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予期せぬ出来事と出会う人生の幸福を陽気なユーモアと想像力で描く、

すべての登場人物が愛おしい、ちょっとおかしな人生讃歌!


umibemichi-pos.JPG映画『海辺へ行く道』の脚本・監督は、『ジャーマン+雨』『ウルトラミラクルラブストーリー』『俳優 亀岡拓次』『いとみち』 でその度ごとに話題を巻き起こして来た、横浜聡子。最新作は、知る人ぞ知る孤高の漫画家・三好銀の晩年の傑作「海辺へ行く道」シリーズをまさかの映画化。主演をつとめるは、約800人のオーディションを経て主演を射止めた15歳の俳優・ 原田琥之佑。麻生久美子、高良健吾、唐田えりか、剛力彩芽、菅原小春、諏訪敦彦、村上淳、宮藤官九郎、坂井真紀ら個性豊かな大人たちに加え、蒼井旬、中須翔真、山﨑七海、新津ちせなど、実力派の若手俳優たちが見事集結。 さらに、様々なシーンから熱烈な支持を受ける至高のラップトリオ Dos Monos のフロントマン荘子 it が、初の映画音楽を担当。


本作は、第 75回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門Kplus にて正式上映され、特別表彰を獲得した。また、現在開催中の日本最大級の芸術祭・瀬戸内国際芸術祭 2025に映画としては初参加。映画ながら、現代アート作品のひとつとして芸術祭に参加する稀有な作品となった。  

 


■日程:8月30日(土)15:35~

■場所:新宿ピカデリー スクリーン3 (新宿区新宿3-15-15)

■登壇者(敬称略):原田琥之佑、高良健吾、唐田えりか、菅原小春 蒼井旬、中須翔真、山﨑七海、新津ちせ、宮藤官九郎、坂井真紀、横浜聡子監督


漫画家・三好銀による原作漫画を実写映画化した『海辺へ行く道』がついに公開!初日翌日の8月30日には新宿 ピカデリーにて公開記念舞台挨拶が実施され、主演の原田琥之佑、共演の高良健吾、唐田えりか、菅原小春、蒼井旬、中須翔真、山﨑七海、新津ちせ、宮藤官九郎、坂井真紀、そして横浜聡子監督が参加した。


umibemichi-bu8.30-原田琥之佑さん.JPG満員御礼で迎えたこの日。主人公・南奏介を演じた原田は「2 月にベルリンで上映され、先月には小豆島で上映され、 そして昨日から全国公開を迎えました。本日は 11 名と凄い人数での登壇ですが、本日は宜しくお願いいたします!」としっかり挨拶。絵を描くラストシーンに触れて「奏介は考えて描くより、描きながら考えるタイプだと思ったので、僕も描きながら考えようと思って演じました。ただ横浜監督は僕の演出以上に猫を演出する事が多くて…。ラストシーンなのに猫に全部持っていかれたと思って悔しかった」と猫にジェラシーを感じたと笑わせた。


中須演じる立花が特殊能力でおじいさんの腰を曲げる場面も話題。これに中須は「考えて演じるというよりも、直感でこんな感じかな?と力んでいました」と回想。知り合いのおばあさんのために作ったマスクが騒動となり、高校を中退するテルオを演 じた蒼井は「テルオは色々な視点で見られるキャラだと思ったので、彼の二面性三面性をどう表現しようかと考えて演じました」 と演技プランを教えてくれた。


独自の嗅覚で各所を取材する新聞部・平井役の山﨑は「私は平井のように明るいタイプではないけれど、演じていく中で彼女の持つ正義感や様々なことに興味を持つ姿勢に共感しました」と回想。テルオの妹の加奈を演じた新津は「加奈は才能の赴くままに創作していく男子たちに怒る気持ちと何かに夢中になっている事への羨ましさもある。なので加奈がお菓子を食べ るシーンは、その両方の気持ちを持ちながらムシャムシャ食べる事を意識しました」と役作りを紹介した。


そんな子どもたちを瑞々しく演出した横浜監督は「子どもってよくわからないものなので、近づきすぎず適度な距離感を取ろうと思った。彼ら同士が自分たちの力で絆を育む姿が撮れればそれでOK」と自然な姿を撮り重ねたと述べた。


一方、高良は横浜監督の魅力について「もはや作るジャンルが横浜聡子。そこに自分が役として入れたことが嬉しい。 台本をもらって『エセ関西弁でいい』と言われたりして、自分に委ねてくれるところも多かった」と述懐。唐田も「横浜さんならではの世界観があって、私は横浜さんの撮る子どもたちの顔が好き。本作を観た時にメッチャ横浜さんの映画だと思って、大好きになりました」とすっかりお気に入りだった。


ダンサー出身の菅原は「普段踊りを踊っている印象から、動ける人だと思われて、頂く役もそのようなものが多かった。そんな 私に横浜さんは『借金取りの役ってどう?』と。動ける役ばかりの私に、動きを封じてくれたことが嬉しかった。横浜さんはラブリーでユーモアに溢れる人。横浜さん自身の細胞がそのまま映画に反映されています」と絶賛した。


umibemichi-bu8.30-横浜聡子監督.JPG宮藤は「横浜さんは解き放たれるとこんな感じになるのか…と台本を読んで驚いた。キッシュを食べるシーンでは横浜さんから『食べる時はプププと音が出ますよね』と言われて、この人は何を言っているのかと…。何度やってもプププと音を出すことが出 来ずにいたら、最終的に『忘れてください』と言われて、流石だなと思いました。完成した映画でもプププとは鳴っていないので、いまだに正解がわからない」と笑いを誘った。


坂井は「横浜さんは優しくて温かくて、静かな狂気があって。高良くんが仰ったように、まさにジャンル横浜聡子。静かなカリスマです」と絶賛。これに横浜監督は照れながら「撮影ぶりにこうして皆さんと再会できたのが嬉しい。ありがたい事です」としみじみ。


最後に原田は「この作品の魅力は子どもたちよりも大人たちがはしゃいでいて、その対比が魅力のひとつです。自分の新たな代表作が増えたと思うととても嬉しいです」と手応え十分。横浜監督も「個性たっぷりの魅力的な強者の皆さんの中で原田くん演じる南奏介はどのように見えるのか心配したこともあったけれど、原田くんは素晴らしい皆さんの間に抗うことなく泳ぎ渡って 向こう岸に辿り着いていて本当に素晴らしかったです」と賞嘆し「本作は1年半前に完成してだいぶ長い時間が経って公開を迎えましたが、映画とはお客さまに観ていただいて初めて完成するものなので、SNS 等で色々な言葉を発していただいて、私たち製作陣に気づきを与えてもらえたら嬉しいです。 本作をこれからも育ててください」と観客に呼び掛けた。
 


『海辺へ行く道』

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アーティスト移住支援をうたう、とある海辺の街。のんきに暮らす 14 歳の美術部員・奏介(原田琥之佑)とその仲間たちは、夏休みにもかかわらず演劇部に依頼された絵を描いたり新聞部の取材を手伝ったりと毎日忙しい。街には何やらあやしげな“アーティスト”たちがウロウロ。そんな中、奏介たちにちょっと不思議な依頼が次々に飛び込んでくる。ものづくりに夢中で自由奔放な子供たちと、秘密と嘘ばかりの大人たち。果てなき想像力が乱反射する海辺で、すべての登場人物が愛おしく、優しさとユーモアに満ちた、ちょっとおかしな人生讃歌。


原作:三好銀「海辺へ行く道」シリーズ (ビームコミックス/KADOKAWA 刊)
監督・脚本:横浜聡子
出演:原田琥之佑
麻生久美子 高良健吾 唐田えりか 剛力彩芽 菅原小春
蒼井旬 中須翔真 山﨑七海 新津ちせ
諏訪敦彦 村上淳 宮藤官九郎 坂井真紀
製作:映画「海辺へ行く道」製作委員会
配給:東京テアトル、ヨアケ
©2025映画「海辺へ行く道」製作委員会
2025 年/日本/スタンダードサイズ/5.1ch/140 分/G
公式サイト:https://umibe-movie.jp/


(オフィシャル・レポートより)

 


kowlongr-0829bu-550.jpg(左から、花瀬琴音、梅澤美波(乃木坂46)、⻯星涼、吉岡里帆、水上恒司、栁俊太郎、フィガロ・ツェン、池田千尋監督)



累計発行部数 160 万部超え、「恋は雨上がりのように」の眉月じゅん最新作にして人気漫画「九龍ジェネリックロマンス」(集英社 / ヤングジャンプ連載)がアニメ化に続き、待望の実写映画化!! 本作の舞台となる、かつて香港に存在した美しくも妖しい街“九龍城砦”。その風景を再現するため、狭く雑多な路地裏の商店など、誰もがなぜか懐かしさを感じるような古い街並みを残す台湾にて真夏のロケを敢行。ノスタルジーに溢れる世界で、切ないミステリーと極上のラブロマンスが描かれる。


kowlongr-pos.jpg鯨井令子役には、映画『正体』(24)で第 48 回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した吉岡里帆、工藤発役に『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら』(23)で第 47 回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞した水上恒司の配役で W 主演を果たす。巨大製薬会社の社⻑・蛇沼みゆき役に⻯星涼、喫茶店・金魚茶館の店員タオ・グエン役に栁俊太郎、靴屋の店主で令子の親友になる楊明役に乃木坂 46 の梅澤美波、九龍のあらゆる店でアルバイトをしている小黑役に花瀬琴音、蛇沼と行動を共にし、九龍の街を調べるユウロン役にフィガロ・ツェンら豪華俳優陣が集結!


この度、映画の公開を記念し8月29日(金)に初日舞台挨拶を実施いたしました!イベントには、W 主演の吉岡里帆、水上恒司をはじめ、⻯星涼、栁俊太郎、梅澤美波(乃木坂46)、フィガロ・ツェン、花瀬琴音、池田千尋監督ら豪華キャストが登壇!初日を迎えての喜びを語ったほか、本作で重要なキーワードである「過去」にちなみ、キャスト陣が忘れられない大切な過去を明かしました。
 


【日時】 8月29日(金)17:10〜17:50 ※上映後イベント

【会場】TOHO シネマズ 日比谷 スクリーン 12 (東京都千代田区有楽町 1-1-3 東京宝塚ビル地下 1F)

【登壇者】吉岡里帆、水上恒司、⻯星涼、栁俊太郎、梅澤美波(乃木46)、フィガロ・ツェン、花瀬琴音、池田千尋(監督)



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九龍の街で働き、先輩社員・工藤に恋をするも過去の記憶がないことに気づく鯨井令子を演じた吉岡。華やかな着物姿で登壇して、初日を迎えられた喜びを口にしながら「この夏は終わらない、をスローガンに本作をより多くの方にお届けできたら」と大ヒットを祈願。令子の先輩社員で九龍の街を誰よりも愛しながらも、誰にも言えない過去を抱える工藤発を演じた水上も「実年齢よりも9つ上の工藤を生きた時間は大切な財産です。無事に初日を迎えられてホッとしています」と封切りを喜んだ。先日行われた香港国際映画祭での上映に立ち会った池田監督は「2回の上映共に満席で、現地の沢山の方が気に入ってくれて、沢山の感想や質問を頂きました」と海外での手応えを報告した。


 

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映画本編内でも物語の核心を突くシーンで『田園』を熱唱している水上。撮影地・台湾での思い出を振り返って、「撮影がはじまってすぐに僕と栁さん、池田監督たちとカラオケスナックに行きました。僕も下手なりに歌っていざ最後に栁さんの歌う番になったら、栁さんはカウンターの中に入って僕らに背を向けてブルースを歌われた。先輩ながらもその哀愁漂う姿が可愛らしかった」と思い出し笑い。

