演じた野村は、自身も活字が苦手なことを披露。三島監督からは「会った時に、どんな本を読むの?と聞くと、全く・・・と言われて、これは大輔だと思いました」と、キャスティングのポイントになったことを明かした。さらに、「野村さんは素直で人に優しい、まっすぐ。チャラチャラしているように見えて、優しくて、大輔はそういう人だなと」と、他にも大輔と重なる部分が多かったことを付け加えた。
 
 
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実際の現場では、「三島さんは、時に鬼になる時もありました。僕が喋りすぎると『ちゃんとやろうか』と言われて」と野村が口火を切ると、「現場でサザンの歌を歌うなんて、あり得なくないですか?」と三島監督がその時の真相を暴露。飄々としながら野村は「ちゃんと指先まで見ていただき、しっかりと教育と演出をしていただいた。光の使い方、アングルのこだわりなど、三島節が詰まっているので(映画を見て)引き込まれると思う」と見事に切り返し、映画の見所をアピールした。
 
 
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最後に
「最初からこの映画に引き込まれていくと思います。素晴らしい照明、素晴らしいアングル、素晴らしい役者 が揃い、ストーリーも面白い、しっかりしたミステリーになっているので、楽しんでください」(野村)
 
「原作が好きな方も、読んでいない方も楽しめますし、本が時を超えて人と人をつなげ、その中で起こる人間関係の網の中を栞子と大輔が泳いでいくような映画です。東出さんと、夏帆さんの姿が本当に文学の香りがして素晴らしいですし、鎌倉の匂い、古本の匂いを感じながら見ていただけるとうれしいです。
 
「黒木華さん、野村周平さん、成田凌さん、夏帆さん、東出昌大さんというキャストたちと映画を一つ作れて、私の中で宝物のような時間でした。死んだ人の思いは今生きている人に色々な形で伝わると信じているのですが、そんな瞬間をこの映画で見つけてもらえたら嬉しいです」(三島監督)
と挨拶。観客と一体となったフォトセッションや、前列の観客と握手を交わすファンサービスぶりを見せた野村周平と黒木華。三島監督と共に地元での舞台挨拶を心から楽しんでいる様子が伺えた。読書の秋にふさわしい、文芸の薫り漂うミステリアスなラブストーリーだ。
(江口由美)
 

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<作品情報>
『ビブリア古書堂の事件手帖』(2018年 日本 121分)
監督:三島有紀子
原作:三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」メディアワークス文庫/KADOKAWA刊
出演:黒木華、野村周平、成田凌、夏帆、東出昌大他
主題歌:サザンオールスターズ「北鎌倉の思い出」(タイシタレーベル/ビクターエンタテインメント) 
配給:20 世紀フォックス映画、KADOKAWA
公式サイト:https://biblia-movie.jp/
(C) 2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会

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「大阪の人柄がメッチャ好きやねん!」『あのコの、トリコ。』舞台挨拶

(2018年10月8日(月・祝) TOHOシネマズ 梅田にて)
【登壇者】:
吉沢亮(24歳)、新木優子(24歳)



「日本中の人をトリコにしたい!」
吉沢亮の“胸キュン・ポイント”を新木優子が披露

 

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子供の頃から俳優を目指してきた昴(杉野遥亮)・雫(新木優子)・頼(吉沢亮)の3人の恋のトライアングルが、芸能界を舞台にせつなくも心ときめかせる、映画『あのコの、トリコ。』。10月5日(金)より全国公開され、その大ヒット御礼のため、主演の頼を演じた吉沢亮と、彼が想いを寄せるヒロイン・雫を演じた新木優子がTOHOシネマズ梅田のシアター1の舞台挨拶に登壇!超満員の客席から割れんばかりの大歓声が沸き起こった。不慣れな関西弁を交えたコメントを求められ、それに応える度に「これで合ってますか?」と訊き返す謙虚さ。今回は、本来の役に加え、いくつかの劇中劇の役にも挑戦するというかつてない複雑な役回りに、俳優としての手応えを感じさせていた。


以下に、舞台挨拶の模様をご紹介いたします。
(敬称略)



toriko-bu-yosizawa-240-2.jpg――関西弁をまじえたご挨拶をお願いします!
吉沢:皆さん、なんでやん!鈴木頼を演じました吉沢亮です。こんな
に沢山の方に集まって頂いて、みんなのトリコやで!(笑)

新木:皆さん、こんばんは~!立花雫を演じました新木優子やで!(笑)


――公開された今のお気持ちは?
吉沢:撮影したのは1年以上前なので、こんなに沢山の方に観て頂けてホッとすると同時にとても嬉しいです。

新木:やっぱり関西の方は元気だなと感じました。


――大阪の「こんなところのトリコです!」というものがありますか?
吉沢:大阪にはこうした舞台挨拶などで1年に何度も来させて頂いてますが、スタッフの方もとても明るくて優しい方が多いので、大阪の人柄がメッチャ好きやねん!(笑)

新木:大阪のみなさんの人柄とノリの良さにトリコです♪


toriko-bu-araki-240-3.jpg――撮影中、印象に残ったこととは?
新木:いつもはここに無邪気な杉野君が加わってとても和やかになるのですが、そんな杉野君の靴紐を吉沢君が変に結んでは歩けなく
して遊んでました。いじられキャラの杉野君をからかっては写真を撮ったりしてました。

吉沢:杉野君は、普段はとても可愛いキャラなんですが、携帯ゲームでヒートアップしてくると人格が変わっちゃいます。「なんでだよ!」とずっと言ってて、熱い一面を見てしまいました(笑)。


――もう一度観るなら、「是非ここを!」というシーンはどこですか?
吉沢:頼が複雑な表情を見せる劇中劇のシーンでしょうか。主人公の頼と劇中劇の役の両方があり、また作品によって表情も変わるので、そこをじっくり見て頂きたいです。

