レポートインタビュー、記者会見、舞台挨拶、キャンペーンのレポートをお届けします。

2022年1月アーカイブ

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日中国交正常化50周年に待望の日本劇場公開

“中国残留孤児”の娘と母の60年にわたる「絆」

『再会の奈良』

1/29(土)奈良県先行公開記念

エグゼクティブプロデューサー河瀨直美 舞台挨拶

 

この度、2月4日(金)より、全国順次公開の映画『再会の奈良』の公開を記念し、1月29日(土)舞台となった奈良県で先行公開中のシネマサンシャイン大和郡山にて本作のエグゼクティブプロデューサーを務めた映画監督の河瀨直美が登壇し、本作の製作を手掛けた背景や本作への想いを語った。


●日時:2022年1月29日(土)14:25~15:00 ※12:30の回上映後

●会場:シネマサンシャイン大和郡山 シネマ5

●ゲスト:河瀨直美(『再会の奈良』エグゼクティブプロデューサー・映画作家)

●MC:枡崎徹



saikainonara-bu-240-1.jpg河瀨直美(以下:河瀨)が登壇するや「このご時世の中、足をお運び頂きありがとうございます。最後のテレサ・テンさんの歌にも込められているように、別れながらも同じ道や未来を歩んでいくんだというポンフェイ監督のメッセージや想いを改めて感じました。」と会場の客席に向かって感謝を述べた。


「なら国際映画祭で『再会の奈良』が観客賞を受賞したことでポンフェイ監督に就任が決まり、プロジェクトが始まりました。中国と日本の懸け橋になりたいという彼の想いがこの作品には込められていたと思います。30代のポンフェイ監督が奈良県御所市で、沢山の方々の支援によってこの作品を作れたことは、なら国際映画祭としても感無量です。奈良がこんなにも美しく、温かい人々がいる街なんだということが世界に発信されたのではないかと思っています。」と挨拶をすると、鑑賞後の会場からは大きな拍手が贈られた。


中国のジャ・ジャンク―監督とともにエグゼクティブプロデューサーとして本作に関わったことについて、河瀨は「古くから付き合いがありますが、ジャ・ジャンクー自身も中国国内で小さな映画祭を企画していて、若い監督にチャンスを与える活動をしています。若い監督が映画を作ることやお金を集めることは、とても困難なことです。わたし自身もなら国際映画祭で、将来の映画文化を担う若手育成の取り組みをしていたので、いつか一緒に誰かをプロデュースしたいねと話していました。そうした時にポンフェイ監督が本作で観客賞を受けたことがきっかけで、ARAtiveの監督に就任した時、すぐにジャ・ジャンクーに連絡をしました。本作は、ジャ・ジャンクーが中国で資金を集め、日本では私が資金集めをしました。彼はライバルでもあり、親しい友人でもあります。」


saikainonara-500-1.jpg印象的なエピソードを聞かれた際に、河瀨が、ポンフェイ監督が本作でサプライズ出演していることを明かすと、上映後の会場からは驚きの声があがった。「あのシーンって実は、中国人同士がやりとりしているシーンなんです!言葉を必要としないでユーモアのある撮影ができる。それがポンフェイなんです!だから、ある時期から一切撮影には口出しをしないようにしました。私は、國村隼さんのキャスティングをしたり、永瀬くんにも友情出演してもらったりとプロデュース業に専念させて頂きました。」と述べた。


この日、撮影場所にもなった御所市から沢山のお客様が来場されている中、河瀨は「日中国交正常化50周年という節目で残留孤児について描くことはとても繊細な事で、ポンフェイ監督と、奈良に住んでいる残留孤児の方々にたくさん取材しました。少し難しいと感じてしまうテーマですが、歴史的背景をポップなアニメで表現するなど、優れた素晴らしい表現をしてくれました。」


NARAtiveの次回作について聞かれた河瀨は、「次回は川上村です!」と発表すると客席からは大きな拍手が上がった。「初めて学生部門から20代の監督が決まりました。林業が盛んな山村地域ですが、日本の林業が衰退していく中で、未来へ繋げたい、続けていきたいという切実な想いが込められています。」と意気込みを語る。


さらにこの日、ポンフェイ監督からビデオメッセージもあり、メッセージを受けた河瀨は「コロナ禍の時代に生きたみんなと共に、次の人たちに大事なことを渡していきたい。日中国交正常化50年の節目にこの作品を皆様に届けられることは、意味のあることだなと思います。」と熱く語り舞台挨拶を締めくくった。


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河瀨直美(かわせ なおみ) プロフィール


映画作家。生まれ育った奈良を拠点に映画を創り続ける。一貫した「リアリティ」の追求による作品創りは、カンヌ映画祭をはじめ国内外で高い評価を受ける。代表作は『萌の朱雀』『殯の森』『2つ目の窓』『あん』『光』など。2020年度公開作品『朝が来る』は、第73回カンヌ映画祭公式セレクション、第93回米アカデミー賞国際長編映画賞候補日本代表。第44回日本アカデミー賞7部門優秀賞受賞。D J 、執筆、出演、プロデューサーなど表現活動の場を広げながらも故郷奈良にて「なら国際映画祭」を立ち上げ、後進の育成にも力を入れる。東京 2020 オリンピック競技大会公式映画総監督、2025年大阪・関西万博のテーマ事業プロデューサー兼シニアアドバイザー、バスケットボール女子日本リーグ会長、国連教育科学文化機関(ユネスコ)親善大使を務める。プライベートでは野菜やお米も作る一児の母。
 


『再会の奈良』

出演:國村隼、ウー・イエンシュー、イン・ズー、秋山真太郎、永瀬正敏
脚本・監督:ポンフェイ エグゼクティブプロデューサー:河瀨直美、ジャ・ジャンクー
撮影:リャオ・ペンロン  音楽:鈴木慶一  編集:チェン・ボーウェン 
照明:斎藤徹 録音:森英司 美術:塩川節子
共同製作:21インコーポレーション 
製作:© 2020 “再会の奈良” Beijing Hengye Herdsman Pictures Co., Ltd, Nara International Film Festival, Xstream Pictures (Beijing)
後援:奈良県御所市 配給:ミモザフィルムズ
中国、日本 / 2020 / 99分 / カラー / 日本語・中国語 / DCP / 1:1.85/ Dolby 5.1 英題:Tracing Her Shadow 中題:又見奈良                                                                                                                                 
【公式サイト】http://saikainonara.com


2022年1月28日(金)~シネマサンシャイン大和郡山、ユナイテッド・シネマ橿原にて、奈良県先行上映中!

