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上映イベントの最近の記事

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『17歳』マリーヌ・ヴァクトと再タッグで描く、双子を題材としたラブサスペンス
『2重螺旋(らせん)の恋人』フランソワ・オゾン監督語る。
 
現在、イオンシネマみなとみらいで開催中のフランス映画祭2018で、フランソワ・オゾン監督最新作『2重螺旋(らせん)の恋人』(8月4日よりヒューマントラストシネマ有楽町他全国ロードショー)が日本初上映され、フランソワ・オゾン監督が上映後のトークショーに登壇した。
 
精神的な問題を抱えるヒロイン、クロエが、恋人となる精神分析医ポール、街でみかけたポールとそっくりの精神分析医ルイという双子の間で、ポールは精神的面、ルイはセクシャル的面で惹かれ、決別状態の二人の真実を探っていく物語。何が真実で、何が嘘なのか、何が現実で、何が妄想なのか混沌とする中、精神的に不安定となっていくクロエに突きつけられた思わぬ現実。まるで螺旋階段を下りていくように、複雑に絡み合い、現実と妄想の境界線が溶けていくオゾンマジックが鮮烈な印象を残す作品だ。
 
観客の熱い拍手に迎えられたオゾン監督は、「この映画を観た後で、あまり混乱状態でなければ良いのですが」と観客の心を見透かすようなユーモアあふれる挨拶を披露。元々双子に興味があったというオゾン監督が、アメリカ人作家、ジョエル・キャロルオーツの『ザ・ライフ・オブ・ツインズ』を映画化した本作。双子の精神分析医という設定は原作を踏襲しながら、精神分析の方法もフランス式に変え、ラストも映画ならではのラストにしたという。
 
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ポールとルイの双子を演じたのはベルギー人俳優のジェレミー・レニエ。「役者は役と自分という二重の存在なので、双子を演じるのは夢のようなもの。あのイザベル・ユペールも双子を演じてみたいと言っていたし、ジェレミーも演じるのはさほど難しくなかったと思います。ポールのパートを撮ってから、ルイのパートを撮り、髪形や声色を変えてもらいました。ただ、映画が進行するにしたがって、その違いが小さくなり、どちらがポールでどちらがルイか、観客が混乱を生む仕掛けになっています」と、正反対の性格の双子の違いを演じながらも、段階的にその違いを小さくした意図を明かした。さらに、第一候補の俳優に、最終脚本を見せた段階で断られたエピソードを披露し、「最終稿でショッキングなシーンを加えたら、そんなシーンは演じられないと俳優が降りてしまったので、気心の知れたジェレミーに声をかけました。彼は、ベルギー人俳優なのでフランス人より心が広く、ユーモアがあります」とその懐の広さを絶賛した。
 
二人の狭間で苦しむクロエのセクシャリティーについて話が及ぶと、「この映画でのセクシュアリティは不満足がテーマ。ポールとの愛情はあるが、妄想は満たされていない。だから彼女は他の誰かが必要でした。こういう二面性は誰にでもあるでしょう。恋人はいるけれど、もっと暴力的な性を求めてしまう。愛情と欲望の乖離です」と、クロエが二人の間で苦しむ根底にある不満足の意識について言及。『17歳』でヒロインに抜擢したマリーヌ・ヴァクトさんと再タッグとなったことについては「『17歳』ではヒロインを演じるのにぴったりの少女でしたが、まだ彼女はモデルであり、女優としてやっていくのか彼女自身まだ確信が持てていない時でした。ただ、映画が成功し、今までに女優としてのキャリアを重ね、さらに彼女自身も母になったことで、クロエ役にぴったりだと思いました。既にヌードシーンを演じさせていたので、本作ではさらに大胆な演技を求めなければならず、心配もしましたが、バクトさんは見事に役作りをし、立派に務めてくれました」
 
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さらに、この映画の見どころとして、「全ての人物が、ダブルの役割を演じています。そして、この映画はあえて色々なところにヒントを散りばめています。観客の皆さんにクロエの無意識、想像の世界に入り込んでほしい。この映画では夢を現実のように、現実を夢のように撮っていますから、妄想と現実が混じり合っているような想像の世界で、自分自身の答えを探すのです」と、幾通りもの見方、楽しみ方があることをアピール。クロエの飼い猫、ルイの飼い猫と2匹の猫が登場し、象徴的な役割を果たす点については、「私自身は猫が苦手ですが、猫は映画で画面映えする動物。クロエ演じるバクトさんの顔も猫に似ているので、入れました。他にも、フランス語で雌猫はシャット、俗語で女性器という意味ですし、映像で映すと、猫はまるで考えているように映る動物なのです」と猫に込めた様々な狙いを語った。
 
最後に、これだけコンスタントに高いクオリティーの映画を作り続けていることについてオゾン監督は、「興味深い題材は身の回りにたくさんありますが、映画作りをするために、1~2年続けて向き合えるかを重要視しています。私は映画作りに喜びを感じている人間なので、作っていない時の方が苦しい。毎回違う実験をしたいという欲望があり、映画作りは自分の欲望、勘に従っています。分析はしません」と自身の映画作りの姿勢を明かした。
双子を題材とした映画としても、これほどその精神的な内面に切り込み、その葛藤に踏み込んだ作品は他にはない。単なるラブサスペンスとは一線を画した衝撃が待ち受けることだろう。
(江口由美)

フランス映画祭2018 Festival du film français au Japon 2018 
◼ 期間:6月21日(木)〜~6月24日(日)
◼ 会場:みなとみらい地区中心に開催
(横浜みなとみらいホール、イオンシネマみなとみらい)
■主催:ユニフランス
 
 

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アン ミカ、ヒロインの境遇に自身を重ね「人生に無駄なものは何もない」
『モリーズ・ゲーム』トークショー
(18.5.2 大阪商工会議所 国際会議ホール)
登壇者:アン ミカ
 
『ソーシャル・ネットワーク』『マネーボール』『スティーブ・ジョブズ』の天才脚本家アーロン・ソーキンが初監督を務める『モリーズ・ゲーム』が5月11日(金)よりTOHOシネマズ梅田他全国ロードショーされる。
 
 
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レース中の大怪我で引退をよぎなくされたトップアスリート、モリー・ブルームがセレブの集う高額ポーカールームの経営者となり、一大スキャンダルを巻き起こした実話を映画化。『女神の見えざる手』で圧巻のロビイストを演じたことも記憶に新しいジェシカ・チャスティンがモリーを演じ、父親から叩き込まれた負けず嫌いの気性と知性で、男ばかりのポーカーの世界へ果敢に経営者として挑み、独自のポリシーで大成功を収めていく姿を熱演している。FBIに逮捕されたモリーがどうやって巨額の富を手に入れ、それを失ったのか。世間がイメージするモリーとは違うモリーの真の姿とは。一瞬たりとも目が離せないサクセスストーリーは、失敗を糧にして前に進む決断の物語でもあるのだ。
 
 
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本作の公開を記念して行われた試写会の前に、アン ミカさんのトークショーが開催され、自身の境遇や、成功への秘訣、そして本作の見どころについてアツいトークを繰り広げた。
ポスターのジェシカ・チャスティン演じるモリーを彷彿とさせるような、エレガンスなノースリーブのワンピース姿で登壇したアン ミカさん。開口一番「苦労があったからこそ、今がある」と力を込め、「東京に魂を売ったと言われるから週1回は大阪に帰っています!」と大阪でのトークショーにノリノリの様子。
 
 
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本作でもモリーとケビン・コスナー演じる父親との関係が、モリーの人生に大きな影響を与えているが、自身の父親との関係を振り返ったアン ミカさんは、「モデルになることを父親には反対されたので、一流モデルにならないと家には帰れない。逆にそこで(父に)認めてもらえれば家に帰れると思い、頑張りました。父からはモデルをやる以外にも資格を取り、新聞を読むようにと言われ、皆さんの役に立てるような資格を20ほど取りました。すると、オーディションでもありきたりの答えではなく、知性と輝きのある返事をすることができるのです」と父の言葉で奮起したエピソードを披露した。また、本業のモデル以外にも多方面で活躍している理由を聞かれると、「1つの事だけでなく色々なことを楽しむのが成功の秘訣。子どもの頃から安定した生活をしたことがなかったので(笑)、チャンスが複数あるとすれば、ワクワクする方を選びます。商品プロデュースも売りたいという我欲ではなく、誰かのお役に立てることを考えると自然と売れました。貧乏時代から様々な経験をしてきましたが、無駄なものは何もありません」とアンミカ流幸せを掴む生き方を紹介。
 
