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原田芳雄へのオマージュ!『一度も撃ってません』阪本順治監督インタビュー

ichidomo-550.jpg『一度も撃ってません』阪本順治監督インタビュー

(2020年3月30日(月)@ホテル阪急インターナショナルにて)


 

~唯一無二の俳優たちの“本気のやりとり”が味わい深い~

 

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映画ファンも俳優も「こんな映画を観たい」というより、「こんな映画に出たい」と思うのではないか。阪本順治監督の新作『一度も撃ってません』はベテラン俳優・石橋蓮司主演の“殺し屋”映画だが、中身はくせもの俳優たちの“本気のやりとり“ が味わい深い。先ごろ、来阪キャンペーンにやってきた阪本監督に思いのほどを聞いてみた。


〇映画の企画はいつから?

5年ぐらい前、(脚本の)丸山昇一さんと打ち合わせして“芳雄さん”の映画を作ろうとなった。伝説の俳優・原田芳雄さんゆかりの俳優仲間、(桃井)かおりや(岸部)一徳、(大楠)道代がたちどころに集まり、配役が決まって「(石橋)蓮司さん、やってよ」となった。


ichidomo-500-2.jpgつまり“原田芳雄愛”が結集した記念の阪本順治監督作品。当然、気合の入りようが違う。阪本監督は原田芳雄さんとはデビュー作「どついたるねん」(1989年)から原田芳雄さんの遺作になった「大鹿村騒動記」(2011年)まで。阪本監督にとっては最初からおしまいまで面倒みてもらった俳優だった。いかにも役者らしい役者でちょっとアウトロー的な役どころが多い。この映画でたちどころに主要メンバーが集まったように抜群の抱擁力があった。


〇「芳雄号に集まった蓮司祭り」

数年前の年末、(脚本の丸山昇一さんと原田芳雄さんの家で打ち合わせをした。すぐさま話がまとまって、それからクランクインして2週間で撮り上げた」という。阪本監督は「ハマらないパズルずくめをどうするか、という難問だった」という。芸達者な面々だからこそ出来た離れ業だろう。


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(撮影現場での石橋蓮司(左)と阪本順治監督)

「(石橋)蓮司さんは“俺が主演で大丈夫か?”と不安そうで、辛そうな時もあったけど、原田芳雄さんとやってる30年前と同じ感じだったな」。

“伝説の殺し屋”映画は大人のファンタジー、嘘話の主人公・市川進(74歳)の正体は「理想のハードボイルドを極めるただの小説家」だった、というから、人を食ってる。殺し屋が主人公なのに「一度も撃ってません」とは!? 「嘘ごと」をオーバーにやろう、と賑々しく騒いでみせた、ゆとりの作品。中高年向けだけど、全世代に分かる映画ではない。芳雄さんの遊び心を引き継いだ一人遊び、映画の仮想空間、そこを突き詰めて行こう、と監督・阪本順治の新たな方向性まで悟った画期的な映画になったようだ。「次はあっと驚くSF」を構想しているとか。嘘話はよりスケールアップしていきそうだ。  


(安永 五郎)



【STORY】
ichidomo-pos.jpg市川進(石橋蓮司)はオン年74歳。タバコにトレンチコート、黒い帽子が決まる“伝説のヒットマン”。旧友のヤメ検エリート(岸部)や元ミュージカルの歌姫(桃井)と夜な夜な酒を酌み交わし、ヒットマンらしく行動する。ある時、殺しの依頼が来て引き受けるが、彼の正体はハードボイルドを極めるただの小説家だった。なんと!妻・弥生(大楠道代)の年金で暮らし。担当編集者からもいつまでも完成しない小説に愛想を尽かされている。


だが、市川は本物のヒットマンの今西に仕事を頼み、その暗殺の模様を細密に取材しては小説にしているのだった…。そんな市川についにツケが回ってきた。妻には浮気を疑われ、敵のヒットマンに命を狙われることに。伝説のヒットマンは大ピンチをどう切り抜けるのか?
 



2020年 日本 1時間40分
監督:阪本順治  脚本:丸山昇一
■出演:石橋蓮司 大楠道代 岸部一徳 桃井かおり佐藤浩市 豊川悦司 江口洋介 妻夫木聡 新崎人生 井上真央 柄本明 寛 一 郎 前田亜季 渋川清彦 小野武彦 柄本佑 濱田マリ 堀部圭亮 原田麻由
公式サイト⇒ http://eiga-ichidomo.com/
配給:キノフィルムズ
©2019「一度も撃ってません」フィルムパートナーズ

★安永五郎の作品紹介はこちら

 

公開延期!(大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ(なんば、二条、西宮OS)、神戸国際松竹他 )

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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