2022年2月4日(金)~シネ・リーブル梅田、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
 


(オフィシャル・レポートより) 

「西成ゴローの四億円」(シネルフレ江口).jpg
 
 2020年よりロングラン上映を記録した『ひとくず』、赤井英和とタッグを組んだ『ねばぎば 新世界』の上西雄大監督が、黒社会に手を染めながら娘のために奮闘する壮大な二部作『西成ゴローの四億円』『西成ゴローの四億円-死闘篇-』を完成させた。2021年10月に開催された京都国際映画祭でワールドプレミア上映された同作が、いよいよ2022年1月28日(『西成ゴローの四億円』)と2月4日(『西成ゴローの四億円-死闘篇-』)より関西で先行公開される。
 記憶を失い、刑期を終えた今は西成の日雇い労働者の土師晤郎(上西雄大)、人呼んで「人殺しのゴロー」が、自分が政府の諜報機関員であったこと、難病の娘の手術代を工面するため妻が苦境に陥っていることを知り、治療に必要な4億円を稼ごうと闇社会で奮闘する人情あり、アクションありのクライムエンターテインメント。後篇となる『西成ゴローの四億円-死闘篇-』では、新型ウイルスを題材に、石橋蓮司、奥田瑛二、木下ほうかが演じる各組織のフィクサーたちが大きく動き出し、数々の死闘が繰り広げられる。『ひとくず』を彷彿とさせる親子愛は健在、さらに毎作パワーアップしている徳竹未夏、古川藍が今回は姉妹役を演じ、アクションに恋にと奮闘する様子も見どころだ。そして、一番の見せ場と言える加藤雅也が演じるアサシンヘッド、ゴルゴダとゴローの死闘は、アクションだけでなく、関西弁のボケ・ツッコミ対決も存分に楽しめる。色とりどりな西成の住人たちが、上西作品ならではの味わい深さを醸し出している。
 本作の監督・脚本・主演を務める上西雄大さん、出演の木下ほうかさん、加藤雅也さんにお話を伺った。
 

 
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――――今回、西成を舞台にした意図は?
上西:前作の『ねばぎば新世界』は実在する新世界をモチーフにしていますが、『西成ゴロー〜』の舞台となった西成は、『バッドマン』シリーズで言えばゴッサムシティのようなものです。ただ西成というキーワードは関西人にとってある種のイメージがあるので、その傍に生きる人間を描き、そこで生きるヒーローを描いています。
 
加藤:実に面白い街だし、あり得ないことがあり得ると思わせる街というのは、それだけで映画なんだよね。
 
 

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■上西組初参加の加藤雅也が語る上西監督の才能と、日本映画界の問題点

――――木下さんは『ひとくず』の時、まだ映画監督としては無名だった上西さんの脚本を読んで出演を快諾し、木下さんが出演されていることがその後映画を広めて行く際にも大きな力になったと思います。あっという間に、本作のようなビックバジェットのエンターテイメント大作を手がけられるようになりましたね。
木下:当時は、こんな大作を撮ることになるとは思わなかったです。僕自身は見ず知らずの若い監督の卒業制作に出演することもあるし、中には撮影したけれどお蔵入りになってしまう作品もたくさんある。そんな中の一つぐらいと思っていました。初めて夜中のファミレスで上西さんに出演を打診された時は、本当に映画ができたらいいなという感覚でした。
 
――――加藤さんは『ひとくず』や上西さんが映画を撮られていることを以前からご存知だったのですか?
加藤:主演作『影に抱かれて眠れ』に上西さんも出演されていて、僕に「映画を作ったんですけど、観てくれませんか」とDVDを渡してくれたのですぐに拝見しました。『息もできない』のような、本当に釜山で育った人がそこで作った釜山の映画という匂いがあり、すごく面白いと伝え、当時はまだ監督として無名だったけれど、僕は「絶対に面白いからやりな!」と、応援コメントを書いたりもしました。上西さんは最初からすごい才能だと思っていたし、誰でも最初は小規模の作品から始まりますが、ハリウッドなどでは才能が認められるとすぐにビックバジェットの映画を撮れる。『西成ゴロー〜』のような作品を撮ったことへの驚きがあるということは、日本の現状がそうはなっていないからで、僕にとってはナンセンスですね。日本映画は300万円で撮った映画が素晴らしいから、次は倍の600万円で作ってみろという発想だから発展せず、ダメになってしまう。全ては因果応報です。本当なら次は1億円、その次は10億円出さないと。上西さんはまだまだ伸びる余地はあると思うので、あとは製作費をどう調達するかですね。
 

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■関西弁をしゃべる加藤のカッコよさから生まれた、ゴローとゴルゴダの名シーン

――――加藤さん演じるゴルゴダは、ゴローの敵ではあるけれど、二人のやりとりや対決を見ていると、どこか通じ合うところも感じられ、男子高校生のケンカみたいな愛らしさも感じられました。あのアクションやセリフの応酬はどのように作り上げていったのですか?
上西:加藤さんとは、フジテレビの終戦ドラマでご一緒させていただいたのが最初でしたが、こんなにカッコいい人間がいるんだと感動しました。お話をさせてもらうと、関西弁をしゃべる加藤さんがまたカッコよくって、ゴローとも渡り合えると思ったので、脚本も加藤さんは当て書きにして、関西弁でやり合えるようにしました。映画では描いていませんが、ゴルゴダは戦場で育ち、子どもの頃から機関銃を持っていたところを百鬼万里生(なきりまりお)に拾われてアサシンヘッドになったという生い立ちを設定し、ジュリアーノ・ジェンマのくだりではそのイメージを受け渡し、共有し合いました。
 
