2020年1月29日(水)大阪ステーションシティシネマ
ゲスト:大泉 洋、小池栄子、成島出監督
抱腹絶倒!嘘から始まる恋の予感…
いつの世も強くて逞しいのは“女”!
2015年、太宰治の未完の小説「グッドバイ」をケラリーノ・サンドロヴィッチが仲村トオルと小池栄子主演で舞台化。その舞台を観た成島出監督は、戦後の混乱期をどんな状況下でも逞しく前向きに生きるちょっと変わった男と女の物語を映画化したのである。嘘つきで優柔不断なダメ男だが何故か女にモテる男・田島を大泉洋、お金に貪欲で大食いのキヌ子を舞台でも明るくパワフルに演じた小池栄子のダブル主演で贈る、抱腹絶倒のヒューマンコメディの登場です!
出版社の編集長・田島(大泉洋)は別れて暮らす妻子のため身辺整理をすべく愛人たちとの別れを決心する。だが、自ら別れを切り出せない田島が執った手段は、女たちが諦めて自ら身を引いてくれるような偽の美人妻を帯同して挨拶回りをすることだった。ところが、それほどの美人をようやく見つけたと思ったら、それがなんと日頃から闇市場で金銭絡みの喧嘩が絶えない汚い恰好の大食いキヌ子(小池栄子)だったのだ。田島は、キヌ子の真の美しさに驚きつつ、愛人一人一人に「グッドバイ」するための悪戦苦闘は続き、さらにとんでもない事態に陥ることになる。
愛人役に、緒川たまき、橋本愛、水川あさみ、本妻役に木村多江と、キヌ子役の小池栄子との対比も楽しい見所。ところが、がめついキヌ子でも金勘定では割り切れない意外な展開に大笑いしながらも、「人生、まんざら捨てたもんじゃない」などと勇気付けられるのも、大泉洋と小池栄子の絶妙のパワーバランスを、映画ならではの演出で魅了した成島出監督の手腕に拠るところも大きい。
2月14日(金)の公開を前に、大泉洋と小池栄子、成島出監督が来阪。『グッドバイ 嘘から始まる人生喜劇』の先行上映会の舞台挨拶に登壇した。“飛ばす”一方の大泉洋をうまくフォローする小池栄子。劇中の二人と同様の名コンビぶりで会場を大いに沸かせた。
以下はその詳細を紹介しています。(敬称略)
大泉:「優柔不断なくせに女にモテる男」と紹介されましたが、そんなにモテる感じではなかったです。どんな風に愛人たちとグッドバイしていくのか、お楽しみください。
――大阪の笑い、大阪のコメディについて?
大泉:大変緊張しております。大丈夫ですかね~さんまちゃんも鶴瓶さんも出てきませんが…ドタバタ喜劇ですが、成島監督の作品ですのでお芝居の面白さや展開の面白さでお楽しみ頂けると思います。
小池:それぞれの人との関わり方や、愛人たちにグッドバイしながら田島とキヌ子の関係性の変化をお楽しみ下さい。
成島監督:ドキドキしています。笑いの分野では、いつも大阪は怖いです。
――成島監督の演出で心に残っていることは?
小池:成島監督作『八日目の蝉』(2011)に出演させて頂いて、初めてお芝居の面白さを教えて頂きました。そして、「いつか主演で撮りたい」と言われてとても感動しました。そして、4年前の舞台『グッドバイ』を監督が観に来て下さって、この映画の主演に抜擢して下さったのです。
成島監督:小池栄子さんとの出会いは、私の監督人生にとっては宝物です。彼女は努力家で尊敬できる女優さん。舞台も観に行くたびに進化していって、一緒に仕事していてもとても刺激になるパートナーです。
大泉:台本もらった時より、監督の演出でどんどん面白くなっていくんです。例えば「舐めるようにお尻を見てくれ」とか、「恍惚の表情を浮かべてくれ」とか変態めいたような指導が多かった(笑)。
成島監督:もっと色気を出したかったんです。舞台より映画の方がより生っぽい演技を求めていましたので、どうしても変態めいた方へ行ってしまったかも?(笑)
大泉:監督がそんなこと言うと、見出しに「成島出監督の新作は変態映画!」と書かれてしまいますよ!(笑)大丈夫かな~ただの変態に映ってないかな?
