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藤本泉、白羽弥仁監督らが登壇『劇場版 神戸在住』初日舞台挨拶@テアトル梅田

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『劇場版 神戸在住』初日舞台挨拶@2015.1.17 テアトル梅田
登壇者:白羽弥仁監督、藤本泉、浦浜アリサ、松永渚、柳田小百合
 

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阪神・淡路大震災から20年の節目となる年に、地元テレビ局サンテレビジョンによって制作された『劇場版 神戸在住』。兵庫県出身の白羽弥仁監督が、東京からかつて震災があった街にやってきた女子大生の目線で、神戸やそこに住む人々を描いた青春物語を温かく描いている。
 
まさに20年を迎えた2015年1月17日に公開初日を迎え、テアトル梅田では上映後は白羽弥仁監督、藤本泉(辰木桂役)、浦浜アリサ(泉海洋子役)、松永渚(鈴木タカ美役)、柳田小百合(金城和歌子役)が登壇。立ち見が出る満席の観客を前に、感動の面持ちで最初の挨拶が行われた。
 

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劇中では東京から大学のため神戸に引っ越してきた桂が、学友たちの関西弁のノリについていけず戸惑うシーンも見られる。埼玉出身の藤本が「現場では少しボケると3人からツッコまれ、これが関西パワーかと思った。監督をはじめ、スタッフも関西の方が多く、元気でパワフル。楽しく撮影ができた」と答えると、浦浜は「(藤本は)ボケ、ツッコミのコンビネーションにはまだ馴染めていないけれど、ツッコむネタを提供してくれるムードメーカー。白羽監督が4人をご飯に連れて行ってくれ、チームワークは抜群!この中の良さはちょっと異常なぐらい」と賑やかな撮影を振り返った。白羽監督も、「午前中シネ・リーブル神戸での舞台挨拶から全員で車移動する間、1秒たりとも静かな時間がなかった。楽しくやってもらってホッとしている」と本当にキャンパスライフを一緒に過ごしたかのような4人の様子を表現した。
 

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震災を知らない桂が、街の人や被災した親を持つ友人たちと交流しながら、成長していく姿が物語の核となるが、桂の役作りについて藤本は、「桂は人一倍、線が細くて内気な女の子。つらい経験をし、乗り越える成長の過程を見てほしかったので、ブレていないか最後まで気を付けながら演技した」。一方、朝、神戸で行われた追悼の集いに初めて参加した柳田は、「4歳の時に被災したが、記憶にはなかった。(出席して)改めて震災があったことを肌身で実感した」と感想を述べると、同じく今朝参加したという松永は「(追悼の集いの)空気が前向きだと感じた。この作品で、皆さんの思いを伝えられたら」。
 

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川西で被災したという浦浜は「揺れたとき、母が隣のベッドから飛び込んで抱えてくれたことを覚えている。神戸の被災は映像で見るだけで、同じ県なのに他人事だった。この映画に参加して、神戸は復興地なのだと実感した」。また、公開初日が阪神・淡路大震災からちょうど20年の節目と重なったことについて、藤本は「親戚は関西に住んでおり、両親も神戸に十数年住んでいたので、ご縁を感じる。この映画に出演したことで、忘れてはいけない過去の出来事を伝えていくのが、役者である私の仕事と思えるようになった」。
 
 
また、震災のことを作品で前面的に描写していないことについて、自身も灘区で被災したという白羽監督は20年間神戸の変化を肌で感じてきたとしながら、「大変な目に遭った人ほど、震災のことを口に出しては語らない。竹下景子さんや、田中美里さんが演じた役柄も、何が起こったのかを心に秘めて、なかなか話せない。痛みを共有しようという感情にはならないことを映画で表現したかった」とその理由を明かした。
 

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最後に「震災をから復興した神戸の未来に希望が持てるような、明るくて優しい映画。ぜひ多くに人に観てほしい」と結び、会場からは温かい拍手が送られた。映画に参加することで震災のことを改めて考えるきっかけを掴んだ出演者たち同様に、震災のことを改めて振り返り、考えるきっかけを与えてくれる作品。震災から20年経った今の神戸も、ぜひ見てほしい。今日からヒューマントラスト渋谷、テアトル梅田、シネ・リーブル神戸、立誠シネマで公開中だ。※1月31日(土)から神戸映画資料館、シアターセブンで公開。

(江口由美)
 

<作品情報>
『劇場版 神戸在住』(2014年 日本 1時間37分)
監督:白羽弥仁  脚本:安田真奈  
原作:木村紺「神戸在住」(講談社刊)
出演:藤本泉/菅原永二/浦浜アリサ/松永渚/柳田小百合/松尾貴史/田中美里(友情出演)/仁科貴/愛華みれ/竹下景子
公式サイト⇒http://www.is-field.com/kobe-zaiju/
(C) 2014 木村紺・講談社/サンテレビジョン
 
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