加藤:「知らんけど」の応酬は、上西さんが言っているのに被せてみたら、それでGOサインが出ましたし、最後ももう少しカッコよくしたいねと試行錯誤したんです。単に殺すとかやっつけるというのではない、殺し屋同士しかわからない世界観を出したくて、ジュリアーノ・ジェンマがなぜか出てきて打ち合う。生まれる場所が違っていたら逆の立場になっていたかもしれないし、友達になっていたかもしれない。そういう感覚が出せればいいなと思いましたね。

 

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■名ラスボスを演じた木下ほうか、「純粋な関西のノリを作品に残せた」

――――今回は奥田瑛二さんや石橋蓮司さんなど、錚々たる俳優が個性的なラスボスを演じる中、木下さんが演じる秘密結社テンキングスの百鬼万里生は異彩を放っていましたね。超高速瞬きなど、不気味さと可笑しさが表裏一体でした。
木下:最初はこんなでっかい帽子を被って大丈夫かなと、抵抗がありましたね。馴染むまでに少し時間がかかりましたが、映画館で観るともっと帽子のツバが大きくてもよかったと思います。僕たちの主観で見ているものはアテにならないですね。杖もカッコつけ過ぎじゃないかとか。「杖、持つ?」と思いましたね。
 
上西:死闘篇に来ていただいたラスボスの皆さんは、衣装が被らないように、それぞれに合わせた印象深いものにしようと、すごくこだわりました。ゴルゴダの紫のロングコートもオーダー品ですし、百鬼万里生もずっとスーツ姿です。逆に石橋蓮司さんは、ずっとヤクザの衣装ですね。
 
木下:このキャストの中だとよほど頑張らなければ印象が薄れてしまう。とはいえ、我々は見せかけだけ作り込んでもバレるのです。発する言葉が重要ですから、今回、それはうまくいったこともありますね。関西弁の微妙なリズムで脅してみたり、関西人しかやり合えないパチパチ瞬き合戦とか、純粋な関西のノリを作品に残せたことがうれしいです。ただ、それが観客に伝わるかどうかは別ですが。東京の先行公開では何も聞こえてこなかったな…。
 
加藤:例えばアメリカで言えば『プリティ・ウーマン』のリチャード・ギアは彼しかできない演技をしているけれど、普通の人を演じているのでアカデミー賞には届かない。普通の人を演じることの難しさがなかなか認知されないんです。ほうかさんが演じた百鬼万里生は他の人には演じられない。よくわからない人物を、ほうかさんが演じて「普通にあるな」と思わせたのが面白いんです。脚本では百鬼万里生が突然ブチ切れて標準語で話すところを、アドリブで関西弁にてまくしたてたのは、名シーンですよ。
 
――――新種のウイルスという設定も登場しますが、コロナと重なるウイルスを映画の中にも入れようとした狙いは?
上西:まさにコロナ禍の真っ只中で脚本を書いていましたが、その当時映画を作っていた人は、世界にコロナがあるのかないのかを選ばざるをえない。全くなくすのも不自然だし、描いても描ききれない。だから国際陰謀論的なコミックの世界を取り入れながら、擬似的に描いています。
 
 
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■関西のリズムがある、関西発信の映画

――――加藤さんは奈良、木下さんは大阪とお二人とも関西出身、特に加藤さんは久しぶりの大阪ロケ作品ですね。
加藤:かつては「ミナミの帝王」など関西発のドラマに呼んでもらいたいと思ったことがありましたが、関西出身というイメージがないせいか、オファーがなかった。それは、僕がデビュー後自ら外国に行ってしまったからで、原因を作ったのは全て自分、因果応報なんです。だから、こうやって関西弁の映画ではなく“関西の映画”に出演できるのはうれしいです。
僕の出演作で『彼女は夢で踊る』は広島、『ココロ、オドル』は沖縄で撮っているのですが、それぞれにその場所の空気感があり、時間の流れなのか何かがやっぱり首都圏で撮るのとは違うんです。それが面白いので、今後も関西のリズムがある、関西発信の映画を作ってほしいし、出演したいですね。
 
木下:僕は大阪出身なので、めちゃくちゃトクしましたね。上京して、標準語の次に多い言語を使う劇が関西弁なんです。Vシネのレギュラーもやらせてもらいましたし、つくづく関西人で良かったと思っています。
 
上西:関西人だからこそ手渡せるニュアンスがあるんですよ。
 
木下:それは関西人の間とノリなんです。これはなかなか(関西人を演じようとする人に)伝えにくい。
 
――――ありがとうございました。最後に、これからご覧になるみなさんに、メッセージをお願いいたします。
上西:ロングラン上映の『ひとくず』からずっと映画を作り続けていますが、『西成ゴロー〜』は監督として作った最新作であり、今の集大成が『西成ゴローの四億円-死闘篇-』です。『西成ゴローの四億円』と2本合わせて、ぜひご覧いただければと願っております。
(江口由美)
 
 

<作品情報>
『西成ゴローの四億円-死闘篇-』(2021年 日本 124分)
監督・脚本・プロデューサー:上西雄大
出演:上西雄大、津田寛治、山崎真実、徳竹未夏、古川藍、笹野高史、木下ほうか、阿部祐二、加藤雅也、松原智恵子、石橋蓮司、奥田瑛二
2022年2月4日(金)よりイオンシネマ シアタス心斎橋、2月5日(土)より第七藝術劇場、2月11日(金・祝)より京都みなみ会館、2月18日(金)よりアップリンク京都他全国順次公開
 
『西成ゴローの四億円』(2021年 日本 104分)
監督・脚本・プロデューサー・編集:上西雄大
出演:上西雄大、津田寛治、山崎真実、徳竹未夏、古川藍、波岡一喜、奥田瑛二
2022年1月28日(金)よりイオンシネマ シアタス心斎橋、京都みなみ会館、1月29日(土)より第七藝術劇場、2月11日(金・祝)よりアップリンク京都他全国順次公開
 
公式サイト →  https://goro-movie.com/
 
(C) 上西雄大
 

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『あゝ、荒野』(17) で国内映画賞を総なめにした

岸善幸監督が主演有村架純と挑む希望と再生の物語

『前科者』

有村架純 森田剛 磯村勇斗 石橋静河

記念すべき本作初イベントに超豪華キャスト集結!