 
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さらに、ファッションリーダーでもあるアン ミカさんは、ジェシカ・チャスティン演じるモリーのファッションに注目し、「最初は安物の服を着ていたけれど、ある時服装をけなされ、モリーは成功するために服装が大事だと思い知ります。『同じ服を2度と着ないの』という台詞がありますが、実際90着もの衣装が用意されていたそう。自信のある女性は露出が増えますが、露出の多い服は着こなすのも大変。でもモリーが服に着られない女性になるのが分かります。モリーは所作が知的でセクシー、そして男に媚びていないのがいいですね」とその着こなしぶりから滲むモリーの成長ぶりを絶賛した。
 

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アーロン・ソーキン監督は義兄にあたるというアン ミカさん。「脚本家として優れているのはもちろんですが、今回は初監督ということで、監督としての彼の目線も入っています。ちょっとしたところに深いヒントがあり、とても展開が早いので、一瞬たりとも見逃せません」と前置きし、「人生は毎日が新しい選択の連続。この作品もまだ今39歳の女性の選択と生き方の物語です。他人の目からの幸せではなく、自分が何を幸せと感じるかを思いながら観てほしい」と観客へメッセージを送った。盛りだくさんの台詞と目まぐるしい展開が魅力の作品だが、アン ミカさんが語った注目ポイントを頭に入れると、作品の魅力が増すはずだ。ぜひ楽しんでほしい。
(江口由美)
 
 
 

<作品情報>

『モリーズ・ゲーム』
(2017年 アメリカ 2時間20分)
監督・脚本:アーロン・ソーキン 
出演:ジェシカ・チャステイン、イドリス・エルバ、ケヴィン・コスナー、マイケル・セラ 
原題:Molly’s Game/配給:キノフィルムズ/木下グループ 
facebook: @MollysGameJP 
原作:「モリーズ・ゲーム」ハーパーコリンズ・ジャパンより刊行予定
© 2017 MG’s Game, Inc.  ALL RIGHTS RESERVED
2018年5月11日(金)よりTOHOシネマズ梅田他全国ロードショー
 

midnighsun-ivent-550-2.jpgパトリック・シュワルツェネッガー来日!! 『ミッドナイト・サン』ジャパンプレミアイベントレポート

(2018年4月19日(木))
ゲスト:パトリック・シュワルツェネッガー
 


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世界一有名なシュワ息子初主演!

パトリック・シュワルツェネッガー来日!!
アイ・ラブ・ジャパン、“ I’ll be back!! ”

 
永遠のハリウッドスター、アーノルド・シュワルツェネッガーの長男で俳優のパトリック・シュワルツェネッガー(24)が、初主演映画『ミッドナイト・サン~タイヨウのうた~』(5月11日公開)プロモーションのために来日。19日に東京・新宿ピカデリーでジャパンプレミアイベントを行った。

本作は、YUI主演で2006年に公開された日本映画『タイヨウのうた』のハリウッドリメイク版。太陽の光に当たることができず夜しか外出できない病気を持つケイティ(ベラ・ソーン)と、怪我によって夢を諦めてしまった青年チャーリー(パトリック)の交流を描くラブストーリー。


midnighsun-ivent-500-1.jpg日本は3度目というパトリックだが「でも今回は特別だよ。日本の皆さんもお馴染みの作品のアメリカ版で、それをこうして日本でプロモーション出来ることがハッピーだから」と主演俳優としての初来日を喜び「しかもyuiさんにも会えることができた。とても綺麗で素敵な方。アメリカ版ができたことを喜んでくれて『泣きました』と教えてくれた。彼女は5月にバンドとしてのステージがあるようなんだけれど、僕も彼女のパフォーマンスが見たいくらいだよ」とオリジナル版ヒロインとの初対面に感激の様子だった。


一方、今回のヒロインを演じたベラについては「才能の溢れた美しい方。そんな彼女と撮影できたのは楽しい経験だったよ。彼女もここに来たかっただろうね。だって皆さんがこの作品を楽しんでくれることを誰よりも願っているんだから」と満面のパトリックスマイルこと“パトスマ”で報告した。


midnighsun-ivent-500-2.jpgまた同業者であり父親でもあるアーノルド・シュワルツェネッガーについては「僕は彼の息子であり、弟子でもあり、生徒でもある。学ぶことは沢山さ」とリスペクトし、「やりたいことへの目標を定めて、日々努力しろということを教えてくれる。ゴールを設定して、それに向かって努力することが大事。他の誰かに止められても諦めることなく、進むことが大切だといつも僕に教えてくれるよ」とアーノルド直々の人生訓を紹介した。


イベント終盤にはパトリックの来日を記念して、書道挑戦企画を実施。器用に筆を持ち、墨をつけて慎重に書いたのは「パトリック」という自身の名前。メリハリの効いた達筆なカタカナに客席から歓声が上がると「誰かほしい人いる?あげるよ!」とサービス精神旺盛だった。


midnighsun-ivent-500-3.jpg最後にパトリックは「ニッポンダイスキ!今後も映画に携わっていきたいね。そして次の作品も日本でプロモーションするために必ず帰ってくるよ」とファンに手を振り「I’LL BE BACK!」と父アーノルドの決め台詞引用で再会を力強く誓っていた。
 


midnighsun-550.jpg『ミッドナイト・サン』

≪夜しか会えない二人≫が過ごした短い時間は、
どんな瞬間も輝きに満ちている。
早くも今年最高の感涙ラブストーリーがスクリーンを席巻し、
感動の涙で包み込む!

 
太陽の光にあたることができず夜しか外出できないケイティ(ベラ・ソーン)と、怪我によって夢を諦めてしまった水泳部のチャーリー(パトリック・シュワルツェネッガー)。ある夜、彼女の歌をきっかけに2人は出会い、急速に惹かれあう。17歳の2人の初恋の甘酸っぱさと、傷ついた心を支え合う絆の強さ、小さな恋を大切に守ろうとする家族や友人たちの愛の深さは、観る者の心に「本気の恋」とは何かを語りかけてくる。

◆監督:スコット・スピアー 
◆脚本:エリック・カーステン 
◆音楽:ネイト・ウォルコット 
◆出演:ベラ・ソーン、パトリック・シュワルツェネッガー、ロブ・リグル、クイン・シェパード、ケン・トレンブレット 
アメリカ/2018年/英語/シネスコ/92分/字幕翻訳:野城尚子/原題:MIDNIGHT SUN 
◆配給:パルコ ◆提供:パルコ/バップ/松竹 
◆協力:S・D・P © 2017 MIDNIGHT SUN LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

2018年5月11日(金)~新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹、他にて全国ロードショー!


(オフィシャル・レポートより)

TheSquare-jp-500.jpg(左から)森直人さん、リューベン・オストルンド監督、菊地成孔さん


 『ザ・スクエア 思いやりの聖域』監督×菊地成孔登壇ジャパンプレミアレポート

◆実施日:4月11日(水)
◆場所:ヒューマントラストシネマ渋谷(渋谷区渋谷1-23-16 ココチビル7F)

◆登壇者:リューベン・オストルンド監督、菊地成孔(音楽家・文筆家) 
   司会:森直人(映画評論家)

 

第70回カンヌ国際映画祭 最高賞パルムドール受賞
本年度アカデミー賞® 外国語映画賞ノミネート
美術館を舞台に<毒とユーモア>で人間の本質に迫る、
傑作社会派エンタテイメント!

北欧の鬼才リューベン・オストルンド監督登壇!
監督 「恥と罪の意識こそが人間特有の感覚なんです」
なぜ今観るべきか!? 菊地成孔と本作の見どころを徹底分析!!

 
第70回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールに輝き、本年度アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』が、4月28日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ他全国順次公開されます。

このたび、本作の監督・脚本を務めたリューベン・オストルンドが緊急来日!そして、ヒューマントラストシネマ渋谷にて行われたジャパンプレミアに登壇。音楽家・文筆家の菊地成孔さんとトークショーを行いました!



