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『佐藤さんと佐藤さん』トークイベントが2日連続開催!@東京

結婚しても別れても苗字は変わらないー

ヒリヒリするくらいリアルなマリッジストーリー

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1日目 天野監督、奥浜レイラ、東紗友美がぶっちゃけトーク炸裂!
   
 「私の話かと思った!」

2日目 婚活アドバイザー 植草美幸
             「離婚は一つの通過点。いくつになっても結婚したいと思った時が結婚適齢期」



岸井ゆきの宮沢氷魚がW主演を務め、第32回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門でも上映された映画『ミセス・ノイズィ』(20)でその人間の機微を絶妙に描き、NYジャパンカッツ観客賞、日本映画批評家大賞脚本賞を受賞するなど監督としての手腕が注目されている天野千尋の最新作『佐藤さんと佐藤さん』が、11月28日(金)に公開する。また本作は第38回東京国際映画祭ウィメンズ・エンパワーメント部門公式出品作品として選ばれている。
 

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本作は、“夫婦”というテーマを軸に、ヒリヒリするくらいリアルに描いたオリジナルストーリー。苗字が“佐藤”同士のサチタモツが、交際結婚出産を経て歩んだ15年間を丁寧に描き出す。苗字は変わらなくても、夫婦という関係は常に揺れ動き、ぶつかり合い、変化し続ける——そんなぐらっぐらで“リアルな夫婦”のかたちに迫る、誰もが共感してしまう物語。


芯が強く明るい佐藤サチ役を務めるのは、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞するなど高い演技力で多くの支持を集める岸井ゆきの。そして真面目でインドアな佐藤タモツ役には、国内外の数々の賞に輝き、ドラマ・映画・舞台など幅広く活躍する宮沢氷魚が演じる。


公開に先駆け、11月13日と14日に一般試写会が開催され、13日は「アフターシネマカフェ」として、天野千尋監督、映画ソムリエの東紗友美、映画・音楽パーソナリティーの奥浜レイラによる本音炸裂のトークイベントと交流会が行われ、14日には婚活アドバイザーの植草美幸の登壇イベントが行われた。
 



【『佐藤さんと佐藤さん』アフターシネマカフェ】

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◆日程:11月13日(木)

◆会場:LOFT 9

◆登壇者:天野千尋監督、東紗友美、奥浜レイラ(敬称略)



11月13日、本作『佐藤さんと佐藤さん』の一般試写会とトークイベントが都内で開催され、天野千尋監督と映画ソムリエの東紗友美、映画・音楽パーソナリティーの奥浜レイラが登壇した。
 

東が鑑賞直後の率直な感想について「見終わったあと、心にあざが残るような映画でした。夫婦の喧嘩の場面も、ただの言い合いじゃなくて、“ああ、これあるある…”と胸の奥を突かれる瞬間ばかり。トイレットペーパーの“ないよ”の言い方ひとつで空気が変わるシーンとか、そういう細部のリアルさがすごく刺さる。たぶん誰にでも思い当たる節がある」と、SNSでも話題となった場面を挙げながら語った。奥浜も「距離が近い関係ほど“言ってはいけない一言”が分かってしまう。二人が積み重ねてきた年月の蓄積が2時間の中でしっかり表れていました」と、作品の人間描写に深く共感した。


satouW-11.13-240-1.jpgさらに天野監督自身の経験に基づいて作品を制作されたそうで「出産を機に一度仕事から離れ、家事育児を担う期間は社会から取り残されたような孤独感があった」と述べる。その後、映画の現場に復帰した際には、今度は監督自身が外で長時間働く立場になり、家を任せた夫が、かつての自分と同じように “外で自由に働いていていいな” と羨ましそうに、少し恨めしそうな目で見ていたことに気づいたという。この体験が「立場が変われば感じ方もまったく変わる」という作品テーマの着想につながったと明かした。


また作品タイトルにも関わる“名字”の設定について、天野監督は「名字が変わることは、アイデンティティが揺らぐ経験でもある。佐藤さんと佐藤さんという同じ姓にしたことで、性別や役割ではなく、まずは二人をフラットに見られる関係性として描けると思った」と語った。


satouW-11.13-500-1.jpgそして特に印象的なラストシーンで魅せるサチの表情について、奥浜は「最後の岸井さんの表情は私もしたことがあります。」と告白。「経験なされてないのに、あの顔になる岸井さんはすごいです。自分で踏ん切りつけたはずなんだけど、あの顔になるんです。いろんなものがないまぜになるあの感情をなんと言っていいかわかりません。」と激しく共感。天野は「脚本には悲しみの感情とは書いていなくて、悔しさなのか、懐かしさなのか、いろんな感情が込み上げてくるような表情で、岸井さんの演技が本当に素晴らしかった。また撮影時に風もすごい助けてくれました。ちょっと長めにカットを撮ってる時に、突然岸井さんの髪に風が吹いてきて、サチの感情の揺れ動きを表現しているようでした」と明かした。
 



