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佐藤浩市・横浜流星、ペアルックのようにゆるゆるパンツで登場!『春に散る』舞台挨拶レポート@TOHOシネマズなんば

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■日程:8 月 8 日 (火) 18:30~19:00

■場所:TOHO シネマズなんばスクリーン1

■登壇者:佐藤浩市(62)、横浜流星(26) (敬称略)


 

人生を取り戻そうと、このファイトに賭ける!この夏一番の胸アツ映画

 

今や日本映画界の重鎮と言える佐藤浩市と、作品毎に徹底したキャラクター構築で成長著しい横浜流星をW主演に、静かなる力強さで心を掴む瀬々敬久監督、さらには、若き日々より生き様を問う様な作品で多くの共感と勇気をもたらして来たノンフィクション作家・沢木耕太郎原作の映画化という、まさに豪華コラボレーションで贈る映画『春に散る』が 8 月25 日(金)より全国公開となる。


harunichiru-pos.jpgかつて世界チャンピオン目前で挫折した広岡仁一(佐藤浩市)は、渡米後40年ぶりに帰国し、自分を育ててくれた〈真拳ジム〉を訪ね、父親からジムを引き継いだ真田令子(山口智子)と再会。さらに、かつて〈真拳ジム三羽烏〉と呼ばれていた佐藤健三(片岡鶴太郎)と藤原次郎(哀川翔)を訪ねると、困窮の果てに孤独な日々を送っていることに驚愕する。そこで、3人の共同生活の家を購入。そこへ黒木翔吾(横浜流星)という青年がやってきて、ボクシングを教えてほしいと懇願する。翔吾は不公平な判定負けを期し一度はボクシングを諦めていたのだが、広岡の必殺拳を見た瞬間、再び闘魂に火がついたのだった。こうして、父親を亡くしたばかりの広岡の姪・佳菜子(橋本環奈)も加わり、それぞれが人生を取り戻すかのように翔吾のチャンピオンへの道に賭けていくのだった。


公開に先立ち、8 月 8 日(火)にW主演の佐藤浩市、横浜流星が大阪での先行試写会での舞台挨拶に登壇。作品への想いや現場での様子などを語ってくれた。



harunichiru-bu-500-1.jpg◆瀬々敬久監督について?

佐藤:あんまり仲がいい訳ではないけど、付き合いは長い。一番最初が『ヘブンズ ストーリー』(2010年)という4時間以上もあるインディペンデント系の作品。それからの付き合いなのでもう何本になるのかな~?

横浜:初めての瀬々組参加。とにかく熱かった!最初に、監督から「これにすべてが込められているから!」と言って漫画『ゼロ』を渡された。ボクシング練習場にも頻繁に来られ、その度に漫画の事やボクシングについてなど色々と話して下さいました。

佐藤:瀬々監督は熱いというか、ムダに声がデカい!(笑) ボクシングジムの狭い所でもやたらデカい声を出してる。というのも、瀬々監督は昔ピンク映画を撮っていて、当時オールアフレコ(後で声を入れる)のため芝居を見ながら演技指導をしていたので、段々と芝居が熱くなってくると、「もっと、もっと、もっと~っ!」(笑)と大声で叫んでいた。そん時の癖じゃないかな、声がデカいのは…。(佐藤浩市による瀬々監督再現はナマ芝居を観ているようでに迫力あった)


◆横浜流星は撮影終了後ボクシング・プロテストに合格!プロテストを受けるキッカケは?

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横浜:撮影中から佐藤浩市さんやら皆さんから後押しされたりして、撮影後も練習を続けていた。それに、格闘家への敬意を込めて失礼のないようにしたかったのと、この作品への想いを実証したかった。プロライセンスが取れるのはボクシングだけ。それなら挑戦させてもらおうと思った。

佐藤:ボクシング指導の三浦さんやレフェリー役の人も実際に国際試合でレフェリーしておられるような方で、皆で「やってみたら?」と半ば冗談で言ってたら、本気で受けると聞いて、「あっ、これが彼(横浜)のケジメなんだな」と。普通なら撮影前にライセンス取って撮影に臨むというならわかりやすいが、撮影後に取るということは、彼なりに作品へケジメを付けたんだなと思った。


 

 

◆佐藤のハードなトレーニングシーンについて?

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佐藤:僕は元ボクサー役なのになんでトレーニングしなきゃいけないんだ?と思ったが、2か月前からトレーニングに入った。彼(横浜)は半年以上前からトレーニングしていても、もっとトレーニングしたいというのが滲み出ていた。ミット打ちからシャドウなど一応基本的なことをやった。彼は格闘技へのリスペクトが強い方なので、パンチひとつでもかなり強いし重い。野球でいえば、ブルフェンでキャッチャーがピッチャーの球を受ける時のようにいい音をさせて気持ちを盛り上げるように受けなければならない。しかもいい音を出すためにはミットを引くのではなく受けに出なければならない、それがかなり肘とか肩に響いて堪えた。撮影終わってこれでゴルフできなくなったらプロデューサーを訴えてやろうかと思ったぐらい(笑)。


◆佐藤にミットで受けてもらった感想は?