満席となったジャパンプレミアの会場は、はるばるスウェーデンからやって来たリューベン・オストルンド監督が登場すると拍手喝采が巻き起こった。二部構成のトークショーでは始めに観客とのQ&Aが設けられ、客席からは次々と手が挙がりました。その後、音楽家・文筆家の菊地成孔さんとの対談がスタート。司会は映画評論家の森直人さんだ。


菊地さんは始めに「この映画を観て、私たちはヨーロッパについて知っているようで、いかに何も知らないのかということを感じましたね。福祉が行き届いた豊かな国だと思っていたら、巨大な貧富の差があってホームレスが物乞いをしていて……という」と、新たなヨーロッパ像を提示した本作の鋭さに言及した。


TheSquare-550.jpgそして話は、本作でオストルンド監督が描きたかったテーマの1つである“傍観者効果”に移った。傍観者効果とは、ある危機的状況が起きた際に、周囲が傍観し続け、誰も助けようとしない状況を指す社会心理学用語の1つ。『ザ・スクエア 思いやりの聖域』には、誰もが“こんな状況あるある!”と頷く日常に潜んだ傍観者効果の場面が次々と登場する。


そこには、オストルンド監督の“この映画を通じて、傍観者として受け身にならず、人間として助け合おうという思いやりの心を思い出してほしい”というメッセージが込められているのだ。菊地は「日本の場合はもはや傍観者効果に対して、問題意識を持たないほどこじらせているんです」とキッパリ。「だから、“傍観者効果は問題だ”と気づいているということ自体に、スウェーデンと日本の意識の違いが表れている。


映画の冒頭は、主人公のクリスティアンがあるハプニングに対し傍観者になるかどうか選択を迫られ、結局“傍観者にならない”道を選んだところで、新たなハプニングに巻き込まれる。そういうところが、傍観者効果に対して、すごく知的に描かれていると感じました」と述べた。


TheSquare-500-3.jpgさらに菊地さんは、「現代アートの世界の裏側を描いた作品というのは、映画史上初めてでしょう。“砂山を作っただけで大金がもらえるってどうなのよ”という、誰もが感じたことはあるだろうけど誰も言えなかった、そんな疑問を初めて扱った」とその革新性を分析。それに対しオストルンド監督は「劇中、美術館で起きる出来事の多くは、実際に起きたことがベースになっています。例えば、ボローニャのとある現代美術館では、清掃係がゴミだと思って間違って作品を片付けてしまったというハプニングがありました。煙草の吸殻と古いシャンパングラスを置いただけの作品だったようですが、その作品に約500万ユーロの保険がかかっていたので、どうしたものかと関係者は頭を抱えたそうです」と衝撃的なエピソードを明かし、観客からは驚きの声が上がった。


また、菊地さんがそうした本作の風刺的なスタイルをモンティ・パイソン的だと評すると、オストルンド監督は「モンティ・パイソンは私も大好きです!」と微笑んだ。続けて、「それと、フェリーニの『甘い生活』も思い出しました」と菊地さん。「“神なき世界で人がどう倫理的に生きるべきなのか”というヨーロッパ的な命題を、どちらも描いているなと。それに『甘い生活』は、ゴシップ紙のカメラマンという、それまではとても映画の題材にはできなかったような職業を対象にしていましたが、主人公が変わった職業という点や、その他にも主人公がスーツ姿だったり、突飛なストーリーはなくても印象的なシーンがたくさんあったり、『ザ・スクエア思いやりの聖域』と『甘い生活』には共通点が結構あるなと思いました。でも、『甘い生活』よりもこっちの方がユーモラスで苦いですね」と、映画史上の巨匠監督による名作と並べながら、ヨーロッパ映画としての観点から『ザ・スクエア 思いやりの聖域』を絶賛した。


すると、オストルンド監督は「私は、ハリウッド的な勧善懲悪には同意できないんです」と一言。「なぜなら、私たちの誰もが、良いことをする可能性もあれば、悪いことをする可能性もある。だから私は、脚本を書くときにあえて登場人物をあるジレンマに落とし込むんです。監督の私自身が“あぁ、こんなことやっちゃうよな”って思えなければ、その映画は失敗です。私の映画は全て、社会学的なアプローチを取っています。


今のメディアは、何か問題が起きた時にある個人に罪をなすりつけがちです。しかし、社会学は誰かが失敗しても、その個人に罪をなすりつけません。むしろ、そこに興味を持つんです。“そうか、私たちはこういうことができないんだ”って。だからこそ、現代は社会学的なアプローチがより必要とされている時代なんです」と続けると、菊地も「今はネットの炎上とかも頻繁にありますし、社会学的アプローチが必要と言うのはそういう意味もあるでしょう。罪の意識の変化ですね。この映画では、社会の中で何が罪なのかが問われているんですね」とうなずいた。


TheSquare-500-2.jpgさらにオストルンド監督は、こう話した。「私は、日本や東アジアの文化にも、北欧と似ている部分はあると思います。それは、面目を失うのを恐れるということです」と語り、「私の前作『フレンチアルプスで起きたこと』では、旅行先のゲレンデで雪崩が起き、父親が家族を見捨てて逃げ出すという物語の要になる場面があります。大事故にはならず父親は戻ってきますが、家族はもう彼をそれまでのようには見られません。自分に期待される役割を果たせなかったことに、父親は強い恥を感じます。この映画で私は、恥という感覚の普遍性を描こうとしました。


例えば、エストニアの沈没事故とか、多くの人命が失われた事故や災害では、統計を見ると実は生存者は男性が多数なんです。女性を先に助けようと言っているのに、男性の生存本能が勝って利己的な行動に出ている。生存本能は、倫理的な規範をとりはらう。しかし、一方でこんなことがあります。韓国で起きたセウォル号沈没事故で、生徒たちを見捨てて生き残った教師がいました。生存本能が勝ったわけです。しかし、その後、彼は自殺してしまったのです。生存本能が強くても、最終的には恥が勝ってしまった。それほど恥は人間に強い影響を与え、人間と言う動物だけが、唯一その恥の感覚を持っているんです」と、本作が描くのは決してスウェーデンやヨーロッパに限らない、普遍的な問題を扱っていると伝えた。


トークはどんどん白熱し、まだ話したりないといった空気の中、終了の時間に。最後にオストルンド監督は、「今日は皆さん、本当にありがとうございました!」と観客に感謝を伝え、「現在私は次回作を企画中で、“Triangle of Sadness”というタイトルの、男性ファッションモデルを主人公にした“美”がテーマになる予定です」と次回作をすかさずアピール。オストルンド監督が一貫して描き続ける、人間社会の普遍的な問題を扱う悲喜劇となりそうだ。今後のそうした彼の活躍を見届けるためにも、オストルンド監督の作家性が最高のかたちで表れている『ザ・スクエア思いやりの聖域』は何よりも今こそ観るべき映画だ――観客の誰もがそう強く実感する中で、ジャパンプレミアは幕を閉じた。

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【リューベン・オストルンド監督プロフィール】
1974年、スウェーデン西海岸の小さな島、スティルソに生まれる。2005年、長編デビュー作『Gitarrmongot(原題)』(04)を監督。長編2作目『インボランタリー』(08・未)がカンヌ国際映画祭のある視点部門でプレミア上映。長編3作目の『プレイ』(11・未)はカンヌ国際映画祭の監督週間でプレミア上映され、‘Coup de Coeur’賞を受賞した。長編4作目の『フレンチアルプスで起きたこと』はカンヌ国際映画祭のある視点部門でプレミア上映され、審査員賞を受賞。数々の映画祭に出品され、16の外国映画賞を獲得。最新作である『ザ・スクエア 思いやりの聖域』で第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に初出品され、パルムドールを受賞。これまでに24の映画賞を受賞、30のノミネートを果たしている。


【菊地成孔さんプロフィール】
1963年、千葉県に生まれる。1985年にミュージシャンとしてプロデビューを果たし、ジャズを中心に活動。現在は「菊地成孔とペペトルメント・アスカラール」、「菊地成孔ダブ・セプテット」として活動する他、作詞提供やプロデュースも行い、『パンドラの匣』(09)、『素敵なダイナマイトスキャンダル』(18)など映画のサウンドトラックも手がけている。主な著作に「歌舞伎町のミッドナイトフットボール」、「ユングのサウンドトラック」、「レクイエムの名手菊地成孔追悼文集」「菊地成孔の欧米休憩タイム」など。TBSラジオ「菊地成孔の粋な夜電波」ではメインパーソナリティを務めている。


