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風間俊介「出会えて良かったと思える映画」『猫なんかよんでもこない。』舞台挨拶

nekoyon-550.jpg風間俊介「出会えて良かったと思える映画」『猫なんかよんでもこない。』舞台挨拶

ゲスト:風間俊介、山本透監督
(2016年1月21日 大阪にて)


『猫なんかよんでもこない。』
・2015年 日本 1時間43分
・原作:杉作(「猫なんかよんでもこない。」実業之日本社刊/全4巻+その後(公式ファンブック))
・監督・脚本:山本 透  共同脚本:林 民夫
・出演:風間俊介、つるの剛士、松岡茉優、内田淳子、矢柴俊博/市川実和子(猫:子供時代(チンとクロ)、大人時代(のりこ、りんご))
2016年1月30日(土)~TOHOシネマズ(梅田、なんば、二条、西宮OS) ほか全国ロードショー
公式サイト: http://nekoyon-movie.com/
・コピーライト:© 2015杉作・実業之日本社/「猫なんかよんでもこない。」製作委員会
★山本透監督と原作者の杉作先生へのインタビューはこちら



~気まぐれな猫に翻弄されながらも、心地いい撮影現場~

 

元ボクサーの漫画家・杉作著の『猫なんかよんでもこない。』を風間俊介主演で映画化した作品が1月30日(土)に全国公開される。猫嫌いの主人公ミツオが人生の挫折や低迷期を猫と暮しながら乗り越える物語は、猫でも犬でも人でも誰かと一緒に暮らすことは、決して良いことばかりではないが、生きる力が沸いてくる――と優しく教えてくれる。それは、猫を抱いてまどろむ休日の朝のような穏やかな余韻を残す映画だ。


nekoyon-bu-di-1.jpg猫嫌いのミツオ(風間俊介)は、兄貴(つるの剛士)が気まぐれで拾ってきた2匹の猫の世話をすることになる。ボクサーを目指し日々トレーニングしていたが、世界のリングまであと一歩というところで怪我で挫折。それまで生活の面倒をみてくれていた兄貴は結婚を理由に田舎へ帰ってしまい、仕方なくアルバイトを始める。極貧の中でも独りではない。気まぐれな猫・チンとクロに振り回されながらも、猫のためにも働いて生きていかなければならない。次第にミツオ自身の新たな目標も見えてくる……。


映画の公開を前に、風間俊介と山本透監督が試写会の舞台挨拶に立ち、大阪についての印象や撮影現場の様子など多くを語ってくれた。タイトル通り呼んでもこない気まぐれな猫に振り回されっぱなしの撮影現場だったようだが、主人公のミツオのように猫のペースに合わせると上手く撮影できたとか。猫と風間俊介との自然体の映像は、奮闘の結果、猫と暮らすように接した成果だった事に気付く。



――― 大阪では初めての試写会ですが、大阪の印象は?
風間:以前谷町四丁目に住んでいましたので、大阪に来ると「帰ってきた!」という感じになります。今日こうして黄色い歓声が聞こえてくると、ジャニーズ業をやってない僕としてはとても嬉しいです。ありがとうございます。
山本監督:お客様を目の前にしてとても嬉しいです。漫才やらなくてもいいのかな?
風間:大丈夫です!それは求められていませんから。
山本監督:やはり大阪は食べ物が美味しいですね。

――― お気に入りの食べ物や場所とかは?
風間:僕は谷町四丁目辺りだけ異常に詳しいですよ。谷六に「蔦屋」というミシュラン一つ星をとった蕎麦屋があるんですが、そこの「鴨せいろ」がメチャクチャ美味しんですよ!
山本監督:食べたいな~以前『ミナミの帝王』という作品をやっていた時に年に2回くらい大阪に来てました。十三にあるネギ焼きの美味しい「やまもと」へ行って、ネギ焼き食べてビール飲むのが最高の癒しになってましたね。前回キャンペーンで大阪に来た時何年かぶりに行ったのですが、ビール2~3杯飲んだら「はい、新幹線に乗って下さい!」と言われてゆっくりできませんでした。なんせ日帰りさせられたので。今回はゆっくりできそうです。

――― 風間さんは仲良しの芸人さんがおられるとか?
風間:去年天神祭に一緒に行った鶴瓶師匠です。噺家さんが乗る船に乗せて頂いて、それが道頓堀のど真ん中で降りたんですよ。すると鶴瓶師匠だとバレちゃって大騒ぎになったんです。危ないことになったので、その時まだバレてない僕が「すいません!危ないですから道を空けて下さい!」と言ったらバレちゃって、めんどくさいことになっちゃいました(笑)。
 

