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杉野希妃に続く、女優兼プロデューサーを目指して!『3泊4日、5時の鐘』でスクリーンデビューの新星・福島珠理さんインタビュー

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第二の杉野希妃を目指し、新人女優の福島珠理さんが、三澤拓哉監督のデビュー作『3泊4日、5時の鐘』で、スクリーンデビューを果たした。大学在学中に杉野のことを新聞記事で知り、『3泊4日、5時の鐘』のオーディションに応募したという福島さんは、撮影中も女優だけでなく、アシスタントプロデューサーを兼任し、プロデュース業に魅力を感じたという。この4月からは東京藝術大学大学院映像研究科に入学し、プロデュースについて学ぶ一方、杉野らが立ち上げた映画製作・配給会社、和エンタテインメントに所属し、映画プロデュースの現場で体験を積んでいる。
 
タカラジェンヌを目指して高校時代から演劇を勉強し、受験を重ねただけあり、宝塚歌劇団の娘役を思わせる清楚な佇まいが非常に印象的な福島さん。『3泊4日、5時の鐘』では、茅ヶ崎館でバイトする大学生、知春(中崎敏)に密かな恋心をいだく、ゼミ長の原彩子を堂々と演じ、凛とした存在感を見せている。日本初上映となった大阪アジアン映画祭でゲストとして来阪した福島さんに、女優だけでなく、プロデュースに興味を持った理由や、これから目指したい映画作りについてお話を伺った。
 

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■自分でやりたいことを企画、主演、プロデュースしていく杉野さんの姿勢がとても新鮮で、惹きつけられた。

―――杉野希妃さんに憧れていたそうですが、オーディションが初対面だったのですか?
はい、そうです。新聞の記事で、杉野希妃さんのことを知り、『ほとりの朔子』を観に行きました。今までは好きな俳優が出ているから、原作を読んだからという感じで観る作品を選んでいたのですが、杉野さんがきっかけで『ほとりの朔子』を観て、映画は色々あるのだと感じました。自然な時間軸の中で、どこにでもいるような普通の人たちの、当たり前の日常を切り取っています。押しつけがましくなく、観る者が自由に感じる余白があり、映画の受け取り方が変わった作品でした。
 
―――なるほど、そこで杉野さんプロデュースの映画に興味を持たれたのですね。今回デビュー作となった『3泊4日、5時の鐘』はどんなオーディションでしたか?
他の皆さんは、俳優のオーディション用の履歴書を持ってきていたのですが、私はコンビニで買ってきた普通の履歴書で、その時点で「間違ったところに来てしまったかもしれない」と思いました。でも面接では、どうして映画に興味を持ったのかという質問や、宝塚歌劇団に入団したかったと書いていたので、杉野さんに「宝塚に入りたかったの?」と聞かれ、緊張がほぐれました。杉野さんの、演じるだけではなく、自分でやりたいことを企画し、主演し、プロデュースしていく姿勢がとても新鮮で、惹きつけられるものがありました。
 
―――演劇と映画では演技の質が違いますか?
演劇は自分が思っているよりオーバーに演じることで、新しいものが生まれ、そこに面白さを見いだして授業を受けていました。今回は映画で、自然に演じることは初めてだったので、ちょっと難しかったです。
 
 

■その場に入るだけで雰囲気が変わり、全体の流れがまとまる堀夏子さんの演技を参考に。

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―――役を演じるにあたって、三澤監督からどんな演出をされましたか?
三澤監督はオーディションでも私を推薦してくださったのですが、原彩子という役と私がどちらかといえば近い存在で、自然に演じられると考えてくださったようです。演出も、役者に委ねる感じにしてくださいました。私が演じる彩子は知春を一途に思うのですが、お互い不器用なのですれ違ってしまいます。その感じを表現するのが、難しい面もありました。
 
―――まさに純愛といった感じですね。この作品は、台詞では表せない感情を、台詞と台詞の間を使ってうまく表現していたと思いますが、台詞のない場面での演技はいかがでしたか?
何もしていないときに、知春のことをどう思っているかを視線で表現するのは、一番演じる際に考えたところでした。今回共演した堀夏子さんの演技は、とても参考になりました。堀さんがその場に入ることで雰囲気が変わりますし、全体の流れがまとまります。すごく自然にお芝居されていましし、本読みの時点から既に役に入り込んでいらっしゃり、印象的でした。
 
