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2021年10月アーカイブ

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 東日本大震災後、亡くなった人に宛てて書いた手紙を受け取る漂流ポスト3.11が陸前高田市に置かれ、今では被災者に宛てた手紙のみならず、全国から今はなき大事な人に宛てた手紙が届いているという。2020年3月31日に急逝した佐々部清監督の作品に携わってきた野村展代監督が、佐々部作品常連の俳優、升毅と漂流ポスト3.11や被災地の人々、また佐々部監督ゆかりの人をめぐり、亡き人への思いを抱えて生きる人たちを映し出すドキュメンタリー『歩きはじめる言葉たち 漂流ポスト3・11をたずねて』が、10月22日(金)よりシネ・リーブル梅田で公開、23日(土)より元町映画館で絶賛公開中、29日(金)より京都シネマ他全国順次公開される。
本作の主演、升毅さんに、お話を伺った。
 

メイン:陸前高田市 漂流ポスト 升毅.jpg

 

■僕はただ聞くしかできなかった。

―――升さんが主演のドキュメンタリーということで、佐々部監督のお名前がタイトルについている訳ではありませんが、佐々部監督に向けた気持ちが現れるような作品になっているのかもと思いながら映画を見始めると、多くの関係者やご家族の佐々部監督への気持ちが詰まった作品になっていたので、思わず見入ってしまいました。本作で、升さんはご自身が大事な人を亡くされた当事者でありかつ、ゆかりの人の話を聞くインタビュアーであり、佐々部監督へみなさんが書いた手紙を朗読もしておられますね。それぞれ、どんな気持ちで臨まれましたか?
升:このドキュメンタリーのお話をいただいた時は佐々部監督が3月31日に亡くなってから1ヶ月ほどしか経っていない時期でしたから、僕自身そこへ行って何もできなさそうだし、役に立てないのではないかという気持ちと、本当にやるのであれば僕にやらせてほしいという気持ちの両方が拮抗していました。実際はいろいろな方のお話を聞くということで、この映画をご覧になるみなさんの代表という立場で臨めばいいのではないかと思うと、少し気持ちが楽になり、やらせていただこうと思いました。結局、東日本大震災後、復興に携わった方々、漂流ポスト3.11を守っている赤川勇治さん、佐々部監督にまつわるみなさん、それぞれのお話を僕はただ聞くしかできなかった。意図して何かを質問するのではなく、お話を伺ってる時の僕の気持ちが素直に出て、純粋に共感したり、頷いたり。だから僕がどういう役割を果たしたのかは、ご覧になった観客のみなさんに感じていただきたいと思っています。
 
―――佐々部監督が亡くなって1ヶ月しか経っていない時期に本作の話が動き出したんですね。
升:もともと、佐々部監督が準備していた劇映画で、僕は赤川さんが担っている役を演じる予定でした。その映画が頓挫してしまい、東日本大震災にまつわる劇映画を佐々部監督が撮る予定で話が進んでいた矢先の訃報でした。手紙を受け取る側や出す人の思いを客観的に受け止めようとしていたのが、自分たちが亡き大切な人へ手紙を出す側になってしまった。だから大きな方向転換が行われ、僕にも再度オファーが来たのです。
 
―――1回目の緊急事態宣言発令直前の時期だったので、監督の葬儀に参加することも難しかったのでは?
升:佐々部監督の地元、下関で、限られた親戚の方々だけが集まって葬儀をされたそうです。僕も下関までは行ったのですが、コロナ禍なので参加は叶わず、お別れができていないんです。
 
 
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■佐々部監督との出会いで「これから先役者をやっていくきっかけを掴めるのではないか」

―――映画の中で、佐々部監督と初タッグを組んだ『群青色の、とおり道』で、演技指導に衝撃を受けたエピソードを語られていましたね。おいくつの時ですか?
升:僕が58歳、佐々部監督が56歳の時ですね。佐々部監督の演出は、僕の中ではそれまでも40年近くお芝居をやってきたことが全否定されたぐらいのショックではありました。でも、自分がこれから先役者をやっていくきっかけを掴めるのではないか。今までのやり方ではダメなんだということを感じたので、それならば監督の言う通りにやってみようと思えた。それは佐々部監督の人柄であったり、僕自身がそういうことを求めていたのかもしれませんね。
 
―――『群青色の、とおり道』の次は、本作でも撮影シーンが登場する、佐々部監督自身が資金集めに奔走し、地元山口で時間をかけて作り上げた入魂作、『八重子のハミング』で主演を務めました。取材時にも映画化までの長い道のりをたくさんお話いただきましたが、主演としてやはりプレッシャーもあったのでは?
升:企画が実現するまでのお話を全て聞かせていただき、僕もすごく悔しい思いをしましたし、佐々部監督を男にしたいとか、成功させなきゃという気持ちになりました。監督にも「片棒を担がせてもらいます」と宣言しましたから。一方で、主人公を演じる上でのプレッシャーもひしと感じていました。
 
―――認知症の妻、八重子に先立たれた誠吾が、妻亡き後も心にいる妻と共に生きるように、今の升さんと佐々部監督にも当てはまる気がしました。
升:自分の中に佐々部監督はいますし、これから僕が俳優として生きていく中で、監督の思いを形にしたい、伝えていきたいという気持ちは常にありますね。この作品が出来上がり、監督がこれを観てどう思うかわからないけれど、監督の思いや監督への思いが込められているだろうし、その意味で共に作った作品ではないかと思っています。
 
 
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■漂流ポスト3.11と亡き人への思いを込めた手紙

―――共に作ったといえば、佐々部監督が構想していた企画を通じて、漂流ポストのことも既にご存知だったんですね。
升:その時は、大切な人を亡くしてしまった人の手紙を受け取る人間って、想像もつかないようなすごい人なのだろうなと思い、佐々部組のメンバーとしてしっかりと演じようという気持ちでした。結局演じることは叶わなかったけれど、漂流ポストを続けている赤川さんにお会いすることができた。僕が想像した以上にナチュラルな普通のおじさんだったので、だからこそできるんだなと思いました。強い責任感と決意のもとにはじめたのでは、続けられないでしょうね。
 
―――今回は升さんご自身が、佐々部監督への思いを書いたみなさんの手紙を漂流ポストに届けていますが、そのときはどんなお気持ちでしたか?
升:そうですね。正直に言えば、なぜ僕がこんなことをしなくちゃいけないんだと抗う気持ちが今でもあります。一方でみんなの思いをきちんと届けようという気持ちがあり、常に複雑でした。実際に、本作の野村監督からみんなの手紙を、声を出して読んでと指示されたときは、絶対に泣いちゃうから無理だと思いました。「気持ちを入れずに淡々と読んでほしい」と言われて、なんとかできたのですが。
 
―――升さんの手紙も、最後が「会いたい」ではなく、「じゃあまた」という感じでしたね。
升:スケジュールが合えば会えるなという、今までと同じような気持ちでまだいたかった。後から思うと、ちょっと子どもじみていて恥ずかしい気持ちにもなりますが。
 
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■『群青色の、とおり道』同期3人組だからできた撮影と、「亡くなった人と共に生きている人はたくさんいる」

