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舞台挨拶の最近の記事


konohon-12.1-550.JPG(左から、土屋神葉、伊藤 静、東山奈央、片岡 凜、田牧そら、福岡大生(監督)、黒澤桂子(キャラクターデザイン/作画監督)


konohon-pos.jpg2021年本屋大賞ノミネートの深緑野分による人気小説を原作とする劇場アニメーション『この本を盗む者は』が、12月26日(金)より、新宿バルト9ほか全国公開が決定しました!

本作は、2人の少女が“本の世界”を駆け巡る謎解き冒険ファンタジー。『ラディアン』『神クズ☆アイドル』などを手掛けてきた実力派・福岡大生が監督を務めます。キャラクターデザイン・作画監督には、『彼方のアストラ』『クズの本懐』の黒澤桂子が参加。


この度、公開先駆け、【ジャパンプレミア】を開催いたしました!

本作の主人公である本嫌いの少女・御倉深冬役を務めるのは、今回が映画初主演&声優初挑戦となる片岡 凜。深冬を本の世界へ誘う謎の少女・真白は、同じく声優初挑戦となる田牧そらに加え 深冬の叔母・御倉ひるね役に東山奈央、風来坊を名乗る女性・与謝野蛍子役に伊藤 静、書店員の大学生・春田貴文役に土屋神葉、実力派キャストが登壇。映画が完成した喜び、本作へ込めた想いを語る!さらに、本の物語に迷い込むストーリーにちなみ【どんな世界の人物になりたいか】を、それぞれ初告白いたしました!
 


■日時:12月1日(月) 19:00~19:40 ※上映前イベント

■場所:新宿バルト9 シアター9 (新宿区新宿3丁目1-26 新宿三丁目イーストビル 13階) 

登壇者(敬称略):片岡 凜、田牧そら、東山奈央、伊藤 静、土屋神葉、福岡大生(監督)、黒澤桂子(キャラクターデザイン/作画監督)


<オフィシャルレポート>

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冒頭の挨拶で、本の街・読⻑町の巨⼤な書庫「御倉館」を管理する⼀家に⽣まれた本作の主⼈公、御倉深冬役の片岡は「足を運んでいただきありがとうございます」とニッコリ。深冬の前に突然現れた謎の犬耳少⼥、真⽩役の田牧は「お忙しい中お越しくださりありがとうございます。よろしくお願いいたします」と拍手に包まれた会場を見渡し笑顔を見せる。深冬の叔⺟、御倉ひるね役の東山は「12月26日から公開の本作をいち早く観ていただけるということで、とてもうれしいです。楽しんでいってください!」と上映前の観客に呼びかける。本好きな⾃称・⾵来坊の与謝野蛍⼦役の伊藤は「たくさんのみなさんに楽しんでいただけるのがうれしいです」と微笑み、読⻑商店街にある新刊書店「春⽥書店」で働く⼤学⽣、春⽥貴⽂役の土屋は「上映前のイベントということで、口を滑らさないように頑張ります!」と笑いを誘う。本作を⼿掛けた、福岡監督は着物にハットをあわせた衣装で、キャラクターデザイン&作画監督を務めた黒澤は、華やかな着物姿で元気に挨拶し、大きな拍手を浴びた。

 

本作が映画初主演かつ声優初挑戦となった片岡は「初めてのこと尽くしでした」とアフレコを振り返り、「収録の日々が、毎日新しいことの挑戦。新鮮さも難しさもあったけれど、ワクワクが止まらなかったです」と充実の日々だったことを明かす。「学ばせていただいた日々でした」と力を込め、普段の映像の芝居とは「180度違う!」と語り、「普段は美術さんの作ってくださったセットの中に役として入っていきます。今回は、画の中に自分の力でどう入れるのかが勝負なんだなという違いを感じました」と映像とアニメーションへの役者としての入り方の違いについて自身の言葉で解説。演じた深冬は「自分と似ていると思いました」と話した片岡は「深冬は、本の世界を冒険していきます。私も役者として、日々冒険のような毎日なので、演じながら共感できたし、分かるなぁと思いながら演じていました」と役への共感ポイントを指摘した。


konohon-12.1-tamaki.JPG同じく本作で声優に初挑戦した田牧は、「声優のお仕事に以前から興味がありました」と告白。「アフレコってこんな感じなんだ!とワクワクしていました」と笑顔の田牧は、「楽しい反面、決められた時間の中での台本と映像を観ながらのお芝居はすごく難しくて。改めてプロの声優さんはすごいなぁと思いました」と力を込め、この日一緒に登壇した声優陣の顔を覗き込む場面もあった。


アフレコを一緒に行ったという片岡と田牧の思い出は「壁ドン!」と声を揃える。片岡が「真白ちゃんがかっこいい声を出すシーンがあって。福岡監督からの提案で実際に壁ドンして声を出してみたら?とのことで、本当にしていただいて…」と少し照れながら振り返ると、田牧は「すごくかっこいい感じが掴めた気がしました!」と自信を覗かせながら、福岡監督にお礼。福岡監督は「思いのほかかっこいい真白が出来上がちゃって…(笑)」と満足度の高いシーンが誕生したことへのよろこびと、充実感を滲ませていた。福岡監督は「片岡さんは深冬と似ていると言っていたけれど、深冬ちゃんって根は素直ないい子。きつくあたる芝居やセリフの時にも人の良さが滲み出ている感じがあって、助かりました」と片岡のほうを見てペコリ。田牧については「真白ちゃんはふわっとした感じの子だけど、かっこいい感じもある。(田牧)そらさんのふわっとした感じも出た気がしていて。あと!セクシーなボイスにも挑戦してもらいました」と語る福岡監督に田牧は「いろいろとやらせていただきました。難しかったけれど楽しかったです!」と手応え十分といった様子で反応。立ち位置が隣だった田牧と福岡監督は、顔を見合わせ、ペコペコとお辞儀をし、労い合っていた。

 

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予告などではまだ眠っているところしか披露されていないひるね役を演じた東山。「とても不思議な存在だと思うのですが…」とのMCの問いかけに「ひるね叔母ちゃんは、まだまだ言えないことがたくさんあって(笑)」と答えた東山は、「スタッフさんに(ネタバレに)気をつけろよ、気をつけろよ、と念を押されています」とニヤリ。続けて「面倒をみてもらわないと、一人では何も出来ない。昼寝ばかりしている」という不思議な雰囲気を漂わせているひるね役を演じる上では、「ダメなところもあるけれど愛されるところもあるんだなと思っていただけるように演じたつもりです!」と解説し、MCから「ネタバレに気遣いながらのアピールありがとうございます」と感謝された東山に、会場からは大きな拍手が。予告映像では寝ているところしか映っていないひるねについて、「寝言と寝息に全力をかけて届けています!」と見どころをアピールした東山は、「それだけではないので!」と補足し、会場の笑いを誘っていた。
 


konohon-12.1-itou.JPG劇中で様々な登場人物を演じている伊藤は「たまたま似た顔と似た声帯の人を持っている人を演じるつもりでやっていました」と意識したことを明かした上で、「もともとの蛍⼦さんでなくていいかなという気持ちで。違う作品のただ似ている人という役どころと意識していました」と丁寧に説明。「言いたいことがあった!」と切り出した土屋はその場でスタッフにネタバレかどうか確認する場面も。確認前には東山から「オフマイクで話してね!」とマイクを通さないようにさりげないフォロー&気遣いが入り、会場が笑い声と拍手でいっぱいになる一幕もあった。


 

 

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話したかった内容はネタバレではないということで、コメントOKの許可が降りると土屋は「本編中で、ニワトリをやっています」と明かし、収録当日の朝3時までニワトリの動画を漁ったという。「コレだ!」と思うニワトリの動画を見つけて、アフレコの参考にしたという土屋は、イベント中にニワトリの声を再現。「ちょっとやっただけでも上手!」と伊藤と東山から褒められると、土屋は仕事で訪れたシンガポールでの出来事を明かす。「イベントまでの間に時間があったので植物園に行ったらニワトリがいて…」と振り返った土屋は「植木の間からニワトリが見えて!(ニワトリの声を)やってみたら、逃げられました!」と本物のニワトリも逃げてしまうほどの再現だったとうれしそうに話していた。

 

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制作でのこだわりについて黒澤は、「4割くらいレイアウトを描いています」とした上で、「たくさんやったけれど、意識したのは日常のパート。ヘンテコの(物語の)世界に入る前にヘンテコにならないように、普通のことを普通にすることを意識していました」と語る。続けてこだわりについては「作画監督という役名だけど、(たくさんの作画監督を統べる総作画監督もおらず)一人で作画監督をやっています。一人でたくさんのことをやっていること自体がこだわりです!」と語った黒澤がさらに「キャラクターデザインだけではなく、メカ、プロップ(小物)もやっているので…。大変だったけれど、楽しかったです」と担当した役割を告白すると、会場から大きな拍手が送られる場面もあった。

 

 

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演出面で⼀番気をつけたことについて福岡監督は、「設定は紙の束にしたら広辞苑くらいになりました(笑)」とニヤニヤ。「すごい作品の再現をするために設定や細かいものを作りました」と補足した福岡監督は、それもこれもすべてキャラクターをちゃんと描くために必要なものだったと説明。目指していたことを問われた福岡監督は「深冬ちゃんと真白ちゃんを好きになってもらえたら、という思いでした」と作品に込めた思いを笑顔で答えていた。

 

“本の呪い・ブック・カース”が発動すると街の⼈は物語の登場⼈物に変わってしまう物語が描かれる本作。「もし、何にでも変われるとしたらどのような⼈物になりたいか」との質問に片岡は「私は、お父さんがすごく大好き。ちょっと異質な変な人だけど(笑)、お父さんになってみたいです!」とニッコリ。「どんなお父さんなのか」と尋ねられた片岡は「この映画風に言うなら、一年中ブック・カースにかかっていそうな人。楽しそうな人生を送っているので、なってみたいです」と映画の注目ポイントに触れつつ、自身の父になってみたい理由を添えていた。「胃が大きい人…?」との田牧の回答に、登壇者と会場がクスクスしていると、「いっぱい食べられる人という意味かな?」と福岡監督がやさしくフォロー。胃のあたりを抑えながら「もっと食べたいと思って悔しく感じることもあるので、たくさん食べられるようになりたいです!と満足いくまでたくさん食べられる胃袋がほしいと語った田牧のトークに「片岡さんも田牧さんもピュアさしか感じないお二人!」とMCからコメントが飛び出すなど、会場には終始ほっこりとしたムードが漂っていた。

 

イベントでは本作で声優に初挑戦した片岡、田牧から声優陣への質問コーナーも。「収録時にお腹が鳴ってしまった」という片岡は「どうすればいいのか…。収録時の勝負飯はありますか?」と質問。東山は「みんな結構、何か軽食を持っていたり、ちょっと(お腹に)入れていたりとか…」と答え、伊藤は「人によるけれど、私の場合は一口ようかん。(腹)持ちもいいし、甘いし、ちょっと幸せになれるし(笑)」とおすすめ。「最近プロテインを飲んでいます」という東山が「シェイカーに粉だけ入れて、スタジオの水でシャカシャカ。腹持ちもいいし、タンパク質が摂れて体にもいい!」と語ると、片岡は「収録の時に訊けたらよかった…」と苦笑い。同じ質問をしたかったという田牧は「すごく気になっていたので、(おすすめを)聞けてうれしいです」と大満足。土屋は「僕は(収録時は)食べない派」と答え、その理由は「眠くなっちゃうから」とのこと。しかし、アフレコ前にはガッツリ食べるという土屋が勝負飯は「朝食に馬刺し。叫びのある仕事でも喉も枯れにくい。他の肉だと胃もたれする。スッキリしているし、持続力もいいので」と熱弁すると、田牧は興味津々といった様子の表情を浮かべながら「(次回は)食べます!」と即答し、会場の笑いを誘っていた。

 

最後の挨拶で片岡は「いろいろな愛の形が刻まれている作品です。今日、いち早く物語がお届けできることをうれしく思っています」とジャパンプレミアに参加した観客に呼びかけ、「何かを大事に思う気持ちを持って観てくださるみなさんそれぞれの視点から、どういうメッセージを受け取ってくれるのか。とても楽しみです」と笑顔。「先日完成したものを観たのですが、とにかく映像が綺麗です」とおすすめした田牧は「音楽もすごく素敵。たくさんの方の想いが詰まった作品になっています。ぜひ、観てください!」とアピール。「深緑先生の頭の中にあった作品の世界観が、美しいアニメーションと素晴らしい音楽で彩られているので、ぜひ劇場で受け取ってほしいです」と話した東山は「音楽は、いろいろな場所で収録しているんですよね?」と福岡監督に質問。「本の世界に合わせて、世界で音楽を収録しています」との福岡監督の回答を受け、「各地域で録っている作品の空気も受け取ってください!」と呼びかけた。アフレコの時点で映像の美しさに惹かれたという伊藤は「すごく完成が楽しみという気持ちで収録していました。大きなスクリーンで観てもらえるのが、うれしいです」と思いに触る。オーディションを振り帰った土屋は「原作を読んで、なんて夢のような作品なんだと思いました」とし、「ちょっと昼寝して、その時に見る夢を集めたらこんな作品になりました、みたいな感じ。総合芸術で素晴らしいアニメーションになっています。期待してください!」と呼びかける。「手短に一つだけ」と前置きした黒澤は「一秒でも一コマでも、もう一回観たいなと思ったら、公開されてからもう一度観に来てください!」とリピート鑑賞をリクエスト。「トリってドキドキしますね」と緊張気味の福岡監督は「みんなの頑張りもあって出来上がりました。今は、正直、燃え尽きた状態です」と語り、笑いを誘いつつ「感謝でいっぱいの気持ちでこの場に、立たせてもらっています」とコメントに感謝を込める。続けて「数年後とかにもう一度観たいな、と思ってもらえる作品を目指しました」と話した福岡監督は「この物語にまた戻って来たいと思ってもらえたら光栄です!」と願いを口にし、ジャパンプレミアの舞台挨拶をしめくくった。

 


【STORY】

「本なんて、読まなければよかった⋯⋯!」

書物の街・読⾧町に住む高校生の御倉深冬。曾祖父が創立した巨大な書庫「御倉館」を代々管理する一家の娘だが、当の本人は本が好きではなかった。ある日、御倉館の本が盗まれたことで、読⾧町は突然物語の世界に飲み込まれてしまう。それは本にかけられた呪いc“ブックカース”だった。呪いを解く鍵は、物語の中にc町を救うため、深冬は不思議な少女・真白とともに本泥棒を捕まえる旅に出る。泥棒の正体は一体誰なのか?そして、深冬も知らない“呪い”と“御倉家”の秘密とは⋯⋯?