有村架純「こういった世の中だからこそ、助け合うことが必要」

 

「ビッグコミックオリジナル」(小学館)にて2018年1月から連載が始まった原作・香川まさひと、作画・月島冬二による漫画「前科者」が、岸善幸監督により実写映像化され、WOWOWにて2021年11月20日(土)より連続ドラマが放送・配信、日活・WOWOWの共同配給で来週1月28日(金)に映画が公開します。


原作はテレビドラマ「監察医 朝顔」の原作や『羊の木』(18)といった映画の脚本も手掛ける香川まさひとが、罪を犯した「前科者」達の更生・社会復帰を目指し、彼/彼女らと向き合い奮闘していく保護司の姿を描いた作品で、2019年「第3回さいとう・たかを賞」の最終候補に選ばれた社会派ヒューマンドラマです。

監督は岸善幸。2017年に公開された『あゝ、荒野』では、数々の賞を受賞するなど、今最も次回作が期待される岸監督が脚本と監督を務め、満を持して『前科者』を本格社会派エンターテイメント作品として描き出します。

主演を務めるのは、大ヒット映画『花束みたいな恋をした』(21)での好演が記憶に新しい有村架純。有村が演じる主人公・阿川佳代は、罪を犯した「前科者」達の更生・社会復帰を目指し、彼らと向き合い奮闘していく保護司の女性です。共演には、佳代の元で更生し社会復帰へ近づいていたが、ある日忽然と姿を消し再び警察に追われる身となる男・工藤誠に6年ぶりの映画出演となる森田剛が務めます。

さらに脇を固めるキャストには磯村勇斗、リリー・フランキー、木村多江、若葉竜也、マキタスポーツから、ドラマ版の続投となる石橋静河、北村有起哉、宇野祥平に加え、様々な作品で存在感を放つ個性派、演技派俳優たちが集結しました。


有村架純や森田剛、磯村勇斗、石橋静河、そして本作の岸善幸監督が登壇する、公開直前舞台挨拶を開催しました。本作の見どころなどをたっぷり語っていただきました。
 


《 映画『前科者』 公開直前舞台挨拶 概要 》

◆日時:1月20日(木) 18:30〜19:00

◆会場:TOHOシネマズ 日比谷 スクリーン12

◆登壇者(敬称略):有村架純、森田剛、磯村勇斗、石橋静河、岸善幸監督



zenkamono-pos.jpg「ビッグコミックオリジナル」で連載中の人気コミック「前科者」を有村架純主演で映画化した『前科者』の公開直前舞台あいさつが1月20日(木)にTOHOシネマズ日比谷で行われ、保護司の阿川佳代を演じた主演の有村架純に加え、佳代の保護観察対象者となる工藤誠を演じた森田剛、佳代の最初の保護観察対象者で良き理解者の斉藤みどりを演じた石橋静河、佳代の中学時代の同級生で刑事の滝本真司を演じる磯村勇斗、岸善幸監督が登壇。共演者たちの印象や撮影の裏側などについて語った。


「ビッグコミックオリジナル」で連載中の人気コミック「前科者」を有村架純主演、連続ドラマ&映画という形で実写化した本作は、"前科者"たちの更生、社会復帰を目指し、保護司が奮闘する姿を描き出した感動作だ。WOWOWで放送されたテレビドラマ版では主人公の佳代が、保護司として成長していく姿が原作に準じて描かれていたが、今回の映画版では、テレビドラマの3年後の世界をオリジナルストーリーで描き出す。


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映画上映前、大勢の観客で埋まった劇場にやってきた有村は、「ちょうど1年前に撮影をしていたんですが、気持ちはまだホットなままで今日を迎えています」と切り出すと、「この作品を観て、ひと筋の光を感じられるような、背中を押されるような作品となればいいなと思っています」とあいさつ。また、岸監督も「それぞれの立場の人たちがどう生きて、過去の傷に立ち向かっていくのか。そのあたりを脚本には書いたんですが、現場では(俳優陣に)お任せでした。みなさんのお芝居がとにかく素晴らしかったです。ありがとうございました」とキャスト陣の芝居に満足げな様子を見せる。

 

 


zenkamono-bu-morita-240.jpg今回、初共演となった森田について、有村は「役柄のこともあって。現場で多くのことを話すこともなかったんですけど、山場のシーンを乗り越えて、残り2日というところでようやく『趣味は何ですか?』という話をすることができました。お芝居をしている時は目線を合わすことがなかったんです。だからお話をした時に初めて(森田の)瞳を見たんですが、その美しさにハッとさせられてしまって。その瞳の奥から感じられる心根の優しさがあって。(作品は)緊張感がある撮影だったけど、その瞳に救われたような気がしました」とコメント。対する森田は「有村さんの現場のあり方もそうですし、役を通しての人への寄り添い方や、あきらめない強さというか、パワフルなところも見られたので、うれしかったですね」と返した。

 


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そしてドラマ版に続いて映画版にも出演することになった石橋について、有村が「わたしにとっても石橋さんの存在は大きくて。彼女が現場にいるだけで、肩の荷が下りるというか。和やかな雰囲気で撮影できました」と語ると、それを聞いた石橋も「大好きです!」とラブコール。「やっぱり座長として、みんながついていきたくなるし、みんなを包み込んでもくれるんですけど、だけど話してみるとおちゃめだし。素晴らしいリーダーです」と有村のことを称賛するひと幕も。


