朝ドラ絶好調の波留、主演映画を語る『流れ星が消えないうちに』舞台挨拶@テアトル梅田(2015.12.5)
登壇者:波留
~罪の意識や悲しみを越えて、一歩先に進む勇気を描くヒューマンラブストーリー~
発行部数 30 万部を超える橋本紡(『半分に月がのぼる空』)の同名小説を映画化した『流れ星が消えないうちに』が、12月5日(土)大阪で公開初日を迎えた。スタート以来高視聴率をキープし続けているNHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」でヒロインを演じる波瑠が、本作では恋人が突然死してから、家の玄関でしか眠れなくなってしまった主人公・奈緒子をしっとりと演じている。現在の恋人、巧(入江甚儀)と、奈緒子や巧の心に深い悲しみを残し続けるかつての恋人、加地(葉山奨之)との間で揺れ動き、罪悪感に襲われる一方、父(小市慢太郎)や妹(黒島結菜)それぞれの思いを時には不器用にぶつかり合いながら心通わせていく奈緒子に寄り添ったヒューマンラブストーリーだ。
テアトル梅田で行われた公開初日の舞台挨拶では、現在「あさが来た」収録で大阪に長期滞在中の波留が深紅のひざ丈ワンピースに身を包み登壇。満席の客席から大きな拍手が沸き起こった。初めての一人舞台挨拶という波留は、トレードマークの大きな瞳を輝かせながら、長期滞在ならではの大阪エピソードを披露。大阪は活気があって、人が賑やかで、アツイ!と、商店街でも友達のお母さんのような距離感で接してくる大阪のおばちゃんのことをにこやかに話し、「大阪のだしや、うどんがお気に入り」と大阪の食を楽しんでいることを明かした。
もともと原作小説を持っていたという波留は、「きれいだけど切なく悲しい話。正直脚本を読んで辛そうと思った。撮影でも午前は加地君、夜は巧君と二人の間を行き来した。うれしいとか楽しいよりも、罪悪感は人の心に濃く残るもの。その状態で撮影現場にいるのは辛かった」と奈緒子役を演じた心境を語った。一方、若手中心のキャスティングで、一番年上だったにもかかわらず、周りに甘えてばかりだったという波留は、特に妹役の黒島結菜について「しっかりしている妹を持った感じ」と絶賛。人数もスタッフも少なかったがアットホームな現場だったと撮影を振り返った。
ここで、巧役を演じた入江甚儀からのメッセージが代読され、「目に見える大きな一歩は踏み出せなくても、応援してくれる人がいるから大丈夫。そして、動くことでしか見えないことがある。この映画が僕の背中を押してくれたように、今度は僕がこの映画の背中を押したい」と劇中のセリフを交えながら本作への思いが語られた。
最後に「日常の中で人々と触れ合う中で、本当に些細なことで背中を押され、前に動き出そうと変えていける力を人は持っているんですね。そういうメッセージが伝わればいいなと思っています。ご覧になって面白いと思っていただけたら、帰って友達や家族に、もしよかったら電車で隣に座った人に良かったよと言っていただいて、たくさんの人に観てもらえると本当にうれしいです。今日はありがとうございました」と挨拶し、舞台挨拶を笑顔で締めくくった。
(江口由美)
<作品情報>
『流れ星が消えないうちに』(2015年 日本 2時間2分)
監督:柴山健次
原作:橋本紡『流れ星が消えないうちに』 (新潮文庫刊)
出演:波留、入江甚儀、葉山奨之、黒島結菜、西原亜希、岸井ゆきの、八木将康、渡辺早織、古館寛治、石田えり、小市慢太郎
(C) 2015 映画「流れ星が消えないうちに」製作委員会