2人の少女が“本の世界”を旅する、謎解き冒険ファンタジーが開幕!すべての呪いが解けるとき、あなたは奪われた真実と出会う――。

 

原作:深緑野分『この本を盗む者は』(角川文庫/KADOKAWA刊)
監督:福岡大生
脚本:中西やすひろ
キャラクターデザイン・作画監督:黒澤桂子
音楽:大島ミチル
アニメーションプロデューサー:比嘉勇二
アニメーション制作:かごかん(株式会社かごめかんぱにー)
配給:角川ANIMATION
製作:「この本を盗む者は」製作委員会
コピーライト表記:©2025 深緑野分/KADOKAWA/「この本を盗む者は」製作委員会 

公式HP:http://kononusu.com/
公式X:@kononusu_anime

2025年12月26(金)~新宿バルト9 ほか全国公開!


(オフィシャル・レポートより)

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写真左から秋山純監督、伊原六花、松谷鷹也、鈴木京香、前田拳太郎
 
 阪神タイガースの若きホープとして将来を嘱望されながら、21歳で脳腫瘍を発症し、闘病生活を経て2023年に28歳の若さで死去した元阪神タイガース選手、横田慎太郎さんの半生を描いた映画『栄光のバックホーム』が11月28日(金)より全国で絶賛上映中だ。
 
横田さんが在籍していた阪神タイガースの地元、大阪のTOHOシネマズ梅田スクリーン1で上映後に開催された公開記念舞台挨拶では、秋山純監督と横田慎太郎役の松谷鷹也、慎太郎の母、横田まなみ役の鈴木京香、親友の先輩選手、阪神タイガース北條史也役の前田拳太郎、幼馴染の恋人、小笠原千沙役の伊原六花が登壇した。秋山監督は映画の中で使われた横田選手のユニフォームを手に、松谷鷹也は横田慎太郎さんから譲り受けたグローブを抱えて登壇。最後の挨拶では松谷がゆっくりと間合いを取り、一筋の涙を流しながら満席の観客に万感の想いを伝えた舞台挨拶となった。その模様をご紹介したい。
 

 
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■横田慎太郎さんが生きた証をなんとか伝えたいと思った(秋山監督)

―――阪神タイガースのお膝元での舞台挨拶の感想や公開後に届いている反響は?
松谷:初日を迎えた昨日はたくさんの方から連絡をいただき、「1日1日大切に生きようと思った」「慎太郎さんの生きた証を残してくれてありがとう」とコメントを寄せてくださり、泣いていました。今日、大阪でみなさんに観ていただき、嬉しい気持ちでいっぱいです。
 
鈴木:今朝、秋山監督が慎太郎さんをホスピスで見守り続けた看護師さんからいただいたメールの文面をプリントして見せてくれたのですが、「映画の途中から、慎太郎さんの周りで一生懸命彼を支えている家族と同じ気配がしました」という文面がありました。それがとても嬉しかったですし、慎太郎さんの周りで本当にたくさんの方が見守り、病気と闘っている間もたくさんの方に愛されていた慎太郎さんのことを、しっかりと自分の気持ちで実感することができたこともとても嬉しかったです。今日お越しの皆さんの中にはユニフォーム姿の方もいらっしゃるし、鼻をすすっている方もいらっしゃり、皆さん本当に慎太郎さんのことが好きなのだと思います。わたしも慎太郎さんの大ファンになりました。
 
前田:この作品に携わってはじめて横田選手のことを知り、僕が仕事をしていて辛い時、苦しい時でも目標をもち、背中を押してもらえました。今までこんな素敵な選手がいたことを知らなかった自分がすごく悔しいですし、僕が背中を押してもらえたように、横田選手を知らない人に届けていきたいです。たくさんの人の背中を押すことができる作品だと思いますので、みなさんも一緒にたくさんの人に横田選手のことを届けていきましょう。
 
伊原:昨日から公開が始まり、横田さんやご家族の生き様がすでに届いていると感じるメッセージをたくさんいただきました。数日前、大阪で別件のイベントを行ったときに、来てくださった方のほとんどが「映画を観に行きます」とおっしゃっておられ、こんなに愛されている方、愛されている球団の作品に参加させていただけることに対し、改めて胸がジンとしました。
 
秋山監督:今日は本当にありがとうございます。4年半前から企画が進んでおり、横田慎太郎さんが生きた証をなんとか伝えたいと思って作っていましたが、気が付けば僕らスタッフ、キャストみんなが横田慎太郎さんに呼ばれて、また1日1日大切に生きるということを教えてもらい、宝物をもらいながら日々を過ごさせていただきました。こんなに幸せなことはありません。地元大阪の前で、横田さんを演じる松谷鷹也さんは新人なのですが、野球に本気で向き合い、一切真似はしていない。一生懸命野球に向き合うことが、横田さんにできるたった一つのことだと思いましたし、そこに(鈴木)京香さんや、マエケン(前田拳太郎)、(伊原)六花さんとこんなに素敵なみなさんがきっと横田さんに呼ばれて集まり、こうしてこの日を迎えられたことが嬉しいです。今日は本当に横田さんに「ありがとう」と言いたいです。
 
 
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■聖地に足を踏み入れさせていただき、この映画で野球ファンになった(鈴木)

―――聖地、甲子園球場でのロケについて
秋山監督:甲子園の近くに住んでいましたので、子どもの頃から野球を見に来ていましたし、熱闘甲子園で取材もさせていただき、タイガースの野球も観戦していました。聖地に足を踏み入れることはすごいことなのですが、ロケの日は台風が東と西の両方から来ており、大雨の予報だったんです。でもシーズン中で(撮影日は)その日しかなかった。そこで奇跡が起きて…。
 
松谷:雨予報で最初は曇っていたのですが、慎太郎さんのグローブを持って、ベンチから階段を上がっていったら、さーっと雲が広がって太陽が顔を出し、青空が広がったんです!
 
前田:ポスターの写真は甲子園で撮ったリアルな青空なんですよ。グラウンドに入った瞬間、青空になったので、横田選手の想いが伝わったのかなと思いますね。
 
鈴木:わたしは息子の慎太郎にボールを渡しに行きましたし、そこで川藤幸三さんや平田勝男二軍監督にもお会いしました。聖地に足を踏み入れさせていただき、この映画を通して野球ファンになりました。
 
伊原:父親が阪神ファンで、わたしが子どもの頃、ちょうど星野監督時代のファン感謝デーで甲子園に行き、風船を飛ばした光景が心に残っています。この役が決まり、父親が一番喜んでいました。
 
 
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■慎太郎さんが命をかけて最後の最後まで伝えたかった「1日1日大切に生きること」を持ち続けることが一番の恩返し(松谷)

―――最後のご挨拶
秋山監督:この映画を作っているときに横田慎太郎さんが劇場で見ると言ってくれた。その約束は叶わなかったけれど、こんなたくさんの人に届いていることをきっと見てくれていると思います。最後に幻冬舎社長が作ってくれたコピー「すべての横田慎太郎に捧ぐ」のように、辛いことがあるとき、この映画が前を向くきっかけになれたらと思いますし、観ている人全てが横田慎太郎だと思います。ありがとうございました。
 
松谷:僕も初日初回でこの映画を観ましたが、観た方は慎太郎さんに会いたくなると思います。慎太郎さんはこの世を旅立ってしまったけれど、命をかけて最後の最後まで伝えたかった「1日1日大切に生きること。目標を持つこと」をまだ生きている僕たちがしっかりと受け取り、そういう気持ちを持ち続けることが一番の恩返しです。そして(慎太郎さんのことを)忘れないことだと思っています。みなさんもこの映画を通して、何か感じ取ってもらえたことがあれば、明日から実践してもらえたら嬉しいです。
 
鈴木:わたしも本当に慎太郎さんに会ってみたくなりました。この映画を通して慎太郎さんのことを初めて知った方もいらっしゃると思いますし、一人でも多くの方に慎太郎さんのことを知っていただきたいです。みんなで慎太郎さんのことを応援します。
(江口由美)
 

 
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<ストーリー>
2013年のドラフト会議で阪神タイガースに2位指名された横田慎太郎、18歳。甲子園出場は逃したが、その野球センスがスカウトの目に留まり、大抜擢された期待の新人だ。持ち前の負けん気と誰からも愛される人間性で、厳しいプロの世界でも立派に成長を遂げていく慎太郎。2016年の開幕戦では一軍のスタメン選手に選ばれ、見事に初ヒットを放つ。順風満帆な野球人生が待っていると思われたその矢先、慎太郎の体に異変が起こる。ボールが二重に見えるのだ。医師による診断結果は、21歳の若者には残酷すぎるものだった。脳腫瘍―。その日から、慎太郎の過酷な病との闘いの日々が始まる。ただ、彼は孤独ではなかった。母のまなみさんをはじめとする家族、恩師やチームメイトたち、慎太郎を愛してやまない人々の懸命な支えが彼の心を奮い立たせる。そして、2019年9月26日、引退試合で慎太郎が見せた“奇跡のバックホーム”は人々を驚かせ、感動を呼んだ。しかし、本当の奇跡のドラマは、その後にも続いていたのだった…。
 
<作品情報>
『栄光のバックホーム』幻冬舎フィルム 第一回作品
企画・監督・プロデュース:秋山 純
原作:「奇跡のバックホーム」横田慎太郎(幻冬舎文庫)
「栄光のバックホーム」中井由梨子(幻冬舎文庫)
脚本:中井由梨子
出演:松谷鷹也 鈴木京香 前田拳太郎 伊原六花・山崎紘菜 草川拓弥
萩原聖人 上地雄輔 古田新太 加藤雅也 小澤征悦
嘉島 陸 小貫莉奈 長内映里香 長江健次 ふとがね金太
平泉 成 田中 健 佐藤浩市 大森南朋 柄本 明 / 高橋克典
主題歌:「栄光の架橋」ゆず(SENHA)
©2025「栄光のバックホーム」製作委員会
 

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歓びも悲しみも怒りも、家族だからこそ素直に伝えにくい感情を、観る者の気持ちを代弁するかのように映像で表現してくれる中野良太監督。『湯を沸かすほどの熱い愛』『浅田家!』に続いて5年ぶりの最新作『兄を持ち運べるサイズに』は、作家・村井理子の疎遠だった兄の死について綴ったノンフィクションエッセ イ「兄の終い」を基にした、笑いあり、切なさあり、涙ありの共感しまくりの感動作である。主演に柴咲コウ、兄役にオダギリジョー、兄の元嫁役に満島ひかりと円熟期に入った魅力的なキャストをそろえ、“厄介だけど愛おしい家族”についていま改めて問い直して、胸に迫るものがある。見終えて、優しい気持ちで家族と向き合えるような気がして、気持ちも軽くなるような作品。


11 月 28 日(金)からの全国公開に先駆けて、11 月 21 日(金)よりTOHOシネマズ日比谷とTOHOシネマズ梅田にて先行公開された。それを記念して、TOHOシネマズ梅田で舞台挨拶が開催され、オダギリジョーと原作者・村井理子と中野量太監督が登壇。原作者を交えたトークは珍しく、原作者の目から見た映画の魅力や、兄を演じたオダギリジョーや中野監督の本作に向けた熱い想いなど、作品同様、笑いあり、感動ありの舞台挨拶となった。詳細は下記の通りです。
 


■日時:11 月 23 日(日)12:10~12:40(上映後)

■会場:TOHO シネマズ梅田(大阪市北区角田町7−10 HEPナビオ 8 階)

■登壇者(敬称略):オダギリジョー(49)、村井理子(55)(原作者)、中野量太監督(52)

■シネルフレ作品紹介はこちら⇒ http://cineref.com/review/2025/11/post-1334.html


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【はじめに】

最初の挨拶では、初めての舞台挨拶で緊張しているという原作者の村井に、先行上映を観たら感想をどんどん広めてほしいと意気込むオダギリジョー、そして、京都在住の中野監督は仲間の応援もあって、3年掛りで作った作品を観てもらえるのが何よりも嬉しいと挨拶した。


★映画化のキッカケは?