新木:劇中劇の中で頼の表情が急に切り替わる時が女子にとっては“キュン・ポイント”だと思います。劇中劇で、セットから落ちてくる私を頼が受け止めようと、手に持っていたバラの花束をかなぐり捨ててダッシュしてくるシーンがあります。その花束の捨て方がとってもカッコいいんです!そこに注目して是非見て頂きたいです。



(観客からの質問に応じて)
toriko-bu-yosizawa-240-4.jpg――役で芸能人を演じるのはどんな気分でしたか?
吉沢:中々ある機会ではないのですが、芸能界の裏側を忠実に描いてるなと思いました。例えば、下着宣伝の撮影シーンで緊張しながらも次第に親しくなっていくというのは、意外とよくあることなので、共感しながら演じてました。

新木:こんな役自体あまりないので、とても貴重な体験をさせて頂いたと思っています。また、私が演じた雫はモデルをしながら女優を目指しているのですが、モデルをしていた自分の経験が活かされたかなと思います。雫の役を演じながら劇中劇の役を演じるのは、ほんと不思議な感覚でした。自然に見えるよう演じ分けるのに苦労しました。



――「もっともっと上を目指したい!」と頑張っていた頃を思い起こされたのでは?
toriko-bu-araki-240-2.jpg新木:はい。高校時代、みんなががむしゃらに頑張っていた時期だったので、その頃を思い出しました。


――お二人とも多くのドラマや映画で大活躍されていますが、その切り替えはどうしているのですか?
吉沢:僕の場合は役に入り込む瞬間がないというか、基本的には俯瞰で見ているので、のめりこみ過ぎて役が抜けないというような感覚に陥ったことがなく、オン・オフを意識したことがないのです。

新木:作品毎にスタッフや役が違うので、現場に行ったらその役が頭にスッと入ってきて、いつの間にか切り替わっているような気がします。意識して切り替えようとしたことはないです。衣装やヘアメイクなどで切り替えて頂いていますね。周りの方々に上手くサポートして頂いて感謝しています。


――今日は“愛をささやく日”ということで、私たちに愛をささやいて下さい。
新木:「ここにいるみんな、好きやで!」(会場から、「可愛い!」と歓声があがる)

吉沢:「ほんとに、みんなのことが、メッチャ、好きやで!」(笑)

 

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――最後のご挨拶をお願いします。
新木:舞台挨拶最終日にこんなに沢山の方に来て頂いて本当にありがとうございます。今日は神戸や大阪の皆さんに盛り上げて頂いて、とても嬉しくて楽しい時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。まだご覧になってない方にもお薦め頂ければ嬉しいです。この映画をこれからも応援して下さいね。

吉沢:今日は楽しんで頂けましたか?僕たちも皆さんのノリの良さに楽しませて頂きました。この映画を面白いと思って頂けましたら、周りの皆さんにお勧めしたり、SNSでつぶやいて頂くとか、この映画が日本中をトリコにすることができたら嬉しいなと思っております。今日は本当にありがとうございました。

 


映画『あのコの、トリコ。』

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「ずっと君のことが好きだった!どんな時も君だけを想ってきた」
“胸キュン・ポイント”いっぱいの楽しい映画

 

子供の頃から俳優を目指してきた昴(杉野遥亮)・雫(新木優子)・頼(吉沢亮)だったが、頼は早々と脱落して地方で暮らしていた。だが、ずっと大好きだった雫のことが諦めきれず、雫の通う東京の芸能コースがある高校に転入する。そこで、既にモデルの仕事を始めていた雫に付き人をさせられ、地味で内向的だった頼が否応なく芸能界の洗礼を受けていく。さらに、人気者となっていた昴も当然のように雫を恋のトリコにしようとするが・・・芸能界を舞台に3人の恋のトライアングルが展開されていく。
 

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どんな時も雫だけを見守ってきた頼の男らしさが、ふとした瞬間に発揮されるところにハートを鷲掴みにされる。冴えないメガネ男子の頼が劇中劇の様々な場面で豹変する度に、吉沢亮の美しい顔立ちにハッとさせられる。また、“落ちていく雫”を受け止めようと必死で駆け寄る頼の表情がいい!何をさておいても雫のためならと決死の覚悟を見せる頼は、カメラの前でも別人のような輝きを放つ。雫ならずとも、ときめかずにいられない❤
 



・出演:吉沢 亮 新木優子 杉野遥亮
              水上剣星 大幡しえり・内田理央 古坂大魔王/高島礼子(友情出演)/岸谷五朗
・原作:白石ユキ「あのコの、トリコ。」(小学館「Sho-Comiフラワーコミックス」刊)
・監督:宮脇 亮   脚本:浅野妙子
・主題歌:「トリコ」Nissy(西島隆弘)     配給:ショウゲート
・©2018白石ユキ・小学館/「あのコの、トリコ。」製作委員会 
公式サイト: http://toriko-movie.jp

2018年10月5日(金)よりTOHOシネマズ 梅田ほか全国ロードショー



(取材・撮影:河田 真喜子)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

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被災地の皆さまへのエールになれば嬉しい!『恋のしずく』 舞台挨拶

(2018年10月5日(金)大阪商工会議所国際会議ホールにて)
登壇者:瀬木直貴監督(55)、乃神完爾役/小野塚勇人(25)、石川達也(広島杜氏組合長・日本酒造り監修)

 

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川栄李奈初主演映画!
神の舌を持つリケジョの恋のせつなさと、
日本酒作りの伝統継承の意気込みを感じさせる感動作。

 

本作は、京都の伏見、神戸の灘と並んで日本三大酒処として有名な東広島市の西条を舞台にした、川栄李奈演じる農大生のリケジョ・詩織の恋と成長を描いた物語。『ラーメン侍』や『カラアゲ★USA』を撮った瀬木直貴監督が、和食を掘り下げた結果、日本酒の映画に辿り着いたという作品。また、今年の2月に急逝した大杉連の遺作でもあり、幻の酒造りに命をかけた一途な蔵元を、優しくも悲哀漂う存在感で印象深く演じている。その息子役には劇団EXILEの小野塚勇人、杜氏役には小市慢太郎など、女優として瞬発力のある川栄李奈の初主演作を盛り上げている。また、豊かな自然に清らかな水と米造りの里の美しい風景、酒造りの里の豊かな風情に心癒される作品でもある。


