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橋本愛、大阪初の舞台挨拶に緊張!? 『リトル・フォレスト 冬・春』舞台挨拶

LF-b-550.jpg橋本愛、大阪初の舞台挨拶に緊張!? 『リトル・フォレスト 冬・春』舞台挨拶

ゲスト:橋本愛、森淳一監督
2015年2月21日(土) 大阪ステーションシティシネマにて


  
『リトル・フォレスト 冬・春』

LF-pos.jpg  (2014年 日本 2時間)
・原作:五十嵐大介「リトル・フォレスト」(講談社「アフタヌーン」所載)
・監督・脚本:森淳一 
・フードディレクション:eatrip、 
・音楽:宮内優里、主題歌:FLOWER FLOWER「冬」「春」(gr8!Records)
・出演:橋本愛、三浦貴大、松岡茉優、温水洋一、桐島かれん
・公式サイト⇒ http://littleforest-movie.jp/
・コピーライト: ©「リトル・フォレスト」製作委員会

2015年2月14日(土)~大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際会館、ほか全国ロードショー

 


  

~大阪初お目見え橋本愛の華麗なる転身!
素朴な農業ガールから美しさ際立つ大人の女性へ~

 

LF-s1.jpg東北の山奥で農業しながら女性としても成長していく「いち子」の姿を通して、日本の四季の美しさや大地の恵みの豊かさを再認識させてくれた『リトル・フォレスト』。昨年夏に公開された『リトル・フォレスト夏・秋』に続いて『リトル・フォレスト 冬・春』が先程公開された。最初、「あのツンデレ愛ちゃんが田んぼで草取りしてるよ~!?」と、地道な農作業や山奥での暮らしぶりに素朴な瑞々しさを見せた橋本愛の意外な表情に、驚きと感動を覚えた。汗水流して農作物を育て、収穫した農作物や山の恵みを様々な形で調理して、そして感謝の気持ちを持って美味しくいただく。岩手県奥州市の山奥で約1年かけて撮影された本作は、美しい日本の四季を捉えたしっとりとした映像もさることながら、意外な魅力を発揮した橋本愛の吸引力はかなり大きい。彼女の独白のようなナレーションがまたいい!
 

その橋本愛と森淳一監督が大阪の劇場での舞台挨拶に登壇した。大阪での舞台挨拶は初めてという橋本愛は、藍染め模様のワンピースに長い艶髪を垂らして、ハッとするほど美しく成長した姿を見せた。彼女のナイーブさは演技を見てもわかることだが、こうした舞台挨拶でも質問に対して真摯に答えている様子が伺えた。劇中登場した数々の料理のことや撮影秘話など、さらには2月10日ベルリン映画祭での上映イベントの秘話など、森淳一監督と共に楽しく語ってくれた。
 


  (敬称略)  

――― ようこそ大阪へ! 大阪での舞台挨拶は?
LF-b-di1.jpg森:僕は舞台挨拶には何度か来ています。
橋本:私は初めてです。大阪へはプライベートでも来たことがありません。

――― 大阪で何か味わられたものはありますか?
森:去年の年末にドラマの撮影で1か月半くらい滞在しまして、その時よく食べたおでんです。先ず昼間からよくおでんを食べているのに驚きました。お店もあちこちにあって、それぞれ味も違うしタネも違って、とても美味しかったです。今回愛ちゃんを連れて行こうと思ったのですが、予約がとれなくて残念。

――― 粉もん以外の食べ物を気に入って頂けて嬉しいですね。この映画は美味しそうなお料理が沢山出てきますが、特に印象に残っているものは?
橋本:どれも美味しかったのですが、特に「ひっつみ汁」が美味しかったです。私の出身地熊本にも似たような料理があって、なんだか懐かしくて美味しく頂きました。
:撮影が終わると出された料理をみんなで食べるのですが、いつも奪い合いになってしまって(笑)。監督だからって優先的に食べられる訳ではなく、ちゃんと順番に並んでいました。僕は2色のケーキが美味しかったですね。和と洋の混じり具合が良かったです。

LF-b-i-1.jpg――― キャベツのケーキは本当に美味しかったのですか?
橋本:私は基本的にお砂糖が入っていれば何でも美味しく思っちゃうのですが、三浦さんは「僕はちょっとムリだな」と仰ってました。
森:ソースを掛けて食べると美味しかったですよ。