さらにNHK朝の連続テレビ小説「ひよっこ」で共演した磯村について、有村は「4年ぶりの共演で。本当に久しぶりという照れくささもありながら。でもこの4年の中できっと、お互いにいろんなものを見てきただろうし。(磯村が)とても充実した目をされていらっしゃったので。その姿を見た時に、そういう姿でお互いに再会できたのは、とても喜ばしいことだと思いますし。でもご本人の性格は変わっていなくて。いつも穏やかで、自分自身に向き合っている方なので。その力強さみたいなものはずっと持っていらっしゃる方だなと思いました」とコメント。


zenkamono-bu-yuto-240.jpg対する磯村も「本当にこの撮影を楽しみにしていましたし、二人の初日が再会のシーンでした。ちょうど4年たっての久々の共演ということで、感慨深いものがありました。前回は夫婦の役だったんですけど、今回は真逆のアプローチでやらなければいけなかったのですが、安心感もありましたし、前と変わらず、ずっと前にしっかりと立っていてくださるので、こちらも何でもやりやすいというか。何を投げても受け止めてくれる。だからお芝居をしていても楽しかったですし、人としても、女優さんとしても大きく羽ばたいているなと思いました」と振り返った。


さらに映画のテーマにちなんで「勇気づけられたもの」というテーマで質問された磯村は、「(有村)架純ちゃんの存在が大きいかも」と返答。「朝ドラで一緒にやって。今でも連絡を取りあったりするんですけど、いつも『お互いに頑張ろうね』と送ってくれるんです。その『お互いに』という言葉に、僕も頑張ろうと思えるんですよね。そもそも先に進んでいる方なのに、まだまだ貪欲に作品や芝居を突き詰めようとする姿は刺激になりますし、頑張っている同世代がいて、頑張ろうねと言ってくれるとそりゃ頑張らなきゃいけないだろうと。僕もムチをたたかれるように、刺激をもらっていますし、一緒に頑張りたいなという意味でも勇気をもらっていますね」と語ると、有村も「そうですね。大切な仲間なので」と笑顔で返した。


イベントの最後に有村は「被害者とは、加害者とは、人とは…。さまざまなことを考えさせられます。この映画を観ても、正解はわからなくて、正解もないのかもしれない。でもこういった世の中だからこそ、助け合うこと、寄り添うこと、許し合うことが必要なのかなと思います」と締めくくった。


映画『前科者』は1月28日より全国公開。映画の3年前を描いたWOWOWオリジナルドラマ「前科者 -新米保護司・阿川佳代-」はWOWOWオンデマンド、Amazon Prime Videoで見逃し配信中。1月29日にはWOWOWプライムで一挙3時間にわたり再放送される。
 


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【ストーリー】

罪を犯した者、非行のある者の更生に寄り添う国家公務員、保護司。

保護司を始めて3年の阿川佳代(有村架純)は仕事にやりがいを感じ、様々な「前科者」のために奔走していた。

そんな中、阿川が担当している物静かな工藤誠(森田剛)は更生を絵に描いたような人物で、阿川は工藤が社会人として自立する日は近いと楽しみにしていた。しかし、工藤は忽然と姿を消し、再び警察に追われる身に。一方その頃、連続殺人事件が発生。捜査が進むにつれ阿川の壮絶な過去や、若くして保護司という仕事を選んだ理由も次第に明らかになっていき――。
 

原作:「前科者」(原作/香川まさひと・月島冬二「前科者」(小学館「ビッグコミックオリジナル」連載))
監督・脚本・編集:岸善幸
出演:有村架純 磯村勇斗 若葉竜也 マキタスポーツ 石橋静河 北村有起哉 宇野祥平 リリー・フランキー 木村多江 /森田剛
制作プロダクション:日活・テレビマンユニオン 配給:日活・WOWOW
© 2021香川まさひと・月島冬二・小学館/映画「前科者」製作委員会

映画版公式サイト:zenkamono-movie.jp 
公式Twitter:@zenkamono_jp 
公式facebook:zenkamono.official
ドラマ版公式サイト:https://www.wowow.co.jp/drama/original/zenkamono_drama/

映画版:2022年1月28日(金)公開

ドラマ版:WOWOWオンデマンド、Amazon Prime Videoで見逃し配信中


(オフィシャル・レポートより)

 
 

akaikoinu-bu-550.jpg愛する家族がある日突然、愛情の分だけでっかくなっちゃった!?

笑顔と涙に包まれた、和気あいあい&感動のファミリー試写会で花澤香菜が 2022 年に“でっかくしたい”野望を告白!

“でっかくなっちゃった”といえばこの人、マギー審司もペット(?)を連れ登場!

 


■日 時 : 1 月 16 日(日)

■会 場 : スペース FS 汐留(東京都港区東新橋 1 丁目 1−16)

■登壇者 : 花澤香菜(主人公・エイミー役)、マギー審司(応援インフルエンサー)


出会った時は、赤くてちっちゃい可愛い子犬ちゃん。

一夜明けたら、子犬のままでっかくなっちゃった!?


akaikoinu-pos.jpgアメリカの児童文学作家ノーマン・ブリッドウェルが 1963 年に発表し、今なお世界で愛されている児童文学作品を原作に実写映画化。『でっかくなっちゃった赤い子犬 僕はクリフォード』が、東和ピクチャーズ配給にて、1 月 21 日(金)より全国公開となります。

昨年 11 月 10 日に公開を迎えた全米ではコロナ以降の“ファミリー映画”では最高のスタートとなるオープニング 5 日間で2,200 万ドルを記録、早くも続編の製作も決定するというでっかいスタートを切りました!