中野監督:3年位前にあるプロデューサーの勧めで読んだエッセイが、兄が亡くなる話だが、クスッと笑って、熱い想いになって、優しい気持ちにもなった。これまで僕がやってきたテイストというか方向性が似ているなと感じて、これなら映画化できるのではと思いました。


★最初に映画化を聞いてどう思った?

村井:率直に嬉しかったです。私は地味に書いている人なので、最初は何を言っているのか分からず戸惑いました。書き手にとって映像化されることはとても嬉しいことなのです。


完成作品を観た感想は?

村井:とても感動しました。本では兄の死はとても悲劇的に終わるのですが、映像になるといろんな仕掛けがあって、悲しいだけではない楽しいこともあって、私にとっては救いになりました。とてもいい映画だなと思いました。


台本を読んで即決!?

オダギリジョー:とてもいい台本だったのですぐに中野監督にメッセージを送りました。『湯を沸かすほどの熱い愛』以来10年ぶりのコラボですが、監督とは年齢も近いので分かり合えるような気がして、監督を信用しています。それに監督が書く脚本は笑えて泣ける面白い脚本が多いので、映画化するのがとても楽しみでした。

 

【「兄」というキャラクターについて】

「兄」を演じるにあたって研究したことは?

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オダギリジョー:オンラインで村井さんにお話を聴く機会を頂いたのですが断りました。今から演じる人の「答え」を先に見せてほしくなかったので原作も読まずに、監督が書いた脚本だけを信じて、監督との作業で演じました。

中野監督:オダギリさんはいつもそんな感じでして、皆と何かを準備するとか、事前の本読みとかも凄く嫌がるんですよ(笑)。その分、僕が村井さんに沢山お話を聴いて脚本に反映させていたので、それを信じて演じてくれました。お陰で村井さんに「お兄さんみたい」と言って頂けたのは嬉しかったですね。
 

★「兄」の人物像について監督と相談しながら演じていた?

オダギリジョー:兄は主人公・理子の回想シーンとイメージのシーンにしか登場しないので、その幅がありすぎてどうにでも演じられるが、逆に怖いことでもありました。

中野監督:最後に3パターンの兄ちゃんが登場するのですが、演じ分けるのも難しかったと思います。でもあのシーンを撮りたくて脚本を書いていたぐらいですから、大事なシーンでした。
 

オダギリさんがお兄さんに見えてきたところとは?

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村井:勿論、見た目は随分違うのですが、例えばお葬式の時にお金の無心をするシーンとか、スーパーで焼きそばを買うシーンとか、部屋の中で履歴書を書いているシーンとか、本当にびっくりするくらい雰囲気が似ていて、やっぱ凄いなぁと思いました。

オダギリジョー:それは偶然です。まぐれで当たっただけで、恐ろしい奇跡です!(笑) でもそう言って頂けて嬉しいです。

中野監督:それをコントロールしたのが僕です!(笑)。
 

★実在の兄について?

村井:実在の兄がついた嘘も後になって回収できたのですが、当初は次は何を言ってくるのか分からず本当に怖かったので、理解できてなかった部分もありましたね。



【作品の内容について】

★原作と脚本の違いは?

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中野監督:原作が6割、2割は村井さんに直接取材して付加したもの、後の2割はオリジナルです。やはり文字と映像は別ものですから、120分という制約の中で面白く見せるためには、本のままというのは難しいと村井さんにも申し上げました。でも、本の大切な部分は絶対にブレることなく描いてあります。村井さんにお話を伺っていると次々と面白い話が出てきて、例えば焼きそばの話や、良一君の下着が小さかったこととか、もうそれを聞いた時には胸がキューって締め付けられました。


面白く見せるための工夫は?(主人公の本音をテロップで映すとか…)

中野監督:兄は亡くなっていますので回想でちらっと見せるだけでなく、どうやって出そうかと悩みの種だったんです。でも、理子は作家だから、頭の中で書いた文字をそのまま表記して、その流れで兄が登場するのはイケると思ったんです。それが映画的表現としても面白いなと。そこに気付いてからは脚本もワーって書いていけました。


中野監督と村井さんは家族への向き合い方が似ているのでは?

中野監督:原作を読んだ時、兄の死を描いているけれど、残された人たちが右往左往しながらも頑張って生きている姿に感動しました。僕も家族の死とかを描いてきましたが、やりたいこととは、その死を受け入れてどう生きていくかということです。一所懸命に生きている姿が滑稽で可笑しくて、という方向性は村井さんと似ているかもしれません。


村井:中野監督も今までの作品でずっと家族を描いてこられましたが、私も家族を描くことが多くて、それはなぜかというと、家族というものがよく分かってない、「家族とはなんなんだろう?」とずっと探っているような形で、中野監督と同じような気持ちを持っているのかもしれません。



【作品の影響について】

この映画によって気持ちが変化したことは?

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村井:一番感動したシーンは、スーパーで兄だけなく両親も出てきたところです。実際には無理だけど、映画だとこんな風にみんな集まれるんだという、ちょっとした安心感に繋がりました。今では亡くなった両親を思い出す時、そのシーンが出てくるようになりました。


オダギリジョー:僕は両親が離婚して母子家庭で育ったのですが、最近になって父方の情報が少しずつ入ってくるようになり、これもこの映画の縁なのか、そういう年頃になったのか、不思議な縁を感じるようになりました


中野監督:(オダギリジョーの話を受けて)自分のルーツがこの年になって聞こえてくるということはとても面白いことですね。
僕がなぜ家族について撮っているのかというと、村井さんと同じで、「家族とは何か?」という答えがよく分からない――今回は村井家にとっての答えというものがきっとあると思います。前作の『浅田家!』だったら浅田家の答えがあったりして、毎回家族をとっているけど、毎回新鮮なんです。そのことに改めて気付きました。

 

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【最後に】

村井:ぜひ、「楽しかったよ」とか「良かったよ」とか言って宣伝して頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。


オダギリジョー:僕たちが今ムービーカメラに向かって手を振っていますが、観客の皆さんも手を振って頂いて、こんな風景初めて見たので、とても感動しています。今までカメラに向かって手を振るなんてバカらしいと正直思っていたんですが(笑)、今日初めてその意味が分かった気がします。もうすぐ50歳なんですけど、ようやく手を振ることを嬉しくできました。それはここに来て頂いた皆さんのお陰です。ちょっと成長できたような気がします。ありがとうございました。この作品を愛情をもっていろんな所で広めて頂ければ幸いです、どうかよろしくお願いいたします。


中野監督:本当に映画作りは長い旅でして、3年前に企画から始まってやっと出港できる状態になりました。皆さんは初めてこの映画を観るお客さんです。勢いよく出港するためにも、応援して頂けると嬉しいです。僕としても 5年ぶりに撮ったこの映画は自信作です! 皆さんもウソではなく正直な感想を広めて頂ければ嬉しいなと思います。よろしくお願いいたします。
 


【ストーリー】

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エッセイストの理子(柴咲コウ)の元に突然、兄の死を知らせる電話がはいる。理子は疎遠になっていた兄の死を悲しむこともなく、淡々と唯一の肉親として遺体を引き取りに東北へと向かう。兄は7年前に離婚して小学生の息子・良一(味元耀大)と二人で暮らしていた。警察署で兄の元嫁・加奈子(満島ひかり)とその娘の満里奈(青山姫乃)と再会して、「早く、兄を持ち運べるサイズにしてしまおう」と荼毘に付す。

そして、兄たちが住んでいたゴミ屋敷と化したアパートを片付けていた3人は、壁に貼られた家族写真を見つける。兄と加奈子に満里奈と良一の家族のものと、そして子供時代の兄と理子が写ったものもあった。迷惑ばかり掛けられていた理子が兄の文句ばかり言っていたら、元嫁の加奈子から意外なことを言われてしまう。実は、兄は病気のために働けず、かなり困窮していたことを知り、兄から何通ものメールを受け取っていたにもかかわらず、全てスルーしていたことを後悔する。そして、自分の知らない兄の在りし日々を辿ろうと、良一の案内で思い出の場所へ向かう……。


【作品概要】

◎原作:「兄の終い」村井理子(CE メディアハウス刊)
◎脚本・監督:中野量太  
◎撮影:岩永 洋    
◎音楽:世武裕子
◎キャスト:柴咲コウ、オダギリジョー、満島ひかり、青山姫乃、味元耀大
◎制作プロダクション:ブリッジヘッド/パイプライン
◎配給:カルチュア・パブリッシャーズ
◎コピーライト:©2025 「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会
映画公式サイト: https://www.culture-pub.jp/ani-movie/
◎映画 SNS:[X] https://x.com/ani_movie1128
◎映画 SNS:[Instagram] https://www.instagram.com/ani_movie1128
推奨ハッシュタグ:#兄サイズ #兄を持ち運べるサイズに

2025年11月28日(金)~TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ二条、MOVIX京都、T・ジョイ京都、109シネマズHAT神戸、OSシネマズ神戸ハーバーランド、OSシネマズミント神戸ほか全国ロードショー


(河田 真喜子)


kinpatsu-11.22-main.JPG(左から、坂下雄一郎監督、岩田剛典、白鳥玉季)


■日時:2025年11月22日(土)11:50~12:15 ※上映前イベント 

■場所:グランドシネマサンシャイン池袋 スクリーン3(豊島区東池袋一丁目30番3号 グランドスケープ池袋)

■登壇者(敬称略):岩田剛典、白鳥玉季、坂下雄一郎監督 MC:奥浜レイラ 



kinpatsu-11.22-3shot-500-1.JPG第38回東京国際映画祭で観客賞を受賞した映画『金髪』が、ついに全国公開!11月22日には都内劇場にて公開記念舞台挨拶が実施され、主演の岩田剛典、共演の白鳥玉季、そして坂下雄一郎監督が登壇した。

 

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満員御礼で迎えたこの日、事なかれ主義の中学校教師・市川を演じた岩田は「ついに全国公開という事で本当に嬉しく思います。『金髪』が皆さんの元に届いてどんな感想が待ち受けているのか?日々SNSを見ながらチェックしている…まさに市川のようにこの日を待ちわびていました」と役柄に絡めて挨拶した。


第38回東京国際映画祭にて観客賞を受賞した事への祝福の拍手が送られると、岩田は満面の笑みでガッツポーズ。「映画祭上映期間中の皆さんの感想が導いた観客賞だと思うので本当に嬉しかったです。授賞式当日僕は大阪にいたけれど、監督が名前を呼ばれて席を立つ瞬間をスマホで見ていました。そこまで市川の気持ちを引きずる、そんな『金髪』です」と生配信で受賞の瞬間を見届けていた事を報告した。


市川のクラスの生徒で金髪デモの発起人・板緑役の白鳥も受賞に大喜び。「受賞のお知らせはマネージャーさんからLINEでポッと伝えられたので、一瞬流してしまって戻して驚くという。その段階があったので、ワー!と急に叫ぶような驚きはなかったけれど、しっとりとしっかりとした驚きが心の底からありました」と可愛らしく回想した。


kinpatsu-11.22-sakashita-1.JPG一方、授賞式当日に名前を呼ばれてステージに登壇した坂下監督だったが「最初に名前を間違えられて呼ばれたので、それは言った方がいいかなと思って。一度訂正してから出来たので、それを言えて良かったと思います」と独特な逸話を通して喜びを表していた。

 

坂下監督によるオリジナル脚本に惚れ込んで出演を快諾した岩田は「会話劇でシーンが作られていくので、役者としてはやりがいのあるチャレンジになる。そこに対して燃える気持ちが生まれた作品でした」と述べた。

 

 


kinpatsu-11.22-shiratori-1.JPG劇中で金髪姿を披露した白鳥は「金髪ウィッグをかぶった自分の姿を鏡で見た時に、私ではないみたいで。これが板緑だという認識が先に出来ました。現場に行ってウィッグをかぶるたびにスイッチの入りがわかりやすくて、良い感じに活用出来ました」と話した。


その横で岩田は15歳とは思えぬ白鳥の冷静沈着なトーク運びに「落ち着いているね~!凄いよ」としみじみ。坂下監督がオーディションでの白鳥の挙動について「落ち着いていて大人びていた」などと評すると、岩田は「ほら~!」と嬉しそうだった。


そろそろ年末という事で、それぞれが思う2025年を表す漢字一字をフリップに記入して発表白鳥はイラスト入りで「猫」と書いて「猫に今年からハマってまして、猫を飼うために家を買いたいという新しい目標が出来た」と理由を説明した。猫カフェに行くのはもちろんのこと、猫を飼っていないのにペットショップで猫用トイレの砂を見てしまうそうで「いつかペルシャ猫みたいな子を飼いたい。この夢を胸に、頑張ります!」と意気込んでいた。


kinpatsu-11.22-iwata&shiratori-500-1.JPG岩田は「外」と書いて「タ、ト、です」と。「というのは冗談で、外です。去年までなかったのに今年から仕事で海外に行く事が増えたし、外の世界を知る1年にもなったので。年明けから不思議と海外に行かせてもらう事が増えたので、自分の中では潮目が変わってきている気がする」と実感を込めて、海外作品への興味も「もちろんあります。出演したいです」と前向きだった。

