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三倉茉奈、地元大阪弁へのこだわりを役に反映「熊本出身と思われるぐらいきちんと話したかった」『女優は泣かない』舞台挨拶

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三倉茉奈、地元大阪弁へのこだわりを役に反映「熊本出身と思われるぐらいきちんと話したかった」『女優は泣かない』舞台挨拶
(2023.12.16シネ・リーブル梅田)
登壇者:三倉茉奈、有働佳史監督 
 
「働かざる者たち」「おしゃれの答えがわからない」など数々の人気ドラマを手がけてきた有働佳史監督の映画初長編作で、崖っぷちの女優と若手ディレクターの再起をかけた奮闘を描く『女優は泣かない』がシネ・リーブル梅田、アップリンク京都にて現在絶賛公開中、12月23日よりシアターセブン、12月29日よりジストシネマ和歌山、1月5日よりkino cinēma神戸国際にて公開される。
 有働監督の出身地である熊本県荒尾市を舞台に、スキャンダルで仕事を失った女優、園田梨枝は蓮佛美沙子、密着ドキュメンタリーの現場をひとりで取り仕切る若手ディレクター・瀬野咲は、乃木坂46一期生メンバーで、クリエイター、俳優として活躍している伊藤万理華が演じている。また、何かと対立する梨枝と咲のロケ中の運転係を買って出た梨枝の同級生タクシードライバー猿渡拓郎(通称サンタク)には、『CHAIN/チェイン』の上川周作が扮し、何かと火花を散らすふたりの緩和剤となり、どこかトボけた魅力がある存在だ。
父(升毅)の反対を押し切り女優の夢を叶えるため上京して以来、10年ぶりに故郷に戻った梨枝には、ずっと地元で暮らしている姉と弟がいるが、特に姉とは衝突してばかり。正反対の境遇の姉妹の溝が埋まる日がくるのか。ドキュメンタリーとして受けた仕事なのに、やらせを演出と言い換え、意味のないことをさせる咲のいうことを聞くのもストレスに。梨枝は、崖っぷち女優のレッテルを返上できるのか…。
 

 
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 12月16日の本作上映後に行われた舞台挨拶では、梨枝の姉、真希を演じた三倉茉奈と有働佳史監督が登壇。まずは三倉から観終わったばかりの観客に映画が楽しかったかどうかを問いかけ、大きな拍手が沸き起こると大阪の観客は笑いに厳しいことから舞台挨拶の中でも一番緊張するという有働監督もホッとした様子。大学時代にヤングシナリオ大賞に応募し、最終選考まで残ったことから、一度映画を撮ったら諦めがつくと故郷の熊本県荒尾市を舞台にした映画を作ることを決意したそうで、「そこから映画を完成させるまで17年かかりました。脚本を書き、撮影2日目にコロナで撮影が中断し、しきり直しをしてと6年がかりで作ったので、観てもらえるだけで感無量です」と映画のいきさつを説明。
 三倉とは2017年に企画・脚本・演出した舞台「結婚なんて、クソくらえっ!」に出演してもらったことから、いつか映画でご一緒したいと話していたという有働監督。三倉が演じた故郷から離れて何年も女優業を続けてきた妹、梨枝のことを理解できない姉役に「真逆の役は、俳優の力が発揮できる」と力説。三倉は、最初演じられるか不安だったそうだが、「わたしは大阪出身で大阪の言葉を大事にしたいと思っているので、地元を大事にしたい気持ちはわかります」と言葉をとっかかりに梨枝の役作りに向き合ったことを明かした。
 
 
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  大阪弁にこだわるのと同じように、熊本出身と思われるぐらいきちんと話したいという気持ちから、有働監督と何度も読み合わせをしたという三倉。梨枝とある場所で壮絶な言い合いを繰り広げるシーンの撮影前日に、地元にいる有働監督のいとこから言葉の違和感を指摘され、地元の人がしっくりくる言葉に語尾を修正。三倉は内心動揺しながらもLineでボイスメッセージを送り合いながら、本番までに修正した熊本弁の発音を入念にチェックしたというエピソードも披露した。
 映画の見所は何と言ってもメインの蓮佛美沙子、伊藤万理華、上川周作が素敵だとその演技を賞賛した三倉。「それでも役者にすがりつきたいという言葉を台本で読んだとき、自分自身もこの仕事をやり続けていいのかなと思うこともありますが、もうちょっとやってみようと思えました」とこの作品の魅力を語ると、有働監督も「この作品のテーマはリスタート。僕の半生のようですし、見てくれた人にも重なるところがあると思います。一度倒れた人が起き上がりにくい社会ですが、勇気を持てるようになれば」と本作への想いを語った。
 
 
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  映画館からほど近い梅田芸術劇場で出演中のコンサートを終えたばかりの三倉佳奈も舞台挨拶にかけつけ、客席後方からエールを送ると舞台上の三倉茉奈から「急遽決まった舞台挨拶で友達に声をかけたら、何人か先約ありと断られて。実はそれが佳奈のコンサートだったんです」と友達かぶりのエピソードを披露する一幕も。最後には地元大阪で舞台挨拶ができたことへの歓びを語り、本作への応援を呼びかけた。
 

 
  子育てをしながら父親の世話をし、現実の生活で日々追われている真希と、家族にどんなことが起こっても女優の仕事に命がけでいどむ梨枝との対比から仕事と家族のバランスについて考えたくなるだろう。また、若手ディレクター・瀬野咲と東京から様々なヤラセ指示を出す上司とのやりとりも、業界の悪しき風習を少し毒のあるコメディとして描き出している。それぞれのキャラクターの「リスタート」を、ぜひ目撃してほしい。
(江口由美)
 
 
 
<作品情報>
『女優は泣かない』
(2023年 日本 117分)
監督・脚本:有働佳史 
出演:蓮佛美沙子、伊藤万理華、上川周作、三倉茉奈、吉田仁人、青木ラブ、幸田尚子、福山翔大、緋田康人、浜野謙太、宮崎美子、升毅 
シネ・リーブル梅田、アップリンク京都にて現在絶賛公開中、12月23日よりシアターセブン、12月29日よりジストシネマ和歌山、1月5日よりkino cinēma神戸国際にて公開
(C)2023「女優は泣かない」製作委員会
 

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