ライバルはトミー・リー・ジョーンズ!?
『ホームレス ニューヨークと寝た男』のマーク・レイが日本で就活中!
(2017年2月4日(土)シネ・リーブル梅田にての舞台挨拶)
日本大好き!サントリーのCM狙う“世界一ファッショナブルなホームレス”!?
元々ファッション・モデルだけあって、歩く姿も立ち姿もゴージャス!身長188cm、デザイナーズスーツを着こなすロマンスグレーのナイスミドルの彼は、実はホームレス!? 40代後半からホームレス生活をしながらモデル兼ファッション・フォトグラファーとして働くマーク・レイは、1959年生まれの現在57歳。元モデル仲間でピエール・カルダン等の企業PVを手がけるオーストリア人監督、トーマス・ヴィルテンゾーンがNYでマークと再会した際マークの実状を知り、3年間密着して完成させたのがドキュメンタリー映画『ホームレスニューヨークと寝た男』だ。
マーク・レイは6年間、アパート屋上にこっそりと忍び込んでは寝泊りを続け、屋根のないペントハウスでニューヨーク生活を楽しんでいた。といっても、スポーツ・ジムのロッカーに荷物を保管し、公園のトイレで身だしなみを整えいつも小奇麗にし、ファッション・ショーの撮影やエキストラのアルバイトをしながら稼いでいたが、アパート代を払えるほどの収入はない。なぜ彼がホームレスになったのか?本当の自由な生活とは?自由の代償として失ったものとは?…様々な問い掛けをしてくれるマーク・レイという人物は、知れば知るほど興味の尽きない魅力がある。
そんなホームレス男のマーク・レイが大阪にやって来た!! 公式に劇場公開されたのは日本だけということで、昨年11月のキャンペーンに続いて2度目の来日を果たした。東京・大阪・京都・名古屋と、公開日に合せて日本各地で舞台挨拶を敢行。日本では映画の反応が良く、とても歓待してくれるので、できれば日本で仕事をしたいと切望する。かつて『メン・イン・ブラック』のエキストラとして出演したこともあるマークは、「東京でトミー・リー・ジョーンズの大きな看板を見てびっくり!彼のようになりたい」と、現在日本で就活中である。
「日本は、とにかく綺麗で、落ち着いていて、静か!」と大絶賛。また「大阪・京都へも新幹線で速く移動できてとても便利!」。映画館のロビーではマークのオリジナル写真集も販売され、「帰国するのにヒッチハイクしなくて済むよう、どうか買って下さい」と、サインにも気軽に応じていた。さらに、観客からの質問に応じる際には自らマイクを持っていき、バラエティ番組のMCさながらのサービスぶりだった。
タイムリーな話題としてトランプ新大統領について質問されると、「次の質問をどうぞ!」とはぐらかそうとしたが、「トランプが新大統領に決まった去年の11月も、就任した1月にも私は日本に滞在していて、大混乱のニューヨークで最悪な思いをしなくて済んだ」と語った。パーティ・スタッフとして働いていた頃には、有名人が沢山集まるトランプ氏自宅でのパーティも経験したらしい。モデル時代にはヨーロッパでも活躍するなど華やかな世界を知るマークにとって、今の生活に満足している訳ではない。
観客から「かつてどん底の生活をしていたことがある」と打ち明けられると、「“どん底”という表現は面白いですね。私は“屋上”にいながら“どん底”でした」とジョークで返す。そして、「この映画は、人格について多面的に捉えられた作品です。人間について、人生についてのいろんな意味が含まれています。人生にはいい時もあれば悪い時もあります。肉体的にも精神的にも辛かったけど、これからは向上していくと思っています」と締めくくった。
映画公開後、不法侵入していた屋上生活もできなくなり、今では友人のアパートの一室に間借りしているとのこと。現在クラウドファンディングで、マークの渡航費用や、日本でのPR活動や就職活動にかかる費用などの資金集めをしている。
サイトはこちら⇒ https://motion-gallery.net/projects/hommeless
いつも身だしなみに気を遣い、スポーツ・ジムで体を鍛え、言葉巧みに美しい女性に声を掛けてはファッショナブルな写真を撮る。“世界一スタイリッシュなホームレス”から目が離せない。近い将来、「宇宙人ジョーンズ」ならぬ「ホームレス・マーク」が日本のCMに登場する日がくるかも?
(河田 真喜子)
■登壇者:マーク・レイ (映画『ホームレス ニューヨークと寝た男』主演)
1959年6月25日生まれ。ニュージャージー州出身。少年時代は5人家族(両親・兄・姉)の中で育った。高校時代はバスケットボールをやっており、サウスカロライナのチャールストン大学へはスポーツ推薦で入学。大学では経営学部で教養課程の学位をとって卒業。ニュージャージーの輸入業者で働いた後、4年間ヨーロッパでモデルとして活動。1994年、演技の学校へ通いながら写真家としても働き始める。2000年には再びモデルとしてヨーロッパで活動、2007年にアメリカに戻り、ファッション・ウィークの期間中、「デイズド・アンド・コンフューズド」誌用の写真を撮影した。2008年よりニューヨークで人に知られないようにホームレス生活をしながらモデル兼ファッション・フォトグラファーとして働くようになる。
【作品情報】
音楽をクリント・イーストウッドの息子でジャズベーシストのカイル・イーストウッドが担当。全10曲のオリジナル楽曲を提供し、ニューヨークの光と影を映し出すドキュメンタリーに仕上がった本作は、ニューヨーク・ドキュメンタリー映画祭2014にてメトロポリス・コンペティション審査員賞を受賞した。
映画『ホームレス ニューヨークと寝た男』
監督:トーマス・ヴィルテンゾーン
出演:マーク・レイ
音楽:カイル・イーストウッド/マット・マクガイア
2014年/オーストリア、アメリカ/英語/ドキュメンタリー/83分
配給・宣伝:ミモザフィルムズ 後援:オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム 協力:BLUE NOTE TOKYO
© 2014 Schatzi Productions/Filmhaus Films. All rights reserved
公式サイト⇒ www.homme-less.jp
2017年2月4日(土)~シネ・リーブル梅田、京都シネマ ほか全国順次公開