少年は超えた!人生の大きな壁を――
圧倒的美のビジュアルと躍動感で
中国の今を活写する傑作アニメ!
映画『雄獅少年/ライオン少年』は、昨年日本で限定上映されるや否や、中国アニメへの意識を変えるほどの驚愕の作品力が絶賛され、今年改めて日本語吹替版で全国公開されることになった。中国では2021年に公開されて大ヒットし、作品の映画満足度ランキング第一位となる。ビジュアルや技術面では世界のトップを行く中国アニメだが、人間性を重視した奥深い物語性に欠けるのかいまひとつ大きな感動までには至らなかった。だが、本作は違う! 格差社会の底辺で取り残されそうな少年が獅子舞と出会い、境遇脱却のため熱い“獅子舞バトル”に挑む姿を活写! その大迫力の獅子舞バトルは勿論、少年の成長を繊細に捉えたビジュアルや「今を変えよう!」とする強い意志を笑いと涙で綴り、観る者の心を衝き動かす傑作アニメとして誕生したのである。
5月26日(金)からの全国公開に先駆けて、大阪で一般試写会が開催された。上映前に神戸の南京町を活動の場とする、神戸で最も古い獅子舞団体《神戸華僑總会 舞獅隊》が特別ゲストとして登場! 映画の大ヒットと共に、試写会会場である4月に梅田ブルク7から名称を変更した 《 T・ジョイ梅田 》の千客万来を祈願し、本場の獅子舞を披露してくれた。
獅子舞はインドを起源として、中国、日本へも伝わったとされている。霊獣や神として崇められていたライオンをモチーフに、「邪気を払い、幸福をもたらす」象徴として古くから神事として舞われてきた。中国では「舞獅」と呼ばれ、太鼓やシンバル、ドラを打ち鳴らし、二人の舞い手が大きな獅子頭を持つ着ぐるみの中で、時にアクロバティックな動きで獅子の躍動感を表現し、大きな目の動きで無邪気さと優しさを表現。その豊かな表情に魅了されては幸福感に浸れる、まさに芸術的「舞踏」のひとつだと思う。
本作の主人公チュンは、広東省の村で祖父と暮らすひ弱な少年。両親はチュンの進学費用を稼ぐため遠い都会へ出稼ぎに行ったきりで長いこと帰って来ていない。まさしく、苦労して子供を大学へ行かせても就職できない今の中国社会を反映しているようだ。そんなチュンが春節で出会った同じ名を持つ獅子舞の雄姿に圧倒され、今よりも強い自分になろうと獅子舞を志すが、……仲間集めや師匠との交渉に獅子舞バトルへの挑戦など、コメディタッチの単なるアクロバティックなサクセスストーリーではない。度重なる不幸に見舞われながらも、自らの力で乗り超えようとするチュンの成長する姿がまぶしい程に清々しいのである。
これは是非劇場でお楽しみ頂きたい逸品です!
【神戸華僑總会 舞獅隊】
1979年に結成された神戸で最も古い歴史をもつ中国獅子舞チーム。神戸在住の華僑青年が中心となって組織されていて、日本の文化交流に貢献したとして、兵庫県より「ともしび賞」を受賞。5代目隊長の盧健良(ろけんりょう)を中心に、年齢や性別が異なる多様なメンバーが、太鼓やシンバル、ドラを打ち鳴らし、ダイナミックな舞を披露する。華僑として、かつては祝いごとに欠かせなかった伝統文化を継承している。
・Facebook:https://www.facebook.com/bushitai1979/?locale=ja_JP
・Youtube:https://www.youtube.com/watch?v=NBfTvUqPsP4
『雄獅少年/ライオン少年』
原題:雄獅少年 I Am What I Am 2021年 中国 1時間44分
監督:ソン・ハイポン
声:花江夏樹、桜田ひより
公式サイト: https://gaga.ne.jp/lionshonen/
配給:ギャガ、泰閣映畫、面白映画、Open Culture Entertainment
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2023年5月26日(金)~T・ジョイ梅田、 なんばパークスシネマ、シネマート心斎橋 、T・ジョイ京都、MOVIX京都、OSシネマズ神戸ハーバーランド ほか全国ロードショー
(河田 真喜子)