日本語吹替版キャストには、たしかな人気・実力と、犬への大いなる愛を兼ね備えた、ワンダフルな豪華声優陣が集結!チャーミングで憎めないクリフォードに大きな愛情を注ぐ、大切な相棒となる主人公の女の子・エミリー役には、「鬼滅の刃」や、『劇場版 呪術廻戦 0』など超話題作へ次々に出演、目覚ましい活躍を続けすっかりお茶の間でもお馴染みの花澤香菜!エミリーに好意を寄せ、困ったときには手を差し伸べてくれる同級生オーウェン役には、三森すずこ、さらに金丸淳一、諏訪部順一がでっかい大騒動を彩ります。


この度、映画の公開にさきがけ、1月16日(日)に”でっかいヒット”を願って、ファミリー試写会を実施いたしました!日本語吹替版で主人公のエミリーを演じた花澤香菜とさらに、“でっかくなっちゃった”といえば、日本でこの人しかいない!?本作の予告編ナレーションを務め、応援インフルエンサーとしても活動中のマギー審司が登壇!映画の魅力をたっぷり語り合いながら、2022年”でっかくしたい”ことを明かすなど、元気いっぱいの子どもたちの、大きな笑いと涙あふれるあたたかな試写会イベントとなりました!


<以下、レポート>

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映画『でっかくなっちゃった赤い子犬 僕はクリフォード』(1月21日(金)公開)のファミリー試写会が1月16日に行われ、主人公エミリー役の日本語吹替えを担当した花澤香菜、本作の予告編ナレーションを担当した”応援インフルエンサー”のマギー審司が登場。天候に恵まれた休日とあって、元気いっぱいの子どもたちとファミリーが映画を楽しんだ直後の会場に2人が姿を現すと、大きな拍手と笑顔で迎えられました。


akaikoinu-bu-240-3.jpgマギーがさっそく「でっかくなっちゃった、のタイトルと、しかも赤いジャケットと赤い子犬、これだけでお仕事をいただきました!みんな予告編見てくれたのかな?喋ってたのおじさんだよ?おじさんは実は手品ができる人だから、あとでYoutubeで見てみてね!(笑)」と盛り上げ、続いてクリフォードのぬいぐるみを手にした花澤が「皆さんこんにちは!映画、面白かったかな?」と呼びかけると再び大きな拍手が巻き起こりました。実力と人気はもちろんのこと、犬好きなことから今回の役のオファーが届いた花澤は、「大好きなんですけど、わたし犬猫アレルギー持ちなんです…小さい頃にワンちゃんを飼っていたんですが発症して、おじいちゃんのところへ預けることになって。でも、こんなにでっかいワンちゃんがいたらモフモフしたいですよね・・・切ないんです…!」と吐露、「アレルギーの方のワンちゃん欲も満たしてくれる作品だと思います!」と力説。


するとマギーが「今日実は、うちのペットを連れてきてるんですよ!」と、ポケットから「いるのよ、ここに…ほら!」とお馴染みのラッキーが登場!ダンス、催眠術と次々に繰り出す絶妙なラッキーの芸に子どもたちからも大喝采、花澤も生ラッキーとの遭遇には「最高ですね!動かなくなる催眠術もシュールで!(笑)」と興奮の様子で会場が沸き立ちました。


akaikoinu-bu-240-2.jpg映画を振り返りながらマギーが「この映画を一言で言うなら”可愛い”ですよね、もう本当に可愛すぎて!公開されたら、犬派・猫派はほとんどが犬派になるんじゃないでしょうか」と話すと、花澤も「犬派、増えそうですね!でっかいのにあれだけ愛くるしいギャップや、笑いどころもたくさんあって、大人もクスっと笑えるんです」と共感した様子で、さらに「すごく素敵な言葉が出てきて、勇気をもらえるんです。エミリーは学校で馴染めていなくて、でも周りで支えてくれている大人たちがユニークなキャラが多くて、エミリーちゃんが言う『世界を変えるのはいつもユニークな人たちなんだ』って言葉はとても勇気づけられますね。


それぞれで輝ける場所があるんだよ、と育っていて、クリフォードと一緒に成長していくのもすごく素敵です。一緒に暮らすのは大変そうではありますが…食費が大変そう!」と作品の魅力を語り、マギーも「動物が大きくなる映画って襲われたり怖いイメージが結構あったんですけど、こんなに大きくなっているのに可愛いまま、みんなに大好きになってもらえるなんて今までにない映画だなと思います」とアピールしました。


作品タイトルにちなみ、2022年に<でっかくしたいこと>に話が及ぶと、マギーが「コロナ禍でマジックの仕事が少し減っていて、趣味で食パンを作り始めたんです。小麦粉から練って3~4時間かけて、動画とかをアップしながらやっているので、今年は”耳まで美味しいパン”として売り出そうかなと!手品がんばれよ(笑)って話なのですがコロナ禍で機会がなかなか少ないんです」と新たな分野への進出をにらむと、花澤は「今回、吹替でエミリーちゃんと同じように幸せな気持ちにさせてもらったので、まだまだ吹替のお仕事をでっかくやりたいです!お母さま方、韓国ドラマとかお好きですよね…?ベタですが『愛の不時着』からハマりまくっていまして、この吹替できたら楽しいだろうな~と。ちょっと振り回す系とかやってみたいですね!」と心の願いをのぞかせながらの野望を告白して会場を沸かせました。


akaikoinu-500-2.jpg最後にいま一度、マギーが「今日たくさんお越しいただいているようにご家族の皆さんから、カップルでもいいし、どんな年齢層でも楽しめて観終わった後にニンヤリといい気持ちで帰れると思うので、ぜひ大切な人と観てほしいです!」と呼びかけると、花澤も「新年早々から、本当に笑って幸せな気持ちになって劇場を出られる作品です。この作品は絵本から生まれていて、もっとクリフォードのことを知りたくなったら是非絵本も楽しめますし、子供も大人も、お友だちも誘って観に来て欲しいです」と力を込めてイベントが終了。参加したファミリーには、大きな笑いと涙がそこかしこで見られ、和気あいあいとしたトークの盛り上がりが、翌週末に迫った本作の日本公開への弾みとなる笑顔あふれる試写会となりました。
 


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【ストーリー】

僕の名前は、クリフォード。実は、大きな問題を抱えてまして…。

僕まだ正直右も左もわからない子犬なんですけど、朝起きたら、でっかくなっちゃってたんです!