10月20日(土)の公開を前に、瀬木直貴監督と小野塚勇人さん、そして、広島杜氏組合長であり本作の日本酒造りの監修を務められた石川達也さんが舞台挨拶に登場。以下にその詳細をご紹介いたします。
 


(敬称略)

――最初のご挨拶。

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小野塚:ひと足先に大阪で上映されることを幸せに思います。

瀬木監督:ざっと見ると8割方女性のお客様でしょうか。これも小野塚君効果でしょうか(笑)。この映画はお酒を飲めない皆さんにもご覧になれる映画です。ごゆっくりお楽しみ下さい。

石川:私はこの映画の舞台となった西条生まれの西条育ちで、この映画が作られると聞いた時にはとてもびっくりして、感激しました。こうして映画が完成して皆さんに観て頂けるだけで感無量です。


――製作のキッカケは?
瀬木監督:今や完全な和食となっているカラアゲやラーメンの映画を作ってきて、もっと和食の世界を掘り下げようと思い、二千年前に麹とお水が出会って神様に捧げられてきたお酒に辿り着いたのです。冠婚葬祭、喜怒哀楽の場にはいつもお酒がありますので、それを描いてみたいと思ったのです。


――酒蔵の息子・莞爾という役のオファーがあった時の感想は?
小野塚:酒蔵にも行ったことがなければ日本酒についてもあまり詳しくなくて、知らないことばかりでした。石川さんに日本酒について詳しく教えて頂いて、クランクインするまでにとてもいい役作りができたと、とても感謝しております。

瀬木監督:とても勉強熱心でしたよ!


――石川さんが小野塚さんに教えたこととは?
koinosizuku-bu-ishikawa-240-1.jpg石川:ありがたいことに、撮影前から日々飲む機会がありまして、この映画のエンドロールには私は「酒監修」となってますが、どちらかというと「夜の監修」の方が多かったような(笑)。一緒に飲むことでお酒の話題も出ますし、わいわい飲んでる中で何か伝わったのなら、それで良かったのかなと思っています。

小野塚:石川さんは凄いんですよ!石川さんがすすめて下さったお酒の銘柄や飲み方をすると、全く二日酔いをしないんですよ!スッキリと気持ちよく飲めました。


――二日酔いしないコツは?
石川:いいお酒を飲むというのが第一。そして、楽しく飲むこと。気持ち良く飲まないと体もお酒を受け付けません。この映画をご覧になって、ぜひ皆さんでわいわい楽しくお酒を酌み交わして頂きたいと思います。


――演じる上でご苦労されたことは?
小野塚:この映画は、主演の川栄李奈さん演じる詩織が西条の酒蔵にやってきて人間として成長する物語ですが、僕が演じた莞爾も酒蔵の息子としての立場や、大杉連さん演じる父親との関係性などで苦悩しながら成長する物語なので、心境の変化を感じ取ってもらえるように演じました。


――小野塚さんはどんな俳優さんだと思いましたか?
koinosizuku-bu-segi-240-1.jpg瀬木監督:まず出会いが衝撃的でした。台本を読んでいるのかどうか分からない段階で、小野塚君は完全に乃神莞爾になってワークショップに現れたんですよ!役に向かい合う真剣さを感じました。

小野塚:役者なので役に寄っていくのは当然ですが、僕が抱いていた莞爾に対するイメージが監督がイメージされていたのと合っていたのかなと思います。せっかく選んで頂いたので期待に応えたいという気持ちで、しっかりやっていこうと思いました。

瀬木監督:莞爾の役は感情のアップダウンが大きいので、それを小野塚君が上手く演じ分けているところをご覧頂きたいと思います。


――2月に亡くなられた大杉連さんが出演されてますが……?
瀬木監督:映画としては遺作になります。このまま公開していいものかどうかと悩みましたが、大杉連さんの事務所の社長である奥様から、「この映画がヒットすることが大杉の供養になりますので」と言って頂いたので、肩の荷がおりました。


――大杉連さんと一緒にお仕事されて如何でしたか?
石川:撮影中は蔵人として少しお話する機会はありましたが、撮影後のパーティで色々とお話させて頂きました。撮影直後の疲れも見せず、とてもハツラツとして若々しいなと思いました。

小野塚:父親役の大杉さんとは撮影中あまりお話することがありませんでした。他の人には声を掛けておられたのに僕にはなく、何か失礼なことをしてしまったのかなと心配しましが、小市慢太郎さんに「役柄通り、確執のある親子の関係性を保つためだよ」と教えて頂いて、ホッとしました。役に厳しい“俳優の鑑”のような方だと思いました。


koinosizuku-500-1.jpg――杜氏を演じた小市慢太郎さんは石川さんがモデルなんですよね?
石川:だいぶ容貌が違いますが(笑)。

瀬木監督:杜氏をはじめ蔵人は半年間一緒に寝泊まりして酒造りをするんです。その距離感を縮めるために、“自主トレ”と称して毎晩のように飲みに行ってましたよ(笑)。

小野塚:あくまで役作りのための自主トレですから(笑)。石川さんと小市さんが並んで飲んでいる姿がとても微笑ましくて、次第に小市さんが石川さんに見えてきました。酒造りの時に歌う「もと摺り唄」を石川さんに歌ってもらおうとしたら、石川さんが酔って歌詞を忘れちゃって、その時一所懸命歌詞を教えていたのが小市さんでした(笑)。どっちが杜氏か分からなくなっちゃいました(笑)。