 

 

 

 

 

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栁が人前で歌うのは珍しいそうで、竜星が「それは奇跡に近い!」と驚くと、栁は「海外に行った開放感があって歌っちゃった。酔っていたから、何を歌ったのか?覚えていない。」と羽目を外し過ぎたと反省していた。一方、竜星の思い出もカラオケにあるようで「撮影初日にご飯屋さんに連れて行ってもらって、その流れで池田監督と吉岡さん達とカラオケになった」と報告し、吉岡は「あの時の竜星君は凄かった!矢沢永吉さんを歌ってくれて、『ここで竜星涼の生き様が見られるのか!?』と嬉しかった」と盛り上がっていた。


 

 

 


kowlongr-0829bu-フィガロ様.jpgそんな中、フィガロは「台湾では今日が旧暦の七夕で、恋人たちの記念日として大切な人と過ごす日です。そんな日に、皆さんと本作の初日を迎える事が出来て嬉しいです」と明かし、吉岡は「素敵!ロマンチック!」と大喜びしていた。


「過去」が重要なキーワードになっている本作にちなんで「大切に思っている忘れられない過去」をそれぞれ発表。花瀬は「お母さんの手作り焼きそば」、梅澤は「舞台公演中に弟からサプライズでもらった手紙」、フィガロは「20年前の初来日の際に食べたラーメンの味」、栁は「小学生の時に観戦したワールドカップ」と答えた。

 

 

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kowlongr-0829bu-竜星様.JPG竜星は、とある撮影の際に宿泊したホテルで起きた「人生初の怪奇現象」と言い「部屋のライトがチカチカして、怖くなって栁君に僕の部屋まで付いてきてもらいました。すると今度は栁君が『僕も怖くて帰れない』と言い出した。仕方がないのでシングルベッドに大きい男二人で寝ました」と爆笑をさらい、まるで蛇沼とグエンのような仲睦まじいエピソードを披露した。


水上は「小学校4年の夏休みに経験した野球の練習風景が、僕の努力の始まりのような感触があります」と振り返った。吉岡は「現地スタッフさん達とのカラオケ」と言い、竜星から「カラオケ好きだね~!」と笑われながら「私たちへのおもてなしとして日本の曲を歌ってくれて、感動しました」と現地スタッフの気配りに感謝。


kowlongr-0829bu-監督.JPG最後に池田監督は「謎の多い作品。その謎は人と近づくことで深まっていくし、わからないこともたくさんあるけれど、諦めずに進んでほしい。その先に人を好きなることを愛おしいと思っていただけたら嬉しいです。」と作品の魅力を語り、主演の水上は「多くの方々の力のお陰で、このように無事に初日を迎えることが出来ました。本作を鑑賞した方の中には、人を好きになる気持ちっていいなと思ってくださったら嬉しいです。今後も本作を応援してください」とPR。吉岡も「原作漫画は今も続いていてミステリーとして読み応えがありますし、映画は映画としての解釈があって皆さんに楽しんでいただけるよう一生懸命作りました。多くの方に届くよう、これからもお力添えを宜しくお願いいたします」と呼び掛けていた。
 


『九龍ジェネリックロマンス』

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【STORY】過去を明かせば、想いは消えるー。

懐かしさで溢れる街・九龍城砦の不動産屋で働く鯨井令子は先輩社員の工藤発に恋をしていた。工藤は九龍の街を知り尽くしており、令子をお気に入りの場所に連れ出してくれるが、距離は縮まらないまま。

そんな中、九龍で靴屋を営む楊明、あらゆる店でバイトをする小黒らと意気投合。令子は、九龍でゆっくりと流れる日常にそれなりに満足していた。しかしある日、工藤と立ち寄った金魚茶館の店員タオ・グエンに工藤の恋人と間違われる。さらに、令子は偶然1枚の写真を見つけるのだが、そこには工藤と一緒に自分そっくりの恋人が写っていた。困惑する令子の元に大企業の社長・蛇沼みゆきと謎めいた男ユウロンが現れる。思い出せない過去の記憶、もう 1 人の自分の正体、九龍に隠された秘密。核心に迫る令子は、工藤が抱える切ない過去を知ることになるー。


キャスト:吉岡里帆 水上恒司 
      栁俊太郎 梅澤美波(乃木坂46) 曾少宗(フィガロ・ツェン) 花瀬琴音
                諏訪太朗 三島ゆたか サヘル・ローズ 
                関口メンディー 山中 崇 嶋田 久作
      竜星涼
原作:眉月じゅん「九龍ジェネリックロマンス」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:池田千尋
脚本:和田清人 池田千尋
音楽:小山絵里奈
主題歌:Kroi「HAZE」(IRORI Records / PONY CANYON INC.)
制作プロダクション: ROBOT
制作協力: さざなみ
企画・配給: バンダイナムコフィルムワークス
©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会

原作情報
原作「九龍ジェネリックロマンス」眉月じゅん(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
単行本1巻〜11巻好評発売中。

︎TVアニメ情報
Blu-ray BOX 全1巻が2025年9月29日(金)に発売!
各種プラットフォームにて全13話配信中!

作品公式サイト&SNS
公式サイト:https://kowloongr.jp/
公式X:https://x.com/kowloongr_jp
公式Instagram:https://www.instagram.com/kowloongr_jp/
 公式TikTok:https://www.tiktok.com/@kowloongr_jp
ハッシュタグ:#九龍ジェネリックロマンス  #九龍GR

2025年 8月29日(金)~全国ロードショー!


(オフィシャル・レポートより)


meisoukazoku-bu8.26-550-2.jpg(前列左から、永野宗典、戸田菜穂、三浦理奈、秋庭悠佑、後列左から、坂東さかえ、熊切和嘉監督、金田敬監督)


■日時 :8月26日(火)18:00~18:30 

■会場 :テアトル梅田(大阪市北区大淀中1丁目1−88 3・4階)

■登壇者(敬称略):戸田菜穂、永野宗典、三浦理奈、秋庭悠佑、熊切和嘉監督、金田敬監督

■MC :坂東さかえ



三部構成からなる『メイソウ家族』は、母親が完璧な家庭を維持する緊張がキレたように迷走していく「YUI」、家族に構ってもらえず愛されることを求める一方の娘の迷走が思わぬ遭遇で変化していく「MONOS」、喪失感と孤独感で失声症になった少女がほのかな恋心で変化していく「UMI」と、“愛の渇望”が通底にある家族の物語である。しかも3篇は全く異なる情景で展開されながらもある繋がりを見せていくという、実にユニークな迷走ぶりで観る者を惹き込んでいく。


meisoukazoku-pos-550-2.jpg8月29日(金)からの全国公開を前にテアトル梅田にて先行上映舞台挨拶が行われ、『メイソウ家族』のキャスト、戸田菜穂、永野宗典、三浦理奈、秋庭悠佑の4人と、熊切和嘉監督、金田敬監督が登壇して、作品への想いや撮影中の秘話について語ってくれた。タイトル同様、撮影現場でもかなりのメイソウぶりを見せていたという現役芸大生の秋庭悠佑のハイテンションに会場が笑いに包まれる一方、かつてないクレイジーさで度肝を抜いた戸田菜穂や永野宗典のベテラン俳優の落ち着いた語りが作品への関心をさらに高める舞台挨拶となった。


本作は、大阪芸術大学が映像企業との産学協同で作られた作品で、4年に一度制作されており、映像学科だけでなく他の学科からもキャストやスタッフとして参加。今回は全国公開となり、映画制作だけでなく宣伝や興行についても学ぶ機会となっている。学生が書いた100本以上の脚本の中から選ばれた3本をさらに脚色し、大阪芸術大学の卒業生でもある熊切和嘉監督(『658km、陽子の旅』『ゼンブ・オブ・トーキョー』)と、金田敬監督(『校庭に東風吹いて』)の二人が監督。「YUI」「UMI」は熊切監督が、「MONOS」を金田監督が担当しているが、脚本の完成度が高かった「YUI」については両監督が取り合いになったという。

(詳細は以下の通りです。)
 


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――脚本を初めて読んだ感想は?

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熊切監督3本とも面白い脚本だったのですが、特に「YUI」が元々『メイソウ家族』というタイトルの脚本で、とても完成度が高くて、実は金田監督と取り合いになった程でした。でも、あまりにもまとまり過ぎていたので、逆に破綻させたいという思いで撮りました。「UMI」は元々あまり完成度は高くなかったのですが、うまく直していったらシンプルでいい映像作品になるのではと思いました。


金田監督「YUI」は先に熊切監督に獲られちゃったんで(笑)…「MONOS」はちょっと変わった話で、自分では絶対に選ばない企画でしたが、この機会にチャレンジしようと思いました。また、大阪芸大の客員教授で世界的造形作家であるスクリーミング・マッド・ジョージ先生が造形を担当されることもキッカケにはなりました。


meisoukazoku-bu8.26-toda-240-1.jpg戸田:不思議な台本。不思議な人も登場しますし、どういう映画になるのかなと思いました。とてもエキセントリックでハイになるシーンもあり、実際そういう風になって恐ろしいなと感じました。


永野:歯車が咬み合わなくなってきた家族の様子がとても丁寧に書かれているなと、素直に面白いと感じました。先ほど熊切監督が破綻させたと仰ったので、原型はどうだったんだろうと気になりまた。普段コミカルな役が多いのですが、今回はそうじゃないので、役に集中しようと思えるような魅力的な脚本でした。


三浦:とても不思議な物語。撮影が進むにつれてどんな風な作品かと分かってきました。最初台本読んだだけでは、頭がはてな(?)でした。特に「MONOS」はパンチが効いていて、演じながらわくわくした気持ちでいっぱいでした。


秋庭:芸大らしいなと思いました。僕はミュージカル学科の4回生で芸大大好き“芸大ラブ”なんですよ。僕は「MONOS」しか出てませんが、こういう変わった作品にも出たいなと思っていたので、この役は僕に似ている部分が多くて、やりがいがあると思いました。

永野:映画の中でも疾走感ありますよね。立ってても疾走感があり、凄い存在感でしたね。(笑)


meisoukazoku-bu8.26-nagano-240-1.jpg――大阪芸術大学の学生とのコラボについて?

戸田:撮影中はアシスタントやメイクも学生さんにしてもらって、天王寺駅から学生さんと一緒に電車に乗って大学へ通っていたので、とても楽しくて新鮮な気持ちになれました。私がエキセントリックになるシーンでも真剣に見てくれて、とても嬉しかったです。


永野:他の現場と変わらない快適さだったので、普段からの学習や経験が活かされていたと思います。ただ一点違うのは、スタッフの瞳のピュアさでしょうか。目の奥がキラッと未来を見据えている瞳でしたね。共演したキャストもアドリブ的呼吸も合っていて、とても頼もしく感じました。


三浦:皆さんとても真剣に取り組んでおられて、それが刺激的で自分ももっと頑張ろうと喝が入りました。


――現役学生の秋庭さんは、全国公開となったお気持ちは?

