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大泉洋、吉永小百合との親子役に「撮影が始まると吉永さんから生まれて来たとしか思えないぐらい馴染みました」『こんにちは、母さん』合同記者会見

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(2023.7.10ホテルニューオータニ大阪)

登壇者:吉永小百合、大泉洋



konnichiwakasan-pos.jpg山田洋次監督90作目となり、『母べえ』『母と暮せば』に続く「母」3部作の集大成として母と息子の新たな旅立ちを描く『こんにちは、母さん』が、9月1日(金)より全国公開される。永井愛の人気戯曲「こんにちは、母さん」を現代の下町に舞台を移し、映画化。主人公の福江には『母と暮せば』をはじめ、数多くの山田監督作品でタッグを組んだ名優、吉永小百合。息子の昭夫には、山田組も吉永との共演も初となる大泉洋、さらに孫の舞を『キネマの神様』に続いての出演となる永野芽郁が扮し、3世代の家族物語悲喜こもごもと、明日への希望を情感豊かに描いている。


劇場公開に先立ち、大阪で行われた合同記者会見では、「大泉さんとともに心を込めて演じましたので、どうぞよろしくお願いします」と挨拶した吉永に続き、「大泉洋史上一番上品な挨拶にしたいので、どうぞ、わたしを挑発しないで」と大泉が先制パンチ。戦後70年となった2015年に『母と暮せば』で山田監督とタッグを組んだ吉永が、「前より突き詰めていろいろなことをやられていた」と撮影を振り返った。


konnichiwakasan-kaiken-yoshinaga-240-1.jpg◆今までの山田組のお母さんとは違う味を出したい(吉永)

さらに原作は母と息子の物語だったが、途中から山田監督に福江は孫のいる設定にしてはどうかと提案を受けたという吉永。「最初は歩き方が速すぎて、山田監督から指摘されたりもしましたが、孫と友達のような祖母を演じました。息子をなんとか元気にしてあげようという気持ちを持つ、今までの山田組のお母さんとは違う味を出したいと思い、挑みました」と自身の役作りについての考えを明かした。



 


konnichiwakasan-kaiken-oizumi-240-1.jpg一方、山田監督作品の出演オファーを受けたときの気持ちを聞かれた大泉は、「信じられない気持ちでした。山田さんの映画に出られ、あの吉永小百合さんの息子役をやらせていただけるなんて! 撮影が始まると、吉永さんから生まれてきたとしか思えない。今や札幌の母を見て違和感を覚えるぐらい、吉永さんに馴染みました(笑)」。そんな山田監督の演出は緊張感があったというが、「台本にない(現場で加わる)アイデアが面白くて、センスに溢れている。改めて山田監督の映画が面白いというのは、そういうアイデアによるものなのだと実感しました」と感銘を受けた様子。
 

 

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実の息子なら『もっとテキパキしなさい!』と怒られそう(大泉)

初共演のふたりがお互いの魅力や苦労するなと思う点について、吉永は「大泉さんは、いつも何かに興味を持って楽しそうにしているのが魅力です。(苦労ではないが)プライベートでとても高級なお酒しか召し上がらないという噂を伺ったので(笑)」と明かし、大泉が言い訳をする一幕も。一方大泉は、作中の吉永が演じる福江について触れ、「好きな人にフラれ、一升瓶でお酒をあおって酔っ払ったり、デートに行く姿などは実の母にはない魅力です。困るところはないですが、ちょっと元気すぎて動きが速いところでしょうか。わたしはいつもダラダラしているので、実の息子なら『もっとテキパキしなさい!』と怒られそうかなという気がしました」と撮影を通じてお互いの素の部分に触れた様子。


人間の心の温かさを感じてほしい(吉永)

   山田監督がこんなに(映画で)ハラハラさせてくれることに驚いた(大泉)

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さらに本作の魅力について大泉は「この映画を観終わったとき、ある種、普遍的な家族の物語ではあるけれど、じっとしてはいられないような気持ちになったんです。まだ現役世代の男性だと、会社で働く辛さや、大きな決断をするときの潔さなど、昭夫の今後を応援したくなる映画でもあります。また母がひとりの女として好きな人ができ、その恋がどうなるのかとハラハラした気持ちになり、最後はまた(いつもの)母さんの出番だと、親子の姿に勇気付けられるんです。自分を鼓舞してくれる新しい映画で、山田さんが僕らのような若い世代を、こんなにもハラハラさせてくれることに驚きました」と、登場人物それぞれの背中を押す映画であることを表現した。さらに、AIがどんどん生活の中に入り、語り合ったり、手を取り合う機会が少なくなるのではないかと危惧していると前置きした吉永は「人間の心の温かさを感じていただければと思いますし、話し合うことで、息子や友達と手を取り合っていけたら。そういうことをこの映画を通じて感じていただければと思います」と今の時代に必要な映画であることを訴えた。

 

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最後に親子3世代を描いた本作にちなみ、

「わたしたち(シニア)世代の方には、どんな年齢になっても前を向いて、できることをやっていく大切さ。大泉さん世代の人は、ストレスを溜めないように、元気でいてほしい。そして若い世代の人たちは、コロナ禍では学校がオンライン授業で閉塞感を覚えていると思うので、友達を作りましょうと言いたいですね」(吉永)

「老若男女、すべての世代の悩みや考えていることがよく描かれていると思っています。映画好きの人が見ても面白いし、若い人が見ても共感してもらえるのではないかと思います。僕の母の世代なんて、恋をする人が増えるのではないかと思います。いくつになっても恋をするのは素晴らしいことですね」(大泉)

と、各世代へのメッセージを寄せた。


隅田川沿いの下町・向島を舞台に、山田洋次監督がコロナで閉塞感に満ちた現代に送る応援歌。9月の劇場公開を、ぜひ楽しみにしてほしい。
 



konnichiwakasan-550.jpg『こんにちは、母さん』

(2023年 日本 110分)
監督:山田洋次
原作:永井愛
脚本:山田洋次、朝原雄三 
音楽:千住明
出演:吉永小百合、大泉洋、永野芽郁、YOU、桂元萌、宮藤官九郎、田中泯、寺尾聡他

公式サイト: https://movies.shochiku.co.jp/konnichiha-kasan/

9月1日(金)より全国ロードショー


(江口 由美)

 

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