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映画『朝が来る』 10/31(土)公開記念舞台挨拶in関西

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米国アカデミー賞の国際長編映画賞の日本代表に選出!

大阪・関西万博プロデューサーも務める地元関西で

河瀨直美監督凱旋舞台挨拶

 

10月23日(金)より絶賛公開中の“特別養子縁組”を題材にした『朝が来る』。直木賞・本屋大賞受賞ベストセラー作家・辻村深月によるヒューマンミステリーを映画化した本作の監督を務めた、河瀨直美監督が、出身地である奈良のシネマサンシャイン大和郡山、関西万博プロデューサーも務める大阪、TOHOシネマズ梅田にて、公開記念舞台挨拶を行いました。


【日時】10 月 31 日(土)
【場所】TOHO シネマズ 梅田・本館スクリーン8 12:30 の回、上映終了後
【登壇】河瀨直美 監督
※当日はシネマサンシャイン大和郡山でも舞台挨拶を実施しましたが、レポートはTOHOシネマズ 梅田での内容となります。



大和郡山③ (2).jpg満員の劇場で、地元関西の温かい拍手で迎えられた、河瀨直美監督。今やカンヌ国際映画祭では欠かせない存在となった監督ですが、馴染みのある関西でリラックスした雰囲気で舞台挨拶が始まりました。先ずは映画を観終わったばかりの観客に「この映画に出会っていただきありがとうございます」と挨拶。


大和郡山⑤ (2).jpg■本作が米国アカデミー賞の国際長編映画賞候補の日本代表に選出されました!最終的なノミネート確定はまだ先となりますが、まずは日本代表に選ばれた今のお気持ちは?

本当に感謝と、コロナがあってこんな状況ですが、これがきっかけでたくさんこの映画を観てもらえることになるならありがたいなと思います。本来は 6 月公開で、カンヌにも選ばれていた作品だったのに中々皆さんの前に持ってくることが出来なかったので。公開日が『鬼滅の刃』の直後だし、(主演の井浦)新くんも缶コーヒーでコラボしてるし、みんなあっちなん?と思ったら一抹の寂しさがあったんですが(笑)、 けれど映画館に若い人が戻ってきてくれることは本当にありがたいことだと思っています。

 

■関西で舞台挨拶するということ、関西への想いは?

ビジュアルアーツ専門学校に通って 18 歳で映画を作り始め、ここらへんのミニシアターや映画館に通い詰め、自主制作からコツコツやってきて今ここに至っているので、どうしても関西で舞台挨拶がしたかったんです。なんとか調整して、1 週遅れてしまいましたが、今日ここで舞台挨拶が出来てとても幸せです。昔なかった建物が建ったり、街はどんどん変わっていきますが、あの時の自分、っていうのはいまもここにあり続けています。本当に愛着があります。

 

■コロナ禍の映画について

(本作の公式 Instagram 内のトークライブ)”あさくるトーク”で、ジュリエット・ビノシュが登場してくれたんですが、フランスはまたロックダウンしたり、実は本作は一昨日カンヌのメイン会場で上映されたんですが、そこもコロナ対策でいつもと全く違う風景だったりしました。世界的なパンデミックの中、日本が経済と両輪でなんとか進めていけているのは日本人の気質だったり、他にも色々なものが手伝っているとは思いますが、日本人は昔から病気を神様みたいに祀るなどして、「無くすことは出来ないならうまく付き合っていこう」としてきたように思います。特に奈良の大仏の建立には天然痘というウイルスが関わっているし、こういう時にこそ何かが生まれるんじゃないかと思います。

 

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■本作は 40 代男性に一番刺さる?!

鑑賞後に 40 代の男性が本当に泣き崩れたという話をよく聞くので、その年齢の方、ぜひどこが刺さったか教えて欲しいです。いまそれを募集していて分析しているんです。それが分かったら、40代から50代の俳優さん、例えば齋藤工さんとか、他、文化人や音楽家の方などと”あさくるトーク”メンバーで座談会したいと思っているんです(笑)

 

■キャスト、演出について(河瀨組と言えば、「役積み(やくづみ)」という準備があるとのことですが…)

永作さんと井浦さんは本当に夫婦でした。ちょっと関係性も面白くて弟みたいな感じで。それぞれが「役積み」をしっかりしてきてくれることによって、役そのものになって、本番で脚本にないセリフを言ってくれたりもしました。本当に素晴らしいシーンが撮れました。「役積み」というのはそれぞれの役の履歴書というか、いままでどういった人生を生きてきて、いまどう感じているのかを紙に書いてきてもらいます。

 

最後に、「新しく生まれてくる命、子供たちがこの世界の中で誰しもが幸せであってほしいと願っている、みんなそう思っているけれど、やっぱり自分たちのことで必死になっている社会があって、そこが見えなくなってしまっています。それはもしかしたらなんの罪でもないけれど、本作が、私たちのもう一歩先の明るい未来への力になっていけばいいなと思います。それで、朝斗が最後に「会いたかった」って言った言葉を皆さんの中でも誰かに伝えていってもらえたらと思います」と締めくくり、和やかに舞台挨拶は終了しました。


『朝が来る』

原作:辻村深月(「朝が来る」文春文庫)
監督・脚本・撮影:河瀨直美
出演:永作博美、井浦新、蒔田彩珠、浅田美代子、佐藤令旺、中島ひろ子、平原テツ、田中偉登、駒井蓮、利重剛他
配給:キノフィルムズ ©2020「朝が来る」Film Partners
2020年 日本 2時間19分
公式サイト:http://asagakuru-movie.jp/
作品紹介:http://cineref.com/review/2020/10/post-1063.html

TOHOシネマズ日本橋、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、あべのアポロシネマ、T・ジョイ京都、TOHOシネマズ二条、OSシネマズミント神戸他 全国公開中!


(オフィシャルレポートより)

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