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秋庭:天にも昇る気持ちです。入学時、自分の名前が大学に残るような4年間を過ごそうと思っていたので、実現できて凄く幸せです。僕の口癖は「芸大楽しい!」なんで、それが体現できて嬉しかったです。撮影中、スタッフに「じっとしといてください!」と言われたり、スタッフや金田監督にいっぱい迷惑かけちゃいました(笑)。監督の目から湯気が出てるぐらい熱気が凄かったです。その熱気で演じ切ることができました。


金田監督「MONOS」は全部大学内で撮り終えてます。それは秋庭君がどこ行くか分からないので、大学内でやる必要があったのです(笑)。もう顔見知りの学生がいると、いちいち「ワ~!」って興奮するんで、それを抑えるのが大変でした。お芝居がどうのこうのより、「とにかく落ち着け!」と、動物の調教師になったみたいでしたわ(笑)。でも、いざスイッチが入ると、さすがに舞台芸術学科の本領を発揮してくれました。迷惑は掛けられたけど、楽しい現場でした。


meisoukazoku-bu8.26-kaneda-240-1.jpg秋庭:金田監督から学んだことは、テストでは60~70%の力でいいと…ケガするから。

金田監督君はテストで150%出してきてどんどん興奮してくるから、「抑えて抑えて、60%どころか40%でええし!本番でパーンとやってくれたらいいから…」(笑)


――熊切監督は大阪芸大での撮影は如何でしたか?

熊切監督もう30年位前になりますが、僕が学生の時は毎日のように自主映画を撮っていたので、その頃撮り損ねていた場所で今回撮影できて良かったです。学生とのコラボは普段より時間はかかりますが、一生懸命やってくれるんで、僕も負けじと頑張れました。


――見どころについて?

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秋庭:「MONOS」での三浦さんとの掛け合いがとても自然な感じのカップル感が出ていると思います。最後にあっと驚くような仕掛けがあるんで、それもお楽しみに!

金田監督:あんまりハードル上げんなよ!(笑)

三浦:自分に足りないものを満たしたいと思う時迷走しまいがちだけど、それでもどこかで繋がるんだなと思いました。ずっと役に集中して取り組んできたので、多くの人に観て頂きたいです。

永野:ともすれば自分にも身内にも実際に起こり得る話で、三話の関連性を探しながら観るのも楽しいかなと思います。それと、現在大ヒット中の日本映画『○○』でも登場するロケ地で撮影されています。どこだか気を付けてご覧ください。

戸田:家族であってもそれぞれが大切に思っていることや考えの違いがあることを改めて実感しました。学生さんたちの映画愛にあふれた作品です。是非ご覧ください。

 


◎監督『YUI』・『UMI』:熊切 和嘉、『MONOS』:金田 敬  
◎脚本『YUI』: 三田村 裕真(メイソウ家族) 、『MONOS』: 阪上 彰馬(モノス) 、『UMI』: 幸田 遼太朗(UMI)  
◎脚色『YUI』: 菊田 涼乃、『MONOS』: 村岡 楓太、『UMI』: 長瀬 南海  
◎撮影監督:佐々木原 保志 
◎音楽:池永 正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)
◎出演
『YUI』:戸田 菜穂、永野 宗典、三浦 理奈、高村 佳偉人 、
『MONOS』:三浦 理奈、秋庭 悠佑、
『UMI』:西岡 奏、木村 了  
◎特別出演 :久保田 磨希、タージン、島田 珠代、真凛、板東 さえか、谷村 美月
配給:日活
製作総指揮:塚本 邦彦  製作統括:田中 光敏
エグゼクティブプロデューサー:濱名 一哉
協賛:大成建設株式会社  日本電設工業株式会社
企画:大阪芸術大学  芸術学部  映像学科  製作吉著作:大阪芸術大学
©︎大阪芸術大学

公式 HP: https://www.osaka-geidai.ac.jp/topics/meisoukazoku
公式 X:@meisou_movie

2025年8月29日(金)~ヒューマントラスト渋谷、テアトル梅田、アップリンク京都、ほか全国順次公開!


(河田 真喜子)

 


BULLETBULLET-bu-550.jpg(左から、古川慎、井上麻里奈、瀬戸麻沙美、朴性厚監督)

2025年7月16日(水)より、ディズニープラス「スター」で独占配信される『BULLET/BULLET』。同作は、前編『弾丸疾走編』が7月25日(金)より公開、後編『弾丸決戦編』が8月15日(金)に劇場公開も予定されている、オリジナルアニメーション。


7月26日(土)には都内映画館で前章『弾丸疾走編』の公開記念舞台挨拶が実施され、声優の井上麻里奈、瀬戸麻沙美、古川慎、そして朴性厚監督が参加した。


満員御礼で迎えたこの日、朴監督は「まさか映画館で上映されるとは思わず、初めて聞いたときはビックリしたし、嬉しかったです。本作は特にカーアクションに力を入れて作ったので、大きなスクリーンで体感してほしいです」と喜びを報告した。


BULLETBULLET-bu-iniue.jpgジャンク屋で働く少年であり、不当に奪われた品を取り返す盗み屋でもある主人公・ギアを演じた井上は「今から1年半くらい前にアフレコ収録をしていたので、ようやく皆さんに観ていただくことが出来て嬉しいです」とニッコリ。迫力満点のアクションシーンに触れて「完成作を観た時に大迫力に圧倒されたので、それを映画館の大画面で観ていただけるのが嬉しい」と見どころにあげた。


また前半から後半にかけてギアの変化について井上は「回を追うごとに自分の思っていた理想的少年漫画主人公とは違うギアの顔が見えてきました。そこから私が思う王道的主人公像からギアを引き剝がして、『BULLET/BULLET』という世界を生きる一人の少年として捉え直して演じていきました」と解説した。

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殺し屋に追われる謎多き美少女ノア役の瀬戸は「ノアは当初、ギアを利用しようと現れた存在なので、ギアがほだされてしまう様な女性像を演じようと取り組みました。でも二人の関係性が出来上がる中で、ノアには年相応の表情が出て来てもいるので、見た目のクールさを意識することなく、等身大の女の子を演じようと思いました。ギアとの関係性がこの先どうなっていくのか?後章も見どころです」と述べた。


 


 


BULLETBULLET-bu-furukawa.jpg荒野の武装集団のボス・バレル役の古川は「バレルは謎めいたまま前章が終わってしまって…。なので今日は『残りは後章で!』というお話をしに来ました」と笑わせながら「バレルは希望に満ち溢れた少年ギアとは対になるような存在で、アフレコ時も『やさぐれて欲しい。すべてを諦めていい』という演出がありました。バレルという人間の設定や影響をどこまで表現できるのか、そこが掴みだと思ったし、『もっともっと諦めて』と言われて改めて組み上がったものがあって、それを使って前半を作り上げていきました」と役作りを紹介した。


BULLETBULLET-bu-500-1.jpg“美学”や“こだわり”を抱えて生きる登場人物にちなんで「これだけは譲れない!」という“流儀”をそれぞれ発表。古川は「靴下は特定のコンビニでしか買いません。黒一色。そこで統一しました」と明かすと、井上も「外ではお酒を飲みません。外でお酒を飲んで酔っ払ってそこから家に帰ったりするのが億劫だから。家で眠れる準備を済ませてからお酒を飲んでそのまま寝たいです」と飲酒時のこだわりを打ち明けていた。


瀬戸は「次の日が休みだったら目覚まし時計をかけません。そうすると信じられないくらいの時間まで眠れるんです。休みの前日は朝までゲームをやって目覚ましをかけずに寝て、昼の12時かと思って目を開けるとその日が終わっている時間という事もありました。かつては休日を無駄にして損をしたと思っていたけれど、今ではそれすらも快感。無駄にしてやったぜ!の境地に辿り着きました」と意外な一面を明かして笑いを取っていた。

 

BULLETBULLET-bu-paku.jpg朴監督は「いい仕事が出来たら外で生ビールを飲みます。日本に来て生ビールの美味しさを実感しました」と宅飲み派の井上とは真逆タイプな事が判明。


ここで、新情報として原画・設定資料集『BULLET/BULLET ANIMATION WORKS』の発売決定が発表。キャラクターやメカなど、本作の世界観を構築する貴重な原画・設定画を多数収録した、ファン待望の一冊となっている。発売は9月6日(土)よりアニメイト秋葉原にて先行スタート。その後、ムービック通販などでの一般販売も予定されている。


さらにMCからは、『BULLET/BULLET ANIMATION WORKS』発売を記念したミニ原画展の開催決定も発表。展示は9月6日(土)〜9月21日(日)までアニメイト秋葉原で開催。最終日には朴監督とキャラクターデザイン・総作画監督・吉松孝博によるサイン会も実施予定だ。


最後に、8月15日公開の後章『弾丸決戦編』に向けて朴監督が「後半ではストーリーも大きく盛り上がり、バレルとギアの掛け合いなど、自分の中でも鳥肌が立って泣きそうになったシーンも出来上がりました。前章・後章の両方を観て欲しい」と期待を煽ると、瀬戸は「前章は登場人物や説明も多くて一度だけではわからないと思うので、もう一度鑑賞して整理して、後章も楽しんでいただきたいです」とコメント、さらに古川は「今回の前章は『BULLET/BULLET』の世界観を提示するための布石作り。登場人物も多くて『?』となるところもあるけれど、それらは伏線として後章で解決していきます」とガイダンス。井上も「後章を観たら前章を振り返りたくなるはずです」と改めて前章を見返す楽しさにコメントし、大盛り上がりのなか、公開記念舞台挨拶は幕を閉じた。

 


【『BULLET/BULLET』ANIMATION WORKS発売記念 ミニ原画展】

イベント開催日:2025年9月6日(土) ~ 2025年9月21日(日)
イベント開催場所:アニメイト秋葉原2号館 6F
イベントURL:https://www.animate.co.jp/onlyshop/28021/


【『BULLET/BULLET』ANIMATION WORKS発売記念クリエイターサイン会】

イベント開催日:2025年9月21日(日)  開場:13:00 開始13:30
イベント開催場所:アニメイト秋葉原1号館 7F
イベントURL:https://www.animate-onlineshop.jp/contents/fair_event/detail.php?id=113682

※『BULLET/BULLET』ANIMATION WORKSをミニ原画展開催店舗にてご購入いただいたお客様に先着で、 イベント参加券 をお渡しいたします。


朴性厚監督を始めとする豪華スタッフが世界に放つ完全新作アニメーション『BULLET/BULLET』は、2025年7月16日(水)よりスター オリジナルシリーズとしてディズニープラス「スター」で独占配信。
劇場版は「弾丸疾走編」が公開中、「弾丸決戦編」が8月15日(金)から新宿ピカデリー他、全国公開。


【ストーリー】
BULLETBULLET-pos.png文明が崩壊し、荒野となった近未来の世界。人々は旧時代の遺物を活用し、貧しいながらも日々を暮らしていた。少年ギアはジャンク屋で働く裏で、4つの人格を持つロボットQu-0213、ギャンブル狂のシロクマとチームを組み、不当に奪われた品を取り返す”盗み屋”を営んでいた。ある日、殺し屋に追われる謎の少女ノアからの依頼をきっかけに、荒野の武装集団や、凶悪な殺し屋たちに追われることに。どうやらギアが盗んだのは、この世界を揺るがす「秘密」のようで—。

〈作品概要〉

★ディズニープラス「スター」で2025年7月16日(水) 独占配信
【1話~8話】2025年7月16日(水)~
【9話~12話】2025年8月13日(水)~

★劇場版
「弾丸疾走編」大ヒット上映中
「弾丸決戦編」8月15日(金)新宿ピカデリー他、全国公開

ギア:井上麻里奈 シロクマ :山路和弘 ノサ姉:釘宮理恵 カウ姉:花澤香菜 エイ婆:折笠愛 ナカ兄:関智一 ノア:瀬戸麻沙美 バレル:古川慎 ウィール:茂木たかまさ リン:若井友希 
監督・原案:朴性厚
原作:E&H production・ギャガ
シリーズ構成:金田一士
キャラクターデザイン・総作画監督:吉松孝博
「ガッチャ」デザイン:辻



umibemichi-bu7.17-550.JPG(左から、横浜聡子監督、剛力彩芽、高良健吾、原田琥之佑、麻生久美子、唐田えりか、菅原小春)


予期せぬ出来事と出会う人生の幸福を陽気なユーモアと想像力で描く、

すべての登場人物が愛おしい、ちょっとおかしな人生讃歌!