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横浜:僕はそういう受けの痛みを知っているので、最初は躊躇しちゃうところもあったが、佐藤さんが「本気で来い!」と言って下さったので、お言葉に甘えさせて頂いた。でも、時々痛そうにしておられるのも見て、「申し訳ないな」と。


◆佐藤浩市とは初共演なので、やはり打つのも気兼ねした?

横浜:ボクシングは信頼関係がないと絶対できない。それが撮影前に気持ちを合わせられたので、言葉を交わさなくても距離を縮められた気がして、とてもありがたい時間だった。


◆この作品は人間関係の深い部分で心に響くものがあるが…?

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佐藤:「真拳ジム三羽烏」と呼ばれていた3人が今では〈負け犬〉に近い状況になっていて、そんな男たちが若い奴らからも含め、結果はどうあれ何とか自分たちの人生を取り戻したいという気持ちが滲み出ているような作品になっていると思う。


◆大先輩たちとの共演は?

横浜:幸せな環境の中で「翔吾」として生きられた。僕は12月1日から撮影に入ったが、それでももっと皆さんと居たかったなと思った。でもその儚さがいいのかな?とも思っている。


◆期間が限られている映画撮影について?

佐藤:色んな事情を汲みながらスケジュールは組まれていくもの。「こんなシーンから入る(クランクイン)のか!?」と思う事もあるけど、後で完成したものを見ると、逆算して良かったんだなと思うこともある。この作品でも、キャラクターの背景を多くの言葉で説明はしていないが、何となく観る人が感じ取って頂けるようにはなっていると思う。


harunichiru-500-1.jpg◆佐藤は橋本環奈とのシーンがクランクインだったというが…?

佐藤:そうです、環奈ちゃんと大分での撮影がクランクインだった。「環奈ちゃんのイメージが違って見える」とよく皆さんに言われ、それは良かったと思っている。彼女自身も今までとは違うキャラクターに賭けるものがあったとようだ。セリフで説明しなくても、佳菜子が生きてきたものが滲み出せるように頑張っていたと思う。


◆橋本環奈とは若い者同士?

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横浜:彼女もまた役と真摯に向き合っていて、自分も余裕のなかった時だったので、カメラが回ってなかった時にもあまり話さなかった。芝居を通して心を通わせていくというか、二人のシーンは少ない上に余白もあるので、そこは皆さんで感じ取って頂けると嬉しいなと。


◆大阪キャンペーンの一環として出演した「とんぼりステーション」での生放送は?

佐藤:道頓堀は、まさに深作欣二監督の『道頓堀川』(1982年)で僕が心斎橋を歩くシーンから始まった…僕が23歳の時。あれから多少変わったけど、大阪独自の雰囲気は変わってないような気がする。

横浜:活気付いていたよう。もうちょい映画のことを語りたかったけど(笑)。


◆お祭や花火大会も再開され、ようやく以前に戻ってきたという感じだが?

佐藤:日常を取り戻しつつも、「もう大丈夫なんだよね?」という気持ちが戻ってきたように感じる。

横浜:もっとキャンペーンなどでも大阪に来たい!

佐藤:ほんと、もっと大阪に来たいよね。大阪の方々がどんな感想を持って下さっているのかを聞くのも楽しみだし。


harunichiru-bu-500-2.jpg◆最後に。

横浜:きっと熱い作品になっていると思うので、何か感じるところがあったら是非周りの人たちに広めて下さい。よろしくお願いいたします。

佐藤:本日は暑い中お出で下さいましてありがとうございます。映画はもっと熱いです。予想をはるかに超える感動があります。多くのお土産を持って帰って頂ける作品になっていると思います。今日はお互い打ち合わせした訳でもないのに、ペアルックのように、ゆるゆるパンツです(笑)これで二人の関係がどうなのかわかるでしょう?この作品は、痛いのが苦手の女性でも、それを乗り超えたちょっと違う視点でボクシングシーンを楽しめると思います。どうぞ最後までお楽しみ下さい。
 


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◆原作:沢木耕太郎『春に散る』(朝日文庫/朝日新聞出版刊)
◆監督・脚本:瀬々敬久 共同脚本:星 航 
◆音楽:田中拓人 撮影:加藤航平
◆佐藤浩市 横浜流星 橋本環奈 / 坂東龍汰 松浦慎一郎 尚玄 奥野瑛太 坂井真紀 小澤征悦  / 片岡鶴太郎 哀川翔 窪田正孝 山口智子
◆公式サイト:https://gaga.ne.jp/harunichiru/
◆配給:ギャガ
◆©2023映画『春に散る』製作委員会

2023年8月25日(金)~TOHOシネマズ(梅田・なんば・二条・西宮OS)他全国ロードショー


(河田 真喜子)

 

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