『ザ・スクエア 思いやりの聖域』 

・THE SQUARE 2017年  スウェーデン、ドイツ、フランス、デンマーク合作 2時間31分
・監督・脚本:リューベン・オストルンド『フレンチアルプスで起きたこと』  
・製作:エリック・ヘルメンドルフ『フレンチアルプスで起きたこと』、フィリップ・ボベール『散歩する惑星』  
・撮影:フレドリック・ウェンツェル『フレンチアルプスで起きたこと』
・出演:クレス・バング、エリザベス・モス、ドミニク・ウェスト、テリー・ノタリー他
・後援:スウェーデン大使館、デンマーク大使館、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本

・© 2017 Plattform Produktion AB / Société Parisienne de Production / Essential Filmproduktion GmbH / Coproduction Office ApS

2018年4月28日(土)~シネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ、シネ・リーブル神戸、京都シネマ 他全国順次公開
公式サイト⇒ http://www.transformer.co.jp/m/thesquare/
・作品紹介⇒ こちら


(オフィシャル・レポートより)

 

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『エル ELLE』ポール・ヴァーホーヴェン監督、主演イザベル・ユペールトークショー@フランス映画祭2017


「見るのが大変なシーンは多いが、私にとって大変なシーンはない」
イザベル・ユペール、唯一無二のヒロインの内面を語る。

 

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『氷の微笑』ポール・ヴァーホーヴェン監督が、イザベル・ユペールを主演に迎え、フィリップ・ディジャン(『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』)原作をオールフランス人キャストで撮りあげた『エル ELLE』。自宅で覆面男に襲われたゲーム会社社長のミシェルが復讐を企てるうちに、自らの知られざる本性が明らかになっていく様をサスペンス調に描いている。イザベル・ユペール演じるミシェルの予測不可の行動は、時にセンセーショナルで、時に滑稽さも滲む。犯人捜しをしているつもりが、いつの間にかミシェルの内面を覗き見たいという衝動に駆られることだろう。
 
フランス映画祭2017での上映後、ポール・ヴァーホーヴェン監督と、主演イザベル・ユペールさんが登壇し、観客から大きな拍手が送られた。2年連続の映画祭来場に観客からは「名誉団長として毎年来場してほしい」とユペールさんにラブコールが起こるなど、熱気あふれる会場で行われたトークショーの模様をご紹介したい。
 

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―――父が連続殺人鬼であることが主人公ミシェルの本性に大きな影響を与えているように感じるが、ミシェルの本当の性格をどう思うか?
ユペール:自分自身を滅ぼしてしまう部分はあるかもしれませんが、この出来事を通じてミシェルはある種の再構築するのではないかと考えています。もしかしたら父が連続殺人鬼なのが、もしかしたらその説明になるかもしれないが、映画ではそのことが必ずしもリンクしているのではなく、それは一つの情報として提供されています。そこは観客の皆さんが自由に解釈していただく部分です。
 
ミシェルはレイプされるという暴力的な出来事を、ポジティブとは言わないまでも、何か自分の頭の中で、自分は誰かということと関連づけていきます。非常に男性的な暴力はどこからくるのか、自分自身が直面することで知りたいと思っているのかもしれません。冷酷さがミシェルの原動力になっている訳ではありません。
 

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―――監督はユペールさんとミシェルのキャラクターについて話し合いをしたのか?
監督:一切していません。どういう風に撮るのかのプランや、レイプのシーンで危険な事故が起こらないような話し合いはしましたが、キャラクターの動機は一切ディスカッションしていません。それはするべきではないと考えていました。フロイト的な分析にしかならず、映画を作る助けにはならないのです。ユペールさんを信用していたので、我々は見ているだけでした。
 
―――ミシェルは幼い頃父親が犯した連続殺人により、トラウマ的体験をしているが、ミシェルのレイプ事件とそれぞれモデルになるような事件はあったのか?
監督:ミシェルが10才のときに経験したことが、その後の彼女にどう影響したのか。レイプ犯とサドマゾ的関係になることと結果的につながるのかは全く小説では描かれていませんし、この映画でもそうです。ミシェルというキャラクターを生み出し、実際に事件を経験した少女が数十年後にどうなるかを筆者は掘り下げて書いていったのだと思います。
父親についてはノルウェーで70名ぐらいの殺人を犯した事件があり、そのキャラクターをベースにしているそうです。
 
―――撮影で一番大変だったシーンは?
ユペール:見るのは大変なシーンはあると思いますが(笑)、私にとって大変なシーンはありません。私にとって一番大変なのは鳥が死ぬシーンです。この映画のテーマは命ですし、こんな小さな命をもミシェルは救おうとする訳で、いかに命が大切かにつながっていきます。
(江口由美)
 

<作品情報>
『エル ELLE』“ELLE”
(2016 フランス=ドイツ=ベルギー 2時間11分)
<監督>ポール・ヴァーホーヴェン
<出演>イザベル・ユペール、ロラン・ラフィット、アンヌ・コンシニ他
2017年8月25日(土)~TOHOシネマズシャンテ、大阪ステーションシティシネマ、京都シネマ、神戸国際松竹 他全国ロードショー
(C) 2015 SBS PRODUCTIONS - SBS FILMS- TWENTY TWENTY VISION FILMPRODUKTION - FRANCE 2 CINEMA - ENTRE CHIEN ET LOUP
 
 

Dancer-kusakari-550.jpg映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』公開記念イベントレポート

草刈民代、ポルーニンを絶賛!!
「最初、彼の才能を疑っていたが、YouTubeを観て本物だと確信した」


2017年7月15日(土)よりBunkamuraル・シネマ、新宿武蔵野館ほかにて公開中の『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』。公開初日より連日満席が続出するなど、大反響をいただいております。本作の公開を記念し、女優の草刈民代さんと舞踊評論家の乗越たかおさんが登壇、満席のBunkamuraル・シネマにてトークが繰り広げられました。


【イベント概要】

■日時:2017年7月17日(月・祝)10:30の回上映後 
■会場:Bunkamura ル・シネマ(東京都渋谷区道玄坂2丁目24−1)
■ゲスト:草刈民代(女優) [聞き手]:乗越たかお(舞踊評論家)


 
dancer-pos.jpg女優の草刈民代が17日、都内・Bunkamura ル・シネマで行なわれた映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』の公開記念イベントに出席。「こんな天才ダンサーが現れたことがあっただろうか」と熱いコメントを寄せた草刈が、自身のバレリーナ時代の経験を重ねながら、ポルーニンへの思いを語った。なお、この日は、舞踊評論家の乗越たかおが聞き手を務めた。


本作は、孤高の天才ダンサー、ポルーニンの知られざる素顔に迫るドキュメンタリー。19歳で名門・英国ロイヤル・バレエ団の史上最年少プリンシパルに選ばれるが、人気絶頂期に電撃退団。果たしてその真意とは?全身にタトゥーを纏い、決して型にはまらないバレエ界きっての異端児ポルーニンの生き様を、本人や家族、友人、関係者らのインタビューを交えながらひも解いていく。


映画の予告編でポルーニンの美しい舞に魅せられ、YouTubeで彼のパフォーマンスを何度も観たという草刈。「小さい画面で観てもその凄さがわかった。若いダンサーで素晴らしい人はたくさんいますが、その中で群を抜いている。ミハイル・バリシニコフやルドルフ・ヌレエフに次ぐ才能」と絶賛し、本作を観てさらにその思いは確信へと変わったという。


Dancer-500-3.jpgポルーニンに才能を持て余す危うさがあるのでは?という指摘に対して草刈は、「危ういというよりも、出来上がるのが早過ぎたのでは?もともとのポテンシャルが高い上に、努力も群を抜いていたので、スタートラインが全く違う。だから、子供の頃からバレエだけをやってきた彼が、『踊ることに何の意味があるのだろう?』とふと気付いたところから、自分自身の模索が始まったのだと思う」と分析。