 

最後に坂下監督は「気に入っていただけたら幸いです」、白鳥は「普段は見られない光景が沢山見られる面白い映画です。お気に入りのシーンを見つけて楽しんでください」とPR。主演の岩田は「大人の皆さんには必ず共感していただけるシーンやワードが散りばめられた作品です。僕自身完成作を観た時に身につまされる思いがあって、自分の中で笑いが起きたと同時に嫌な気持ちにもなって。他人事だとは思えない。そんな新感覚ムービーになってるので、感想を口コミで広めていただきたいです」とさらなるヒットを祈願していた。
 


<Story>

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中学校教師・市川(岩田剛典)は、世の中には様々な生き方があり、多種多様なことが日々起きているが、自分の価値観は間違っていないと思っていた。ところが、ある日、その価値観を大きく揺るがす出来事に直面する。ひとつは担任クラスの⽣徒数⼗⼈が校則に抗議するため髪を⾦⾊に染めて登校してきたこと。そしてもうひとつは、1年付き合っている彼⼥(門脇麦)から結婚の話を切り出されたこと。マスコミやネット、さらには⽂科省まで巻き込む⼤騒動になる“⾦髪デモ”と、⽇々の愚痴を聞いてくれていた彼⼥からの予期せぬ反応。生徒と学校側との板挟みになる市川は、窮地を脱するために“⾦髪デモ”を計画した張本⼈・板緑(⽩⿃⽟季)と⼿を組み、ある作戦に打って出るが…⋯。

仕事の問題と⼈⽣の重要な決断に迫られた市川は、果たして自分が“イタイ大人”だと自覚して、“マトモな⼤⼈”へと成⻑できるのか?


出演:岩田剛典、⽩⿃⽟季、⾨脇⻨、⼭⽥真歩、⽥村健太郎、内⽥慈
監督・脚本:坂下雄一郎 音楽:世武裕⼦
配給:クロックワークス
 ©2025「金髪」製作委員会
2025年/日本/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/103分/G
公式HP:kinpatsumovie.com 
公式X:@kinpatsumovie #映画金髪

2025年11月21日(金)~ T・ジョイ梅田、なんばパークスシネマ、MOVIX堺、T・ジョイ京都、MOVIX京都、109シネマズHAT神戸、Kino cinema神戸国際、他全国絶賛公開中!


(オフィシャル・レポートより)


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『ミッドナイトスワン』(’20)で第 44 回日本アカデミー賞最優秀作品賞に輝いた内田英治監督の原案・脚本・監督を手掛けた最新作『ナイトフラワー』が 11 月 28 日(金)から全国公開される。内田英治監督自ら“真夜中シリーズ”と銘打つ本作は、借金取りに追われながら大阪から東京へ逃げてきた母親が、二人の子供の夢を叶えるためにドラッグの売人になることを決意し、危険な世界へと足を踏み入れていく衝撃のヒューマン・サスペンス。


nithflower-pos.JPG主人公・永島夏希を演じるのは同じく二人の子供を持つ北川景子。ほぼスッピンで挑んだ北川は、スナックで無理やり酒を飲まされてはカラオケをやけくそで歌い、関西弁で捲し立て、泣きじゃくり、顔を崩して大きく笑い、今まで見せたことのない必死の母親を熱演。それでも、その姿に優しさと温もりを感じられるのは、北川景子自身が持つ優美さによるものだろう。


夏希のボディーガードとしてシスターフッドを繰り広げる格闘家・芳井多摩恵役を演じた森田望智Netflix の「全裸監督」シリーズ、「シティーハンター」や NHK 連続テレビ小説「虎に翼」など、伝統的な女性像からセクシーなアクションまで、多様なキャラクターを演じ分けている。今回はさらに見間違えるほどの肉体改造を敢行した上に凄まじいまでの格闘シーンで度肝を抜く。


そして、ラストシーンにご注目!決して甘くはない現実を、せめてものベールで覆い隠そうとする内田監督の優しさが最も強くにじみ出て、より一層のせつなさに胸が締め付けられることだろう。


本作の全国公開に先駆けて大阪で舞台挨拶が開催され、主演の北川景子が登壇!生活苦の中で子どもたちのため危険な世界に足を踏み入れてしまう母親・夏希を、文字通り体当たりで演じて秀逸。1週間後に公開を控えた心境や、撮影の裏話、また地元である関西にまつわるお話や、彼女の意外な一面をうかがい知れるエピソードも飛び出して、大声援を受けて終始上機嫌だった。
 


【日 時】2025年11月20日(木)19:00~19:20 ※上映前舞台挨拶

【会 場】大阪ステーションシティシネマ(大阪府大阪市北区梅田 3-1-3 ノースゲートビル 11F)

【登壇者】北川景子(敬称略) MC:岡安譲(関西テレビアナウンサー)



nithflower-11.20-240-1.JPGMCの呼び込みにより登場した北川は、色とりどりのペーパーフラワーを手にした大阪の観客から、一斉に「おかえり~!」と迎えられ、会場は一気に華やかな雰囲気に。そんな会場を笑顔で見渡した北川は、「すごい!ありがとうございます。華やかで嬉しい!舞台挨拶で大阪に来るのは8年振り。今日は、大阪の皆さんにお届けできるのを楽しみにしていました」とにこやかに挨拶。


★大阪の思い出は?

「学生時代によくHEP FIVEへ行きました。観覧車にも乗りましたよ。ゲームセンターにプリクラがあって、今でも訪れる度に懐かしいなと思い出しますね。あと、大阪に帰ってきたら一度は必ず粉もんを食べます」と、関西出身者ならではのエピソードを披露。自宅にもタコ焼き器があって、月イチで夕食にたこ焼きを食べるという。「子供たちも大好きで、タコだけでなくウィンナー入れたりして、夫が焼いてくれます」と、料理上手なDAIGOによるたこ焼きは美味しくて楽しそう。


★二人の子供を持つ母親役について?

自身も二人の子供を持つ母親である北川は、「夏希は色々な事情を抱えながらも、真面目に一生懸命子供に向き合うお母さん。子供が食べたいと言った料理を用意したり、好きな習い事をやらせてあげたいという気持ちは、母親になったからこそ理解することができました」と、役に共鳴したと語る。「夏希がパート先で地球儀を作っている時に、抑圧に耐えかねてブチ切れるシーンがあるのですが、そこは思いっきり感情を爆発させて演じました。とてもすっきりしました!(笑)」と、従来の北川とはギャップのあるシーンも見所として紹介。


nithflower-sub-1.JPG★共演者について?

「夏希に協力する多摩恵役の森田望智さんは、半年以上のトレーニングで7キロ増量して骨格から変えたそうです。その格闘シーンが凄すぎて、私は客席から見ていて本当に胸を鷲掴みにされました。それから、娘役の結美ちゃんがバイオリンを弾くシーンでは、母としての想いや娘の健気さや、曲の情感から思わず泣いてしまいました」と、感動的なシーンがいくつもあるという。


さらに本作で俳優デビューを飾った人気バンド SUPER BEAVER のボーカル・渋谷龍太について、「(サトウ役の)渋谷さんの貫禄も凄い!普段の渋谷さんはすごくフレンドリーで優しい方なのですが、本番になると怖くて。サトウに全財産の小銭を差し出すシーンでは、手が震えてしまって何度もNGを出してしまいました。出す度に金額が変わってしまい、「さっきと違う!」と言われました(笑)。Snow Man の佐久間大介についても、テレビで普段見ている印象とは違うので、是非楽しみにしてください」と呼びかけた。


nithflower-11.20-240-2.JPG★カラオケシーンについて?

映画の冒頭に夏希の熱唱シーンがあるが、元々歌は大の苦手で、カラオケ行ってももっぱら盛り上げ役と語る北川。「歌のシーンは私自身もやけくそになって歌っています(笑)。内田監督から歌うとは聞いてなかったので、台本を読んで、“えーっ!?”って。仕方なく、帽子を深くかぶり、マスクをして一人でカラオケへ行って練習しました。1時間で終わると思ったら、延長して練習しましたが…」 と、初の一人カラオケで猛練習したそう。その成果のほどは劇中で!


★全編関西弁を披露?

「関西弁の台詞はネイティブですから余裕でした。私は、兵庫県出身ですが、夏希は大阪出身の設定なので、大阪弁を練習して撮影に挑みました。それで自然体で演じられたのはよかったです」とコメント。


★最後に

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あっという間にイベントが終盤に差し掛かり、「時間が全然足りない!」と、まだまだ語りたいことがある様子の北川。最後に「関西出身の母親が頑張る役を演じましたので、今日こうして関西に帰ってこられて嬉しかったです。皆さんにもお花で出迎えていただき、感動しました。監督とキャストが一丸となって魂をぶつけあって作った映画です。明日から周りにいる人との時間を大切にしようと思ったり、 温かい気持ちになれたりすると思います。もし面白いと思っていただけたら、是非広めてください」と締め、終始アットホームな雰囲気のイベントは、大盛況の内に幕を閉じた。
 


【ストーリー】

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借金取りに追われ、二人の子供を抱えて東京へ逃げてきた夏希(北川景子)は、昼夜問わず働きながらも、明日食べるものにさえ困る生活を送っていた。ある日、夜の街で偶然ドラッグの密売現場に遭遇し、子供たちのために止むに止まれず自らもドラッグの売人になることを決意する。そんな夏希の前に現れたのは、孤独を抱える格闘家・多摩恵(森田望智)。夜の街のルールを何も知らない夏希を見かね、「守ってやるよ」とボディーガード役を買って出る。タッグを組み、夜の街でドラッグを売り捌いていく二人。ところがある女子大生の死をきっかけに、二人の運命は思わぬ方向へと狂い出す――


出演:北川景子、森田望智、佐久間大介、渋谷龍太、渋川清彦、池内博之、田中麗奈、三石研 他
原案・脚本・監督:内田英治 
撮影:山田弘樹、
音楽:小林洋平 
エンディングテーマ:角野隼斗Spring Lullaby(Sony Classical International)
配給:松竹
©2025「ナイトフラワー」製作委員会
(2025年 日本 2時間4分 PG-12)
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/nightflower/

2025年11月28日(金)~大阪ステーションシティシネマで、なんばパークスシネマ、MOVIX堺、T・ジョイ京都、MOVIX京都、kino cinema 神戸国際、109シネマズHAT神戸、MOVIXあまがさき、TOHOシネマズ西宮OS 他全国公開!


(河田 真喜子)

 

 
 


hoshitsuki-11.18-550.JPG(左から、荒井晴彦監督、咲耶、綾野剛、田中麗奈


日本映画界を代表する脚本家・荒井晴彦が監督を務めた、綾野 剛主演最新作の映画『星と月は天の穴』が、12月19日(金)よりテアトル新宿他にて全国ロードショーいたします。
 

脚本・監督 荒井晴彦 × 主演 綾野 剛が織りなす日本映画の真髄


hoshitsuki-pos.jpg『Wの悲劇』(84)、『リボルバー』(88)、『大鹿村騒動記』(11)、『ヴァイブレータ』(03)、『共喰い』(13)でキネマ旬報脚本賞に5度輝いた(橋本学と並んで最多受賞)、⽇本を代表する脚本家・荒井晴彦。『身も心も』(97)をはじめ、『⽕⼝のふたり』(19)、『花腐し』(23)など、⾃ら監督を務めた作品では⼈間の本能たる〝愛と性〟を描き、観る者の情動を掻き⽴ててきた。最新作『星と月は天の穴』は、長年の念願だった吉行淳之介による芸術選奨文部大臣受賞作品を映画化。過去の離婚経験から女を愛することを恐れる一方、愛されたい願望をこじらせる40代小説家の日常を、エロティシズムとペーソスを織り交ぜながら綴っている。


主人公の矢添克二を演じるのは、荒井と『花腐し』(23)でもタッグを組んだ俳優 綾野 剛。これまでに見せたことのない枯れかけた男の色気を発露、過去のトラウマから、女性を愛すること、愛されることを恐れながらも求めてしまう、心と体の矛盾に揺れる滑稽で切ない唯一無二のキャラクターを生み出した。矢添と出会う大学生・紀子を演じるのは、新星 咲耶。女性を拒む矢添の心に無邪気に足を踏み入れる。矢添のなじみの娼婦・千枝子を演じるのは、田中麗奈。綾野演じる矢添との駆け引きは絶妙、女優としての新境地を切り開く。さらには、柄本佑、岬あかり、MINAMO、 宮下順子らが脇を固め、本作ならではの世界観を創り上げている。


11月18日(火)テアトル新宿にて本作の完成披露上映会が行われ、主演の綾野剛のほか、咲耶、田中麗奈、荒井晴彦監督が登壇し舞台挨拶を行いました。
 


◆日時 11月 18日(火) 19:00-19:30 ※上映前舞台挨拶

◆場所:テアトル新宿〒160-0022 東京都新宿区新宿 3-14-20 新宿テアトルビル B1F)

