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『夢売るふたり』舞台挨拶レポート

yumeuru-s500.jpgyumeuru-pos.jpg★『夢売るふたり』舞台挨拶レポート
(2012年8月20日(月)大阪ステーションシティシネマにて)
登壇者:松たか子、阿部サダヲ、田中麗奈、西川美和監督

(2012年 日本 2時間17分)
原案・脚本・監督:西川美和
出演:松たか子/阿部サダヲ/田中麗奈/鈴木砂羽/安藤玉恵/江原由夏/木村多江/伊勢谷友介/香川照之/笑福亭鶴瓶
2012年9月8日(土)~全国ロードショー
西川美和監督合同インタビューはコチラ
公式サイト⇒http://yumeuru.asmik-ace.co.jp/
(C)2012「夢売るふたり」製作委員会

~冷や汗 阿部サダヲ!妻と愛人に挟まれて~

 試写会で登壇したゲストの、なんと豪華なことか! 夫・貫也の愛人役の田中麗奈さんも参加しての舞台挨拶は初めてのことで、そのせいか、やや緊張気味の阿部サダヲさん。妻・里子役の松たか子さんは、阿部サダヲさんに「普通より下!?」と言わしめた“登壇時つまづき事件”(6/28)に続いて、今回もつまづいていた。


yumeuru-s2.jpg――― 最初のご挨拶
松:お暑い中お越し下さいまして、誠にありがとうございます。真夏に見るのにふさわしいかどうか分かりませんが、ゆっくりとご堪能ください。
阿部:この映画を見て、涼しくなる人が多いのではないでしょうか。
田中:私はこの作品を見て、ちょっと震える位ゾッとしました。夏にピッタリなんじゃないかと思います。
西川監督:映画はお客様に見て頂いて初めて完成します。今日は公開劇場でお客様のお顔が見られて、とても嬉しいです。

――― 里子役について?
松:里子を演じるにあたって、自分に何があって無いのかが分からなくて、とても難しい役でした。でも、そういうことを仕事にしているんだと思ったら、開き直ってやれました。それに、とても興味があった西川監督でしたし、初めてご一緒する阿部サダヲさんや他の皆さんも素敵な方ばかりでしたので、その中に居られるだけでもラッキーだと思って飛び込ませて頂きました。

yumeuru-s3.jpg――― 夫婦役について?
阿部:毎日がお祭りですよ、“山崎パンまつり”みたいな1?(笑)

――― 今日はまた妻と愛人に挟まれて、ゾッとするような顔合わせですね?
阿部:初めてですよね、こんなこと。悪いことしてないのに汗かいてますよ(笑)。

――― 女性にモテる気分は?
阿部:気分は悪くないですよ。でも、モテる男の役といっても、背が高くてカッコいい訳ではないし、カッコつける訳でもない。僕が想像していた結婚詐欺師とは違っていて、そこが面白かったですね。

――― 田中さんは、中々ここに立ちにくい役柄でしたが?
田中:現場でもお二人が並んでおられると本当の夫婦に見えちゃって、近付きにくいような雰囲気でした。

yumeuru-s4.jpg――― 監督からの指示は?
田中:妹にバカにされるシーンがあるのですが、「さつきの心の中にはモヤモヤとしたものがあるんですよ」と言われ、そうしたものを出していかなければと思って演じました。
松:多すぎず、少なすぎず、いつも的確でした。
西川監督:もう「用意スタート!」で出来ちゃうんですもの!皆さん、しっかりと脚本を読み込んで、心情の根っこの部分を掴んで来られていたので、必要以上のことを言う必要ありませんでした。現場はごうごうと火が燃えたり、一晩限りの深夜の駅で撮影したり、ワンテイクしかできないときも、長台詞や目線の方向など、全くNGを出しませんでした。これは、俳優陣の技術と情熱のたまものですよ。

yumeuru-s1.jpg――― 現場での阿部さんはどんな感じ?
松:よくわからない人でした(笑)。とてもシャイで、とこまで受け入れられているのか、流されているのか、よく分かりませんでした。でも、嫌な感じにはならず心地いい俳優さんでした。無理せずに居られたので、楽しかったですよ、私は……。
阿部:僕も同じように感じてました。どこまでくっ付いていいのか、あんまりいくと拒絶されるだろうし……(笑)。

yumeuru-s5.jpg――― それでは、最後にご挨拶を。
松:街の片隅に生きる登場人物に、自分を重ねたり、あるいは知っている人を重ねたりして、寛大な気持ちになってこの映画をお楽しみ下さい。
阿部:見終えて、誰かと話したくなるような面白い映画だと思います。特に男性の方の感想を聞きたいです。
田中:夫婦って、男と女って、どこまで信じていいのか、何が善か悪なのか、いろんな意味で面白い映画だと思います。私も皆さんの感想を知りたいです。
西川監督:糸井重里さんが「見れば見るほど、ややこしい映画」と言って下さいました。その通りでして、人生や、人と関係性を結ぶことや、生きていくことってややこしいんですよね。自分で言うのも何ですが、この映画はややこしいけど見ていて飽きない。自信を持って言えることは、出てくる人物がとても活き活きしています。涼しくもあり、エネルギーに満ちた映画なので熱くもなれる映画です。どうぞ最後までお楽しみ下さい。

(河田 真喜子)

 

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