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「時間は取り戻せないから、一日一日全力で生きて」中村獅童、小西真奈美、竹永典弘監督が登壇『振り子』舞台挨拶@TOHOシネマズなんば

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「時間は取り戻せないから、一日一日全力で生きて」中村獅童、小西真奈美、竹永典弘監督が登壇『振り子』舞台挨拶@TOHOシネマズなんば(2015.2.23)
登壇者:中村獅童、小西真奈美、竹永典弘監督
 

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 お笑い芸人から、今やパラパラ漫画家として精力的な活動を続けている鉄拳が2012年に発表した「振り子」。再生回数300万回を記録し、大きな話題を呼んだ4分半の動画から、昭和・平成と移り変わる世の中を映し出しながら、そこで生きる波瀾万丈な夫婦の姿を振り子時計に重ねて綴った感動作が誕生した。
 
 
 本作で真っ直ぐで不器用な夫・大介を演じた中村獅童、献身的で常に笑顔を絶やさない妻・サキを演じた小西真奈美、そして脚本も担当、本作が長編デビュー作となる竹永典弘監督がTOHOシネマズなんばで行われた『振り子』舞台挨拶に登壇。満席の客席から大きな拍手で迎え入れられた。
 
 

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 初めて鉄拳の原作を見たときの感想を聞かれ、「とても感動して泣いた。母が亡くなった後すぐにいただいたお話なので、過ぎ去った時を取り戻す思い出深い時間だった。小西さんは本当にサキではないかと思うぐらいいつもニコニコしていた」(中村)、「原作のパラパラ漫画も知っていたが、本当に脚本が素晴らしかった。よくサキは尽くす女性と言われるが、ただただ大さん(大介)のことが好きなのだと思う」(小西)と作品づくりについての話にも及ぶと、竹永監督は「この夫婦は底抜けに明るく生きている。中村さんと小西さんの二人が(セットの)居間にポンと入ると、昭和の居間が出来上がっていた。二人の演技をモニターから見ながら、何度も涙を流してカットを切れない時があった」と主演二人の演技を絶賛した。
 
 

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 パラパラ漫画を映画にするときに難しかった点を聞かれた竹永監督は「4分半しかないパラパラ漫画に男の後悔のライフストーリーが入っている。セリフのない空間にどんどんセリフが浮かび、家族の人生を描いた」と意欲的に取り組めたことを明かした。
 
 また自身が演じた大介について、中村獅童は「奥さんに甘えているけど、いいところは自分に真っ直ぐに生きている部分。不器用なところもどこか共感できる。時間は取り戻せないから一日一日全力で生きなければ」と実感を込めて語った。
 
 一方、大介のようなダメ男を結婚するときに選ぶかと聞かれた小西真奈美は「そんなに(大介は)ダメじゃない。感情の起伏がワシャーっとくるけれど、その後の獅童さんの表情に『やっちゃったなー』みたいな後悔の念が浮かんで、ダメっぽいけど愛らしい。大さんみたいな人は素敵だと思う」とまさにサキが乗り移ったかのようなコメントを披露すると、竹永監督から「小西さんの手相を見たら、頭脳線が足りなかった。生命線は黒柳徹子さん並に長いのに」との思わぬ応酬に会場も爆笑。大介のキャラクター話で盛り上がったところで、中村獅童が「女性のお客さんは後半にかけて本当にイラッとくると思う。感情移入して観てほしい」と作品をアピールした。
 
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 最後に「沖縄国際映画祭など、映画祭以来はじめて観ていただけるのでうれしい」(小西)、
「主演二人の演技と、70年代から元気のある80年代、ミレニアムを迎える90年代まで描かれている時代にも注目して、100分間楽しんでいただければ」(竹永監督)、
「私たちの愛情がたっぷりと詰まった作品。仕掛けもアクションもない地味な映画だが、昭和の時代にあった人との出会いやぬくもり、日本特有の義理人情がこの映画に生きている。昭和をよくご存じの方もご存じない方も何かを感じ取ってくれればうれしい。もしかしたらこんな夫婦いるのかもしれないし、いないのかもしれない。観終わった後に、童話を読んだ後のように優しい気持ちになってくれたら」(中村)と万感の思いを込めた挨拶で締めくくった舞台挨拶。
 
 男の弱さや脆さを全て受け止めるサキと、その包容力に甘え過ぎてしまう大介の夫婦が、振り子時計の振り子のようにお互いの辛い時を支えた後に起こる奇跡に涙する感動作だ。
 
(江口由美)
 
 
 

<作品情報>
『振り子』(2014年 日本 1時間40分)
監督・脚本:竹永典弘  
出演:中村獅童、小西真奈美、石田卓也、清水富美加、板尾創路、苗木優子、松井珠理奈(SKE48╱AKB48)、鈴木良平、中尾明慶、研ナオコ、小松政夫、山本耕史(友情出演)、武田鉄矢(特別出演)
公式サイト⇒http://furiko.jp/
2015年2月28日(土)より角川シネマ新宿、池袋シネマ・ロサ、TOHOシネマズなんば、T・ジョイ京都ほか全国ロードショー
(C) 2014『振り子』製作委員会
 

 

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<ストーリー>
1976年、不良に絡まれていたところを大介に助けられたサキは、大介に一目惚れして猛アタック。相思相愛になった二人は反対するサキの親をなんとか説得し、19歳で結婚する。おしどり夫婦のような仲睦まじさで、娘・心晴も誕生し幸せに満ちた日々だったが、大介が詐欺に遭い、二人でコツコツ頑張ってきたバイク屋をたたんでから、夫婦の歯車が狂い始める。大介は転職先で女をつくり、朝帰りを繰り返すようになるが、サキは辛い目に遭いながらも常に笑顔を絶やさなかった。99年リストラされた大介は就活もうまくいかず、飲み屋で酔いつぶれて家に帰ると、サキが脳梗塞で倒れていた…。
 

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