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"怖い!"がクリスマスプレゼント!?『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋』映画公開記念なんばパークスSPECIAL TALK LIVE

zane-t-550.jpg“怖い!”がクリスマスプレゼント!?『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋』映画公開記念なんばパークスSPECIAL TALK LIVE

・2015年12月17日(木)なんばパークスシネマ
・ゲスト:竹内結子、橋本愛、中村義洋監督


「スプラッタ映画は怖くないけど、日本のじわじわくるホラーは怖い!」
竹内結子を震撼させた根深い祟りの連鎖

 

【解説】
第26回山本周五郎賞を受賞した小野不由美(『屍鬼』「十二国記」シリーズなど)の小説『残穢』(ざんえ)を、ミステリーの名手・中村義洋監督(『白ゆき姫殺人事件』『予告犯』)が映画化。予定調和を許さない驚愕のラストまで、かた時も目が離せない。小野自信を彷彿とさせる主人公「私」には、人気実力派女優=竹内結子。「私」とともに調査を重ねる「久保さん」には、神秘的な魅力を放つ女優=橋本愛。初共演の2人に加え、佐々木蔵之介、坂口健太郎、滝藤賢一ら個性的な出演陣が集結。
ここに、いまだかつて見たことがない戦慄のリアルミステリーが誕生する。

【STORY】
zane-240-1.jpg小説家である「私」のもとに、女子大生の久保さんという読者から、1通の手紙が届く。「今住んでいる部屋で、奇妙な“音”がするんです」。好奇心を抑えられず、調査を開始する「私」と久保さん。すると、そのマンションの過去の住人たちが、引っ越し先で、自殺や心中、殺人など、数々の事件を引き起こしていた事実が浮かび上がる。彼らは、なぜ、“音”のするその「部屋」ではなく、別々の「場所」で、不幸な末路をたどったのか。「私」たちは、数十年の時を経た壮大なる戦慄の真相に辿り着き、やがて、さらなる事件に巻き込まれていく。


なんばパークスキャニオンコート特設ステージにて、1月30日(土)より公開の映画『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋』の公開を記念して、主演・竹内結子、共演の橋本愛、そして中村義洋監督よるスペシャルトークライブが開催されました。下記はその模様です。(敬称略)
 

――ようこそお越しくださいました!それでは、竹内結子さんよりお一言いただきましょう。
竹内結子(以下、竹内):みなさん、今日はお越しくださいましてありがとうございます。今日はいつもより風が穏やかだそうで… 早くから整理券をお持ちいただいて並んでいただいている方もいらっしゃるそうで。今日は皆さんで楽しんでいただけたらと思います。よろしくお願いします。
橋本愛(以下、橋本):初めまして橋本です。今日はよろしくお願いいたします!

――よろしくお願いします。さてどうぞ、おかけください。寒くはないですか?
竹内:平気です!だけど、お客様との距離が意外と近いな、と(笑)
――そうですね。なんでも今日の朝から、一番早いお客様で5時から並んでいただけているとか…
竹内:5時!?
――皆さんの映画への期待も大きいということですね。
竹内:ありがたいですね。


――ちょうどクリスマスシーズンにこのなんばパークスにお越しいただいたんですが、お二人は、小さい時のクリスマスの思い出や、サンタさんからもらって嬉しかったプレゼントの思い出とか、覚えておられますか?
竹内:現実的で申し訳ないのですが、竹内家にはサンタが一度しか来たことが無いんです(笑)小学校5年生の頃に一度来たんですが、その後で箱の大きい小さいで兄妹大喧嘩になり、ちょっとした修羅場だったんですね。以降サンタが登場することが無くなってしまいまして(笑) ただ、今は今で私がお手紙をいっぱい書いて啓蒙活動しています。「サンタはいるよ」と(笑)
――今クリスマスプレゼントに欲しいものは?
竹内:家電を買い替えようかな!
(一同、笑い)
竹内:まぁゆっくりできる時間をいただければな、とは思います。

――橋本さんはサンタさんとの思い出は?
橋本:1月12日が誕生日なので、プレゼントがいっしょくたにされてしまう、という… クリスマスプレゼントというよりは、誕生日に合わせてもらってきたので、あまりサンタさんに思い出が無いですね…(笑)
――下手するとお年玉も一緒に渡されたりなんて…
橋本:さすがにそれは無かったです(笑)
(会場、笑い)
竹内:何かいま私たちに同情の笑いをいただきましたね!(笑)慰めてもらった気分です!
――まぁ、この『残穢』がお二人にとってのクリスマスプレゼントとなればよいですね。
橋本:怖かったよ、と言ってもらえればありがたいですね。
竹内:1怖い、2怖いとカウントしていただければ、と思います。


