(12.7.6大阪ステーションシティシネマ)
ゲスト:蜷川実花監督、大森南朗
2012年 日本 2時間7分 R15+
監督:蜷川実花
原作:岡崎京子著『へルタースケルター』祥伝社
出演:沢尻エリカ、寺島しのぶ、大森南朗、桃井かおり、綾野剛、水原希子、窪塚洋介
2012年7月14日(土)~大阪ステーションシティシネマ、神戸国際松竹、MOVIX京都他全国ロードショー
公式サイト⇒ http://hs-movie.com/index.html
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岡崎京子の人気アニメが原作の、芸能界を舞台にした愛と欲望の世界を描き出す沢尻エリカ5年ぶりの主演映画『ヘルタースケルター』。14日(土)の公開を前に「関西起爆プレミア試写会」と題して開催されるこの日の試写会には160組の応募に対し、なんと2万通の応募があったという。この話題作を早く観たいという熱気に溢れた劇場に、スペシャルゲストとして蜷川実花監督、沢尻エリカ演じるりりこと対峙する検事、麻田役の大森南朗が登壇。本作への想いや、主演沢尻エリカの撮影秘話について語った。
━━━どうしてこの作品を撮ろうと思ったのですか。
監督:岡崎知子さんはもともと大好きなのですが、読み終わった後にずっと自分の中に何かが残るような衝撃で、この映画もそのようなドキドキが残せればいいなと思いました。美に執着する女性の話なので、りりこは随分と極端な人ではあるけれど、みなさんの中にも女性だったら小さなりりこがいるのではと思って撮っていました。
━━━りりこと対峙する麻田という役をオファーされたときの率直なお気持ちは?
大森:なかなかの二枚目キャラにも見えるので俺でいいのか、錦ちゃんのほうがいいんじゃないかと自分では思ったのですが、監督たっての希望だったので。
監督:撮影もご一緒してよく知った仲なので、最初のオファーは「今度ご飯いこう。あと、映画出て。」という感じで。返事も「メシ、行く行く。映画、出る出る。」みたいな。どうしてもこの役をやってほしいと思ったんです。南朗さんが演じたこの役は、すごく好みの男性で、さらに夜中に自分でせりふを書いたものですから、自分がこう言ってほしいというせりふが満載です。
━━━監督から演じるにあたってのリクエストはありましたか?
大森:現場で話し合いはして、そのキャラクターを探していくという作業はしましたね。
監督:本当に難しい役で、せりふも口語体じゃないので、南朗さんがやってくれたことによって、人間味や説得力がでましたね。
━━━りりこ役の沢尻エリカさんも蜷川監督からのオファーですか?
監督:本当にりりこのストーリーなので、これを誰にやってもらおうかと何度もいろんな角度から考えても沢尻エリカしかいませんでした。見ていただいて感じていただけると思いますが、今この場に立っても本当に彼女にしかこの役はできなかったなと日々思っています。
━━━大森さんは沢尻エリカさんと共演していかがでしたか?
大森:すごく感受性の豊かな20代の女優さんだなと。マスコミに取り上げられていますが、意外と会うと普通に「地元近いね。」という話をしたりしましたね。
監督:多分緊張するんでしょうね。あとすごく不器用なので、お芝居をしているときはすごいなと思いますし、普通の女の子のときはそうなんだなと、私も思いました。
━━━蜷川監督から沢尻さんに演じる上でのリクエストはしたのでしょうか?
監督:南朗さんにはほとんどしていませんが、エリカはものすごく細かくやっていました。最後の方は大体前日に電話をして、翌日のシーンのかなり細かい打ち合わせをしてから、お互い納得した上で現場に立っていたので、現場ではあまり言ってないように見えたかもしれませんね。
━━━寺島しのぶさんや桃井かおりさんなど、存在感のある女優さんとの共演でしたね。
監督:女の人が濃いので、男性は心安らぐキャストにしました(笑)。
━━━あと1週間で公開ですが、蜷川監督の今のお気持ちはいかがですか?
監督:本当に7年間ぐらいやりたくて、やりたくて、待っていた作品で、やっとここまできたかとドキドキしています。うれしいですけれどね。
大森:満を持して本当にヒットしてほしいです。お客さんにいっぱい入っていただいて、見て、いろんなことを感じていただければと思います。
監督:もしよかったら、ガンガンお友達に薦めてください。ブログとかTwitterとかに書いてくだされば、リツイートしますので!
━━━最後のメッセージをお願いいたします。
大森:すげえ力のある映画なので、みんながんばって見てください。きっといいものをもって帰れると思います。今日はありがとうございました。
監督:この作品は自分にとって本当に運命的な作品で、これ以前とこれ以降とはっきり自分の中で区切りがつくものになっています。私もエリカも他のキャストやスタッフの魂がかかった結構アツイ映画になっていますので、どうぞ楽しんでいってください。今日はありがとうございました。
挨拶後は七夕にちなんで、蜷川監督と大森南朗が劇中に登場する蝶のモチーフに大ヒット祈願をかけて、笹の葉に飾り付ける一幕もあった。最後のフォトセッションではさらに大きな「大ヒット祈願」を手に引き締まった顔でポーズに応えてくれたお二人。蜷川監督の口から「運命的な作品」との言葉があった通り、鮮烈な映像と魅力的な主人公に強く惹きつけられ、ガツンとしたパワーを放つ作品だ。劇場公開までカウントダウン、この夏一番の話題作を是非スクリーンで目撃してほしい。
(江口 由美)
(C)2012映画『ヘルタースケルター』 製作委員会