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野村周平、観客が近すぎて足が震えた!『クジラのいた夏』完成披露試写会大阪舞台挨拶

kuzira-b-550-2.jpg『クジラのいた夏』完成披露試写会大阪舞台挨拶レポート(2014.1.25 御堂会館)
ゲスト:野村周平、松島庄汰、浜尾京介、松岡卓弥、吉田康弘監督
kuzira-1.jpg(2014年 日本 1時間29分)
監督:吉田康弘
出演:野村周平、松島庄汰、浜尾京介、松岡卓弥他
2014年5月3日(土)~シネマート新宿、シネマート心斎橋 他全国順次公開
公式HP→
http://www.kujira-movie.com/
(C)2014「クジラのいた夏」製作委員会

 この春シネマート新宿、シネマート心斎橋をはじめ全国順次公開される今人気急上昇中の人気俳優 野村周平主演最新作『クジラのいた夏』の完成披露試写会&イベントが大阪御堂会館で開催され、チューヤ役の野村周平、J役の松島庄汰、ギズモ役の浜尾京介、町田役の松岡卓弥と主役のイケメン4人組と吉田康弘監督が勢揃いした。

kuzira-ni-1.jpg 本作は青春映画『江ノ島プリズム』(13)がスマッシュヒットした吉田康弘監督(写真左)が再び野村周平とタッグを組み、目的は特にないけれど上京しようと決めた田舎の大学生と、高校時代の悪友3人が織りなす男の友情やモラトリアムな時期の揺らぎを描いた青春群像劇だ。チューヤの送別会と題した悪友たちの計らいで、チューヤの元カノ巡りから、チューヤが憧れていた先輩と再会を果たし、上京する気持ちが揺らぐ様子はまさにヘタレ男子だが、出来すぎた再会の顛末を知ってひと騒動起こってから4人が本音をぶつけ合うシーンや、夜の海ではしゃぎ合うシーンは、青春映画そのもののアツさと爽快感がある。

 

 


 舞台挨拶では、浜尾京介以外は吉田康弘監督も含めて全員関西出身というだけあり、楽屋トークのようなノリの良さで、最前列からびっしりと埋まった女性客からも歓喜の声が上がっていた。

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 観客との距離の近さに、野村周平は「足がすごく震えてるんです」とガクガク震える膝が注目を浴び、いきなり笑いを誘うと、印象に残るシーンはとの問いに「ところどころ出てくるおじいちゃんがすごくいい味を出していて、あの人たちは素で芝居をしてもらっていたのですごく楽しかったです」(野村)、「チューヤとぶつかり合う階段のシーン、感情がぶつかり合うところがすごく好きです。海とか楽しかったよね」(松島)、「ラストの海、みんなで楽しむところが、男の友情が隠れていてグッときました。朝4時ぐらいから撮影したのでナチュラルハイでした」(浜尾)、「プールのシーンが、人生で一番暑かったのではないかというぐらい暑くて。映画ではだんだん黒くなっていったと思いますが、暑かったことしか印象に残ってないです」(松岡)とそれぞれの個性が滲む回答が飛び出した。

 

kuzira-matusima-1.jpg 昨年8月の一番暑いときに8日間で撮影というハードスケジュールだったそうだが、東京のスタジオでリハーサルの時間を多めに取ることで、4人の関係性がきちんと作れたことでスムーズに撮影に臨め、4人ならではの空気感が出せたと語った吉田監督。富山や群馬など都心と違って、地方ならではの風景を撮りたかったと、松島庄汰演じるJの髪型(金髪)を「プリン」と称しながら、地元感をそれぞれの役作りにも反映させたことを明かした。また、チューヤが身につける赤フンドシも、「チューヤが東京に持っていきたいと思うぐらい使い込んだ色でなければと、赤色の色合わせにもこだわった」とエピソードを披露し、笑いを呼ぶ場面も。

 

 

kuzira-ha-2.jpg それぞれの役柄を一言で表現すれば?との問いには「チューヤは東京にも出ていけないし、好きな子にも告白できないし、意気地なしですよね」(野村)、「Jはとりあえずアツい!ですね。アツくて友達思いです」(松島)、「一言で言えば“変”ですね。坊主の息子で、一人っ子であまり色々な経験をしていないのかなと、言葉やしぐさがおかしいと思っていたので」(浜尾)、「むっちゃ考えたんですけれど、“KY”という言葉しか思いつかないです。僕自身もそうですが、皆が真剣なところで携帯電話を受けたり、空気をパッと替えてしまうというか。でも町田は優しいから”優しいKY”に変えます!」(松岡)と、吉田監督も納得のキャラクター把握ぶりに会場からも拍手があがった。

 

kuzira-matuoka-2.jpg さらに吉田監督の印象を聞かれると、「リハーサルのときは引っ張ってくれるし、言うべきところは言ってくれ、僕らの意見も聞いてくれて兄貴のような存在でした」(野村)、「役者のことを考慮してくれるいい監督です。最初、井筒監督の弟子とお聞きしていたので、怖い人がくるかと思っていたのですが、真逆の雰囲気の監督ですごく芝居がしやすかったです」(松島)、「神様だと思います。監督が一番疲れているのに声をかけて引っ張って下さって。一番印象に残っているのが、本番前に『みんなリラックスして!』と言ってくれるのがすごくうれしかったです」(浜尾)、「僕は初めて映画に出させていただいて不安を抱えていたのですが、監督は僕らの意見も聞いてくれて、僕ら役者と対等に話をしてくれ、一緒の気持ちでやってくれたのがうれしかったです。後、クジラの絵も監督が手伝ってくれ、素晴らしいなと思いました」(松岡)と4人とも吉田監督を絶賛し、撮影の様子がそのまま伝わってくるような暖かい雰囲気に包まれた。

 

 

 

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 最後には、舞台挨拶恒例のフォトセッションが行われ、野村周平、松島庄汰、浜尾京介、松岡卓弥の4人と吉田監督が勢揃い。映画では地元感たっぷりのちょっとダサい20代男子を演じていた4人だが、スーツ姿で颯爽と現れた4人が目の前に立つと、絵になること半端ない!2月いっぱいで芸能界引退を報道された浜尾京介に大阪で会える貴重な機会ともなった完成披露試写会。劇場公開はまだ先だが、女子には分からない男の友情や、悶々とした胸の内、男の夢など、バカバカしくもどこかロマンチストな男心に触れる青春群像劇は、観終わった後「なんやかんや言って、アイツら仲が良くて羨ましいな」と思えるような微笑ましさに満ちていた。
(江口由美)
 

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