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『のぼうの城』合同記者会見

nobou-s550.jpg(2012年10月17日(水)大阪堂島ホテルにて)

登壇者:野村萬斎、榮倉奈々、上地雄輔


『のぼうの城』

(2011年 日本 2時間24分)

監督:犬童一心、樋口真嗣

脚本:和田竜 (小学館「のぼうの城」)  音楽:上野耕路

主題歌:エレファントカシマシ 「ズレてる方がいい」(ユニバーサル シグマ)

出演:野村萬斎 榮倉奈々 成宮寛貴 山口智充 上地雄輔 山田孝之 平 岳大 西村雅彦 平泉 成 
夏八木勲 中原丈雄 鈴木保奈美  前田 吟 中尾明慶 尾野真千子 芦田愛菜/ 市村正親/佐藤浩市

2012年11月2日(金)~全国超拡大ロードショー


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(C)2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ

 

~“のぼう様”の逆襲!? 豊臣軍のお膝元・大阪に進軍!~

nobou-1.jpg 1590年、豊臣秀吉が北条氏征伐のため関東に進軍した際、北条氏勢力下の城が次々と不戦開城する中、唯一抵抗した城があったという。現在の埼玉県行田市にあった忍城(おしじょう)である。しかも、石田三成率いる2万の豊臣軍に対しわずか500人の軍勢で対抗。さらに総大将・成田長親は、勇猛果敢な戦国武将とはかけ離れた、武力もなければ馬にも乗れないのろまなでくの棒、略して“のぼう様”と呼ばれていたというからびっくり!

 この“のぼう様”、武士の威信をかざすのではなく、あまりの不甲斐なさに「しょうがないな~」と周りが放っておけない人物だったようで、領民には大そう慕われていたようだ。ただのウツケなのか策士家なのか、人心を掴む脱力感いっぱいの“のぼう様”を、野村萬斎が狂言師として本領発揮しての大活躍で魅了する。「浮き城」と呼ばれた忍城攻防戦の再現や水攻めの迫力あるシーンなど、時代劇巨編としても大いに堪能できる。

 その“のぼう様”こと野村萬斎さんと、女傑と謳われた甲斐姫を演じた榮倉奈々さん、そして、豊臣軍の総大将・石田三成を演じた上地雄輔さんの3人が、公開前のキャンペーンのため来阪。合同記者会見が行われ、ようやく公開にたどりつけた喜びや役柄などについて語ってくれた。
 

nobou-s1.jpg【最初のご挨拶】
野村:成田長親、通称“のぼう様”を演じております野村萬斎です。よろしくお願いいたします。
榮倉:のぼう様に想いを寄せる甲斐姫を演じさせて頂きました榮倉奈々です。よろしくお願いいたします。
上地:豊臣軍の石田三成を演じました上地雄輔です。よろしくお願いいたします。


――― 構想8年、ようやく2週間後に公開を控えた今のお気持ちは?

野村:あと2週間と聞いて、胸が高鳴りつつ待ち遠しく感じられます。構想に時間がかかり、私がオファーを頂いたのは随分昔のことでして、その日が来るのを待ち焦がれておりましたので、とても嬉しく思います。

  nobou-s3.jpg榮倉:『のぼうの城』の原作ファンが沢山いらっしゃることを知っていましたので、甲斐姫に選んで頂いてとても嬉しかったのを覚えています。公開が1年延びて、これは夢だったのかなと思ったりしましたが、こうして沢山の取材を受けながら、本当に公開が近いことを実感してとても楽しみにしております。
上地:いつもこの順番だと言うことなくなりますね(笑)。二人の言う通りです。去年の秋公開が延びて、やっと公開される!という気持ちでいっぱいです。


――― 野村さんは狂言師として本領発揮の大活躍でしたが、成田長親という役に対するする想いと、撮影中大変だと感じたことは?

野村:歴史上の人物ということで台本に書いてある通りに演じようと思いましたが、不思議な掴みどころのない役なので、本に書いていない部分の役作りに時間がかかりました。アイツは困った奴だとnobou-s7.jpgか、愛すべき人物だとか、周りの評価を頼りにするくらい本当に掴みどころのないキャラクターでした。榮倉さんと初めてお会いした時も、「どうして甲斐姫は“のぼう”のことが好きなの?」と聞いてしまいました。数時間後、「将器だから」と教えて頂いて、なるほど、性格はよく分からないけど、リーダーとして開花していく人物なんだと納得した次第です。周りは濃いキャラの方々ばかりでしたから、その中でちょっと浮いたような感じでやればいいのかなと、とても楽しんで演じることができました。いろんな処で遊びを入れてみたら、監督がとても喜んで下さいまして、いつも2パターンを撮っていました。台本通りのものと、こんなことまでしていいのかな?と思える程のことをやってみると、モニターの前はいつも大爆笑でした。

 

――― この映画の魅力と、映画を見た感想は?

nobou-s2.jpg上地:萬斎さんや榮倉奈々ちゃんの素晴らしいお芝居も魅力ですが、他にも豪華キャストで、敵味方なく人物をしっかり描写していて、人間ドラマとしても戦国時代劇としてもスケールの大きな作品ですので、是非劇場で見て頂きたいと思いました。

榮倉:先程も萬斎さんがお話されましたが、初対面の時に「どうして甲斐姫はのぼうのことが好きなの?」と聞かれ、いろいろ考えて、いろいろな理由があったのに、「将器です」と一言で済ませてしまったことを今でも後悔しています(笑)。でも、この映画の魅力はそこにあると思います。中心に立つ人が緊張でガチガチだったら周りの人も身動きが取れなくなると思うんです。のぼう様とか萬斎さんが、現場で大きな器で受け入れてくれるからこそ、皆さんのびのびと個性を発揮できたことが、この作品の最大の良さでもあるなと思っております。

野村:見どころ満載(萬斎)です!(笑)。忍城は水城とも呼ばれ、二万の敵勢に対し五百騎で対抗するのですから、合戦シーンではいろんな工夫がされた戦い方が見られます。他にも、私の踊りのシnobou-s5.jpgーンとか、甲斐姫の揺れる女心とか……試写会後に若い女性客の方が、「二人の間はどうなったのか?」とか「のぼう様は甲斐姫のことが好きだったのか?」と質問されたりしました。
私としては、最後に両軍の将が対面するシーンが好きです。認め合い、讃え合うように、勝ち負けではなく善悪を越えた達成感や友情のようなものを感じさせながら、そして人々は復興していくというシーンで終わる。さらに、現在の行田市にある「石田堤」が映されたり、長親をはじめ、登場人物の後日談がテロップで流されます。時代の流れや、今の日本に求められるもの、復興する気力や真のリーダー像とか、正にこの映画が示唆してくれるものは多いような気がします。


――― 上地さんは、最後の敵将と対面するシーンで、相手が存在感の大きな野村萬斎さんということで、どのような気持ちで臨んnobou-s6.jpgだのか?

地:撮影は三か月位続いたのですが、二か月以上経ってから“のぼう様”とお会いしたので、とても楽しみにしていたシーンでもあり、三成としても上地雄輔としても「やっと会えたな」という気持ちでいっぱいでした。リハーサルで一同会して、最後に萬斎さんと目が合った時に、心でキャッチボールしているような気がしたことをよく覚えています。役作りが難しいとはあまり感じませんでした。ただ、僕も三成も成長していく上で、こんな純粋な人間らしい三成がいてもいいんじゃないかな?と思いながら演じてみました。

(河田 真喜子)

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