横浜聡子監督最新作の映画『海辺へ行く道』が8月 29日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿ピカデリーほか全国公開いたします。


umibemichi-pos.JPG映画『海辺へ行く道』の脚本・監督は、『ジャーマン+雨』『ウルトラミラクルラブストーリー』『俳優 亀岡拓次』『いとみち』でその度ごとに話題を巻き起こして来た、横浜聡子。最新作は、知る人ぞ知る孤高の漫画家・三好銀の晩年の傑作「海辺へ行く道」シリーズをまさかの映画化。主演をつとめるは、約 800 人のオーディションを経て主演を射止めた 15 歳の俳優・原田琥之佑。麻生久美子、高良健吾、唐田えりか、剛力彩芽、菅原小春、諏訪敦彦、村上淳、宮藤官九郎、坂井真紀ら個性豊かな大人たちに加え、蒼井旬、中須翔真、山﨑七海、新津ちせなど、実力派の若手俳優たちが見事集結。さらに、様々なシーンから熱烈な支持を受ける至高のラップトリオDos Monosのフロントマン荘子itが、初の映画音楽を担当。


本作は、第 75回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門Kplus にて正式上映され、特別表彰を獲得した。また、今年で6回目を迎える日本最大級の芸術祭・瀬戸内国際芸術祭2025への参加も決定。映画ながら、現代アート作品のひとつとして芸術祭に参加する稀有な作品となった。なお、同芸術祭での映画の参加は本作が初となる。


この度、本作の公開に先駆け、原田琥之佑らキャストが登壇する完成披露上映会を実施いたしました。


日程:7月17日(木)18:30の回 上映前

場所:新宿ピカデリー スクリーン1(新宿区新宿3-15-15)

登壇者(敬称略):原田琥之佑、麻生久美子、高良健吾、唐田えりか、剛力彩芽、菅原小春、横浜聡子監督



umibemichi-bu7.17-harada.JPG漫画家・三好銀による原作漫画を実写映画化した『海辺へ行く道』(8月29日公開)がついに完成!この度、7月17 日には都内映画館で完成披露上映会が実施され、主演の原田琥之佑、共演の麻生久美子、高良健吾、唐田えりか、剛力彩芽、菅原小春、そして横浜聡子監督が参加した。


満員御礼で迎えたこの日、主人公・南奏介を演じた原田は、撮影が行われたのが 2 年前であることに触れ、「撮影から身長も 13 センチ伸びて顔も凄く変わってしまったけれど、誰だ?とはならずに、今日はよろしくお願いいたします」とユーモア交じりにニッコリと笑顔で挨拶。800人参加のオーディションから大抜擢されての映画初主演だが「選ばれたときは素直に嬉しかったです。横浜さんと初めて話した時は色々なところを隅々まで見透かされている気がして、この人には嘘が通じないと思った」と回想。夏の小豆島での撮影については「毎日が楽しくてワクワクして、まるで本当に島にいる少年みたいな気持ちになった。撮影終わりに遊びに行ったりして、キャラクターにどっぷりと入れるような環境でした」と懐かしそうだった。


そんな現役高校生・原田を抜擢した横浜監督は原田くんは現代っ子という感じだけれど、画面に映るとノスタルジックな匂いがした。観客の皆さんにもその懐かしい雰囲気を観て感じてもらいたいです」と独特な個性を絶賛していた。


umibemichi-bu7.17-asou.JPG奏介と一緒に暮らす南寿美子役の麻生は、横浜監督作としては映画『ウルトラミラクルラブストーリー』、『俳優 亀岡拓次』に続いて3度目の出演。「私は横浜監督の演出が大好き過ぎるので今回も痺れました。奏介とのやり取りの中で猫が出て来る場面では『悪意のある感じで』とか、うたた寝している場面でも『まるで幽霊みたいに』とか予想外の演出をされると役者としてはワクワク。演じるのが本当に楽しかったです」と手応えを口にした。

 

 

 

 


umibemichi-bu7.17-gouriki.JPG夏の小豆島で撮影を敢行した本作にちなんで「夏の思い出」を大人キャストのそれぞれが発表。街の不動産屋に勤める理沙子役の剛力は、高校時代の思い出を振り返り「当時、仕事でバンドを組んでいて半年後にイベントをする企画がありました。夏休み中にみんなが私の実家に泊まりに来て、みんなでカレーを食べたり、スタジオに行って毎日練習して最終日に花火をしたりしました。この映画を観た時にそれをふと思い出して、ど真ん中の青春をしていたなと思った」と懐かしんだ。

 

 

 

 


umibemichi-bu7.17-koura.JPG街にやって来た包丁売りの男・高岡役の高良はデビュー直前の話として「高校 3 年の夏にオーディションで『ウォーターボーイズ』に受かって、みんなで 1 ヵ月くらい奄美大島に合宿していました。まだその時は高校生だったので、熊本から通いながら練習をしていました。撮影の休みの間は奄美大島のホテルの前の海に飛び込んだり、花火をしたり、釣りをしたり、自転車で島を回ったり。仕事を始めたばかりのあの夏は忘れられません」と回想した。
 

中学時代にソフトボール部でキャッチャーを務めていたという麻生は「強くなりたいと思って紐をつけたタイヤを引っ張ってランニングしていました。漫画で見たことがあるのでいいのだろうと思ったけれど、引きずるのは無理。動かないから一瞬でやめました」とまさかの青春を明かして、会場の笑いを誘っていた。
 

umibemichi-bu7.17-sugawara.JPGアーティストの借金の取り立てに東京からやって来たメグ役の菅原は「夏の思い出は…ありません!ダンスばかりをしていたので」としながらも「当時付き合っていた彼氏のケイタ君と花火大会に行きました。ピンク色の浴衣を着て。私の夏の思い出は苗字を覚えていないケイタ君です」とこちらも会場を笑わせた。

 

 

 

 

 


umibemichi-bu7.17-karato.JPG高岡の恋人・ヨーコ役の唐田は「地元の盆踊りで太鼓を叩く係で、その祭では小学校から長い間太鼓を叩いていました」と懐かしんだ。


一方、現役高校生の原田は「今年の夏にチャレンジしたいこと」を発表。「夏休み期間中は毎日 1 作以上の映画を観ることを目標にしています。毎日 2 作品くらい観ようかな」と宣言。これに原田のデビュー作で共演した高良は「凄いなあ。デビュー作では親子役だったので色々と感じます。成長したね、身長もね」と父親目線でしみじみしていた。


最後に主演の原田は「本作には未来ではなく今を全力で楽しむ人が勢ぞろいして、人生を謳歌している姿が描かれています。色々な人が楽しめる作品なので夏休み中に沢山観てもらえたら嬉しいです」とアピール。横浜監督は「三好銀さんの漫画は色々な人が色々なことをする多様性に溢れた原作で、私はそのある種の寛容さを映画で引き継ぎたいと思いました。皆さんもこの映画を観ながら自分自身の中の多様性の出会いを楽しんでいただければと思います。この映画を気に入ってもらえたら嬉しいです」と呼び掛けていた。
 


『海辺へ行く道』

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アーティスト移住支援をうたう、とある海辺の街。のんきに暮らす 14 歳の美術部員・奏介(原田琥之佑)とその仲間たちは、夏休みにもかかわらず演劇部に依頼された絵を描いたり新聞部の取材を手伝ったりと毎日忙しい。街には何やらあやしげな“アーティスト”たちがウロウロ。そんな中、奏介たちにちょっと不思議な依頼が次々に飛び込んでくる。ものづくりに夢中で自由奔放な子供たちと、秘密と嘘ばかりの大人たち。果てなき想像力が乱反射する海辺で、すべての登場人物が愛おしく、優しさとユーモアに満ちた、ちょっとおかしな人生讃歌。


原作:三好銀「海辺へ行く道」シリーズ (ビームコミックス/KADOKAWA 刊)
監督・脚本:横浜聡子
出演:原田琥之佑
麻生久美子 高良健吾 唐田えりか 剛力彩芽 菅原小春
蒼井旬 中須翔真 山﨑七海 新津ちせ
諏訪敦彦 村上淳 宮藤官九郎 坂井真紀
製作:映画「海辺へ行く道」製作委員会
配給:東京テアトル、ヨアケ
©2025映画「海辺へ行く道」製作委員会
2025 年/日本/スタンダードサイズ/5.1ch/140 分/G
公式サイト:https://umibe-movie.jp/


(オフィシャル・レポートより)

 

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★2025年7月14日(月)18:30~

★TOHOシネマズ梅田

★ゲスト:清野菜名    MC:飯室大吾   (敬称略) 



孤独な少年を癒したのは、エイリアンとの友情だった

そして、大切な家族の存在にも気付かされる、

感動のファンタジー・ムービー!

 

『トイストーリー』や『リベンバー・ミー』と大人が号泣する感動のアニメーションを創出し続けているピクサー・アニメーション・スタジオが贈る、この夏感動のベスト・ムービー『星つなぎのエリオ』がいよいよ8月1日(金)から全国にて公開されます。安心して大人も子供も楽しめるとても満足度の高い作品です。


Elio-pos.jpg主人公のエリオは、両親を亡くして宇宙センターで働く叔母のオルガと暮らしていますが、学校でも家でも孤独な日々を送っています。そんなエリオが「自分の居場所は宇宙にある!」と信じて、夜な夜な宇宙人との交信を試みていたところ、なんと夢に見た星と星を繋ぐような世界「コミュニバース」からお迎えがきたのです。こうして、憧れの宇宙に飛び出したエリオは同じように悩みを抱えるエイリアンのグロードンと出会います。そして、心優しいグロードンとの友情に芽生えたエリオは勇気ある少年へと成長していくのです。一方、エリオとの新しい生活に戸惑いながらも、宇宙飛行士になる夢を諦めきれずにいる叔母のオルガもまた、エリオの行く末を心から心配しているのでした…。


エイリアンとの友情を主軸に、家族の愛情を再確認する物語は『リロ&スティッチ』にも通じるものがありますが、本作も大人も泣ける純粋な愛情にあふれています。なんと言ってもエリオ(川原瑛都)とグロードン(佐藤大空)の声がいい! 特に、ちょっと舌足らずの言葉で一所懸命に気持ちを伝えるグロードン(佐藤大空)には心を射抜かれるに違いない!本作に限っては、日本語吹替版で観て頂きたい作品です!
 



