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偽オカマで魅了しちゃう!?『小川町セレナーデ』大阪初日舞台挨拶

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偽オカマで魅了しちゃう!?『小川町セレナーデ』大阪初日舞台挨拶
(2014年10月18日(土)シアターセブンにて)
ゲスト:須藤理彩、藤本泉、原桂之介監督
 

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『小川町セレナーデ』
(2014年 日本 1時間59分)
監督:原桂之介
出演:須藤理彩、藤本泉、安田顕、小林きな子、高橋洋、阿部進之介、濱田ここね、大浦龍宇一、金山一彦、大杉漣(特別出演)他
2014年10月18日(土)~シアターセブンにて絶賛公開中
公式サイト⇒http://ogawacho.com/
(C) 2014「小川町セレナーデ」製作委員会
 

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昭和の香りがするスナック「小夜子」を舞台に、ちょっと不思議な面々が集まる、味わい深くて温かい家族ドラマが誕生した。女手一つで娘を育てるシングルマザーの真奈美と、スナックと同じ名前であることを嫌がり、町を出た一人娘小夜子、そしてかつて真奈美が働いていたオカマショーパブのスターダンサーであり、小夜子の実の父親であるエンジェルらが織りなす『小川町セレナーデ』。
 

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須藤理彩が演じる真奈美の一人で子どもを育てる覚悟や、藤本泉演じる小夜子のスナック小夜子再建をかけた偽オカマ修行ぶり、そして安田顕演じるエンジェルの真奈美や小夜子との絶妙な距離感やオカマならではの悲哀など、スナック小夜子の運命と共に綴られる家族の行方から目が離せない。また、昭和風スナックから一転して煌びやかなオカマショーパブに転じるスナック小夜子とそこで歌って踊られるダンサブルなナンバーの数々も楽しめる。既に公開されている東京では「エンジェルさんの姿を自分に重ねて涙が止まらなかった」というオネエサマの声から、真奈美や小夜子に共感したという声まで、様々な反響が届いているという。

 

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関西での公開初日となった10月18日(土)、シアターセブンにて初日舞台挨拶が行われ、本作が初監督作となる原桂之介監督、須藤理彩、藤本泉が登壇。立ち見も出る満席となった会場から大きな拍手が沸き起こった。まず最初に「現在京都にて撮影中で、初めて京都から新幹線で新大阪入りという贅沢な来阪を果たした」(須藤)、「関西に親戚がいるのでプライベートではよく訪れているが、舞台挨拶では初めて」(藤本)、「『どついたるねん』など阪本順治監督の初期作品が大好きなので、大阪も大好き」(原監督)と大阪舞台挨拶の感想が語られた。

 

 
 

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シングルマザーとしてスナックを切り盛りしながら娘を育てた真奈美の役作りについては、「私自身も現在子育て中だが、真奈美は私以上に『一人で子どもを産んで育てる』覚悟があり、きっと心の中に秘めたことや辛いことを抱えている女性。演じる上では、いかに誰もいない時にふと見せるような表情で真奈美の心情を表現するかに苦労した」(須藤)とキャラクターの内面を掘り下げて演じたことを明かした。一方、訳ありの両親から生まれた小夜子の役作りについては、「小夜子は小さなときからコンプレックスを抱えて大きくなった娘。私自身演じながら、この家族はどうなるのかと現場でも思っていた。須藤さんと安田さんが現場を離れても同じような距離感で接してくださった結果が演技にも出ていると思う」と藤本が語れば、「親子は成長していくと微妙に離れていく時期があり、真奈美と小夜子は少し距離をとっている感じ。逆にエンジェルと小夜子の方が本当の親子のように女子トークができたりする。とても面白い関係」(須藤)と小夜子を中心にした父親、母親との関係にまで話が及んだ。

 
 

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途中で、10月21日(火)に23歳の誕生日を迎える藤本泉に、原監督と須藤さんからバースデイケーキがプレゼントされるサプライズも。感激の面持ちでの記念写真の後、「撮影中は1館しか上映が決まっていなかったが、今では25館で上映されるまでになった。絶対満足していただける自信がある作品なので、ぜひ一人でも多くの方に観ていただいて、勧めていただきたい」(須藤)と熱のこもった挨拶で舞台挨拶が締めくくられ、改めて会場からは温かい拍手が送られた。

 
 
 
 
 
 

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作品の舞台となった1階が店舗、2階が自宅のスナック小夜子は、「役作りが必要ないのではと思うぐらいの生活感がそこにあり、役者として非常にありがたい空間だった」(須藤)、「現場の空気が小夜子を作ってくれた。スナック部分も細かいところまで作り込まれていて、最初入ったときに驚いた」(藤本)と、その作り込み具合も注目ポイントだ。また、物語の後半部分では須藤が「最初に台本をいただいたときから、とことんそのワンシーンのために考え抜いた。20年近く女優という仕事をしているが、初めて『私の考える真奈美は・・・』と思いを伝えた」と語る、小夜子とエンジェルを巡る心に残るシーンも登場する。どんな現実も受け止め、自分らしく逞しく生きていくスナック小夜子の面々や、訳ありだけど素敵な家族に、きっと心掴まれることだろう。(江口由美)
 

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