―――突然の訃報だけでなく、コロナ禍で仕事がキャンセルになったりとエンターテイメント業界が大変な時期でしたが、逆に撮影をすることが気持ちを停滞させない原動力になったのでは?
升:僕が関わる仕事の撮影も止まり、本当に大変な世の中になりましたが、俳優として、もしくはひとりの人間としてやるべきことがあったことは、とても良かったと思います。大人数での撮影となると、今は無理とストップが入っていたでしょうが、今回は撮影監督の早坂伸さんと野村展代監督の3人というコンパクトな編成でしたし、3人とも『群青色の、とおり道』で初めて佐々部組に参加した同期だったこともあり、このメンバーだからできるんだろうなと思いながら動いていました。
 
―――佐々部組同期の3人で監督ゆかりの場所や人を訪ねる旅をする中で、当初はきっと心の整理がつかないままだったと思いますが、何か心境の変化はありましたか?
升:3人それぞれが同じような立場で悲しみを抱えたまま動いていたはずなのですが、僕が勝手に自分だけ悲しいと思うところに行ってしまっていた。陸前高田のみなさんや赤川さん、川上住職のお話や、漂流ポストの手紙を読ませていただく中で、もっともっと悲しい別れをし、亡くなった人たちと共に生きる人たちがたくさんいることも知りました。佐々部監督にまつわる人たちとの話を聞いても、僕なんかよりもっと悲しんでいる人たちがたくさんいる。反省ではないけれど、自分ひとりで何やっているんだという境地になりました。
 
―――ありがとうございました。悲しみを抱えて生きるというのは、年をとると自然とそうならざるをえない部分でもあり、それを受け入れていこうと思える作品でした。最後に、これからご覧になるみなさんにメッセージをお願いします。
升:年を重ねていくと悲しいお別れが増えてきて、自分の中でどう消化すればいいかわからない。僕もそうだし、おそらくみなさんもそうだと思います。僕というフィルターを通して、もしくはいろんな方のお話を聞いて、みなさんの気持ちにどのような変化が起きるのか。それぞれの立場の中で感じていただければいいなと思います。悲しいお別れが気持ちの上でまだできていない人たちに何かが届けばと願います。気負わず、空き時間に観ていただければいいような映画です。「ぜひ観てください!これをヒットさせたい!」という映画ではありませんから。佐々部監督は「ヒットした方がいいんだよ」と言うかもしれませんが(笑)。
(江口由美)
 

<作品情報>
『歩きはじめる言葉たち 漂流ポスト3・11をたずねて』(2021年 日本 90分)
監督:野村展代 
出演:升毅、伊嵜充則、三浦貴大、比嘉愛未、中村優一、佐々部清他
シネ・リーブル梅田、元町映画館で公開中、29日(金)〜京都シネマ他全国順次公開
公式サイト⇒https://hyoryu-post.com/ 
(C) 2021 Team漂流ポスト
 
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  武田信玄生誕500年の記念イヤーとなる2021年に、信玄の父、武田信虎の最晩年を描く本格時代劇が誕生した。甲斐国を統一したものの、信玄に追放された信虎が80歳にして武田家存続のために知略を巡らせる姿を描いた本格時代劇『信虎』が、11月12日(金)よりTOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ西宮OS、TOHOシネマズ二条にて公開他全国ロードショーされる。
 
 監督は『DEATH NOTE デスノート』シリーズの金子修介。相米慎二監督作品をはじめ、多彩な俳優活動で出演作は数知れず、今回36年ぶりの主演作となる名優・寺田農が、信玄との葛藤を内に秘めながら、最後の力を振り絞って武田家存続のために打って出る信虎のどこか滑稽にも見える部分を見事に体現。榎木孝明、永島敏行、渡辺裕之、隆大介と戦国時代劇には欠かせないベテラン陣を揃えた他、信虎の若き娘、お直を演じる谷村美月も隠れたキーパーソンになっている。
 『影武者』など後期の黒澤明作品や今村昌平作品に携わった巨匠・池辺晋一郎による音楽が映画に風格を与え、ロケ地をはじめ美術、衣装と細部にいたるまで本物にこだわった、戦国時代モノに新たな視座を与える作品だ。信虎を演じた寺田農さんにお話を伺った。
 

 
――――2018年に大阪のシネ・ヌーヴォで開催されたATG大全集で寺田さんが初主演された『肉弾』(岡本喜八監督)を初めて拝見したときの衝撃が大きかったのですが、本作の信虎役も圧巻でした。
寺田:映画史に残る名監督の五所平之助さんや中村登さんの作品に出演したり、テレビで「青春とはなんだ」などの青春モノに出た後、岡本喜八さんの『肉弾』で主演を務めました。26歳の時でしたから、若く元気。芝居のことは何もわからなかったけれど、監督の言われるまま、野球のピッチャーに例えれば150キロの直球を投げることができたし、それしか投げられなかった。歳を重ねるごとに変化球が増えてきて、『信虎』は直球を投げる気力がもうないから、七色の変化球を駆使するんです。たまに直球を投げたつもりでも120キロぐらいで、途中で落ちるんじゃないかというぐらい。だから、役者っていうのはうまくならないんだなと本当に思いますね。『信虎』は77歳の時に撮影しましたが、50年以上役者をやる中で、ただ老けていくのか、そこに魅力が生まれるのかというだけの話です。
歳相応の風格が備わり、いい役者にはなるけれど、演技そのものは変わらない。今回、それがよくわかりました。
 
 
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■隆慶一郎の論考で、信虎へのイメージが覆される。

――――武田信玄の父、信虎に対してどんなイメージを持っておられたのですか?
寺田:僕は昔から本を読むのが好きで、司馬遼太郎さんや池波正太郎さん、天才だった隆慶一郎さんの戦国物を山のように読んできましたから、戦国時代のイメージはありましたし、東映映画『真田幸村の謀略』にも出演したのでその輪郭も大体わかっていました。ただ信虎については、息子の信玄に追放されたことしか知らなかったので、80歳のじいさんになった信虎がどうしたのかを描くところに興味を持ちました。
そこからはさらに本を読み、信虎の理解を深めたのですが、中でも面白かったのが隆慶一郎さんの武田信玄の父信虎追放をめぐる論考でした。信玄は親父の追放を、生涯の十字架のように背負っていたのではないか、そして追放したのは信玄ではなく、重臣たちだったというのが信虎追放劇の真相とする説です。隆さんは、関ヶ原の戦い以降の徳川家康は影武者だった(「影武者徳川家康」)と書くぐらいひねりの効いた作風なのですが、親父を追放した割には、信虎にお金や側室も送り、京都に行った信虎は最新の情報を信玄に送っていた。そういう話を読むと、今まで漠然と持っていたイメージがひっくり返されますよね。
 
 
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■戦略家であり知将だった信虎の妄執。

――――戦国時代の映画といえば、どうしても戦いの描写が中心となりますが、遠くから戦況を憂い、なんとか武田家を残そうとする信虎の物語は、また新たな視点ですね。
寺田:戦国時代はなんとか領土を拡大するため戦をするわけですが、専用軍人などいない時代ですから、戦のときだけ百姓を動員し、領土は拡大したものの、田畑は荒れてしまう。だから信虎も領土を広げて甲斐を統一したというのに、追放されたら民は手を叩いて喜んだというのです。ただそれは一面でしかない。日本人はキャッチフレーズで物事を捉えがちですが、そうじゃないのではないかと思うんです。今年、武田信玄生誕500年を迎えましたが、信玄が日本の武将の人気ベストテンでかなり上位に入るのは、親の七光りではないか。信虎はかなりの戦略家であり、今でいうプロデューサー的素質で、現状をしっかり見る目を持つ知将でもありました。ただ悲しいがな、80歳になっても信玄が危篤と聞けば「俺がやらねば」と老いの一徹で、周りも止められない。望郷の念と、もう一度返り咲きたいという妄執ですよね。そしてもはや織田信長の時代になるとわかったら、武田家をなんとか残そうと方向転換をしますが、それも妄執でしかないのです。
 