DSC06339.JPG8月1日の公開を前に開催された試写会の舞台挨拶に、エリオの叔母・オルガの声を担当した清野菜名が登壇。それを歓迎して、サプライズで星空をイメージしたグリーティングが行われた(暗くなった場内で観客総出で光るブレスレットを振る)。「凄~い!宇宙みたい!ありがとうございます!台本になかったのでとっても嬉しいです!」と感激のご様子。


Elio-bu-240-2.JPG声優初挑戦について、「自分でも信じられない感覚です。情報解禁前は家族にも友人にも言えなくて、解禁後はみんなに応援されてとても嬉しかったです」。


難しかったことについて、「初めてのことで、どうしていいのか分からないことばかりでした。まずオルガの口に合わせてセリフを言うのも精一杯で、その環境になれるのもかなり難しかったです」。


泣けるポイントについて、「グロードンがエリオに、”そのままの君が好きだよ“と声を掛けるシーンがあるのですが、あんな純粋でなんにも染まってない子供が、あんな綺麗な言葉を発すると、大人として心にグッとくるものがありました。大人はつい虚栄を張ってしまう瞬間がありますが、うまくいかない時も自分だし、改めてそのままの自分でいいんだと思わせてくれるような綺麗な言葉だと思いました」。


Elio-bu-240-3.jpgもし清野さんが宇宙飛行士になったら行ってみたい星とかやりたいことは?
「自分が住んでいるこの地球を宇宙から俯瞰で眺めて、ホントに丸いのか確かめてみたいです。」


今回特別に用意された【大阪にまつわる質問コーナー】では、BOXの中から棒を引き抜くと星型のうちわのようなものに質問が書かれていました。

Q1:大阪で好きな食べ物は?
「〇〇〇ラーメンです!以前撮影で大阪に滞在していた時に出会って以来、シメでこのラーメンを食べるというのが私のルーティンになっていました。大阪でしか食べられないあっさりしたとても美味しいラーメンです!」

(粉もんを答えるのかと思ったら、意外な上級グルメに皆びっくり!)


Elio-bu-240-1.jpgQ2:好きな関西弁はありますか?
「あります!“知らんけど”です(笑) どんな言葉の最後にも使えて、何だか責任を持たなくていいような…」。(優しく突き放す言葉だと言われ、)「普段よく使います。会話の最後に付けるととても盛り上がります」。(本作の共演者とも使ったのか訊かれ)、「共演者の皆さんとは先日の舞台挨拶で初めてお会いしたので、その時緊張していて、とても使える状況ではありませんでした(笑)」。


最後のメッセージを。
「エリオとグロードンの綺麗な友情に注目して観て頂きたいと思います。観終わった後に、自分のことを大切に思ってくれている存在に改めて気付かされた作品でした。本当に心温まる素敵な作品になっていますので、最後まで楽しん観ていって下さい。」
 


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【STORY】~エイリアンとの友情から家族の愛情を再確認~


最愛の両親を失って宇宙センターで働く叔母のオルガと暮らしているエリオは、大好きな宇宙への交信を試みることで孤独を紛らわせていた。ある夜、無線仲間とのトラブルからとんでもない危機に陥った時、「自分の居場所は宇宙にある」と信じていたエリオに奇跡が起こる!――なんと星々の代表が集まる「コミュニバース」の宇宙船に救われたのだ。叔母の心配をよそに喜び勇んで地球から遠いコミュニバースへ行ったエリオは、地球の代表として振舞い、認めてもらおうと努力するが……。

そこでエリオと同じように孤独を感じていたエイリアンのグロードンと知り合う。彼は常に戦闘モードの父親のようにはなりたくないと、ひとり悩んでいたのだ。心優しいグロードンとの出会いでエリオは初めて友情を感じていたが、エリオの秘密がバレて地球に送り返されることに。そこから地球では大騒動が巻き起こる……。


原題または英題:Elio  2025年製作 アメリカ 1時間38分
監督:マデリーン・シャラフィアン(『リメンバー・ミー』)、ドミー・シー(『私ときどきレッサーパンダ』)、エイドリアン・モリーナ(『リメンバー・ミー』)
制作:メアリー・アリス・ドラム(『リメンバー・ミー』)
日本語版エンドソング:BUMP OF CHICKEN
声(日本語)の出演:川原瑛都(エリオ)、清野菜名(オルガ)、佐藤大空(グロードン)、松山ケンイチ(グライゴン)、野呂佳代(ウウウウウ)、渡辺直美(オーヴァ)、マユリカ・中谷(メルマック)ほか

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2025 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
公式サイト:https://www.disney.co.jp/movie/elio
 

2025年8月1日(金)~全国劇場公開


(河田 真喜子)

 


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(左から、 南沙良、馬場ふみか、本田望結、基俊介、井樫彩監督 


「響け!ユーフォニアム」で知られる武田綾乃の同名小説が原作の映画『愛されなくても別に』が、日本最年少でカンヌ国際映画祭への出品を果たした井樫彩監督の最新作が、絶賛公開中である。毒親、虐待、性暴力など家族間で生じる問題から社会のひずみに切り込みつつ、その世界をサバイブする女性たちの清々しさと、「不幸中毒」からの脱却までを鮮やかに描いた本作。

浪費家の母親に依存される主人公・宮田陽彩(みやた・ひいろ)役南沙良、過酷な家庭で育つ過去を持ち、陽彩と徐々に心を通わせていく江永雅(えなが・みやび)役馬場ふみか。そして過干渉の母親から逃れるため、宗教にのめり込む木村水宝石(きむら・あくあ)役本田望結、三人が働くコンビニの同僚・堀口順平(ほりぐち・じゅんぺい)役をIMP.の基俊介が演じた。


本日75日(土)に南沙良、馬場ふみか、本田望結、基俊介、井樫彩監督が登壇する公開記念舞台挨拶を行った。イベントでは、撮影エピソードやキャスト&監督の「抜け出せない」ことを披露した。


◆日程:7月5日(土)

◆会場:新宿ピカデリー スクリーン1(新宿区新宿3丁目15−15)

◆登壇者:南沙良、馬場ふみか、本田望結、基俊介、井樫彩監督(計5名)(敬称略)


<以下、レポート全文>

aisarenakutemobetuni-bu7.5-南沙良様.JPG

毒親のもとで生まれ育ち、人生を奪われてきた3人の大学生の姿を描き出した本作だが、主人公・陽彩を演じた南は、最初に脚本を読んだ時について「脚本を読む前に原作を読ませていただいたんですが、悲壮感がなくて。登場人物が抱えているものって重たいものではあるんですが、ちゃんとその先に救いがある物語だなと思って。意外とポップな感じがしました」と述懐。


過酷な家庭で育った雅を演じた馬場は「わたしは自分が雅を演じるという視点で読んだので、これは大変だぞと思ったのですが、一見、ドライで冷たそうに見える雅も、実はやさしさとか愛がたくさんあるところがすごくかわいいなと思いました」とコメント。さらに過干渉の母親から逃れるため、宗教にのめり込む水宝石(あくあ)を演じた本田は「役としては水宝石に本田望結を連想してくださったのがなんでなんだろうというのがすごく気になっていたんですが、監督からは家族とか愛とかに(悩んでいる)イメージがない人にこそ演じてほしいと言われたので。それならわたしがやらせていただく意味があるのかな、と思いました」とコメント。さらに「これだけ本田望結を封印した役ははじめて。素直に言いますが、私生活から何のヒントも得られないというか。本田望結として経験したことを生かせるのは、役者として大事だと思うんですが、なかなかそう思える部分がなくて。でもそれが監督の狙いなんじゃないかなと思ったので、本当に監督には助けてもらいました」と明かした。


aisarenakutemobetuni-bu7.5-馬場ふみか様.JPGそんな本田に対して、なぜかクスクス笑いが止まらない南。「沙良さん、今日ずっとわたしの顔を見て笑っているんですよ!」という本田に対して、「1年間くらい、ずっと聞きたいなと思っていたことがあるんですよ」と告白した南。「撮影当時に、わたしがその時ハマっていたゲームを入れてくださったんです。友だちの島にも遊びに行けるゲームなんですけど、そこに遊びに行ったら、本田さんのペットの名前が『沙良』だったんですよ。もうビックリしちゃって。『どういうこと?』って。でもわたしの『沙良』じゃないかもしれないし……なんでペットの名前が『沙良』なんだろう?ってすごく気になっていました」と語ると、本田も「それは沙良さんに教えていただいたゲームだから。しかも沙良さんの漢字で『沙良』です」と説明。本田の律儀な行動に南も思わず「やばい!やばいですね!」と興奮気味。そんなふたりを笑いながら見ていた馬場は「わたしはそんなやり取りがあったなんて知らなくて。ふたりが仲よさそうにしゃべっているなと微笑ましく見てました」と振り返った。


aisarenakutemobetuni-bu7.5-基修介様.JPGまた宮田と江永が働くコンビニの同僚・堀口を演じた基は「僕自身は撮影が短かったんで。皆さんとほとんどお話もできていないんですよ。だから今、その話を聞いて、そんなことがあったのかとビックリしています」と語ると、「実は今日ビックリしたことがあって。控え室に座っていて、今日は何をしゃべろうかなと考えていたら、『どうもー!』という声があって。IMP.のメンバーの影山拓也と松井奏が、白Tとデニムに野球帽という、双子コーデでいきなりカメラ回しながら入ってきて。一瞬、迷惑系YouTuberかなと思ってビックリしましたけど、わざわざ朝早くに準備して、カメラを持って突撃してきてくれて。メンバーってすごくいいなと思いました」と述懐。その様子を井樫監督も「微笑ましい光景でした」と見ていたというが、「でも本当はたぶん監督にあいさつするのが目的だったと思うんで。もう、そうなんじゃないかなと思うくらい、僕の方にはヘラヘラしてて。監督の前ではすごい丁寧に頭を下げていましたから」と冗談めかして会場を沸かせた。

aisarenakutemobetuni-bu7.5-井樫彩監督.JPG
そんなキャスト陣について井樫監督は「ふたりは、原作から想像していたイメージをさらに乗せて表現してくれたなという印象があるので、本当に感謝しております。本田さんに関しては、さっきも言いましたけど、あまり見たことがない本田さんを出してくださって。たぶん大変だったと思うんですけど、陽彩と雅とはまた違った、キーになる人物としてすごく印象的になったんじゃないかなと思います。そして作品を観るとそうだと思うんですが、結構しんどいシーンが続く中で、基さんが出てくるとちょっとホッとするというか。そこがすごくいいなと思いました」と語った。


 

 


aisarenakutemobetuni-bu7.5-本田望結様.JPG今まで生きてきた生活や、毒親からなかなか抜け出せないキャラクターたちが多い本作にちなみ、イベントでは登壇者たちの「抜け出せない」エピソードについての質問も。まずは基が「僕は観に来てくださってる皆さんの顔を見ちゃうんですよ。ライブでも結構、皆さんの顔見てるんです。今日も、映画館なのに双眼鏡で観ている人がいたりして。僕も舞台挨拶がはじめてなんで、新鮮ですね。皆さんを見ると「キュンです」とやってくれたり。なんかおもしろいですよね。ついつい見ちゃいます」と語ると、本田も「わたしは沙良さんの観察が抜け出せないですね。撮影の時からもうずっと、なんか沙良さんのことが気になってて。それもあってゲームされていた時も気になっちゃったんですよ」と語ると、「それで(ゲームの名前が)沙良に」と返した南は、「そんなことはじめて言われました!」と笑ってみせた。


aisarenakutemobetuni-pos.jpg続く馬場は「わたしは寝るのが信じられないぐらい遅くて。絶対にはやく寝たほうがいいに決まってるじゃないですか。撮影も朝早くて、4時とか5時とかに起きたりするんですけど、基本寝る時間が変わらないんですよ。今日も4時ぐらいまで起きてて、寝れないですよね。寝れるようになりたいなと思っています」と明かす。そして南は「わたしは最近、ガチャガチャにハマっていて。“めじるしアクセサリー”というのがあるんですけど、狙いのものが出るまで回したいんですよ。だから出るまで何十回もやっちゃうんです」とハマっているものについて告白した。


