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『女神は二度微笑む』スジョイ・ゴーシュ監督インタビュー

megami-550.jpg『女神は二度微笑む』スジョイ・ゴーシュ監督インタビュー

(Kahaani 2012年 インド 2時間03分)
監督:スジョイ・ゴーシュ
出演:ヴィディヤー・バーラン、パラムブラト・チャテルジー、ナワーズッディーン・シッディーキー
2015年2月21日(土)~ユーロスペース、3月14日(土)~シネ・リーブル梅田、4月11日(土)~京都シネマ、近日~神戸アートビレッジセンター ほか全国順次ロードショー

★公式サイト⇒ http://megami-movie.com/
 


 

 ~戦いの女神ドゥルガーの化身のようなヒロインが
            夫失踪の謎に迫るサスペンス~

 

megami-2.jpg大きなお腹を抱えた妊婦ヴィディヤ(ヴィディヤー・バーラン)がロンドンからインドのコルカタ(旧カルカッタ)に行方不明の夫を探しにやってくる。地元警察の協力を得ながら、夫が泊まっていたはずのホテルや勤務先を訪ねるが、夫の名前もなければその痕跡すら残っていない。混沌とする街と不気味な組織の影に覆い尽くされそうになりながら、ヴィディヤは果敢にも優れたハイテクの知能と妊婦という女の武器をもって真相に迫っていく。次第に夫の本当の姿が明らかにされるにつれ、ヴィディヤの身にも危険が及んでくる。果たして、夫を見つけることはできるのか?

と言った単純なサスペンスではない。インド版『ゴーン・ガール』のような、失踪事件の裏にひそむ国家組織ぐるみの陰謀がからんでくる。そこで本作の大きな特徴と言えるのが、主人公のヴィディヤである。妊婦という一見弱い立場の存在を活かして、警察やホテルの従業員や周囲の人間を取り込んで協力を得ていく。これは今までにないヒロイン像だ。見ていてハラハラしながら彼女の動向から目が離せなくなる。

megami-3.jpgそして、街は「ドゥルガー・プージャー」という祭りの最中で、ただでさえ人の多い街がさらにごった返してくる。その中に混じって姿をくらますあたりは、祭りで祝われるヒンドゥー教の戦いの女神ドゥルガーがヴィディヤに乗り移ったように見えて面白い。優雅な容姿と激烈な気性を兼ね備えた女神こそ、本作の主人公ヴィディヤにオーバーラップして、とてもエキゾチックなヒロイン像に魅了されることだろう。

本作を監督したのはコルカタ生まれでロンドン育ちのスジョイ・ゴーシュ監督。俳優としても活躍する監督の次回作は、東野圭吾原作『容疑者Xの献身』のボリウッド版を手掛ける予定だとか。なお本作はハリウッドでのリメイクが決まっている。そんなスジョイ・ゴーシュ監督のインタビュー記事を下記にて紹介します。 (河田 真喜子)

 


 
――― 本作はコルカタが舞台となっていますが、コルカタを選んだ理由についてお聞かせ下さい。

megami-di-1.jpg私はコルカタで生まれ育ちました。その為この街のことについて熟知しています。私は以前からコルカタを舞台にした作品を作りたいと思っていましたので、この地を選びました。


――― 主演のヴィディヤー・バーランの存在感が素晴らしかったのですが、どのようにして彼女を主演に抜擢されたのでしょうか?
私はずっとヴィディヤー・バーランと一緒に仕事をしたいと思っていました。この映画の企画が浮かんだときに彼女にアイディアを伝え、それから彼女と相談しながらストーリーを作り上げていきました。

そしてこの役を演じる上で、彼女には多くを説明する必要はありませんでした。彼女は主人公のキャラクターについて私と同じくらい理解してくれていましたし、インドでも抜きんでた女優ですから、自分の役柄をしっかりと演じてくれたのです。


――― インド映画でサスペンスというのは日本人にとって馴染みがなくとても新鮮で驚きました。この作品は監督のオリジナルのアイディアなのでしょうか?
はい、その通りです。このストーリーは私の中で、何年もかけてあたためてきたものです。最初の発想は、私の妻が最初の子どもを出産したときに、一晩で変わった彼女の姿を見たことがきっかけでした。前の夜まで知っていた彼女とは違う、別の誰かに一瞬で成長したのです。それは私にとって大変魅力的な光景でした。突然生まれた責任感、わが子を守ろうとする本能、無条件の愛。それがアイディアに結び付いたのです。

また、主人公のキャラクターについては私の母親がモデルなのです。母は無条件に愛を注ぎ、全力で私たちのことを守ってくれる人です。

母親というものは全く見知らぬ環境の中でどう反応するのか?どのようにして自分自身や自分の子供を守ろうとするのか?このアイディアをヴィディヤー・バーランに相談し、そこから作り上げていきました。
 

――― インド映画というと歌って踊るイメージが強いのですが、なぜそのようにされなかったのでしょうか?
映画は絵画のようなもので、一つ一つの作品に違う色彩や形式が要求されるものです。この映画では、観客がヒロインと伴に彼女の旅や捜索に加わることが求められました。そのため今回は歌や踊りは入れずに、少々ドキュメンタリー的な感じも加えて撮影しました。

 

――― 最近日本では、今までのボリウッド映画のイメージとは異なる多種多様なインド映画が公開されているのですが、今インド映画界は大きく変化しているのでしょうか?
確かにそうです。私は世界がどんどん小さくなっていると感じています。インドの観客も進化していて、より新しい題材を経験することに許容的になっています。彼らは要求が厳しくもあり、そのため私たち製作者は油断するわけにいきません。でもそれこそ進化そのものだという気がします。私たちは進歩するために常に変化する必要があるのです。


――― 巡査役ラナを演じたパラムブラト・チャテルジーも素晴らしかったです。どういう経緯で彼を抜擢されたのでしょうか?
彼はベンガル語圏の映画界で人気のある俳優です。そしてこの映画にとって、彼は命の恩人なのです。実は当初、このラナの役は他の俳優が演じるはずでしたが、直前で出演できなくなってしまいました。そのときチャテルジーはイギリスにいたのですが、彼に電話をして相談したところ翌日なんと帰って来てくれて、そのまま撮影に参加してもらうことができました。彼は本当に素晴らしい俳優です。私は今でも、一晩で全てがうまく行ったことに驚いています。
 

――― ハリウッドリメイクが決まったと聞きました。ハリウッドリメイクとされたことについてどのようにお考えですか?
私はハリウッドリメイクのプロジェクトには関わっていないのですが、とても嬉しく思っています。本作と同じような面白さをもった作品になったらと期待しています。

 

(プレスリリースより)