◆登壇者(敬称略):綾野剛、咲耶、田中麗奈、荒井晴彦監督



hoshitsuki-11.18-ayano.JPG『花腐し』に続き、2度目の荒井組参加となった綾野は、お披露目の日を迎え「率直に今日という日を迎えられて嬉しいです。映画はいろんな見方があると思いますが、この作品は“目で見る”というより、“耳で見る映画”であり“読む映画”とも言えると感じています。“珍味”な作品だと思うので、ぜひ味わって見てほしいです。僕自身、試写で見た時に、現場では感じられなかった味わいをたくさん感じました。咲耶、田中麗奈、岬(あかり)が演じられた3人の女性の在り方がとても豊かで、いまの時代にこの作品が出ていく理由というところで、『強いメッセージを込めた』というよりは、言葉の美しさや滑稽さ――小説家であり、言葉を生業にしている矢添という男から放たれる言葉がどこかおかしく、ある種、いまの時代でいうところの“化石男”と言える男なので、そういう部分を楽しんでいただけたらと思います」と本作への思いを静かに、しかし熱く語る。

 

吉行淳之介の私小説的とも言われる小説を映画化した荒井監督は、この原作に惹かれた理由を尋ねられると「言いづらいな…」と苦笑を浮かべて口ごもる。すかさず、綾野が“通訳”として荒井監督の隣に立ち、舞台上で内緒話をする一幕に会場からも温かい笑いが起きる。話を聞いた上で監督の心情を代弁したところによると、荒井監督が共感を抱いたポイントとして「とあるシーンで、なかなか“本領発揮”できない瞬間があって、『どうしようか…?』と悩んだ末に、あるものを見つけて、なぜか本領を発揮できる気がしてきた」(綾野)とわかるような、わからないような…(?)説明を行ない、会場はさらに笑いに包まれた。


ちなみに、荒井監督によると、撮影現場でも綾野は、直接的な言葉を使わない荒井監督とキャスト陣の間に立って、潤滑油のような機能を果たしてくれていたとのことで、荒井監督が綾野に全幅の信頼を置いている様子が伝わってきていた。


hoshitsuki-11.18-sakuya.JPG綾野演じる矢添が出会う大学生・瀬川紀子を演じた咲耶は、これが人生初の舞台挨拶。そのことを告げると会場からは温かい拍手がわき起こる。オーディションで紀子役を手にした咲耶は、合格の知らせを聞いた瞬間について「夢のような心地でした」とふり返り「この作品のオーディションを受けませんか? というお話をいただいて、企画書と準備稿と原作をすべて読んで『絶対にこの作品で紀子役を勝ちとりたい!』という思いが強くわいてきました。本当に私の漠然としていた理想が、こんなに早く奇跡的なタイミングで実現していて、『掴むしかない!』と思って精一杯頑張りました。(知らせを聞いて)本当にフワフワしてしばらく現実感がわきませんでした」と明かす。ちなみに、この人生初の舞台挨拶に立っての心境についても「ちょっとまだよくわからないです…(笑)」と緊張気味に笑みを浮かべていた。ちなみに、荒井監督は、オーディションに突如、現われた咲耶の豊かな才能を目の当たりにして「(世間に発見されることなく)いままでどこにいたの?」という言葉を放ったとか。


hoshitsuki-11.18-tanaka.JPG矢添の馴染みの娼婦の千枝子を演じた田中は、これまで荒井監督が脚本を執筆した作品への出演は複数回あったものの、監督作品は今回が初めて。荒井組への参加に「すごく嬉しかったです。荒井組は入りたいと思っていたので念願かなってお声がけをいただき、驚きましたが嬉しかったです。緊張していたけど剛くんが荒井組の先輩なので『付いて行こう』と思って現場に入りました」と語り、実際に現場でも綾野を頼りにしていたという。


荒井監督は、物語の時代設定を1969年という昭和の激動の時期にした理由について、タイトルに“月”が入っている点に触れ「69年のアポロ(※アポロ11号の月面着陸)を入れたかったし、自分の人生でもいろいろと“致命傷”を負った時期だった」と説明する。


咲耶は、映画の中の印象的なシーンについて尋ねられると「私が一番好きなフレーズがあって『隠されたものが現れた時にひとつのものが終わるのさ。そして、また新しいことが始まるんだ』というセリフで、この言葉は今回の映画に登場する全員に当てはまる言葉で、矢添さんがその言葉を発するシーンが好きなシーンのひとつです」と明かす。


一方、田中は「最後のエンドロールが好きです。咲耶ちゃんが、“あること”をされていて、その現場に立ち会えたのですが、魅力が満載で、この年齢でしか出せない色気と無邪気さ、少女っぽさ――女の子と女性を往き来している姿が目に焼き付いています」と絶賛。


hoshitsuki-11.18-2shot.JPGちなみに劇中、田中演じる千枝子がタバコを吸いながらペディキュアを塗るシーンが出てくるが、タバコを吸うというのは現場での綾野のアイディアとのこと。荒井監督は、綾野を指して「監督はあっちですから(笑)」と冗談交じりに語り、綾野は慌てて「違います(苦笑)!」と否定していたが、このシーンについて「助監督さんと共に監督の話を聞いて『たぶん、こういうことを言ってるよね?』という話をしていたんですが、その時、ペディキュアを塗っているだけだけど、それがとても美しくて、(千枝子は)喫煙する設定なので、白黒の作品でもあるし、煙の “揺らぎ”があれば感情を伝わってくるんじゃないか? ということで、『タバコを持っていただくのはどうですか?』という話をしましたが、あくまでも荒井さんから出てきたものを助監督さんと一緒に考えたという感じです」と謙遜しつつ説明。このシーンに関して、当の田中も「気に入っています!」と笑みを見せていた。


hoshitsuki-11.18-ayano2.JPG舞台挨拶の最後に荒井監督はこれから映画を見る観客に向けて「見て、面白かったら宣伝してください。じゃないと、次回作が撮れなくなるんでね」と早くも次回作への意欲を口にし「年も年で、もうすぐ80だし。山田洋次に負けたくないし(笑)」と語り、会場は笑いに包まれる。


綾野は「本当に登場人物たちが魅力的で、矢添以上に咲耶さんや田中麗奈さんが演じられた女性たちに魅力が詰まっているなと思います。その中でグズグズしている矢添というひとが、どのように言葉に向き合うか? その美しさの中にある滑稽さみたいなものも、彼の持ち味なので、『はいはい』『まあまあ』と思いながら(笑)、受け止めて、てのひらで転がしてやってください。そうするとこの作品は育っていくと思います」と呼びかけ、温かい拍手の中で舞台挨拶は幕を閉じた。
 


【STORY】 

いつの時代も、男は愛をこじらせる――

小説家の矢添(綾野 剛)は、妻に逃げられて以来10年、独身のまま40代を迎えていた。離婚によって心に空いた穴を埋めるように 娼婦・千枝子(田中麗奈)と時折り軀を交え、妻に捨てられた傷を引きずりながらやり過ごす日々を送っていた。そして彼には恋愛に尻込みするもう一つの理由があった。それは、誰にも知られたくない自身の“秘密”にコンプレックスを抱えていることだ。そんな矢添は、自身が執筆する恋愛小説の主人公に自分自身を投影することで「精神的な愛の可能性」を探求していた。ところがある日、画廊で運命的に出会った大学生の瀬川紀子(咲耶)と彼女の粗相をきっかけに奇妙な情事へと至り、矢添の日常と心が揺れ始める。

 

出演:綾野 剛 
   咲耶 岬あかり 吉岡睦雄 MINAMO 原一男 / 柄本佑 / 宮下順子  田中麗奈
脚本・監督 荒井晴彦  
原作 吉行淳之介「星と月は天の穴」(講談社文芸文庫)
エグゼクティブプロデューサー:小西啓介 
撮影:川上皓市 新家子美穂 照明:川井稔 
音楽:下田逸郎 主題歌:松井文「いちどだけ」他 
製作・配給:ハピネットファントム・スタジオ 
制作プロダクション:キリシマ一九四五 制作協力:メディアミックス・ジャパン 
レイティング:R18+
©2025「星と月は天の穴」製作委員会 上映尺:122
公式サイト:https://happinet-phantom.com/hoshitsuki_film/

2025年12月19日(金)~テアトル新宿ほか全国ロードショー
 


(オフィシャル・レポートより)

 


blueboy-11.15-550.jpg(左から、飯塚花笑監督、六川裕史、イズミ・セクシー、中川未悠、中村中、真田怜臣、泰平)

 

トランスジェンダー男性であるというアイデンティティを反映した独創的な作品作りで国内外から大きな注目を集める期待の若手、飯塚花笑監督の最新作『ブルーボーイ事件』が11月14日(金)より公開となりました。


1960年代、東京オリンピックや大阪万博で沸く、高度経済成長期の日本。国際化に向け売春の取り締まりを強化する中、性別適合手術(*当時の呼称は性転換手術)を受けた通称ブルーボーイたちを一掃し街を浄化するため、検察は手術を行った医師を逮捕。手術の違法性を問う裁判には、実際に手術を受けた証人たちが出廷した。

 
この度、『ブルーボーイ事件』が劇場公開を迎え、主演の中川未悠、ブルーボーイ役の中村 中、イズミ・セクシー、真田怜臣、六川裕史、泰平、そして飯塚花笑監督が登壇し、新宿の地で公開記念舞台を行いました。本作を華やかに彩った仲良し個性派キャストが大集合し、撮影当時のエピソードや公開を迎えた思い、周囲からの反響など、感嘆の思いを語り尽くしました。
 


■⽇時︓2025年11月15⽇(土)

■場所︓TOHOシネマズ新宿(新宿区歌舞伎町1-19-1 新宿東宝ビル3階)

■登壇者(敬称略)︓中川未悠、中村 中、イズミ・セクシー、真田怜臣、六川裕史、泰平、飯塚花笑監督


<レポート本文>

blueboy-11.15-中川未悠.JPGチケット完売の満員御礼で迎えたこの日、サチを演じた中川は「初めてのお芝居挑戦で右も左もわからない状態でしたが、スタッフ・キャストの皆さんに助けていただき、サチを演じ切ることが出来ました。昨日無事に公開を迎える事が出来て、今日はめちゃくちゃ嬉しいです」と喜色満面。印象的な場面は法廷シーンで「撮影4日目で緊張とプレッシャーがありました。監督やスタッフさん達から『法廷のシーンが大事!』と何百回も言われていて、セリフも長くて不安でした」と回想し「テストでセリフを喋った時に泣き崩れてしまって…。傍に中さんがいてくれて支えになりました。そうして皆さんに助けていただきながら生まれたシーンです」と舞台裏を明かし、中村は「中川さんがもっている繊細な部分がサチにすごく活きていたと思います。こういう体験は最初しかできないと思うし、大切な時間だと思うので、すごい時間に立ち会わせもらっているなという思いで見守っていました。」と共演者同士、難しいシーンの撮影に向き合ったことを称え合った。
 

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1960年代当時の法廷資料や証言などをリサーチした飯塚監督は「歴史に埋もれさせるのではなく、当事者の手を通して世に出すことが重要ではないかと思った」と映画化への意気込みを述べた。

 

メイ役の中村は「本作をマイノリティ性のある人だけのために作られた映画だとは思っていただきたくないです。法廷の証言台で幸せを問われたときにサチは『あなたが思っている幸せとは違う』といいます。撮影時に私はそのセリフは抵抗の言葉だと思っていました。でも完成作を観た時に、その言葉はどんな人の幸せもカテゴライズできないという意味だと思いました。マイノリティ性を持っている人とマジョリティ性を持っている人が双方から歩み寄れる、架け橋のようなセリフだと。この映画はマジョリティ性を持っている人のための映画でもあると伝えたいです」と呼び掛けた。

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アー子役のイズミは「撮影は怒涛で目まぐるしかったけれど、この作品が世の中に出て皆さんの目に触れる事がとにかく嬉しいです」と声を弾ませ「撮影後はみんなで前橋の居酒屋に行って飲んだり食べたりして楽しかったし、撮影オフの時はやる事がなさ過ぎて一人で散歩して山奥まで行ってうどんとか食べました」とユーモアを交えて笑わせた。

 

 

 


 

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ベティ役の真田とユキ役の六川、それにツカサ役の泰平は本読みで初めて会った瞬間から意気投合したという。真田が「3人で固まっていた時のアドリブが楽しかった」と振り返れば、六川も「その時のアドリブが実際に本編に活用されていて嬉しい」とニッコリ。泰平は「お二人とは初めてお会いした時からフレンドリーに接してもらえたのでやりやすかった」と言い、六川も「会ったその日から仲良かったよね!」と楽しそうだった。


 


 

 

 

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また真田は「脚本が素晴らし過ぎて本読みで号泣。自分がこれまで経験した事も沢山描かれていたので、苦しくもなるけれど素晴らしい映画だなと思いました」としみじみ報告すると、ロケ地・前橋市出身の泰平も「前橋出身の私の人生にとってはかけがえのない作品になりました。両親が初日に映画を観てくれて『県民として嬉しい』『いい作品に恵まれたね』と言ってくれました。群馬、最高!」と大喜び。六川は「沢山の方々に知ってほしいし観てほしい。そして苦しい思いをしてきた方々に希望の光を当てる事が出来たら」と期待を込めた。