そして最後のコメントを求められた南は「わたしは本当に、日々生きづらいなと思って生きているんですけど、そう思っている方って、わたし以外にもきっとたくさんいらっしゃって。こうやって陽彩みたいな環境に置かれている方もたくさんいらっしゃると思うし。そういう方に寄り添えるような映画になっているんじゃないかなと思うので、たくさん見ていただけると嬉しいです」とメッセージ。井樫監督も「毒親っていう、ちょっと重たいワードから始まる映画ではあるんですけれども、自分の人生を確かに生きていこうとする、力強い二人の物語だと思っておりますので。その物語を見ていただいて、何か見ていただいた方の心に引っかかるものがあればいいなと思っております。公開は始まったばかりですので、ぜひ口コミ等々よろしくお願いいたします」と会場に呼びかけた。
 


【Story】

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宮田陽彩(みやた・ひいろ)(19)は、“クソ”のような大学生活を送っていた。
大学に通い、それ以外の時間のほとんどを浪費家の母に変わっての家事とコンビニでのアルバイトに費やし、その中から学費と母と2人暮らしの家計8万を収める日々。遊ぶ時間も、金もない。
何かに期待して生きてきたことがない。親にも、友人にも・・・。
いつものように早朝にバイトを終えた宮田は、母のために朝ご飯を作り、家事をした後に大学に登校していた。そこで大学の同級生であり、バイト先の同僚でもある 江永雅(えなが・みやび)(24)のひょんな噂を耳にする。威圧的な髪色、メイク、ピアス──バイト先ではイヤホンをつけながら接客する、地味な宮田とは正反対の彼女の噂。
「江永さんのお父さんって殺人犯なんだって」
他の誰かと普通の関係を築けないと思っていたふたり。ふたりの出会いが人生を変えていくー。

【クレジット】

出演:南沙良  馬場ふみか 本田望結  基俊介 (IMP.)  伊島空  池津祥子  河井青葉
監督:井樫彩 
原作:武田綾乃『愛されなくても別に』(講談社文庫)
脚本:井樫彩/イ・ナウォン
主題歌:hockrockb「プレゼント交換」(TOY'S FACTORY)
企画・プロデュース:佐藤慎太朗
製作幹事・制作プロダクション:murmur
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
Ⓒ武田綾乃/講談社 Ⓒ2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会
公式HP:aisare-betsuni.com  
公式X&Instagram:@aisare_betsuni

2025年7月4日(金)~ 新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX(八尾、堺、京都、あまがさき)、kino cinema神戸国際 ほか全国ロードショー!


(オフィシャル・レポートより)

 

DSC06332.JPG左から、木村慧人、畑芽育、大橋和也)


●日程: 6月22日(日) 14:35~15:05 

●会場:  TOHOシネマズ梅田 スクリーン①

●登壇者: 畑芽育(23)、大橋和也(27)(なにわ男子)、木村慧人(25)( FANTASTICS) (敬称略)



「イケメン嫌い」の陰キャ女子が国民的アイドルとまさかの出会い。

大人気少女漫画「君がトクベツ」が、

畑芽育×大橋和也のW主演で待望の実写映画化。

推し活が奇跡を起こす、応援必死!胸キュン必至!

王道のラブストーリー誕生!


原作が大人気コミック「君がトクベツ」(作:幸田もも子、集英社マーガレットコミックス刊)とあって、イケメン嫌いの陰キャ女子がいかに国民的アイドルとの偶然の出会いから恋愛模様へと変化していくのか、誰もが憧れる胸キュン・ シチュエーションに魅了される物語。だが、本作はそれだけでは終わらない。黒髪メガネの陰キャ女子・若梅さほ子を演じた畑芽育の可愛いだけではない芯の強さと賢さが、〈なにわ男子〉のリーダー大橋和也演じるキラキラアイドルの桐ヶ谷皇太の存在を大きく引き立てている。トラウマに抗いながらも浮足立つことなく、相手の立場を尊重し自制する健気さこそ、さほ子というキャラに生気を吹き込んでいるようだ。だから余計に応援したくなるのだ。


6月20日(金)からの全国公開を記念して、6月22日(日)、TOHOシネマズ梅田でも舞台挨拶が行われ、W主演を務めた畑芽育、大橋和也、そして劇中のアイドルグループ「LiKE LEGEND」(ライクレ)のメンバーの1人・遊馬叶翔を演じた木村慧人が登壇。スクリーン1で開催された上映後の舞台挨拶だが、一足先に本編が終了したスクリーン2の観客も舞台挨拶券を購入して合流し、会場は超満員のファンで埋め尽くされた。いよいよゲストの登場! 大歓声に迎えられ、劇中の国民的アイドル桐ヶ谷皇太よろしく華やかな出で立ちで登場しては、「プリン食べ過ぎておしりプリプリッ!の大橋和也です!よろしくお願いしま~す!」といきなりハイテンションで会場を沸かせる大橋和也。サービス精神全開だ!


DSC06320.JPG大阪の印象について畑は、「大橋さんの故郷ということで新たな印象を持ちました。大橋さんはびっちびちの関西人!」。上京して3~4年経つという大橋は「関西色は抜けません。死ぬまで関西人です!」と宣言。大阪へは4月初めに関西・大阪万国博覧会の会場へ見学に訪れて以来。畑と木村におススメしたい大阪ポイントを訊かれ大橋は、「僕はテーマパークが大好きなんで、是非USJへ行って欲しい!」と。行ったことがない畑は、「是非行きたい!何か大橋さんのコネクティングとかあるんですか?」と訊かれ、戸惑いながらも「僕のひとことで…」と続けるが、「〈551の蓬莱〉ならOK!」(笑)。実際、「551が食べたい!」という畑のために控室に551の商品が用意されていたとか。「USJへも出演者みんなで行きたいね!貸し切りは無理でもキャンペーンなどで行けたらいいね」と願望を語る大橋。


DSC06291.JPG木村はライブステージ「BTTM 5 」の大阪公演のためここ5日間は大阪に滞在中で、大阪の人の印象を訊かれ、「コンサートでも舞台でも盛り上げて下さる方が多いですね。笑いに厳しいのかなと思ってましたが、意外にも声を出して笑ってくれたりとか、本当に全体で盛り上がりました」という木村の答えにいちいち「ありがとうございます!」と反応する大橋は大阪人を代表して感謝している様子。そこで畑が「彼はいろんなものの代表になる癖があり、背負い過ぎているようです」とフォロー。「はい、地球を背負ってるんで!」という大橋に「規模、デカッ!」とツッコミ入れる畑。


大橋についても大阪人を感じたかと訊かれた木村は、「ザ(・大阪人)ですよ!もう朝から元気いいんですよ。関西の方はポジティブな人が多いのか、大橋さんもそうですが、 FANTASTICSの中島颯太もめちゃポジティブですね」。さらに大橋は、「劇中のアイドルグループ「LiKE LEGEND」(ライクレ)と一緒に居ると自己肯定感を上げてくれるので、撮影中もとっても楽しかったですねぇ」と撮影中を振り返る。


DSC06319.JPG公開された心境を訊かれ、畑は、「大好評いただいてホッとしております。原作ファンの方も多いと思いますが、それぞれのキャラの役作りに一所懸命取り組んできたことがしっかり反映していると思うので、映画も楽しんで頂けたら嬉しいです」。大橋は、「めちゃくちゃ楽しいですね。地方へ行くこともあまりなく、舞台挨拶でうちわ持って応援してくれることって中々ないので、とても新鮮で嬉しいですね」。木村は、「とっても嬉しいですね。何度も観たいと仰って下さる方が多いので、それだけ愛されている証拠だなと思います。この映画を観たら推し活している気分になれるので、これからも愛されることを願っています」。


初めて皇太と出会うシーンでおでこにキスをされるシーンがありましたが、実際にそうされたらどうしますか?と訊かれた畑は「バシーン!ですよ」(笑)。「でもファンの方だったら嬉しいのかな?ここでアンケートとります!」と観客に呼び掛け、大橋が「僕にでこチューされたい人?…結構まばら(笑)」「半々くらいやね。それじゃここでシミュレーションしてもらえますか?」という畑の依頼で、大橋がファンと出会って「僕のこと好きですか?はい、それじゃでこチューしますね」というフリに、「絶対イヤだ!大橋さんではなく、映画の中の皇太として演じて欲しかった!」と畑と木村からもダメ出し。会場も爆笑の渦に。大橋の劇中の皇太のような過剰なサービス精神は大ヒンシュクをかってしまった。


DSC06290.JPG実際〈なにわ男子〉で活躍中の大橋は皇太について印象を聞かれると、「結構過激やなと思います。皇太はひとりひとりのファンのことを愛して大切にする気持ちが強すぎてつい過剰なファンサービスになってしまってますが、僕はでこチューまではしませんが、気持ちは同じです」。そこで畑が、「ホントにでこチューするかもしれないので、皆さん気を付けてくださいね」とフォロー。「〈なにわ男子〉のメンバーと本作の鑑賞会をやって、でこチューのシーンで“キャオー!”と声があがり、“やっぱ、でこチューはあかんやろ!”と言われました」(笑)。


皇太のようにグループ〈 FANTASTICS〉で活動中の木村も皇太について訊かれ、「アイドルとして完璧だと思います。一人一人に届けられるように頑張っている皇太は、僕の理想像です。公演中もできるだけ一人一人の顔を見るようにしています。」と観客の声援が励みになっていることを語った。



DSC06301.JPG劇中のアイドルグループ「LiKE LEGEND」の5人のメンバーは事務所の垣根を越えての共演となったが、撮影中の雰囲気を訊かれ、「ずっと喋ってたよな。撮影中でも喋るシーンが多いのに、カットが掛かってからもその流れのまま喋ってた(笑)」と、これという内容はなかったという大橋に木村も、「中高生くらいの会話でしたね。」(笑)


最後に、木村は、「笑いあり、涙ありのいろんな感情が芽生える映画だと思います。今の自分がトクベツだなとか好きな人をより大切にしようと思えてくる内容で、自分の気持ちを素直に伝えたいと、観るだけでレベルアップできるような映画だと思います。これからも沢山の人に観て頂きたいです」。


大橋は、「この映画を観た時に皆さんに会いたい!という気持ちになり、言葉を伝えることは本当に大切なんだと思いました。それではここで、”大好き!”って言ってもらえますか?」と呼び掛け、「せえのっ!」→「大好き!!!」という観客の反応に、「オレも」と応える大橋。どこまでナルシストなんだ!?でも、憎めないが…。



DSC06307.JPG畑は、「事務所の垣根を越えた素晴らしい方々で結成された「LiKE LEGEND」ですが、映画から飛び出て音楽番組に出たり、皆さんに喜んで頂けるような活動をして下さっています。他のキャストやスタッフの皆さんも自信を持って創り上げた作品です。さほ子目線や推し活目線、さらには推しの気持ちに寄り添えるような作品になっておりますので、何度も観て頂けたら嬉しいです。」と舞台挨拶を締めくくった。


劇中のアイドルグループ「LiKE LEGEND」が歌う主題歌『YOU ARE SPECiAL』がいつまでも心に響き、心を軽くしてくれるようだ。映画『君がトクベツ』同様、主題歌も大ヒットすることだろう。畑芽育は『うちの弟どもがすみません』に続き2作目の主演作となる。昨今映画やドラマにCMと活躍が目覚ましい大橋和也といい、クールな美形で魅了しながらも謙虚な姿勢を崩さない木村慧人と、今後の活躍が増々楽しみになってくる3人だった。

