『Zアイランド』哀川翔、品川ヒロシの爆笑記者会見
◎ゲスト:哀川 翔、品川ヒロシ監督
◎2015年4月25日(土) 堂島ホテルにて
・ (2015年 吉本興業 角川映画 1時間48分 PG-12)
・監督・脚本:品川ヒロシ
・出演:哀川 翔、鈴木砂羽、木村祐一、宮川大輔、RED RICE(湘南乃風)、大悟(千鳥)、川島邦裕(野生爆弾)、山本舞香、水之絵梨奈、般若、篠原ゆき子、シシド・カフカ、河本準一(次長課長)、風間俊介、窪塚洋介、中野英雄、鶴見慎吾
・公式サイト⇒ http://www.z-island.jp/
・(C)2015「Zアイランド」製作委員会
2015年5月16日(土)~大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、TOHOシネマズ二条、TOHOシネマズ西宮OS ほか全国ロードショー
~“ヤクザvsゾンビ”のヒューマンドラマ!? 続編もあり?~
芸人出身の品川ヒロシ監督4作目『Zアイランド』(5月16日公開)が完成し4月25日、品川監督と主演の哀川翔が来阪、PR会見を行った。佐渡島での撮影では地元の方々の協力を得て、予想以上のゾンビが沢山登場した模様。映画同様、製作主旨や撮影の模様などをマジメに語ってくれたが、何分にも沢山の個性派俳優や吉本興業の芸人たちが出演しているので、普通のことでも可笑しく聞こえてしまう。この哀川翔と品川ヒロシ監督のぶっ飛び記者会見が、面白くならないはずがない!
【作品紹介】
芸能生活30周年の哀川翔には、通算111本目の主演作。元やくざ組長だった現運送屋・宗形(哀川)は、抗争でムショ送りになった武史(鶴見辰吾)の娘・日向(山本舞香)の世話をしながら暮らしていたが、武史の出所の日、娘が「父親に会いたくない」と家出。行く先は家族の思い出の地“銭荷(ぜに)島”。宗形、武史と元妻桜(鈴木砂羽)らは島に向かう。同時に宗形と敵対する竹下組の面々(木村祐一、大悟、川島邦裕、中野英雄)らも島へ乗り込む。だが、島では吉田(宮川大輔)が持ち込んだクスリが原因で“謎の疫病”が蔓延。死んだはずの人間が甦るなど、症状はまるでゾンビ。島では感染者がモーレツな勢いで増殖し始め、大混乱に陥る。
―――この映画のゾンビはずいぶん動きが早いが?
品川監督:ゾンビ映画を見終えて、いつもゾンビの速さを気にする。最近のゾンビって速いと思う。
哀川:速いと、この世の終わりを感じるよ。あれだけのスピードだと逃げられないので、受けの芝居になってきて、それが難しい。早さを制御しなくてはならないので、極力からませないようにした。触れないようにしてたんだけど、掴んで離さないことがあって困った。佐渡島での撮影で、佐渡の70歳位のおじいちゃんが、メイクしなくてもゾンビみたいなのに、その上にメイクして「またゾンビかよ!もっと凄くするの?」ってな具合で(笑)。
品川監督:佐渡の人にもたくさん(ゾンビ役で)出てもらったけど、撮影が終わってから、「メイク落としました?」って聞いた位の人もいた(笑)。後姿はゾンビそのもので(笑)。おじいちゃんがなかなか上手くてね。ヨタヨタ歩いて、それだけでゾンビに見えるのに、「私何したらいいですか?」なんて聞いてきたんで、「そのまま歩いとけば大丈夫!」と…。おじいちゃん毎日来て、どんどんメイクも上手くなって、終わる頃にはすっかり元気になっていた。「いいリハビリになった!」って喜んでました(笑)。佐渡の人たちは、みんなゾンビが上手くなったよ。いつでもゾンビやれるよ(笑)。
―――哀川さんは芸能生活30周年記念作品で、ゾンビ映画を選んだのは?
