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『柘榴坂の仇討』舞台挨拶

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『柘榴坂の仇討』舞台挨拶レポート

201499日(火)『柘榴坂の仇討』プレミア試写会が、丸の内ピカデリーにて開催、大阪の「なんばパークスシネマ」、名古屋の「ミッドランドスクエアシネマ」、岡山の「MOVIX倉敷」の3会場で、「UP!!!PREVIEW」の協力の元、同時刻に試写会が行われ、舞台挨拶の模様は3劇場を結んで同時生中継配信されました。

広末涼子さん、真飛聖さんは男性を影で支える役どころに合わせ控えめで上品な淡い着物に身を包み、登壇の男性陣はスーツとフォーマルな衣裳で登場。キャストが登壇するとともに雪がチラつく演出がなされ、夏の会場は一瞬で雪景色となりました。

中井貴一さんは、“現代の侍”について聞かれると、世界で闘うテニス界の星、錦織圭選手についてお話し「スポーツは本当に孤独。海外でコートに立つ孤独感は半端じゃない。彼はまだ夢の扉を開いた所だと思います。これからは"負けてニュースになる選手"になって欲しいなと思います。」と語りました。


 
【完成報告記者会見概要】
■日時:99日(火) 19:0019:30 (上映前)
■会見会場:丸の内ピカデリー
■登壇者(敬称略):中井貴一、阿部寛、広末涼子、真飛聖、若松節朗監督、浅田次郎(原作者)
■MC:八雲ふみね


  (敬称略)
――― まずは、主人公、井伊大老の近習(きんじゅう)で、主君を討たれた後、仇を探し続ける彦根藩藩士の志村金吾(しむら・きんご)を演じた中井喜一さんからご挨拶をお願いいたします。
zakuro-550.jpgのサムネイル画像中井: 920日にこの映画は公開になりますが、なるべく全国を歩いてひとりでも多くの方に映画をご紹介したいと思い地方周りをしております。地区ごとに色々な良い反応を頂いております。本当に恐い位反応が良いんです。この辺りで兜の緒を締めて行きたいと思っております。今時代劇というものが、不振と言われておりますが、真っ正面から日本人の心を映し出したつもりです。是非ゆっくりとご覧になって、何を感じるか、今度どこかでお会い出来る事があれば、是非教えて頂きたいなと思っております。どうもありがとうございます。 

――― 井伊大老を暗殺した最後の生き残り、身を隠して暮らす水戸藩藩士・佐橋十兵衛(さばし・じゅうべえ)を演じた阿部寛さん、 ご挨拶をお願い致します。
阿部:この作品は久しぶりの時代劇でしたが、貴一さんがこの役をやられるという事で、是非にとお話を受けました。今回は敵の役なので、撮影現場に入る前、貴一さんには事前に“現場では近寄らない様にします”とお話をしていて、約2週間撮影が一緒なので覚悟していたんですが、初日トイレで会ってしまいまして…(笑)この覚悟や緊張感が作品に出ているのではないかと信じています。是非楽しんで下さい。

――― 夫の志村金吾を信じ、覚悟を秘めながら、添い遂げようとする妻、セツを演じたのは広末涼子さんです。広末さん、ご挨拶をお願い致します。
広末:私も本当に背筋が伸びる、心洗われる素敵な浅田先生の作品に参加出来、武士道、侍の生きる道を貫く覚悟とプライドのある金吾さんの妻を演じさせて頂き本当に幸せだなと改めて実感しました。今日はしっかり、たっぷり堪能して下さい。ありがとうございます。

――― 同じ長屋に住み、影のある佐橋に心を動かされる 子持ちの寡婦(かふ)、マサを演じました真飛聖(まとぶ・せい)さん、ご挨拶をお願い致します。
真飛:時代劇初挑戦、そして宝塚時代は男役をやっておりましたので、本当に何も分からず、監督からも歩き方から、ちょっと男っぽ過ぎるとか本当に沢山の事を教わりながら日々勉強の撮影でした。登場人物の心に秘めた思いが本当に切なくて心に沁みる素敵な作品だと思いましたので、皆様もどうぞ楽しんで頂けたらと思います。本日はありがとうございます。

――― 最後に、本作のメガホンを取りました若松節朗監督、 ご挨拶お願い致します。
若松監督:こんなに大きな人たちを画面に入れるのが大変でした。(会場から笑)取材を受けている時にすごく美しい時代劇ですねとおっしゃった記者の方がいまして、情景や雪ではなくて、登場している俳優達の生き様がとても美しいと言っていただいたのではないかと思います。思いを胸に秘めて、ずっと押さえた芝居をしてくれました。ハラハラ、ドキドキ、サスペンス感たっぷり、そして最後は感動のエンディングを迎えます。どうぞ皆様お楽しみにしてください。