 


 

 

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主演の中川は「皆さんのコメントを聞きながら、サチの『大切な人とかけがえのない人に出会えたのは先生のお陰です』というセリフを思い出しました。今回本当にかけがえのない仲間に出会えたと思っています。ちょっと泣きそうです!」とウルウルし、改めて「初めての映画出演が『ブルーボーイ事件』で良かったなと思っています」と感極まっていた。

 

フォトセッションでは、世田谷区にある音空花店が本作をイメージしてデザインした花束を持って艶やか写真撮影。最後に主演の中川は「幸せになる権利は性別・人種問わず誰もが持っていいものです。幸せには正解はないと思うので、色々な色があったり、形は様々でグラデーション。本作が皆さんの背中を押したり、ちょっとした心の光になったら幸いです」と願いを込め、最後に「錦戸亮さんはめちゃくちゃカッコ良かったです!」と付け加え会場を笑わせた。

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飯塚監督は「この『ブルーボーイ事件』はみんなが心を込めて世の中のためを思って作った作品です。莫大な宣伝費のある作品ではありませんが、この作品が広がって一つの成功例になることがこの世の中にどれだけの影響を与えるのか。そのためには皆さんの口コミや応援が必須です。私たちが心を込めて作った子供『ブルーボーイ事件』の応援者になって世の中に送り出してください」とさらなる反響を願い舞台挨拶を締めくくった。


 

 


ストーリー】

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1965年、オリンピック景気に沸く東京で、街の浄化を目指す警察は、街に立つセックスワーカーたちを厳しく取り締まっていた。ただし、ブルーボーイと呼ばれる性別適合手術(*当時の呼称は性転換手術)を受け、身体の特徴を女性的に変えた者たちの存在が警察の頭を悩ませていた。戸籍は男性のまま、女性として売春をする彼女たちは、現行の売春防止法では摘発対象にはならない。そこで彼らが目をつけたのが性別適合手術だった。警察は、生殖を不能にする手術は「優生保護法」(*現在は母体保護法に改正)に違反するとして、ブルーボーイたちに手術を行っていた医師の赤城(山中 崇)を逮捕し、裁判にかける。同じ頃、東京の喫茶店で働くサチ(中川未悠)は、恋人の若村(前原 滉)からプロポーズを受け、幸せを噛み締めていた。そんなある日、弁護士の狩野(錦戸 亮)がサチのもとを訪れる。実はサチは、赤城のもとで性別適合手術を行った患者のひとり。赤城の弁護を引き受けた狩野は、証人としてサチに出廷してほしいと依頼する。
 

監督:飯塚花笑
キャスト:中川未悠 前原 滉 中村 中 イズミ・セクシー 真田怜臣 六川裕史 泰平
渋川清彦 井上 肇 安藤 聖 岩谷健司 梅沢昌代 / 山中 崇 安井順平 / 錦戸 亮
脚本:三浦毎生 加藤結子 飯塚花笑  音楽:池永正二
製作:アミューズクリエイティブスタジオ KDDI 日活
制作プロダクション:オフィス・シロウズ
配給・宣伝:日活/KDDI
©2025 『ブルーボーイ事件』 製作委員会_
公式HP: blueboy-movie.jp 
公式X:@blueboy_movie

★シネルフレ作品紹介はこちら⇒ http://cineref.com/review/2025/10/post-1331.html

絶賛上映中!


(オフィシャル・レポートより)

 
 
 
 




kaede-11.13-550-2.jpg 左から、行定勲監督、石井杏奈、福原遥、福士蒼汰、宮沢氷魚、宮近海斗


スピッツの名曲「楓(かえで)」を原案にした、映画『楓』(配給:東映/アスミック・エース)が 12 月 19 日(金)に全国公開となる。時代を超えて愛される国民的バンド・スピッツの楽曲が、デビュー34 年にして初の映画化。「楓」は、1998 年にリリースされた 8th アルバム『フェイクファー』の収録曲で、同年にアルバムからシングルカットされ、その後数多くのアーティストにカバーされながら、27年経った今も愛され続ける名曲。ボーカルで作詞・作曲も担当する草野マサムネが綴る歌詞と心揺さぶるメロディーは、聴く人それぞれに寄り添い、大切な人との別れや想い出を包み込む。


kaede-pos.jpg本作で監督を務めるのは、多様な恋愛映画を手がけてきた行定勲。『世界の中心で、愛をさけぶ』に続く令和を代表するラブストーリーに挑む。そして、オリジナルストーリーを書き上げたのは、『ソラニン』『東京リベンジャーズ』などジャンル問わず常に評価される脚本家・髙橋泉。そして音楽は、藤井風など様々なアーティストの作曲や編曲、プロデュースを務め、優れた楽曲を CM・映画・ドラマなど多方面に提供する Yaffle が担当する。


このたび、豪華キャスト&監督が集結する<ジャパンプレミア>を実施!


映画公開までまもなく 1 カ月と迫る中、本作で W 主演を務めた福士蒼汰、福原遥をはじめ、宮沢氷魚、石井杏奈、宮近海斗(Travis Japan)、行定勲監督が登壇する《ジャパンプレミア》を開催!今回が映画の初のお披露目の場となるが、会場に敷き詰められた鮮やかな“楓色”のカーペット上で、本作を心待ちにしていたファンと交流するほか、サウンドバイツ取材も実施。ステージトーク、舞台挨拶では、切なく胸を打つラブストーリーに込めた“想い”や撮影時のエピソード、本作の見どころなどを存分に語り尽くした。
 


【日にち】 11月13日(木)

【会 場】 ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場
     (〒135-0091 東京都港区台場 1-7-1 アクアシティお台場内)

【登壇者(敬称略)】 福士蒼汰、福原遥、宮沢氷魚、石井杏奈、宮近海斗、行定勲監督


<以下、レポート全文>

★作品について

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双子の兄弟を演じた福士は「今回双子というやりがいのある役を演じられて嬉しかったです!」と挨拶しながら「スピッツさんの『楓』は僕が 5 歳の頃にリリースされた曲ですが、だけど当たり前のように知っていたし、カラオケでもよく歌っていました。『楓』という楽曲にお芝居でその世界の住人になれることが感慨深かったですし、どんな作品になるのかワクワクしました」と声を弾ませた。しかも福士にとっては 9 年ぶりのラブストーリー映画への出演となる。「僕が30 代になり、人間の心の内側を表現できる作品だと思いました。人間誰しも生きていると喪失だとか壁だとかがあるけれど、本作の脚本を読んでいく中でそれが修復される物語だと思って、このようなラブストーリーをやってみたいと思いました」と述べた。

 

秘密を抱えている木下亜子を演じた福原は「スピッツさんは小さい頃から聴かせてもらっている大好きなアーティストです。しかも『楓』はリリースされたのが私の生まれた年だったので、勝手に運命を感じてしまいました」とオファーを快諾。撮影時は涙する場面も多く、胸が苦しくなることもあったそうだが「亜子がそこからどう前に踏み出していくのか、立ち上がっていく力強さを感じて、私自身も背中を押されました」と役柄の魅力を紹介した。

 

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涼と亜子の秘密を唯一知る梶野茂役の宮沢。福士と福原とはすっかり仲良しで「(福士と福原は)チャーミングなお二人で、福士さんは撮影中に写真を撮っていて、しかもセンスがいい!」と福士カメラマンの腕前を絶賛。これに福士は「遥ちゃんの写真を整理したら 800 枚くらいあって、そこから 300 枚にして送りつけました!」と笑わせて、それを受け取った福原は「素敵な写真を撮られていて流石だなあと思いました」と喜んでいた。

 

涼に想いを寄せる遠藤日和役の石井は「思ったことを行動に移す真っ直ぐな日和の心意気が大好きで、共感したり応援したり、それが全体を通してずっとありました」とすっかりお気に入り。

 

辻雄介役の宮近は「一つの楽曲から物語になるって…。僕は音楽表現を使って仕事をしているので、短い時間で人の心を動かす音楽という媒体が、映像というイメージの世界から物語に具現されるのってどうなるのだろうかというワクワクがありました。作品からも学びを得ることが出来て嬉しかった」と手応え十分。撮影中は福原と石井と過ごす時間も多かったそうだが「お二人が盛り上がって喋られているのを…見守っていました。時々『どうですか?』と気を使って僕に話を振ってくれたけれど、僕は入れず。お二人は楽しそうでした」とガールズトークの圧にタジタジの様子を見せて場内爆笑となった。

 

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キャスト陣の和気あいあいの様子に行定監督は「映画の 80%はキャスティングで決まる。これは上手くいったなと思った。このキャストが集まらなかったらこの映画にはならなかったと思う。特に本作は皆さんが演じてくれたことで一人一人のキャラが豊かになって、グッとくる場面が沢山ありました」と自信。『世界の中心で、愛をさけぶ』から約 20年、行定監督は「もう一度ラブストーリーに挑んでみるのは僕にとっても思い入れが強く、撮影させていただきました。人を想う気持ちが届くことを期待しています」と述べた。

そんな行定監督とのコラボレーションに福士は「有意義な時間でした」としみじみし、福原も「撮影前に沢山お話をさせていただいたので、安心して撮影ができました」と感謝した。

 

★作品の内容にちなんで「まだ言っていない秘密カミングアウト」企画を実施。

福士は「秘密?僕はこの映画の PR キャンペーンで秘密を聞かれ過ぎてなくなりそう!」と苦笑いも「秘密というか勘違いですが、氷魚くんの事をずっと年上だと思っていました。落ち着きがメチャクチャあるから。でも実は一個下だった」と驚いていた。


福原は「小学校の時にランドセルを背負わないまま登校したことがあります。だいぶヤバい」と天然すぎるエピソード披露。福士が「え?どういう事!?」と理解が追い付かないと「30 分くらい学校までみんなで登校して、教室で準備しようと思ったら『あれ?ランドセル背負ってない!』と気付いてダッシュで家に帰りました」と詳細説明。しかし、聞けば聞くほど全員がポカン状態で、福原は「ウフフフ。そんな事もあったなあと。初出しでございます」と無邪気な様子を見せていた。


宮沢は「銭湯で誰もいないと歌っちゃう。反響がライブ会場みたいで。人が来たら何事もなかったかのような顔をする」と密かな楽しみを暴露。
 

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英語勉強中の石井は撮影中に福士からおススメの英語本を紹介されて購入したというも、「でも届いてから半年…まだ読んでいません!今福士さんの顔を見て『ヤバい!』と思いました」と反省。


宮近は中学時代に友人からシャーペンの芯を 1 本貰ったそうだが「実際は 5 本いった!その人は 1 本だと思っているので、これで知って落ち込むと思う。シャーペンの芯のようにポキッと折れてしまうはず」と冗談交じりで明かし、福士から「シャー芯 4 本買って返した方がいいんじゃない!?」とアドバイスを受けると「スケジュールが許す限り、4 本買ってその人に渡したい」と謎の意気込みを見せていた。

 

★ニュージーランドロケの思い出話

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福士は「景色が壮大で、テカポ湖は波がなくて静かだけれど近くで見ると迫力があって、静けさと壮大さが両立していた。そして周りの風景は見渡す限り綺麗な山たちがあって、それも素敵でした」と思い出し、福原も「本当に景色が綺麗で、見ていて癒されました。緑が生い茂り動物も多くて羊がとにかく可愛くて。天気によって空の表情も違っていて、夕方になるとピンクで早朝はエメラルドグリーン。本当に綺麗で食べ物も美味しくて楽しみました」とすっかりお気に入りだった。

 

★楽曲「楓」について

宮沢は「本編では 4 回流れるけれど、歌い手とシチュエーションが違うと、何 100 回も聴いているはずなのに、初めて感じるものがありました」と述べると、石井も「本作を通して楽曲の深みが増しました。映画を観る前と観た後とでは感じ方が違うはず」と予告。これに福士も「本作を通して『楓』を聴くと感想や感覚が変わります。皆さんが本作を通してどう聴いたのか、感想が気になります」と興味津々。宮近は「この映画は主演のお二人が紡ぐラブストーリーと聞いていたけれど、『楓』を含めて 3 人になった!二人の物語を追っていたはずなのに、『楓』という音楽に感情を乗っ取られて…不思議だった。映画を観れば、僕のこの言葉の意味がわかります!」と呼び掛けていた。

 

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★そんな宮近に石井からのこんなタレコミがあった――

石井は「宮近さんと私は撮影日数が少ないのに、打ち上げの際に撮影の思い出を話す流れになったら、2 日間の撮影だった宮近さんは『人生で一番楽しい作品でした!』とみんなの前で仰っていました!」と大爆笑。当の宮近は「今のお話しを聞いて少しばかり言葉に責任を持たなければ…と今思いました」と赤面も「でも本当にそう感じられた。一番グッと来た作品です。…同率一位はありますが」と調子よく答えて笑いを取っていた。

 

★最後のご挨拶

主演の福原は「本作には切なさが沢山ありますが、別れや喪失からどう立ち上がってどう前に進んでいくのか。本作が皆さんの背中を押せるような作品になっていたら嬉しいです。秘密が沢山隠されているので二度三度楽しんで欲しいです」と期待。

福士は「本作は人間の心の底をつついた作品です。素敵な恋愛物語である一方、人間の姿を美化せずリアルに映し出しています。少しずつ心と心、点と点が繋がって物語が終結した時に『楓』という曲が僕にはレクイエムのように感じました。僕が好きなシーンは外来語禁止ゲームをする場面です。そこになぜ注目するのか?その意味も含めて考えて楽しんでいただければ幸いです」と呼び掛け、会場からは大きな拍手が送られた。

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そして本日より、語りたくなる【#楓泣き】感想&期待投稿キャンペーンも開催!