石川:杜氏のことを“おやじさん”と呼ぶのですが、映画の中では小市さんが、実際には私が“おやじさん”でしたので、お互い「小市おやじさん」とか「石川おやじさん」と呼び合って酒を酌み交わしてました。
 



――ここで、主演の川栄李奈さんからのビデオメッセージ。

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川栄:大阪の皆さんこんにちは。この度『恋のしずく』の主演を務めさせて頂きました川栄李奈です。東広島市を舞台にした恋と日本酒の映画で、私はいろんな人との出会いを通じて成長していくリケジョを演じております。ステキな共演者やスタッフと地元の方々に支えられて出来上がったとてもステキな映画ですので、是非お楽しみください。

皆さんには、この映画を観たあと、恋をしてみたくなったり、日本酒を飲んでみたくなったり、酒蔵のある東広島市へ行ってみたくなったりして頂きたいなと思っています。私も少し日本酒が飲めるようになりました。

最後になりますが、1か月滞在した東広島市が西日本豪雨で被災され、胸が詰まる思いでおります。この映画で東広島市の魅力を精一杯伝えることができたら幸いです。『恋のしずく』をごゆっくりお楽しみ下さい。

 



――石川さん、西日本豪雨からの復興の度合いは如何ですか?
石川:JRの呉線はまだ復旧しておりませんが、他の線は復旧し、物流もほぼ元の状態に戻っております。まだまだ爪痕は残ったままですが、「大変だ、大変だ」と言ってばかりはおられませんので、「前を向いて、上を向いていこう」と言って頑張っております。


――この映画がひとつのエールになればいいですね?
瀬木監督:8月初めに、この映画のためにご縁を頂いた所にスタッフやエキストラの40数名でボランティア活動をさせて頂きました。大杉連さんのシーンで使わせて頂いた酒蔵の母屋も床上浸水の被害を受けて大変な状態だったんです。昨日蔵元とお会いしたら、年明けから酒造りを再開すると仰ってました。

石川:それは良かったですね!柄(つか)酒造さんは平屋が多く、酒蔵にも泥水が入ってしまい、麹室まで浸水して、酒蔵を作り直さなければならない程のとてもとても大変な被害でした。酒造りを再開されると聞いて本当に嬉しくて心強い気持ちでいっぱいです。


koinosizuku-bu-ono-240-2.jpg――川栄李奈さんとの共演は如何でしたか?
小野塚:自然体の方。人見知りのところもあるようですが、心を開いてもらえるととても面白い方です。笑い声が凄くて、妖怪のような(笑)、外にいても聞こえてくるような明るい笑い方をされる人です。決断力があって肝の据わったところもあり、飾らない、本当に自然体のステキな女優さんです。


――最後のご挨拶。
小野塚:『恋のしずく』は1年前にオールロケで撮影した映画です。東広島市の組合の方や地域の方やいろんな方々に支えられて完成しました。西日本豪雨で被災された方々にもこの映画をご覧頂いて、少しでも前向きな気持ちで笑顔になって頂けたら嬉しいです。主演の川栄李奈さんの覚悟や熱い気持ちなど、ひとりひとりの想いが詰まった映画です。どうぞ最後までごゆっくりお楽しみ下さい。

 



『恋のしずく』

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【STORY
東京の農業大学に通う三回生の詩織(川栄李奈)は、ワインソムリエを目指してフランス留学を希望していたが、よりによって苦手な日本酒の老舗酒蔵へ実習に行くことになる。稼業を継がず蔵元(大杉連)と衝突ばかりしている息子の莞爾(小野塚勇人)、厳格な杜氏(小市慢太郎)、何かと面倒をみてくれる優しい美咲。老舗ならではの伝統としきたりを学びながら、様々な人々との出会いによって詩織も人間として成長していく。神の舌を持つ詩織の利き酒シーンも可愛い、せつなくも幸せな気持ちになれる心に沁みる感動作。


・監督:瀬木直貴(『ラーメン侍』『カラアゲ★USA』)  脚本:鴨義信
・出演:川栄李奈 小野塚勇人 宮地真緒 中村優一 蕨野友也 西田篤史 東ちづる 津田寛治 小市慢太郎 大杉漣
・配給:ブロードメディア・スタジオ ©2018 「恋のしずく」製作委員会

公式サイト: http://koinoshizuku.com/

2018年10月20日(土)~第七藝術劇場他全国公開!!
(10月13日広島先行上映開始)



(取材・撮影:河田 真喜子)

 
 
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高校時代の出会いから10年に渡る同級生との恋とその決別を男子目線で描き、台湾で大ヒットを記録、日本でもスマッシュヒットした台湾映画『あの頃、君を追いかけた』。
男子高校生のたわいのない日常と、みんなが憧れるマドンナ的存在のクラスメイトと一緒に頑張ったテスト勉強。心の距離は近づいているのに、肝心なことを最後まで伝えられなかった後悔の念。全てが愛おしく思える青春の日々を新人監督だったギデンズ・コーとフレッシュなキャストで描いた同作が、日本版にリメイクされ、10月5日(金)よりTOHOシネマズ梅田ほか全国ロードショーされる。
 
実力派俳優、山田裕貴と、本作が映画初出演となる乃木坂46中心メンバーの齋藤飛鳥が、10年に渡る恋物語を等身大の魅力で熱演。同級生役に松本穂香をはじめ、若手キャストが集結し、オリジナルをリスペクトするシーンを交えながら、期待と不安に心を震わせる青春時代がよみがえるような、心に残る青春映画が誕生した。前作『恋は舞い降りた。』(97)から21年ぶりにメガホンをとった長谷川康夫監督に、お話をうかがった。
 

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■青春時代に思い描いていた未来は叶わないことをきちんと描いたオリジナルに感動。