――― 料理をする橋本さんの指先が、品があってとても綺麗だなと思ったのですが?
橋本:そう言って頂けて嬉しいです。ありがとうございます。

――― パンをこねるなんて難しそうですが、とても手慣れた感じだったのですが、普段から作っておられるのですか?
橋本:いえそんなことはないです。初めてだったのでこねるのはとても難しかったです。
森:フードコーディネーターの人に、「男っぽい」と言われていましたよ(笑)。繊細なんだけど思い切りがいいってね。

LF-b-i-3.jpg――― シーン毎に違う「いただきます」と言うのがとても印象的でしたが、何か監督からの指示があってそうされたのですか?
森:いえ僕は何も指示していません。
橋本:はい、監督からの指示は何もなかったです。あれは「こだわらない」という「こだわり」があって、それぞれのシーンでのいち子の心情や体調とかが色としてほのかに滲み出ればいいなと思ってしましたので、そう感じて下さって嬉しいです。

――― あれほど長いナレーションは初めてですか?
橋本:ホントきつかったです。何時間もスタジオにこもってひとりで喋るというのは大変でした。

――― 映画を導いていく大切な役割ですものね。
橋本:はい、原作はコミックなので、台本だけだとどの視点で喋っているのかよく分からなくて、とても難しかったです。
森:説明のためのセリフと心情面のセリフとは違うので、使い分けるのが難しかったと思いますが、一生懸命やっていましたね。

――― 特に言いにくかったものはありますか?
橋本:しょっちゅう嚙んだりイントネーションを間違えたりしていました。今でも言えないのが「かばねやみ」、「なまけもの」という意味なんですが難しいですね。
森:特に方言は難しいですよね。なかなか覚えられずに苦労していました。

LF-sp2.jpg――― 岩手の地元の方々が沢山出演されていましたが、オーディションとかされたのですか?
森:セリフのある人はオーディションしました。仙台などロケ地から近い所でやりました。特に方言の強い方は地元の方です。

――― 1年に渡るオールロケでしたが、一番辛かった季節は?
橋本:真冬とか真夏はそれなりに覚悟していたのでそんなに大変ではなかったのですが、冬になる前のまだ覚悟ができてない秋とかの寒さは堪えましたね。まだ薄着なのに急に寒くなってしまって。真冬になってしまえば、雪の中でも楽しめました。

――― ベルリン国際映画祭では?
森:去年の夏にはスペインへ行って、この間はベルリンへ行ったのですが、日本の食材や料理にとても興味を持って頂きました。それから、日本にこんなにもはっきりとした四季があることにも驚かれていました。親子関係など人間関係にも自分のことに置き換えて感想を言って下さり、とても好評をいただきました。

LF-sp1.jpg――― 日本の方とは違った見方をされるので、新しい発見もあったでしょうねえ?
森:直接感想を言いに来てくださるので、それが楽しかったですね。
橋本:ベルリンは真冬で曇りの日が多かったせいか、夏と冬の強いコントラストを面白がって見て頂いたようです。

――― 二つ星クラスの有名シェフに特別なお料理を作って頂いたとか?
森:ベルリンでは夏篇と冬編を上映したのですが、それにインスパイアされて作ったという料理をご馳走になりました。微妙な味でした。
橋本:繊細な日本料理に対しダイナミックなドイツのお料理でした。例えば、メインでは瑞々しいおナスにカレー粉に味噌が混ぜられた大胆なソースがかけてあったり、前菜ではウスターソースがベースにあったりと、口の中が面白い感じになっていました。これが食の国際交流か!? って思いました(笑)。

LF-b-i-2.jpg――― 最後にメッセージを。
森: 「リトル・フォレスト」の場を広げて頂いたら嬉しく思います。本日はお出で下さいまして誠にありがとうございました。
橋本:この作品は長い間お付き合いさせて頂いた作品ですので、これからは皆さんに末永く見守って頂きたいと思えるような映画になりました。届くべき人に届いて欲しい、ご覧になった皆さんの心の中で豊かな時間となれば光栄に思います。今日は本当にありがとうございました。
 

(河田 真喜子)

 

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