どうやら僕をニューヨーク・マンハッタンの公園で拾ってくれた寂しがり屋のシティガール・エミリーの愛情の分だけでっかくなっちゃったらしいのです。それだけでも僕の人生、大問題なんですが、さらになぜか大企業の社長さんが僕のことをさらおうとするんです…。しかもかなり手荒く。でも、エミリーも、友達のオーウェンも、そしてエミリーのおじさんケイシーも、さらに変わりものの近所の人たちも僕を守るのに大奔走してくれて。果たして、これからどうなっちゃうんでしょうか、僕…。
 

■キャスト:ダービー・キャンプ、ジャック・ホワイトホール、アイザック・ワン、トニー・ヘイル
■吹替キャスト:花澤香菜(エミリー)、三森すずこ(オーウェン)、金丸淳一(ケイシ-)、諏訪部順一(ティエラン)
■監督:ウォルト・ベッカー『アルビン4 それゆけ!シマリス大作戦』
■原作:ノーマン・ブリッドウェル「クリフォード おおきなおおきなあかいいぬ」
■製作:ジョーダン・カーナー、イオル・ルッケーゼ
■音楽:ジョン・デブニー『グレイテスト・ショーマン』
◆邦題:『でっかくなっちゃった赤い子犬 僕はクリフォード』
◆原題:『Clifford the Big Red Dog』
◆北米公開:2021 年 11 月 10 日
© 2021 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.
■公式サイト: https://deka-koinu.jp/

■公式 twitter:https://twitter.com/ParamountFamJP
■公式 Instagram:https://www.instagram.com/ParamountFamJP/

2022年1月21日(金) より TOHO シネマズ日比谷ほか 全国ロードショー!


(オフィシャル・レポートより)

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孤独に生きてきた二人が出会ったとき、抑えていた狂気が目覚める。

男の狂気を描く、バイオレンス・アクション・ムービー

映画『Pure Japanese』


■日程:2022年1月12日 (水)

■場所:新宿バルト9 スクリーン9(新宿区新宿3丁目1‐26 新宿三丁目イーストビル13階)

登壇者(敬称略):ディーン・フジオカ(41)、蒔田彩珠(19)、坂口征夫(48)、松永大司監督(47)

■MC:伊藤さとり



PureJapanese-pos.jpg映像・音楽・ファッションなど様々なカルチャーシーンで活躍するディーン・フジオカ(『空飛ぶタイヤ』『海を駆ける』)が企画・プロデュースを手掛け、さらに主演も担う『Pure Japanese』1月28日(金)に全国公開となります。


『朝が来る』で渾身の演技を披露し、映画界が注目する若手女優・蒔田彩珠をヒロインに、国内外で数々の映画賞を受賞した『トイレのピエタ』、『ハナレイ・ベイ』の松永大司監督によるタッグが実現。そんな松永大司が監督、脚本は『合葬』の小林達夫による完全オリジナル作品。そして共演者として、別所哲也渡辺哲金子大地村上淳嶋田久作といったヴァラエティに富んだ個性派俳優たち、さらにDDTプロレスリングプロレスラー・元総合格闘家として活躍する坂口征夫が参加!


この度、本作の完成を記念し、完成披露舞台挨拶が開催され、本作の企画・プロデュース、主演を担ったディーン・フジオカ、共演の蒔田彩珠、坂口征夫といった豪華キャスト陣に加え、メガホンをとった松永大司監督が登壇いたしました。


PureJapanese-bu-240-1.JPG企画・プロデュースを手掛け、さらに主演も担うディーンは「シンプルに感動しています!」と完成披露舞台挨拶の開催をよろこび、「素晴らしい出会いに恵まれ、このクルー(仲間たち)と一緒に、企画立ち上げから、脚本完成、撮影オールアップ、ポスプロなど、都度都度フレッシュな感動と向き合ってきました」としみじみ語り、「まずは、お客様に観ていただくこの場所にたどりつきました!」と感謝を伝えた。「言い出しっぺなので、責任を持って最後までやり遂げることこそが、自分がやるべきことだと思っていました」と映画作りを振り返り、スタッフ、キャストだけでなく、作品を観る観客も、仲間、同志のような気持ちでいると明かすディーンに会場から労いの拍手が贈られた。

 


 

 


PureJapanese-bu-240-2.JPG蒔田は撮影中のディーンについて「自分の役だけでなく登場人物全員の役のことを考えていらっしゃいました。真っ直ぐ作品と向き合っている姿がかっこよかったです」とにっこり。蒔田のコメントに少し照れた表情を浮かべながら「現場の指揮は監督に任せて、撮影中は役者として立っていたいという思いでした」と振り返ったディーンだったが、「(現場で仕事を)お願いした人に委ねることが信頼の表現の形だと思っていました。ただ、溢れる思いが(自分の中に)あったのでしょうね。さまざまな場面でその想いが滲み出ることはありました」と微笑んでいた。ショットガンを使用したアクションシーンに挑戦した蒔田が「女子高生のアユミには自分と近いところが多いと感じていました。怖い人たちとやりあうシーンは、刺激的でした(笑)」と地元のヤクザ長山組を率いる陣内を演じた坂口を見つめ微笑むと、「すみません、怖い人で」と坂口がお詫びをする場面もあった。


