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『誰よりもつよく抱きしめ て』公開記念舞台挨拶@TOHOシネマズ梅田

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「心まで触れられなくなる前に――

心と体の波打ち際をさまよう二人の、切なくも美しい、最高純度の物語」

 

強迫性障害による潔癖症を患い「愛しているのに触れられない男」と、そんな彼を優しく見守る女――お互い愛おしく想う気持ちを形にできない切なさに胸が張り裂けそうになる映画『誰よりもつよく抱きしめて』が2月7日(金)よりTOHOシネマズ梅田他にて全国にて公開中です。絵本のストーリーを伏線に、何とか彼女のために病気を克服しようとする男の純情と、「恋人と触れても愛を感じられないという男」の登場でさらに揺れる女心が繊細なタッチで描かれていきます。人との距離を取らざるを得なかったコロナ禍を経ているからこそ、人との触れ合いが身に沁みるラブストーリー。


dareyorimo-pos-2.jpg監督は『ミッドナイトスワン』の内田英治監督。主演は、「BE:FIRST」のメンバーRYOKIとしても活躍中の三山凌輝。本作の主題歌「誰よりも」も手掛けていて、今回は恋人への強い想いを秘めながら苦悩する深みのある役柄に挑戦し、今までとは違うイメージで魅了しています。もう一人の主演は、「乃木坂46」の久保史緒里。華奢な雰囲気ながら、恋人への想いがつのるあまり心乱される複雑な立場の女性を芯の強さを感じさせる演技で熱演。そして、韓国のアイドルグループ「2PM」のメンバーとして活躍中のファン・チャンソン。彼が演じ分ける繊細な表情は、物語に謎めいた緊張感と大人の色気を漂わせて、本作に深みと重みをもたらしています。


なんと3人ともダンス&ボーカルグループのメンバーということで、多忙な音楽活動の中、繊細さを要求される撮影を敢行。内田監督も認めるその集中力は比類なきもので、特に流暢な日本語で通したファン・チャンソンの存在は大きい。


公開を記念した舞台挨拶が、三山凌輝、久保史緒里、ファン・チャンソン、内田英治監督の4人で、2日に渡って東京、名古屋、大阪、京都にて開催された。ここでは、2月9日(日)TOHOシネマズ梅田にて開催された舞台挨拶の模様をご紹介いたします。
 


【日 程】 2月 9日(日) 17:00~17:30(上映後)

【場 所】 TOHOシネマズ梅田 【本館/シアター1】

【登壇者】 三山凌輝(BE:FIRST)、久保史緒里(乃木坂46)、ファン・チャンソン(2PM)、内田英治監督


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〈詳細は以下の通りです。敬称略〉

MC:大阪の印象は?熱気がすごいですね~。

三山:アツアツやで~!でも焼いてる所とそうでない所があるけど(笑)、皆さんの綺麗な眼差しで見て頂けて嬉しいです。(女性ファンの歓声があがる)

久保:ライブとかで大阪に来ても凄く熱くて、今日も暖かい温度を感じられて嬉しいです。(男性ファンの歓声があがる)

MC:チャンソンさんは大阪は初めてではないですよね?

チャンソン:はい、コンサートでは何回か来てますけど…(女性ファンから歓声があがる)

三山:今日のチャンソンさんはカッコいい!名古屋から様子がおかしい。

チャンソン:元々カッコいいよ!(笑)

三山:そう?麒麟の革島さんにしか見えないけど(笑)


MC:今日は名古屋に続いて大阪での舞台挨拶ですが、今のお気持ちは?

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三山:2月7日から公開されてますが、こうして上映後に皆さんの顔の反応を見られるのは嬉しいです。まだ涙を拭いている人や笑顔の人などいますが、余韻に浸る間もなく僕たちが登場してしまって、地方によって感じ方も変わってくるのかなと驚いています。

久保:公開されて間もないので、皆さんの反応を目の当たりにできる機会も少ないので、今日はとても嬉しいです。これからもどんどん広がっていくといいなと思っています。

 


MC:チャンソンさんは韓国から駆け付けて下さってますが、出演作が日本で公開された今のお気持ちは?

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チャンソン:昨日からこうした舞台挨拶をしていてとてもいい勉強になっています。韓国では上映後にお話する機会はあまりなくて、これはいいなと思います。でも、上映直後に登場してすみません。シーンを切っちゃったみたいですみません(笑)。

三山:チャンソンさん、昨日より日本語めっちゃローリングされてるやん!

MC:そうなんですか?そんなに変わったんですか?

チャンソン:昨日のあさイチで半分くらい。

三山:だって昨日は「この映画どうですか?」と訊かれて、「この映画半端ない!」で終わってたもん!(笑)

チャンソン:ショートセンテンスだけでしたね。

三山:それが今日は小ネタ二つぐらい挟んで、ぽんぽんぽんと出て会場湧かせてるし、チャンソンやるね~!(笑)


MC:20年ほど前に書かれた原作ですが、それを映画化した思いは?