哀川:自分ではゾンビ映画とは思ってない。「ヤクザ対ゾンビ」の映画に、家族愛もからんでくる。普通はピンポイントで攻めるので終わりがあるが、ゾンビは殺しても殺してもどんどん増殖していくので終わりがない。嚙まれたら自分もゾンビになるという、この世界の広がり感がたまらなくて、この話が来たときには「それいいんじゃない?」と一発で決めた。実はゾンビ映画は大好きで、“ゾンビ・ストリッパーズ”という映画が面白くて、感情を持ったゾンビがとても怖かった。それを見て、日本でもヤクザ映画と同じ位置付でゾンビ映画を確立していくべきだと思った。
―――ただのゾンビ映画ではなく、いろんな感情を絡ませるのにこだわった点は?
品川監督:人間ドラマの部分は任侠映画ですね。かつての角川映画にあった『里見八犬伝』や『セーラー服と機関銃』とか『二代目はクリスチャン』や『戦国自衛隊』といった大衆演劇を映画にもってきたような映画が大好きだったので、それに西洋のゾンビをぶつけて、例えば洋食をかつお節のダシでとったらどうなるの?というものを撮りたかった。知り合いがゾンビになった時はどうするか?…西洋だと殺すか閉じ込めるしかないが、日本では独自の方法で表現できるのではないか?と考えて、あのラストシーンになった。
哀川:ゾンビになった元カノを撃てるかどうか? あのシーンはドキッとしたよ。窪塚と風間は対極にあって、現代的なシュールさがとても美しかった。
品川監督:ネタバレになるといけないが、最後の方の翔さんのシーンは日本人の美学を表現した。
――― 笑えるシーンが沢山あったが、それは欠かせないもの?
哀川:なんで宮川と川島が出ているシーンであんなに笑いをとれるのか、よく分かんないだよね(笑)。
品川監督:タイプによって違うけど、海外ではゾンビ映画はパーティー感覚なんですよ。海外の映画祭で上映した時、宮川さんが出てくるシーンでは「ワ~!」ってみな拍手するんですよ。コメディーとしてゾンビ映画を捉えてる。
哀川:決してふざけてる訳じゃないんだけどね。ゾンビは結構役のふり幅が大きくて、やってもやってもやり尽くせない感じがする。
品川監督:笑わせようとは思ってないし、出ている人たちはみんな大マジメ。ゾンビ映画の中でゾンビの話はあまりしないと思う。警察に電話するシーンでも、どう説明したらいいのか…。ゾンビの説明なんかものすごく難しいですよ。リアルな反応が可笑しい。
哀川:台本は設計図だが、本よりも映像の方がずっと面白い。監督はまた役者をその気にさせるのが上手くてね、撮影前に“今日はあなたが主役ですよ”なんてことをポンと言うんだよ。そりゃ役者は張り切りますよ。でも、「今日は哀川さんはあっちで釣りしてて下さい」って言う通りにしたら、「そこ映るから移動して!」だって。「ここで釣してろって言っただろう!?」(笑)
品川監督:その日は哀川さん、アジ50匹釣ってました(笑)。哀川さんは島では毎晩飲んでましたね。夜は9時ぐらいから哀川さんが手品を始めて、眠くなってトランプが手から落ちたら「ハイ、おしまい!」って寝る。いい感じで健康的な毎日。ずっと天気良かったしね。
―――佐渡島を堪能した?
哀川:島は何回も回りましたね。釣りザオ10本持って行って、釣りに精出したら佐渡島の“サカナ大使”に任命された。2度目に行った時に、市長さんから任命された。トビウオやノドグロの美味いこと! 6月の佐渡島は最高ですよ。
品川監督:あまりにもノドグロが美味いんで、映画のタイトルも「ノドグロ」にしろという話も出たぐらい。でも、「それだけはやめてくれ!」と断固拒否した。
―――佐渡島での上映会は?
品川監督:島に映画館はなかったけど、1200人ぐらい入る会場で上映した。2回上映で700人ずつ、計1400人入った。人口6万人の島では大変な数ですよ。
―――こんなに盛りあがったら続編も出来そうだが?
品川監督:次は生き残った人が本土に渡っていく…。最終的には3部作にして、最後はハワイに行きたいな。
哀川:ゾンビは不死身だからね、いくらでもできるよ♪
(安永 五郎)