――――とにかく武田家をなんとかして残したいという思いで、信虎は命尽きるまで、あらゆる手を使って尽力します。
寺田:家を残すという言葉があるように、500年前の日本人は家名に誇りを持っていたし、逆に言えば恥を知っていた。近代とは違い、当時は日本人の原点とも言えるいいところをたくさん持っていました。そこが信虎の魅力ですね。粗忽で早とちりで愛嬌もある。一方で悲しいかな老いの眼で現実をわかっていない。周りの誰もがついてこないという苦悩もあるわけです。
 
――――50代で息子から甲斐を追放され、一人になったことで一国一城の主人とは違う、広い視点を獲得できたのではないかと想像しながら観ていました。
寺田:戦国時代は加藤清正や福島正則のような戦闘集団の武将系もいれば、石田三成のような官僚系もいる。信虎の場合は武将としても力があり、頭も良く、世の中の動きを見通せる両方兼ね備えた人物であり、だからこそ信玄と衝突したのかもしれません。
 
 
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■ゆかりの場所での撮影が作品の匂いに。「主役だからと力を入れる必要はない」

――――36年ぶりの主演作ですが、どのような意気込みで臨んだのですか?
寺田:僕は努力、忍耐、覚悟とか、こだわりという言葉が大嫌いです(笑)。すっと現場に行って、さっと終わるのが一番いい。「もう一度甲斐国に戻って、面白いことをやっちゃおうかな」というひょうきんさは似ているかもしれませんが、信虎が抱いていたような妄執なんて、僕には全然ないですから。
時代劇で大事なのは演じるための舞台背景です。特に今回は全てゆかりの場所で実際に撮影させていただいています。例えば渡辺裕之さんが演じた織田信長がお茶を飲みながら語るシーンは、本当にあの場所で、あの茶碗で飲んだわけです。美術の小道具から太刀や鎧など、全てが限りなく当時の本物に近い。そういう背景を作ってくれることが大事で、それが映像としての美しさになり、作品の匂いになる。役者の役割なんて大したことはない。特に主役は脚本に必要なことを書かれているわけですから。信虎の場合、坊主頭になり、黒い袈裟を着てセリフを喋れば、さまになる。そこで力を入れる必要はないんです。
 
 

■役になりきるのではなく、20〜30%は役者自身がその時持つ魅力を出す。

――――確かに、時代劇を演じる上でのロケーションや美術の細部に至るまで、本作はこだわり抜いていますね。その上で信虎というキャラクターを自由自在に表現されていました。
寺田:脚本に書かれたものを立体化して(観客に)お目にかけるのが役者の仕事ですが、そのキャラクター自身が生きていなければ面白くない。ただセリフを言うだけではダメなので、そこに何かがあればいいんです。よく「役になりきる」と言いますが、なりきったらその俳優はいらないわけで、僕は大嫌いなんですよ。役になりきるのではなく、70〜80%がその作品におけるキャラクターだとしたら、残りの20〜30%は役者自身がその時持っている魅力なんです。マーロン・ブランドやロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノもそういう部分が魅力的ですよね。若い俳優が可哀想だと思うのは訓練する場がないので、どうしても比率が逆転してしまう。80%その人のまま演じてしまうから、何をやっても同じに見えるわけです。
 
――――訓練というのは、監督の演出なども含まれるのでしょうか。
寺田:良し悪しはともかく、僕の場合は誰も何も言わないんです。ジジイの特権かもしれませんが(笑)金子さん自体が相米(慎二監督)とは違って、しつこく演出するタイプではありませんから。この作品を相米に撮らせて、僕が信虎をやったら、きっと考え込んじゃって(撮影が)終わらないだろうね。
 
 
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■骨格はシェイクスピアの悲劇。

――――信虎は信玄と直接対面することはありませんが、ずっと心の中で信玄と対話しているような気がしました。
寺田:映画の最初は「恨みもあるが、まあ褒めてやろう」と言うし、死ぬ間際では謝ろうと思ったりもする。歴史ものはどうしても、うまく描けば描くほどシェイクスピアの悲劇に重なるんです。最初脚本を読んだときは、「リア王」の狂ったジジイみたいな感じがすごくしたね。コスチュームプレイですし、骨格はまさにシェイクスピアです。
 
――――信虎と周りとの会話が中心となって進行するのも演劇的といえますね。
寺田:上手い脚本は周りがストーリーテラーとして動くことで主役像が見えてくる。今回オリジナル脚本を担当した宮下玄覇さんは歴史研究家なので、史実を重視しているのですが、登場人物がかなり多い割に信虎と彼らとの絡みが少ない。だから信虎がストーリーテラーにならないと進行しないんです。ラストも、主役が死んでから15分以内に終わらないと作品がダレるとアドバイスしたのですが、最終的には宮下さんの思いを貫かれましたね。
 

■映画音楽はイカリ。池辺晋一郎さんの音楽で作品がぐっと引き締まる。

――――歴史研究家ならではのこだわりといえば、音の面でもこだわりが感じられますね。
寺田:刀がぶつかる音や、鎧が擦れる音も本物にこだわっていますし、何よりも池辺晋一郎さんの音楽がいい。池辺さんが携わった『影武者』より、はるかに好きですし、135分の作品がぐっと引き締まるのはこの音楽があればこそだと思います。
出来上がった映画を船に例えると、船の乗組員が役者やスタッフで、船自体は脚本で、その船の方向を定める船長は監督です。音楽はイカリの役割で、最後にそれを下せば船が安定するように、音を入れて映画がぐっと引き締まる。映画を作るにあたって、まず脚本を作り、そこから撮影現場、編集と一つ一つの作業を通じてグレードアップしていき、最後に音楽という順番が一般的ですが、最後なものだから日本では一番割りを食う部分なのです。予算を使い果たしてお金はないし、携わる人数が限られる。その困難な状況にもめげず、これだけの曲をお書きになる。その音楽で作品の価値が決まるわけです。
 
――――信虎は煩悩を捨て、武田家を残すことのみに気持ちを向けていきますが、寺田さんがもし煩悩を捨て、一つだけにフォーカスするとすればどんなことに気持ちを向けますか?
寺田:生まれてから今まで煩悩の塊みたいな人生でしたし、無数の煩悩の中に生きているので、それを嫌だと思わないし、今から何かをしたいと思わない。ただ今までのように好きな絵を見て、好きな本を読み、好きな音楽を聴いて、みんな死んじゃっていなくなっちゃけど、昔の仲間とお酒を飲んでいるような、そんな感じがいいですね。あと、もう自分の感性では見つけられないので、ワクワクするようなことを誰か教えてほしいですね。だからよく若い人と話すし、知りないことを知りたいという好奇心はまだあります。
 