中でも印象に残っているのが、本番前、楽屋で大量の薬を飲むシーンを挙げる。「痛み止めの薬を飲むとか、注射をするとか、栄養剤で気合いを入れるとか、私も何度も経験がありますが、心臓の薬まで飲んでいるのには驚きました。普通、怖さが先に立つものですが、彼は、そこまでやらないと自分の納得した踊りができないから平気で飲める。現在は危険だからやめたそうですが、踊りと身体のバランスを取るために自問自答する時間が必要なんでしょうね。モーツァルトと同じ、あまりにも早熟過ぎたがゆえの悩みですね」


Dancer-500-7.jpgまた、時代の違いにも触れた草刈は、「昔のダンサーは、国を背負って踊っていたので、『やめる』という選択肢はなかったと思う。ところが、ポルーニンの時代はロシアも自由になり、才能があれば中学生や高校生でもロイヤル・バレエ団に留学することもできる。彼の苦悩は、自由の中で育ってきたからこその模索のように思います。私の時代もそうでしたが、身体が衰えて、本当に踊れなくなる時期が来て、初めて踏ん切りがつく。それが普通だと思うんですよね」


 「僕はダンサーであるよりは、1人のアー ティストでありたい」とポルーニンは語っているが、早くも12月公開の映画『オリエント急行殺人事件』に出演し、俳優としての活動をスタートさせている。現役時代、『Shall we ダンス?』で映画デビューを果たした草刈にとって、そんな彼の活動はどう映っているのだろうか?「『Shall we ダンス?』に出演する前は、バレエ以外のお仕事はノイズでしかなかったけれど、主人(周防正行監督)に、『たくさんの人に知ってもらうことの大切さ』を教えられ、考え方が180度変わりました。ただ、私の場合、現役時代はあくまでもバレリーナを貫きましたが」と述懐する。


ダンサーとして、あるいはアーティストとして、10年後のポルーニンが楽しみだと言う草刈。「1度映画に出たからといって芝居がわかるわけでもない。映画を経験して、そこに何を見出だして、何を目指していくのか。あるいは芝居ではなく、やはり自分には踊りしかないと思って、バレエをさらに深めていかもしれない。10年後、彼がどの立ち位置にいるのかをぜひ見届けたい」と、最後は期待を込めて締めくくった。
 


草刈民代(くさかり・たみよ)プロフィール】
1984年に牧阿佐美バレエ団に入団。以降同バレエ団の主役を数多く務める。国立モスクワ音楽劇場、レニングラード国立バレエなど海外のバレエ団へのゲスト出演も数多い。'81年頃から広告、TVCMなどにも起用されるようになり注目を浴びていたが、'96年に映画「Sall Weダンス?」(周防正行監督)に主演。社会的現象になるほど話題作品となり、女優として数々の賞も受賞した。'99年、故ローラン・プティ氏により「若者と死」死神役に選ばれ、プティ氏から厚い信頼を受ける。これ以降プティ作品は最も得意なレパートリーとなり、その数は11作品に及ぶ。'09年、自ら企画・構成・プロデュースした舞台を最後にバレリーナを引退。日本のバレエを一般に広めることに大きく貢献し、日本人バレリーナに新たな可能性を示した。2009年以降、本格的に女優として活動。最新作は2017年10月公開、映画『月と雷』が控えている。 


Dancer-550.jpg【映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』作品情報】

 <ヌレエフの再来>と謳われる類まれなる才能と、それを持て余しさまよう心――
19歳で英ロイヤル・バレエ団の史上最年少プリンシパルとなるも、人気のピークで電撃退団。バレエ界きっての異端児の知られざる素顔に迫ったドキュメンタリー。


ウクライナ出身で、19歳の時、史上最年少で英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルとなったセルゲイ・ポルーニンは、その2年後、人気のピークで電撃退団。そのニュースは国内メディアのみならず、世界中に報道された。
スターダムから自滅の淵へ――様々な噂が飛び交う中、彼が再び注目を集めたのは、グラミー賞にもノミネートされたホージアのヒット曲『Take Me To Church』のMVだった。写真家のデヴィッド・ラシャペルが監督し、ポルーニンが踊ったこのビデオはyoutubeで2,000万回以上再生され、ポルーニンを知らなかった人々をも熱狂の渦に巻き込んだ。
<ヌレエフの再来>と謳われる類い稀なる才能と、それを持て余しさまよう心。本人や家族、関係者のインタビューから見えてくる彼の本当の姿とは…?


監督:スティーヴン・カンター
『Take Me To Church』演出・撮影:デヴィッド・ラシャペル
出演:セルゲイ・ポルーニン、イーゴリ・ゼレンスキー、モニカ・メイソン他
配給:アップリンク・パルコ
(2016年/イギリス・アメリカ/85分/カラー、一部モノクロ/16:9/DCP/原題:DANCER)

★公式サイト⇒ http://www.uplink.co.jp/dancer/
★作品紹介⇒ こちら
★セルゲ・ポルーニン インタビュー⇒ こちら


2017 年7 月15 日(土)~Bunkamura ル・シネマ、新宿武蔵野館、シネ・リーブル梅田、7/22(土)~シネ・リーブル神戸、8/19(土)~京都シネマ、9/30(土)~豊岡劇場 ほか全国順次公開


(オフィシャルレポートより)

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 バレエ界の優雅な野獣 セルゲイ・ポルーニン、東京藝大に降臨
圧巻のパフォーマンスに鳴り止まない拍手と歓声!

「アーティストは世の中を導ける存在だ」

 
7月15日(土)よりBunkamuraル・シネマ、新宿武蔵野館ほかで公開の『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン世界一優雅な野獣』。公開に先駆け芸術の総本山である東京藝大学のコンサートホール、奏楽堂にてライブプレミアイベントを開催。上映後には、YouTubeで1900万回以上も再生された『Take Me To Church』のダンスパフォーマンスとトークイベントを行いました。 


映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン世界一優雅な野獣』
ライブプレミアイベントwithセルゲイ・ポルーニン

【日時】:2017年4月27日(木)18:30開場/19:00開映
【会場】:東京藝術大学奏楽堂(台東区上野公園12-8)
【出演】:セルゲイ・ポルーニン
【プレゼンテーター】:箭内道彦



Dancer-550.jpg映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン世界一優雅な野獣』の日本公開を記念したライブプレミアイベントが27日、東京藝術大学・奏楽堂にて行なわれ、2011年の公演以来、6年ぶりの来日を果たしたセルゲイ・ポルーニンが出席。本編上映後のステージでは、YouTubeで1,900万回以上も再生された独創的なパフォーマンス『Take Me To Church』を生披露し、続くトークコーナーでは、プレゼンターを務めたクリエイティブディレクター・箭内道彦氏と共にアートへの思いを熱く語った。本作は、誰よりも美しく舞い、誰よりも高く跳ぶ、孤高の天才ダンサー・ポルーニンの知られざる素顔に迫るドキュメンタリー。19歳で名門・英国ロイヤル・バレエ団の史上最年少プリンシパルに選ばれるが、その2年後、人気絶頂期に電撃退団。果たしてその真意とは?全身にタトゥーを纏い、決して型にはまらないバレエ界きっての異端児ポルーニンの生き様を、本人や家族、友人、関係者らのインタビューを交えながらひも解いていく。


Dancer-ivent-240-2.jpg上映会が終了し、暗闇の中から瞑想するように登場したポルーニン。アイルランド出身の世界的ミュージシャン、ホージアの楽曲『Take Me To Church』に乗せて、劇中にも登場したあの伝説のパフォーマンスを生披露。正面にパイプオルガンが鎮座する特設ステージをフルに使ったダイナミックなターン&ジャンプ、優雅でセクシーな身のこなし…鍛え抜かれた肉体の躍動に、観客は息をのむばかり。圧巻のパフォーマンスが終了すると、堰を切ったように客席から「ブラボー!」の歓声が飛び交い、万雷の拍手が沸き起こった。

 

 

