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福山雅治、ヴェネチアでカンヌに続き是枝監督と「男泣き」宣言!?『三度目の殺人』舞台挨拶

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福山雅治、ヴェネチアでカンヌに続き是枝監督と「男泣き」宣言!?『三度目の殺人』舞台挨拶
(17.8.29 TOHOシネマズ 梅田)
登壇者:福山雅治、是枝裕和監督  
 
第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した『そして父になる』から4年。福山雅治と是枝裕和監督が2度目のタッグを組んだ最新作『三度目の殺人』が、9月9日(土)より全国ロードショーされる。是枝監督が初めて法廷サスペンスに挑んだ本作では、福山雅治が裁判に勝つためには真実は二の次とクールに割り切る弁護士重盛を演じる他、重盛が弁護を引き受ける羽目となる容疑者、三隅役に役所広司、被害者の娘・咲江役に広瀬すずが扮し、物語が進むにつれ、闇が深くなる本作で緊張感たっぷりに演じきっている。何度も行われる重盛と三隅の接見シーンはまさに本作一番の見どころだ。
 
 
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全国ロードショーを前に、8月29日(火)TOHOシネマズ梅田にて行われた舞台挨拶付試写会では、上映前に主演の福山雅治と是枝裕和監督が登壇。コンサート会場のような大きな声援と拍手の中、
「大阪に帰ってまいりました。是枝監督作品ではないのですが、ジョン・ウー監督作品の撮影で去年は結構長く大阪にいました。僕的には久しぶりのようで、ホーム感を感じています。みなさん、よろしくお願いします」(福山) 
「二度目の福山さんとのコンビということで、どれぐらい福山さんに成長した姿を見せられたかな。心もとないところもありますが、非常に充実したいい現場でした。充実した現場を反映した、自分でも納得度の高いものになりましたし、その作品をご覧いただくことを本当にうれしく思っています。今日はよろしくお願いします」(是枝監督)
と挨拶。 この日の試写会には、関西テレビ主催試写会過去最高の応募数(1万7230通)があったことが明かされると、「まじで? うれしいですね。ありがとうございます」と福山も驚きながら喜びを表現した。
 
 
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勝ちにこだわるドライすぎる弁護士役で共感する部分を聞かれた福山は、「(共感する部分は)あります。基本的に全てのことに勝ちたいと思っています。自分が思い描いているイメージに勝ちたい。監督がさきほど成長した姿を見せられたかなとおっしゃっていたが、僕も以前ご一緒したときより少しはましになったかなという思いはあるんです」と、過去の自分からの成長に触れると、是枝監督は、「今回すごい!」と絶賛。
この年になって使う言葉ではないけれどと前置きしながら、「わ!すごいと思ったし、役所広司さんとの接見シーンは、『この二人はどこまでいくんだろう』と。居合わせたスタッフみんなが、カットがかかった瞬間『すごいね』。それだけ緊張感のあるいいシーンです」と、本作の見どころを紹介。 
 
 
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是枝監督が絶賛した役所広司とのシーンを振り返った福山は「毎回ある程度集中力の高さがある中、ワンテイク目の瑞々しい集中力、密度は他に代えがたい。その中テイク2、3になっても、そこまでよじ登ろうとする役所さんに感動するし、引っ張っていただいた」と感謝しきり。是枝監督も、「(役所さんに)いい加減なことはできない。樹木希林さんもそうだが見透かされている。僕よりも僕の書いた脚本を深く読み込み、真摯に向き合っている」と役所と初めての仕事に覚悟をもって臨んだことを明かした。
 

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『三度目の殺人』は、第74回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品が決まっているが、是枝監督にとっては、デビュー作『幻の光』以来22年ぶりの凱旋となることを紹介した福山は、「監督と一緒にいると、すごくいいところにつれていってもらえる」と素直すぎる感想で会場を笑わせると、「上映前日劇場での色や音の調整をやった後、日頃穏やかな是枝監督の集中と緊張で欄々とした目を見た時にすごい現場なんだな、監督の勝負の日なんだなと、急に身が引き締まりました。翌日カンヌでのスタンディングオベーションで、届きましたねっていう気持ちで泣いてしまって。人前で泣くことをなるべくせずに生きてきたけど、ベネチアでもそんなことが体験できればいいな」と再び男泣き宣言。司会者から凱旋舞台挨拶を希望される場面もあり、観客も熱い拍手でベネチアへの期待を表現した。
 
 

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観客と一緒になってのフォトセッションを経て、観客の方に向かっての最後の挨拶では、
「僕も撮影中どんな結末を迎えるのだろうと、演じながら演出と台本と役所さん演じる三隅に翻弄された数ヶ月でしたから、翻弄される2時間になるかもしれません。いったいどうなってるんだ、どこに行くんだと僕と同じ目線で存分に楽しんでください」(福山)
「撮る前は人は人を裁くことができるのかという、答えのない問いを続ける覚悟で作品と目の前の役者と向き合って作りました。実際みていただくと普通とは違うプロセスを経て着地し、すっきりしない人が多いでしょう。観終わって誰かと話したくなる、色々な解釈が成立する映画です。失敗してすっきりしなくなっているのではなく、それも狙いなんです」(是枝監督)
と、観終わった観客の様子を想像しながら、掛け合いのような挨拶で、最後まで盛り上がった。すっきりと分かりやすい映画が多い中、幾重にも想像を巡らせてしまう、すっきりしない映画。その中で問いかけられるものは、実は日々我々が対面していることでもある。是枝監督からの挑戦状のような本作で、それぞれの答えを探してみてほしい。
(江口由美)
 
 
 
 

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<作品情報>
『三度目の殺人』
(2017年 日本 2時間4分)
監督・脚本: 是枝裕和
出演:福山雅治、役所広司、広瀬すず、斉藤由貴、吉田鋼太郎、満島真之介他
2017年9月9日(土)~TOHOシネマズ 梅田、TOHOシネマズ なんば、TOHOシネマズ 二条、T・ジョイ京都、OSシネマズミント神戸、109シネマズHAT神戸他全国ロードショー
公式サイト⇒ http://gaga.ne.jp/sandome/
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