写真家、映画監督として活躍する日比遊一監督自らの経験を描いた、実話に基づく兄弟の物語。
『名も無い日』
永瀬正敏、オダギリジョー、金子ノブアキ、日比遊一監督
最初で最後、豪華顔合わせによる生配信イベント
<6月11日(金)実施〈無観客〉生配信舞台挨拶付き上映会>
愛知県名古屋市発信の映画『名も無い日』の全国公開初日生配信舞台挨拶付き上映会が、6月11日(金)に行われました。本作品の監督であり、カメラマンでもある日比遊一に起きた実話を元に描かれた本作。舞台挨拶には日比遊一監督をはじめ、出演者の永瀬正敏、オダギリジョー、金子ノブアキが登壇し、本作への思いを配信を通して、各地の劇場に駆けつけたファンにアピールしました。
<『名も無い日』全国公開初日生配信舞台挨拶付き上映会>
■日時:2021年6月11日(金)/19:05~(約30分)
■会場:スペースFS汐留(港区東新橋1-1-16)
■登壇者:永瀬正敏、オダギリジョー、金子ノブアキ、日比遊一監督(敬称略)
■実施形態:無観客/会場から全国27館の劇場に生配信
撮影から約3年の歳月を経て、ついに全国公開を迎えた気持ちを、永瀬は「あっという間であり、無事に公開できた気持ちもあり、心の中がグルグルしていますね」とコメント。一昨年前の初号試写を見たオダギリは「そこで見て以来なので、ほぼ内容を忘れている」と笑いを誘い、「だからこそ、もう1度映画館で見たいですね。映画館は大変な状況が続いていますが、映画館でしか得られない経験はあると思うし、ぜひスクリーンで見てほしいですね」とアピールした。また、金子は「現場の記憶が鮮明に残っているので、時間が経った気がしない」と心境を明かし、「こうやって、やっと見ていただけるのがシンプルにうれしいです。安心もしていますし、何かが心に残って、前に進むきっかけになればという願いもあります」と話していた。
実の弟の死を題材にした本作について、日比監督は「弟が死んで9年が経ち、構想・原案から6年、撮影から3年が経ちました。もうダメだなと思うときも、ひと言で言い表せない大きな支援をいただき、這いつくばって完成させることができた」としみじみ。「今日は有志の皆さんの思いも背負って、ここに立たせてもらっている。映画はお客さんに見ていただき、初めて完成するので、今日『名も無い日』という作品が独り立ちできて、誇りに思いますし、感動もしております」と感無量の面持ちだった。
永瀬が演じる長男は、日比監督がモデルになっており「現場で疑問点があれば、すぐそこに監督がいらっしゃる心強さがあった。この物語を映画化するのは、監督自身、かなりの覚悟があったはず」と回想。撮影は日比監督の実家などで行われ、オダギリは「実際に生活されていた空間ですので、軽い気持ちでは入り込めないし、ご実家での撮影だからこそ、いろいろな力を与えてくれた。監督が強い覚悟で臨んだ作品なので、『すべて背負いたい』『自分ができることを全身全霊でやらなければ』という強い気持ちで臨んだ」と振り返った。また、金子は「映画の撮影というより、言葉が見つからず、記憶の中にいた感覚。現場にいる監督の姿を思うだけで、こみ上げてくるものがある。この作品以前/以降で意識も変わったし、貴重な経験でした」と強い思い入れを示した。
三兄弟を演じた感想について永瀬は「オダギリさんの背中越しのお芝居は、こっちにもビンビン伝わってきたし、金子くんは金子くんで、涙を流すシーンなんかは、何か心震えるものがあった。二人とも現場に“心”を持ってきてくれる役者さん」、オダギリは「がっつりお芝居するのは、お二人とも初めてですが、いい感じの兄弟だなと。自分のことながら、このキャスティングがしっくり来ると実感していた。芝居を交わせるうれしさがあり、最高の答えを出したいという気持ちもあった」、金子は「上に兄弟がいないので、現場では僕にもお兄ちゃんができたって思えて『甘えちゃえ』と身を任せることができた。身を裂かれるような悲しいシーンもあるが、でも基本的には優しい時間が流れる、穏やかな現場でした」。日比監督は「夢のような三兄弟。感謝の一言しかありません」と話していた。
舞台挨拶の締めくくりに、永瀬は「いろんな人のいろんな気持ちが詰まった作品。最後には光があると思っていますし、天国の弟さんにおめでとうございますと伝えたい」と挨拶。オダギリは「いろんなものを受け取り、感じることできる作品なので、いろんな方にも見てほしい」と改めてアピールし、金子は「すばらしい作品に参加させていただき、光栄でしたし、忘れることはないと思います。監督の覚悟でありますし、ものすごい力を持った作品なので、ぜひ広まってくれれば」と期待を寄せた。
日比監督は「私の身に起こった悲しい、暗い物語を映画にしようとは思わなかった。大切な誰かを失った悲しみは乗り越えるものではなく、そっと心に生き続け、しっかり向き合うもの。そうすることで、次の一歩を踏み出せる…そういう映画だと思います。セリフが少ない、凝縮された俳句のような映画なので、大切な人と一緒に、(映画の)余白に人生を重ね合わせてもらえれば」と全国の映画ファンにメッセージを送っていた。
<STORY>
名古屋市熱田区に生まれ育った自由奔放な長男の達也(永瀬正敏)は、ニューヨークで暮らして25年。自身の夢を追い、写真家として多忙な毎日を過ごしていた。ある日突然、次男・章人(オダギリジョー)の訃報に名古屋へ戻る。自ら破滅へ向かってゆく生活を選んだ弟に、いったい何が起きたのか。圧倒的な現実にシャッターを切ることができない達也。三男(金子ノブアキ)も現実を受け止められずにいた。「何がアッくんをあんな風にしたんだろう?どう考えてもわからん。」「本人もわからんかったかもしれん。ずっとそばに、おったるべきだった。」達也はカメラを手に過去の記憶を探るように名古屋を巡り、家族や周りの人々の想いを手繰りはじめる。
■出演:永瀬正敏、オダギリジョー、金子ノブアキ、今井美樹、真木よう子、井上順、藤真利子、大久保佳代子、中野英雄、岡崎紗絵、木内みどり、草村礼子
■監督:日比遊一
■音楽:岩代太郎
■主題歌:エミ・マイヤー「A Day with No Name」
■配給:イオンエンターテインメント、Zzyzx Studio
■公式サイト: https://namonaihi.com/
■©️ 2021 『名も無い日』製作委員会
2021年6月11日(金)~シネマート新宿、イオンシネマ シアタス心斎橋、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹、MOVIXあまがさき 他全国公開!
(オフィシャル・レポートより)