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生田斗真、韓国の名優、ヤン・イクチュンとのタッグで「これからの俳優人生にすごくいい影響をもらった」『告白 コンフェッション』公開記念舞台挨拶@TOHOシネマズ梅田

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登壇者 左よりヤン・イクチュン、生田斗真、山下敦弘監督
 
 
 福本伸行、かわぐちかいじの原作を山下敦弘監督が映画化、雪山で遭難した山岳部OBの男二人が山小屋で避難する間に、驚くべき真実にたどり着く密室エンターテインメント『告白 コンフェッション』が、5月31日より絶賛公開中だ。
本作の公開を記念し、TOHOシネマズ梅田で開催された舞台挨拶では、W主演の生田斗真、ヤン・イクチュンと山下敦弘監督が登壇した。大阪のファンからはいつも熱を持って応援していただき感謝しているという生田と、キャリーケースを引きずりながら6時間大阪を散策し、裏路地の印象が深かったという韓国の名優、ヤン・イクチュン。そして、映画『味園ユニバース』の舞台で、自身もよく飲みに行ったという味園がなくなることに寂しさを感じるという山下監督。三人が濃密な撮影について語った内容をご紹介したい。
 

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―――いろいろな役にチャレンジしているが、浅井役を演じてみての感想は?
生田:ヤン・イクチュンさんとほぼ二人だけの芝居をさせていただけたのは、ワクワクした大きな箇所だし、イクチュンさんとの出会いは僕のこれからの俳優人生にとって、すごくいい影響をもらいました。韓国でイクチュンさんはよくコンビニ前のテーブルでお酒を飲むらしいんです。オンとオフというか、自分自身と役の切り替えを自由にやっているところに、いい影響をもらいました。
 
イクチュン:明日一緒に韓国に行って、コンビニの前で飲みましょう!
 
―――山下監督からのオファーがきたときについて教えてください。
イクチュン:最初にオファーをいただいてから(話が本格化するまで)かなり時間が経過していたので、どうなるのかと思いました。でも、一旦約束をしたことは必ず守るつもりで、変遷の過程も見守らせていただきました。撮影の中で苦労する部分や厳しい瞬間も多々ありましたが、山下監督や生田さん、スタッフのみなさんにサポートしていただき、キャストがベストを尽くす環境を作っていただけたと思います。
 
 
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―――原作はあるものの、映画化には長い時間がかかり、大変苦労があったそうだが?
山下監督:トータルで5年ぐらいかかり、シナリオも二転三転して長かったです。企画自体も僕の中では初めてのジャンルの作品だったので、ひとりでも多くの人に見て欲しいというのが正直な気持ちです。
 
―――原作は日本人同士の設定だったが、ヤンさんにオファーした経緯は?
山下監督:原作を映画化するにあたり、どうやって映画を作っていいかわからず、トータルで5年ぐらいかかり、シナリオも二転三転して長かったですが、まずイクチュンさんの映画を作りたいと思っていました。コロナ時期を挟み、イクチュンさんとオンラインでずっとやりとりをしていたので、クランクインでイクチュンさんが来日し、衣装合わせをしているのを見て、ウルっとしました。
 
生田:僕も、山下監督とイクチュンさんと会えたのがすごく嬉しかった。二人で握手をして「やっと会えたね」と抱き合ったんです。
 
―――ワンシチュエーションで、二人がずっと芝居をしていますが、演出のポイントは?
山下監督:僕の中では怖いお話ではあるけれど、二人の魅力をなるべく、時には人間臭く、時には可愛らしく、時にはめちゃくちゃ怖い感じになるように二人と相談しながら演出していきました。
 
―――それぞれの役作りについて、教えてください。
生田:自分自身で作り上げるというより、イクチュンさんの芝居が僕の感情を引きずり出してくれるので、とてもいい影響をもらっていました。
 
イクチュン:僕の方がエネルギーを発散し、生田さんが逃げ回る側でしたが、逃げ回るのもかなりエネルギーを使う役回りだと思います。不安や恐れを表現するわけですから。お互い相互作用をしながら、エネルギーを発散し、受け止める関係性があったため、いい映画が作れたと思います。
 
 
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―――役作りで頑張ったところは?
イクチュン:映画の表面では見えていない部分について、たくさんストーリーを考え演技に臨みました。見えていない部分が演技の根っこになると考えたからです。また、生田さんがどういうリアクションをみせ、どういう動きをするのか、細かく見守っていました。相手の反応を集中してみることに気を遣いましたし、おそらく生田さんも同じだったと思います。
生田さんのファンのみなさん、たくさん触ってしまってすいません!
 
―――ヒロインさゆり役、奈緒のキャスティングは?
山下監督:広告の仕事でご一緒したときから、いつかご一緒できればと思っていましたが、最初は引き受けてくれるのかと不安でした。さゆり役は、人物の背景が描かれていないので役者さんとしてはやりづらいと思います。初稿で三人の関係性を見せるため、大学時代の話を書いており、説明はないけれど滲み出るような演技をしてもらいました。実際、7割ぐらいは使わないけれど、シーンとしてお芝居を一連で撮った方がやりやすいと思い、長く撮っています。
 
生田:マグロの塊から中とろだけ取り出したような感じで、殺害シーンもすごく長く撮っていましたよね。
 
イクチュン:フィルム時代だったら、現場で叱られますよ。
 
山下監督:デジタルだからできました!
 
 
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最後に、
「魅力のある俳優たちの魅力を引き出すのが仕事だと思い、生田さん、イクチュンさん、奈緒さんの魅力が詰まった映画になっていますので、俳優たちの熱量のある芝居を楽しんでもらいたいし、二回三回と見てもらえる自信があります」(山下監督)
 
「この映画の現場は非常に限られた狭い空間だったので、僕たちも窮屈な気持ちを味わいながら演じましたが、これがまさに僕たちの演技の非常に重要な要素になっていますので、みなさんも窮屈感を感じ取っていただければと思います。タイトル通り、「告白」が制限された空間で行われており、(イクチュン監督作の)『息もできない』みたいな映画的な感性がありますので、ぜひお楽しみください」(イクチュン)
 
「大阪のみなさんと直接お会いできる機会ができ、本当に嬉しく思っています。人間の極限状態を表現したつもりです。みなさんの心の中に今日の映画が残り続けてくれることを祈っております」(生田)
と挨拶し、観客の声援に笑顔で応えた。
 
 山下監督初の密室を舞台にしたジャンル映画だが、息を呑むような展開の中にも、人間の可笑しさが滲んでいる。狂気の芝居をみせるヤン・イクチュンと、新境地をみせる生田斗真との強烈な化学反応をぜひ楽しんでほしい。
(江口由美)
 

 
<作品情報>
『告白 コンフェッション』(2024年 日本 107分)
監督:山下敦弘
原作:福本伸行、かわぐちかいじ『告白 コンフェッション』(講談社「ヤンマガMC」刊)
出演 : 生田斗真、ヤン・イクチュン、奈緒
2024年5月31日(金)より全国ロードショー
(C) 2024 福本伸行・かわぐちかいじ/講談社/『告白 コンフェッション』製作委員会
 

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