――― 完成した映画を見てどう思われましたか?
風間:観客としても出会えて良かったなと思える作品だと思いました。そしてエンドロールに自分の名前が一番先に出てきて、それまで頑張った自分がとても誇らしく感じられました。自分が主役の映画を褒めるのは恥ずかしいのですが、猫たちが主役だと思えば胸張って言えるなと。この映画は本当にいい映画なので、どうぞ楽しんで下さい。

――― 撮影から1年を経てこうしてお客様に観て頂くことができましたが、今のお気持ちは?
山本監督:本当に嬉しいです。どんなにいい作品を作ってもお客様に受け入れて頂かなくては意味がありませんので、この1年は悶々と過ごしていました。今こうしてご覧いただけることが本当に嬉しいです。

――― 主題歌「Morning Sun」を描き下ろしたのは、大阪出身の最強ガールズバンドのSCANDALですが、監督から何か特別にリクエストされたことはありますか?
山本監督:物語が終わってすぐに流れる曲によっては作品を台無しにする危険性があるので、物語に寄り沿った曲にしてほしいとお願いしました。
風間:ホント、猫と一緒に寝ているような、日曜の午前中まどろんでいるような感じの曲だなと思いました。
――― 「Morning Sun」というタイトルで、朝日が差し込むような心地良さの曲ですね。映画の公開日と同じ1月30日から配信が決定いたしましたので、こちらもチェックしてみて下さい。

――― さて、猫との共演は大変だったのは?
nekoyon-bu-di-2.jpg風間:一緒に生活するように撮影されましたが、あいつら台本覚えてこないし、先輩である僕に対して敬意をはらわないし、言う事きかないし、振り回される事ばかりでした。すべてが物語とリンクすることばかりでしたので、とても心地よく撮影できました。
山本監督:どこが大変だったかとよく聞かれるのですが、全部でしたね。
風間:呼んでも来ないし、呼んでない時に来るし(笑)こうなったら猫の動きに合わせようということになって、それが功を奏したと思います。
山本監督:人間の方が猫の動きに寄り沿うようにしました。台本を超えるような瞬間が何度もありました。
風間:僕が猫の動きにびっくりしているシーンがありますが、それは本当にびっくりしていたんです。真摯な気持ちで演じると猫もそれに応えてくれましたが、生半可な気持ちで演じているとソッポを向かれるので、最も厳しい共演者だったと思います。

山本監督:風間君の熱を感じてよく応えてくれてましたね。そうしたリアクションはいくつもありましたよ。
風間:クロがテレビから落ちるシーンがあるのですが、あれは「チャンピオンになれ!」という僕の語気だけで落ちちゃったんです(笑)。

――― 松岡茉優さんとの共演は?
風間:現場を柔らかい空気にしてくれました。撮影時は19歳ですが、僕を同年齢だと思わせてくれるくらい安心させてくれる女優さんです。彼女の撮影は2日で終わったんですが、あの気まぐれ猫たちを見て「可愛いね~」なんてホクホクで帰っていきましたよ。それにうちの猫たちは松岡の前だと超イイ子だったんですよ(笑)。
山本監督:何の苦労も知らずにね(笑)。「大変だったんだよ」と言っても、我々がいけなかったんだろうと悪者にしてるんですよ。

――― この映画は、猫との出会いが人生を大きく変えるキッカケになりましたが、風間さんにもそんな出会いがありましたか?
風間:17歳の時に芝居に出会ったことでしょうか。『金八先生』に出演してなかったら、ジャニーズで歌って踊ってもしてないだろうし、一体今頃何をやっているんでしょうねぇ。

山本監督:俳優としての風間君しか知らないので、想像もつかないね。

――― チャレンジする人生の選択という意味で、これまでの経験が活かされたことは?
風間:自分が動物に対する気持ちが杉作先生の原作に共感できたので、自分の経験から出てきたものは沢山ありました。


――― これからご覧になる方へのメッセージをお願いします。
山本監督:猫好きの方は楽しみにして下さっていると思いますが、猫だけではなく、人と人でも一緒に生きていくことはきれい事だけではないので、可愛いだけの映画にはしたくないと思っていました。汚いこともきれいなこともいろんな事をひっくるめて、かけがえのない時間だったり愛しくなったり、心が温かくなる映画を目指して作りました。年齢に関係なくいろんな方に通じるものがあると思いますので、多くの方に薦めて頂きたいです。今日は本当にありがとうございました。
風間:人生の中でうまくいかないことや辛いことは誰でもあると思います。そばに人でも動物でも何かが居てくれることによって、その後の乗り越え方が変わってくると思うんです。大切な人を思いながら観て頂ける映画だと思いますので、多くの方に薦めて下さい。よろしくお願いいたします。

(河田 真喜子)

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