箭内氏がMCを務めたトークコーナーでは、アートに対する熱い思いを真摯に語ったポルーニン。「アートというものをどう捉えているか?」というストレートな質問に対しては、「私にとってアートは、優雅で美しいものを生み出すこと。それが人々の心に届き、日々の暮らしに足りないものを補うのだと思います。もしこの世の中がパーフェクトだったらアートはいらない。ところが悲しいことに、世界は戦争やテロなど悪事に溢れている。だからこそアートは存在するのではないかと思います」

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Dancer-ivent-240-1.jpgこれに同調した箭内氏は、「ここ数百年の中で、最もアートが必要とされている時かもしれない」と投げ掛けると、ポルーニンも「アーティストは世の中を導ける存在だと思っています。火星に行くロケットも、建築物も、洋服も、何もかも、それをつくるアーティストがいなければ存在しない。何かを生み出すところに全てアートが存在する。どんな仕事でも、クリエイティブであれば、それはアートだと私は思います。だから国を動かす政治家も、もっとクリエイティブなヴィジョンや創作といったものにもっと目を向けるべき」と話した。最後に、これからアートの世界へ入っていく若者たちに向けてポルーニンは、「失敗を怖れず勇気を持って挑んでほしい。例えば、飛行機が高度を上げ過ぎると不安定になり、安定する位置まで高度を下げようとしますが、私の場合、高いところに留まって、必死に維持しようと努力する自分をイメージします。そしてもう一つ大切にしてほしいのは、孤独であることを怖れず、ありのままの自分でいること」と言葉を噛みしめる。「その場所が自分にとって心地良すぎると感じたら、そこから立ち去る」というポルーニン。

常に苦難の道に挑み続けるからこそ、その佇まいは優雅で美しく、そして誰も手出しできない野獣の威厳に満ちているのかもしれない。
 



【映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン世界一優雅な野獣』について】 

Dancer-500-1.jpg<ヌレエフの再来>と謳われる類まれなる才能と、それを持て余しさまよう心―― 19歳で英ロイヤル・バレエ団の史上最年少プリンシパルとなるも、人気のピークで電撃退団。バレエ界きっての異端児の知られざる素顔に迫ったドキュメンタリー。途方もない才能に恵まれ、スターになるべく生まれたセルゲイ・ポルーニン。しかし彼はその運命を受け入れなかった。バレエ界のしきたり、天才ゆえの重圧、家族の関係。スターダムから自滅の淵へ――様々な噂が飛び交う中、彼が再び注目を集めたのは、グラミー賞にもノミネートされたホージアのヒット曲『Take Me To Church』のMVだった。写真家のデヴィッド・ラシャペルが監督し、ポルーニンが踊ったこのビデオはYouTubeで1800万回以上再生され、ポルーニンを知らなかった人々をも熱狂の渦に巻き込んだ。<ヌレエフの再来>と謳われる類い稀なる才能と、それを持て余しさまよう心。本人や家族、関係者のインタビューから見えてくる彼の本当の姿とは…?


監督:スティーヴン・カンター/『Take me to church』
演出・撮影:デヴィッド・ラシャペル/
出演:セルゲイ・ポルーニン、イーゴリ・ゼレンスキー、モニカ・メイソン他
配給:アップリンク、パルコ
(2016年/イギリス、アメリカ/85分/カラー/16:9/DCP/原題:DANCER)
(C)British Broadcasting Corporation and Polunin Ltd. / 2016
公式サイト⇒ http://www.uplink.co.jp/dancer/

2017年7月15日(土)~Bunkamuraル・シネマ、新宿武蔵野館、近日公開~シネ・リーブル梅田、京都シネマ、シネ・リーブル神戸 ほか全国順次公開


(オフィシャルレポートより)

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高さ日本一の観覧車を桜色に!

神木隆之介、清原果耶、加瀬亮が

大阪・EXPOCITYで3000人超を熱狂の渦に!


【大阪プレミアムレッドカーペットイベント】
 

映画『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督の最新作で、神木隆之介ら豪華キャストが出演する映画『3月のライオン』。現在絶賛公開中の【前編】に引き続き、4月22日(土)には【後編】が公開される。その前編公開記念と後編の大ヒット祈願を兼ねて、主演の神木隆之介、共演の清原果耶、加瀬亮が4月1日、大阪に参上!EXPOCITYで大阪プレミアムイベントを実施し、同所にある高さ日本一を誇る観覧車「REDHORSE OSAKA WHEEL(オオサカホイール)」を桜色に点灯した。


神木ら一行は3000人超の観客の大声援を浴びながら、レッドカーペットに登場。円形に配されたレッドカーペットを映画タイトルが書かれた特製のLEDフラッシュボールを投げつつ歩き、ファンとの交流を楽しんだ。


ステージに登場した神木は「寒いっすね」と春先とは思えぬ夜の寒さに縮こまりながら、艶やかワンピの清原に「寒そうだね」と声をかけて笑わせつつ「大阪は何度か仕事で来ていますがいつも日帰りなので、いつかゆっくりできれば」とナニワを満喫したい様子。大阪出身の清原は「この場所は観覧車が出来る前に来たことがあります」と懐かしそうだった。


同映画のイベント初参加の加瀬は「誤解を招くかもしれないが」と切り出すと「この映画は将棋の映画ではありません」と驚きの発言。観客から「え~!?」との戸惑いの声が上がると「将棋を題材にはしているけれど、本気で何かに打ち込んだことのある人、立ち止まって先に進めなくなった人とか、将棋に限らず何かに思いをかけたことがある人すべてに見てほしい」と人間ドラマが核になっていることを強調した。


それに神木も同意する形で「僕が演じた桐山零という高校生のプロ棋士が、様々な人に会って孤独を溶かしていく成長の物語でもある。戦いの前編、愛の後編と呼ばれているけれど、2つで1つの作品です。皆さんを後押しするような、寄り添えるような存在の映画になれば」と思いを込めた。


一方、川本3姉妹・次女を演じた清原は撮影を「休憩時間に神木さんがマジックを見せてくれたり、一緒にゲームをしたり和気あいあいでした」と和やかに回想。すると棋士役の加瀬は「ビックリした!」と目を丸くし「将棋パートはカットがかかるたびに皆が凄く疲れたような表情を浮かべていた。まったく違う雰囲気でしたね」とテイストの違いに驚いていた。


3lion-expo-500-1.jpgそしてイベントは、待ちに待った観覧車の点灯式に。司会者が点灯式を忘れてフォトセッションの指示を出してしまう天然エイプリルフールな一幕もあったが、「俺一人じゃ寂しい」という神木発案で点灯の合図は大阪らしく「おおきに!」と全員で声掛けすることに。関西人の清原から「大丈夫!」とイントネーションのお墨付きを得た神木と全員が一体となって、日本一の高さを誇る観覧車を桜色に染めた。


神木は「点灯式の経験があまりないので、いい思い出として残りました」と寒さも吹き飛んだ笑顔で「大阪の皆さんの温かさを実感しています。後編も、何かに悩んでいるような方に寄り添える作品になれば嬉しい。観客の皆さんが温かい気持ちになって『いい作品だった』と言ってもらえたら」と後編公開ラストスパートに意気込んだ。
 



『3月のライオン』

【STORY】

3lion-550.jpg中学生でプロ棋士としてデビューした桐山零は、東京の下町に一人で暮らしている。幼い頃に交通事故で家族を失い、父の友人である棋士の幸田に引き取られたが、ある事情から家を出るしかなかったからだ。深い孤独を抱えてすがりつくように将棋を指し続けていたある日、零は近隣の町に住む川本家の3姉妹と出会い、彼女たちとのにぎやかな食卓に居場所を見出していく。温かな支えを胸に、闘いへと飛び込む零。それは、様々な人生を背負った棋士たちが、頭脳と肉体と精神のすべてを賭ける壮絶な闘いだった……。


ところが、ある事件が川本家を襲い、さらに3姉妹を捨てた父親が現れ、耳を疑う要求を突き付ける。一方、幸田家も親子の対立から崩壊へと向かっていく。大切な人たちを守るため、強くなるしかない。新たな決意のもと最高峰を決める獅子王戦トーナメントに挑む零。トップには、将棋の神の子と恐れられる宗谷名人が待ち受けていた――。
 


監督:大友啓史
出演:神木隆之介 有村架純 倉科カナ 染谷将太 清原果耶佐々木蔵之介 加瀬亮 伊勢谷友介
前田吟 高橋一生 岩松了 斉木しげる 中村倫也 尾上寛之 奥野瑛太 甲本雅裕 新津ちせ 板谷由夏
伊藤英明 / 豊川悦司
原作:羽海野チカ「3月のライオン」(白泉社刊・ヤングアニマル連載)
配給:東宝=アスミック・エース (C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会

『3月のライオン』【前編】 絶賛上映中 【後編】 4月22日(土)~ 2部作連続・全国ロードショー!


