ホアン・ユィシアンによる生演奏♪『光にふれる』心洗われる舞台挨拶
2014年1月17日(金)20:30~梅田スカイビル36Fスカイルームにて
原題:逆行飛翔(英題:TOUCH OF THE LIGHT)
(2012年 台湾・香港・中国 1時間50分)
監督:チャン・ロンジー
出演:ホアン・ユィシアン、サンドリーナ・ピンナ(『ヤンヤン』『ミャオミャオ』)、リー・リエ(『インターネット・ラブ・レターズ』、『モンガに散る』をプロデュース)、ファンイー・シュウ
2014年2月8日(土)~シネ・リーブル梅田、シネマート心斎橋、京都シネマ、シネ・リーブル神戸 ほか全国ロードショー
★作品紹介⇒ こちら
★公式サイト⇒ http://hikari-fureru.jp/
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~ホアン・ユィシアンが奏でる優しい音色に包まれる幸福感~
台湾の視覚障害者のピアニスト:ホアン・ユィシアンが、家族の元から旅立ち、トラウマをのり越え夢を実現するまでを描いた感動作『光にふれる』が、2月8日(土)から全国で公開される。ウォン・カーワイが見出した台湾の期待の星:チャン・ロンシー監督の瑞々しい感性が、まさにホアン・ユィシアンという純粋なアーティストの放つ光を余すところなくスクリーンで輝かせている。なんと言っても、ホアン・ユィシアン本人が主演しているのが驚きだ。
母親役のベテラン女優リー・リエの、目の不自由な息子の自立を心配しながらも背中を押す母心に、この作品の持つ謙虚な心情の温もりが滲む。また、厳しい現状からダンサーとしての夢を諦めずに挑戦するシャオジェを演じたサンドリーナ・ピンナの、しなやかな美しさと、ホアン・ユィシアンの音楽に共鳴する表現力に魅了される。この映画のために書き下ろしたホアン・ユィシアンが作曲した音楽にも心洗われるようだ。
そのホアン・ユィシアンが、公開を前に来日。ここ大阪でも、試写会後の舞台挨拶の際にピアノ演奏をプレゼントしてくれた。1曲目は『光にふれる』組曲、そして、2曲目は、この日が阪神・淡路大震災の19年目ということで、追悼の意を込めて坂本九のヒット曲「上を向いて歩こう」を演奏。「一緒に歌って下さい」というホアン・ユィシアンの声に応じて、会場から歌声が響いた。「元気を出して下さい」という優しい励ましの気持ちが嬉しくて、思わず熱いものがこみ上げた。会場全体が、感動的映画と共にホアン・ユィシアンというピアニストの優しさにふれて、幸せな気分に包まれた。
以下は、ホアン・ユィシアンの挨拶の模様を紹介しています。
――― はじめに。
初めて大阪に来ました。みなさんにお会いできて嬉しいです。私が主演した映画を日本でも見て頂けてとても嬉しいです。気に入って頂けたら光栄です。
――― 自分を演じた感想は?
私の人生を基にしていますが、かなりの部分がフィクションです。例えば家族と一緒にいるシーンなど、特に母親役のリー・リエさんとのシーンでは緊張して演じました。初めての経験で難しかったのですが、いい勉強になり収穫もありました。
――― 昨年7月には東北でチャリティコンサートをされましたが?
私の音楽で被災地の皆さんを少しでも元気にできるのではと思いました。東北地方はとても美しい所だと聞いています。再び美しい故郷に自信が持てるように、復興が順調に進むことを願っています。
――― 映画は「夢をあきらめないで」がテーマですが、ホアンさんのさらなる夢は?
人間の一生は絶えず学ぶことだと思います。これからも学んでいき、さらに音楽の道をつき進み、いい音楽を創り上げたい。そして、皆さんとその喜びを分かち合いたいです。
(あとがき)
この日のMCはFM-COCOLOのMEMEさん。19年前、阪神・淡路大震災の際に外国人への情報発信ラジオとして立ちあがったFM局の経緯や当時の想いを語ってくれた。私も当時、神戸市中山手通に住んでいて被災したひとりだったので、MEMEさんのひとつひとつの言葉が心に沁みた。
また、演奏中も撮影OKということだったが、ホアン・ユィシアンさんの柔らかく優しいピアノの音色が聴こえてくると、シャッターを切る気にはなれなかった。たちまちその音色に吸い込まれ、心が幸福感で満たされ、静かにそのひとときを過ごしたい、と体がそう反応したのだ。映画『光にふれる』にふさわしい感動的なイベントに参加できて、本当にラッキーだった。
(河田 真喜子)