―――長谷川監督と山田さんとの出会いは?
長谷川:10年ほど前、彼がまだ名古屋から東京に出てきたばかりの頃に、僕の芝居の稽古場に現れたのが最初ですね。まだ俳優を仕事にする前でしたが、見習いのような形で(笑)稽古に参加して。まぁ僕から見ると、彼はその頃と何も変わっていない。いまだにどこか少年のまま。だから20代後半で制服を着ても(笑)、ひとつも違和感がなかった。少年の「熱さ」と「戸惑い」のようなものが、今でも彼の中にちゃんと残っていて、それは今回の主人公そのものです。たぶんこれまで彼が演じてきた中で、一番「山田裕貴らしい」役に巡り合えたんじゃないかと思っています。
 
―――本作は、台湾のギデンズ・ゴー監督による大ヒット青春映画『あの頃、君を追いかけた』のリメイクですが、最初その作品をご覧なった感想は?
長谷川:やられたと思いました。青春時代に思い描いていた未来など、決してその通りにはならない。それをきちんと描いているのが素晴らしいと。ほら昨今、「追い続ければ、その夢は必ず叶うことを知りました!」なんて言葉、よく聞くでしょう。高揚してるタレントさんがいて、周りも「うん、だから皆もあきらめずにガンバレ!」と図に乗る(笑)。でも夢が叶う人間なんて、ほんの一握りなんです。まず叶わないまま、人生は進んでいく。そのことを僕ら大人はみんな知ってます。でもね、たとえその夢が叶わなくとも、夢を追い続けた日々はそれぞれの人生の中でとても大事で、かけがえのない時間なんだって、オリジナル版では、そこをきちんと伝えてるんです。こんな映画はなかなかないなと、胸を打たれました。もしかしたら、ある程度、齢を重ねた人の方が心に沁みる映画なんじゃないかと、オッサンは涙で席を立てませんでした(笑)。
 
 
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■自分の色を出すのではなく、オリジナルで感動したシーンはそのまま取り入れる。

―――リメイク版を作るにあたり、最初に監督ご自身の中で決めていたことはありましたか?
長谷川:ヘタな企みはやめようと(笑)。監督というのは、普通ならあれこれ自分の色を出したいんでしょうが、その気持ちは極力抑えました。オリジナルを見たときに感動した部分、僕が「やられた」と思ったシーンは、あえてそのままで行くことにしたんです。日本の映画界を代表するカメラマンや照明家が納得の上で、オリジナルと同じ構図、同じカット割りにこだわってくれました。そうは言っても、微妙な感覚の違いは彼らそれぞれの腕の見せ所ですし、何より演じている俳優が違うわけですから、オリジナルの完全コピーとは別のものだと信じて撮っていました。
いくつかあるそんなシーンを、ぜひ観客の皆さんにも見つけてもらいたいですね。もちろん日本版ならではの場面も山ほどありますから、その比較なんかもしてもらいたい。
 
―――確かに、オリジナルの名シーンを彷彿とさせる箇所がいくつもありました。
長谷川:堤防に7人が座っているところなんかは、この作品のテーマに繋がる重要な場面で、オリジナルが本当に素晴らしかった。日本の季節を考えれば、受験直後にTシャツで海に行くなんてありえないけど、雪山にスキーじゃやっぱり違うでしょう(笑)。まぁ普通の監督なら、7人の並び順なんかも変えてみたくなるはずです。でも僕が客席で覚えた感動を、なんとか日本の観客に伝えようとするなら、絶対このままで行った方がいいと。それはスタッフ全員の思いでもありました。
 
 

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■パラレルワールドがキーワード。ファンタジー感が出るように、都市も季節も曖昧にして、誰もの心の中の故郷に重なるようにした。

―――ディテールもオリジナルを彷彿とさせます。例えば高校の制服も台湾風ですが、どんな狙いがあるのですか?
長谷川:主人公たちの暮らす街を、具体的にしたくないというのがありました。物語の舞台としての街を強調するのではなく、誰もが持っている故郷を重ねることができるようなどこかの地方都市、と曖昧にしている。その上で堤防場面のように、あえて季節感も無くして……まぁひとつのファンタジーと言っていいかもしれません。この作品のひとつのテーマでもある「パラレルワールド」というものも、ある意味、反映させている。例えば、浩介と真愛のデートが突然台湾になりますが、あれは実は本当にあったことなのかわからない。浩介や真愛の心の中の出来事かも……ということです。
 
―――台湾ロケは最初から考えていたのですか?
長谷川:プロデューサーの発案で、二人の一度だけのデートはオリジナルと同じ場所で撮りたいと、かなり早い段階で決まっていました。ただ現地では色々なことが起きて、実際は撮れなくなってしまった部分があったのですが、急遽場所も芝居も変えて撮影したシーンが、逆にとてもいいシーンになって……。映画ってそういうものなんだなぁって、対応してくれた皆に感謝しました。それがどこの場面か、見つけてもらうのも楽しみです(笑)。
 
―――最近の邦画の恋愛映画は当事者しか登場せず、家族をきちんと描きませんが、本作は浩介の家族をはじめ、登場人物の家庭模様や背景がしっかりと描かれていますね。
長谷川:オリジナルにも主人公たちの背景への説明はほぼありませんが、我々の脚本では、それぞれの背景、家庭環境や親の職業まできめ細かく設定してくれました。それはやはり大事だと思います。とくにこの世代の物語であれば、家庭環境を描写することは絶対に必要だと。浩介が自宅では全裸でいるのも、オリジナルではなんの説明もありませんが、日本版では父と息子の関係性を描くことで、少し解明(笑)されている。天然パーマも全裸の習慣も父親譲りで、母親だけが「なんでそんなことしなきゃいけないの」と冷めた目で見ているとかね。真愛の場合は、医者の娘というだけで観客にキャラクターのイメージが湧きやすい。
 
 
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■浩介と山田裕貴は重なる部分が多く、本当にいい役に巡り会えた。