――大阪に何か思い出は?
竹内:来年ですが大阪城にゆかりのある人物を演じさせていただきますので、足しげく大阪に通うことになると思います。
――大阪で食べて印象に残ってるものは?
竹内:串揚げにお好み焼きでしょう。あとは… いろんなもの食べてますね。どこで食べてもおいしいという印象があります。あと、観覧車!
去年、こちらで舞台の公演できまして、その際共演者と一緒に観覧車に乗りました。城と観覧車めぐりがレギュラーメニューになっていて、大阪に行っても名古屋に行っても、お城と観覧車を楽しんでますね。道頓堀のところにも行きました。その時は回っていなかったと思うのですが、前で「ばんざーい」の写真を撮りました。
橋本:美味しいたこ焼きを食べたのと、美味しいおでんを食べたこと、この二点ですね!


――さてここでもうひとかた、お呼びしたいと思います。本日は本作を撮られました中村義洋監督でございます!
(中村監督、登壇)
中村義洋監督(以下、中村監督):寒いですね!
(会場内笑い)
――ありがとうございます(笑) 監督にも、サンタさんにまつわる思い出をお伺いしましょうか?
中村監督:私は今、サンタ側ですので… ただ、サンタの格好はしていません。赤い格好をするのは2月3日、節分ですね!
――鬼でしょうか?
中村監督:全身タイツを着ております(笑)


――豆投げられるんですね。(笑)さてここからは映画『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』について伺ってまいりましょう。「残穢」という単語の意味から教えていただけますか?
zane-240-2.jpg中村監督:ヒントとしては、この「穢」という字を「祟」とかにしなかったということですね。祟りだと、あるマンションに住んでいるとして、前の部屋の住人に何かあったのではないかと、直接怒りや念が襲ってくると思うんですね。ただ「穢れ」なので、静かに、問答無用に横にいられたり、後ろにいられたり、その人にくっついちゃったり。残っている場所を示していますね。

――監督は久しぶりのホラーということで、演出面でも凝った点は?
中村監督:その工夫が自分で発見できたのが楽しかったですね。例えば「間」です。ホラーは「間」ですよ。あと0.5秒見せないだけでこんなに怖くなるのか、とか、音楽の付け方であるだとか。そういう工夫を凝らしていてとにかく楽しかったです。

――竹内さんが演じられた「私」は淡々とした役どころだとお見受けしましたが?
竹内: 「私」はホラー小説化でありながら、霊的な現象を信じていないので、ものすごいリアリストなんですね。そこで橋本さん演じる「久保さん」から起きた物事に対して教えられ、調査していくんですが、恐怖するよりもネタを見つけた、ような感覚で淡々と聞いてるんで、ものすごく冷静なんですね。私自身はすごく怖がりなんですよ。ゾンビのようなスプラッタ、おなかがパカッと開いたりとかは大丈夫なんですけど(笑)なんですけど、じわじわくる日本人ならではという怖い話はからっきしダメで、台本読むのに一か月かかりました。怖くて。中村監督からオファーがあると聞きまして、お受けしまして、その後で「こういうお話です」と言われて、順番間違えたな、と思いました(笑)
(会場、笑い)
竹内:だけどお受けした以上読まなきゃ、ということで台本を読んだんです。監督にもお待ちいただきながら(笑)

中村監督:橋本愛ちゃんの役のことを男の子だと思ってたよね。
竹内:弁解させてください!はじめは読んだんですけれど、自分の絡んであるところだけチラッと読んで…(笑) だから「久保さん」というキャラクターは男性の相棒だと思っていました(笑)なので「橋本さんはどこに出るんだろうなぁ」と(笑)
(会場内、大笑い)
竹内:ごめんね(笑)でもすぐわかったよ。最後はきちんと読んだんですよ!
――橋本さんは今はじめてこのお話を伺ったのですか?
橋本:前から伺っています(笑)