 
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■映画界の偉人のことを自ら学んでほしい。

――――最後に、若い世代に伝えたいことは?
寺田:昔、西島秀俊さんと仕事をしたときに、飲みに行って相米さんや実相寺さんの話を聞いていいですかと言われたことがありますが、そうやって聞いてきてくれる人には僕で良ければ、いくらでも話します。今の若い俳優を目指している人たちは、三船敏郎さんや市川雷蔵さんのことも知らない。音楽を志す人がベートーベンやブラームスを知らないことはないはずですが、なぜ役者の業界はそんな偉人のことを知らなくてもやっていけるのか。もっと自ら学んでほしいと思いますね。
(江口由美)
 

<作品情報>
『信虎』
(2021年 日本 135分)
監督:金子修介 
共同監督・脚本・製作総指揮・企画・プロデューサー・編集・時代考証:宮下玄覇
出演:寺田農、谷村美月、矢野聖人、荒井敦史、榎木孝明、永島敏行、渡辺裕之、隆大介、石垣佑磨、杉浦太陽、葛山信吾、嘉門タツオ、左伴彩佳、柏原収史 
11月12日(金)よりTOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ西宮OS、TOHOシネマズ二条にて公開他全国ロードショー
公式サイト → https://nobutora.ayapro.ne.jp/
(C)ミヤオビピクチャーズ
 
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  自主製作『の・ようなもの』で 1981年に商業映画デビュー後、『家族ゲーム』をはじめ、ヒット作を連発する一方、オリジナル脚本作も発表してきた名匠、森田芳光監督。その生誕 70 周年(没後10年)を記念し、ほぼすべての作品を Blu-ray 化したBoxセット、書籍「森田芳光全映画」(B5判・568ページ)、そして関西ではシネ・リーブル梅田での特集上映や、来年にかけて海外でのレトロスペクティブ上映などを行う「森田芳光 70 祭」がこの秋、始動する。
 
●「生誕 70 周年記念 森田芳光監督全作品コンプリート(の・ようなもの)Blu-ray BOX」(完全限定版)
デビュー作『の・ようなもの』から最終作『僕達急行 A列車で行こう』まで、日本映画界のトップランナーとして走り続けた、森田芳光の輝かしいフィルモグラフィー26作品をワンボックスに収録する空前絶後・歴史的な完全限定プレミアムボックス。約180分に及ぶ貴重な映像特典付きで、12月20日発売。現在予約を受付中だ。
 
●書籍「森田芳光全映画」
「⼀貫性のある自己変革」を繰り返した稀代の映画監督。その全キャリアを⼀望する一冊。
2018年冬、東京は池袋・新文芸坐で行われた「森田芳光全作上映会」に伴う宇多丸さん、三沢和子さんによる連続トークショウを完全収録。「キネマ旬報」での連載を大幅加筆修正している。また、超豪華参加者50名近くによる寄稿+インタビューや、天国から届く森田語録も楽しめる完全版だ。
 
森田監督の妻で、「森田芳光 70祭」プロデューサーの三沢和子さんにお話を伺った。
 

 

■毎月25日に集まる森田組のキャストやスタッフが、「森田芳光 70祭」にも尽力

――――森田芳光監督が亡くなられてから10年が経とうとしていますが、突然のお別れに心理的にもきつい日々を過ごされたのではないですか?
三沢:2011年の年末に亡くなりましたが、お通夜ですら「絶対にこれはロケだろう」と思ったぐらいリアリティーがなかったんです。でも、翌年3月に『僕達急行 A列車で行こう』の公開が決まっていたので、年明けからすぐに宣伝活動やキャンペーンに動かなくてはいけない。とにかく「やらなければ」という思いでやっていたので、今から思い出そうとしても全く当時の記憶がない。こんなことは初めてです。きっと何も考えられなかったのでしょうね。一年後にぴあMOOKより「森田芳光祭<まつり> 全員集合! モリタ監督トリビュート!」が発売され、『の・ようなもの のようなもの』を製作したり、海外の映画祭に招聘されたりと継続的にやることがありました。
 
森田の誕生日は1月25日なのですが、毎月25日に時間のある人は我が家に集まるのが恒例になっていたんです。昨年1月からコロナの影響でできないので寂しいですが、毎月15〜20人ぐらいが集まって大騒ぎして。森田組のキャストやスタッフの方々がいつまでたっても生前と同じように集まってくれるのは、ありがたいですね。森田の話は笑えるエピソードが多いので、話が尽きないですし、今回の「森田芳光 70祭」でも森田と会ったことがないような方まで力を貸してくださる。今回甚大なご協力をいただいた宇多丸さんですら、森田と会ったことがないのだけど、そういう方や新しく森田のことを知ってくれた方とも仲良くなれる。「森田芳光 70祭」では私が想像した以上にみなさんが熱意をもって取り組んでくださっているのが、本当に嬉しいですね。
 
――――ほぼ全作品のBlu-lay化や、ミニシアターを回っての特集上映、そして大型書籍の刊行と、どれか一つだけを行うのも大変な労力や調整が必要ですが、3つ全て三沢さんがメインとなって準備されてきたんですね。準備をはじめたのはいつ頃ですか?
三沢:2018年に新文芸坐で森田芳光全作品の上映&宇多丸さんとのトークを行なったのですが、当時からキネマ旬報からはトークの連載を、リトルモアからは書籍と早々に決まっていたんです。
 
一方、全作品のBlu-lay化は5年前に北京国際映画祭へ行った時に「デジタル素材がないので森田作品を上映できない」と言われたのがきっかけです。他の国からも同様の情報が入りました。先ほどの新文芸坐ではフィルム上映をしたものの、フィルムの状態がひどすぎて、かけられないものもあった。それに今はほとんどがフィルム上映できない劇場ですし、デジタル素材もないので、これではダメだと思ってまずは全作品のBlu-lay Boxを作ることに決めました。2年半前から各社を廻り、2年前に作ることの了承を得てから、10数人もいる製作者委員会で2ヶ月に1度集まり、まとまるまで2年間かかりました。森田の映画が好きな方には存分に楽しんでいただけると思います。
 
書籍「森田芳光全映画」の方は、昨年にでも出版できる予定でしたが、Blu-lay Boxと合わせるということで一旦保留状態にしていたら、その間に加筆修正したい箇所が増えて来て、発売日に間に合わないのではということでヒヤヒヤしました。広島での今回1回目となる上映イベント初日に発売日を合わせていたので、最後は印刷所が手作りで30冊作ってくれました。1冊でも図鑑ぐらいの重さがあるのに、リトルモアの営業の方が台車に積んで広島まで持ってきてくれたんです。なかなか校了せず、本当に大変でした。
 

■森田監督が好きでたまらない宇多丸さんとの出会い。

――――ちなみに宇多丸さんとはどのように出会われたのですか?
三沢:以前「森田芳光祭<まつり>」を出版したとき、複数の方から宇多丸さんが森田の大ファンでとにかく深く研究しているので取材した方がいいと言われました。初めてお会いした時、一番大きいサイズの海外旅行用スーツケースを持ってこられたので旅行帰りかと思ってお聞きすると、「いえ、この中は全て森田監督の資料です」。その時は『間宮兄弟』『僕達急行〜』の主題歌を担当したリップスライムのRYO-Zさんとの対談でしたが、宇多丸さんが沢山お話になり、RYO-Zさんは相槌を打つだけみたいになったというのにも驚かされました(笑)。
 
