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どん底女子アナの起死回生奮闘記!『きばいやんせ!私』舞台挨拶

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(2019年3月17日シネ・リーブル梅田にて)
ゲスト:坂田 聡(ただし)さん、眼鏡太郎さん、武 正晴 監督

 

「クソ女のままじゃ終われない!」どん底女子アナの起死回生奮闘記!
新境地を見せた夏帆の熱演と、奇祭「御崎祭」の巡行シーンが見所

 

本土最南端の鹿児島県南大隅町を舞台に、どん底女子アナが1300年続く奇祭「御崎祭」の完全復活をはかる起死回生の奮闘記、『きばいやんせ!私』。「頑張れ、私」という意味だが、NHK大河ドラマ「西郷どん」でもお馴染みとなった訛り懐かしい鹿児島の伝統祭の復興と若者の再生を謳った映画である。


kibaiyanse-550.jpg監督は『百円の恋』『嘘八百』『銃』と主人公の変化を深く見つめる作風で評価の高い武正晴監督。主演は『ピンクとグレー』『ビブリア古書堂の事件手帳』『友罪』と、近年清純派からの脱却で演技派女優としての成長著しい夏帆。不倫の果てに左遷された女子アナを思い切りのいい熱演で新境地を見せる。さらに、多くの作品で存在感を示す若手の演技派俳優、太賀岡山天音らと共に、「地方で生きること」「本気で打ち込む熱意」「様々な年齢の人々と協力し合うこと」「何かを成し遂げる歓び」など、身をもって体現してくれる。“ボーっと生きている”若者に、「本気で生きよう!」と呼び掛けているような爽快な感動作である。
 



kibaiyanse-bu-500-1.jpg公開中のシネ・リーブル梅田にて舞台挨拶が開催された。ゲストの武正晴監督と役場の課長役の坂田聡さんの紹介が始まると、客席後方から町長補佐役の眼鏡太郎さんがトランペットを吹きながら入場。映画の終盤でもトランペットを吹いていた眼さんの予定外の飛び込みに、会場は笑いに包まれる。

(以下、敬称略)kibaiyanse-bu-sakata-240-1.jpg



坂田の第一声は、「夏帆じゃなくてすみません!」。眼は「今日は来る予定ではなかったのですが、トランペットを吹くためだけにやって参りました」とご挨拶。


武監督との仕事について聞かれた坂田は「監督は撮影中寝ない人なんです。いつ寝てんだろう?代わりに助監督がどんどんやせ細っていきましたが…」(笑)。普通、現場ではやせ細っていくものだが、今回はモリモリ食べて太っていったとか?「滞在中のホテルに毎晩芋焼酎が次々と出され、主に坂田さんの部屋で飲んでましたね」と眼。坂田も「製作の方々が東京へ帰してくれなくて、ずっと鹿児島で待機してましたので、沢山ご馳走を頂く羽目となりました」。


ダイナミックな祭のシーンの撮影について、武監督は「祭りのシーンは1日で撮ったのですが、山を降りてからのシーンは次の日の撮影でした。実際の祭りと同じ行程を同じ時間をかけて歩いて撮っていきました。車で行けない所はすべて徒歩。あの重たい神輿を担いで、さらに途中降ってきた雨で重くなり、ドロドロになりながら、記憶がないほど大変でした」。


俳優たちの演技については、「実際の祭でもそうなんですが、道中の村々で応援の皆さんが用意して下さったおにぎりなどを食べながら、何とか日が沈む前に最後の神社まで辿り着けました。もう太賀君も天音君もみんなヘロヘロだったので、お疲れ様と言いに行ったら、天音君はもう居ないんですよ!? 祭の撮影が終了してすぐに鹿児島空港へ3時間かけて車をぶっ飛ばして行って、東京へ飛行機で飛んで、東京の舞台挨拶に間に合った!と言ってました。それでもって、翌日の撮影にも間に合うように帰って来たんですよ。ほんと、凄いよね!」


kibaiyanse-500-4.jpg坂田は、「太賀君はあの大きな竿を持って歩いていましたが、僕は全く持てませんでした。ずっと一人で持って行ったんですよ!」と太賀の体力を絶賛。武監督も、「あれができる役者はそうは居ないと思いますよ。地元の人が「跡取りができた!」と、太賀君見て喜んでましたからね」(笑)。