 


【Story】

アイドルなどには全く興味を示さない地味なメガネキャラの女子・若梅さほ子(畑芽育)は、過去にイケメンに告って侮辱されたトラウマからイケメンが大嫌いに。そんなさほ子の前に国民的アイドル「LiKE LEGEND」(ライクレ)の リーダー桐ヶ谷皇太(大橋和也)が現れる!母が営む定食屋に来店したのだ。誰にでもファンサービスを惜しまない皇太はさほ子にもキラキラ笑顔で迫るが、思わぬ怒りの言葉を浴びせられる。「誰もが自分を好きになると思ったら大間違いだっ!」。その後もお弁当の配達や撮影の手伝いをさせられるなど、何かと顔を合わせることが増えていき困惑するさほ子。

やがて「ライクレ」メンバーの遊馬叶翔(木村慧人)、来栖晴(山中柔太朗)、榛名優生(大久保波留)、成瀬一生 (NAOYA)や女優の七瀬えみか(矢吹奈子)とも知り合って、次第にさほ子の気持ちも変化していく。そんな矢先、皇太に心無いスキャンダル報道が巻き起こり、「LiKE LEGEND」も存続の危機に陥ってしまう……。

 

・出演:畑芽育(『うちの弟どもがすみません』)、大橋和也(なにわ男子)、木村慧人(FANTASTICS)、矢吹奈子、山中柔太朗(M!LK)、大久保波留(DXTEEN)、NAOYA(MAZZEL)、星乃夢奈/遠藤憲一/佐藤大樹(FANTASTICS)
・原作:幸田もも子「君がトクベツ」(集英社マーガレットコミックス刊)
・監督:松田礼人  
・脚本:おかざきさとこ
・楽曲コンセプト:渡辺淳之介 音楽:遠藤浩二
・主題歌:LiKE LEGEND「YOU ARE SPECiAL」
・製作幹事・配給:ギャガ  制作プロダクション:TBSスパークル
・©幸田もも子/集英社・映画「君がトクベツ」製作委員会
公式サイト: https://gaga.ne.jp/kimibetsu/

2025年6月20日(金)~全国ときめいて公開中!!!


(河田 真喜子)

 
 

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ゴニョゴニョ版」秘話から堀監督の寺修行まで!

笑いあり、驚きありのエピソード満載の堀貴秀監督の約3年間の軌跡

 

独学でストップモーションアニメ制作に挑んだ堀貴秀監督の情熱と才能が結実したSFストップモーションアニメ映画『JUNK HEAD』。この作品は、2017年にカナダ・モントリオールで開催されたファンタジア国際映画祭で最優秀長編アニメーション賞を受賞し、数々の国際映画祭で高い評価を得ました。2021年3月には待望の国内公開を果たし、口コミを通じて熱狂的な支持を集め、ミニシアターランキングで2週連続1位を獲得。興行収入は1.4億円を突破し、カルト的人気を博しました。


そして、2025年6月12日、待ちに待った『JUNK WORLD』の公開日を目前に控えたカウントダウン上映の日を迎えました。深夜にもかかわらず、会場は熱気に包まれ、観客の皆さんの期待がひしひしと伝わってくると共に、3年間の堀監督やスタッフ陣の情熱と努力を感じられる素晴らしい時間となったカウントダウン舞台挨拶の様子を、堀貴秀監督と鳥羽洋典プロデューサーのトーク内容を振り返るオフィシャルレポートをご紹介いたします。
 



いよいよ公開!『JUNK WORLD』への熱い想い

222A0027.JPG舞台挨拶の冒頭、進行役で本作のプロデューサーを務める鳥羽が「堀監督が約3年間、ひたすら作り続けた作品がついに完成しました!」と感慨深げに語り、堀貴秀監督も登場!観客の大きな拍手に迎えられながら、晴れやかな笑顔で登壇した堀監督。約3年間という長い道のりを振り返りつつ、「この作品が皆さんにどう受け取られるか、とても楽しみです」と期待と不安の入り混じった率直な思いを語った。


「日本語吹替版」と「ゴニョゴニョ版(日本語字幕)」制作の裏側

『JUNK HEAD』では独特な造語「ゴニョゴニョ版」が話題となったが、今回『JUNK WORLD』では日本語吹替版とゴニョゴニョ版(日本語字幕)の2種類を上映する。堀監督曰く「今回は最初から日本語版だけで進めるつもりだったんですが、鳥羽Pの要望で急遽ゴニョゴニョ版も作ることになったんです」とのこと。鳥羽Pは「てっきり最初から2パターン作るんだって思ってたら、『ゴニョゴニョ版なんかやらないでしょ』と堀監督が言い出したので、『いやいやいや』と驚いた」と言う。堀監督は「今回ストーリーが4幕構成でちょっと複雑な感じなんで、それを字幕にするとやはり厳しいなと思って。でも、結果として両方やって良かった」と打ち明けた。ゴニョゴニョ版という命名については、「最初は『ジャンク語』にしようと思ったんだけど、なんか硬いなとか思って」と堀監督が話すと、鳥羽Pも「いいんじゃないですか?ゴニョゴニョ版で。少しふざけた感じもいいですし。そもそも(邦画の)アニメ映画で吹き替え版と字幕版があるなんて、他にディズニー映画以外ないですからね」と語った。さらに、吹き替え版についてはプロの声優を起用せず、監督とスタッフだけで声を担当しているとのこと。鳥羽Pは「ザッツ・ハンドメイド感」が満載で、このこだわりが作品に独自の魅力を与えていると感じるとも語った。


制作秘話:お寺で絵コンテ修正?!

話題は『JUNK WORLD』の成り立ちの話に。堀監督は「物語を練り直すためにお寺にこもった」という。ネットも繋がらない山奥のお寺で、1週間以上断食しながら絵コンテを修正したそう。「最初は断られたけど、少し世間でバズった映画監督だと分かった途端に泊めてくれました」と笑いながら話す堀監督。その結果、物語はさらに深みを増し、よりスケール感を増した続編『JUNK WORLD』が誕生したのだ。


プレハブ改造から3Dプリンター導入まで!制作現場の裏側

222A0046.JPG『JUNK HEAD』から『JUNK WORLD』への進化は目覚ましいものがある。今回は3DプリンターやCG技術を導入し、映像の密度やクオリティが格段に向上した。それでも制作チームはわずか6人という少人数体制!さらに、CGパートについてチーム内に経験者はゼロというところから「やりながら覚える」という超アグレッシブなスタイルで挑んだとのこと。
今回の制作ではアトリエまで改造。元々平屋だったプレハブを無理やり2階建てにしてしまうというDIY力も発揮。『JUNK HEAD』の時は住居スペースも兼ねていたが、『JUNK WORLD』では完全に作業スペース化したとのこと。また3DプリンターやCGの導入も、あらゆる世界事情の影響で材料が届かず制作が遅れる事態もあったという。

撮影用のカメラ選びでは、最初はフルサイズの一眼レフ高級カメラを使っていたけど、「これじゃダメだ!」と安いカメラに買い直したとのこと。普通、「高ければいい」と思いがちなところを、逆行してしまうあたり、堀監督の美学を感じさせるエピソードだ。セットについても、カメラで引きを撮れば済みそうなところを、わざわざ造形物のほうを巨大化させるというこだわりっぷり。鳥羽Pも「いやいや、それ必要?ってツッコミたくなりますが、その無駄にも見える情熱こそが作品を特別なものにしているんでしょうね」と語った。また、堀監督は「物理的な造形物にもこだわり続けた」と語り、乗り物やキャラクターのセットを画面には映らないものの、実際に動かせるよう作り込んでいることも明かした。その結果、映像からリアルな質感や重厚感が伝わってくる。堀監督のこだわりについて、鳥羽Pは「普通なら『ここだけ撮れればいいや』と部分的に作るところを、ちゃんと乗れる&変形する機構まで作っちゃうんです。しかも、その変形シーンが映像で使われるわけでもないという…。それ作る必要あった?でも、やはりその「無駄」にこそ監督の魂が宿っている気がします」と感心しきりだった。


最後に:観客へのメッセージ
舞台挨拶の最後には、観客への感謝と公開への期待が語られた。「皆さんの感想や口コミが、この映画の未来を左右します。ぜひSNSで感想をシェアしてください!」という鳥羽Pに続き、堀監督も「3作目もさらに面白いものを作りますので、引き続き応援よろしくお願いします!」

と力強く宣言した。そして、まもなく日付が変わる午前0時を迎えるタイミングで、場内の観客とともにカウントダウン!0時になり『JUNK WORLD』が無事に公開された。

※ゴニョゴニョ版とは、堀監督が作った独自のゴニョゴニョした言語でキャラクター達が話す

 


<堀貴秀監督経歴>
1990年 大分県立芸術緑丘高等学校卒。
2000年 アートワーク専門の仕事で独立。
2009年12月 短編『JUNK HEAD 1』(30分版)を自主製作として制作開始。
2013年10月 短編『JUNK HEAD 』(30分版)完成。
2013年11月 渋谷アップリンクにて一日だけ自主上映を行う。
2014年1月 『JUNK HEAD1』をYouTubeに無料公開。クラウドファンディングで続編の制作費募集をするが失敗。
2014年2月 クレルモンフェラン国際映画祭(フランス)アニメーション賞受賞。
2014年3月 ゆうばりファンタスティック映画祭(北海道)短編部門グランプリ受賞。
2015年1月 株式会社やみけん設立。長編『JUNK HEAD』制作開始。
2017年4月 長編「JUNK HEAD」完成。海外国際映画祭で入賞入選多数。
2021年3月26日 『JUNK HEAD』劇場公開
2022年6月 「JUNK」シリーズ第2弾『JUNK WORLD』制作開始。


『JUNK WORLD』

<INTRODUCTION>
ファンタジア国際映画祭最優秀長編アニメーション賞受賞等、様々な映画祭で 高く評価され、更には『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー賞(R)を受賞した ギレルモ・デル・トロ監督

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に大絶賛された前作『JUNK HEAD』。

日本国内でも注目を浴び、多くの観客が劇場に足を運び興行的にも成功を収めた。 最新作『JUNK WORLD』は、前作の世界観をさらに深化させ、1042年前の壮大で複雑な地下世界を舞台にした失われた未来の物語。ダークでありながらユーモアと温かみを感じさせる新たなキャラクター達も登場し、その独創的なデザインと緻密な手作業による驚愕の映像美でストーリーが展開する。一コマ毎に撮影し、3年の制作期間を経て完成した SFストップモーションアニメ映画の傑作が誕生する。

<STORY>
遥か昔、人類は地上の生息域減少により地下開発を進めた。その労働力として人間に似せた人工生命体のマリガンを創造。しかしマリガンは自らのクローンを増やして勢力を広め人類に反乱。
第3次停戦協定から230年後の世界。人類は地上に留まり地球規模に広がった地下世界をマリガンが支配していた。

地下世界に異変が-
急遽、人間とマリガンによる地下世界の異変を探る調査チームが結成された。
女性隊長トリス率いる人間チームと、クローンのオリジナルであるダンテ率いるマリガンチームは共に目的地である地下都市カープバールを目指すが、マリガンのカルト教団「ギュラ教」に襲撃されてしまう。彼らの標的は希少種とされる人間の女性=トリス。しかしトリスにはロボットのロビンが護衛として帯同していた。

「トリス様をお守りする」
「ギュラ教」と戦い、調査を進めるが、圧倒的な戦力の差に苦戦を強いられる調査チーム。その激しい攻防の中で彼らは次元の<歪み>を発見する。そしてロビンはトリスを守るため次元を超えた作戦を計画するが-。
地下世界に隠された謎と異変の正体とは?そして次元を超えた戦いの末にロビンが下す決断とは?