いち早く本作を鑑賞し、涼と亜子の切ない運命とこの冬一番の感動を見届けた観客たちからの熱いコメントにも注目してほしい。
 


【ストーリー】

僕は、弟のフリをした。君に笑っていてほしくて。

須永恵(福士蒼汰)と恋人の木下亜子(福原遥)は、共通の趣味の天文の本や望遠鏡に囲まれながら、幸せに暮らしていた。しかし朝、亜子を見送ると、恵は眼鏡を外し、髪を崩す。実は、彼は双子の弟のフリをした、兄・須永涼だった。1ヶ月前、ニュージーランドで事故に遭い、恵はこの世を去る。ショックで混乱した亜子は、目の前に現れた涼を恵だと思い込んでしまうが、涼は本当のことを言えずにいた。幼馴染の梶野(宮沢氷魚)だけが真実を知り涼を見守っていたが、涼を慕う後輩の日和(石井杏奈)と、亜子の行きつけの店の店長・雄介(宮近海斗)が、違和感を抱き始める。二重の生活に戸惑いながらも、明るく真っ直ぐな亜子に惹かれていく涼。いつしか彼にとって、亜子は一番大事な人になっていた。

一方、亜子にもまた、打ち明けられない秘密があった――。愛するからこそ、伝えられなかった想い。めぐる季節の中で明らかになる、あまりにも切ない真実に、驚きと涙がとまらない。


■出演: 福士蒼汰 福原遥 宮沢氷魚 石井杏奈 宮近海斗 大塚寧々 加藤雅也
■監督:行定勲
■脚本:髙橋泉
■原案・主題歌:スピッツ「楓」(Polydor Records)
■音楽:Yaffle
■プロデューサー:井手陽子 八尾香澄
■製作:映画『楓』製作委員会
■制作プロダクション:アスミック・エース C&I エンタテインメント
■配給:東映 アスミック・エース
■コピーライト:Ⓒ2025 映画『楓』製作委員会
2025/日本/カラー/120 分/シネスコ/Dolby5.1c

公式サイト: https://kaede-movie.asmik-ace.co.jp
公式 X:公式 Instagram
公式TikTok:@kaede_movie1219

2025年12 月19 日(金)~全国公開


(オフィシャル・レポートより)

 

 

たった1日の旅が、2人の人生を変えていく―

心にあたたかな光を灯す珠玉のヒューマンドラマ



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倍賞千恵子&木村拓哉&山田洋次監督が大阪に集結!

木村へのサプライズ誕生日祝いに倍賞が生歌唱のプレゼント!!

 

山田洋次監督の91本目となる最新作『TOKYOタクシー』が、2025年11月21日(金)より公開いたします。長きにわたり日本映画界で活躍し続け山田監督作品には欠かせない名女優・倍賞千恵子、そして『武士の一分』以来19年ぶりの山田組参加となる木村拓哉がW主演を務めます。さらに蒼井優、迫田孝也、優香、中島瑠菜、イ・ジュニョン、笹野高史など多彩な豪華キャストが集結した、感動のヒューマンドラマです。

公開を間近に控えた本作の公開直前イベントが大阪にて実施されました主演の倍賞千恵子、木村拓哉、本作のメガホンをとった御年94歳の山田洋次監督ら豪華キャストとスタッフが集結し、大阪ステーションシネマにて舞台挨拶と大阪の観光名所・通天閣をバックにしたタクシーセレモニーを開催。舞台挨拶では、11月13日が誕生日となる木村にサプライズでお祝いを実施。本作にかける想いや撮影現場でのエピソードなどを語り、大盛り上がりのイベントとなりました。

下記は、第一弾として大阪ステーションシティシネマでの舞台挨拶の模様を紹介しております。通天閣でのタクシーセレモニーレポート第二弾をご覧ください。

 


■日程:2025年11月12日(水) 16:40~17:00(上映後)

■場所:大阪ステーションシティシネマ Scr1 〈大阪府大阪市北区梅田3-1-3 ノースゲートビル11F 〉

■登壇者:倍賞千恵子(84)、木村拓哉(52)、山田洋次監督(94) (敬称略)  MC:津田なおみ



大阪ステーションシティシネマで行われた舞台挨拶では、公開を間近に控える本作を一足先に鑑賞した観客を前に倍賞千恵子、木村拓哉、山田洋次監督が登壇。
 

★公開が11月21日(金)に迫った今の気持ちについて?

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本作の主演で終活に向かうマダム・高野すみれ役の倍賞は「去年の今頃は撮影準備に入ろうとしていたのに、今こうして皆さんの前に立っているのがとても不思議な感じです。木村君とは『ハウルの動く城』以来21年ぶりで、とても楽しくお仕事をさせて頂きました。今回はタクシーの後部座席から彼の後ろ姿を見ながらお芝居をすることが多かったのですが、時折バックミラーにうつる木村君の目がとても大きくて、これまで渥美清さんのような目の大きな方とお芝居してきたものですから(笑)、凄い目力のある方だなと思いました。あぁ、この人ならいろんなことを受け止めてくださるだろうと思って、膨大なセリフでも安心して言えました。こんなにたくさんの方に映画を観ていただいて、大変嬉しく思っております。」と少し緊張した様子を見せつつも喜びの思いを伝えた。


すみれを乗せる事となるタクシー運転手・宇佐美浩二役を務めた木村は「今日は500名以上の方にお集まりいただいたと先ほどスタッフから伺ったのですが、たくさんの方に観ていただけたこと、本当にありがたく思います。」と満席の会場へ感謝の気持ちを込め挨拶。

山田監督は「この映画は今年の早春にクランクインしまして、終わったころにはものすごい暑い夏になって、夏が過ぎてようやく封切りを迎えられます。映画が成功してくれるといいなと心から願っております。今日は本当にどうもありがとう。」と本作への熱い思いを明かした。


★大阪での思い出やお気に入りの場所は?

倍賞は「今日たこ焼きをいただいたのですが、とても美味しかったです。私は昭和36年に『斑女』という映画でデビューしたのですが、大阪から家出してきたきゃぴきゃぴの女の子を演じたんです。ポスター撮影の時に大阪城で撮影したのですが、私にとって大阪城は映画界に入るきっかけになった場所のイメージが強いです。今回(大阪城に)伺えたらいいなと思うのですが、行ける時間があるかどうか…。そんな思い出がある場所なんです。この『TOKYOタクシー』で178本目の映画となりました。」と明かし、会場から驚きの声と称賛の拍手が起こった。
 

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続けて木村が「山田監督の撮影数だったり、倍賞さんの出演本数はホームランの数じゃないですからね?(笑) 素晴らしいなと思いました。」と驚きを交えつつ称えた。自身の大阪の思い出について木村は、「幼少期に葛飾柴又にいた事実もあるんですが、僕は箕面にもいた事があるので、皆さんの交わす大阪弁を耳にしていてもスムーズに入ってくるんです」と明かし、「大阪城ホールはグループにいた時も個人としてもお邪魔して皆さんと騒がせてもらったんですが、大阪は非常に盛り上がってくれます(笑)」とコメントし、会場から拍手が起こると「その代わり、MCに関してはもの凄く厳しいです(笑)」と会場の笑いを誘った。そして、「大阪の皆さんは本編と同じようにあたたかさもあり、厳しさもあって人間味豊かな印象をいつも持たせてもらっています」と大阪についての印象を明かした。


続けて豊中市出身の山田監督は僕、大阪出身なんです。一応ね(笑)。なんで一応かと言うと僕は満州の小学校に入った時に、先生に『雪(↓)が降ってきた」と言ったら『違うよ雪(↑)だよ』と言われたんですが、母親に『あなたは大阪出身だから関西のイントネーションが身についているのよ。』と言われたんです。なので僕は今日大威張りで大阪出身ですと申し上げております(笑)」と語り、自身の幼少期の思い出を語った。


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★サプライズのハッピーバースデー!TOKYOタクシー特性ケーキと倍賞千恵子の生歌でお祝い♪

舞台挨拶が終盤に差し掛かった頃、翌日11月13日に誕生日を迎える木村へサプライズでお祝い!登場した特大のバースデーケーキは、劇中で木村演じる宇佐美浩二が運転するタクシーを完全再現したデザインとなっており、倍賞は「このタクシーに私たち乗ってたのね」と山田監督も交え3人でケーキを囲むと、木村もスイートな感じですね(笑)と照れながら笑顔でコメント。


さらに倍賞からのサプライズでバースデーソング生歌唱というサプライズプレゼントも。歌う前に倍賞が突如“HAPPY BIRTH DAY”と書かれたカチューシャを頭に着けると、それを見た木村が嬉しそうに大爆笑。倍賞のチャーミングさに会場も「かわいいー!」と歓声が湧いた。そして、倍賞の美声が会場に響き渡る中、観客と最後のフレーズを歌い上げ、木村の誕生日を一足早く祝福。サプライズ歌唱とケーキのプレゼントに感極まった木村は倍賞と熱いハグを交わした。その場にいる全員が幸せに満ちた表情で、観客からも大きなあたたかい拍手が贈られた。


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★最後に山田監督からご挨拶

もうすぐ封切りなんですが、キャスト含めこの映画に関わった大勢のスタッフみんな、胸がドキドキしているんですよね。この映画がたくさんの人に観てもらえるよう、よかったよと、面白かったよと思ってもらえることを心から願っております。どうぞみなさんよろしくお願いいたします。とメッセージが贈られ舞台挨拶は終了した。

 


 


【ストーリー】

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個人タクシーの運転手として毎日休みなく働いている宇佐美浩二(木村拓哉)は、音楽家を目指したいという一人娘の入学金や学費に車検代、さらには家の更新料など大金の要り様で頭を悩ませていた。そんな浩二のもとに高野すみれ(倍賞千 恵子)という85歳のマダムを東京・柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設まで送るという依頼が舞い込む。最初は互いに無愛想だったが、すみれが「東京の見納めに、いくつか寄ってみたいところがあるの」と浩二に寄り道を依頼する。次第に心を許し始めたすみれは東京のさまざまな場所を巡りながら、自らの壮絶な過去を語り始める。それは現実的な悩みを抱えた浩二の想像をはるかに越える波乱万丈の人生だった。

初めての出会いで1日中二人で旅をして、人生最後の喜びを噛みしめるようにはしゃぐすみれ。浩二は「高齢者施設へ送り届けるだけの関係が、やがて肉親を思い遣るような熱い感情が沸き起こり、浩二自身の人生を大きく動かしていくことになる――。


出演:倍賞千恵子 木村拓哉 蒼井優 迫田孝也 優香 中島瑠菜 神野三鈴 イ・ジュニョン マキタスポーツ 北山雅康 木村優来 小林稔侍 笹野高史
監督:山田洋次
脚本:山田洋次 朝原雄三
原作:映画「パリタクシー」(監督 クリスチャン・カリオン)
配給:松竹
©2025 映画「TOKYO タクシー」製作委員会
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/tokyotaxi-movie/

2025年11月21日(金)~全国公開


(河田 真喜子)

 
 
 


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日本最大級のミステリーランキング『このミステリーがすごい! 2023 年版』(宝島社)『ミステリーが読みたい 2023 年版』(ハヤカワミステリマガジン 2023 年 1月号)で堂々の 1 位を獲得した呉勝弘のベストセラー小説「爆弾」が、映像化! 現在大ヒット上映中だ。キャストには、主演の山田裕貴を始め、伊藤沙莉、染谷将太、坂東龍汰、寛一郎、渡部篤郎、佐藤二朗ら日本を代表する演技派が集結!『帝一の國』『キャラクター』の永井聡が監督を務める。


物語の幕開けは、酔った勢いで自販機と店員に暴行を働き、警察に連行された一人の謎の中年男。彼は自らを「スズキタゴサク」と名乗り、霊感が働くと称して都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告!秋葉原での爆破を皮切りに、この後一時間おきに3回爆発すると予知していく。そして、刑事たちの問いかけをのらりくらりとかわしつつ、次第に爆弾に関する謎めいた“クイズ”を出し始めるのだった・・・。彼は、いったい何者なのか、そして仕掛けられた“爆弾”の正体とは!?


bakudan-550.jpg爆弾の在りかを探す警察と犯人との取調室で行われる先読み不能の謎解きゲームと東京中を駆け巡る爆弾探しがリアルタイムで進行する、まさに極上のミステリーと超ド級のアクションが織り成す究極のエンターテイメント!圧倒的な情報量で人の本質を突きつける“本物の衝撃”が 2025 年、スクリーンで明らかになる!!