さらに役者魂について、「役者は撮影のためなら何でもできちゃう!トランペットも吹くしね!鹿児島弁も喋るしね!撮影でなきゃやらないですよ!俳優さんは凄いな!」と武監督も絶賛。


神輿を担いで山を下りるシーンについて、眼は「僕は背が低いので、背の高い人に負担をかけてしまって申し訳なかったです」。武監督は「あのシーンを見直すと、坂田さんがムッとしてるんですよ。役場の優しい課長さんが怖い人になってるんですよ」(笑)。「僕の肩にグッとのしかかってきて痛かったんですよ。なのに、眼君は持ってないのに苦しい顔しやがって!」(笑)と、思い出しては眼をからかう坂田。


太賀や坂田は鹿児島弁を完璧にマスターしていたが、山越えのシーンでは、つい標準語が出てしまったことについて、「いや~演じてられない位、危険な状態でしたから~」と緊迫した撮影時を振り返る坂田。


kibaiyanse-bu-500-2.jpg1300年の歴史ある奇祭「御崎祭」について、「あの坂は映像で見るより急勾配でして、なんであんな所を神輿担いで通らなきゃいけないのか?」と武監督。「それを1300年もやってる訳ですからね、伝統とはいえ凄いですよね」と坂田が歴史の重みを強調。「道にある岩石も、人の足を乗せやすいような形状になっていて、歴史を感じさせますよね。雨が降ろうが雪が降ろうが続けて来られた訳ですから。撮影時にも雨が降らないかな~と思っていたら降ってきたり、晴れてほしいシーンでは晴れてきたりと、何だか見守られている感じがしましたね」とラッキーだったと撮影時を振り返る武監督。


そして最後のご挨拶で、武監督は「お神輿、お祭とか伝統映画のようなイメージがありますが、若者たちが仕事や働くことについて自分自身を見つめ直していくという物語にもなっておりますので、多くの方に勧めて頂ければと嬉しいです。そして、本土最南端の南大隅町の人々の力強い大らかな笑顔を胸に秘めてお帰り頂ければ幸いです。この作品を末永く大事にして頂けますようお願いいたします。今日はどうもありがとうございました」と最後を締めくくった。


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『きばいやんせ!私』

【STORY】
不倫スキャンダルで叩かれやる気を失った女子アナの児島貴子(夏帆)は、全国の奇祭を紹介する番組制作のため、九州本島最南端の町、南大隅町を訪れる。そこはかつて父と共に子供時代の一年を過ごした町でもあった。父親と共に畜産業をしている太郎(太賀)や、家業のホテルを継いだドケチの洋平(岡山天音)はかつての同級生。廃れ行く祭の復興を巡って町の人々と対立する貴子だったが、彼らの協力もあり、昔ながらの祭に挑戦することになる。


若い担ぎ手のいなくなった現代では、20㎞の距離を人力で神輿行列を敢行するのは至難の業で、一部車を利用していた。だがそれではテレビ的に絵にならない上に、伝統ある祭の継承に誇りが感じられない!と貴子が高飛車な発言をしてしまい、「このぐぁんたれが!」(この馬鹿もんが!)と御崎祭奉賛会の会長(伊吹吾郎)の怒りを買う。完全なる祭の催行を巡る対立や、子供時代の思い出は、思いがけなく貴子が忘れていた仕事への熱意を呼び覚ますことになる。「クソ女のままじゃ終われない!」、どん底女子アナの起死回生は果たせるのか?
 

・監督:武 正晴
・原作:足立 紳「きばいやんせ!私」(双葉社刊 著:工藤晋)
・出演:夏帆、太賀、岡山天音、坂田 聡、眼鏡太郎、宇野祥平、鶴見辰吾、伊吹五郎
・配給:アイエス・フィールド/2018/日本/116 分
・(C)2018「きばいやんせ!私」製作委員会
公式サイト: http://kibaiyanse.net/

・シネ・リーブル梅田、イオンシネマ京都桂川、布施ラインシネマ、にて絶賛上映中!


(河田 真喜子)