宇多丸さん自身も森田作品のトークをされていたそうで、ある時、テアトル新宿で『ときめきに死す』の上映後に私とトークがしたいと宇多丸さんからご指名があったのです。初めてのことだったので無理だと思うと断ったのですが、「全く気にしなくていいので、とにかくやってみましょう」と。いざやってみると、ものすごくトークがやりやすかったんですね。相性も良かったし、宇多丸さんの知識の深さと質問が上手なので、お客さまもめちゃくちゃ面白かったと喜んでくださった。その手応えがあったので、3年前の全作品解説に挑んだのです。1本ずつ観て、その後トークをするのですが、観ると当時のことを思い出せるので苦労なく話せました。今でも伝説と呼ばれるぐらいのトークショーで途中からリピーターも増え、最後は客席と一体となっていました。
 
――――トーク全収録のほかにも、多くの映画人が寄稿されていますね。
三沢:森田と同世代の監督や若い監督たち、また織田裕二さん、北川景子さん、松山ケンイチさん、豊川悦司さん、鈴木京香さん、仲村トオルさん、本木雅弘さん、鈴木亮平さんなどの俳優陣も面白いですね。誰もおざなりなことを書いていないのがすごいです。宇多丸さんはさらに勉強を重ねてトーク部分を加筆してくださっていますし。これだけ影響力のある人が、森田のことを好きで好きでたまらないのが本当に嬉しいですね。それでも森田と一度も会ったことがないというのがあまりにもお気の毒なので、先日森田がずっと身に付けていた時計を宇多丸さんにプレゼントしたんです。今回、「森田芳光 70祭」のために尽力してくれた大恩人ですから。喜びようがハンパなくて、早速ラジオで報告されたそうですよ。宇多丸さんに持って頂けて、森田も喜んでいると思います。
 

■森田組スタッフと三沢さんが太鼓判の特典。森田監督の自主映画ダイジェストも。

――――宇多丸さんの「好き」の力ですね。Blu-lay Boxでは映像特典も付いていますね。
三沢:今、作っているところですが、スタッフや森田のインタビューで面白いものを集めています。高価なBlu-lay Boxを買ってくださる方に喜んでもらえるものということで、森田の自主映画をとも考えたのですが、既成楽曲をふんだんに使っているのでそのままでは使えない。ですからダイジェストにして、音楽を全部抜き、効果音や権利のない曲を合わせて70分で7本を収録しています。大変ですが楽しいですね。一方で、森田の作品に手を加えているわけなので責任感もあります。この仕上げをしているのも全て森田組のスタッフなので、きっといいものができると思いますし、特典には自信があります。定価が税込で11万円となっていますが、何処で買っても8万円代で買えますし、10回払いもあるので、もし欲しいけれど高価いと思ってらっしゃる方にはお知らせしたいです。
 
――――上映も、これから全国をまわる予定なんですね。
三沢:劇場のブッキングもやっているので本当に大変ではありますが、神戸の元町映画館のように、フィルム上映できるミニシアターがあれば、ぜひ上映していただきたいですね。今年は没後10年ですが、これからはそういうのを関係なく、継続的に上映活動を続けていきたいと思っています。
 
 
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■今、観直して「前よりいい映画だ」と思えたことが上映活動の原動力に。

――――上映を続けるモチベーションはもっと多くの方、特に若い方に観ていただきたいという部分が大きいのでしょうか?
三沢:はい。やはり10年も経ちますと、森田映画を観たことのない若い世代に観ていただきたいです。3年前に全作品を観た時、私自身が以前観たよりも全部良かったんです。自分の郷愁だけで、皆に迷惑をかけてビジネスにならないようなことをやるつもりはなかったのですが、私だけでなくスタッフやご覧になった方々が、毎回「前よりいい映画だ」と言うものだから、これはやらなくちゃダメだなと確信が持てました。
 
――――ちなみに三沢さんが一番お気に入りの森田監督作品は?
三沢:そんなの言えません。でも、キネマ旬報2021年10月下旬号で24ページの特集が組まれ、20人にベスト5を選んでもらうアンケートがあり、私と宇多丸さんも選ぶことになったのです。何日考えても無理だったので、2021年9月の5本ということで選びました。最近イベントで観た中から、いいなと思ったもので『(ハル)』『39 刑法第三十九条』『メインテーマ』『サウスバウンド』、そして5本目は『間宮兄弟』『僕達急行 A列車で行こう』二部作(ズル)って書きました。『メインテーマ』はアイドル映画として楽しかったし、例えば家庭や職場や学校など周囲の環境と合わなくて、もし精神を病んだり死ぬほど苦しんでいる人がいたら、『サウスバウンド』の夫婦みたいにしがらみを全部捨てて、どこか自分に合うところに行ってしまえばいいじゃないかと思ったりしました。『家族ゲーム』『それから』『の・ようなもの』『ときめきに死す』や、大好きな『キッチン』は書けませんでした。
 
――――森田監督の作品は時代に先駆けたテーマを扱っていたので、ようやく時代が追いついてきたのかもしれません。
三沢:そうなんです。最近一番感動したのが『(ハル)』ですね。本当に不思議なのですが、今年広島で観て泣きましたから。『39 刑法第三十九条』はすごい映画なのに、森田の代表作になかなか入れてくれないから、ずっといい映画だと言い続けたいです。あと最近は『ときめきに死す』に続き、『黒い家』がちょっとカルト的な人気になっています。
 

■「森田芳光 70祭」をきっかけに、上映活動を続けたい。

――――ありがとうございました。最後に、「森田芳光 70祭」で森田監督作品を改めて劇場や書籍、Blu-lay Boxで味わっていただくにあたっての、意気込みをお聞かせください。
三沢:上映活動で直接観客の方々の声を聞かせていただいていますが、若い人の反応がいいのと同時に、『家族ゲーム』ですら観ていないの?と驚くこともあります。まだまだ、皆さんに知っていただかなければ、作品が残っていかないので、今年スタートする「森田芳光 70祭」をきっかけに続けていかなければいけないと思っています。
(江口由美)
 

 
シネ・リーブル梅田で10月22日(金)~11月11日(木)まで上映。
上映予定作品:「の・ようなもの」「家族ゲーム」「ときめきに死す」「キッチン」「(ハル)」
「間宮兄弟」「僕達急行 A 列車で行こう」
※10月23日(土) 19:00の回『家族ゲーム』上映終了後、三沢和⼦さん(プロデューサー)によるトークショーを開催
 
「森田芳光 70 祭」公式サイトはこちら
 

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人生はフェアじゃない。だけど美しい。

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田村淳、「5度、6度、種類が違う涙がでた」

ケイシー・アフレックへ直接感涙報告!