――「久保さん」を演じられた橋本さんは、怖い思いをする当事者なんですが、強い人ですよね。
zane-240-3.jpg橋本:そうですね。そういう物事への好奇心が強い人なので、そういった意味ではタフに映ると思います。だけど、まずは好きだからのめりこむ、タイプの人だと思います。
――橋本さんご自身は怖い、ということは大丈夫ですか?
橋本:そうですね。私はリアルに根付いていないと娯楽として楽しめないので、大丈夫です。ただ自分の半径5メートル以内で起こる怖いことはダメですね。
――怖い思いをされたことありますか?
橋本:といっても家にいてエアコンが「バキッ!」となって怖いとか、そういうレベルなんですが…(笑)
 

――監督はそんなお二人と一緒に仕事をされて、どんな女優さんという風に映りましたか?
中村監督:こういうイベントだといつも笑顔で「可愛い!」という感じを皆さん受けられると思います。ただ本作はミステリーなので現場でシリアスな状況にもなるんですが、そこをモニターで見ているのは、本当に幸せでしたよ(笑)
(会場内、笑い)
中村監督:はじめは二人が手紙でやり取りする場面なので、一週間くらいはお二人が別々で、会わずに撮影が進んだんですね。ただそれぞれがあまりに綺麗なので、二人がそろったらどうなっちゃうんだろう、って思いましたね。ツーショットのシーンなんかは男性スタッフみんなでモニターの前に集まって、みんなでため息をついていましたね。その辺の美しさも見ていただきたいですね。

――竹内さんは監督から初めにお話をいただいたとき、どんな感じでしたか?
竹内:作品に関して初めに言われたことは「いい加減読みましょうよ、仕事なんだから…」という台本に関してのことなんですが(笑)、実際に撮影が始まるときに「とにかくテンション低く淡々とやってください」と演出の指示いただきました。私はいつも現場が楽しい監督だと思いました。何作か出させてもらっているので、中村義洋監督の現場にいるのが楽しいと感じています。また呼んでほしいな、と思っています(笑)。また次の作品5月に『殿!利息でござる』に出させてもらってはいるんですけどね。

――橋本さんは中村監督とご一緒されていかがでしたか?
橋本:こういう作風だからなのかもしれないですが、やはり先ほどもおっしゃっていた「間」への指示がすごかったですね。振り返るという動作にしてみても「ビックリマークを5つくらいの間で」と仰ってくださいまして(笑)一度やってみたら「あと2つつけて」とさらに仰っていただきました。細かな演出が端的で非常にわかりやすく、演じやすかったです。


――監督非常に嬉しそうですね(笑) 竹内さんと橋本さんは現場でお話されましたか?
竹内:食べ物の話が多かったですね。ああいうものが好き、だとか。監督も交えて、豆腐は絹か木綿か、なんて。「真の豆腐好きは木綿なんだ」「いやいや麻婆豆腐するときは絹ごしでしょう!」なんて白熱したりしまして。
(会場、爆笑)

竹内:本当に他愛のない話もありましたね。でも愛ちゃんと初めてお会いした時は、近寄りがたい雰囲気の人なのかなと思っていたのですが、違いましたね。いい意味でのクールビューティで、きちんと温かい人で。つついてみるとどんどん面白いお話が出てくるという意味では今後、楽しみで気になる女優さんだなと思います。一緒にいて無理しなくていいな、という印象があります。(作中で)仲よしの設定だったりすると、無理をして仲良く、言葉を交わして何かを得ようとするんですけれど、そういうことをしなくても普通に現場にいられたような気がします。

橋本:竹内さんは自然体なまま現場にいらっしゃるので、監督の隣でモニターを見て何かお二人でお話されている、という光景を何度も見ました。そういう光景って、私の中では珍しく感じたので、竹内さんのこういうところが現場の雰囲気に大きく影響していて、そのおかげで私も肩の力を抜いたまま過ごすことができました。


――共演者の方も、佐々木蔵之介さんや滝藤賢一さんという、普段は個性豊かな方々がいらっしゃいましたね。滝藤さんとはご夫妻役でしたが?
竹内:そうですね。今までは共演したのは3作なのですが、距離感のある役柄だったんです。それがようやく夫婦までたどり着いたな、と。滝藤さんも佐々木蔵之介さんも、にやりとするだけですごくあやしい雰囲気を出せるのがうらやましかったです。