―――浩介は恋愛映画の主人公にしては、格闘技もすれば、丸刈りにもなり、相当体を張っていました。山田さんはどのように役作りをされていたのですか?
長谷川:自分が出演した作品で、様々な主演俳優の振る舞いのようなものを見ているので、その中から自分がいいなと思ったところを取り入れながら、共演者と触れ合ったと話していましたね。出演が決まってからは、四六時中、浩介のことを考えていたとも。彼に言わせれば、浩介の体は「中途半端に頑張ろうとしている高校生の鍛え方」で仕上がっているそうです。そこまで考えていたのかとビックリしました。中国拳法の立ち回りも披露しますが、本当に完成された立ち回りではなく、どこかダメな感じにして欲しいと要求したので、頑張ってはいるんだけど、最後にはとことん相手にやられるような立ち回りを演じてくれていますしね。
 
―――もう一つ浩介で印象的だったのが、皆が将来の夢を話す場面の、「すごい人間になりたい」という言葉です。山田さんご自身もずっとそう思っていたそうですね。
長谷川:何度もそれは聞きました。高校生の頃、まったく同じ思いだったと。そんなところが、浩介と完全に重なっている。これでいいのかと常に戸惑いながら生きているような部分もそうですし、山田裕貴は、今、彼にしか出来ない、本当にいい役に出会ったなと思います。
 
―――キャスティングもオリジナル同様、映画出演経験がまだ少ないフレッシュな顔ぶれになっていますが、その中で一番年齢も上で、キャリアもダントツの山田さんが果たす役割は相当大きかったのではないですか?
長谷川:演技経験が少ないキャストたちの中で兄貴分的存在ではあったけど、上に立つというのではなく、この作品で皆が評価されればいいなという思いが強かったそうです。彼自身も長い間、様々な作品に出演してきて、せっかく映画に出ても、誰も観てくれず、出演作を認知してもらえなかったという経験もし、だからこそ、自分も含めた共演者の皆がこの映画に出たことで多くの観客の目に触れ、「あの映画に出ていた人だ」と言ってもらえればと、ずっと思っているようです。
 
 
 

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■視線の角度やカメラに映る際の表情を細かく指導する監督が今は少ないのでは。

―――ヒロイン真愛役の齋藤飛鳥さんは本作が初主演ですが、どのような演出をしたのですか?
長谷川:演技については何の心配もなかったので、こまかく指示したりすることはありませんでした。ただアップが多かったため、大きなスクリーンでは、まばたきや、瞳が少し動くだけで、何か意味を持ってしまうというようなことは伝えました。例えば「その台詞終わりで、視線をふっと5センチ下げてみようか」とか、相談しながら。いまの若い俳優さんは、カメラに映ることに事に関して、そんな具体的な指示を演出家から受けることが少ないのではないでしょうか。リテイクは繰り返しても、「じゃあ、こうしろ」と、まばたきのタイミングや視線の位置まで、なかなか言ってはもらえない。僕はつかこうへいの劇団時代、散々そんな演出を受けてきて、それが役者にとってどれだけ重要か身に染みていますし、言われたようにすることで、そこの台詞の思いのようなものが逆にわかるということも、経験してますからね。
 
―――本意をなかなか明かさない真愛は、浩介からもらったリンゴプリントのTシャツを着て、浩介のことが好きなのが観客にはヒシヒシと伝わってきますが、浩介は気付かない。それが青春の苦さですね。
長谷川:浩介へのひたむきな想いがなければ、あのリンゴのTシャツは着ませんよね(笑)しかも、浩介が出演する格闘技大会に応援しに行く時、同じTシャツだけでなく、一度も着たことがないジーンズ姿になっています。どう考えても真愛らしくない(笑)。でも格闘技大会に行くならと彼女なりに精一杯考えて選んだ服装なんです。それは衣装部がしっかり物語を把握して、意味合いまで考えて生まれたものです。映画が共同作業だというのはこういうところなんです。あの真愛らしくないジーンズ姿が、二人の別れをよりいっそう切なくする。
 
 

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■僕たちの仕事は文化祭の延長線上のようなもの。

―――長谷川監督の青春時代には、マドンナ的存在を追いかけた浩介のようなほろ苦い思い出があったのですか?
長谷川:マドンナを追いかけたどうかは忘れたけど(笑)、まぁ浩介たちと変わらぬバカをやってましたね。ちょうど学生運動の真っ只中で、それすらもバカをやる延長線上のような感じでした。所詮高校生の学生運動は、どこか文化祭の延長みたいなところがあったかもしれません。もっと言えば、僕が今やってる仕事なんてのも、まだずっと文化祭が続いてるようなもので、だから違和感なく20歳前後のキャストと仕事ができるんじゃないかな。感覚としては、部活の先輩、後輩という感じですよ(笑)。孫ほど年齢は違うんだけど(笑)。
 
―――「文化祭の延長線上」というのは、すごく意を得ている表現ですね。長谷川監督は、脚本で多くの映画に携わってこられましたが、21年ぶりの監督作で台湾青春映画のリメイクを若いキャストと作り上げた感想は?
長谷川:正直、彼らと一緒に映画を作れてよかった。65歳にもなって、こんな青春全開映画を20歳前後の若者たちと撮るなんてこと、誰が考えます?(笑)。逆にずっと監督という立場で映画を撮ってきていたら、まずなかった話でしょうね。「ちょっとあのジジイにやらせてみようか」なんて思った、バカなプロデューサーがいた(笑)。
それで僕も気負いのようなものがなく、優秀なスタッフたちの力を借りて、若い出演者たちとの芝居作りを楽しんだといったところです。だから一番うれしいのは、映画を観た人から「みんないい顔をしていたね」と言ってもらえることかな。本当に素敵な俳優ばかりだから。山田裕貴を中心として、齋藤飛鳥、松本穂香、佐久本宝、國島直希、中田圭祐、遊佐亮介、間違いなく皆、今後活躍してくれるでしょうね。とくに齋藤飛鳥は映画初出演にもかかわらず、僕たちカメラサイドの人間を驚かせてくれました。
 