―――杉野希妃さんと、撮影中にプロデュース業についてお話されましたか?
杉野さんとは役の上でもゼミの先輩・後輩という間柄だったので、待ち時間も私は後輩のようにお話させていただきました。「女優だから裏のことをやらないというスタイルである必要はない。女優でも、こうした方がいいのではという意見はハッキリ言った方がいい」というお話をされていました。杉野さんは、映画がどうすれば良くなるかを考え、演じるだけでなく、映画製作をどう支えていくかをいつも考えていらっしゃる方なので、刺激になりました。
 
 

■受け身ではなく、意見を出し合うことで、映画が良くなることを実感。

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―――女優もアシスタントプロデューサーも初体験で、大変でしたか?
最初はリハーサル室を押さえて、役者の皆さんへの連絡を担当し、メール一つ出すのにも緊張していました。初めてのことばかりで、大変ではありましたが、映画に関わりたいという気持ちをずっと持っていたので、その”初めて”を楽しめました。
 
―――実際にできあがった作品をご覧になった感想は?
自分自身の演技は本当にまだまだですが、私自身が欠点と思っている部分を、三澤監督は、逆に私の味として出してくださいました。感謝しています。短期間でタイトな撮影でしたが、こういう作品になるなんてと驚きました。音を入れたり、映像のトーンを変える編集の段階でも、皆で意見を出し合いましたし、それらが一つになって完成することも初めて体験しました。受け身ではなく、意見を出し合うことで、映画が良くなっていくことを実感しています。
 
 

■大学院でプロデュースを2年間勉強。海外合作だけでなく、国内での展開を模索していきたい。

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―――杉野さんがプロデュースする作品は、国籍関係なく、考える余地を与えてくれる開かれた映画だと感じているのですが、福島さんは今後どんな映画を作りたいですか。
杉野さんのお仕事をみていると、国際的なものにも興味が出てきました。どうしても日本の映画は限られた商業映画だけで回っていると感じることが多かったので、もう少し海外の方の価値観を取り入れることで、開かれた映画になると思います。海外合作にも挑戦していきたいですね。
 
―――4月からは学生として学びながら、女優業、プロデュース業と、まさに第二の杉野希妃への道を歩むことになりますね。
東京芸術大学大学院映像研究科プロデュース専攻に入学し、プロデュースを2年間勉強する予定です。海外での合作の仕方や展開も学びますが、やはり国内でどのように展開していくかに一番ポイントを置き、模索していきたいと思います。プロデュースをすることで、女優としても成長できますし、映画についてもっと知るきっかけにもなりますので、両方の活動を行っていきたいと思います。
 
 

■日本古来からの美意識を大切にし、立ち振る舞いの美しい女優に。

―――これからどんな女優やプロデューサーになりたいですか?
『3泊4日、5時の鐘』出演にあたり、小津安二郎監督の作品など、古い日本映画を見たことで、日本の良さを改めて実感しましました。今後は、日本の良さを改めて感じていただける作品をプロデュースしていきたいですし、私も日本古来からの美意識を大切にし、立ち振る舞いの美しい女優になりたいです。海外合作にすることで、また違った日本の良さも浮かび上がってくると思います。そういう違った視点も取り入れながら、映画を通して皆さんに伝えていきたいです。
 

<作品紹介>
『3泊4日、5時の鐘』
(2014年 日本 1時間29分)
監督:三澤拓哉 
出演:小篠恵奈、杉野希妃、堀夏子、福島珠理、中崎敏、二階堂智、栁俊太郎
2015年秋、シネ・ヌーヴォ、元町映画館他全国順次公開
第5回北京国際映画祭注目未来部門、最優秀脚本賞受賞作
「茅ヶ崎を舞台に、女たちのリアルなセリフがこだまする青春群像劇~『3泊4日、5時の鐘』三澤拓哉監督インタビュー」はコチラ
 
<ストーリー>
花梨(小篠恵奈)と真紀(杉野希妃)は休暇を取り、茅ヶ崎の老舗旅館・茅ヶ崎館に訪れる。元同僚で同館の長女でもある理沙(堀夏子)の結婚パーティーに出席するのが目的だったが、花梨は茅ヶ崎館でバイトする大学生、知春(中崎敏)にちょっかいを出す一方、生真面目な性格の真紀とは衝突してばかり。花梨のせいで予定を狂わされ、腹ただしさを隠せなかった真紀だが、大学時代のゼミの教授、近藤(二階堂智)と偶然再会し、気分が高まっていく。近藤ゼミのゼミ長を務める彩子(福島珠理)は、同じゼミの知春に思いを寄せる一方、仲良さそうにしている花梨のことが気にかかって仕方がない。理沙の弟の宏太(栁俊太郎)も加わった男女7人の関係が、次第に絡まりあっていくのだったが・・・。