◆ 監督/脚本/撮影/照明/編集:堀貴秀

2025年/日本/日本語/104分/PG12
配給:アニプレックス
クレジット:(c)YAMIKEN

公式HP:https://junkworld-movie.com/
公式X:https://x.com/JUNKWORLD_movie

2025年6月13日(金)~新宿バルト9、T・ジョイ梅田、TOHOシネマズなんば、T・ジョイ京都、OSシネマズ神戸ハーバーランド、TOHOsイネマズ西宮OS ほか全国公開


(オフィシャル・レポートより)

 
 


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aisarenakutemobetuni-pos.jpg「響け!ユーフォニアム」で知られる武田綾乃の同名小説が原作の映画『愛されなくても別に』が、日本最年少でカンヌ国際映画祭への出品を果たした井樫彩監督の最新作が、2025年7月4日(金)公開となる。毒親、虐待、性暴力など家族間で生じる問題から社会のひずみに切り込みつつ、その世界をサバイブする女性たちの清々しさと、「不幸中毒」からの脱却までを鮮やかに描いた本作。

浪費家の母親に依存される主人公・宮田陽彩(みやた・ひいろ)役南沙良、過酷な家庭で育つ過去を持ち、陽彩と徐々に心を通わせていく江永雅(えなが・みやび)役馬場ふみかが演じた。


公開に先駆けて本日6月8日(日)に南沙良、馬場ふみか、井樫彩監督が登壇する完成披露舞台挨拶を行った。イベントでは、アクティングコーチの指導のもとで行ったレッスンについてや撮影中の印象的なエピソードを語った。そして6月に誕生日を迎える南と馬場に向けて、井樫監督からサプライズで花束が贈られる一幕もあり、会場は温かい拍手に包まれた。
 


◆日程:2025年6月8日(日)

◆会場:丸の内ピカデリー2(東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン9F)

◆登壇者:南沙良、馬場ふみか、井樫彩監督(計3名)


<以下、レポート全文>

映画上映後、満員の観客の前に立った登壇者たちには大きな拍手が送られた。この日初めて一般に向けての上映であり、SNSでは「2人が共に過ごす日常がとても愛おしかった」「日々感じている不安やしんどさが、少し晴れた気がします」といった高評価の声が次々と寄せられていた。


劇中で南が演じる陽彩、そして馬場が演じた雅ともども、親子関係に何らかの事情を抱えたキャラクターだったが、この役を演じるにあたり、「監督とも、現場でそれほど話すことはなかった」というふたりだが、「でも井樫監督が、クランクインする前に(キャラクターの背景などが詳しく記された)資料のようなものをつくっていただいて。それがお芝居に役に立ちましたね」と南が語ると、馬場も「そこには小学何年生の夏休みに家族と出かけたとか。学生時代、クラスの中でどういう存在だったとか。そういうことが書かれていたんです」と補足する。


aisarenakutemobetuni-bu-南沙良様.JPG南と馬場のふたりは、本作のクランクイン前にはアクティングコーチのもとに通い、レッスンを受けたという。その時のことを馬場は「その際に、本編では描かれていなかった母親とのシーンを実際にレッスンでやらせていただいて。それ自体は、(劇中で)陽彩(ひいろ)に話している内容のことだったんですけど、クランクインの前にそれを一度(芝居で)やっていたことで、そのシーンを演じることに対してもそうですし、雅(みやび)という人物を理解するという点でも役に立った」と述懐。その意図について井樫監督も「彼女たちにとって、役をやる上で手助けになることは何だろうと思って。シーンに描かれてないこととか、そういうことが本編に影響するんじゃないかなと思い、やってもらったという感じですね」と明かす。


そうやってあらためて演技について学ぶというのも、ふたりにとって非常に刺激的だったようで、南が「今までお芝居について学ぶ機会があまりなかったので。これまでワークショップに行ったことはあったんですけど、座学で学ぶという機会が本当になかった。だからすごく新鮮でしたし、勉強になりました」と語ると、馬場も「台本をいただいてから、カメラの前に立つまでに、どういう順番で、どういう風に役をつくって準備していくか、ということを、机と椅子に座って話を聞いて勉強したんですけど、今まで本当にこういう機会がなくて。現場でなんとかするという感じだったので、これからお芝居を続けていくにあたっても、すごく助けになるなと」と晴れやかな顔を見せた。


aisarenakutemobetuni-bu-馬場ふみか様.JPG実際に原作を読んでみた時のことを南が「3人が抱えているものは決して明るいものではないけど、でも悲観的じゃないというか。わたしは原作でも、わりとずっとトゲのある悪口が出てくるんですけど、それを読んでほほえましい気持ちにもなりましたし、それがちゃんと一歩前に進む物語になっていて。すてきだなと思いました」と振り返ると、馬場も「わたしもすごくグッサリときたシーンがあって。陽彩が、雅のことを人間扱いしてくれるのが好きだというところなんですが、(それまで雅は)他人からも自分からも女扱いされてきたということもあって。もちろんそれは駄目なことではないんですけど、それが苦しいなと思ってグッサリときた。そういえば自分でもそういう風に考えた瞬間があったなと思い出しました」と語った。


また南は印象的なシーンとして、池に浮かぶ場面を挙げた。「私、水がそもそも苦手なんです。浸かるのが怖くて。気持ちの面でもそうだし、物理的にもすごく大変でした」と当時を振り返る。撮影時にはなかなか水に浮かぶことができず、監督が横で背中を支えてくれたといい、井樫監督は「外から偉そうに見ているだけじゃダメだなと思って」と語り、現場で監督自ら直接体を張って撮影していたことを語った。一方、馬場が挙げたのは自転車の二人乗りシーン。「結構な山道で、カーブの多い下り坂。南さんを後ろに乗せて、前には軽トラに乗ったカメラがいて、その距離を保ちながら安全に運転して、なおかつセリフも言わなきゃいけない。やることが多すぎて、かなり大変でした」と撮影時の苦労を語った。


また過干渉な親から逃れるべく新興宗教にはまっていく大学生の木村水宝石(あくあ)を演じた本田望結と共演について南は、「本田さんとは年齢が近くて。わたしもわりと人見知りな方ですけど、本田さんもけっこう人見知りなんですよ」と明かす。その言葉に「でも2人で結構楽しくしゃべっているなと思っていましたけど」と馬場がかぶせると、南も「実はその時、わたしがハマっているゲームがあって。それなんですか?と聞いてくださって。それはペットを育てるゲームだったんですけど、ふたりで一緒に育てていました」と明かした。


aisarenakutemobetuni-bu-井樫彩監督.JPG今となっては、南も馬場も和気あいあいとした雰囲気で仲良さげであるが、実は最初のうちは、ふたりとも人見知り同士で、なかなか話せなかったという。馬場が「最初はどうやってしゃべろうかなと思っていたんですけど、毎日撮影で一緒にいることが多かったんで。お互いの存在にどんどん慣れていく感じがあって。それが実際の陽彩と雅の関係性にもすごく反映されて、仲良くなってきたなと感じました」と振り返ると、それを補足するように井樫監督も「撮影中、気付いたらふたりが隣同士で座っていて。ただ無言で座っているのがいいなと。別に社交辞令的な会話もないし、ふたりでボソボソしゃべって、お茶を飲んでいるだけ。その空気感がすてきだなと思いました」と述懐。その言葉を聞いた馬場が「でもそうやって休憩中とか、ふたりで待っている時とかに、気付いたら井樫さんがスッと現れて。わたしたちの写真を撮って、そして去っていく、という感じでした」とコメント。その言葉に井樫監督も照れくさそうに、「けっこうその写真が大量にあります」と笑ってみせた。


くしくも6月11日は南の23歳の、そして6月21日は馬場の30歳の誕生日ということで、井樫監督よりサプライズで花束をプレゼントすることになり、これにはすっかり驚いた様子のふたり。そこで1年の抱負を尋ねられた南は「体調を崩さず健康に。去年1年もそうだったんですが、より新しいことにチャレンジしていける1年になったらいいなと思っています」とコメント。そして馬場も「ちょうど30代に入るということで。先輩方からも30代は楽しいぞとすごく言われるので、楽しみにしています。楽しく、健康な日々を営んでいきたいと思っています」と決意を語った。


そんな和気あいあいとした舞台挨拶も終盤。最後のコメントを求められた馬場が「チラシや予告編を見ると、重くて苦しい作品のように感じられるかもしれないですが、実際に観終えた後は、さわやかさだったり、ちょっとした”光”を感じられるような、そんな作品になっているんじゃないかなと思っておりますので。これから皆さまにも公開までたくさんの方に宣伝をしていただいて。いい初日を迎えられるように頑張っていきたいです」とあいさつすると、南も「本当に、生きるということだけですごく難しいことだなと、わたしは日々思っていて。そしてそう思う方もたくさんいらっしゃると思うんです。だからそういう方に届いたらいいなというか、登場人物たちの悩みや勇気、そういったものに寄り添えたらいいのではないかなと思っています。なので、たくさんの方に観ていただけたらいいなと思います」とメッセージ。


そして最後に井樫監督が「毒親というところからの起点の物語ではあるんですが、陽彩と雅というふたりの女性が、自分の人生を力強く歩んでいこうとする物語になりますので、観てくださった方の心に少しでも引っかかるものがあったら本当にうれしいなと思っております。気に入ったら是非口コミをしてくださるとうれしいです」と呼びかけて、この日のイベントを締めくくった。


【Story】

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宮田陽彩(みやた・ひいろ)(19)は、“クソ”のような大学生活を送っていた。
大学に通い、それ以外の時間のほとんどを浪費家の母に変わっての家事とコンビニでのアルバイトに費やし、その中から学費と母と2人暮らしの家計8万を収める日々。遊ぶ時間も、金もない。
何かに期待して生きてきたことがない。親にも、友人にも・・・。
いつものように早朝にバイトを終えた宮田は、母のために朝ご飯を作り、家事をした後に大学に登校していた。そこで大学の同級生であり、バイト先の同僚でもある 江永雅(えなが・みやび)(24)のひょんな噂を耳にする。威圧的な髪色、メイク、ピアス──バイト先ではイヤホンをつけながら接客する、地味な宮田とは正反対の彼女の噂。
「江永さんのお父さんって殺人犯なんだって」
他の誰かと普通の関係を築けないと思っていたふたり。ふたりの出会いが人生を変えていくー。

【クレジット】

出演:南沙良  馬場ふみか 本田望結  基俊介 (IMP.)  伊島空  池津祥子  河井青葉
監督:井樫彩 
原作:武田綾乃『愛されなくても別に』(講談社文庫)
脚本:井樫彩/イ・ナウォン
主題歌:hockrockb「プレゼント交換」(TOY'S FACTORY)
企画・プロデュース:佐藤慎太朗
製作幹事・制作プロダクション:murmur
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
Ⓒ武田綾乃/講談社 Ⓒ2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会
公式HP:aisare-betsuni.com  
公式X&Instagram:@aisare_betsuni

2025年7月4日(金)~ 新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX(八尾、堺、京都、あまがさき)、kino cinema神戸国際 ほか全国ロードショー!


(オフィシャル・レポートより)

 
 

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