 
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■重鎮スタッフも齋藤飛鳥に太鼓判「そこにいるだけで物語を全て背負える女優」

―――最後に、将来大いに期待できるというその齋藤飛鳥さんの魅力を教えてください。
長谷川:今、芝居が達者だと感じさせる若い女優さんたちは、結構いますよね。でも、こんなふうに演じていますと、キャラクターを作って見せるのではなく、演じていることを感じさせずに、そこにいるだけで物語を全て背負ってくれる女優……例えば吉永小百合さんのような……そんな女優さんが久しぶりに出て来てくれたんじゃないかと、大袈裟じゃなくそう感じています。今回参加した経験豊かなスタッフたちもこぞって、同じような感想を漏らしていました。齋藤飛鳥がこれからどんな女優に育ってくれるか、本当に楽しみですね。彼女のデビュー映画に携われたことを、皆、誇りに思っています。斎藤飛鳥が将来、大きな女優になり、ヨボヨボになった僕たちが「その映画デビュー作はワシらが撮ったんじゃ!」と、自慢する日を夢見ています(笑)。
 

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<作品情報>
『あの頃、君を追いかけた』(2018年 日本 1時間54分 キノフィルムズ)
監督:長谷川康夫
原作:九拍刀(ギデンズ・コー)『あの頃、君を追いかけた』
出演:山田裕貴、齋藤飛鳥、松本穂香、佐久本宝、國島直希、中田圭祐、遊佐亮介
2018年10月5日(金)~TOHOシネマズ梅田 ほか全国ロードショー
公式サイト: http://anokoro-kimio.jp/
(C)「あの頃、君を追いかけた」フィルムパートナーズ
 
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今年の2月に急逝した名バイプレイヤー、大杉漣が初めてエグゼクティブプロデューサーを務め、最後の主演作となったヒューマンドラマ『教誨師』が、10月6日(土)~テアトル梅田、シネマート心斎橋、イオンシネマ京都桂川、10月20日(土)~元町映画館、今冬 シネピピア他全国順次公開される。
 
教誨師(きょうかいし)とは、受刑者の道徳心の育成や心の救済を行う民間の宗教家。今回大杉が演じるのは教誨師、佐伯保だ。死刑囚と面会する拘置所を舞台に、一癖も二癖もある6人の死刑囚と対話を続ける中での佐伯の苦悩や、自身の過去との対峙を描く。死刑囚役には映画初出演となる玉置玲央をはじめ、光石研、烏丸せつこ、古舘寛治ら個性派俳優が顔を揃え、大杉演じる佐伯と、1対1の対話によって内面の変化が訪れる様子を、多様に映し出す。シンプルなセットの中、待ち構えるのは死しかない人間の心の内をあぶり出す一方、なんとか彼らに寄り添おうとする佐伯の真摯な姿が胸を打つ。改めて死刑制度についても考えてみたくなる作品だ。
 
大杉さんと二人三脚で本作を作り上げた佐向大監督に、お話を伺った。
 

 
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■大杉さんに誘われて事務所入り、映画化できる企画を考える。

―――企画が立ち上がってからの映画化するまでの経緯は?
佐向:元々、大杉さんからの依頼で、大杉さんの所属役者の皆さんとワークショップを開催していたのですが、そのうち一緒に映画を作らないかと誘っていただき、大杉さんの事務所に所属しながら映画化できる企画を考えていたのです。教誨師と死刑囚が対話を重ねていく話を考え、大杉漣さんに映画化を念頭に置いた相談をしたのは3年前ぐらいです。大杉さんも「いいじゃない」とすぐに乗ってくださいました。
 
―――死刑囚という、命に期限が決められている相手に対して接するというのが、この物語で重要な意味を持ちます。
佐向:基本的に教誨師の方は、道徳心を育成したり、真っ当な道を歩ませるために受刑者に対話をするわけですが、死刑囚の場合はもう刑務所の外に出ることはないのに、教誨師の方は何を話せばいいのか。僕自身も知りたかったですし、そこから企画を立ち上げ、教誨師の方にもどういう気持ちで対話をされているのか取材をさせていただきました。「社会では許されないことをした人だが、神は罪を赦す」という教えのもと、とにかくしっかりと死刑囚の話を聞き、まずは彼らの人生をそのまま受け入れてあげること。そんなことが重要だと伺い、その考え方を中心に据え、佐伯保というキャラクターを描いていきました。
 
―――様々な事件を想起させるような6人の死刑囚が登場しますが、どのようにキャラクターを作り上げていったのですか?
佐向:死刑囚ではあるけれど、基本的には事件を起こしていない我々と変わらないのではないかという考えでキャラクターを作っていきました。どうしても死刑囚となると、関係ないと思ってしまいがちですが、罪は犯しているけれど、実は気が優しい人であったり、烏丸せつ子さんが演じるようなどこにでもいるおばちゃんだったりするのかもしれない。でもどこか内面が壊れていびつな部分が垣間見えるキャラクターにしたいと思いました。5,6人を想定して、それぞれのバックボーンを肉付けしていきました。
 
 
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■死刑囚と対話することで、佐伯自身も変わっていくべきだと思った。

―――ずっと教誨師と死刑囚の面会部屋だけで物語が展開している中、後半に子どもの頃の佐伯の回想シーンが挟まれ、物語のアクセントになっています。ナレーションで済ますこともできたと思いますが、そのシーンを入れた趣旨は?
佐向:最初は佐伯が鏡のような存在で、死刑囚たちがその鏡を通して自分自身を語るという展開を考えていましたが、途中で「佐伯保という男はどういう人間なのだろうか」と考えたのです。佐伯自身も死刑囚と対話することで変わっていくべきだと思ったものの、彼の日常生活は見せたくなかったので、説明的になるのを防ぐ意味も込めて、回想シーンで、彼が体験した生涯忘れられない出来事を描きました。
 