小池:大丈夫ですよ。とてもチャーミングで甘えん坊、女性が放っておけない男性像がよく出ていましたよ。
――映画のTV番宣も楽しみにしておられたようですが?
小池:大泉さんは、役者としても面白いし、トークも最高!「大泉さんとバラエティ番組に出たい!」と思ったら「共演するしかない!」ということで夢が叶いました。とにかくよく喋る、よく食べる、よく笑う、元気な人なんです。劇中の田島も、結構ひどい目に遭っているのですが、人としての力強さ、生きていく人間の野性味にあふれ、へこたれず前を向いて生きていくんです。
――プロモーションで小池さんとしたいことは?
大泉:せっかく大阪にいるんだから、一度はNGKの舞台に立ちたい!(笑)笑いの殿堂ですからね、期間限定でそろそろ舞台を踏まないといけないかな・・・。栄子ちゃんとの共演は楽しいけどカロリーが上がる!お互い闘ってます。結構殴り合いしてますから、圧倒的に面白くなるに違いない!
小池:大泉さんは全然怒らないし、何でも受け止めて下さいます。
大泉:笑いのセンスが似ているのか、彼女は感動より笑いを優先してくれるんです。相当おもろい顔の写真でも、「こっち使いましょうよ」と言ってくれて、「女優さんなのにいいの?」ってなことに。彼女との共演はヘトヘトになるけど、変な充実感があり、俳優として感じるべきではない達成感があるんです。
小池:大泉さんとミニ番組をやりたいです。月イチでいいので(笑)
――二人のキャスティングは?
成島監督:パワーと笑いと人間力がキーワードの映画です。戦後復興の人間ドラマですので、「どんなに堕ちても、何をされてもOK!」と、常に前に進む笑いと生命力を同時に持たなければならない役ですので、それを持っているのはこの二人!この二人のお陰で幸せな現場でした。
小池:現場でにこやかな成島監督を見ながら、作品にもその幸福感が反映されると思いました。
(マスコミによる撮影を終えて、マイクを戻されて最後のご挨拶)
大泉:マイクはずっと持っていたい。ずっと喋っていたい。喋ってないと死んでしまうんです(笑)
成島監督:作った僕が言うのも何ですが、中身何もない映画ですので、頭を空っぽにして観て頂きたい。
大泉:「中身何もない」はないでしょ!(笑)せっかく成島監督の作品に出て、中身何もないのですか?
小池:とてもチャーミングな映画なので、肩に力入れるより、それぐらいの気持ちで観て頂いた方がいいのかも知れませんね。どのシーンも美しく、美術も衣装もとてもこだわって作られていますからね。
大泉:今度は「大泉洋&小池栄子主演映画、中身は空っぽ!?」なんて見出しになっちゃう?(笑)始まったら、流れに乗ってどんどん展開していきます。そして、温かな気持ちになれる楽しくて素敵な映画です。多くの方にお勧め頂きたいです。よろしくお願い致します。
『グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇』
出演: 大泉洋、小池栄子、水川あさみ、橋本愛、緒川たまき、木村多江、皆川猿時 田中要次、池谷のぶえ、犬山イヌコ、水澤紳吾、戸田恵子・濱田岳、松重豊
監督: 成島出(『八日目の蝉』『ソロモンの偽証』)
脚本: 奥寺佐渡子
原作: ケラリーノ・サンドロヴィッチ(太宰治「グッド・バイ」より)
配給:キノフィルムズ
(C)2019「グッドバイ」フィルムパートナーズ
公式サイト⇒ http://good-bye-movie.jp/
2020年2月14日(金)~大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹 他全国ロードショー
(河田 真喜子)