(プレスリリースより)

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フリーアナウンサー 加藤綾子さん『天使にショパンの歌声を』映画イベント初登壇!

 

音楽の力で閉鎖の危機に追い込まれた学校を守ろうと奮闘する教師と生徒たちを瑞々しく描いた映画『天使にショパンの歌声を』が、1月14日(土)より全国公開されます。それを記念し、本作の内容にちなみ、音楽の教員免許をお持ちで、音楽とともに青春時代を歩まれてきたフリーアナウンサーの加藤綾子さんをゲストにお迎えしたトークイベントを開催されました。

加藤さんは白のドレープが美しい「Akira Naka」のドレスを艶やかに着こなして登場、イベントに華を添えてくれました。


tenshini-ivent-500-1.jpg映画『天使にショパンの歌声を』公開直前トークイベント
●日時:2017年1月11日(水)

●会場:エスパス・イマージュ アンスティチュ・フランセ東京
●ゲスト:加藤綾子さん(フリーアナウンサー)、合唱:国立音楽大学室内合唱団カンマーコールの皆さん


【加藤綾子さんコメント】
 

Q.映画をご覧になっていかがでしたか?
A.大学時代を思い出して懐かしくなりました。先生と生徒が音楽を通して結びつきが強くなる姿に感動しました。音大は先生も生徒も個性的な方が多いのですが、音で心を通わせていて、その様子がきちんと描かれていると思います。


Q.どんな大学生活を送っていましたか?
A.授業がみっちりと詰まっていました。学校と家が離れていたこともあって、朝6時頃には家を出発して授業に臨んだり、ピアノの練習をしたりしていました。不思議なのは、最初は怖いと思っていた先生に教わることになっても、最後には必ずその先生を好きになることですね。なので、先生との出会いには恵まれていたと思います。


tenshini-ivent-500-2.jpgQ.音楽の先生を目指したきっかけは?
A.祖父が教師をしていて、先生というものに憧れていました。教育実習は、大学の付属中学へ行ったのですが、生徒がみんな可愛かったですね。もし、実際に先生として働いていたら、おちゃらけた先生になっていたかもしれないです。


Q.これからの目標はありますか?
A.アナウンサーとしての活動ももちろんですが、プライベートも充実させていきたいです。結婚と出産も夢なので、いつかは結婚して、お母さんになりたいと思っています。


Q.どんなお母さんになりたいですか?
A.やはり、自分の母親のようなお母さんになりたいです。子供には、ぜひピアノを習わせたいと思っています。


<ストーリー>
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白銀の世界に佇む小さなカナダの寄宿学校。そこは音楽教育に力を入れ、コンクール優勝者も輩出する立派な名門校だった。
しかし、ケベックの急速な近代化により、修道院による学校運営が見直され、採算の合わない音楽学校は閉鎖の危機に直面することに。校長であり教育者であるオーギュスティーヌは必死に抵抗し、音楽の力で世論を動かす秘策を考える。一方、転校してきたばかりの姪のアリスに天性のピアニストの才能を見出すが、アリスは一筋縄ではいかない問題児。オーギュスティーヌは、孤独で心を閉ざしたアリスに、音楽の素晴らしさを教えようとするのだが…。


◆監督:レア・プール 『天国の青い蝶』『翼をください』
◆出演:セリーヌ・ボニアー『アサインメント』、ライサンダー・メナード、ディアーヌ・ラヴァリー、ヴァレリー・ブレイズ、ピエレット・ロビタイユ、マリー・ティフォ、エリザベス・ギャニオン
カナダ/2015/フランス語/カラー/103分/G指定 
配給:KADOKAWA 
公式サイト:  http://tenshi-chopin.jp

(C)2015-9294-9759 QUEBEC INC. (une filiale de Lyla Films Inc.)

2017年1月14日(土)~ 角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA、シネ・リーブル梅田、神戸国際松竹、MOVIX京都 他全国ロードショー


(プレスリリースより) 

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窪塚洋介、マーティン・スコセッシ監督最新作は「懐の深い作品」。
『沈黙 −サイレンス−』スペシャルトークイベントin関西学院大学
登壇者:窪塚洋介(『沈黙 −サイレンス−』キチジロー役)
    関西学院大学細川正義教授(遠藤周作研究者)
    ノートルダム清心女子大学山根道公教授(遠藤周作学会会員)
 
巨匠マーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の代表作であり、世界中で読み継がれている『沈黙』を完全映画化、2017年1月21日(土)から全国公開される。激しいキリシタン弾圧下にあった江戸時代初期の長崎を舞台に、信じるとは何か、何を信じるのかを問う深淵で尊い物語を、ハリウッドや日本からキャスト、スタッフが結集して作り上げた渾身作だ。
 
全国公開を前に、12月16日、遠藤周作が若い頃に過ごしたゆかりの地、仁川にある関西学院大学にて『沈黙 −サイレンス−』スペシャルトークイベントが開催され、隠れキリシタンのキチジローを演じた窪塚洋介と、遠藤周作研究者の関西学院大学細川正義教授、遠藤周作学会会員のノートルダム清心女子大学山根道公教授が登壇した。『沈黙 −サイレンス−』の撮影秘話や、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙』と向き合う姿勢および解釈について、熱いトークが交わされた模様をご紹介したい。
 

 

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―――マーティン・スコセッシ監督の『沈黙 −サイレンス−』を実際に試写でご覧になった感想は?
窪塚:懐の深い作品。自ら答えに到達するための事実を積み重ねています。スコセッシ監督はとても日本に敬意を示してくださり、ワンカットごとに、日本人キャストに顔が見えるところまで来て「良かった」と言ってくれました。京都・太秦の職人たちも撮影現場に呼ばれ、カツラをつけたりしていましたが、職人の皆さんにまで敬意を払っていました。時代考証から長崎弁がきちんとしゃべれているかまで、すごく繊細にチェックを入れてくれたので、うれしかったしやる気も出たのです。かなり寒くて震えながら撮影していましたが、それも喜びの一つ。参加できたことがうれしかった。おととい試写で作品を観たときに思わず手を合わせて「ありがたい」と思いました。
 
―――映画で一番伝えたいことは?
窪塚:「答えを自分の中で見つける」ということ。一人一人の中に答えがいくらでもある。それでいいと背中を押してくれる作品。だから神は沈黙していると思っているし、そこに意味があります。スコセッシ監督は、目線が本当にフラットで、キリスト教賛美でもなく、仏教賛美でもなく、僕らにゆだねてくれる。僕は、そこがこの作品の一番の醍醐味だと思っています。
 
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―――窪塚さん演じるキチジローは、非常に精神的な揺れのある役ですが、演じる上でどう解釈したのですか?
窪塚:醜く、弱く、ずるい、負のデパートみたいな書かれ方をしていますが、例えば踏み絵を踏むという行為一つとっても、踏んでしまう弱さという言い方と、踏むことのできる強さという言い方があります。絶対にだれも踏めないときに踏むのは、実際弱いことなのか、強いことなのか、もはや分からないのではないでしょうか。原作では独白がないキャラクターで、誰かを目線を通してのキチジローなので、余白がすごく多い人物でした。これだけ重厚で、史実に忠実な中、余白に何が埋まれば俺はキチジローを生きられるのか。そう考えたとき、イノセントさがキーワードになりました。イノセントだから弱く、強く、裏切ってしまう。子どもの頃のまま成長してしまったという役の捉え方をしました。スコセッシ監督が「28年間描きたいと思っていた作品の、一番大事なキチジローが本当のキチジローとしてここにいる」と言ってくれたのは本当にうれしかったです。
 

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―――キチジローを演じる上で、心がけたことは?
窪塚:現場の空気感やカメラの前でキチジローを追体験する感じで演じました。昔から役を演じるときに使ってきた言葉ですが、「キチジローを生きられた」と思います。試写を観たときに、スコセッシ監督に出演シーンをカットされてもいいと思える映画になっていました。監督がそう思うからいらないのだと。スコセッシ監督がカットするのなら納得できます。
 