10 月 31 日(金)より公開された映画『爆弾』は、全国 360 劇場、383 スクリーンで上映され、公開 4 日間(10 月 31 日~11 月 3 日)で動員 37万 9013 人、興行収入 5 億 2045 万円を突破! 動員・興行収入ともに邦画実写映画で初登場第 1 位を獲得し、10 代~30 代の若年層をはじめ、ファミリー層やシニア層まで、老若男女を巻き込む“爆弾級” 大ヒットスタートを切った。


2 週目に入った 11 月 8 日(土)には大阪で11 月 9 日(日)名古屋で大ヒット御礼舞台挨拶が行われ主演の山田裕貴と永井聡監督が登壇名古屋は山田の故郷でもあり、2 日間にわたり熱気あふれるイベントとなった!


<映画『爆弾』大ヒット御礼舞台挨拶 in 大阪>

■日時:11 月 8 日(土)

■場所:大阪ステーションシティシネマ

■登壇者(敬称略):山田裕貴、永井聡監督



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◆「僕もこうならなければ」

── 山田裕貴、佐藤二朗から受けた刺激を熱弁! 大阪舞台挨拶 ──


11 月 8 日(土)、大阪府大阪市の大阪ステーションシネマで行われた本作舞台挨拶に、山田と永井監督が揃って登壇

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主人公・類家を演じた山田は、満席の観客を前に「大阪に限らず、全国でどれだけ『爆弾』に興味を持っていただけているのか気になっていたので、こうしてたくさんの方にお越しいただけて本当に嬉しいです」と感慨深げに挨拶。 「今日初めて観るという方?」という山田の問いかけには多くの手が挙がり、「めちゃくちゃ嬉しい! 初めての衝撃たるやないと思うので、このあとの SNS 感想が楽しみです!」と満面の笑みを見せた。また、「僕は名古屋出身なんですけど、吉本新喜劇を観て育ったこともあって大阪の人が大好きなんです。子供の頃から観ていたので、こういうステージに立つとズッコケたくなりますね」と“大阪愛”を語り、会場を沸かせた。


2 年ぶりの大阪訪問となった永井監督は、「食べ物が楽しみです」と語ると、山田が「監督にとっては皆さんの感想が“おいしい食べ物”ですよね!」とアシスト。監督も「地方によって感想も違って面白いので、ぜひ聞かせてください」と笑顔を見せた。


公開から 1 週間、すでにヒットの手応えを感じているという山田は、「映画が公開された翌日に“大ヒット公開中”という CM を見て、いつも『本当かな?』と思っていたんですけど(笑)。『爆弾』はマジで、僕のもとに熱狂的な感想や絶賛の声が届いていて、『あの大ヒットって本当なんだ!』と初めて信憑性を感じました」と喜びを語った。


bakudan-11.8-nagai.jpg永井監督のもとにも山田への称賛が多数寄せられているといい、「類家は原作でも難しいキャラ。もじゃもじゃ頭に眼鏡という漫画的な見た目だけど、スイッチが入るとすごくかっこいい。その両面をリアルに成立させた山田くんは本当にすごい」と語ると、山田も「あの難しいキャラクターをよくリアルに落とし込めたなっていう、そういうところですよね!」と自画自賛し、笑いを誘った。また永井監督は、「類家は刑事だけどスニーカーを履いているのが特徴で、廊下を走ると“きゅっきゅっ”と鳴る。その音も印象的なので注目してほしい」と細部へのこだわりも明かした。


そして話題は、SNS でもその怪演っぷりで話題沸騰、謎の男・スズキタゴサクを演じた佐藤二朗について。山田は、「タゴサクには信念も哲学もなく、何かひけらかしたいわけでもない。ただ“僕はこうだ”という存在を、類家や観客の皆さんに突き付けて、ゾワゾワさせるんです二朗さんのその芝居の幅が本当にすごくて。役の捉え方や脚本の読み方も含め、『僕もこうならなければ一流とは言えないな』と思わされました。最大のリスペクトをこめて、怖い存在でした」と、佐藤への深い敬意と受けた刺激について熱弁した。


一方永井監督は、衣装合わせのエピソードも披露。「類家のスーツの衣装合わせのとき、山田くんの体型が良すぎて、どんなスーツを着てもモデルみたいで(笑)。ダサいスーツを着せてもかっこよくなってしまうので大変でした」と、意外すぎる“苦労”を挙げて会場を盛り上げた。対する山田も「結局ずらっと並んでいる中で、一番安いスーツが一番しっくり来たんですよね。それから撮影用に、形は一緒だけど生地は良いものを仕上げたりしています」とこだわりを明かした。


bakudan-11.8-500-4.jpg撮影で苦労した点については、山田が取調室シーンを挙げた。「カメラ位置が限られる中で、僕らのお芝居をストレートに映してくださるのが嬉しかった」と振り返ると、永井監督も「カメラアングルに凝ろうと思えばいくらでもできるけど、お客さんは類家やタゴサクの表情を見たいだろうと思って。二人のシーンでは、二人芝居だと思って託すことにしました。結果本当にいい芝居をしてくれて助かりました」と大絶賛。類家 VS タゴサク──息詰まる二人の攻防がどのようにスクリーンに映し出されているのか、ぜひ劇場で確かめてほしい!


bakudan-11.8-500-2.jpgさらに、舞台挨拶の後には山田の熱望により、来場客への『爆弾』チラシ配りも実現!主演俳優としてさらなる大ヒットを願い、「『爆弾』もお願いします!」と一人一人にチラシを手渡す山田。来場客が驚き歓喜の声を上げる中、笑顔でチラシを配り続けていた。
 



<映画『爆弾』大ヒット御礼舞台挨拶 in 名古屋>

■日時:11 月 9 日(日)

■場所:ミッドランドスクエア シネマ

■登壇者(敬称略):山田裕貴、永井聡監督


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◆「自分が出ている映画なのに、3 回観てもまだ面白い」

 ── 山田裕貴、故郷に凱旋で熱烈歓迎! 名古屋舞台挨拶  ──


11 月 9 日(日)、山田裕貴の故郷・愛知県名古屋市のミッドランドスクエア シネマにて、山田と永井聡監督による大ヒット御礼舞台挨拶が実施された。


上映後、熱気冷めやらぬ観客の前に二人が登場すると、会場は大歓声と拍手に包まれ、山田も永井監督も「盛り上がりが凄い!」「海外プレミアか何か!?」と驚きと喜びを隠せない様子だった。

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山田は「お客さんがたくさん入ってる劇場を見られる、こんなに幸せなことはない。本当にありがたいです。そんな作品の主演であれることを誇りに思います。観終わった今、みなさんの心にモヤモヤを与えているのはスズキタゴサクかもしれませんが…この作品を楽しんでいただけたら嬉しいです!」と笑顔で語った。


永井監督もこの映画は、愛知県が生んでくれたこのイケメンと、不気味なおじさんと、中日ドラゴンズさん、そして名古屋のみなさんのおかげです!」と“名古屋愛”たっぷりに感謝を述べると、会場から大拍手が沸き起こった。さらに、スズキタゴサクが劇中で被っている中日ドラゴンズの帽子が「実際に選手の帽子を製作しているところで、映画用に作っていただいたもの」と明かし、地元との深いつながりをアピールした。


拍手と歓声が絶えないなか、山田は「こうして故郷に映画を持って帰ってこられるだけでありがたいです。本当に、母ちゃんか親戚かな?って思うくらい盛り上がっていただいて…!」と嬉しそうにコメント。さらに試写会やヘルシンキ国際映画祭でのワールドプレミア上映、そしてプライベートですでに 3 回本作を鑑賞しているという山田は、「この映画は音にもこだわっているので、音の良い環境で観たくて 3 回目はドルビーアトモスで観ました。自分が出ている映画なので、反省点を探しながら見てしまうこともあるんですけど、ようやく 3 回目で冷静に観られたというか。3 回観てもまだ面白いのか!という、本当に総合力の高い作品だなと思いました」」と熱弁。



bakudan-11.9-nagai.jpg永井監督も、特に音響に対しては並々ならぬこだわりを持っていたといい、「『爆弾』というタイトルから爆発を期待されると思ったので、映像も音も胸に迫る立体感を意識しました。爆発シーンは、エキストラを入れて基本的に火薬を使って本当に爆発させています。伊藤沙莉さんと坂東龍汰さんの巡査コンビが直面するバイクの爆発シーン、あそこでの彼らのリアクションも本物です」と、撮影秘話についても明かしていた。


山田は、「爆発シーンで逃げ惑う人々や、警察の特殊部隊が出動する一瞬のカットまで気合が入っていて素晴らしい。僕がめっちゃ好きなのは、代々木公園の爆破のシーン。救助に来た人が目の前の怪我人を横切ってしまう描写があったり、現場の混乱が伝わってきてすごい迫力でしたね」と語り、興奮冷めやらぬ様子。その“臨場感”の裏には、音と映像への徹底したこだわりがあったことを、監督が重ねて強調した。


さらに話題は、スズキタゴサク役・佐藤二朗との対峙シーンへ。山田は、「二朗さんの膨大なセリフ量、波を作って観客を引き込む芝居、アドリブの妙……本当にすごい方。熱量もテンポも落とさず、新たな発見があればセッションしようとしてくれて、楽しすぎてまさに類家の気持ちでした。『はー!楽しいー!』と思える現場でした!」と語り、満面の笑み。永井監督も「渡部篤郎さんが佐藤さんを“二朗”、佐藤さんが山田くんを“裕貴”と呼び合う関係性も微笑ましかった」と、現場の和やかな空気を振り返った。


bakudan-11.9-500-2.jpg大先輩たちとの共演について、山田は「今年は『木の上の軍隊』『ベートーヴェン捏造』、そして『爆弾』と、5 か月間ですべて撮影していて、その間に錚々たる先輩俳優の方々と向き合い続けてきた。天から修行させられているようで、毎日 120%で挑んでいました」と俳優人生の充実ぶりを語る。そんな山田について永井監督は、「山田君は本当に裏表がなくて、悪口も言わないしすごくピュアで、本当にいい子だなと思いました。愛知県から生まれたんだね」と微笑むと、山田がすかさず「愛を知る県ですから!」と返し、会場は笑いと拍手に包まれた。


bakudan-11.9-yamada-1.jpg主演俳優として特に感謝を伝えたい相手を問われると、山田はとてつもなく面白い原作を生み出してくださった呉勝弘先生、そして永井監督はもちろん、キャスト、スタッフ、全員に感謝しています」と感慨深げに語り、「僕のばあちゃんが別の劇場でウン十年ぶりに映画を観ているらしくて、それもすごく嬉しいです。爆発のシーンとか心配ですけど…無事を祈ります!(笑)」と笑いを誘っていた。


舞台挨拶の最後に、永井監督は「みなさんに観ていただくことが映画にとって一番幸せなので、気に入ってくださったらぜひまたお越しださい。そしてみなさまのお力でもって、『爆弾』を広めていっていただきたいと思います」と呼びかけた。

山田は、「『爆弾』は、“踏みとどまれるか、踏みとどまれないか”を描いた映画だと思っています。類家は、踏みとどまれる人。世界を、社会を、人間をあきらめていても踏みとどまれる人なんです。タゴサクは、踏みとどまれなかった人だと思う。人の優しさや孤独を思い出させてくれる作品です。だけど、悪い人が本当に悪さをしたくしているのか、そこには何かあるんじゃないかと思えるだけで、人に優しくできる気がしていて。もしタゴサクのような状況になったとき、自分は踏みとどまれるか――そう問いかけてくれる映画だと思います。この映画がどんな形でも、たくさんの人の心に届いたら嬉しいです。そしてみなさんの感想で、ぜひ『爆弾』を“爆発”させてください!」と熱くメッセージを送った。


bakudan-11.9-main-1.jpg割れんばかりの拍手の中、名古屋の夜は熱狂のうちに幕を閉じた。


日本を代表する実力派キャスト陣が集結し、取調室という密室と、爆弾の恐怖が潜む東京の街という対照的な空間で、それぞれが張り詰めた演技合戦を繰り広げる!緊迫する交渉、突きつけられる謎、刻一刻と迫る爆発。観る者すべてが試される“極限のリアルタイムミステリー”、ついに開戦!!


 2025年最大の話題作となる本作を是非、劇場で目撃せよ! 映画『爆弾』は大ヒット上映中!
 


映画『爆弾』

◇出演:山田裕貴  伊藤沙莉  染谷将太  坂東龍汰  寛一郎  片岡千之助  中田青渚  加藤雅也  正名僕蔵  夏川結衣  渡部篤郎  佐藤二朗
◇原作:呉勝浩「爆弾」(講談社文庫)
◇監督:永井聡
◇脚本:八津弘幸 山浦雅大
◇主題歌:宮本浩次「I AM HERO」(UNIVERSAL SIGMA)
◇配給:ワーナー・ブラザース映画
◇原作クレジット:©表記:呉勝浩/講談社
◇©表記:©呉勝浩/講談社 ©2025 映画『爆弾』製作委員会
◇公式サイト:bakudan-movie.jp
◇公式 X:@bakudan_movie
◇公式 Instagram:@bakudan_movie

大ヒット上映中!


(オフィシャル・レポートより)

 

 
 
 
 

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