●日程: 5月1日(木) 18:30~19:00 ※終了次第、本編上映
●会場: TOHOシネマズなんば スクリーン①
●登壇者: 丸山隆平(41)(SUPER EIGHT)、古川豪監督(48)(敬称略)
刑務所や拘置所に収容された人への差入を代行する「差入屋」という稼業をご存知だろうか。厳しい審査や検閲がある差入の商品を扱い、様々な事情から面会に行くことができない人たちに代わって、面会室へ出向くこともある仕事である。「あやまちの数だけ希望を届ける、何度つまずいても立ち上がれると信じて──」をキャッチフレーズに、二つの殺人事件に絡まれることによって、自らの過去の過ちや嫌悪する母親との関係性や、特殊な稼業ゆえの偏見などに抗いながらも懸命に生きる姿を繊細なタッチで感動的に描いた秀作。
〈SUPER EIGHTスーパーエイト〉のメンバー、丸山隆平が8年ぶりに映画の主役を務め、さらに本作が長編映画監督デビューとなる古川豪が脚本・監督を務める。寺尾聰をはじめ名取裕子や岸谷五朗、根岸季衣、甲本雅裕などのベテラン勢に、真木よう子や北村匠海などの豪華俳優陣が集結して作品を盛り上げている。
理不尽な事件や不合理な環境に身をやつしながらも懸命に生きようとする人々――家族の絆を今いちど見直す勇気をくれるような感動のヒューマンサスペンス映画『金子差入店』が、いよいよ5月16日(金)から全国一斉に公開される。公開を前に開催された大阪ABC主催の試写会の舞台挨拶に、主演の丸山隆平と古川豪監督が登壇した。45倍の倍率を勝ち抜いたラッキーな観客を前に、作品について忌憚なく語ってくれた。
丸山隆平も古川豪監督も京都府の出身で、地元である関西で初披露となる上映会について聞かれると、丸山は「いよいよ皆さんの元に届くんだなぁ、とにかく沢山の方に観て頂きたい。今日も今までにない数の単独取材や関西のいろんな番組に出させて頂いて、本作をアピールすることができました。沢山の方に観て頂けるチャンスが作れたのではないかと思って、今夜はよく寝られそうです」。京都からご両親も駆け付けたという古川監督は、「感無量です!」と初監督作品のお披露目に感慨深いご様子。
「差入店」を扱ったオリジナル脚本について古川監督は、「まず犯罪はドラマになりやすいことと、特殊稼業はチャンスに繋がるのではないかと思いました」。古川監督は2008年の『おくりびと』にも助監督として参加しており、「特殊稼業は未知の世界を知ることができる上に、自分にとってもチャンスになるのではないかと思い、ひたすら物語を練り上げて時間を掛けて作りました」。
本作を初めて聞いた時の感想を丸山は、「まず初めて聞いた差入屋という職業があることに驚きました。そして、その家族の物語だったり社会からの見え方だったり、どんどん世界が広がっていって、思わずサスペンスやヒューマンドラマを巻き起こしていく脚本でした。情報量の多さから、古川監督が今の日本に伝えたいことが心にガツン!と響く台本だったので、参加させて頂けるなら是非に!とお願いした次第です」。
金子真司という主人公の人物像について丸山は、「古川監督のオリジナル脚本ですから、人物像も監督自身の中にヒントがあるのではないかと思い、いろんな機会で監督を観察しながら役を構築していき、日常の中にも金子真司を少しずつ浸潤させながら目指していきました」。また「特に今回は生々しい表現だったり心の中の機微みたいなものが身近に感じられたりしたので、撮影に入る前に監督のマインドや家族への接し方や想いなども教えて頂きました」。
丸山隆平を起用した理由について古川監督は、「私はもう48歳なので、『若手の監督と違って単館系の作品から始めるような歳ではないだろう』とある方からお叱りを受け、『ウチの隆平を使え!』と丸山さんを息子のように思っていらっしゃるプロデューサーからご提案を頂きました。そこから丸山さんと偶然に飲み屋さんで出会う機会がありまして、芝居に対するただならぬ熱意を感じたのです。それでも丸山さんは巨大なチームで20年以上も活躍されている方なので不安でしたが、プロデューサーの推薦もありオファーしてみたらご快諾頂いて、本当に嬉しかったです。今でもその瞬間のことは忘れられません。本当にありがとうございました。」と丸山の出演に感謝する古川監督。
『泥棒役者』以来8年ぶりの映画主演について丸山は、「僕にも両親や友人いますが、この撮影が終わって、親ともう一回向き合ってみようかなと思って会いにいきました。ただ実家に帰るというのではなく、僕の中のわだかまりに向き合うというか、年齢的にも両親と話した方がいいだろうと、この作品がキッカケで家族との絆を改めて感じられました。両親はとても元気そうにしていて、僕の活躍も喜んで観てくれているようでした。これからご覧になる皆さんにこの作品がどのように作用するのか楽しみです。取り敢えず「X」で確認しようと思っています。(笑)」