映画『Our Friend/アワー・フレンド』公開記念イベント

 

2015年に「Esquire」誌に掲載され全米雑誌大賞を受賞した傑作エッセーを映画化した映画『Our Friend/アワー・フレンド』が、10月15日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座他にて全国公開致します。

本作の公開を記念しまして、トークイベントを開催。ロンドンブーツ1号2号田村淳さん、そして本作のマットを演じたケイシー・アフレックアメリカからリモート中継で生出演いたしました。


◆日程:10 月 12 日(火)13:00~13:40
会場:スペース FS 汐留(港区東新橋1丁目1−16)
登壇者(敬称略/予定):田村淳(ロンドンブーツ 1 号 2 号)
             ケイシー・アフレック※リモート出演
              MC:伊藤さとり


ourfriend-ivent-500-1.jpg闘病を続けた母との別れを経験し、看取りや自身の死生観について綴った著書「母ちゃんのフラフープ」(ブックマン社刊)や遺書動画『ITAKOTO』など様々な形で「死」についてメッセージ発信している田村。「僕という人間が人との繋がりを描いた映画に呼ばれることがなかったんですが(笑)、映画をみて『なるほど』と。観ている間、ずっと感情を揺さぶられました。去年8月にガンで他界したかあちゃんのことを想いながら、死や別れについてだけじゃなくて、これからどう生きて行くべきなのか、改めて自分の生きる上で何を大切にするべきなのかを考えた」と振り返る。


田村が立ち上げたオンラインサロンメンバーと一緒に同時にオンライン試写行ったという。「みんな感情を揺さぶられながら、どこで何を感じるのかは人それぞれ。違うポイントで響いているのが面白かった」と明かし、「僕自身も5度、6度、泣くタイミングがあって涙の種類も全部違いました」と感涙報告。実母は亡くなる前にやりたいことを記した「エンディングノート」を記しており、田村ら家族は無理のない形でそれを実現させていったという。劇中にはケイシー・アフレック演じるマットが妻ニコル(ダコタ・ジョンソン)のバケットリストをひとつずつ叶えようと奮闘するシーンがあり「(経験した後で)リアルタイムだったので心に刺さった。もうかあちゃんのことは乗り越えられていると思っていたけど未だに泣けてしまうのは心からお別れが出来ていないということだったのか。そう思いながら、自分の中で昇華することが出来たと思う」と心境を打ち明けた。


オフィシャル01_トーク (2).JPG本作では家族や友人など様々な形の愛が描かれる。コンビ愛にかけて、相方・田村亮の存在について尋ねられると「亮さんは、親友というよりも、仕事のパートナーであり、兄弟でもあり、親戚のおじさんのようでもある。大切な人ではあるけれど、どこにもカテゴライズできない」と特別な関係性であることを口にし「彼は僕に向けての『ITAKOTO』も撮ってくれたんです。どんな内容かはわからないけど『俺が死んだ後に見てくれ』『短い言葉になった』とは言われました」と自分に向けての遺言があるという。


そして、満を持して本作の主人公であるジャーナリスト・マット役のケイシー・アフレックが、米国からリモートで登場!ケイシーと画面越しでの対面となった田村淳、「5度、6度、種類が違う涙がでた」ケイシー・アフレックへ直接感涙報告!


ourfriend-550.jpg映画『Our Friend/アワー・フレンド』公開記念イベントオフィシャルレポートが、オスカー俳優ケイシーの見せる、繊細な表情の変化、特に子供たちへ向けるまなざしについて印象的だった事を田村が投げかけると、ケイシーは自身も2人の子供を持つ父親として「(自身の)子供のことを思い浮かべながら、両親がいかに子供たちを愛しているか、その思いが彼らに伝わるものにしたかった」と明かした。


ケイシーは「人生における喜びや幸せと同じように、苦しみも悲しみも受け入れて生きて行こうと努力をしている最中です。この映画は死を描いていますが、実は生きることへの祝福も描いているのです」とメッセージ。それに田村は「作品を通してその気持ちはしっかり伝わってきました」と応える。


ourfriend-500-5.jpg2 児の父親、同世代という共通点のあるケイシーと田村へ「子育てで大切にしていることなどはある?」と共通質問を投げかけると、田村「僕は娘に多くの選択肢を与えたいと思っています。たとえ娘が選択したものを途中で投げ出したとしても、別の道が見つかっているのであれば、それでいいと思う。一つの道を究めさせるというよりは、色々なものに触れて自分が進みたい思える道を見つけるきっかけを与えたい」とすっかりパパの顔。それに対しケイシーは「君はグレートファーザーだよ!僕も淳さんの答えがいい(笑)」と会場を沸かしつつ「この世に子供を連れてきたのは僕たちなんだから、僕らは何よりも彼らを優先しなければならない。子供にキスをするのは返してほしいからじゃなくて、その先の子供たちにどんどん繋げていくものだと思う」と温かく語り、良きパパぶりを発揮。


さらにケイシーは「13歳の次男は日本文化が大好きで、早く日本に行きたいと言っている。日本でキャンプをしたいんだよ。君にもし力があるならば、入国できるように取り図ってくれないか?」とハリウッドスターの粋なジョークに田村は「入国に関しては力を発揮することはできませんね!でもこの間キャンピングカーを納車したばかりでケイシーさんさえよければ僕が運転手をやります!(笑)」「僕はお城が好きなので、息子さんが嫌でなければお城も紹介することはできます。まず最初は犬山城ですね。息子さんは僕が責任を持ってお預かりします!」と猛アピール。これにケイシーも「完璧だ。日本に行ったらすぐに君に電話するよ!」と笑わせ、最後に一言。「僕にとってこの作品は、友情、愛、約束を果たすこと。とても美しいメッセージがつまった作品です。愛で乗り越えられないものはない、と感じてもらえたらうれしいです」と和やかな雰囲気でイベントを締めくくった。


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◆監督:ガブリエラ・カウパースウェイト 脚本:ブラッド・イングルスビー
◆原作:マシュー・ティーグ(「The Friend: Love Is Not a Big Enough Word」)
◆出演:ケイシー・アフレック、ダコタ・ジョンソン、ジェイソン・シーゲル、チェリー・ジョーンズ、グウェンドリン・クリスティー
◆2019年/米/英語/126分/カラー/ビスタ/5.1ch/原題:Our Friend/字幕翻訳:神田直美/G
◆配給:STAR CHANNEL MOVIES
◆© BBP Friend, LLC – 2020
公式HP:our-friend-movie.com

2021年10月15日(金)~ 新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座 ほか 全国ロードショー
 


【STAR CHANNEL MOVIES】

日本初の映画専門チャンネル、スターチャンネルの映画レーベル。感動や衝撃、忘れられない余韻が残る作品を世界中からセレクトしてお届けします。


(オフィシャル・レポートより)

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“音”と“感情”が溶け合い、心を震わせる珠玉の青春群像劇!

音楽コミックの伝説的傑作がついに映画化!!

 

井之脇海(『サイレント・トーキョー』『俺の家の話』

松本穂香(『この世界の片隅に』『みをつくし料理帖』 

 山崎育三郎( 『青天を衝け』『エール』


 

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原作は、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を2度にわたり受賞している漫画家・さそうあきらによる同名作品。音楽への深い愛情と知識に溢れ多くのファンを魅了し、『神童』『マエストロ!』に続く、音楽シリーズ三部作の最終作『ミュジコフィリア』(第16回⽂化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作)が2021年11月12日(金)京都先行公開、翌週11月19日(金)に全国公開を迎えます。

主人公・漆原朔は、若手実力派として活躍をつづけ本作が長編映画初主演となる井之脇海!朔の異母兄・貴志野大成には、ミュージカルからドラマ、映画と幅広い活躍を見せる山崎育三郎。そして朔に想いを寄せるヒロイン・浪花凪を、透明感溢れる歌声で物語をエモーショナルに彩り、本作の主題歌も担当する松本穂香が演じる。脚本・プロデューサーは『太秦ライムライト』の大野裕之が担当し、監督を務めたのは、『時をかける少女』『人質の朗読会』などを手掛け、自身も京都生まれである谷口正晃。風景と音の街、京都で<ミュジコフィリア(音楽に情熱を注ぐ者たち)>が奏でる青春の協奏曲。皆さんの心へ、新しい「音楽」をお届け!


