『G.I.ジョー バック2リベンジ』ジョン・M・チュウ監督インタビュー
~家族で見た楽しい夢をもう一度…~
(原題:G.I. Joe: Retaliation)
(2013年 アメリカ 1時間51分)
監督:ジョン・M・チュウ
出演:ブルース・ウィリス、ドウェイン・ジョンソン、イ・ビョンホン、チャニング・テイタム、レイ・パーク、エイドリアンヌ・パリッキ、D.J.コトローナ
2013年6月7日(金)TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば にて先行上映、6月8日(土)~全国ロードショー
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(C)2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved. Hasbro and its logo, G.I. JOE and all related characters are Trademarks of Hasbro and used with permission. All Rights Reserved.
話題のメガ・ヒット映画『G.I.ジョー バック2リベンジ』のジョン・M・チュウ監督(33)が5月31日、大阪市内で来阪キャンペーンを行い、大ヒットへの手応えをうかがわせた。 映画は世界60カ国のインターナショナル週末ランキングで2週連続1位、1億4520万ドル(143億円)をたたきだし、全世界興収3億ドルの前作超えも確実視される。“新生G.I.ジョー”にはブルース・ウィリス、ドウェイン・ジョンソンのほか韓国のスーパースター、イ・ビョンホンが出演、東西大スターの壮絶アクション対決が前評判を集めている。
―――『G.I.ジョー』続編のオファーを受けた時は?
ジョン・M・チュウ監督:とても興奮した。断れないし恐怖も感じた。だけど、自分に失うものはない、と開き直った。
―――映画より先にマンガやおもちゃが出ているが?
チュウ監督:私も子供の頃からそういうものが好きだった。この映画はカウボーイや忍者などがごっちゃに混ざったものにしたかった。
―――G.I.ジョーは主に男性に人気がある?
チュウ監督:日本ではイ・ビョンホンが出ているので女性ファンが圧倒的に多い。悪役キャラなのに彼の顔がハートマークになっていた(笑)。スーパーヒーローものだけど、デートでも家族でもいける、みんなが楽しめる映画だと思う。
―――監督は『ステップ・アップ』などのダンス映画を撮っているが、この映画で役に立ったか?
チュウ監督:イエスでもありノーでもある。ダンス映画は音楽や動きなどいろんな要素を入れなければならず、今回も乗り物をはじめいろんなものを映画に入れている。その点では役に立った。だが、アクションはダンスとは別物。今作ではたくさん才能あるスターが出てくれて助かった。
―――ブルース・ウィリスはどうだったか?
チュウ監督:はじめはビビったけど、素晴らしい人。天才的な才能の持ち主だった。私が首をかしげるような場面でも、見てみたら素晴らしかった。
―――ヒマラヤで大変な撮影をした?
チュウ監督:興奮以上に凄すぎた。あの中で10分間、まったくセリフのないシーンがある。ヒマラヤだけでなく、バンクーバーでも撮ったし、セットでグリーン・スクリーンでも撮った。すべて合わせてうまくいくか、心配だったが“このシーンはイベントになる”。観客が体感したことのないアトラクションになる、と思った。
―――日本映画は見たことがあるか?
チュウ監督:(南カリフォルニア)大学時代に、授業としてクロサワ(黒澤明監督作品)は見た。だけど、最近はこの映画で手一杯で見る時間がない。
―――過去のハリウッド映画では日本人、アジア人は『ラスト・サムライ』を除いてほとんどが悪役だった。この映画のイ・ビョンホンはもっと重要な役?
チュウ監督:彼の役、ストームシャドーは悪役ではなく、もっと複雑なキャラクター。過去や怒りといった彼の内面を深く掘り下げている。私もアジア系の監督の一人ですが、それ(役柄)は強要するものではない。だが、アジア人への先入観は克服出来るものだと思う。ストームシャドーは日本で訓練を受けているが、忍者ではない。師匠が黒人だし、いろんな要素が混ざっている。言わば、架空の世界の人物だ。この(役柄の)問題は始まったばかりだと思う。
―――これほどの大作を作ったら、もう小さな映画には戻れない?
チュウ監督:大きい映画も小さなものも、物語を作るということでは同じ。ただ、この映画のように、遊べるものが多い方が楽しいのは確か。この続編の話もある。小さな映画にも興味はある。
―――監督のライバルは? また目標としている人は?
チュウ監督:スティーブン・スピルバーグ監督かな。映画はおとぎ話で、それを魔法で観客に信じさせることが出来る。ほかにディズニーも好きだし、スティーブ・ジョブズもマイケル・ジャクソンも素晴らしい。映画監督はストーリー・テラーとして、物語をちゃんと伝えるのが仕事。だからライバルという考え方はしていない。好きで作っているのだから。私にとって映画製作は旅、日記のようなものと思っている。いろんなことを経験して、それを映画に反映させていく。私がどれだけ成長したかをこれからの作品で見てほしい。だから行く先は遠いし、ゴールも特定していない。もっともっと葛藤して中身を充実させたい。語り手としてまだまだ完璧じゃない。次の作品でこのような機会(取材)があればこの話をしてほしい。
―――ゴールを特定していないとしたら、スタート、映画監督になるきっかけは何か?
チュウ監督:子供のころ、家族で映画を見た。大作を見て、新しい世界の体験をした。3日間ぐらい、悩みなど忘れてしまった。映画は人々を幸せに出来る。自分の映画に関連したおもちゃが出来たらうれしい。それでどこかの少年が影響されるのが私のゴールのひとつかもしれない。
(安永 五郎)