――今回は本当に豪華なキャストで、監督の思い通りのキャスティングになりましたね?
中村監督:そうですね。蔵之介さんも滝藤さんも、坂口健太郎君も、気持ち悪いですよ(笑)
――どういう意味ですか(笑)
中村監督:わかるよね?結構気持ち悪いですよ(笑)
橋本:ちょっとずつ違和感があってダダ漏れしてるんですよ皆さん(笑)
中村監督:坂口君がやった役は、九州の心霊現象ならなんでも知ってるという役なんですね。そうするともっとおじさんをキャスティングしようと思ったのですが、ハマる人がなかなかいないんです。「心霊現象を何でも知ってる!」という説得力がある20代後半の役者なんて。坂口君か…森山未來さんくらいですね(笑) そういう得体のしれないものを感じる部分、魅力があるのが坂口君ですね。



――みなさんから「ここに注目してほしい!」という部分ありますか?
zane-240-4.jpg竹内:私は一度目の試写の時怖くて途中から見れませんでした。目を瞑って音だけで過ごしていました。そしたら監督が『時計仕掛けのオレンジ』みたいに目を無理やり開けてみせるぞ、と仰ったのでもう一度見たんですが(笑)。 注目すべき点は、個々の登場人物が交わす何気ない会話の一言を後々まで覚えておくと、後半の怒涛の展開がより深く楽しめる、という伏線の張られたつくりになっている、という点ですね。
橋本:普通の人間ドラマだけでは成立しない違和感や、いびつな雰囲気ががずっと続くんですね。私と竹内さんが出会って取材してから出会う人、みんな気持ち悪いんですよ(笑)
竹内: “演じた役が”人としてバランスを欠いている、ということだよね!(笑)
橋本:そうです(笑)。いい意味でバランスを欠いていて、普通の人間ドラマだと省いてしまうような「違和感」を、成立させてしまっているというあたりがこの作品の魅力だと思います。


――皆様に一言ずつ最後にお話をお願いいたします。
中村監督:試写でみた人の感想ですと「2、3日は引きずる」怖さらしいんですね(笑)。ですので、2、3日をこえて「自分が安全なところに住んでいるんだな」と安心感を持ってもらえればいいかな、と思います。とにかく、怖がるのを楽しみに見ていただけたら、と思います。

橋本:私が見た感想ですが、ホラーでもあるんですが、ミステリー要素が濃厚で、人間の狂気だとかも描かれていて、ある種の人間性の悲劇なのかもしれない、と思うのです。そういう意味で、ホラーが苦手な方も、人間ドラマとして楽しんでいただけると思いますので是非、来てください。

竹内:監督も仰っていたと思うのですが、怖さを楽しんで「いやぁ怖かったね」とお友達と話していただくという楽しみ方も、ホラーが得意な人はありだと思います。愛ちゃんが言ったみたいに人間ドラマとして、ドキュメンタリとして物語を追っていただくこともできます。怖いのが苦手だという人も、私は二回目の試写では泣きましたので。こんなに泣ける話なんだ、と思いまして。本当に泣ける怖さです(笑) けど見終えてすぐに「怖かった」と言うよりも、一晩おいて、家の中の話なので、家の中で本当の恐怖を味わってもらってから、つぶやいてやってください(笑)そして一人で見るのが怖いという人は、「一人で見るのが怖いの」ということで誘う口実にしていただけたら、と思います(笑)ある種のデートムービーとしての一押しとしてお勧めしますので、これでいいクリスマスと、お正月をおすごしください!」

 
MC:お二人のお話を聞いて映画公開が待ち遠しくなりましたね。映画『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』は来年(年明け)1月30日(土)より、こちら8階のなんばパークスシネマほか全国にてロードショーとなります。ぜひご家族ご友人お誘いあわせの上、劇場にお越しください。これにてスペシャルトークライブは終了させていただきます。本日はありがとうございました。

(プレスリリースより)


『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋』

・原作:小野不由美『残穢』(新潮社刊)第26回山本周五郎賞受賞、2015年7月29日文庫化予定
・監督:中村義洋  脚本:鈴木謙一
・出演:竹内結子、橋本愛、佐々木蔵之介、坂口健太郎、滝藤賢一ほか
・配給:松竹
・コピーライト:(c)2016「残穢-住んではいけない部屋-」製作委員会
・公開日:2016年1月30日(土)~全国ロードショー
・公式サイト:http://zang-e.jp/

 

 

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