この度、本作の公開を前に、9月30日(木)に全編ロケが行われた京都でのプレミア舞台挨拶を実施いたしました!イベントには、主演の井之脇海ほか、松本穂香、山崎育三郎、谷口正晃監督が登壇し、ロケ地での思い出や本作への想いを語りました。
 


映画「ミュジコフィリア」京都プレミア舞台挨拶 概要

【日付】:9月30日(木)

【劇場】:TOHOシネマズ二条

【登壇者】:井之脇海/松本穂香/山崎育三郎/谷口正晃監督(敬称略)



冒頭の挨拶で、井之脇は「初めて一般のお客様に観ていただく機会なので、映画をどのように受け取っていただけるのか楽しみにしています」とニッコリ。松本は「思っていた以上のお客様が入っていてちょっと驚いていますが、とてもうれしいです」とお礼を述べた。山崎は「短い時間ですが、みなさんに楽しんでいただきたいです。よろしくお願いいたします」と会場を見渡してお辞儀をし、谷口監督は「感無量です。京都での撮影では、たくさんの方に支えていただき、ようやく完成した作品なので、感謝の気持ちでいっぱいです」と感謝を伝えた。


musico-main.jpgのサムネイル画像京都での撮影について、撮影のため1ヶ月近く京都に長期滞在した井之脇は「京都を堪能しました。どのロケ地も歴史的な流れ、自然の中にも時間を深く感じられる街だと思いました。予告にも登場する賀茂川の中洲で朔が演奏し、凪が歌を披露するシーンがあるのですが、こんな素敵な景色を見れているのは僕と凪役の松本さんしかいないんだなとか思いながら、とてもうれしくなりました。景色を存分に味わいながら撮影することができ、京都の街には感謝しかありません」とうれしそうに振り返った。大阪出身の松本は京都によく足を運んでいたことを明かし、「ずっと観光地ばかり行っていました。今回は賀茂川や、大文字山など京都の新しい一面を撮影を通して見ることができて幸せでした。井之脇さんがおっしゃっていた賀茂川での撮影は、いろいろなことを感じながらお芝居ができ、すごくいい経験になりました」としみじみ語った。山崎は「役柄的にいろいろなロケ地には行けなかったんです。大成は、ホールと学校での撮影がほとんどでしたので……」とちょっぴり残念な表情を浮かべつつ、「中でも泉涌寺(せんにゅうじ)での撮影はとても印象的でした。夜の撮影で、泉涌寺をバックにオーケストラの前で指揮をするシーンです。圧巻の景色なので注目してください」とおすすめした。京都出身の谷口監督は「音楽を志すアーティストたちが、音楽を奏でたり、壁にぶつかりながらエネルギーをスパークさせるようなシーンが多い作品です。パワーや魅力のある場所で芝居をしたり演奏シーンを撮りたいと思っていました。賀茂川、大文字山や泉涌寺、無鄰菴(むりんあん)などでの撮影は、役者の皆さんの芝居をより掻き立てるものになったのではないかと思っています」と満足の表情を浮かべていた。なお、泉涌寺、無鄰菴での映画撮影は本作が初となる。


musico-sub3.jpg映画初主演となる井之脇は「撮影中は言わないようにしていましたが、やっぱり不安やプレッシャーはありました。素敵なキャスト、スタッフのみなさんのおかげで撮りきることができたことを心から感謝しています。今日、初主演作をはじめてお客様に観ていただく瞬間に立ち会えることを心からうれしく思います」と撮影当時の気持ちを明かした。ピアノを弾く役については「役者を15、6年やってきましたが、僕の役者人生のターニングポイントとなったのが、12歳の頃に出演した黒沢清監督の映画『東京ソナタ』です。それまで習い事感覚でお仕事をしていたのですが、撮影でプロの現場の厳しさや自分の不甲斐なさを感じて、“この仕事を極めたい”と思った作品です。そのときの役がピアノを弾く天才少年でした。小さい頃にピアノをやっていましたが、ピアノから少し離れていた時期で、作品のためにまた練習を始めました。そして時は流れていつかやるだろうと思っていた初主演作でピアノを弾く役をいただきました。ピアノは僕の人生の中で切っても切れないものですし、とても深い縁を感じました。主演のプレッシャーもありましたが、ピアノが一緒だったので気持ちも楽になり、乗り越えられた気がします」としみじみと振り返った。


役作りについて松本は「上映前なので、余計なことを言ってハードル上げたくないかもと思っちゃいました」と微笑みつつ、「感覚で生きている女の子の役なのですが、歌を歌ったり、ギターを弾いたりと、初挑戦のことが多かったのですが、みなさんに助けていただきながら撮影を乗り切りました。井之脇さんにはいろいろ話を聞いてもらい、気持ちを共有しながら進められたので、とても楽しい気分で撮影を終えることができました」と語った。ダンスのシーンについては「独特の表現をする女の子なので、ダンスというよりは、おもしろいシーンだなという感じで楽しんでいただけたらと思います」と笑顔を浮かべた。


musico-sub1.jpg天才作曲家という役について山崎が「そのままやればいいかなと思いました」と自信たっぷりに語ると会場は大きな拍手に包まれた。恥ずかしそうに「嘘です(笑)」と否定した山崎は「すごく孤独を感じ、気持ちを押し込めているキャラクターで、あまり笑わないんです。朝ドラ『エール』の撮影直後だったので笑わないように心がけるのがちょっと大変でした。僕と似ていないキャラクターなので、彼自身に共感できる部分はほとんどなかったのですが、音楽家としての彼にはすごく共感するところが多かったです」と説明した。


印象に残っているシーンについて井之脇は「予告編に登場する賀茂川のシーンと、朔と大成の兄弟がぶつかり合うシーンです。山崎さんと二人でお芝居していて理屈じゃない部分で反発する兄弟がどこか繋がれたような気がしました。山崎さんと僕の芝居の熱量を感じていただけるシーンになっているので、注目してください」と観客に呼びかけると、山崎も「僕もあのシーンが一番印象に残っています。台本を読んだときはどのように表現しようかと考えたけれど、終盤の撮影だったので、いろいろ積み重なって二人の関係性もできていたので、自然に演じることができました。魂と魂のぶつかり合いができたシーンです」とおすすめした。松本も「台本でしか、朔と大成の二人の関係を見ていなかったので、出来上がった映像から“(二人は)こんなふうになっていたのか”と知ることができました」と振り返り、「大成のプレッシャーとかいろいろな感情が溢れ出るシーンは、誰が観ても共感できるし、グッとくると思います」と微笑んだ。


musico-sub2.jpg谷口監督も「朔と凪の賀茂川のシーンはもちろんですし、朔と大成の二人のスパークシーンを撮影したときには、映画の核となるものが撮れたという手応えがありました。あと、ピアノの下から凪がニョキっと顔を出すシーンは、原作にもある表現です。なんでもかんでも原作をなぞるわけではないですが、漫画的なシーンではあるのですが、抑制しすぎないで表現したほうが良いと思いました。チャレンジではあったのですが、やってみたら見事にハマって。リアリズムな表現ではないけれど、ちょっとポップで弾んだ感じが出た良いシーンだと思っています」と撮影を振り返った。