―――6人の死刑囚の中でも一番若い死刑囚、高宮は常に佐伯に反抗的な態度を取り続けます。他の死刑囚と比べても、かなり異色の存在でした。
佐向:6人の中でも、一番中心となるのは高宮と佐伯の関係で、その関係性を軸に物語を展開させたいと考えていました。大杉さんとも話していたことですが、高宮の発言は独りよがりではあるけれど、そんなに間違ったことは言っていないつもりです。世の中を変えたいと思っている、ある意味、一番現状に満足していないキャラクターです。そんな高宮が佐伯と通じ合うまではいかなくても、何か分かりあえるところがあればいいなと思い、描きました。
 
―――7月にオウム真理教事件の死刑囚全員の刑が執行された後、教誨師と死刑囚を描いた本作が公開される訳ですが、佐向監督はどのように捉えておられますか?
佐向:13人も一斉に死刑執行されるというのは、異常なことです。以前脚本を手掛けた『休暇』は刑務官の話でしたが、そこには死刑を執行する側の人がいます。もちろん死刑囚の犯した犯罪により、多くの罪なき方が亡くなっている訳ですから、その必要性はあるのかもしれませんが、死刑執行を指示する人はその場にはいない訳で、実際に今回の場合は一日に何人も刑を執行する側の方の辛さを思うと、想像を絶します。
 
 
 

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■死刑囚たちのキャラクター、キャスティング、リハーサル、そして現場ですぐにカメラを回す。大杉さんのこだわりが作品の緊張感を産む。

―――今回、大杉さんは主演でありかつ、エグゼクティブプロデューサーとして関わられ、本作に非常に思い入れが強かったと思いますが、特にこだわっていた点は?
佐向:まず、キャストが重要だとおっしゃっていました。脚本段階では、自分の役より、死刑囚のキャラクターを個性的にしようとアドバイスをいただきましたし、キャスティングでは大杉さんの意見を聞きながら行いました。後は、とにかくリハーサルをやろうとおっしゃって下さり、僕もとてもありがたかったです。全員の死刑囚役のキャストと事前にリハーサルをしてある程度のイメージをつくったのですが、現場に入ってからは大杉さんの意向で「(セットの教誨師がすわるテーブルの)席についたら、すぐにカメラを回して」とおっしゃったのです。通常はカメラテストやリハーサルを行い、撮影が始まるのですが、裏で共演の方とセリフだけ合わせて、あとは席についたらすぐにカメラを回していました。スタッフ、特に撮影の山田達也さんは、キャストがどう動くか分からないので大変だったでしょう。共演者の方も相当緊張感があったと思いますが、それが良い方向に作用し、この作品のピンと張り詰めたような基調ができあがったのだと思います。カメラ2台で撮りましたが、一発撮りも多くて、セリフが長いので撮影が押すかと思っていたら、光石研さんの時は5時間巻きで終わり、その後何をしていいか分からないということもありました(笑)
 
―――皆さん、緊張感たっぷりの中、撮影に臨まれたのですね。
佐向:大杉さんがすごいと思ったのは、基本的にアドリブなしで台本通りなので、こちらも大体のイメージができている中で撮影を行うわけですが、いざカメラが回ると、こちらが想像していたものとも、リハーサルとも全然違う表情を見せたり、言い方をしたりされるのです。本当に今、この場所で佐伯保という人間が怯えたり、考えたりしながら、死刑囚と対話をしているのだなという感じや佐伯の気持ちがヒシヒシと伝わってきました。
 
―――カメラが回ると、佐伯になるスイッチがぐっと入る感じでしょうか。
佐向:本当に休憩中は冗談ばかり言っているのですが、いざ撮影が始まると、テンションを高める集中力をもっておられた。大杉さんは運動神経が良かったので、ある種アスリートのような集中力があったのかもしれません。終わった途端にまたいつもの調子に戻って、その切り替えには驚くばかりでした。
 
 
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■大杉さんは、少人数でも一丸となり、皆でいいものを作ろうと頑張る現場が好きだった。

―――やはり大杉さんの中で、教誨師に対する思い入れがあったのでしょうね。
佐向:セリフも生死という根源的な問題に触れますし、覚悟のようなものが見えました。12月に初号を見た時、この作品のことを何というのかと思ったら、「次は何にしよう」と、既に気持ちは次回作に向かっていたようで、大杉さんが亡くなる直前まで、そんな話をよくしていました。今回はスタッフもキャストも少なかったですが、一丸になって皆でいいものを作ろうと頑張った現場で、大杉さんはそういう現場がお好きでしたし、大杉さん自身も皆を盛り上げるのがとてもうまい方でした。打ち上げではまた同じスタッフ、キャストで映画を撮ろうとおっしゃってました。
 
―――最後に、大杉さんの一番好きだったところを教えてください。
佐向:大杉さんは、これだけキャリアがある方なのに、「どうやりたいのか言ってみて」とか、「とりあえず脚本を書いてみて」とまずはこちらの意見を聞いてくださり、こうだと決めつけるような言い方は絶対しません。何か座右の銘になるようなことを今言えたらいいのですが、冗談ばかりおっしゃっていたので、全く思い起こせなくて。そこが、大杉さんの大好きなところですね。皆をどう盛り上げていくか、全体のバランスを常に考えて、本気で楽しむことを知っていらした方だと思います。この作品のテーマでもありますが、これからも大杉さんと「共に生きて」いきたいと感じています。
(江口由美)
 

<作品情報>

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『教誨師』(2018年 日本 1時間54分)
監督・脚本:佐向大 
出演:大杉漣、玉置玲央、烏丸せつこ、五頭岳夫、小川登、古舘寛治、光石研
2018年10月6日(土)~テアトル梅田、シネマート心斎橋、イオンシネマ京都桂川、10月20日(土)~元町映画館、今冬 シネピピア他全国順次公開
公式サイト:http://kyoukaishi-movie.com/
(C) 「教誨師」members