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大阪色がいっぱい!『寝ても覚めても』東出昌大さん、濱口竜介監督 舞台挨拶

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大阪色がいっぱい!『寝ても覚めても』東出昌大さん、濱口竜介監督 舞台挨拶
(2018年8月22日(水)なんばパークスシネマにて)
 
今年だけでも『OVER DRIVE』『パンク侍、斬られて候』『菊とギロチン』『ビブリア古書堂の事件手帳』と多彩な役柄で魅了し続けている東出昌弘さん。本作では、自由奔放で謎の多い男・麦(バク)と実直で誠実な男・亮平という一人二役という新キャラに挑戦。監督は、演技未経験の4人の女性を主役にした5時間17分という長編『ハッピーアワー』で数々の国際映画祭で高い評価を受けた新進気鋭の濱口亮介監督。本作でも、「濱口メソッド」なるワークショップを重ね、心を突く鋭いセリフと役を生きるリアルさで想定外の緊張感を生み出し、観る者を釘付けにする。“濱口マジック”にはまったような不思議な感覚に陥ってしまう。
 
 
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そんなお二人の新作『寝ても覚めても』は、同じ顔をした二人の男の間で揺れる朝子を通して、「人は、人のどこを好きになるのか?なぜ、その人でなくてはならないのか?」――「愛すること」の意味に迫るスリリングなラブストリー。9月1日(土)の公開を前に、なんばパークスシネマにてプレミア上映会が開催され、主演の東出昌弘さんと濱口亮介監督が登壇されました。
 

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★東出:「関西弁は、リズム感があり温かさもあり、とてもステキです」

「ただいま!」という東出昌弘さんの挨拶に会場から一斉に「おかえりなさい!」。NHK連続TV小説「ごちそうさん」の撮影のため10カ月間大阪で生活した東出さんにとって、大阪は第二の故郷。映画のキャンペーンで来阪する度に「ただいま!」と挨拶。本作でも大阪ロケあり大阪弁あり播磨弁ありとかなり難しいイントネーションのセリフを違和感なくクリア。

東出:「この映画は、大阪で始まり大阪で終わります。原作者も大阪出身ですし、とても大阪に馴染み深い作品です。本読みの時にもニュアンスを抜いた関西弁でセリフを言わされ、初めてのことで熱が出るかと思いましたよ」。
濱口監督:「変なことやらせてすみません!方言指導の方が一音一音的確に指導なさる方でしたから…。私も神戸に3年程住んで『ハッピーアワー』という映画を撮りました。それ以来ですので“おかえりなさい”と言われたがってます…(笑)」。
 

★東出:「熱闘甲子園の感動に応えてくれたのは渡辺大知だけ!?」

この猛暑の中熱戦を繰り広げた高校野球について、「決勝戦の日、終日仕事をしていたのですが、結果は言わないでくれ!と周囲に口止めして、家に帰ってから夜中録画観戦。いや~両校素晴らしかった!この映画で作ったグループLINEでその感動を伝えたのですが、「本当に清々しかったね!」と返してくれたのは渡辺大知だけでした(笑)」。
濱口監督:「すいません、僕ついていけてなくって…」
 

★《第71回カンヌ国際映画祭》コンペティション部門正式出品について?

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「キャストもスタッフも誰もカンヌへ行ったことがないのに、大阪ロケ中、この映画でカンヌへ行けたらいいねと話していました。それは草野球チームがメジャーを夢見るようなもの。でも、とにかく濱口監督の映画愛が凄いんです。この監督の純真無垢な映画愛につかまってこのまま突き進んで行ったらもしかして?と漠然と思っていたら《カンヌ国際映画祭》に招いて頂けたので、夢が叶って本当に驚きました」。
 
一方、濱口監督は、「製作費も潤沢ではない現場でしたので、突出しているものと言えば俳優さんだけ。カンヌではフワフワした気分でしたが、2000人の大観衆と一緒に観ていて、つくづく俳優さんにつれてきて頂いたなと実感しました」と謙虚なお言葉。
 
 
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★一人二役は初めての経験?

東出:「初めての挑戦でしたがプレッシャーはありませんでした。監督が「演じ分ける必要はない」と言われたので、監督もスタッフも共演者も同じの二つの現場を同時期に行き来しているような感じで演じました」。
濱口監督:「カメラが回っている時は勿論、回ってない時でもそれぞれの役になりきっていました。それは東出さんから自然と醸し出されるものがあったからだと思います」。
 
観客からの質問を受けて、
Q:一番言いにくかった大阪弁は?
東出:「感情がのる言葉は難しかったです。他には「もっと前に」という言葉でも、場所を表すのと時間軸を表すのとではイントネーションが違うことに愕然としました。大阪の方はそれらを使い分けておられて凄いなと感じました」――大阪の人間は誰もそんなことを考えながら喋ってる人はいないと思うが…!?
 
Q:オススメのシーンは?
濱口監督:「だんだん後半になるにつれて、こんなことになるの~!?と驚かれると思います。ずばり、ラストシーンです」。そこで濱口監督に何か耳打ちをしていた東出さんは、「僕はラストのカットです。エンディング直前のカットです」。
 
 
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★観る人によって意見は分かれ、観る人の人生観が反映される映画。

濱口監督:「観終っていろいろ語り合って頂きたいし、それを私も聴きたい。去年の夏撮った思い出深い作品です。駆け抜けた1カ月間でした。映画は一応完成しておりますが、これから皆様に受け止めて頂いて初めて完成すると思っております。受け止めて意外と痛いかも知れませんが(笑)。本日はどうもありがとうございました!」。
東出:「僕は一回目見終えて咀嚼しきれない感覚が残りました。ある人が「一回目観ていい映画だと思ったが、二回目観て凄くいい映画だと思った」と仰って下さいました。心にうずくものが残るかもしれませんが、それも娯楽だと思って楽しんで頂きたいです。“濱口メソッド”と呼んでいる独特の演出法で作られた一風変わったお芝居を初めてご覧になる方もおられると思います。大阪・東京・東北と全国をめぐる、ストーリーも含めて問題作だと思っています。でも僕はこの問題作が大好きです。ご覧になって何がしかのものを感じ取って頂けたら幸いです」。
 

『寝ても覚めても』
【STORY】朝子(唐田えりか)は、麦(東出昌弘)という自由奔放で不思議な魅力の男と大阪で運命的な出会いをして恋に落ちる。たが、突然姿を消してしまった麦。思い出の大阪を去り東京のカフェで働くようになった朝子は、ある日麦にそっくりの亮平に出会う。外見はうりふたつなのだが、内面は正反対の実直なビジネスマンの亮平。朝子への想いをストレートに伝えてくる亮平に対し戸惑いながらも惹かれていく朝子。亮平が麦にそっくりだから惹かれるのか――麦のことを秘密にしたまま亮平と親密になっていくが……。
 
【出演】:東出昌大 唐田えりか 瀬戸康史 山下リオ 伊藤沙莉 渡辺大知(黒猫チェルシー)/仲本工事/田中美佐子
【監督】:濱口竜介 
【脚本】: 田中幸子、濱口竜介 
【原作】:「寝ても覚めても」柴崎友香(河出書房新社刊)
【配給】:ビターズ・エンド、エレファントハウス/2018/日本=フランス/119 分
【公式サイト】 http://www.netemosametemo.jp/
【コピーライト】(C)2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINEMAS
2018年9月1日(土)~テアトル梅田、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、シネ・リーブル神戸 他にて全国公開
 
第71 回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品

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