――― 広末さんと真飛さんは本日は素敵な和装でいらっしゃいますね。本作は本格的時代劇です。 を演じるにあたって時代劇ならではの準備や心構えなどありましたか? 中井さんは時代劇出演は多数出演されてますがいかがですか?
中井:映画というものは大きな嘘はついても小さな嘘はつかないというのが僕のポリシーでして、なるべく時代劇として伝わっている所作なんかは美しくありたいなと心がけました。

――― 阿部さんは久しぶりの時代劇、 いかがでしたか?
阿部:僕は車引きの役をやらせて頂いたんですが、車引きはとても難しかったです。現代の人力車というのはタイヤがゴムなんですが、昔の車は木で出来ていて、撮影現場に行って木の車を引く感覚に慣れる為に、マネージャーさんを後ろに乗せたりして撮影所をぐるぐる回って練習しました。

――― 広末さんは時代劇映画は初めてですが、いかがでしたか?
広末:監督はもちろんの事、皆さんには撮影前、“本当に新人だと思って所作指導を付けて下さい”とお願いして撮影に入りました。現場でも所作指導の方に付いて頂いて、中井さんのおっしゃる通り小さな嘘をつかない様に、そこで嘘が見えてしまうと、違和感が映像に出てしまってはいけないと、自分にプレッシャーをかけながら演じさせて頂きました。

――― 真飛さんは男役時代と違って大変だったということですがいかがですか?
真飛:時代劇は初めてで、武士にはなったことはありましたが、女性として着物を着て演じるというのは初めてでしたし、所作のご指導もして頂いたんですが、監督には“勇ましすぎるからもう少し腰を据えて”など何度も、何度もご指導頂いたおかげで、何とか女性としてマサとして入れるようになったんですが、反省してばかりでした…(笑)

――― 夫婦役の中井さんと広末さんは初共演影中はとても仲が良かったと聞いてます。夫婦役を演じていかがでしたか? 二人は撮影中どんな話をしながら夫婦を作っていかれたのでしょう?
zakuro-2.jpg中井:いい雰囲気の役作り…(広末さんに)いいこと言ってみて。(笑)
広末:中井さんと阿部さんは、現場ではかたくなに言葉を交わされず、意地を張る位、中井さんが寂しいと思われるくらいお話をされなかったらしいですけど…
中井:本当に久々に寂しいと思いましたね。(笑)初日にトイレのドアを開けたら、阿部さんが歯を磨いる阿部さんがいて…閉めるのもおかしいし、そのまま入って “おはようございます”とそれだけですからね。久々に寂しいと思いましたね。(笑)
広末:役のお話とかストーリーみたいなものはお話していませんが、現場では中井さんはずっと金吾さんのままなんですね。ONOFFが見えないというか、現場でも姿勢を正していらっしゃってるので金吾さんの生き様が見えてくるんです。そのおかげで自然とセツになれました。セツの生き方は金吾さんの後を三歩下がってついていくんだなとか、支えるついていくというのはこういう事なんだなと自然に感じさせて頂きました。

――― 中井さんはいかがでしたか?
中井:この映画のお話を頂いた時はまだセツという役が決まっていなかったんですが、海外に仕事で行った時に飛行機の中で映画を見たところ、劇中に広末さんが出ていらっしゃったんです。そしてあるワンカットを見たとたんにセツという役は広末さんだなと思いまして、仕事から戻ってきてすぐ監督とプロデューサーにお会いして、セツを広末さんにお願いしてもらえませんか?と言って広末さんにやって頂いたんです。その経緯もありまして望みが叶ったんです。
広末さんには“何を見て選んで頂いたんですか?”と聞かれて、そのワンカット以降覚えていないんです。(笑)何を見たかも覚えてないんです…申し訳ありません…。(笑)

監督:中井さんは広末さんをじーっと見つめていましたね。惚れているんですね。(笑)

――― 中井さんと阿部さんは「麒麟の翼―劇場版 新参者」以来の競演で、しかも今回は対峙する役です。 久しぶりの共演は如何でしたか?
阿部:僕はワンカットしかご一緒してないんですが、撮影が霊安室で亡くなっているというシーンで、中井さんが初日だったので、みんなで挨拶をしようとしていたら、なかなか現れないんですよ。あれ?遅刻しているのかな?と思っていたら、霊安室の中で白い布をまとって台の上で待っていてくれたんです。役者の気持ちを作る為にそうやって待っていてくれたんですね。こうやって現場をつくって下さる方なので、僕も気を引き締めて入って行こうと思いました。

――― この作品、本格派時代劇ということで、現代の侍と言えば中井さんどなただと思いますか?