PureJapanese-500-3.JPG坂口はディーンの姿から、ただならぬ決意と覚悟と侍を感じたという。「すべてにおいて真っ直ぐなんです。話をしていても、芝居をしていても。自分は曲がってばかりなので(笑)、憧れの目で見ていました」と思いを伝えると、ディーンは「恐縮です」と深々とお辞儀をした。坂口の出演は映画の勝敗を分ける大きな要素だったと説明したディーン。俳優同志のアクションは、怪我をしないようにと考え、もう一歩踏み込めない部分があるのですが、坂口さんからは“当ててくれないと困る”と言われて(笑)。その言葉が僕にとっては安心感でした」と改めて感謝を伝えた。坂口の佇まい、肉体に“強い”という説得力があるからこそ、胸を借りて思いっきり演じることができたと明かしたディーン。「坂口さんが積み上げてきたレガシーみたいなものをお借りした形です」と解説した。佇まいについては松永監督からも言いたいことがあったようで、「坂口さんは現場で本当に組長みたいになっていきました。コロナで食事に出かけられないので、坂口さんはロビーでお酒を飲んでいたのですが、気づくとそこに組の人たちが集まっている(笑)。アクションシーンの撮影でも同じ光景が見られて。アクションシーンの撮影後、ディーンさんの周りにはトレーナーの方たちが集まり、坂口さんの周りには組員がいました」と笑わせた。また、坂口は「ディーンさんってこんなに体大きかった?」と驚くことが何度もあったという。松永監督が「撮影から東京に戻ってきて、体を鍛え直したんですよね?」と坂口にツッコミを入れると、「負けていられない、という思いで鍛え直しました」と返していた。


PureJapanese-500-1.jpgタイトル『Pure Japanese』については、「現代社会においての日本人ってなんだろう」という考えがきっかけだったという。そこから、日本人っぽいという表現を検査キットによって数値化できたらというアイデアに至ったという。そのような側面もありつつ、作品としてはバイオレンスではあるが、アクション映画というエンターテイメントとして楽しんでほしいという思いも伝えていた。イベントではタイトルにちなみ「自身のピュア」について語るコーナーも。坂口は「撮影中の自分」と回答。その理由を「長山組一同、どうやったら立石(ディーン)を倒せるのか、組長としてひと肌脱ぐというピュアな気持ちで現場にいました」とコメント。蒔田は「まだ、ピュアだと思います」と微笑み、「撮影現場などで上司からきつい指導を受けている人を見ると、一緒に悲しい気持ちになったりします」とピュア度を説明していた。ディーンは「ピュアでいたいと思います」とアピール。「自分が作るものに対してピュアでいれたらいいなと思いながらやっています」と仕事、作品作りへの姿勢を表現した。そんなピュアな姿勢で仕事をするディーンについて松永監督が「ディーンさんは“こういう人と一緒にモノを作れたらいいなと思える人”です。日本のトム・クルーズになってほしい」と提案すると会場は大きな拍手に包まれる。松永監督のこの言葉に「責任重大」と照れながらも「引き続き、地道に一歩一歩、ピュアな精神で作品を作り続けていくこと大事だと思っています」と決意を述べた。


イベント最後に“今年の抱負”を訊かれたディーンは「コロナに負けないでがんばりましょう!」と力強く呼びかけた後、「コメント準備していなかったので、なんだか普通のことを言ってしまったような気もします」と少ししょんぼりとしながらも、作品に関しては「初めてのことなので、いろんな思いがあふれちゃいます。素敵なチームで作った作品です。ぜひ、楽しんでください」と笑顔で呼びかけ、挨拶を締めくくった。


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★作品概要

【ストーリー】日光大江戸村で働く立石大輔(ディーン・フジオカ)は抜群の身体能力の持ち主だが、社交性がなく、一方日本の文化に傾倒している変わった男で、周囲からは距離をおかれていた。忍者ショーでも任されているのは、立ち回りではなく効果音担当。神社で人知れず、非科学的なトレーニングに勤しむのが日課だった。同僚の送別会が行われたパブには高校生でありながら、年齢をごまかして働くアユミ(蒔田彩珠)、アユミが祖父・隆三(渡辺哲)と暮らしている土地一帯を県議・黒崎(別所哲也)と結託し、中国人ブローカーに売り払ってしまおうと画策している地元のヤクザ長山組・陣内(坂口征夫)、佐伯(二ノ宮隆太郎)らの姿も。P(ure)J(apanese)キットという、日本人の純度を図る試薬が出回っていた。結果が50%と中途半端な数字だった佐伯は腹を立て、江戸村の忍者たちにも検査を強いる。その場での検査を拒否した立石だったが、自宅でPJキットを使用してみると、数値は100%。何故か湧き上がる高揚感。


立石はショーである役に参加することになるが、アユミたちが見に来ているとき、派手に失敗してしまう。立石が立ち回りをできないのは過去に参加していた撮影現場でおこった事故によるトラウマで暴力に対するリミットをかけているのであった。アユミの家には相変わらず嫌がらせが続いていた。ある日、隆三が怪我をし、入院する。アユミと立石は黒崎の仕業だと思い込み、黒崎の事務所に乗り込むが、しらをきられ怒りを爆発させた立石は黒崎事務所を破壊する。立石は初めてアユミに己の暴力を肯定される。アユミの家の敷地は重機が搬入され、強引に掘削が着手される。アユミは立石に助けをもとめ、立石は今まで封印してきた暴力衝動を爆発させるのだった。


出演:ディーン・フジオカ 蒔田彩珠/渡辺哲 金子大地 坂口征夫(DDTプロレスリングプロレスラー・元総合格闘家)村上淳 嶋田久作 別所哲也
監督:松永大司(『ハナレイ・ベイ』『トイレのピエタ』『ピュ~ぴる』) 
脚本:小林達夫(『合葬』)
企画・プロデュース:ディーン・フジオカ 
製作:アミューズ 
企画・制作協力:ブリッジヘッド
制作プロダクション:ザフール 
配給:アミューズ 
配給協力:クロックワークス 
クレジット:©2021「Pure Japanese」製作委員会

公式サイト:https://purejapanese-movie.jp/

2022年1月28日(金)全国ロードショー


(オフィシャル・レポートより)

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