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内田:一番大きな理由はコロナ禍ですかね。原作を読んだのは昔ですが、コロナ禍では家族同士でも触れ合えない、傍にも居られないという経験を経て、この原作を若い俳優たちと作りたいと思いました。

MC:特定の誰かが経験したものではなく、みんなで経験したことだからより伝わるのではないかと?

内田:そうですね。みんなで経験したことなので、近しい人と距離を感じるのは辛いことだなと思って、原作者の新堂先生の許可をとって、中身を少し変えて撮りました。


MC:三山さんは、「触れたくても触れられない」繊細な表情が多く大変だったと思いますが、良城という役柄にはどういう風に向き合っていかれたのですか?

三山:コロナ禍を経て、それぞれの環境でそれぞれ生きてきた苦しみや葛藤があったと思うので、良城という役にフォーカスして人物像を掘り下げていきました。強迫性障害という潔癖症だったりしてますが、そこにフォーカスするのではなく、なぜそうなったのか、なぜ苦しんでいたのか、どういう環境だったのか、愛する人とどういう理由で分かり合えないのだろうか、本人にしか分からない良城だからこそ悩んでいる情景を深掘りして、最後まで役と向き合うことができたかなと思っています。


MC:久保さんは、そんな良城の傍にいながら触れ合えない苦しみを抱えてましたが、演じてみて如何でしたか?

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久保:やはり触れられないということは大きなことで、その現状を直してほしいと願うこともエゴのように感じていました。良城の病気だけでなく、それ以外の関係性も繊細な部分が多かったので、向き合い方はとても難しかったですね。月菜自身もそう感じながら一歩一歩進めていったんだろうなと思いました。


MC:お互いが心に悩みを抱えながら、恋人として向き合おうとする――その空気感がとても自然で素敵だなと感じたのですが、現場での印象はお互いどうだったんしょうか?

三山:これについてはもう180回くらい喋ってるんですけど(笑)、(急にハイテンションになり)結果として仲良かったですよ! (二人に向かって)ねぇ?

MC:ただ距離はあったんですよね?

三山:最初、距離はありましたね。

久保:そうなんです、私が人見知りなもので…。

三山:僕はそう感じなかったけど、ファン・チャンソンと久保史緒里が距離ありましたね。そこで「おい、お前らどうしたんだ?」って聞いて…(そこで久保史緒里がうなだれる)そんなうつむかんでもいいじゃない?(笑)

久保:その話になる度に申し訳ないなと思いながら、うつむいてしまうんです。(笑)

三山:それで3人でお昼ご飯を食べに行って、そこから仲良くなれてより一致団結できたかなと思います。


MC:今のやり取りを見て、監督から見てどうでした?

内田:久保ちゃんは僕とも距離をとるんですよ。(笑)

久保:それは問題発言ですよ、そんなことはないです!まったくもう!(笑)

内田:確かにアプローチの仕方は違いましたね。三山君とファンさんは撮影前からコミュニケーションをとって役柄について結構詰めていく感じでしたが、久保ちゃんは現場で積み上げていく感じで、全然タイプが違いましたね。

MC:監督として見守るタイプですか、それともその都度ディスカッションしてくのですか?

内田:20代の恋愛の気持ちは彼らの方がわかる訳ですから、基本的にはお任せしてました。1回だけ久保ちゃんが迷ってたことがあって、そこは僕の方が正しいと思って僕の意見通りにやってもらったら、後で映画を観たら久保ちゃんの方が正しかったなと思ったシーンがあります。やっぱり役者に寄り添うのは大切だなと思いました。


MC:久保さんと三山さんはお二人で話し合われたことはありましたか?

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三山:それはなかったのですが、普段仲良くさせてもらうことで、芝居のやり易さはあったと思います。仲が良ければ恋人関係の距離感も自然にできてよりリアルさが出るという、それがひとつのお芝居のやり方かなと思っていました。最初の方の二人で食事するほんわかとしたシーンでも、仲良く食事しているようで実は心の中では葛藤が生じているという、何かしら危うさを感じさせるような空気感を感じてもらえたらいいなと。それくらい繊細に二人の関係性をよく表現している映画だなと思います。

内田:やたら仲がいいってのも嫌ですよね。(笑) たまにいらっしゃいますけど、現場では既に役が入ってますからそんな関係のお芝居ならいいのですが、そうでなきゃちょっとね。


MC:チャンソンさんは日本語でのお芝居は難しかったと思いますが、演じてみて如何でしたか?

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チャンソン:最初日本語の脚本を読んだ時、知らない単語や漢字を調べながら6時間位かかってしまいました。一人で練習するのも大変で、これはヤバいなと思っていたところ、日本に行って、現場へ行って、そこの雰囲気を掴んだ時には、ちゃんとできていました。魔法使いみたいな感じでした。(会場から拍手が沸き起こる)

MC:監督からご覧になって、チャンソンさんは如何でしたか?