―――学生と『沈黙』を読むときに、キチジローは皆イヤだと言いますが、最後には共感に転じる学生が多いキャラクターです。遠藤周作もエッセイで「キチジローは私」と書いていますが、映画ではロドリゴとキチジローの関係をどこまで描いているのですか?
窪塚:撮影はしんどかったですが、「しんどいのも喜びのうち」という気持ちになれるのは、キチジローが添い遂げるところまで描かれているからです。彼は“踏み絵マスター”というぐらい踏み絵を踏みながら、結局、晩年まで懺悔を願い出て疎ましがられます。宗教は親や牧師、お坊さんに教えてもらい魂を磨くもの、信仰はもっと自然なもので太陽を見て手を思わずあわせたりするようなものだとすれば、どちらをキチジローが選択していたのか。ひょっとすればブレブレだったかもしれませんが、それすらキチジローの中に収まってしまうのです。
 
―――ロドリゴが自分はキチジローのようなものだという心境に至りますが、キチジロー役のアンドリュー・ガーフィールドとはどんな話をしたのですか?
窪塚:アンドリューはメソッド俳優で、寝ても起きてもロドリゴでいるというやり方。みんなが苦しむ現場で、特にアメリカ人チームは一日スープ一杯やサラダ一杯でどんどん痩せなければならなかった。だから後半は挨拶もできないぐらいの雰囲気で、現場でも座長としてあるまじき行為や行動が増え、不快感を与えていた時もありました。でも試写を観て、それらを許せるぐらいの役への臨み方だと思い知らされました。
 

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―――撮影地の台湾で、見事に江戸時代が再現されていたのが印象的でした。
窪塚:最初は台湾で村を見つけてきたのかと思いましたが、京都の美術職人が体を張り、山の上に村ごと作っていたのです。ドアの開き方向や、鶏の種類が違うことですら怒っていましたから。僕らにとって、そのままでいいんだと思わせてくれるセット他の美術に、とても力をもらいました。
 
最後に「日本の役者たちが素晴らしいです。力強さがあり、堂々たる仕事ぶりに試写を見て泣きました。かっこよかった。映画も素晴らしい作品になっています。正直やめてもいいかなと思ったぐらい手応えがあり、新しい場所にたどり着けました。みなさん劇場で体感してください」と熱のこもった挨拶で締めくくった窪塚さん。構想28年のスコセッシ監督が「キチジローそのもの」と認めた熱演は、遠藤周作が込めた思いを一番切に伝えてくれるのかもしれない。
 

 
 
トークショー前半は、遠藤周作研究者の関西学院大学細川正義教授と、生前に遠藤周作と親交のあったノートルダム清心女子大学の山根道公教授による対談が行われた。一度目の映像化となった篠田正浩監督版『沈黙 SILENCE』の話題も交えて、遠藤周作が『沈黙』に込めた真意を考察した内容を、抜粋してご紹介したい。

■遠藤周作が最晩年に「誤解されている」と嘆いていた『沈黙』の解釈。篠田正浩監督版『沈黙 SILENCE』の場合は?

 
山根:遠藤さんは最晩年になっても「『沈黙』が理解されていない。誤解されている」とおっしゃっていました。そのこともあり、作家が込めた思いを読みとって伝えていくことが自分の使命と思っています。『沈黙』出版50年、遠藤先生没後20年の今、映画を巡りながら、遠藤周作が作品に込めた思いを読み説いていきたいと思います。
 
細川:スコセッシ監督が28年間強い気持ちで映画づくりに情熱をもって取り組んだ作品がようやく封切られます。篠田監督の『沈黙 SILENCE』も感動しましたが、映画の作り方、作品の読まれ方が変わってきているので、楽しみです。
 
山根:遠藤さんは、ご自分の作品がすぐに映画になるのを楽しみにしていました。『沈黙 SILENCE』はシナリオの段階から関わっていたようですが、後半は相当原作と変わっていき、ラストシーンはロドリゴに日本の妻を与えられ、妻を抱くところで終わっていきます。遠藤さんは「自分が『沈黙』に込めたもの、ロドリゴの最後は自分の思いとは違うからそれだけはやめてくれ」と言ったそうです。結局「篠田監督は芸術家として尊敬しているので、娘を嫁にやった限りは向こうの家風に沿ってやるのは仕方がないこと」と、エッセイでも書いている通り、遠藤さんが『沈黙』に込めたものを伝える映画ではなく、篠田監督が原作を読んで、自分のテーマで伝えた作品が『沈黙 SILENCE』でした。
 

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■遠藤周作が『沈黙』で伝えようとしたこと、スコセッシ監督に響いたこととは?

 
山根:スコセッシ監督自身がシチリア出身のイタリア系アメリカ人で、カトリックに熱心な家に育ち、神学校に入って神父になろうとしていました。遠藤さんも神父になろうとしたことがあるとエッセイで書いており、信仰を自分の問題として目指した時期がありながら、色々な疑問が生じて芸術の世界に入り、そしてそのテーマを持ち続けています。遠藤さんにとっての『沈黙』とは、疑問に思っていたことをすべて込めたもの。そこがスコセッシ監督にも響いたのではないでしょうか。
 
細川:ロドリゴは踏み絵を踏み、制度上では信仰を捨てますが、そのことにより本当の意味で信仰を知ることになります。最後に回想する中で、踏み絵を踏んだときの激しい喜びの感情が沸き起こるのです。神を疑うところまでいったロドリゴが、本当の意味で神と向かい合うことができた。遠藤さんが『沈黙』で書きたかったポイントはここだと思います。
 
山根:ロドリゴがずっと神を問い続け、実感したいと思いながら実感できる神に出会えなかった。「問い続ける中で神に出会えた喜びがそこに込められている」とスコセッシ監督は『沈黙』英語版の序文で書いています。さらに抜粋すると、「信じることと疑うことは同時。素朴なところに信仰、疑いから孤独へ、そのあと真につながることがはじまっていく。その過程を細やかに書いている。この本は私のいきる糧を見いださせてくれる数少ない芸術品なのだ」と。自分の人生の問いに答えてくれる。つまりそれは、本当に遠藤さんが込めた思いを、スコセッシ監督が受け止めてくれているということになるのではないでしょうか。

 

■神は沈黙ではなく、日向の匂いに感じるもの。

 
山根:「神の沈黙」ではなく、自分の人生を通じて神が語っているのだと思います。「日向の匂い」、私たちがどこかで人生を振り返るとき、目の前に神を感じるのではなく、自分の人生の中に、導いてくれた神を感じるのです。人生は挫折しても、挫折した中ではじめて日向の中にある神の気配を実感できます。遠藤さんは、自身が病気になりながらも、その中で神の眼差しを感じた体験を込めているのです。ロドリゴの恩師であるフェレイラも自分の人生を振り返る中で、日向のぬくもりレベルではあるが、神を感じていたと思います。
(江口由美)

 【ストーリー】
17世紀、江戸初期。幕府による厳しいキリシタン弾圧下の長崎。日本で捕えられ棄教したとされる高名な宣教師フェレイラを追い、弟子のロドリゴとガルべは日本人キチジローの手引きでマカオから長崎へと侵入する。想像を絶する光景に驚愕しながらも、弾圧を逃れた隠れキリシタンと呼ばれる日本人に出会った二人は、隠れて布教を進めるが、キチジローの裏切りでロドリゴは囚われ、長崎奉行井上筑後守に棄教を迫られる。犠牲となる人々のため信仰を捨てるか、大いなる信念を守るか。拷問に耐えながらも、自分の弱さに気付かされ、追い詰められたロドリゴの決断は…。
 
 『沈黙 −サイレンス−』
監督:マーティン・スコセッシ
原作:遠藤周作『沈黙』新潮文庫
出演:アンドリュー・ガーフィールド リーアム・ニーソン アダム・ドライバー
窪塚洋介 浅野忠信 イッセー尾形 塚本晋也 
公式サイト⇒ http://chinmoku.jp/
2017年1月21日(土)~TOHOシネマズ梅田他全国ロードショー