また原作の魅力について谷口監督は「いろいろな音楽が出てきます。とりわけ現代音楽に光を当てているところにおもしろさを感じました。その存在は知っていても、あまりよく知らないジャンルでした。現代音楽をやっている人たちのあり様、おもしろおかしい人がいたり、こだわりの強い人がいたりということ、人からどう思われても自分が良いと思ったものを探究するという姿が、どこか京都の人と通じるところがあると感じました。東京や他の街がどうであれ、うちはうち、みたいなところとか(笑)。また、古典的なものを守りながらも、革新的なものを受け入れる、生み出してしまうというところ、京都と現代音楽の関係性が京都出身の僕自身もストンと落ちてくるように理解できたという点です」と答えた。


M0930-1.jpg最後の挨拶谷口監督は「現代音楽と向き合い、凪との出会いや大成との関係を通して、朔の閉じていた(心の)扉が開いていく物語です。劇中のように、人と人が交わって、ぶつかり合うエネルギーにより、何か新しいものが生まれるような環境が早く戻ってくることを切に願っています」とコロナ禍でのディスタンスに触れた。山崎は「音楽も人も同じで、共感したり共有したり寄り添うことで、温かい気持ちになれたり、伝えることができます。自分の殻に閉じこもらないで人と関わっていく、そんなメッセージを受け取っていただけたらうれしいです。京都の魅力が満載なので、ぜひ堪能してください」と思いを伝えた。松本は「まだまだ不安とか残る状況で、鬱憤とかいろいろ溜まっているとは思いますが、今日は純粋に映画を楽しんでいただきたいです。笑って楽しい気持ちになっていただければうれしいです」と微笑んだ。井之脇は「いろいろな人と出会い、音楽を通してぶつかり合い、関係を深めていく朔の姿が丁寧に描かれています。音楽に向き合う様々なキャラクターたちと、同じような悩みを持つ方たちの後押ししてくれるような映画になっていると思います。初主演映画は僕にとって大切な作品になりました。ぜひ多くの人に観ていただきたいです」と挨拶し、舞台挨拶を締めくくった。
 


監督:谷口正晃
出演:井之脇海 松本穂香 山崎育三郎 川添野愛 阿部進之介 石丸幹二 濱田マリ 神野美鈴
配給:アーク・フィルムズ
2021/日本/113分
©2021musicophilia film partners
©さそうあきら/双葉社

2021年11月12日(金)京都先行公開

11月19日(金) TOHOシネマズ日比谷 他 全国ロードショー
 


(オフィシャル・レポートより)

 
 
 
 
 
 
 

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ダニエルボンドの集大成、遂に公開!

15年間の感謝の気持ちを日本のファンに向けてメッセージ!

“愛を込めた”コメント映像解禁!

 

全世界待望の「007」シリーズ 25 作目、前作『007 スペクター』から実に 6 年の時を経てシリーズ最新作となる『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』がついに 10 月 1 日(金)に公開いたします。ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドの最後。死闘はクライマックスへー。誰もが知る世界的なヒーローを演じるプレッシャーをはねのけ、シリーズ最高興収を叩き出し、さらにその記録を『007 スカイフォール』(12)で自ら更新。そしてついにボンド引退を表明したことでも話題の本作、その壮大かつエモーショナルなフィナーレに大きな期待がかかります!
 



この度、ジェームズ・ボンドを演じることが最後となったダニエル・クレイグが日本のファンのためだけに寄せた、15 秒の特別メッセージ動画を解禁!

「僕は 15 年間 ジェームズ・ボンド役を演じてきました これでお別れです

全力で挑んだこの作品は まさに集大成です日本の皆様に愛を込めて ありがとう」


この度解禁となったのは、ダニエルが 15 年間演じてきたジェームズ・ボンド役をついに卒業し、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』がキャスト・スタッフともに総力を結集したシリーズ集大成であるということを、日本のファンへ向けてメッセージ動画として寄せてくれた貴重な映像だ。


サブ1_B25_39456_RC2.jpg先日、日英をオンラインでつないで盛大に実施されたバーチャルイベントでは、ジェームズ・ボンドを演じた15年間を振り返り「数え切れない程いろんなことがあったけど、十分やり切ったよ。」と、正直な気持ちを吐露していたダニエル。この 15 年間で得たものは、最高のキャストと最高のスタッフと仕事ができた事だと語ったが、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の監督を務めたキャリー・ジョージ・フクナガ監督も「『007/カジノ・ロワイヤル』から5作品を通じて紡がれてきた物語がついに完結する。ダニエルボンドの卒業作品を監督できたことは、とても光栄なことだった。」とダニエルに対しても、感謝と称賛の気持ちを表し、本作が名実ともに集大成にふさわしい作品だということを改めてアピールした。


またイベント中に日本のたくさんのファンに向けて、「ありがとう。」と日本語で感謝の意を伝えるキャストの姿が印象的だったが、今回のコメント映像でもダニエルが日本のファンに「日本の皆様に愛を込めて ありがとう。」と感謝のコメントを寄せています。ダニエルが最後のボンドを演じたことへの強い思いと、日本のファンへの愛が伝わるメッセージ動画となっている。
 


『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』 ダニエルフェアウェルスポット

YouTube リンク:https://youtu.be/JhmnncpknJ0

大ヒット公開中!!


ダニエル・クレイグが演じたジェームズ・ボンドシリーズはこちら!

『007/カジノ・ロワイヤル』(2006 年)
『007/慰めの報酬』(2009 年)
『007 スカイフォール』(2012 年)
『007 スペクター』(2015 年)
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021 年 10 月 1 日(金)※最新作


『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 』

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【STORY】
ボンドは 00 エージェントを退き、ジャマイカで静かに暮らしていた。しかし、CIA の旧友フィリックスが助けを求めてきたことで平穏な生活は突如終わってしまう。

誘拐された科学者の救出という任務は、想像を遥かに超えた危険なものとなり、やがて、凶悪な最新技術を備えた謎の黒幕を追うことになる。


監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
製作:バーバラ・ブロッコリ、マイケル・G・ウィルソン

脚本:ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、スコット・バーンズ、キャリー・ジョージ・フクナガ、フィービー・ウォーラー=ブリッジ
出演:ダニエル・クレイグ、レイフ・ファインズ、ナオミ・ハリス、レア・セドゥ、ベン・ウィショー、ジェフリー・ライト、アナ・デ・アルマス、ラシャーナ・リンチ、ビリー・マグヌッセン、ラミ・マレック
主題歌:ビリー・アイリッシュ “No Time To Die”
公式サイト:
公式 FACEBOOK:www.facebook.com/JamesBond007 ※端末の地域設定によって表示される国のページが異なります。

公式 TWITTER:HTTPS://TWITTER.COM/007
配給:東宝東和
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絶賛公開中!


(オフィシャル・リリースより)

 

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