内田:チャンソンもそうだけど、他の二人もみんな普段は音楽活動をしてるじゃないですか。忙しい合間を縫って芝居の練習をする訳だけど、その集中力が他の人より短くて深い気がします。チャンソンも韓国と日本を行ったり来たりしながら、しかも日本語だし、凄く頑張ってくれたなと思います。(拍手)ただ、日本語のローリングは大体2日くらい係るんだけど、今回も明日ぐらいが一番上手くなってると思いますよ。(笑)


MC:ここで共通の質問をします。タイトルにちなんで、「誰よりもつよく抱きしまたくないもの」を教えて下さい。

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久保:私は静電気がめちゃめちゃ苦手で、服買う時も静電気防止がついてるかどうかで決める位苦手です。

三山:一緒一緒!

チャンソン:「ラヴィット!」の〈ビリビリ椅子〉、マジで痛いですよ。やったことある?

三山:ない!マジでNG!もう「ラヴィット!」行けないね?

チャンソン:行くよ。行ったらやるよ、運命だから(笑)。抱き締めたくないけど、やらないとちょっと気持ち悪い。(笑)

MC:是非今後の「ラヴィット!」にご注目頂きたいと思います。監督は?
内田:馬です。小さい時に馬に轢かれたことがあって、血みどろの病院送りになったことがあるんです。(一同驚愕!)

MC:思ってたより相当なお話でしたね~。それでは三山さんは?

三山:お湯張りをしたまま翌朝になってしまった浴槽。疲れて帰って、お湯張りのスイッチを入れたまま寝てしまって、目覚めたら朝になっていて、お湯も冷めてしまってるんですよ。

チャンソン:凌輝はいつも「イエーイ!」とか言って誰かと抱き合ってるよね。
内田:抱きしめ率高いよね。抱きしめたくないものなんて少ないのでは。(笑)


MC:貴重なお話をどうもありがとうございました。それではここで主演のお二人より締めのご挨拶をお願いします。

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三山:本日は短い時間でしたが、素敵な時間としょうもない時間と楽しい時間をミックスできたかなと思います。改めて、この映画は何回観てもどの角度から観ても、その日のコンディションで観方が変わって楽しめる作品です。それ位繊細なタッチで描かれていますが、共感してもしなくても、反対の感情を抱いたりしても、それぞれの役が生きていますので、違う世界観を楽しんで欲しいです。公開終了まで何度でも足を運んで頂けたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。

久保:この作品には色んな人が登場しますが、それぞれが自分というものを持って、思いを貫いて主張し合って重なり合って交わり合っています。今の時代は言わないことが優しさとか美しさとか言われる中で、こうやって言葉にする大切さを改めて実感した作品でもあります。すごく身近なお話でもありますので、是非大切な人と観て頂けたら嬉しいなと思います。本日は本当にありがとうございました。
 


【STORY】

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鎌倉の<夢の扉>という絵本店で働いている桐本月菜(久保史緒里)と絵本作家の水島良城(三山凌輝)は、高校生の時に彼が書いた絵本に月菜が感動して以来付き合い始め、大人になって同棲生活を送っている。だが良城は、強迫性障害による潔癖症を患い、月菜にも誰とも触れ合えず、恋人同士なのに、一緒に暮らしているのに、手をつなぐことすらできずにいた。絵本作家としても、月菜のためにももっと絵本を描きたいと思っていた。そんな良城を優しく見守りながらも虚しさを抱えていた月菜。そんな時、月菜の前にある事情を抱えた韓国人のシェフ、イ・ジェホン(ファン・チャンソン)が現れ、月菜を密かに惑わせる。さらに月菜は、良城が治療仲間の女性・村山千春(穂志もえか)と自分には見せることがなくなった明るい表情で会話をしているのを見て、激しく心が乱されるのであった。


【感想】愛しているのに触れ合えない。お互い想い合っていればこそつのる焦燥感や切なさに胸が痛くなる。ジェホンが月菜の前に現れた本当の理由を知ってもなお、良城への愛おしさには代えがたく、月菜が最後に下した決断に思わず心が救われたような気分になれた。
 

(2025年 日本 2時間4分)
原作:新堂冬樹「誰よりもつよく抱きしめて」(光文社文庫)
監督:内田英治  脚本:イ・ナウォン
主題歌:「誰よりも」BE:FIRST(B-ME)
出演:三山凌輝(BE:FIRST)、久保史緒里(乃木坂46)、ファン・チャンソン(2PM)
配給:アークエンタテインメント
©2025「誰よりもつよく抱きしめて」HIAN /アークエンタテインメント
公式サイト:https://dareyorimo-movie.com/

2025年2月7日(金)~TOHOシネマズ梅田他にて絶賛全国全国公開中!


(河田 真喜子)

 

 
 

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