【『佐藤さんと佐藤さん』婚活アドバイザー・植草美幸トークイベント】

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◆日程:11月14日(金)

◆会場:株式会社ポニーキャニオン

◆登壇者:婚活アドバイザー・植草美幸、MC:奥浜レイラ(敬称略)



映画『佐藤さんと佐藤さん』の公開直前イベントに、結婚相談所マリーミー代表で婚活アドバイザーの植草美幸が登壇。植草は本作の感想について、「作り物というより、まるでドキュメンタリーを見ているようだった。ドキドキして観てました」と語る。サチとタモツの15年間が描かれることについては、「結婚する前、結婚するとき、それからお子さんができる。そのあともまた続いていき、夫婦のステージがどんどん変わっていくところが、すごくリアルだった」と振り返った。


satouW-11.14-240-1.jpg植草が最も印象的なシーンとして挙げたのが、サチがタモツに向けて「私も勉強してみようかなって」と口にするシーンだったと語る。「何か目標に向かって頑張ってるところを見て、“辛そうだな”“大変そうだな”って思って応援することはあるんですけど、自分も一緒にやってみようって、なかなか言えないですよね」と強く響いたという。MCが自身の離婚経験を明かした際には、植草は「離婚は悪いことじゃない。バツ1じゃなくてマル1なんです」と即答した。結婚相談所には再婚や再々婚の人も多く訪れるが、たとえ離婚が“ドロドロ”だったとしても、思い返せば幸せな時間があったと感じる人は少なくないという。


弁護士として働きながら家族を支えていくサチについては、そのバイタリティに「すごい」と感心したそうだ。「こんなにバイタリティーがあって、家族を作るのに、自分が柱となって頑張って経済力を持って…なかなかすごいなって思いますよね。彼女の立場って今の時代を表していると思います。だけど“男性がリードして”とか“男性が主軸で”って感覚がまだ残っている中で、彼女は1歩早いですよね、今の時代に」と語った。


婚活市場の変化について語る場面では、「女性の方が年収が高くてもいいよ、もしくは女性の方が年収が高い方がいいよって思ってる男性が9割を超えたんです。奥さんの方が年収低い方がいいと思っている男性はもう1割になっています。経済的な理由ももちろんあるけれど、“奥様にも好きなことをやってほしい”“お互い成長していこうね”という気持ちがすごくあるんですよ」と意外な回答に、会場がざわついた。


satouW-11.14-500.jpgもしサチとタモツに二人に助言するとすればと問いかけられると、「30歳でサチさんが司法試験受勝ったタイミングで、『これから人生が大きく変わるよ。できる人ができる時にできることをやればいいのよ』って伝えたい。プライドも何もなく目標は次はあなたが試験に受かることなんだからって」と語った。


そして最後の挨拶では、「結婚ってすごくいいものだと思ってます。誰かと支えながら生きていくということだから。どっちが支えになるかはその時によって違うけれど、何回ぶつかっても理解し合えるし、褒め合ってもほしい。何歳でもいいので、結婚したいな、再婚したいなって思った時がその方の結婚適齢期なので、ぜひ結婚してほしいと思います」と語り、イベントは終了した。
 


【Story】

佐藤サチ(22)は、ダンス好きの活発なアウトドア派。佐藤タモツ(22)は、正義感の強い真面目なインドア派 。正反対な性格だがなぜか気が合い、程なくして付き合い同棲を始める。そして5年後。弁護士を夢見るタモツは、司法試験を受けるが不合格が続く。しかし諦めずまた挑戦したいというタモツを応援するサチは、一人孤独に頑張るタモツを助けようと、一緒に勉強をはじめると、相変わらず不合格だったタモツとは反対に、サチが司法試験に受かってしまう・・・!!
申し訳ない気持ちのサチと、プライドがズタズタのタモツ。そんな中、サチの妊娠が発覚!ふたりは結婚することになるが・・・!?
 

<クレジット>

岸井ゆきの 宮沢氷魚
藤原さくら 三浦獠太 田村健太郎 前原 滉 山本浩司 八木亜希子 中島 歩
佐々木希  田島令子  ベンガル
監督:天野千尋
脚本:熊谷まどか 天野千尋 
音楽:Ryu Matsuyama Koki Moriyama(odol) 
主題歌:優河「あわい」(ポニーキャニオン)
配給:ポニーキャニオン 製作プロダクション:ダブ  
2025年/日本/カラー/アメリカンビスタ/DCP/5.1ch/114分  (
C)2025『佐藤さんと佐藤さん』製作委員会
公式サイト:https://www.sato-sato.com/

2025年11月28日(金)~ 全国ロードショー!


(オフィシャル・レポートより)

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