「名取裕子とのシーンも最高でしたね。」と言われ丸山は、「ありがとうございます。あれは長回しのシーンですね。」続いて古川監督が、「あのシーンはかなりこだわって撮りました。1シーン1カットでごまかしが効かないので、かなり準備して撮ったシーンです」。
名取裕子をはじめベテランの豪華俳優陣だが、古川監督から注目してほしい役は?と訊かれ、「主演の丸山さんだけでなく、奔放な男性たちに翻弄されるいろんな世代の女性たちにも注目してほしいです」。丸山は、子を持つ女性が対決するいくつかのシーンに僕も出ているのですが、男として何もできない情けなさを感じました。特に凄いシーンがあるのですが、撮り終えてすぐに監督と『凄いな~ヤバいな~』と素晴らしいシーンが撮れたことを喜んでいました。女性側の立場や感情を細かに丁寧に描いているので共感して頂ける部分もあるのではないかなと思います」。
「息子役の綺羅君、可愛かったですよね?」と訊かれ丸山は、「撮影中、僕は我慢するのが大変でした!可愛いので”ワーッ“てしたかったのですが、シリアスな現場に悪い影響を及ぼしてはいけないと、それに彼もプロの俳優なので一線を引いた方がいいだろうと我慢していました。でも、打ち上げの時はずっと触ってました。髪がさらさらでツルツルなんですよ~めちゃくちゃ可愛いんですよ!でも、ただ可愛いだけではない大人びた魅力があるんですよ」。古川監督も、「あのキラキラお目目は本当に可愛かったですね。」と三浦綺羅を大絶賛。
最後のメッセージに古川監督は、「初めての長編作品です。いろいろとつたない処もあるかも知れませんが、誠心誠意作りました。素晴らしいキャストやスタッフたちと後世に残せるような作品を作ったつもりですが、今はただただ皆さんに楽しんで頂けたら嬉しいです。ありがとうございます!」
丸山は、「僕は普段は〈スーパーエイト〉というスーパーアイドルをやっております。そこでは他のメンパーと一緒に綺麗な景色や日常を忘れるような仕事をしておりますが、この作品では素晴らしいキャストやスタッフの方々と一緒に、目を背けてはいけない現実を見つめながら、その中に希望を見つけられるような作品ができあがったのではないかと思っております。より沢山の方に観て頂いて、今の時代もそんなに悪くないんじゃないかとか、周りの大切な人に気付く機会を届けられたらいいなと思っておりますので、拡散、よろしくお願いいたします!」と舞台挨拶を締めくくった。
【Story】
金子真司(丸山隆平)は気丈で優しい妻の美和子(真木よう子)と共に伯父の星田(寺尾聰)から引き継いだ差入店を営んでいる。住居兼店舗では、10歳になる息子の和真(三浦綺羅)と引退した星田とも一緒に平和に暮らしていた。
ところがある日、和真の幼馴染の花梨が男に殺害されるという悲惨な事件が起きてしまう。被害者家族と親しい真司たちも悲嘆と怒りに苛まれていたが、そこへ犯人の小島(北村拓海)の母親(根岸季衣)から差入の代行と手紙の代読を依頼される。真司は差入屋として淡々と仕事をこなそうとするが、常軌を逸した小島を前に激情を制御できずに精神的に追い詰められていく。さらに、差入屋という犯罪者を支援する稼業のせいで世間から偏見の目で見られ、今回の事件から真司の前科も知られてしまい、和真が学校でいじめに遭ってしまう。真司は消すことのできない過ちへの後悔や世間の偏見に抗いながらも、家族のために人間としての責務を果たそうとしていく。
そんな真司は、自分の母親を殺した男(岸谷五朗)に何度断られても面会を希望する女子高生に目を向けて、事件の真相に迫ることによって二人を救おうとするが…。
出演:丸山隆平
真木よう子/三浦綺羅、川口真奈
北村匠海、村川絵梨、甲本雅裕、根岸季衣
岸谷五朗、名取裕子/寺尾 聡
監督・脚本:古川 豪
音楽:Benjamin Bedoussac
撮影:江﨑朋生 (JSC)
主題歌:SUPER BEAVER「まなざし」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
配給:ショウゲート ©2025「金子差入店」製作委員会
公式サイト:https://kanekosashiireten.jp/
2025年5月16日(金)~TOHOシネマズ日比谷、TOHOシネマズ(梅田、なんば、二条、西宮OS)、他MOVIX系、イオンシネマ系、T・ジョイ系など全国公開!
(河田 真喜子)