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「宮沢さんの放つ透明感や澄み渡った優しさを全面に出せるキャラクターになれば」長編デビューの葛里華監督と宮沢氷魚がタッグを組んだ『はざまに生きる、春』先行上映会舞台挨拶

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(2023.4.11シネ・リーブル梅田)
登壇者:葛里華監督、宮沢氷魚 
 
 発達障害の特性を持つ天才画家と、仕事も恋もうまくいかない新人編集者の揺れる気持ちをまっすぐに描く『はざまに生きる、春』が、5月26日(金)よりTOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ二条、OSシネマズミント神戸他で全国公開される。
監督・脚本は本作が初長編作となる葛里華と、青い絵しか描かない画家、屋内透を演じた宮沢氷魚を迎えた先行上映会が4月11日、シネ・リーブル梅田で開催され、満席の観客がゲスト二人に熱い拍手を送った。
 久しぶりの大阪で観客のパワーを感じるという宮沢。キャンペーンでまだ外ていないいう多忙ぶりでも、子どもの頃から自宅のガス式のたこやき機で自分で焼いていたという愛着のある味でもあるたこやきが食べたいと熱望。一方、USJの年パスを持つほどの大ファンという葛監督は、舞台挨拶までにUSJ詣をしてきたそうで、グリフィンドールの生徒になる制服を持参してきたと、ハリーポッターワールドを満喫した模様。
 
 
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 発達障害を持つ人に恋をした自分の経験をいつかは映画にしたいと思っていたところ、宮沢が所属するレプロエンタテインメント主催の映画製作企画“感動シネマアワード”を知ったという葛監督。「宮沢さんにぜひ屋内透を演じていただきたいと思い、脚本を書いて企画を出しました」。
 俳優への当て書き作品を募集するという形のため、実際に演じる宮沢も脚本に目を通し、審査をしたという。「想像以上にたくさんの脚本が寄せられたので、それらに目を通す中で、葛さんの書かれた『はざまに生きる、春』が一番印象に残りました。登場人物への愛情深さが文面から伝わってきて、屋内透や小西桜子さんが演じた小向春を本当に大事にして愛しているので、僕はこの脚本を書いた方なら信頼できるし、ぜひこれだけの情熱を注ぎ込んだ作品を僕たちの力で映画化したい。そういう想いから始まった作品です」と脚本から伝わってくる熱や愛情を力説。宮沢が『はざまに生きる、春』に対してたくさん質問を寄せたことから、興味を持ってくれたことが伝わり、本当にうれしかったと当時を振り返った。
 
 
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 本作の要とも言えるのが、発達障害の特性を持つ透の役作り。葛監督や医療監修の先生、発達障害の当事者と話す機会を持ったり、葛監督が撮影した動画を観ながら、発達障害の人の動き方や発声について学びを深めたという。宮沢が体現した透を絶賛した葛監督は、「(発達障害の人と)恋愛をしていたときのわたしの気持ちをベースに、宮沢さんにどういう風に演じていただきたいかと考え、脚本にしていったので、キャラクターや出来事はフィクションも結構多いです」と脚本の経緯を明かした。
 
 そんな透の性格は本当に真っ直ぐで嘘のない人間だという宮沢。「人とコミュニケーションをとるのは得意ではないけれど、自分の思ったことを言葉にして伝え、そこでいくつもの壁にぶつかるのだけど、その純粋さやピュアさが透の見どころなので、ぜひ観てほしいです」とアピール。葛監督も「宮沢さんの放つ透明感や澄み渡った優しさを全面に出せるキャラクターになればいいと思っていました。また言葉を扱うことが苦手なキャラクターでもあるので、イライラしたり、言葉がうまく出てこないときに体やそれ以外のところでどうやって表現するかを、よく話し合いました」と言葉以外での表現方法を模索したという。
 
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 特に印象的なのは透の手の動きだ。「うまく言葉で伝えられないモヤモヤが出てきた時、手で表現したのですが、その理由として透は天才的な画家で、筆で描いたり、時には手で描いたりするので感情が一番伝わるのは手や指先なのではないかと思って、そういうお芝居をしました」と注目ポイントを披露。作中でマンションの壁に手で絵を描くシーンの手の美しさを葛監督が絶賛する一幕もあった。また冒頭、雨の中ではしゃぐシーンに、子どもの頃の無邪気にその瞬間を楽しめた自分を思い出したという。今は雨が降っても鬱陶しいと思ってしまう中、透のようにいつまでも楽しんで、色々なものを吸収できるのが羨ましいと透への思いを吐露した。
 
最後に、
「この映画は宮沢さんが(脚本を)選んでくださって始まりました。映画はお客さまに届いて完成だと思っているので、今日みなさんが観てくださることで完成することを嬉しく思います。観てくださった方が温かい気持ちになればいいなと思い、映画を作っていますので、そういう気持ちになっていただければ嬉しいです。ありがとうございます」(葛監督)
「この作品はとても美しく、こんなに温かい気持ちになる作品は久しぶりです。改めて、人とつながること、関係性を持つことや、人とコミュニケーションを取ることの難しさやその奥にある美しさ、魅力にこの映画を通して気づきました。この先も『はざまに生きる、春』をどうぞよろしくお願いします」
と挨拶し、舞台挨拶を締めくくった。
(江口由美)
 

 
<作品情報>
『はざまに生きる、春』
(2022年 日本 103分)
監督・脚本:葛里華 
出演:宮沢氷魚 小西桜子 細田善彦 平井亜門 葉丸あすか 芦那すみれ
5月26日(金)よりTOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ二条、OSシネマズミント神戸他全国公開
公式サイト→http://hazama.lespros.co.jp/
©2022「はざまに生きる、春」製作委員会
 

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