中井:錦織くんだって侍だと思います。僕たちも海外でお仕事をさせて頂く事があるんですけど、スポーツは本当にすごく孤独なんですよね。いくらチームがあるとはいえ、僕もテニスをやっていましたからコートに立ったの孤独感は半端じゃないんです。彼らのテニスは僕らからすると超人的なレベルにあって、神様に与えられた者のテニスの世界。動体視力は考えて動く範囲じゃなくて、体が動く範囲のレベルにある人だけが立てる世界であって、絶対に日本の男子が無理だと言われていたところに入ったので本当に素晴らしいと思います。彼はまだ夢の扉を開いた所だと思います。これからは“負けてニュースになる選手”になって欲しいなと思います。

――― さて、実は本日はもうおひと方、ゲストにお越し頂いております。 早速ご紹介いたします。本作、「柘榴坂の仇討」の原作者、浅田次郎さんです。どうぞ盛大な拍手でお迎えください!
浅田さん、今日はこの試写会と時を同じくして大阪、名古屋、倉敷でも「柘榴坂の仇討」 の試写会が行われております。現在この様子が同時生中継配信されておりますので全国の皆さんにご挨拶をお願い出来ますでしょうか?

浅田:ずいぶん昔に書いた短くささやかな小説なんですが、若松監督をはじめ皆様に素晴らし映画に仕上げて頂きました。作家冥利に尽きるというものでございます。全国の皆様よろしくお願い致します。

――― 浅田さんはこの映画を既にご覧になったそうですが、 ご感想をお聞かせ願えますか?
浅田:とても短い小説なんですね。原稿用紙をまだ使っているんですが、原稿用紙で400字詰め50枚程度のもので、それを素晴らしい脚色であんなに立派なストーリーにして頂けるなんて思ってもみませんでした。本当に素晴らしい日本の映画にして頂けたと思います。

――― 主役の中井貴一さんは、浅田さんの小説「壬生義士伝」でも主役を務められてます。 中井さん、浅田次郎さんの物語の魅力は何でしょうか?
中井:僕が全てを語れるわけではないんですけど、その時代に生きた偉人伝ではなくて、その時代に生きた一輪の花にスポットを当てて書いていらっしゃるということで僕はすごく共感出来る感じが致します。
広末:私も『鉄道員』しかり、すごく泣いてしまったんですけど、その涙が悲しい辛いものではなくて、本当に不思議な温かい空気に包まれる、爽やかな涙というか、どう表現していいのか分からないんですが、本当に不思議本だなと思いました。

――― 浅田さんがどのシーンで登場されるか、皆さん楽しみにして下さいね! 最後に、主演の中井貴一さんよりこれから映画をご覧になる皆さまにご挨拶をお願い致します。
中井:ここ数年、時代劇があまり良くないという時代が続いています。そんな中、飛び道具を一切排除して真っ向から日本人の心を捉えた映画になっています。我々の世界で、時代劇という灯をともし続けなければいけません。これは日本の文化でもあると思っています。どんなに灯火が小さくなっても、作り続けるのは僕たちの使命だと思います。多くのお客様に見て頂くことが時代劇を作ると言う事に繋がります。今回『柘榴坂の仇討』だけではなく、時代劇を多くの方に見て頂き、時代劇そして邦画が良くなる事を心から願います。今日、公開前にこの作品を見て頂いたと言う事は、この場にいる皆さんは宣伝部の一員になります。今日から皆さんは我々の側に立ちます。もし面白くなければ、見た事を忘れて下さい。(笑)面白いと思って下さる方がいれば、お友達一人でもふたりでも結構です、お声がけして頂いて映画館に足を運んで頂けたら幸せです。

――― 以上どうもありがとうございました。


 『柘榴坂の仇討』
原作:浅田次郎(「五郎治殿御始末」所収 中央公論新社刊/新潮文庫刊),
監督:若松節朗 脚本:高松宏伸 飯田健三郎/長谷川康夫 音楽:久石譲

出演:中井貴一 阿部寛 広末涼子 高嶋政宏 真飛聖 吉田栄作 堂珍嘉邦
近江陽一郎 木崎ゆりあ 藤竜也 / 中村吉右衛門
配給:松竹 公式HP: http://zakurozaka.com/
コピーライト:©2014映画「柘榴坂の仇討」製作委員会
2014年9月20日()~全国ロードショー

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