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「俳優と役が重なる瞬間、演じる以上のとんでもない何かが映像に残る」 大友監督、神木隆之介キャスティングを語る~『3月のライオン』大阪舞台挨拶

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「俳優と役が重なる瞬間、演じる以上のとんでもない何かが映像に残る」
大友監督、神木隆之介キャスティングを語る~『3月のライオン』大阪舞台挨拶
(17.2.28 TOHOシネマズ 梅田)
登壇者: 大友啓史監督、神木隆之介、清原果耶  
 
幼少期に家族を交通事故で亡くし、17歳でプロ棋士として一人暮らしをする主人公、桐山零が、ある3姉妹と心を通わせながら、自身の運命や厳しい将棋の世界に立ち向かっていく感動物語、『3月のライオン』。羽海野チカ原作の国民的人気コミックであり、TVではアニメがオンエア中の同作を、大友啓史監督(『るろうに剣心』シリーズ)が実写化。前編は3月18日より、後編は4月22日(土)より、全国ロードショーされる。
 
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子役出身で小さい頃からプロの役者として生きてきた人気俳優、神木隆之介が、生きるためには将棋をすることしか選択肢がなかった桐山零の人間として、棋士としての成長を自らの境遇を重ね合わせるかのような実感のこもった繊細な演技で体現。孤独だった零が心を通わせた三姉妹の次女、ひなたを演じるのは、NHK朝ドラの『あさが来た』でその初々しさが話題となり、今最も活躍が期待される若手女優、清原果耶。複雑な家庭事情の中、いつも笑顔で周りを明るくするひなたを瑞々しく好演、不条理な目に合わされても真っすぐに自分の考えを貫く新の強さを印象付ける。家族、将棋仲間、師弟との関係を通じて成長していく姿、静粛な中に、想像を絶する葛藤を抱えたプロ棋士の試合、その人生。様々な人の生きざまが重なり、青春物語でありながら、重厚な味わいを残す見ごたえ十分の作品だ。
 
 

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一般公開を前に2月28日(火)TOHOシネマズ梅田にて行われた大阪先行上映会では、大友啓史監督、主演の神木隆之介、ひなた役の清原果耶が舞台挨拶で登壇。大スクリーンと満席の観客を前に感動の面持ちで挨拶をする神木、清原の横で「二人を見ていると、保護者みたいな気分」と笑わせた大友監督は、「本当に早く見てほしい作品。今日は大阪に持ってこれてうれしいよね」とワクワクした表情を浮かべ、大阪出身の清原がおすすめスポットにUSJを挙げると、「若いね~。俺は道頓堀に行くよ」と親子のようなトークに。
 
 
 
 
 
 
 

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子どもの頃から大人の中で仕事をしてきた神木は、若くしてプロ棋士の道を歩む主人公零と自身で重なる部分があるかという問いに「監督に言われて気付きました。小学校の頃に親から、『一人の役者として現場に立て。できるというのは当たり前のことだから、自覚しろ』と言われてきました。子どもだけど一人の役者として見られている。その見られ方と僕が意識している相手の方という見方が、もしかすれば桐山零が、相手の棋士が本気で倒そうとしてくるなら、プロとして本気で立ち向かうという点で、共通している訳ではないけれど、共有することはできる。そう思って役作りしました」。一方、そんな神木が主人公、零のプロフィールと次々に重なったという大友監督は、「俳優と役が重なる瞬間は、どこが重なっているか分からないけれど、もしかしたら演じる以上のとんでもない何かが映像に残っちゃう可能性があります。その可能性はキャスティングの時プロフィールを考えながらやっていますが、神木君とは『るろうに剣心』の次に何をやろうかと思ったとき、(雫役が)見事にはまりました。見てもらえれば、うまくいったかどうかは火を見るよりも明らか」と作品の出来栄えに自信を覗かせた。
 
 
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零が家族のように慕う三人姉妹の次女ひなたを演じた清原は、役作りのために大友監督の提案により撮影で使った家でお泊り会を行い、「スーパーにお買い物に行ったり、原作に出てきた豚コマカレーを作ったり、みんなでお風呂に入って、寝たりしました」と長女あかり役の倉科カナ、三女そそ役の新津ちせとの絆作りに役だったことを明かすと、小さいころから祖父と将棋を指していたという神木は、「プロとなると、指し方や立ち振る舞いが全然違います。箸で物を取るように、駒に慣れているので、一から練習で、時間があればずっと指していました」とプロ棋士という役柄を演じる上で研究を重ねたことを語った。
 
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本作は零が対戦する名人級の棋士たちの将棋も見どころの一つ。脂ののった俳優陣が、個性豊かな棋士を演じているが、そんな濃いキャストの意外な一面として神木は、英兄と慕う伊藤英明が風呂の入り方や身体によい食べ物の話をしょっちゅうするという健康オタクな一面を披露。また、育ての親であり将棋の師匠である幸田役の豊川悦司について「豊川さんは、11歳の時出演した『妖怪大戦争』では倒すべき敵役で、久しぶりに再会し、『本当の息子を見ているようだ』と微笑ましく見ておられた」と言えば、大友監督も「ぼくは初めてご一緒する人が多かったが、神木君はほとんどが共演したことのある人ばかり。ぼくは2倍以上生きているのに、彼の方がキャリアは長い」と自虐的コメントで、神木の長きに渡る活躍ぶりを称えた。
 
 
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最後に「ここにいる若い二人を含めて、キャストたちが本当にいい仕事をしています。実写化するのは非常に手ごわい作品でしたが、満足のいく作品になっています。ここに来ていないキャストやスタッフの魂も入っているので、彼らの分も、よろしくお願いいたします」(大友監督)
「この作品はキャストの皆さんと監督と長い期間、すごい力を入れて撮影した作品なので、自信を持ってお届けできます。最後までしっかりと観て、この作品を愛してくださったらうれしいです。ありがとうございました」(清原)
「今から観ていただく作品が、僕らの全てなので、ぜひゆっくりと楽しんで観ていってほしいです。ぜひこれからもこの映画のことをよろしくお願いします。今日は本当にありがとうございました」(神木)
と挨拶し、会場から大きな拍手が沸き起こった。
 
20代ながら高校生役が全く違和感のない神木隆之介と、15歳とは思えないしっかりとした受け答えと落ち着いた物腰で、女優の品格を感じさせた清原果耶。若い二人が葛藤しながら成長する登場人物たちと重なる青春ドラマは、どの年代の人にも共感を呼ぶ重厚な人間ドラマでもあり、そしてエンターテイメント性も備えている。棋士というプロの世界もしっかり描いた大友監督の新たな代表作をお見逃しなく!
(江口由美)
 

<作品情報>
『3月のライオン 前編/後編』
(2017年 日本 2時間18分)
監督:大友啓史 
原作:羽海野チカ『3月のライオン』 (白泉社刊)
出演:神木隆之介 有村架純 倉科カナ 染谷将太 清原果耶 佐々木蔵之介 加瀬亮
前田吟 高橋一生 岩松了 斉木しげる 中村倫也 尾上寛之 奥野瑛太 甲本雅裕 新津ちせ 板谷由夏 
『3月のライオン 前編』2017年3月18日(土)~
『3月のライオン 後編』2017年4月22日(土)~
TOHOシネマズ 梅田、TOHOシネマズ なんば、TOHOシネマズ 二条、T・ジョイ京都、OSシネマズミント神戸、109シネマズHAT神戸他全国ロードショー
公式サイト⇒ http://3lion-movie.com/
(C) 2017 映画「3月のライオン」製作委員会